概要 - 岡山大学医療系キャンパス 医療系総合案内

生体制御科学専攻 生体機能制御学講座
細胞組織学分野
Department of Cytology and Histology
二百以上の細胞種から構成されるとされるヒトの体ーその病気の
原因や治療法を探索するために、分子組織学的方法により細胞の
型を同定し、細胞の機能分化のメカニズムを解明しています。また、
組織再生・リモデリングの基礎的・応用的研究も行っています。
図1. 視床下部に存在する
オプシン5ニューロン
図2. 再生組織での細胞増殖
図3. 細胞死促進因子Pumaの
視神経細胞(C38陽性)におけ
る発現局在
図4. 2次元電気泳動法による
骨形成分子の探索
脊椎動物の眼の網膜は形態的、機能的に多様な細胞から成り、細胞分化を
研究するよいモデル系です。哺乳類の網膜には50種類以上の細胞型がある
とも言われ、網膜細胞の形態と機能の分化を決める詳細なメカニズムについ
ては解明されていません。最近われわれは、機能が未知の視物質オプシン様
蛋白質が古典的視細胞以外の網膜や脳などの少数の神経細胞集団に発現
することを明らかにしました (PNAS, 2010; PLoS ONE 2012)。これは、新しい
光受容細胞が神経系に存在することを示唆しており、オプシン5などの生体内
での機能を明らかにするとともに、これら光受容蛋白質遺伝子の発現制御機
構を明らかにすることで、細胞分化の基本的なしくみを解明していきます。
ヒトの再生能は低く、手足を失うと再生しませんが、多くの昆虫は脚を切断され
ても再生します。ヒトと昆虫は全く違う生き物ですが、遺伝子の多くは共通であ
り、昆虫が新しい遺伝子を獲得することで再生可能な生物へと進化したわけ
ではありません。昆虫の再生を制御するメカニズムを解明し、得られた知見を
ヒトにフィードバックすることで高等脊椎動物の器官再生の可能性を探ります。
哺乳類では視神経が傷害されると再生することはありません。視神経の傷害
部位に末梢神経片を外科的に移植すると、移植片の中に視神経が再伸長し
ます。視神経再生の臨床応用を目指して、新しい移植法として栄養血管付きの
末梢神経片移植により、視神経再生の促進を目指しています。また視神経再
生や細胞死に関わる分子の探索を行っています。
私たちの骨は、実は絶えず代謝しています。骨をつくる細胞を骨芽細胞、骨を
溶かす細胞を破骨細胞と言います。これらの細胞の機能的異常は、骨粗鬆症、
骨形成不全、関節リウマチや骨髄炎などの炎症による骨溶解、といった疾患や
病態の原因となっています。そしてこれら疾患は、未だ十分な治療法が開発
されておりません。私たちは、骨の代謝を調節する事ができる新規の分子を
探し その成果をこれら疾患の治療に結びつけたいと考えています。
探し、その成果をこれら疾患の治療に結びつけたいと考えています。
:細胞組織レベルの形態学的解析を大切にしながら、遺伝
子工学、発生工学、細胞生物学、分子生物学的アプローチで実験を行います。
問い合わせ:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 細胞組織学分野 (大内淑代)
〒700 8558 岡山市北区鹿田町2-5-1
〒700-8558
岡山市北区鹿田町2 5 1 基礎研究棟3階
tel. 086-235-7083(演習室) fax.086-235-7079
E-mail: [email protected] URL:http://square.umin.ac.jp/oka-anat/
Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, OKAYAMA UNIVERSITY