重度要介護者対応 個別機能訓練評価表及び計画書記載マニュアル 社団法人日本柔道整復師会 社団法人日本柔道整復師会 個 別 機 能 訓 練 評 価 票 記 載 マニュアル 1.個 別 機 能 訓 練 評 価 票 の特 徴 (1)分 類 原 則 として、ICFに基 づいた分 類 方 法 を採 ってる。すなわち、ICFでは心 身 機 能 ・構 造 、活 動 、参 加 、個 人 因 子 、環 境 因 子 であるが、個 人 因 子 の部 分 は心 理 状 態 のみを取 り上 げ「心 理 」としている。 また、ICFでは取 り入 れられていない「第 三 者 の不 利 」も、本 評 価 票 では「家 族 への影 響 」として取 り 入 れている。 (2)「活 動 」の評 価 機 能 訓 練 に焦 点 を絞 った評 価 であるので、「活 動 」の項 目 を充 実 させた。特 にICFの概 念 である、 「 する 活 動 」 「 して いる 活 動 」 「 で きる 活 動 」 と 評 価 内 容 を 分 け、 「 活 動 」 の 目 標 ( 将 来 の 実 行 状 況 ) を 「する活 動 」、日 常 生 活 で実 行 している活 動 を「している活 動 」、訓 練 時 に実 行 可 能 な活 動 を「できる 活 動 」としている。「する活 動 」は利 用 者 が将 来 のある時 点 で「している活 動 」で、この目 標 に向 かって 機 能 訓 練 を実 施 するのである。そこには利 用 者 と機 能 訓 練 指 導 員 との「目 標 」に対 する合 意 の上 で 作 成 された実 施 計 画 書 に基 づいて目 標 設 定 がされる。 評 価 については、様 々な表 記 方 法 があるが、ICFでは下 記 のように表 記 される。「問 題 」という表 現 や「 困 難 」 という表 現 も ある。また、今 回 の 研 究 では、研 究 結 果 の 解 析 に統 計 処 理 等 を行 なう ため 、 点 数 化 させている。 評価基準 内容 標 準 値 の% XXX.0 問 題 なし(なし、存 在 しない、無 視 できる・・・) 0-4% XXX.1 軽 度 の問 題 (わずかな、低 い・・・) 5-24% XXX.2 中 程 度 の問 題 (中 程 度 の、かなりの・・・) 25-49% XXX.3 重 度 の問 題 (高 度 の、極 度 の・・・) 50-95% XXX.4 完 全 な問 題 (全 くの・・・) 96-100% XXX.8 詳細不明 当 該 評 価 表 では「 問 題 」 と 言 葉 の 表 現 方 法 を 採 用 する 。 また 、 各 内 容 に つい て は、 下 記 の よ うに 考 えて差 し支 えないこととする。 コード 評 価 表 現 0 1 2 問 題 なし 軽度問題 中程度問題 介助内容 具 体 的 介 助 ・介 護 内 容 自 立 介 助 、見 守 り等 なしでできる場 合 をいう 見 守 り、動 作 開 始 介 助 な しで できるが、 見 守 りが 行 わ れている。 動 作 開 始 時 に補 助 具 が必 要 時 には補 助 具 等 を使 用 している。 口 頭 指 示 、常 時 補 見 守 り に 加 え、 口 頭 で の 指 示 が 必 要 。 動 作 時 に は 常 に 助 具 が必 要 補 助 具 が必 要 3 重度問題 一部介助 自分一人ではできないため、部分的に介助が行われている 4 完 全 な問 題 全 介 助 すべてを介 護 者 が行 っている 0 詳細不明 また、各 分 類 では、範 囲 が 大 きすぎて経 過 が 判 断 しにく い場 合 があるときには、各 分 類 の中 で評 価 を5段 階 程 度 に 分 け てその数 字 を記 入 する。すなわち「0、1、2、3、4、」と小 分 類 して 評 価 し、 こ の数 字 を、評 価 コードに続 いて記 入 しておくこと。 社団法人日本柔道整復師会 小 分 類 の概 念 の例 は次 のとおりとする(小 分 類 例 ) 軽 度 問 題 :「見 守 り」 中 度 問 題 :(一 部 介 助 ) (記 入 数 字 ) なし:「たまに見 る程 度 の見 守 り」 軽 く手 を添 え誘 導 0 軽 度 :「時 々見 守 る必 要 がある」 動 作 開 始 時 の介 助 1 中 程 度 :「注 意 深 く見 守 る」 動 作 中 、軽 く介 助 2 重 度 :「時 々目 が離 せる」 動 作 中 、常 時 介 助 3 完 全 に:「目 が離 せない」 介 助 なしでは動 作 不 能 4 (3)評 価 記 入 総 則 将来の実行状況(目標):「する“活動”」 活 ① 姿 勢 の変 換 1 しゃがむ 2 座 る 1 6 ヶ月 [用 具 ・内 容 等 ] 手 すり 0 ③ 1-1 ベッドサイ ド 1-1 横 た わる 姿勢変換 1-1 臥 位 1-0 1-0 左 右 を向 く 手 使 用 あり 1-2 1-3 手使用無し 2 3 1 考 1-2 い す ② 寝返り 備 2 ④ ベッドサイ ド② 1-1 立 つ 動 [目 標 到 達 時 期 等 ] 0 い す 考 評 価 コー ド ① 備 重要項目 評 価 コー ド 自立度 日 常 生 活 実 行 状 況 :「している“活 動 ”」 1-1 ⑤ 1-2 3 ヶ月 ✔ 1 ✔ 1-2 ベッドサイドレー ル ① 「① 姿 勢 の変 換 」に障 害 が無 ければ、それ以 下 の「しゃがむ」「座 る」等 の項 目 には記 入 の必 要 はない。 ② 評 価 コードは、問 題 なし[0]から完 全 な問 題 [4]までを記 入 し、小 分 類 を行 う場 合 は-に続 いて、 なし[0]から完 全 に[4]までを記 入 する。 ③ 目 標 達 成 時 期 等 を記 載 する。 ④ 特 に機 能 訓 練 を要 する項 目 にチェックする。 ⑤ 使 用 している補 助 具 等 を記 載 する。 2.個 別 機 能 訓 練 評 価 票 記 入 内 容 各 項 目 の説 明 は基 本 的 に「WHO 生 活 機 能 分 類 (ICF)」日 本 語 版 に基 づいているが、不 十 分 な 項 目 には補 助 説 明 を付 加 している。 (1) 心 身 機 能 ・構 造 ① 痴 呆 及 び精 神 機 能 ア)短 期 記 憶 (b1440) 30秒 間 程 度 の一 過 性 の、失 われやすい記 憶 に関 する精 神 機 能 イ)長 期 記 憶 (b1441) 短 期 記 憶 からの情 報 を長 期 間 蓄 えることを可 能 にする記 憶 システムに関 する精 神 機 能 ウ)日 常 の意 思 決 定 (d177) 選 択 肢 の中 から選 択 、選 択 の実 行 、選 択 の効 果 の評 価 を行 なうこと。例 えば特 定 の品 目 を選 社団法人日本柔道整復師会 んで、購 入 すること。なすべきいくつかの課 題 の中 から一 つの課 題 の遂 行 を決 定 したり、遂 行 する こと。 エ)うつ症 状 憂 鬱 感 ・不 快 感 ・劣 等 感 などを抱 き、意 欲 や興 味 がなくなる精 神 状 態 オ)徘 徊 目 的 もなく歩 き回 る状 態 カ)記 銘 障 害 記 憶 の第 一 段 階 で、経 験 内 容 を覚 えこみ、定 着 させる能 力 に障 害 がある状 態 キ)見 当 識 障 害 (b114) 自 己 、他 者 、時 間 、周 囲 環 境 との関 係 を知 り確 かめる全 般 的 精 神 機 能 ク)気 質 と人 格 の障 害 (b126) 種 種 の状 況 に対 してその人 特 有 の手 法 で反 応 するような、個 々人 のもつ生 来 の素 質 に関 する 全 般 的 精 神 機 能 である。他 人 と区 別 するような一 連 の精 神 的 な特 徴 を含 む。 ② 失 行 ・失 認 ア)失 行 単 純 な動 作 や目 的 を持 った行 為 が出 来 なくなる状 態 イ)失 認 感 覚 器 ・末 梢 神 経 ・精 神 に障 害 が無 いのに、対 象 を認 知 出 来 ない状 態 ③ 中枢性麻痺 ア)脳 ・脊 髄 に起 因 する麻 痺 右上肢: 右手指: 右下肢: 左上肢: 左手指: 左下肢: ④ 筋力低下 ア)部 位 例 右 下 肢 、右 下 肢 ⑤ 不随意運動 自 分 の意 志 とは無 関 係 の運 動 ⑥ 協調運動障害 ア)知 覚 障 害 (b156) 感 覚 刺 激 を認 知 し、解 釈 する個 別 的 精 神 機 能 に障 害 ⑦ 音 声 ・発 語 障 害 ア)構 音 障 害 (b320) 話 し言 葉 (音 声 言 語 )の音 声 を産 生 する機 能 に障 害 イ)失 語 症 大脳の言語中枢が障害され、言葉が表出出来なかったり、言葉が理解出来なかったりする状態 ⑧ 摂 食 機 能 障 害 (b510) 固 形 物 や液 体 を口 から身 体 に取 り入 れ、処 理 する機 能 ⑨ 排 泄 機 能 障 害 (d530) 排 泄 (生 理 、排 尿 、排 便 )を計 画 し、遂 行 するとともに、その後 清 潔 にすること ⑩ 呼 吸 (b440) 肺 に空 気 を吸 い込 み、空 気 と血 液 間 でガス交 換 を行 い、空 気 を吐 き出 す機 能 ⑪ 循 環 機 能 障 害 (b410心 機 能 ) 適 切 なあるいは必 要 とする血 液 量 と血 圧 で、全 身 に血 液 を供 給 する機 能 社団法人日本柔道整復師会 ⑫ 拘 縮 (b710 関 節 の可 動 性 の機 能 ) 関 節 の可 動 性 が制 限 されている状 態 ⑬ 褥 瘡 (b810 皮 膚 の保 護 機 能 ) 床 ずれ ⑭ 疼 痛 (b280) 身 体 部 位 の損 傷 やその可 能 性 を示 す、全 身 の不 愉 快 な感 覚 。日 常 生 活 上 での痛 み ⑮ 基本動作 ア)立 位 保 持 イ)訓 練 室 内 歩 行 (2)活 動 ① 姿 勢 の変 換 (d410) ある姿 勢 になること。ある姿 勢 をやめること。ある位 置 から他 の位 置 への移 動 。 例 えば、椅 子 から立 ち上 がってベッドに横 に なること。ひざまずいたり、しゃがむことやその姿 勢 をやめること。 ア)しゃがむ(d4101) 床 の高 さのトイレを使 う為 に必 要 な姿 勢 をとる時 のように、膝 を折 って臀 部 を座 面 や踵 につけて 座 ったりしゃがんだりした姿 勢 をとることや、その姿 勢 をやめること。あるいは、その姿 勢 から他 の姿 勢 に変 わること(例 えば立 ち上 がることなど)。 イ)座 る(d4103) 座 位 になったり、その姿 勢 をやめること。また、その姿 勢 から立 位 あるいは臥 位 などの他 の姿 勢 に変 わること。 ウ)立 つ(d4101) 立位になったり、立位をやめること。また、立った姿勢から臥位や座位などの他の姿勢に変わること。 ② 寝返り ア)横 たわる(d4100) 横 たわった姿 勢 になることや、その姿 勢 をやめること。水 平 な姿 勢 から、立 位 や座 位 などの他 の 姿 勢 に変 わること。 イ)左 右 を向 く(d4108) 仰 臥 位 から側 臥 位 への姿 勢 の変 換 ③ 起 き上 がり(d4108) 臥 位 から座 位 等 への姿 勢 の変 換 ④ 姿 勢 の保 持 (d415) 仕事や授業で座ったままでいたり、立ったままでいる時のように、必要に応じて同じ姿勢を保つこと。 ア)しゃがみ位 (d4151) 床 に椅 子 なしで座 っている時 のように、必 要 に応 じて一 定 の時 間 、しゃがみ位 を保 つこと。 イ)座 位 (d4153) 机やテーブルに座っている時のように、必要に応じて一定の時間、椅子または床に座位を保つこと。 ウ)両 足 立 位 (d4154) 両 足 での立 位 保 持 エ)片 足 立 位 (d4154) 片 足 での立 位 保 持 社団法人日本柔道整復師会 ⑤ 歩 行 (d450) 常 に片 方 の足 が地 面 についた状 態 で、一 歩 一 歩 、足 を動 かすこと。例 えば、散 歩 、ぶらぶら歩 き、 前 後 左 右 への歩 行 。 ⑥ 移 乗 (d420) 姿 勢 を 変 え ずにベンチ の 上 で 横 に 移 動 する 時 や、ベッド か ら椅 子 への 移 動 の 時 の ように 、 ある 面 から他 の面 へと移 動 すること。 ア)座 位 からの(d4200) 椅 子 か ら ベ ッドへ と 移 動 する 時 の よ うに 、 あ る 面 に 座 った 状 態 か ら 、 同 等 あ る い は 異 なる 高 さの 他 の座 面 へと移 動 すること。 イ)ベッドからの(d4201) あるベッドから他 のベッドへの移 乗 のときのように、ある位 置 で横 たわった状 態 から、同 じもしくは 異 なる高 さの他 の臥 位 へと移 動 すること。 ⑦ 移 動 (d455) 歩 行 以 外 の 方 法 に よ っ て、 あ る 場 所 か ら 別 の 場 所 へ と 身 体 全 体 を 移 動 させ るこ と 。 例 え ば、 岩 を 登 る、通 りを駆 ける、スキップする、疾 走 する、跳 ぶ、とんぼ返 りする、障 害 物 の周 囲 を走 り回 る。 ア)訓 練 室 内 (d4608) 訓 練 室 内 の移 動 イ)自 宅 内 (d4600) 自 宅 内 、部 屋 の中 、部 屋 から部 屋 へ、また住 宅 あるいはアパート・マンション等 の周 囲 における 歩 行 や移 動 。 ウ)屋 外 (d4602) 自 宅 や他 の建 物 の近 辺 、あるいは離 れた場 所 での、公 共 あるいは私 的 交 通 機 関 を用 いない歩 行 と移 動 。例 えば、町 や村 の中 を、短 距 離 あるいは長 距 離 歩 くこと。 ⑧ 操作 ア)持 ち上 げる(d4300) テー ブ ル か ら グ ラスを 持 ち 上 げる こ と の よ う に 、 低 い 位 置 か ら 高 い 位 置 へ と 動 か す た めに 、 物 を 持 ち上 げること。 イ)細 かな手 の使 用 (d440) テーブルの上 の硬 貨 を持 ち上 げたり、ダイヤルや握 手 を回 すのに必 要 な動 きのように、手 と手 指 を 用 いて 、物 を 扱 っ たり、つまみ あげたり、 操 作 したり、 放 したりといった協 調 性 の ある 行 為 を遂 行 すること。 ウ)手 と腕 の使 用 (d445) ドア の 握 手 を 回 した り 、 物 を 投 げた り つ か ま える 時 の よ う に 、 手 と 腕 を 使 って 、 物 を 動 か し た り 操 作 するのに必 要 な協 調 性 のある行 為 を遂 行 すること。 エ)下 肢 で物 を移 動 (d435) ボールを蹴 ることや自 転 車 のペダルを漕 ぐことのように足 を使 って、物 を動 かすことを目 的 とした 協 調 性 のある行 為 を遂 行 すること。 ⑨ 食事等 ア)食 事 (d550) 提 供 された食 べ物 を手 際 よく口 に運 び、文 化 的 に許 容 される方 法 で食 べること。 例 えば、食 べ物 を細 かく切 る、砕 く、瓶 や缶 を開 ける、はしゃフォークなどを使 う、食 事 をとる、会 食 をする、正 餐 をとること。 社団法人日本柔道整復師会 イ)飲 水 (d560) 文 化 的 に 許 容 さ れる 方 法 で 、 飲 み 物 の 容 器 を 取 り 、 口 に 運 び 、 飲 む こと。 飲 み 物 を 混 ぜる 、か きまぜる、注 ぐ、瓶 や缶 を開 ける、ストローを使 って飲 む、蛇 口 や泉 などの流 水 から飲 む、母 乳 を 飲 むこと。 ⑩ 排 泄 等 (d530) 排 泄 (生 理 、排 尿 、排 便 )を計 画 し、遂 行 するとともに、その後 清 潔 にすること。 ア)排 尿 (d5300) 排 尿 を調 整 し適 切 に行 なうこと。例 えば、尿 意 を表 出 すること。排 尿 に適 した姿 勢 をとること。排 尿 に適 した場 所 を選 び、そこに行 くこと。排 尿 前 後 に衣 服 を着 脱 すること。排 尿 後 に身 体 をきれい にすること。 イ)排 便 (d5301) 排 便 を調 整 し適 切 に行 なうこと。例 えば、便 意 を表 出 すること。排 便 に適 した姿 勢 をとること。排 便 に適 した場 所 を選 び、そこに行 くこと。排 便 前 後 に衣 服 を着 脱 すること。排 便 後 に身 体 をきれい にすること。 ⑪ セルフケア 自 分 の身 体 をケアすること、自 分 の身 体 を洗 って拭 き乾 かすこと、自 分 の全 身 や身 体 各 部 の手 入 れをすること、更 衣 をすること、食 べること、飲 むことなど、自 分 の健 康 管 理 に注 意 することを扱 う。 ア)洗 体 (d510) 清 浄 や乾 燥 のための適 切 な用 具 や手 段 を用 い、水 を使 って、全 身 や身 体 の一 部 を洗 って拭 き 乾 かすこと。例 えば、入 浴 すること、シャワーを浴 びること、手 や足 、顔 、髪 を洗 うこと、タオルで拭 き 乾 かすこと。 イ)部 分 清 拭 (d5108) 清 潔 にする目 的 で、身 体 の一 部 に対 して、水 や石 鹸 、その他 のものを用 いること。 ウ)歯 磨 き等 (d5201) 歯 科 衛 生 上 の手 入 れ。例 えば、歯 磨 き、歯 間 清 掃 、義 歯 や歯 科 矯 正 具 の手 入 れ。 エ)洗 顔 (d5100) 清 潔 にする目 的 で、顔 を水 や石 鹸 、その他 のものを用 いること。 オ)整 髪 (d5202) 頭 髪 と髭 の手 入 れ。例 えば、髪 をすいたり整 えることや、髭 を剃 ったり刈 り込 み。 カ)爪 切 り(d5203、d5204) 手 や足 の爪 を清 潔 にし、切 り、磨 くこと。 ⑫ 更 衣 ・着 脱 等 (d540) 社 会 的 状 況 と気 候 条 件 に合 わせて、順 序 だった衣 服 と履 物 の着 脱 を手 際 よく行 うこと。 例 えば、シャツ、スカート、ブラウス、ズボン、下 着 、サリー、和 服 、タイツ、帽 子 、手 袋 、コート、靴 、 ブーツ、サンダル、スリッパなどの着 脱 と調 節 。 ア)上 着 等 (d5400、d5401) イ)ズボン・パンツ等 (d5400、d5401) ウ)装 具 ・靴 等 (d5402、d5403) ⑬ コミュニケーション等 (d310、d330) コミュニケーションには理 解 と表 出 がある。 理 解 は、話 し言 葉 ( 音 声 言 語 ) のメッセージに関 して、 字 句 通 りの 意 味 や 言 外 の 意 味 を理 解 する こと。例 えば、言 語 が事 実 を述 べるものか、慣 用 表 現 かを理 解 すること。 社団法人日本柔道整復師会 表 出 は、字 句 通 りの意 味 や言 外 の意 味 をもつ、話 し言 葉 (音 声 言 語 )によるメッセージとして、語 、 句 、または文 章 を生 み出 すこと。例 えば、話 し言 葉 として事 実 を表 現 したり、物 語 を話 すこと。 ア)会 話 でのコミュニケーション(d350) 話 し言 葉 (音 声 言 語 )、書 き言 葉 、記 号 、その他 の方 法 の言 語 を用 いて行 なわれる考 えやアイ デアの交 換 を開 始 し、持 続 し、終 結 すること。公 的 場 面 や日 常 生 活 の場 面 で、知 り合 いまたはよく 知 らない人 と、1人 または複 数 の人 とで行 なわれる。 イ)電 話 等 でのコミュニケーション(d3600) コミュニケーションの手 段 として、電 話 やその他 の手 段 を用 いること。例 えば、ファックスやメール 等 を使 用 すること。 ウ)書 字 (d170) 情 報 を伝 えるために記 号 や言 語 を用 いたり、新 たに生 み出 すこと。例 えば、出 来 事 や概 念 の記 録 を書 くこと、手 紙 の下 書 きをすること。 (3)参 加 ① 職 業 (d845 仕 事 の獲 得 ・維 持 ・終 了 ) 仕 事 を求 めたり、見 つけたり、選 択 すること。雇 用 されること。雇 用 を受 け入 れると。 仕 事 、一 般 職 、職 業 、専 門 職 の継 続 と昇 格 。適 切 な方 法 で退 職 すること。 ② 経 済 状 況 (d879 その他 の特 定 の、および詳 細 不 明 の、経 済 生 活 ) ③ 社会参加 ④ 余 暇 活 動 (d230 日 課 の遂 行 ) 日 々の手 続 きや義 務 に必 要 なことを、計 画 、管 理 、達 成 する為 に、単 純 な行 為 または複 雑 で調 整 された行 為 を遂 行 すねこと。例 えば、一 日 を通 してのさまざまな活 動 の時 間 を分 配 し、計 画 を立 てること。 (4)心 理 ① 障 害 の受 容 ② 機 能 障 害 改 善 への固 執 (b130 活 力 と欲 動 の機 能 ) 個 別 的 なニーズと全 体 的 な目 標 を首 尾 一 貫 し て達 成 させるような、生 理 的 及 び心 理 的 機 序 と しての全 般 的 精 神 機 能 ③ 依 存 欲 求 (b1268 その他 の特 定 の、気 質 と人 格 の機 能 )(b1308 その他 の特 定 の、活 力 と欲 動 の機 能 ) ④ 独 立 欲 求 (b1268 その他 の特 定 の、気 質 と人 格 の機 能 )(b1308 その他 の特 定 の、活 力 と欲 動 の機 能 ) (5)環 境 ① 同 居 家 族 (e310 家 族 ) 血 縁 や婚 姻 、その他 の文 化 的 に家 族 と認 知 される関 係 にある人 々の変 化 ② 親 族 関 係 (e315 親 族 ) 家 族 関 係 または婚 姻 を通 じて関 係 を持 つ 人 々、またその他 の文 化 的 に 親 族 であると認 知 され る関 係 にある人 々。例 えば、伯 (叔 )母 、伯 (叔 )父 、おい、めい。 ③ 家屋 ④ 家屋周囲 社団法人日本柔道整復師会 ⑤ 交 通 手 段 (d470) 移 動 のために、乗 客 として交 通 機 関 や手 段 を用 いること。例 えば、自 動 車 、バス、人 力 車 、ミニ バス、動 物 、動 物 の力 による乗 り物 、私 的 あるいは公 共 のタクシー、バス、電 車 、路 面 電 車 、地 下 鉄 、船 や飛 行 機 に乗 ること。 (6)第 三 者 の不 利 ① 家 族 の変 化 ② 健 康 上 の問 題 の発 生 ③ 社会生活 ④ 心 理 的 問 題 の発 生 ア)対 人 関 係 (d710) 状 況 に見 合 った社 会 的 に適 切 な方 法 で、人 々と対 人 関 係 を持 つこと。例 えば、適 切 な思 いや りや敬 意 を示 すこと。他 人 の気 持 ちに適 切 に対 応 すること。 イ)支 援 と関 係 家 庭 、 職 場 、学 校 、 遊 びの場 、そ の他 の 日 常 的 な 活 動 場 面 において 、実 際 、 身 体 的 あるい は 心 情 的 に人 へ支 援 を提 供 したり、養 育 したり、保 護 したり、介 助 したり、人 間 関 係 を結 んだりする。 社団法人日本柔道整復師会 1.ペインスケール評 価 ① 情 報 収 集 のポイント 痛 みの訴 えを信 じ、過 小 評 価 したり無 視 したりしない全 然 痛 そうでないと勝 手 に判 断 しないでくだ さい。不 安 からくる痛 み等 もあるので十 分 に、訴 えをきくようにしてください。 「痛 みについての質 問 用 紙 」を用 い、痛 みの部 位 ,強 さ,性 質 ,痛 みの変 化 ,パターン,緩 和 要 因 , 痛 みによる日 常 生 活 の制 約 ,痛 みに関 する患 者 の理 解 について把 握 します。Total pain であるとい う視 点 にたって情 報 を収 集 します。 ② 痛 みの強 さの評 価 痛 みの 強 さ を評 価 する に 当 たって は、 患 者 の 条 件 ( ex . 年 齢 、 意 識 レベル、 理 解 度 ) に 合 わせて 適 切 な評 価 方 法 を選 択 できることが重 要 です。 ③ ペインスケール VAS→「0」痛 みなし、「10」今 までに感 じた最 も 強 い痛 みとして今 の痛 みが数 字 でどこにあるのか を判 断 してもらいます。 (ペインスケール評 価 票 記 入 例 ) 氏名 年齢 歳 性別 男 女 評価日 ・ 痛 む場 所 (部 位 ) 1 右膝 2 腰 痛 む動 作 1 膝関節屈曲 2 前屈動作 日 常 生 活 上 での痛 み 1 立 ち上 がり動 作 時 2 起 き上 がり動 作 時 痛 みの性 質 (患 者 の言 葉 で表 現 ) 痛 みの変 化 や緩 和 要 件 ・ ズキットする 動 作 時 に痛 むが少 し立 つと和 らぐ VAS(まったく痛 みがない状 態 は左 端 、現 在 までに体 験 したもっとも辛 い痛 みは右 端 とした時 、今 回 の痛 みでもっとも辛 い時 はどのくらいのところになりますか?鉛 筆 で線 を縦 に引 いて下 さい。) 1 (痛 み無 し) (一 番 つらかった痛 み) 2 (痛 み無 し) (一 番 つらかった痛 み) 部位結果 1 左 膝 左 から6cm 2 腰 部 左 から4cm 心理的要因 痛 みが和 らぎ歩 行 に対 して意 欲 的 になった 物 理 療 法 機 器 の使 用 干 渉 低 周 波 10分 ・ホットパック10分 ・ROM実 施 等 実施日数 毎 日 の頻 度 で2週 間 社団法人日本柔道整復師会 姿 勢 バランス検 査 機 能 訓 練 評 価 法 として Timed Up-&-Go Test(TUG)と Functional Reach Test(FRT),片 足 立 ち について解 説 します。どれも臨 床 的 な姿 勢 バランスを検 査 するもので高 価 な測 定 機 器 を持 たなくても 検 査 が 可 能 で測 定 方 法 ,信 頼 性 、 再 現 性 など検 査 として の妥 当 性 も確 認 されて おり,臨 床 的 に十 分 耐 えうる検 査 と言 われています。(仔 細 は参 考 文 献 を参 照 してください) (1)Timed Up-&-Go Test(タイムアップ アンド ゴー テスト) 椅 子 に座 らせた被 検 者 に,「立 ち上 がり,歩 行 して 3 m 先 の目 標 物 で方 向 転 換 し,再 び 3 m 歩 行 して椅 子 に 座 る」 よう に 指 示 を 与 え ,その 所 要 時 間 を 測 定 する。 通 常 は杖 や 装 具 を装 着 して いる場 合 は使 用 して測 定 を行 います。測 定 は2回 行 いその最 小 値 を代 表 値 とします。 スタート肢 位 はお尻 を完 全 に椅 子 につけ,両 手 を膝 の上 に置 いた姿 勢 とする。計 測 者 は「はい!」 の掛 け 声 を 合 図 にス タ ートし, 対 象 者 にとって 快 適 かつ 安 全 な 速 さで 一 連 の 動 作 を行 う。 言 葉 か け は「いつもの歩 いている速 さで回 ってください」に統 一 する。計 測 者 は「ハイ!」と言 った時 点 から,お 尻 が椅 子 に触 れるまでの時 間 (少 数 点 第 1位 まで)をストップウォッチにて測 定 する。 計 測 時 の回 り方 は参 加 者 の自 由 とする。行 う前 に計 測 者 が見 本 を見 せてから測 定 する。 * 安 全 のためのヒント 計 測 者 は参 加 者 の不 意 の転 倒 に備 えてサポートできるように動 き,着 席 の際 に椅 子 の安 定 のた めに後 ろで支 える。 * 測 定 値 の目 安 健 常 者 は10秒 以 内 で、20秒 以 上 かかる場 合 はADLに介 助 を要 するとされ、20秒 以 内 が境 界 値 と考 えられる。 立ち上がる 座る 歩く 回る 歩く (3mの所要時間) 課 題 :椅子から立ち,3m先の目標物まで往復歩行し座る 計 測 :所要時間をストップウオッチで測定する 測定器具:ストップウオッチ,椅子,3mの歩行路 注 意 :杖や装具を日常用いている場合は使用する Timed Up & Go Testの計測方法 (2)Functional Reach Test(ファンクショナル リーチ テスト) 被 検 者 は肩 幅 程 度 の開 脚 立 位 をとり,片 手 を 90 度 屈 曲 した開 始 位 置 から,「足 を動 かさないよう に バ ラ ンス を 保 ち な が ら , でき る だ け 前 方 へ 手 を 延 ば し て 下 さ い」 と 指 示 を 与 え る 。 開 始 位 置 か ら 前 方 への 到 達 距 離 を 測 定 する。な お, メジャ ーは 挙 上 した 上 肢 に 平 行 に 位 置 し , 前 方 移 動 の 時 には 社団法人日本柔道整復師会 極 端 な股 関 節 屈 曲 ,体 幹 前 屈 しないように注 意 する。Functional Reach Test の測 定 上 ,特 に問 題 になるのが初 期 状 態 の設 定 である。体 幹 の屈 曲 や回 旋 が初 めに生 じていると値 の変 動 が大 きくなる。 これを予 防 するには直 立 姿 勢 で両 肩 を90°屈 曲 した状 態 で両 手 が同 じ位 置 にあるかを確 認 してか ら測 定 するとよい。高 齢 で円 背 を持 つ患 者 などでは特 に注 意 を必 要 とする。測 定 は2回 行 いその最 大 値 をもって代 表 値 とする。 * 測 定 の目 安 15cm未 満 が転 倒 の危 険 性 が高 いとされ、15cmが高 齢 者 における境 界 値 と考 えられる。 到達距離 肩幅程度の開脚立位で片手を90度屈曲し, そこから最大限前方に上肢を伸ばした時の 到達距離(1cm単位) Functional Reach Testの測定方法 (3 )開 眼 片 足 立 ちテスト 両 手 を腰 に 当 て, 片 足 を持 ち上 げ 床 から 離 し ,足 は 全 前 方 ・後 方 ど ちらに上 げてもよいが,支 持 脚 につけないように注 意 する。記 録 には支 持 脚 が右 か左 かを記 録 しておく。説 明 は「目 を開 けたまま, この状 態 をできるだけ長 く保 ってください」に統 一 します。参 加 者 の傍 らに立 ち,安 全 性 を確 保 して, 以 下 の時 点 までの時 間 を計 る。 ① 支 持 脚 の位 置 がずれたとき ② 腰 にあてた手 が離 れたとき ③ 支 持 脚 以 外 の体 の一 部 が床 に触 れたとき ④ 最 初 の姿 勢 が崩 れた時 (多 少 のふらつきは可 ) *安 全 のためのヒント 床 やその周 辺 に危 険 がないかどうかをチェックしバランスの崩 れやすい人 にはすぐに手 を伸 ばせる ような態 勢 をとれば、安 全 性 にもすぐれる。 * 測 定 の目 安 要 介 護 者 では片 足 を保 持 できない事 が多 い。その場 合 の測 定 値 はゼロであるが、訓 練 によって 数 秒 から5秒 以 上 になる事 がある。 社団法人日本柔道整復師会 両 手 は腰 に当 てる 床 から足 が離 れた 状 態 で行 う 開 眼 片 足 立 ちテストの計 測 法 評価基準値 開 眼 片 足 立 ちテスト平 均 値 開 眼 起 立 秒 数 女性 低い やや低 い 平均 やや高 い 高い 60-64歳 -9秒 10-28 29-84 85-120 121- 65-69歳 -5秒 6-17 18-58 59-120 121- 70-74歳 -3秒 4-10 11-29 30-90 91- 75-79歳 -2秒 3-4 5-15 16-45 46- 80-84歳 -1秒 2-3 4-13 14-35 36- 85歳 以 上 -1秒 2 3-11 12-30 31- 男性 低い やや低 い 平均 やや高 い 高い 60-64歳 -7秒 8-27 28-110 111-180 181- 65-69歳 -7秒 8-20 21-100 101-180 181- 70-74歳 -5秒 6-12 13-45 46-120 121- 75-79歳 -3秒 4-9 10-26 27-99 100- 80-84歳 -2秒 3-5 6-18 19-43 44- 85歳 以 上 -2秒 3 4-13 14-33 34- 社 会 保 険 研 究 所 発 行 介 護 予 防 実 践 ハンドブックより 社団法人日本柔道整復師会 個 別 機 能 訓 練 実 施 計 画 書 記 載 マニュアル 原因疾患(発症・受傷日) 合併疾患・コントロール状態 廃 用 症 候 群 :☑軽 度 □中 程 度 □本人の言葉ど リハビリテーション 右大腿骨頚部骨折(H14/01/28) (高血圧、心疾患、糖尿病等) □起立性低血圧、 □静脈血栓 ペースメーカー使 用 、 インスリン注 射 等 を記 載 日常生活自立度:J1・J2・ A1・A2・B1・B2・C1・C2 H14/02/14 おり記載 04/06 痴 呆 性 老 人 日 常 生 活 自 立 度 :Ⅰ・Ⅱa・Ⅱ b ・Ⅲa・Ⅲb・ 利き手: 右 ・右 基本方針: 本人の希望: 不安なく近距離なら自力歩行(杖歩行)できるよう、 介護者の負担なく、自分で近所の散歩をしたり、 下肢筋力の強化と、バランス、持久力をつける。 庭の掃除くらいはしたい リスク: 家族の希望:家に閉じこもっているので、 機能訓練実 施 のリスク 転倒の危険性 このまま寝たきりにならないようにしたい 機能訓練終了の目安・時期: 自宅訓練の計画: 近距離(1km 程度)杖歩行自立(約 3 月後) 自宅で下肢の運動実施 目 ~ 標(到達時期) 家 族 の言 葉 ど おり記 載 具体的アプローチ 参加 主目標 家庭生活(家庭内役割): できるだけ主介護者に負担をかけない 対人関係: 参加の機会が得られる様、CMが在介支等と相談 各 分 類 の目 標 と達 成 時 期 主要な生活領域:居宅の近隣やデイサービス コミュニティーライフ:近所の「いきいき教室」等へ参加 [ ] 活 動 ( すべて実行状況) 自宅内歩行 □不可 ☑自立 □介助:(装具・杖等: 杖 ) 目標達成時に 屋外歩行 □不可 ☑自立 □介助:(装具・杖等: “実 行 ”してい 交通機関利用 □不可 ☑自立 □介助:(種類: る活 動 の内 容 車 椅 子 □ 不 要 (駆動 □自立 排 泄 ☑自立:形態 □ 電 動 □介助)(移乗 ☑洋式 □自立 □和式 ) 訓練を実施 ) 下肢筋力訓練指導、実施:10 分 □ 手 動 ( 使 用 場 □介助) □立ち便器 歩行に自信が持てる様に、バランス訓練、筋力アップ 歩行訓練(杖利用):10 分 疲れが残らないように、訓練前後の筋肉マッサージ □その他 心 身 機 能 ・構 造 基本的動作(訓練室歩行等) ゆっくりであるが杖歩行可能 要素的機能(拘縮・麻痺等)右股関節拘縮の軽減 片足立ちバランス 目標達成 時の 心身 機能・構造 の状態 心理 機能障害改善への固執からの脱却:不安感無く歩行できるようになる 環 自宅改造 □不要 ☑要:自宅内の段差解消 境 福祉機器 □不要 ☑要: ストレッチ、モバイルゼーション 機能訓練以外の アプローチも含 み、具体的実施 方法を記載 自 信 を持 てるよう頻 回 な声かけを行 い、訓 練 実 施 の 意欲を持ってもらう 社会保険サービス ☑不要 □身障手帳 介護保険サービス □不要 ☑要: 家 族 等 への影 響 主 介 護 者 □不要 ☑要: □障害年金 CMに対処依頼 □その他: 自宅訓練への誘導依頼 家族構成の変化 □不要 ☑要: 訓練により、今より悪くなることないことを理解 家族内役割の変化 □不要 ☑要: してもらう 家族の社会活動変化 ☑不要 □要: (1)基 本 方 針 訓 練 の為 の訓 練 や訓 練 しさえしていれば良 いとの自 己 満 足 にならないようにする。また、活 動 と参 加 を念 頭 に次 の点 に注 意 する。 ① 『どのような人 生 ・生 活 を生 きるのがよいか』と言 う事 の具 体 像 。 ② 能 力 障 害 ・社 会 的 不 利 に囚 われた思 考 にならないようにする。 ③ 目 前 の問 題 点 の解 決 ・対 応 に留 まらず、極 めて具 体 的 に個 々の利 用 者 に即 したものにする。 ④ 希 望 から導 き出 されたニーズに添 って到 達 地 点 が明 確 で可 能 な目 標 に向 かっての方 針 。 社団法人日本柔道整復師会 例 :多 くの人 と交 流 できるように屋 外 での活 動 をしやすいように歩 行 能 力 を向 上 させる。 自 宅 内 での杖 歩 行 移 動 は可 能 なので、徒 歩 5 分 程 度 の距 離 ならば、現 在 使 用 している車 椅 子 介 助 から、見 守 りによる杖 または歩 行 補 助 車 使 用 しての歩 行 を可 能 にする。 そのために、下 肢 筋 力 の強 化 ・杖 使 用 によるバランスの取 り方 の機 能 訓 練 を行 う。 (2)本 人 の希 望 ・家 族 の希 望 本 人 と 家 族 の 希 望 が 異 なる 場 合 も 多 いので 、 各 々の 考 え 意 思 を 別 に 確 認 する。 但 し 、 要 望 至 上 主 義 でなく、表 現 された希 望 (デマンド=要 求 ・希 望 )の奥 にある真 のニーズ(必 要 =利 用 者 が本 当 に必 要 としている客 観 的 なもの)を掴 む。 例 :毎 朝 、近 所 の喫 茶 店 のモーニングに行 き、馴 染 みの人 達 との交 流 を楽 しみたい。 自 分 の事 は自 分 で行 い妻 の負 担 を軽 くし、遠 方 にいる子 供 たちに心 配 をかけたくない。 (3)自 宅 訓 練 の計 画 本 人 や介 護 者 が自 宅 で可 能 な訓 練 に対 し充 分 な指 導 を行 う。但 し、過 度 な訓 練 や、誤 った方 法 を取 れば、障 害 を発 生 する危 険 を伴 う事 も明 確 にしておく。 例 :200g の鉛 バンドを足 関 節 に装 着 し、左 右 膝 関 節 の屈 曲 伸 展 をゆっくりと 10 回 /日 行 う。 (4)リスク 既 往 症 等 から発 症 の危 険 性 のある身 体 症 状 について記 入 。 例 : 心 筋 梗 塞 の 既 往 が あるので、 左 背 部 ~ 左 上 肢 に かけ ての疼 痛 を 訴 えた ような 場 合 には 早 急 に医 師 の診 察 を受 ける。 (5)機 能 訓 練 終 了 の目 安 ・時 期 具 体 的 な日 程 を記 入 する。 (6)参 加 =主 目 標 生 活 への意 向 を具 体 的 到 達 内 容 ・時 期 と共 に明 記 する。どのような人 生 を過 ごしたいのかを示 す 社 会 参 加 レベルの最 重 視 目 標 になる。生 活 機 能 ・疾 患 の予 後 に基 づく実 現 可 能 なものであること。 ① 家 庭 生 活 (家 庭 内 役 割 ):買 い物 、家 事 、調 理 等 の日 常 生 活 への参 加 目 標 。他 者 への肉 体 的 ・精 神 的 援 助 を含 む。 例 :杖 歩 行 で、一 日 おきに近 所 のスーパーへ必 需 品 の買 い物 に行 く。家 族 が帰 宅 した際 には、玄 関 まで行 き笑 顔 で迎 えられるようにする。 ② 対 人 関 係 (一 般 的 な対 人 関 係 ・特 別 な対 人 関 係 ):状 況 にあった社 会 的 に 適 切 な方 法 を用 いて、色 々な人 と基 本 的 で複 雑 な相 互 関 係 を持 つために必 要 とされる行 為 や課 題 の遂 行 。 例 :毎 朝 は喫 茶 店 のモーニングに行 き顔 なじみの友 人 を作 りたい。 家 族 の精 神 的 支 柱 になりたい。 ③ 主 要 な生 活 領 域 :教 育 、仕 事 と雇 用 に携 わり、経 済 的 取 引 を行 うために必 要 とされる課 題 や 行 為 に 従 事 、または、遂 行 する 事 。 一 般 的 にはどのような 形 での復 職 ・ 仕 事 内 容 に するのか の 具 体的目標。 例 :混 雑 時 を避 けた通 勤 及 び、座 位 での会 計 管 理 などの勤 務 に復 職 したい。 ④ コミュニティライフ・社 会 生 活 ・市 民 生 活 :家 族 外 での組 織 化 された上 記 の分 野 に従 事 するの に必 要 な行 為 や課 題 。 社団法人日本柔道整復師会 例 :週 1回 の編 物 教 室 、月 1回 の映 画 鑑 賞 、町 内 会 の役 員 。 (7)活 動 =すべて実 行 状 況 それぞれの項 目 について現 在 行 われている状 況 にチェックを入 れる。 活 動 とは、生 活 上 に必 要 なADL(日 常 生 活 動 作 )からコミュニケーションの理 解 と表 出 までをも含 む。実 行 状 況 とは、現 在 の環 境 において行 っている事 を、評 価 点 として示 す構 成 概 念 であり、生 活 ・ 人 生 状 況 への個 人 の関 わりの側 面 を表 す。 (8)心 身 機 能 ・構 造 心 身 機 能 とは、身 体 系 の生 理 的 機 能 (心 理 的 機 能 を含 む)の事 で、視 覚 ・聴 覚 のような基 本 的 感 覚 を 含 む。 身 体 構 造 と は、 目 や 耳 など の 関 連 部 位 の 構 造 を 言 う。 両 者 を 心 身 機 能 ・ 構 造 と 略 し て 標 記 する。 ① 基 本 的 動 作 :立 位 保 持 、訓 練 室 歩 行 等 の目 標 を記 入 。 ② 要 素 的 機 能 :拘 縮 、麻 痺 等 (9)心 理 機 能 障 害 改 善 への固 執 からの脱 却 …具 体 的 目 標 をたてられる目 標 志 向 性 機 能 に導 く。 例 :基 本 方 針 と同 じく『機 能 訓 練 さえしていれば何 とかなる。』との思 考 切 迫 、強 迫 観 念 や思 考 途 絶 等 の心 理 状 態 に陥 らない様 に配 慮 し、解 決 への具 体 的 方 向 性 を提 示 し安 寧 を図 る。 (10)環 境 該 当 にチェックを入 れる。 個 人 の生 活 機 能 に影 響 を及 ぼす外 的 ・外 在 的 なあらゆる側 面 すなわち、物 的 環 境 (支 援 機 器 、 住 宅 等 )・人 的 環 境 (家 族 ・介 護 者 等 )・制 度 的 環 境 (法 制 度 、行 政 や医 療 、介 護 、福 祉 等 の各 種 サービス)までも含 む非 常 に広 いもの。 (11)家 族 等 への影 響 該 当 にチェックを入 れる。 本 人 の障 害 が周 囲 の人 々に悪 影 響 を与 え、更 にそれが本 人 にフィードバックされる悪 循 環 を構 成 する。 とりわけ、家 族 間 の悪 循 環 を予 防 する方 法 をも考 慮 する。 社団法人日本柔道整復師会
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