<FMO製品概要>

FASTPACK 5.0
Fast Member Organizer (FMO)
<FMO製品概要>
ファーストメンバーオーガナイザイザー(FMO)は、ディスクスペースを節約し、区分データセット(PDS)管理
を改善し、かつ簡潔にすべく設計されました。SEA の PDSFAST 及びファーストデータセットオーガナイザー
(FDSO)が世界中の数千に上るデータセンターで既に利用されているユーティリティである長所を生かして、
FASTPACK の新しいコンポネントである FMO は、管理、能力そしてスピードに関する同じ手法を、特定のメ
ンバーに対しても拡張し、メンバーレベルのアーカイブ作成、スペースの再利用、そして使用状況のモニタ
ー機能を提供しています。 DASD スペースに対して急速に増えているユーザ要求に憂慮している企業は、
FMO が提供する、迅速かつ将来にわたる節約方法に感謝することでしょう。
FMO は、PDSFAST の PDS 管理機能を補足するように設計されています。その主たる特徴は、未使用メンバー
のアーカイブ化と、自動的なスペースの再利用にあります。アーカイブ化は、PDS のサイズを減らし、ディ
スクスペースを節約します。メンバーが変更されたときの無駄なPDS上のスペースを自動的に再利用する
ことにより、PDSはサイズをよりゆっくりと拡大し、フルコンプレスの必要性を減らし、長時間アロケー
トされて、通常のコンプレス利用が不可能な PDS 管理を簡略化します。
殆どの環境において、どの特定の PDS にも、アクティブと非アクティブのメンバーデータが混在しています。
これは、データセットの集合体に似た状態です。即ち、あるものはアクティブな使用状態にあり、あるもの
は頻繁に使用されず、あるものは(そして大多数)は、参照されていません。(つまり、使用されていませ
ん)。この後者のカテゴリーは、もはや必要とされないテストデータや、もう使用されない JCL、もしくは
旧バージョンのプログラムといった、取り替えられたりあるいは余分であるデータで構成されています。使
用されていないデータセットを DASD から取り除くアーカイブ製品がありますが、メンバーレベルでデータ
を監視し、管理できる製品は数少ないのです。このような限界があることは、メンバー対データセットレベ
ルで MVS によって与えられる情報(たとえば最終の参照日付とか、 変更 されたインディケーターとか)
における差異に帰因します。
FMO は、メンバー使用状況と、在る期間使用されなかったアーカイブメンバーを追求することにより、非ア
クティブなメンバーデータの問題を明らかにします。FMO によって作成されたアーカイアブファイルは、お
そらくユーザー指定のマイグレーションのための異なった SMS ストレージクラスかテープに、アンロードフ
ァイルとして保存されます。アーカイブメンバーの名前と場所は、FMO カタログに保持されます。非アクテ
ィブなメンバーによってそれ以前に使用されたメンバーとディレクトリースペースは、PDS 上の他のメンバ
ーか、ボリューム上の他のデータセットに利用可能です。後で必要なら、アーカイブメンバーは、ISPF 下
の FMO リストア機能か PDSFAST 自身を使用して、容易にリストアすることができます。
FMO を使用すれば、新規のバックアップシステムを構築する必要がありません。代って、既存のデータセン
ターでのバックアップとマイグレーション手段にシームレスに適合します。
FMO の COMPRESS、あるいは REALLOCATE オプションにより、また FDSO により、メンバーアーカイブは、DASD
の使用を極端に減らすことができ、システム全体のそして個々のジョブ/TSO のパフォーマンスを改善する
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ことができます。このように節約できることは、ひとつのメンバーをロケートするときにサーチされるより
小さな PDS ディレクトリーを持つこと、そしてシステム管理ユティリティによって処理されるより小さなデ
ータセットを持つことに帰因しています。たとえば、FMO アーカイブ前の非アクティブデータを高い確率で
含む夜間バックアップは、この結果非常に速くなります。
PDS に対するもう一つの弱点は、無駄なスペースにあります。無駄なスペースは、既存のメンバーがリプレ
ースされるたびに発生します。ほとんどのプログラムは更新されたメンバーはザイズが大きくなるのか、事
前に探知できないため、現在の PDS データセット終了インディケータより始めて、すべてのメンバーを保存
します。更新が完了すると、PDS ディレクトリ更新機能である STOW は、既存のディレクトリエントリーを
変更し、メンバーの新たな開始ロケーションを示します。以前のメンバーロケーションはこの結果、PDS が
コンプレスされるまで、他のメンバーに二度と使用されない(できない)という点で、 無駄な スペース
となります。
FMO は、更新されたメンバーが首尾良く保存されてから STOW プロセスを捕まえ、そして更新されたデータ
が元のロケーションに収まるかどうかを確認することにより、この問題に対処しています。
その場合、FMO は更新されたデータを元のロケーションへ移動させ、ディレクトリを修正して、元のメンバ
ー開始ロケーションを更新します。データセット終了インディケーターはその後、元のバリューへリセット
され、データセットは全くサイズの増加はありません。スペースの再利用は、しばしば更新されるメンバー
を含むデータセットに直ちに且つ、目覚ましい好影響を与えることができます。(即ち、ソースコードは開
発者によって編集され、パネルはリファインとテストを行い、ロードモデュールはどんどん増加しています)。
スペースの再利用は、不充分なスペースに起因する、X37 アベンドのような事態を著しく減少させ、ライブ
ラリのコンプレス要求を少なくし、PDS の過剰アロケーションの必要性を減らします。
更に、FMO の使用状況監視機能により、導入先ではメンバーのどれが、いつどのようにしてアクセスされる
のかを追跡することができます。この機能は、システムパフォーマンスを高めるのに利用され(もっとも頻
繁にアクセスされるメンバーをリロケートすることによる)、メンバーへアクセスをチャージバックし(ベ
ンダー製品に関して)、メンバーリファレンスの監査情報を維持します。
かいつまんで言えば、FMO は、PDS に関る非効率と無駄の大部分を取り除き、それらをより優れた形のデー
タストレージにすることができるのです。最小限の費用で、かつユーザーデータやプログラムに変更を加え
ることなく、FMO は明白で高効率なコストパフォマンスの高い、PDS メンバー管理問題の解決法を提供する
のです。DASD スペースを節約し、パフォマンスを向上させ、そして未使用のメンバーをアーカイブ化し、
しばしば更新されるメンバーに対してスペースを再利用することにより、DASD 増加を抑制する手助けとな
るのです。
1.1 製品の概要
FMO は、二つの主たるコンポネントより成り立っています。FMO スーパーバイザーと FMO エージェントです。
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FMO スーパーバイザー
FMO スーパーバイザーは通常、システム IPL 時より継続的に動作しているタスクです。BLDL(ロケートメン
バー)と STOW(アップデートメンバー)SVC コールを捕まえて、選択されたデータセットに対する PDS メン
バーレファレンスとアップデートを追跡します。FMO スーパーバイザーはジャーナルを保持し、ジャーナル
は、選択されたデータセットに対する追加のメンバー参照が検知された時、更新されます。
スーパーバイザー管理ステートメント入力で要求されるアクションにより、3 つの基本的な機能を行使する
ことができます。
アーカイブに対するジャーナルメンバーリファレンス
FMO スーパーバイザーは BLDL もしくは STOW で作成された、選択されたデータセットに対する全ての参照を
ジャーナルに書きます。(即ち FMO ジャーナルに記録します)。FMO エージェント(以下に記述)は、アー
カイブするメンバーを選択するために、ジャーナルにある参照されていないメンバーの情報を利用します。
PDS スペースの再利用
リプレースされるメンバーは、
スペース再利用のために選択することができます。
FMO スーパーバイザーは、
STOW SVC 完了前後のメンバーの状態を調べます。新たに更新されたメンバーが、元のロケーションに適合
するのなら、ロケーションとディレクトリが更新されます。
選択されたメンバーへのアクセスの監視
すべての選択されたメンバーに対して、FMO は、どんな参照や更新アクセスも監視することができ、この情
報を、続いて行使されるポスト処理に対してディスクファイルに内部フォーマットレコードとしてか、ある
いはプリントレポートファイルとしてか、もしくは SMF レコードとして書き入れます。これにより、導入先
ではベンダープログラム製品の使用を追跡し、未ロードモジュール PDS メンバーへのアクセスに基づいてチ
ャージバックを補足し、より頻繁に使用されているメンバーをより速い DASD に置き、そしてその他同様の
タスクをこなすことができるのです。
FMO エージェント
FMO エージェントは、メンバーアーカイブ処理を実際に行うバッチジョブであり、ユーザーが指定した管理
ステートメントと、スーパ−バイザーによって FMO ジャーナルに記録された情報に基づいて実施します。ア
ーカイブに選択されたすべてのメンバーに対して、エージェントは、特定のデータセット名、ボリューム、
ユニット等に PDSFAST アンロードを行い、その後、(任意に)アーカイブメンバーを削除し、データセット
をコンプレスもしくは再アロケートして、あるいは、そのディレクトリサイズを変更し、使用されてなかっ
たメンバーやデータに占領されていたディレクトリを開放します。エージェントの LISTJOURNAL の要求によ
り、FMO ジャーナルに選択されたデータセットをリストします。
アーカイブメンバーとそれらの行き先データセットに関する情報は、FMO アーカイブカタログに保存されま
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す。元のあるいはアーカイブデータを選択してエージェント LISTCATALOG を要求すると、アーカイブデータ
の所在を示すレポートを作成し、メンバーは、ISPF 下の FMO リストア機能か、PDSFAST か、あるいは必要な
ら IEBCOPY でリストアすることができます。
エージェントによって作成された、アーカイブのデータセット(即ち、アーカイブ化されたメンバーを収納
するデータセット)は、独自の DFSMS ストレージか、もしくはマネージメントクラスによって指定すること
ができるため、導入先に望まれた方法で扱うことができます。例えば、アーカイブデータセットは、非アク
ティブになった数日後に、DFSMS によって移動させることができます。これにより、実際に、最もアクティ
ブなメンバーデータを、最も機能性の優れたデバイスに置き、非アクティブなメンバーデータを低速のデバ
イスに置く階層化を実現することになります。これらのすべては、装置の既存のアーカイブ及びバックアッ
プ手法を遵守した上で、遂行することができます。
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