ごあいさつ このたび、アジア太平洋地域の11の主要経済地域に おける電力市場の概要をこの「主要アジア太平洋電 力市場のスナップショット」としてご提供する運び となりました。 このガイドブックは、弊事務所主催による「アジア 太平洋電力アカデミー」にて実施された電力プロジ ェクトの開発やファイナンスに関するワークショッ プ等に基づき、作り上げられました。 各「スナップショット」はそれぞれの地域を管轄と して電力案件に助言を提供する弊事務所の専門家 が、各市場の現況に対する知識を総合して作成した ものです。 皆様が各国の電力市場への投資に向けて主な課題や 動向をご検討される際に、このガイドブックをお役 立ていただけましたら幸甚に存じます。 ご質問、ご相談等ございましたら、どうぞご連絡く ださい。 アン・ハン 免責事項 この文書は情報提供のみを目的としており、法的助言を構成す るものではなく、法的助言として依拠すべきものではありませ ん。本文書に記載された情報を利用する場合は、必ず個別の事 案に沿った具体的な法的助言をお求めください。 パートナー ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業) 2014年9月 アジア太平洋における 主要電力市場のスナップショット (市場モデル別) MODEL 1 MODEL 2 GEN 1 IPP WHOLESALE PURCHASING AGENT MODEL GEN 1 3 IPP TRANSMITTER DIST 1 DIST 2 RET 1 RET 2 CUST 1 CUST 2 MODEL GEN 1 4 目次 オーストラリア(モデル4) 5 インド(モデル3) 7 台湾(モデル2) 9 IPP TRANSMITTER DISTRIBUTOR RET 1 RET 2 CUST 1 CUST 2 GENERATOR TRANSMITTER TRANSMITTER DIST 1 DIST 2 DISTRIBUTOR RET 1 RET 2 RETAILER CUST 1 CUST 2 インドネシア(モデル2) 11 ベトナム(モデル2) 13 マレーシア(モデル2) 15 ミャンマー(モデル2) 17 タイ(モデル2) 19 ラオス(モデル2) 21 フィリピン(モデル1) 23 日本(モデル1) 25 * 黄色で囲っている部分は共通 事業者を表す。 CUSTOMER Source: Vietnam MW Co., Ltd Generator (Gen) = 発電事業者、Transmitter = 送電事業者、Distributor (Dist) = 配電事業者、 Retailer (Ret) = 小売事業者、IPP = 独立系発電事業者、 Wholesale Purchasing Agent = 卸売電力購入者、Customer (Cust) = 顧客 市場モデル1: 主に政府や地域独占の公共企業が発電、送配電及び小売業のすべてを担う最も規制されてい る市場モデル。 市場モデル2: 民間企業が発電事業を行い、売電契約によって国営公益企業に売電する、規制がやや緩和さ れている市場モデル。その後、国営公益企業は、地方自治体又は公営の配電事業者や小売事 業者に送電し、これら送電を受けた自治体・事業者が、現地市場に電力を供給する。 市場モデル3: 民間発電事業者やIPPが、発電した電力を国営の送電事業者又は地方自治体若しくは公営の配 電事業者、小売事業者に売電でき、その後、これら買電を行った自治体・事業者が現地市場 に電力を供給する、さらに規制が緩和された市場モデル。 市場モデル4: 発電事業、送電事業、配電事業及び小売事業を異なる事業者(民間企業又は民営化に移行さ れつつある事業体)が行い、自由に取引することのできる自由化された市場モデル。 オーストラリア 設備容量: 50,815MW(送電網に接続)、 5,168MW(自家発電) 電力市場モデル: モデル 41 今後の電力市場の動向 今後の投資は再生可能エネ ルギー、特に風力に集中す る可能性が高い。ベースロー ド電源への投資は主にガス 火力が対象となる可能性が 高い。現在設定されている オーストラリアの再生可能 エネルギー目標(Renewable Energy Target(RET))が投資を 促進する見込み(2020年まで に41,000GW/hの再生可 能エネルギー設備容 量)。 しかし、法規制が変 化する可能性もある。 基本的な動向: • 過去数年間、主に電気料金の 高騰、エネルギー効率の向 上、屋根付き太陽光発電の普 及、主要電力消費者の撤退 (複数のアルミニウム製錬所 の閉鎖等)によって電力の需 要が低下傾向にある • 1,400MW規模のMunmorah 発電所、1,000MW規模の Wallerawang発電所を含む、 いくつかの石炭火力発電所が 廃炉又は使用停止となった 1 • LNG輸出ターミナルへの膨大 な投資が行われている(しか し、現在ガス探査には法的規 制がかかっている) 外資系投資家を含む主要 プレーヤー 主要国内プレーヤー: • 発電から小売までを取扱う総 合電力事業者(AGL、Origin Energy、ERM Power等) • 大規模火力発電事業者 及びオペレーター (Stanwell Corporation、 Synergy等) • 再生可能エネルギー 発電事業者(SnowyHydro, HydroTasmania等) 主要外資プレーヤー: • 総合小売事業者 (EnergyAustralia、GDF Suez等) • 大規模火力発電事業者及びオ ペレーター(RATCH Australia 等) • 再生可能エネル ギー事業者 (スペイン 系Fotowatio Renewable Ventures、Union Fenosa Wind Australia等) • タービン製造者等 (Acciona、 Goldwind等) 投資の可能性 主な投資機会は以下のとおり •RET: 現在、RETが投資の原 動力となっている。RETが維 持されていれば、2020年まで に約10,040MWの設備容量が新 たに必要となる。RETの目標 が「真の」20%に見直され た場合でも、6,500から 7,000MWの再生可能 エネルギー設備容量 が新たに必要と なる •Clean Energy Finance Corporation(CEFC:クリー ンエネルギー金融公社。民 間企業の再生可能エネルギー への投資を推進するために100 億ドルの出資で設立された企業) •ARENA(再生可能エネルギー 庁。手ごろな価格の再生可能 エネルギーソリューションの 提供のため、15億ドルで設立 された独立法定機関) (注)今後もARENA及びCEFC が存続するかは不明 • 代替の発電容量が 必要。最近、多く の発電所が閉鎖さ れた その他ビジネスチャンス: • オーストラリア首都特別地域 政府による200 MW規模の再生 可能エネルギーに関する入札 • 政府の資産処分:(a) Delta Electricityの1,320 MW規模の Vales Point発電所及び667 MW 規模のColongra発電所の売 却、(b) クイーンズランド 州における発電所資産の民 営化計画、(c)将来的に ニューサウスウェールズ州 及びクイーンズランド 州の配電網(電柱と電 線)が民営化される可 能性 • G reen State Powerの 再生可能エネルギー ポートフォリオ、GDF スエズの再生可能エネ ルギーポートフォリ オ、Gullen Range風力 発電所(158.5MW)及 びRoyalla太陽光発電所 を含む再生可 能エネル ギープロ ジェクト 主な州や特別地域において 発電事業は民営化されている ため、基本的に入札規制は存在 しない。 • 投資の障壁: 売電 契約の確保が困難 (資金調達には必 須)、かつ現在利 用可能なプロジェ クトファイナンスは限 定的または高額 例外として、以下のような入札 が存在する: • 電力需要の低下:東部の電力需 給は過去数年低下傾向にある • オーストラリア首都特別地域 政府による固定価格買取制 度(FIT)に基づいた200 MW の風力発電の入札(現在実施 中) プロジェクトが直面する 主な問題 • 資金不足 • 連邦政府によるSolar Flagships Programの入札 (すでに終了) • 売電契約の確保が困難: 小 売市場を支配している小売業 者との売電契約交渉は難しい 新規プロジェクトの 入札規制 外資系投資家が直面する 主な問題 • FIRB通知、許可: 概して問 題なし(既定の期間内に対応 しなければならない) • 複雑な法制度:エネルギー市 場は高度に規制されている • 事業計画・開発:最近、風力 発電を実施できる区域を制限 する州が出ており、風力発電 に反対する地域住民も存在す る。また、ガス探査に法規制 を課す州もある • 系統連系にかかる多大なコス トが障壁となる 国内投資家も直面する問題: • 規制リスク:リベートや買取価 格に関わる変更、ARENA廃止 案、不確実な炭素価格、CEFC の不明確な今後の動向 主に、(a)発電事業は民営化されている(または民営化の過程にある)、(b) 送配電資産は公有だが、今後民営化の可能性がある、及び(c) 電力小売事業は民営化されており、競争が激しいという状況にある。 インド 設備容量: 237,742.94 MW (78,515.30 MW 自家発電) 電力市場モデル: モデル 32 今後の電力市場の動向 現地企業: 電力の需要は2017年まで年 10~12%増加の傾向。 Tata Powerは8,608MWの発電設 備容量を持つインド最大の総 合電力会社 2017年までの第12期計 画によると新たな設備 容量を88,000MW追加予 定。60,000MWが現在着工さ れており、計画の初年度である 2013年度において、すでに設備 容量が20,000MW近く増加した。 ただし、ガス燃料が入手困難な ため、相当量の設備運転が足止 めされている。需要の増加と国 内生産の減少によって現在消費 されているガスの40%を輸入に頼 っている。 外資系投資家を含む主要 プレーヤー 政府機関: National Thermal Power Corporation Limited(NTPC) や State Electricity Boards(SEBs)といった中央機 関がインドの電力業界を支配し ている。NTPCは インド最大の電 力発電事業者 Power Grid Corporation of Indiaはイ ンド唯一・最 大の送電事業者 2 Reliance Powerは 運転中、建設中の 発電所を含めて 35,000MW超の発電 設備容量を持つ 外資系企業: インドで電力発電を行ってい る外資系企業は米AES及び中国 の中電集団の2社のみ。AESは Odishaの発電所の持分を下げ、 全体的に運営規模を縮小してい る。CLPは火力発電所開発計画 を破棄し、再生可能エネルギー に参入する。 2014年の買収案件: SembCorp Industriesは1.39億米 ドルでGayatri Energy VenturesNCC Infrastructureの株式45% を買収。 Greenko Group PLCは 1.06億米ドルでLanco Infratechの株式100%を 買収。 Jaiprakash Power Ventures Ltd(JPVL)が アブダビ政府のエネルギー及び 公益事業会社である Abu Dhabi National Energy Company PJSC(TAQA)に対し Himachal Pradeshにおける2件 の水力発電プロジェクトを て17.5 億米ドルで売却することにつ いて、両社が合意に至っていた が、8月末に売却の合意が解消さ れた。 投資の可能性 インドの電力業界への外国直接 投資は2000年4月から 2014年1月までで85億 米ドルにのぼる。 外国投資家の投資 機会は主に石炭火 力にある。 外国事業者は主に事 例2のプロジェクト(各 買電企業が入札を募集する形態 の電力プロジェクト)を検討す るであろう。 インドの開発事業者と現地金融 業者はポートフォリオの 合理化によって負債を 軽減しようとしてい る。運転中又は建設 中のプロジェクトへ の投資が徐々に可能 となる。 中規模(50MWから 300MW)の自社専用(会社 若しくは現場専用)または商業 用石炭火力を含めて選択肢が増 える。 新政府は2017年3月31日までの3年 間、電力会社を対象に免税期間を 延長する予算案を出している。 新規プロジェクトの入札 規制 中央政府はPower Finance Corporationを介し、炭坑や海 岸沿いにおいて、一箇所につき 4000MW規模になる超大型発電 所建設計画(UMPP)を立 案した。 UMPPが4件決定(Reliance Powerが3件、Tata Powerが 1件)、その他12件が追加さ れる。 水力及び再生可能エネルギー以 外の買電は州政府によって、適 用される買取価格を基に競争入 札を行う。 事例1:開発事業者が提案され たプロジェクトの燃料、場所、 技術等を選択しなければならな い公開入札。プロジェクトに必 要な許認可の取得も開発 事業者が取得しなけ ればならない。 事例2:買電会社 が決めた燃料と場 所に基づいて実施される公開入 札。政府は、必要な許認可及び 燃料供給の確保を支援しなけれ ばならない。 外資系投資家が直面する 主な問題 電力事業のうち、以下について は、外資の自動認可ルートを用 い、100%外国直接投資(FDI) とすることが可能: • 水力、石炭火力、褐炭火力、 石油火力、ガス火力による発 電及び送電 • 非従来型電力発電及び配電 • 特定電力の住宅、鉱業、商業 その他消費者への配電 、及び • 電力取引 外資系投資家は現地開発事業者 とほとんど同様の問題に直面す る(例:信用できる売電相手、 土地取得、燃料供給)。 プロジェクトが直面する 主な問題 電力事業の成長の妨げとなっ ているのは主に原価回収、土 地、燃料、環境及び森林開発 に関わる問題である。 ほとんどの州の買電企業(電力 市場が自由化した州では配電公 社(discoms)、自由化してい ない州では州電力局(SEB)) は、多大な損害や負債を抱え ており、信用度が低い(わずか ながら黒字の企業もある)。 価格、補助金やその他 供給装置は政治的影 響を受けやすい 。 平均送配電(T&D) 損失率は25%と他の 途上国の15%以下に 比べて高い。T&D損失 率が高い要因は、主に大量の電 気が低圧で売られていること、 広大な農村部へまばらに配電を 行っていること、配電システム への投資不足、請求の不正確 さ、盗電の多さが挙げられ、発 電会社Gencosはほとんど統制で きていない。 さらに、配電事業者(配電網の 95%は州の配電盤)は需要を調 整するために給電停止や計画停 電を行っている。 石炭が最も多く燃料として消費 されているが、国内供給率は低 い。輸入が最善策ではあるが、 コストも高くなり、もともと国 内の安価な石炭向けに設計され た買電契約や買取価格に適して いない。 天然ガスはインフラの問題によ り、発電事業者までの輸送コス トが比較的高い。 送配電事業は主に国営企業の独 占状態で新規参入は難しい。 インドにおける電力市場モデルは、モデル3の特徴を示している(ただし、主な買電事業者が一社存在する)。インドの国自体の構造から、インド国内における送電事業者はインド中央政府が一括して行うのではなく、複数の地方政府により所有 及び規制される。 台湾 設備容量: 48,399MW (うち、台湾電力公司:32,204MW、IPP:8,028MW、 コージェネレーション:7,617MW) 電力市場モデル: モデル 23 今後の電力市場の動向 再生可能エネルギーの中 でも特に太陽光と風力の 普及を促進しているが、 いまだ全体の設備容量に 占める割合は低い。 2014年、台湾政府は第四原発 稼働計画を実施しな いことを発表。 新たな発電所 が必要となる が、現時点で はIPPが参入 可能か明確で はない。 3 外資系投資家を含む主要 プレーヤー 主要国内プレーヤー: • 台湾電力公司が送配電及び 小売事業を独占 • 日系投資家を含むIPP • 日系及びアメリカ系企業が 設備供給や建設、保守の分 野で大きく貢献している 投資の可能性 主な投資機会は以下のと おり • 政府が次回のIPP 入札を開催すれ ばIPP事業への投 資が可能となる 外資系投資家が直面する 主な問題 台湾市場は台湾電 力公司のほぼ独 占状態で、参入 は難しい。 • 風力発電開発への 投資、合同事業、融資 新規プロジェクトの入札規制 プロジェクトが直面する 主な問題 • 売電契約の確保が不確実 入札規制が存在する。 クリーンエネルギーを含む電力の 買取は台湾電力公司による公開入 札によって行われている。 (a) 発電事業はIPP参入可能であるが、主な発電事業者は国営企業の台湾電力公司。(b)送配電資産は台湾電力公司が所有。(c) 電力小売分野は台湾電力公司が独占 • 事業者は、結果が保証されていな いにもかかわらず、新 規発電プロジェク トの入札準備に 多大なコストを かけなければな らない インドネシア 設備容量: 40,533MW(電力化率79.6%) 電力市場モデル: モデル 24 今後の電力市場の動向 国営電力会社PLNの事業計 画によると、2022年まで に発電設備の容量を石炭火 力63.8%、水力11%、地熱 10.2%の割合にすることを 目標としている。 インドネシアは、世界 有数の石炭輸出国で あり、坑口発電プ ロジェクトの開発 を維持できるだけ の石炭埋蔵量を有 している。 最近の法改正に鑑み ると、政府は坑口発電 プロジェクトを促進している 様子。 地熱、水力発電プロジェクト の資源量も大きい。 地熱、水力発電の促進のた め、各電源の買 取価格が引き 上げら れた。 外資系投資家を含む主要 Électricité de France (フランス)、Daelim(韓 プレーヤー インドネシアにおいて発電、 送配電を担う国営企業のPLN が主要プレーヤー。 外資系投資家は、主に日系 (三菱商事、丸紅、住友商事、 三井物産、J-Power、伊藤忠 商事、九州電力)及び韓国 系(コリア・ミッドラ ンド・パワー、韓国電 力公社、ポスコ、サ ムタン)。 その他、ヨーロッパ系 (GDFスエズ)、アメリ カ系(シェブロン)、オー ストラリア系(オリジン・エ ナジー)、インド系(タタパ ワー、Madhucon)及び中国 系(中国華電集団公司)。 その他の投資家として挙げら れる以下の企業についても、 インドネシアにおける電力プ ロジェクトに関心を示し、プ ロジェクトの事前審査や入札 に参加している: EGCO(タイ)、Ratchaburi Electricity(タイ)、 Malakoff(マレーシア)、 4 国)、YPP Corp.(韓国)、 Steag(ドイツ)、Jindal (インド)、Lanco Infratech (インド)、CMEC(中国)、 Sinohydro(中国)、 Shanghai Electric(中国)、 Gas Natural Fenosa(スペイ ン)、Abener Energia(スペ イン)。 査の応募を締め切った。2014 年下期に残りのプロジェクト の募集が行われる予定。 新規プロジェクトの 入札規制 2014年内に約3,786MWの追 加設備容量が必要(石炭及 びガス火力プロジェクト)。 2022年までにはさらに 56,684MWの設備容量の追加 を目指す。 PLNは2014年3月に坑口発電 2件、石炭火力4件、ガス火 力1件、合計2,500MWのプロ ジェクトを募集した。これ らは2014年6月4日に事前審 国営電力会社PLNが発電及び送配電を担う。PLNは自家発電からの余剰電力やIPPからも電力を買い取っている。 • PLNは、コストと収入の差 を補填するため、部分的に 政府の補助金に頼っている • 政府保証は基本的に利用不可 原則として入札規制が存在 し、PLNにより競争入札が行 われている。 特定の条件を満たす場合、公 開入札を通さないことも可能 である。例として以下のよう な電力プロジェクトが挙げ られる: 投資の可能性 外資系投資家が直面 する主な問題 • 再生可能エネルギー又は地 元のエネルギー源(山元発 電、小規模ガス等)を使用 する電力プロジェクトの場合 • 現地の電力系統が危機的状 況若しくは非常事態に陥っ ている場合 • 既存の電力プロ ジェクトの出 力を拡大す る場合 • 外資系EPCへの制限:電源 の種類や電力プロジェクト の規模によって国内EPCの み許可 • 現地調達条件:電力プロジェ クトに必要な資材やサー ビスの現地調 達率を設定 プロジェクトが直面 する主な問題 • 主に土地の価格が原因で、 土地の確保がクロージング やプロジェクトの完成を遅 らせることがある • スポンサー契約によ り、COD(運営開始日) から5年間、プロジェクト 会社の株主を変更するこ とができないため、プロ ジェクトからの早期撤退 が制限される • 森林開発許可は森林省の複 雑かつ官僚的な制度によっ て取得に時間を要する ベトナム 設備容量: 35,000 MW 電力市場モデル: モデル 25 今後の電力市場の動向 • 電力需要率は今後大きく 増加する見込みで、設備 容量の目標値は2020年ま でに75,000MW、2030年 までに146,800MW •再生可能エネルギー優 先:電源の再生可能エ ネルギーが占める割合 を徐々に上げて(風 力、太陽光、バイオマ ス等)、2020年に設備 容量の4.5%到達を目指 す(風力1,000MWとバ イオマス500MWを含 む) •水力発電も優先:治 水、給水、発電等複数 の目的を持った水力発 電の開発 •火力発電: 燃料の分 散と必要 な容量を 満たせる 火力発電 を複数開発 5 外資系投資 家を含む 主要プレーヤー 主要国内プレーヤー: •水力発電:国営企業 のVietnam Electricity Corporation(EVN) 及びその子会社Song Da Corporation等 •火力発電: EVN、 国営の石油ガス企業 PetroVietnam(PVN)、 国営の石炭火力発電事 業者Vinacomin、 An Khanh Thermopower JSC 等 •再生可能エネルギー: EVN等 • タービン製造者、開発 事業者:EVN、PVN等 主要外資プレーヤー: •火力発電:Formosa、 AES、マレーシア系 JAKS Resources Berhad、 中国南方電網有限責任 公司(CSG) 、住友商事、 Janakuasa、Tai Kwang 等 •タービン製造者、開 発事業者:イギリス 系発電事業者の International Power、 双日等 た買取価格になるよう、 適用されている法令を見 直す。政府が市場介入な しに又は市場価格や参加 者へ合理的に介入した上 で、競争的な電力卸売市 場の設立を実施できた場 合、再生可能エネルギー プロジェクトが大幅に拡 大される可能性がある。 新規プロジェクトの 入札規制 投資の可能性 ベトナムは強く安定した 風が吹く土地に位置する ので、風力及び太陽光発 電プロジェクトが発展す る潜在的可能性が高い。 配電事業者が競争的な環 境から恩恵を受けられる よう、競争的な電力卸売 市場が今後設立される。 また、政府は発電及び供 給コストを正確に反映し 現在、グリーンフィール ドプロジェクトの公開入 札に関する、信頼性のあ る特定のガイドラインは 存在しない。 従って、他分野のプロジェ クトと比べると、特に規 制は存在し ない。 外資系投資家が直面 する主な問題 •風力と太陽光発電の開 発には方針や法規制の 更なる発展が必要 •再生可能エネルギーの 開発は、許認可取得手 続き、買取価格、買電 契約等について不確か な部分が多く、現地法 規制に従い、法的判断 を下す裁量を最小限に 抑えられるか見極めに くい •再生可能エネルギープ ロジェクトの開発には 多くの資金や技術コス トを要するが、EVNへ の買電から得る収入と 相殺されてしまうか、 銀行からのローンの保 証とするには収入が少 なすぎる •現在のEVNの財政状況 では、政府保証なく風 力発電所から買電する EVNの計 画を外 国投資 家や 銀行 が受 け入れ る可能性 は低い プロジェクトが直面 する主な問題 •財政的制約 •複雑な住民撤去等手続 き及び賠償制度 •政府決定の不透明性 (a) 発電:市場は競争的。(b) 送配電:国営。(c) 卸売:競争的な卸売市場を設立予定(2015~2016年テスト期間、2017~2021年までに完成)。(d) 小売:競争的な小売市場を設立予定(2021~2023年テスト期間、2023年以降に完成) マレーシア 設備容量: 25,024MW (マレー半島:21,749MW、 サバ州:1,265MW、サラワク州:2,010MW) 電力市場モデル: モデル 26 今後の電力市場の動向 今後は太陽光を中心に 再生可能エネルギープ ロジェクトの開発が進 む。2014年1月時点で、 再生可能エネルギーの設 備容量は約163MWに到 達し、合計500MW以上の プロジェクトが固定買取 価格制度の認定を受けて いる。2020年までに総発 電量の11%(約 2,080MW)を 再生可能エネ ルギーで賄 うことを目 指す。 政府は、太陽光のほか、 地熱発電も固定買取価格 制度に含むことを考慮し ているが、詳細は未定。 6 投資の可能性 外資系 投資家 を含む主要プレーヤー 主要国内プレーヤー: • 国 営 電 力 会 社 の テ ナガ・ナショナル (TNB) • 独立系電力事業者マラ コフ(Malakoff) •マレーシア政府の投 資会社、1マレーシ ア・デベロップメント (1MDB) 主要外資プレーヤー: •IPP公開入札:現在見込 まれているのは既存設 備改造プロジェクトの 入札が1件のみ •再生可能エネルギー: 太陽光、バイオガス、 バイオマス、小水力発 電への割当量が毎年リ セットされる固定買取 価格制度。マレーシア 政府は地熱をエネル ギーミックスに取り 入れることを検討中 •Green Technology Fund Scheme - グリーン・ テクノロジーへの投資 や利用を促進するため の30億リンギッ トのファンド 新規プロジェクトの入札 規制 公開入札の主な条件とし て、国内資本の参加が必 要となる。 近年におけるIPP入札で は、海外資本の株式保 有比率は49%以 下しか認め られてい ない。 外資系投資家が直面する 主な問題 •SunEdison - 太 陽光発電事業並 びに設備製造業 •外資系企業による土地 の所有の制限(外資系 企業が一部を保有する IPPは土地をリースしな ければならない) •First Solar - 太陽 光発電設備製造業 •IPPに対する外資系企業 の保有率は49%まで •三井物産 発電市場のみIPPの参入が可能。国営電力会社のテナガ・ナショナル(TNB)が基本的に発電、送配電事業を支配。 •特に不可抗力やインフ レ回避といっ たリスクの 分散は、 外資系信 用調査機 関にとっ て障害とな りうる • マレーシアのエネルギー 規制局(Suruhanjaya Tenaga)による落札者 の選出方法が不明瞭 (例:最低価格を提案 した入札希望者が落札 するとは限らず、直接 交渉による落札も見受 けられ、最近は公開入 札も実施されていない ようである) プロジェクトが直面する 主な問題 •電力プロジェクトを法 律の改正から守る規制 は特にない •TNBとの売電契約の内容 はほぼ交渉不可能 •石炭火力に関して、TNB はオフテーカーであると 共に、子会社を介した石 炭供給者でもある。第三 者から高価な石炭供給を 受け入れるという保証は ない •他の管轄に比べて投資金 融業者に与えられる保障 が減っており、国際銀行 や対外輸出信用機関の融 資を確保することが困難 (ただし、確保できる可 能性は残っている) (例:法律の改正からの 保護、工事請負業者や維 持管理業者との直接契約 の欠如)。ただし、現地 でローンや債券市場を利 用して電力事業の資金を 確保することは比較的容 易である ミャンマー 設備容量: 3,500 MW 電力市場モデル: モデル 27 今後の電力市場の動向 現在、人口6000万人で 電化率は約29%。電力市 場の潜在的成長力は大き く、2030年には年間電力 需要は12,000~19,000MW になると予想されている。 新電気事業法が成立すれば、 IPPがさらに促進される。 経済特別区法(2014) (SEZ 法)によって、外国投資法 (2012) (FIL)で既に指定さ れた区域とは別に、様々なイ ンセンティブを伴った指定区 域内における大型プロジェク トが促進されて、外国投資家 にとって更なる 魅力となって いる。 今後は、発電 事業への外国 投資が増える 傾向にあり、既に 投資が始まっている。ミャン マー電力公社(MEPE)は、 今後、送配電事業について官 民パートナーシップを組むこ とを発表。 7 外資系投資家を含む 主要プレーヤー 政府関係では、 Hydropower Generation Enterprise(HPGE) (水力 及び石炭)、MEPE (ガス火力及び送電網)、 Yangon Electricity Supply Board(YESB)(ヤンゴン地 区での配電)が主なプレー ヤー。 外資系投資家については、主 に以下を含む外国直接投資によ る発電が41%を占める。 水力発電: • Shweli River Projects (中国 国有企業 によるプ ロジェクト 3件- Sinohydro Bureau 14が建設したShweli 1 (600MW)、Sinohydro Bureau 15が建設した Shweli 2(460MW)、及び Sinohydro Bureau 14が建設 したShweli 3(360MW)) • 中国進出口銀行の融資に よって中国のコンソーシ アムが建設したYeywaダ ム(790MW) ガス火力プロジェクト: • 東洋タイ(100MW) ヤンゴン(タイ) 開発事業者は8年、投資家は 7年間所得税免除。その他長 期賃貸借の許 可、輸入税 免除、投 資保 護等) • APR Energy(100MW) (米国) • Asiatech Energy(230MW) (シンガポール) 投資の可能性 新規プロジェクトの 入札規制 • 大きな潜在市場 公開入札に対する規制は存在 しないが、近年では入札がよ り頻繁に行われている。 •政府は国内電力事業への 投資を歓迎 例として、以下のような入札 が存在する: • FILに基づく優遇税制等イ ンセンティブ(所得税5年 間免除、長期賃貸借の許 可、輸入税免除、投資保 護等) • CCGT Thahtonプロジェクト: 新聞を通じた入札 募集 • SEZ法に基づ く優遇税制 等インセン ティブ(免 除区域内の • 電力省による100MW発電 設備の国際標準化プロセ スを経た公開入札におい て、APRが落札 外資系投資家が直面 する主な問題 プロジェクトが直面 する主な問題 • アメリカ国籍の者は米財務 省のSDNリストに記載され ている個人または法人(若 しくはこれらの支配下にあ る法人)と取引を行っては ならない • 発電許可の取得手続きの不 透明性と遅延の可能性 • その他多くの外国投資家も SDNリスト対象者及び企業 との取引による影響を懸念 • 環境保全森林省による環境 影響評価報告の承認が必要 で、手続きには6カ月から1 年を要する • 法制度はまだ発展途上で不 確か • 規制の枠組みは脆弱 • 場、法制度、国家方針等予 測が難しい • カントリーリスク、信用リ スク等の資金調達への影響 • 資金繰り • 建設機器や資材の輸入に関 わる数々の法規制 • FILやSEZ法 には、ミャ ンマー人の 熟練労働者 の最低雇用 数が定められて いるが、そもそも熟練労働 者の確保は困難 • 金融制度が未熟 • 担保を取ることも実行する ことも困難 • 標準売電契 約書式を 使用 主に国営企業が発電市場を独占しているが、IPPが増加中。国営企業であるミャンマー電力公社(MEPE)が送配電を担当。電気事業法案によると、電力省の許可を取得して大規模送配電が可能になるが、この法案がいつ成立するかは未定。 タイ 設備容量: 40,000MW(2030年までに 55,000MW) 電力市場モデル: モデル 28 今後の電力市場の動向 今後は再生可能エネルギーへの 投資と近隣諸国からの買電が 主となる タイの電源開発計画、PDP2010 とその改正案から見る今後の 動向: • ガス火力 今後の投資は、タイランド 湾の天然ガス埋蔵量の低下 によって減少する可能性が 高い エネルギー規制局(ERC)及 び国家エネルギー政策委員 会(NEPC)はガス火力から更 に電力を調達する提案を出して いない 2013年に合計5,000MWのIPP競 争入札を行ったばかりである (2021年及び2023年運営開 始予定) • 石炭火力 PDP2010の改正案による と、石炭火力は目標設備容 量の20%まで増加予定。今 後投資は増える 可能性がある が、現地住民 の反対運動や 環境問題によ り、開発は困難 8 • 再生可能エネルギー PDP2010の改正案によると、 再生可能エネルギーは目標設 備容量の20%まで増加予定 • 原子力 PDP2010によると、福島県 の原発事故及び発電所の建 設予定地の現地 住民からの抗 議を受け、原 子力発電プロ ジェクトは今 後12年間延期 • 近隣諸国からの 買電 NEPCは、目標設備容量の 15%以下の電力を近隣諸国 から調達予定。タイは既に 近隣諸国といくつかのMOU を締結済み (例:タイへの主要電力輸 出国であるラオスからの 7,000MW分の輸入) 外資系投資家を含む 主要プレーヤー 主要国内プレーヤー: • Electricity Generating Public Company Limited(EGCO) • Ratchburi Electricity Company Limited(RATCH) • Amata B. Grimm Power Group • Global Power Synergy Company Limited(PTT Group子会社) 主要外資プレーヤー: • J-POWERグループ(Gulf Electric Public Company Limitedを介して) • GDFスエズ(Glow Energy Public Company Limitedの株 式保有(69%)を介して) 受領を中止 した。よっ て、太陽光 発電への投 資は既に売 電契約を確保 できた現地プレー ヤーとの共同出資又は合弁 事業(共同出資又は既存事 業会社の買収)に偏る • 2013年のIPP入札が最近完 了した。次回の入札時期は PDP2010の見直しによって 決まる 投資の可能性 比較的幅広いが、現在は停滞 している。 新規プロジェクトの 入札規制 • 再生可能エネルギープロジェ クトの買取価格加算はまだ 適用されており、特に太陽 光発電への投資が推進され ている。今後、この加算方 式は徐々に固定買取 価格制度に移行 する IPPプロジェクトに関する入 札制度あり。ERCはPDP2010 に定める目標設備容量に沿っ てIPP競争入札を公表し、投 資家から提案書(RFP)を要 請する。 太陽光発電 プロジェク ト開発の申 請数が多い ため、ERCは 最近新たな太 陽光発電の申請の SPP及びVSPPプロジェクト の競争入札はない。SPP 及びVSPPの投資家はプロジェ クトの規模及び場所によって タイ発電公社(EGAT)又は地 方電力公社(PEA)、首都圏 配電公社(MEA)に電力の売 買を提案し、当該国営公社と 売電契約を締結する認可を受 ける。各提案は、PDFP2010 の方針に沿ってその都度発表 されるEGAT、PEA又はMEAの SPP/VSPPからの買電に関す る公示に照らし合わせて審査 される。 外資系投資家が直面す る主な問題 特に大きな問題はない。 • 発電事業の開発及び EGAT、PEA又はMEAへの買電 はタイの外国事業法(FBA) の制限を受けない。FBAはサー ビス業等に適用される プロジェクトが直面 する主な問題 • 新たな土地区画法律:発電所 を含む工業施設の建設が制限 される地域がさらに拡大する • 当局による工場操業許可の発 行の遅延。プロジェクトによっ ては許可の取得まで5カ月以 上を要することもある • 売電契約を仲裁に付すには内 閣承認が必要なた め、EGAT、PEA 及びMEAは売電 契約に仲裁事項 を含むことに合 意しない。新た な売電契約の標 準契約書式では、 売電契約に関する紛争 は仲裁廷ではなく、ERCに任 命された専門家によって解決 されるものとしている • 外国投資家はタイ投資家委 員会に投資促進が認め られた場合、タイ 国内の土地を所有 することができる 主要発電事業者はタイ発電公社(国営企業EGAT)及びIPP。EGAT及びIPPが発電した電力はEGATによって首都圏配電公社MEA(国営企業)及び地方配電公社PEA(国営企業)へ送電され、全国の消費者に送配電される。 ラオス 設備容量: 2,550 MW9 電力市場モデル: モデル 210 今後の電力市場の動向 今後の投資は地理的に有 利な水力発電を中心に、 再生可能エネルギーが主 となる。また、ラオス政 府は水力発電に関する経 験が豊富である。 政府は、IPPによって国 内の電力システムを強化 し、2020年までに設備容量 を12,500MWまで増加させ る予定11。よって、IPPの 投資の可能性 は大きい。 外資系投資家を含む 主要プレーヤー 主なIPPプロジェクトスポ ンサー: •EGAT International Co., Ltd.(タイ) •Electricity Generating Public Company Limited(EGCO) (タイ) •Ch. Karnchang(タイ) •Ratchburi Electricity Co.(RATCH)(タイ) •中国水利電力対外公司 (中国) •中国水電 建設集団 国際工程 有限公司 (Sinohydro) (中国) •Vietnam-Lao Power Joint Stock Co. - VLPC(ベト ナム) 投資の可能性 主な投資機会は以下の とおり: •ASEAN電力網の最大電 力供給国を目指してお り(「アジアの電 池」)、2020 年までに設 備容量を 12,500MW まで増加 させるこ とを目指す •外国投資家に対す る開放的な政策 •近隣諸国への売電が国 家最大の収入源となっ ている • 電力需給は2015年まで に倍増することが予測さ れている 新規プロジェクトの入札 規制 競争入札を実施していな い。事業者は新規プロジェ クトを当局に申請し、 各プロジェクトはケース バイケースで審査さ れる。 外資系投資家が直 面する主な問題 • 法令等の情報へ のアクセス が限られてお り、政府機関 によって内容 に齟齬がある (集中管理シ ステムがなく、現 在システムを開発中) •担保権の行使につ いて、前例が少 ない •法令等はほとんど 高級言語で記され ており法的枠組みが不 明瞭かつ解釈が困難 プロジェクトが直面する 主な問題 •プロジェクト用地から の住民の移動(特に水 力発電の場合は、住民 の移動も大規模になる) に位置する。環 境保護団体はメ コン川流域にお ける水力発電の 開発を厳重に監 視している •河川を共有する各国との 合意:1995年、メコン 川の資源の管理や調整を 担うメコン川委員会をタ イ、カンボジア及びベト ナムと発足。メコン川の 本流における数威力発電 開発にはこれらの国々の 同意が必要 • 特にメコン川の自然保 護を中心とした環境保 護団体の抗議。メコ ン川は広大な湿地生 息地を提供し、世界 最大の内陸漁業地帯 でもあり、ラオスはほ ぼ全域がメコン川下流 9 ラオス人民民主共和国エネルギー鉱山省鉱山局、エネルギー政策計画部、2012年公表。 10 ラオスでは、(a)発電事業者は主に民間企業(IPP。ただし、通常、国営の投資機関との共同出資が条件である(例、ラオス電力公社及びラオス国営投資会社))、(b)国が発電事業者からすべての電力を買い取る、及び(c)ラオス電力公社 が送配電及び小売業をすべて行っている。 11 ラオス人民民主共和国エネルギー鉱山省鉱山局、エネルギー政策計画部、2012年公表。 フィリピン 設備容量: 17,025MW、うち15,066MWは安定 供給が可能 電力市場モデル: モデル1からモデル4へ移行中12 今後の電力市場の動向 今後の投資は主に石炭と天 然ガスが対象13。 しかし、フィリピン政府は、 2030年までに再生可能エ ネルギーの設備容量を更 に15,000MW追加できるよ う、再生可能 エネルギー への投資 を促して いる。 主な発電事業者は: •サン・ミゲル •アボイティスパワー社 (Aboitiz) •ファーストガス・ファー ストジェン •AESトランスパワー •エネルギー開発公社 •韓国水資源公社 (K-Water) •韓国電力公社/Salcon Philippines 外資系投資家を含む 主要プレーヤー 主要プレーヤー: 発電事業 •国家電力公社(NPC) (キリスト教ミッショ ン地域) •民間発電事業者 送電 •フィリピン国家送電公 社(Transco)が送電設 備を所有) •National Grid Corporation of the Philippines (Transcoの送 電設備を運営・保守し ているフィリピン及び 中国企業間のコンソーシ アム) 配電 •マニラ電力はフィリピ ン最大の電力配電事 業者 •その他民間配電事業者 や電化組合 投資の可能性 投資の可能性:14 •新規(グリーンフィー ルド)発電プロジェ クト •インディカティブ・プ ロジェクト支持者との 合弁 •電力小売事業 •NPC発電所の民営化及 びNPC-IPP契約 エネルギー省(DOE) は、従来型石油、ガス、 石炭の探査及び開発のた めに第5回エ ネルギー 公共契約 ラウンド (PECR) を開始した。 新規プロジェクトの 入札規制 電力産業改革法(EPIRA)に より発電事業は民営化され たため、基本的に入札規制 は存在しない。 例外として、以下のような ケースが存在する: に関する業務委託は、入 札若しくは協議を通じて 行われる • 法規制とインセンティ ブが変わる可能性 (例:先着順になって いる固定買取価格制度) •再生可能エネルギーにつ いては公開入札若しくは 競争入札又は直接協議に よって行われる プロジェクトが直面 する主な問題 外資系投資家が直面 する主な問題 •官僚的な遅れと長期に わたる行政手続き (例:中央政府および地 方政府の許認可が必要) •一部の分野で外資規制 あり(再生可能エネル ギーの探査・開発・利 用、水使用許可、土地 所有権) •残存する国営発電所の民 営化や、国営IPP契約は 入札が行われる •官僚的な遅れと長期にわ たる行政手続き(例:中 央政府および地方政府の 許認可が必要) •フィリピン・エネルギー 公共契約ラウンド (PECR)に基づいた、 石油や石炭探査及び開発 •必要な許可の取得可 能性が不確か (例:環境規制遵守 証明の取得) •必要な許可の取得可能 性が不確か(例:環境 規制遵守証明の取得) •法規制とインセンティ ブが変わる可能性 (例:先着順になって いる固定買取価格制度) • 独立系発電事業者は、 信用力のある取引 相手との売電契 約の確保が困難 (例:電気協同 組合) 12 共和国法9136電力事業改革法(Republic Act 9136(Electric Power Industry Reform Act)(EPIRA)以前は、政府、すなわち国営電力公社(National Power Corporation(NPC))が発電及び送配電を独占していた。現在、(a) 発電事業は民営 化され(NPCが保有する発電資産は民営化の過程にある)、(b) 送配電資産は公有されているが、民間企業によって運営・維持されており、(c) 配電会社及び電力小売事業者は民営化され、競争が激しい。 13 エネルギー省(DOE)投資推進室が2013年に発表したエネルギー分野への投資に関する資料において、今後実施される電力プロジェクトのリストより。 14DOE:フィリピンの電力市場への投資機会。数字は2013年5月現在既存発電所としてDOEのリストに記載されているもの。 日本 設備容量: 284,000 MW 電力市場モデル: モデル1からモデル2へ移行中 中長期的目標はモデル 415 今後の電力市場の動向 外資系投資家を含む 主要プレーヤー 福島第一原子力発電所事故 主要プレーヤー: 以来、電力事業は激変。 • 一 般 電 気 事 業 者 1 0 社 日本のベースロード電源の 及び卸電気事業者の 30%に値する原発がすべて (J-Power(電源開発)) 閉鎖された。 老朽化したピーク時用の石油 火力発電所が使用されている が、非効率かつ不安定であ るため、新たな設備容量確 保のために新規IPP電源を建 設中。 2012年7月に固定買取価格制 度を導入し、住宅用及び商業 用の太陽光発電が普及。 今後の主な傾向: • 再生可能エネルギーの増加 • 老朽化した火力発電所のリ プレース(更新)入札 • 大手日系系業 や外資系企 業の電力市 場への参入 • 丸紅等の少数のIPP事業者 • 三 菱 商 事 、 三 井 物 産 、 シャープをはじめとす る、在来型エネルギー資 源、並びに再生可能エネ ルギーの両分野における EPCコントラ クター • シャープ、 京セラ、東 芝等の太陽光 発電モジュール メーカー • 商業規模の太陽光発電事 業を営む様々なその他の 地域プレーヤー 新興外資プレーヤーは: パシフィコ、ゲスタンプ・ ソーラー、サンエジソン等 のプロジェクト開発事業者 やトリナ・ソーラー、イン リー、カナディアン・ソー ラーといったモジュール供 給者、その他外資系金融機 関や工事請負業者が再生可 能エネルギー事業に参入し ている 投資の可能性 過去に外国資本による一般 電気事業者の株式の取得が 政府により禁じられた事例 があったが、これは比較的 稀なケース。実際、海外投 資家によるIPP事業や再生可 能エネルギー事業への直接 投資が認められている等、 比較的開放的な市場だと言 える。多くの外資企業は日 本における再生可能エネル ギー事業を積極的に開発し ようとしており、いくつか の外資系大規模太陽光プロ ジェクトが工事段階まで進 んでいる。 外国投資家のビ ジネスチャンス は主に: • 再生可能エネルギー 固定買取価格制度が 開始してからの3年間に設備 認定を受けた商業用太陽光発 電設備を取得 して、工事と 運転を行う • 既に運転を開始 している太陽光発電所を買 収する(今後1~2年の間に 多くのプロジェクトが完成 され、運転を開始すると思 われる) • 各電力会社が入札募集して いる発電所の新設やリプレー スに応札して、電力会社と 長期売電契約を結ぶ 新規プロジェクトの 入札規制 一般電気事業者が1MWの発電 容量を超えるプロジェクトの 新設若しくはリプレースを行 う場合、公開入札が必要とな り、すでに幾つかの入札が行 われている。 外資系投資家が直面 する主な問題 • 市場改革案によって新たな プロジェクトについて、あ る程度の不確実性が生じて いる 15 電力会社の新規、増築、リプレース火力発電は入札を要するという新たな規則が導入された。 中長期目標は送配電分野の分離によるモデル4への移行。 • 外国投資家へのプロジェク トファイナンスはまだ初期 段階で、現地の銀行は徐々 に外資系投資プロジェクト に対して融資を始めてい る。しかしながら、いくつ かの外資系大規模太陽光プ ロジェクトが最近プロジェ クトファイナンスを確保で き、この傾向は続く模様 • 特に農地に関する法規制は 厳しく、電力プロジェクト に使用できる土地を確保す る競争が激しい • 日本におけるプロジェクト には、文化及び言語の壁が 存在する プロジェクトが直面 する主な問題 • 再生可能エネルギープロ ジェクトが主に直面する 土地問題: • 規制の厳しい農地では 電力プロジェクトを 実施できない • 林地:整地のため に行える森林伐採 の上限等、規制が 設けられている • 人口の密集、山がちな地 形、山地以外の土地で既 に行われている集約的利 用によって、大規模な土 地の確保は困難 • 送配電線からの距離が離 れていると、系統連系の 工事費用も時間も多くか かる • 北海道における再生可能 エネルギープロジェクト は需要の低さ、本州への 送電線容量の制限、蓄電 池の必要性、最大130日 の停止期間の制限等、厳 しい条件のため難航して いる • 新規IPP事業は適地や環 境関連許可(石炭火力発 電にかかる新しい厳格な 規制を含む)の取得が難 しい • 石炭や天然ガスといった 燃料の国内生産は少な く、輸入に頼らなけ ればならない 東京(日本) 東京(日本) イアン・マックファーソン サミール・デサイ パートナー +81 3 6271 9468 ean.macpherson @bakermckenzie.com オフ・カウンセル +81 3 6271 9459 samir.desai @bakermckenzie.com 執筆協力者一覧 本書は、以下に記載するベーカー&マッケンジーの各オフィスの 協力を得て完成に至りました。 シドニー(オーストラリア) ジャカルタ(インドネシア) シンガポール(シンガポール) 台北(台湾) Zoe Rafter Luke Devine Henry Cort Tiffany Huang シニア・アソシエイト +61 2 892 2 5485 zoe.rafter @bakermckenzie.com 外国法コンサルタント、HHP +62 21 2960 8600 luke.devine @bakernet.com アソシエイト・プリンシパル +65 6434 2589 henry.cort @bakermckenzie.com パートナー +886 2 2715 7254 tiffany.huang @bakermckenzie.com ヤンゴン(ミャンマー) マニラ(フィリピン) バンコク(タイ) ホーチミン(ベトナム) Christopher Hughes Felix Sy Sawanee Sethsathira Hoang Kim Oanh Nguyen パートナー +95 1 255056 / 255057 /255059 christopher.hughes @bakermckenzie.com パートナー +63 2 819 4963 felix.sy @quisumbingtorres.com パートナー +66 2636 2000 p 3444 sawanee.sethsathira @bakermckenzie.com パートナー +84 8 3520 2629 hoangkimoanh.nguyen @bakermckenzie.com www.bakermckenzie.com 創設当初からDNAに刻まれた グローバルの視点 ベーカー&マッケンジーは、45カ国以上に4,100名の弁護士を擁 する国際総合法律事務所です。グローバルな視点と多文化的アプ ローチを通じ、各国オフィスの協力体制のもと、クライアントに 実務的かつ革新的なサービスを提供しています。私たちは世界の 国々における固有のビジネス文化を深く理解するとともに、国境 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