Excel ソルバーで解く 線形計画問題

Excel ソルバーで解く
線形計画問題
2011年度
大阪大学・経済学部
大学院・経済学研究科
Excel ソルバーで解く線形計画問題
目
次
第一部 Excel 2007
1
1.Excel の準備
1.1
ソルバーの有効化
1
1.2
2回目以降の起動
1
3
2.簡単な線形計画問題
第二部 Excel 2010
12
1.Excel の準備
1.1 ソルバーの有効化
12
1.2 2回目以降の起動
13
14
2.簡単な線形計画問題
i
Excel ソルバーで解く線形計画問題
第一部 Excel 2007
1.Excel の準備
1.1
ソルバーの有効化
Microsoft Excel を起動し
「データ」
のタブを選択する.メニューに図1.1の右上に示すような
「ソルバー」
が表示されなければ,ソルバーが有効になっていない.
ソルバーを有効にするには,左上の Office ボタン
をクリックし,図1.1のような
画面にしておく.ここで
「Excel のオプション(I)」
をクリックする.すると図1.2のような画面が表示される.
「データ」
のタブを選択したとき,ここに
「ソルバー」
がなければ,自分でソルバーを有効に
する必要がある
Excel のオプシ
ョン
図1.1
ソルバーの有効化1
1
Excel ソルバーで解く線形計画問題
図1.2
ソルバーの有効化2
図1.2の画面では,画面左側に表示される
「アドイン」
を選択.すると図1.3の面が表示される.図1.3では画面下に「管理:Excel アドイ
ン」と表示されているのを確認し
「設定(G)」
をクリックする(図1.4の画面が表示される).
「ソルバーアドイン」
にチェックを入れ「OK」ボタンをクリックする.
以上の操作でソルバーが有効となる.
2
Excel ソルバーで解く線形計画問題
図1.3
ソルバーの有効化3
図1.4
ソルバーの有効化4
3
Excel ソルバーで解く線形計画問題
1.2
2回目以降の起動
自分のPCであれば,ソルバーは一度有効にしておけば次回起動時からは有効のままであ
る.しかし大学の演習室などでは,環境設定の関係で,毎回上のような操作を行わなければ
ならない場合もある.
2.簡単な線形計画問題
例題2.1
Sub. to: x 1 + 2x 2 ≤ 250
2x 1 + x 2 ≤ 200
(1)
x 1, x 2 ≥ 0
max
z=20x 1 + 30x 2
をソルバーで解くには,第1段階として,問題をエクセルのシート上に記述する.それには
次の手順に従えばよい.
[第1段階目の操作]
(1)
(2)
Excel シートに図1.5のような画面を作成する.
①のエリアには,与えられた問題が見やすくなるように,係数を中心にまとめてあ
る.
(3)
②のエリアには,使用する変数名をまとめてある.各変数の右側のセル,つまりエ
リア③は,ソルバーが使用する領域であり,そこに各変数の取る値が表示される.
最適解が得られたときにも,その変数の値はエリア③に表示される.
(4)
エリア④は,その右側のセルが表す情報がわかりやすいようにした見出しである.
4
Excel ソルバーで解く線形計画問題
①
②
③
⑤
④
図1.5
(5)
例題1の画面
エリア⑤は,目的関数および制約式の式を登録するエリアであり,同時に対応する
セルに目的関数の値,制約式の値が表示される.最適解が得られた場合にも,それ
ぞれの値が表示される.
(6)
上の(1)∼(6)は,各自が自分にとって見やすい配置をすれば良く,特に深い
意味はない.重要なのはむしろ,目的関数や制約式のもつ式情報を登録する次の[第
2段階目の操作]である.
[第2段階目の操作]
(7)
図1.5のような準備が終わると,次に目的関数と制約式を登録する.図1.6を
用いてその操作を詳しく説明する.
5
Excel ソルバーで解く線形計画問題
= C7*C9+D7*C10
を登録
図1.6
(8)
目的関数と制約式の登録
初めに目的関数の式を登録しよう.図1.6の画面では,目的関数の式の情報を登
録するのはセル C12 である.
①
セル C12 にカーソルを移動
②
セル C12 に次の式を登録
= C7*C9+D7*C10
ここで,登録した式の内容は 20x 1 + 30x 2 であり,式(1)で与えられた問題の目的関数
に他ならない.
(9) 次に式(1)の一つ目の制約式を登録しよう.これを登録するのは,図1.6の画面の
セル C13 であり,ここに
= C5*C9+D5*C10
を登録すればよい.ここまでで x 1 + 2x 2 という式の情報を登録したことになる.
(10)同様に二つ目の制約式を登録しよう.これは図1.6の画面のセル C14 であり,
= C6*C9+D6*C10
6
Excel ソルバーで解く線形計画問題
を登録すればよい.ここまでで 2x 1 + x 2 という式の情報を登録したことになる.
(11)変数の非負条件を登録することも可能であるが,後述するように「オプション」を
利用する方が便利である.
以上で,目的関数および制約式の登録が終了した.次に,最終段階である[第3段階目の操
作]に進む.
[第3段階目の操作]
(11)
[第3段階目の操作]では,ソルバーに必要な情報がどのセルに格納されているかを
ソルバーに教示する.このためには
「データ」−「ソルバ)」
を選択することで,ソルバーを起動する.すると図1.7のような画面が表示され,
画面中央右よりに表示されているような「ソルバー
パラメータ設定」と呼ばれる
ボックスが現れる.
(12)
「ソルバー
パラメータ設定」をクローズアップすると図1.8のようになる.
(13)目的関数の指定:図1.8の「ソルバー
パラメータ設定」で
①
目的関数を登録したセルを指定(ここでは,C12)
②
変数の値が表示されるセルを指定(ここでは,C9:C10 の2つのセル)
③
制約式を登録したセルを指定
(制約式1)
・ 「追加」ボタンをクリック(図1.9の画面が表示)
・ セル参照  制約式1を登録したセルを指定(ここではセル C13)
・ 等式,不等式の指定(ここでは,” ≤ ”を指定)
・ 右辺の値を指定(ここではセル E13 か,あるいは F5 を指定)
・ 「OK」をクリック
(制約式2)
「追加」ボタンをクリック(図1.7の画面が表示)
・ セル参照  制約式2を登録したセルを指定(ここではセル C14)
・ 等式,不等式の指定(ここでは,” ≤ ”を指定)
・ 右辺の値を指定(ここではセル E14 か,あるいは F6 を指定)
・ 「OK」をクリック
7
Excel ソルバーで解く線形計画問題
図1.7
ソルバー起動時の画面
(制約式1と2の同時指定)
上では制約式1,2を個別に指定したが,これらの制約式はいずれも” ≤ ”なる不等
式制約である.このよう不等号の向きが同じに制約式や,等式の制約式など同じ
不等号,等号を用いる制約式はまとめて指定することができる.
・ 図1.8の画面で「追加」ボタンをクリック(図1.9の画面が表示)
・ セル参照  セル C13:14 を指定
・ 等式,不等式の指定(ここでは,” ≤ ”を指定)
・ 右辺の値を指定(ここではセル E14:E15 か,あるいは F6:F7 を指定)
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Excel ソルバーで解く線形計画問題
目的関数の式を登録し
たセルを指定
制約式を登録したセル
を指定
変数の値が表示される
セルを指定
図1.8
ソルバー
図1.9
④
パラメータ設定
制約条件の入力画面
オプションを指定.図1.8で「オプション」をクリックすると図1.10の画面
が表示される.
⑤
「線形モデルで計算」にチェックを入れる.線形計画問題を解く場合には必ずここ
をチェックする.
⑥
「非負数を仮定する」にチェックを入れる.変数の非負制約を丹念にシートに登録
する代わりに,ここをチェックする.
「OK」をクリック.
⑦
図1.8に戻り,
「実行」をクリック.
⑧
図1.11のような探索結果のボックス画面が表示される.
⑨
図1.11において,
「レポート」のテキストウィンドウ部分に表示されている「解
答」を選ぶと,別のシートに詳しい結果が書き込まれる.「感度」のレポートには,
各制約式の潜在価格,各変数の限界費用などの結果が書き込まれる.
⑩ 「解を記入する」にチェックが入ったまま,
「OK」をクリックすると,図1.12
のようにシート上の変数の値を表示するセルや目的関数の値を表示するセルに,最
適解の値が表示されている.「レポート」の「解答」や「感度」を選択していると,
それぞれの結果が別のシートに出力される.
9
Excel ソルバーで解く線形計画問題
・線形計画問題の
場合必ずチェック
・変数の非負制約
の代わりにここを
チェックしておく
図1.10
オプション指定
図1.11
10
探索結果
Excel ソルバーで解く線形計画問題
最適解の変数の値
最適解における目
的関数,制約式の
値
図1.12
11
最適解
Excel ソルバーで解く線形計画問題
第二部 Excel 2010
1.Excel の準備
1.1
ソルバーの有効化
Microsoft Excel を起動し
「データ」
のタブを選択する.メニューに図2.1の右上に示すような
「ソルバー」
が表示されなければ,ソルバーが有効になっていない.
「データ」
のタブを選択したとき,ここに
「ソルバー」
がなければ,自分でソルバーを有効に
する必要がある
図2.1
ソルバーの有効化1
ソルバーを有効にするには,
「ファイル」−「オプション」
を選択し,図2.2のように
「アドイン」−「設定」
を選ぶと,図2.3のような画面が表示される.ここで
「ソルバーアドイン」
にチェックを入れ,
「OK」をクリックする.これで,ソルバーは有効となる.
12
Excel ソルバーで解く線形計画問題
1.2
図2.2
ソルバーの有効化2
図2.3
ソルバーの有効化3
2回目以降の起動
自分のPCであれば,ソルバーは一度有効にしておけば次回起動時からは有効のままであ
る.しかし大学の演習室などでは,環境設定の関係で,毎回上のような操作を行わなければ
ならない場合もある.
13
Excel ソルバーで解く線形計画問題
2.簡単な線形計画問題
基本的な操作方法は第一部のそれに同じであるので,それを参照すること.ただし,図
2.4において
「制約のない変数を非負数にする」
にチェックを入れ,
「解決方法の選択」で
「シンプレックス LP」
を選択しておく.
図2.4
ソルバーのパラメータ
14