Vol.7 No.4 (2005.11)

environment Update
−海外環境関連情報誌−
第 40 号
Vol.7 No.4 (2005.11)
CONTENTS
WEEE/RoHS 指令の最新動向
RoHS 追加除外の決定および WEEE 主要国の体制
<参考資料> 委員会決定 2005/747/EC
2
6
委員会決定 2005/717/EC
8
REACH、EuP の最新動向
欧州環境規制(REACH、EuP)の動向
日本機械輸出組合ブラッセル事務所次長
11
徳増 伸二
講演録
米国の環境法規制動向 〜 州別リサイクル/省エネ法規制 〜
株式会社プロティビティジャパン
アソシエイトディレクター
蛇抜 信雄
17
モニタリング
欧州 ・連載 欧州環境規制動向
〜 在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
28
米国 ・連載 米国における環境関連動向
〜 在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [36]
41
中国〖22〗中国国家環境保護総局、「電子廃棄物環境汚染防止管理弁法」を制定
組合員のページ
三菱電機グループの環境への取り組み
三菱電機株式会社 環境推進本部 副本部長
蛭田 道夫
57
環境・安全グループニュース
62
環境・安全グループ担当委員会の活動状況
事務局便り
64
50
WEEE/RoHS 指令の最新動向
RoHS 追加除外の決定および WEEE 主要国の体制
環境・安全グループ
長らく正式な発表が待たれていた RoHS 指令の追加適用除外については、パッケージ 1 と 2 の案
件が去る 10 月にようやく官報に告示された。一方、WEEE 指令については、多くの加盟国で国内
法が制定されているが、体制をかなり整えている国がある半面、詳細規定が未策定で体制が十分
整っていない国もある。これらの動向について、当組合ブラッセル事務所からの情報等に基づき
以下に報告する。
Ⅰ. RoHS 指令の追加除外決定
1.第 1 パッケージ案件の追加除外決定
・ 2004 年 7 月 5 日締め切りの第 1 次コンサルテーション案件のうち同年 12 月および 2005
年 3 月に TAC(技術適応委員会)において可決された追加適用除外案件である。本件につ
いては、欧州委員会が本年 10 月 21 日に除外決定の採択を行い、EU 官報に委員会決定と
して告示したものである。
(EU 官報コピーは 6 ページに掲載)
・ 追加除外が認められた用途は以下の通り。
1)付属書の第 7 項を以下の通り修正
第 1 項目:高融点ハンダに含まれる鉛(すなわち鉛含有率が重量で 85%以上の鉛ベー
スの合金)
(現行付属書の「高融点ハンダに含まれる鉛」のカッコ内規定「(すなわち鉛
含有率が 85%を超える錫/鉛ハンダ合金)」を修正)
第 2 項目:サーバー、ストレージおよびストレージアレイシステム、スイッチ/シグ
ナル/電送用ネットワーク・インフラストラクチャー装置および通信管理
ネットワークのハンダに含まれる鉛
(現行付属書第 7 項第 2 項目のカッコ内の文言「2010 年まで除外」を削除
し、2 項目と 3 項目を合体)
2)付属書の第 8 項を以下の通り修正
危 険 物 質 お よ び 調 剤 の 上 市 と 使 用 の 制 限 に 関 す る 指 令 76/769/EEC の 改 正 指 令
91/338/EEC に基づき禁止された用途を除く電気接点中のカドミウムとその化合物およ
びカドミウム表面処理
(現行付属書の「危険物質および調剤の上市と使用の制限に関する指令 76/769/EEC の
改正指令 91/338/EEC に基づき禁止された用途を除くカドミウム表面処理」を修正=
「電気接点中のカドミウムとその化合物および」を追加)
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Vol. 7 No.4 (2005.11)
RoHS 追加除外の決定および WEEE 主要国の体制
3)新たな除外用途として以下を追加
第 11 項:コンプライアント・ピン・コネクター・システムに使用される鉛
第 12 項:熱伝導モジュール C-リングのコーティング材として使用される鉛
第 13 項:光学・フィルターガラスに含まれる鉛とカドミウム
第 14 項:マイクロプロセッサのピンとパッケージの結合用で 2 種類超の成分を含有す
るハンダの中に含まれる鉛で鉛含有率が重量で 80%超、85%未満のもの
第 15 項:IC フリップチップ・パッケージ内の半導体金型とキャリアーの電気結合用に
使用されるはんだの中に含まれる鉛
2.第 2 パッケージ案件の追加除外決定
・第 1 次コンサルテーション案件のうち 20005 年 4 月 19 日の TAC で特定多数に達せず否決
され、その後理事会に諮られたもの。理事会では 9 月 2 日の投票で可決にも否決にも必要
な特定多数に達しなかったことから、欧州委員会の決定に委ねられた。これを受けて欧州
委員会は 2005 年 10 月 13 日に本件追加除外決定の採択を行い、EU 官報に委員会決定とし
て告示したものである。(EU 官報コピーは 8 ページに掲載)
・追加除外が認められた用途は以下の通り。
1)付属書の第 9a 項として追加:ポリマー用途に含まれる Deca-BDE
2)付属書の第 9b 項として追加:鉛・青銅ベアリング・シェル及びブッシュに含まれる鉛
II. WEEE 指令に関する主要国の体制
・WEEE 指令の実施(廃電気電子機器の回収・リサイクル等義務の開始)は 2005 年 8 月 13 日
となっているが、未だ国内法を制定していない国もあり、また制定済みの国でも詳細規則が
未整備であったり登録受付などの体制が整っていなかったりする国もある。WEEE&RoHS 指
令の国内法制定済みの国および主要国の WEEE 指令実施体制について整理し、以下に紹介す
る。
1.WEEE&RoHS 指令の国内法制定済みの国
・国内法「制定済み」を WEEE & RoHS 指令に対応した基本的な国内法を制定した段階でと
るか詳細な規則まで制定した段階でとるかにより変わってくるが、ここでは基本的な法律
を制定した国を「制定済み」とした。2005 年 10 月までに国内法を制定した加盟国の数は
以下の通り。
*WEEE 指令:25 カ国中 22〜23 カ国(英国、マルタが未策定。ラトビアは 2005 年 10〜11
月採択予定だが、採択されたかどうか未確認。)
*RoHS 指令:25 か国
2.主要国の WEEE 指令実施体制
・以下に独仏蘭 3 カ国の WEEE 指令実施体制の概要を紹介する。ドイツは分別回収等の実施
が遅れているが、内容的には比較的準備が整っており、オランダは従来から特定の機器に
ついて分別回収体制が出来ていることもあって体制整備が早いようである。一方、フラン
スは詳細について未だ検討中の段階である。
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RoHS 追加除外の決定および WEEE 主要国の体制
実施国(法令)
スキーム
ドイツ
*一般家庭からの WEEE
・自治体が回収。生産者(メーカー、輸入者、再販業者)は回収拠点以降の
回収を行い、回収・リサイクル等処理費用を負担(2006 年 3 月 24 日から)
・分別回収マーク(車輪付きゴミ箱に×印)表示義務
(2006 年 3 月 24 日から)
・過去の WEEE(2005.8.13 以前に上市)の処理費用は生産者が市場占有率に応
じて負担
・ビジブルフィー(処理費用の上乗せ明示)を実施(過去の WEEE)
*一般家庭以外からの WEEE
・生産者が回収。処理費用は生産者が負担
・過去の WEEE の処理費用はエンドユーザーが負担(ユーザーとの取り決め
がある場合は、それに従う。)
*保証金
・一般家庭からの WEEE 用のみ。共同スキームも対象。
・形態は、保険、銀行封鎖勘定、適切なファイナンスシステムへの参加のい
ずれか。
*用意するコンテナー(5 分類)
・大型家電製品、自動販売機
・冷却機器
・情報技術・通信技術機器、民生用電子機器
・ガス放電ランプ
・小型家電製品、照明装置、電子電気工具、玩具・スポーツ・レクレーショ
ン機器、医療機器、監視制御機器
*共同回収機構
・EcologyNet Europe(全欧州、照明装置以外)
・ERP(全欧州、照明装置以外)
・ProReturn(IT・遠隔通信機器及び民生用機器)
*登録
・生産者は EAR(廃電子機器登録財団)に登録(期限 2005.11.24)
(ElectroG Law)
フランス
(政令)
(省令策定中)
*一般家庭からの WEEE
・自治体が回収。分別回収の超過費用は生産者が負担
・分別回収マーク(車輪付きゴミ箱に×印)表示義務
(2005 年 8 月 13 日から)
・ビジブルフィーを実施(過去の WEEE)
*一般家庭以外からの WEEE
・生産者が回収。回収・リサイクル等処理費用は生産者が負担(ユーザーと
の取り決めがある場合は、それに従う。)
・過去の WEEE の処理費用はエンドユーザーが負担(ユーザーとの取り決め
がある場合は、それに従う。)
・省令により特定カテゴリーにビジブルフィーも可(過去の WEEE)
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Vol. 7 No.4 (2005.11)
RoHS 追加除外の決定および WEEE 主要国の体制
実施国(法令)
スキーム
*保証金
・一般家庭からの WEE 用のみ
・参加する共同スキームに事前に費用を支払う場合は対象外
・形態は、保険契約、銀行封鎖勘定、または貸付機関もしくは保険会社によ
る保証金のいずれか
*共同回収機構
・Eco-Systèmes(大型家電、民生用機器)
・AllianceTiCS+FICIME(IT・遠隔通信機器)
・ERP(全欧州、照明装置以外)
・Syndicat de l’Èclairage(照明装置)
*登録:正式登録はまだ出来ない。(関連規則策定中)
オランダ
(政令及び
規則)
*一般家庭からの WEEE
・自治体が回収。生産者は回収拠点以降の回収を行い、回収・リサイクル等
処理費用を負担(2005 年 8 月 13 日から)
・分別回収マーク(車輪付きゴミ箱に×印)表示義務
(2005 年 8 月 13 日から)
・過去の WEEE(2005.8.13 以前に上市)の処理費用は生産者が市場占有率に応
じて負担
・ビジブルフィー可(過去の WEEE)
*一般家庭以外からの WEEE
・生産者が回収。処理費用は生産者が負担。
・過去の WEEE の処理費用はエンドユーザーが負担(ユーザーとの取り決め
がある場合は、それに従う。)
*保証金
・一般家庭からの WEEE 用のみ
・形態は、リサイクル保険、銀行封鎖勘定、適切なファイナンススキームへ
の参加のいずれか
*共同回収機構
・NMVP(家電製品、民生用機器)
・ICT-Milieu(IT・遠隔通信機器、事務機械)
・Stichting Lightrec(照明装置)
*登録:SenterNoverm(環境省の付属機関)に登録(期限が過ぎているが登録可
能)
□
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L 271/48
EN
Official Journal of the European Union
15.10.2005
COMMISSION DECISION
of 13 October 2005
amending for the purposes of adapting to the technical progress the Annex to Directive 2002/95/EC
of the European Parliament and of the Council on the restriction of the use of certain hazardous
substances in electrical and electronic equipment
(notified under document number C(2005) 3754)
(Text with EEA relevance)
(2005/717/EC)
THE COMMISSION OF THE EUROPEAN COMMUNITIES,
(4)
Exemptions from the prohibition for certain specific
materials or components should be limited in their
scope, in order to achieve a gradual phase-out of
hazardous substances in electrical and electronic
equipment, given that the use of those substances in
such applications will become avoidable.
(5)
Pursuant to Article 5(1)(c) of Directive 2002/95/EC, each
exemption listed in the Annex to that Directive must be
subject to a review at least every four years or four years
after an item is added to the list with the aim of
considering deletion of materials and components of
electrical and electronic equipment if their elimination
or substitution via design changes or materials and
components which do not require any of the materials
or substances refered to in Article 4(1) is technically or
scientifically possible, provided that the negative environmental, health and/or consumer safety impacts caused by
substitution do not outweigh the possible environmental,
health and/or consumer safety benefits thereof. Therefore,
the review of each exemption provided for in this
Decision will be done before 2010.
Having regard to the Treaty establishing the European
Community,
Having regard to Directive 2002/95/EC of the European
Parliament and of the Council of 27 January 2003 on the
restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment (1), and in particular Article
5(1)(b) thereof,
Whereas:
(1)
Under Directive 2002/95/EC the Commission is required
to evaluate certain hazardous substances prohibited
pursuant to Article 4(1) of that Directive.
(2)
Certain materials and components containing lead,
mercury, cadmium, hexavalent chromium, polybrominated biphenyls (PBB) or polybrominated diphenyl
ethers (PBDE) should be exempt from the prohibition,
since the elimination or substitution of these hazardous
substances in those specific materials and components is
still impracticable.
(6)
Pursuant to Article 5(2) of Directive 2002/95/EC, the
Commission has consulted producers of electrical and
electronic equipment, recyclers, treatment operators,
environmental organisations and employee and
consumers associations and forwarded the comments to
the Committee established by Article 18 of Council
Directive 75/442/EEC of 15 July 1975 on waste (3) (the
Committee).
(3)
Since the risk assessment of DecaBDE, under Council
Regulation (EEC) No 793/93 of 23 March 1993 on the
evaluation and control of the risks of existing
substances (2), has concluded that there is at present no
need for measures to reduce the risks for consumers
beyond those which are being applied already, but additional studies are required under the risk assessment,
DecaBDE can be exempted until further notice from
the requirements of Article 4(1) of Directive
2002/95/EC. Should new evidence lead to a different
conclusion of the risk assessment, this decision would
be re-examined and amended, if appropriate. In parallel
industry is implementing a voluntary emissions reduction
programme.
(7)
The Commission submitted the measures provided for in
this Decision for vote in the Committee established under
Article 18 of Directive 75/442/EEC on waste on 19 April
2005. There was no qualified majority in favour of these
measures. Thus, in accordance with the procedure set out
in Article 18 of Directive 75/442/EEC, a Proposal for a
Council Decision was submitted to Council on 6 June
2005. Since on the expiry date of the period laid down
in Article 7(2) of Directive 2002/95/EC the Council had
neither adopted the proposed measures nor indicated its
opposition to them in accordance with Article 5(6) of
Council Decision 1999/468/EC of 28 June 1999 laying
down the procedures for the exercise of implementing
powers conferred on the Commission (4) the measures
should be adopted by the Commission,
(1) OJ L 37, 13.2.2003, p. 19.
(2) OJ L 84, 5.4.1993, p. 1. Regulation as amended by Regulation (EC)
No 1882/2003 of the European Parliament and of the Council (OJ
L 284, 31.10.2003, p. 1).
(3) OJ L 194, 25.7.1975, p. 39. Directive as last amended by Regulation
(EC) No 1882/2003.
(4) OJ L 184, 17.7.1999, p. 23.
15.10.2005
EN
Official Journal of the European Union
HAS ADOPTED THIS DECISION:
Sole Article
The Annex to Directive 2002/95/EC is amended as set out in the Annex to this Decision.
This Decision is addressed to the Member States.
Done at Brussels, 13 October 2005.
For the Commission
Stavros DIMAS
Member of the Commission
L 271/49
L 271/50
EN
Official Journal of the European Union
ANNEX
The Annex to Directive 2002/95/EC is amended as follows:
1. The title is replaced by the following:
‘Applications of lead, mercury, cadmium, hexavalent chromium, polybrominated biphenyls (PBB) or polybrominated
diphenyl ethers (PBDE) which are exempted from the requirements of Article 4(1)’;
2. The following point 9a is added:
‘9a. DecaBDE in polymeric applications;’
3. The following point 9b is added:
‘9b. Lead in lead-bronze bearing shells and bushes’.
15.10.2005
L 280/18
EN
Official Journal of the European Union
25.10.2005
COMMISSION DECISION
of 21 October 2005
amending for the purposes of adapting to technical progress the Annex to Directive 2002/95/EC of
the European Parliament and of the Council on the restriction of the use of certain hazardous
substances in electrical and electronic equipment
(notified under document number C(2005) 4054)
(Text with EEA relevance)
(2005/747/EC)
provided that the negative environmental, health and/or
consumer safety impacts caused by substitution do not
outweigh the possible environmental, health and/or
consumer safety benefits thereof.
THE COMMISSION OF THE EUROPEAN COMMUNITIES,
Having regard to the Treaty establishing the European
Community,
Having regard to Directive 2002/95/EC of the European
Parliament and of the Council of 27 January 2003 on the
restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment (1), and in particular Article
5(1)(b) thereof,
(5)
Directive 2002/95/EC should therefore be amended
accordingly.
(6)
Pursuant to Article 5(2) of Directive 2002/95/EC the
Commission has consulted producers of electrical and
electronic equipment, recyclers, treatment operators,
environmental organisations and employee and
consumers associations and forwarded the comments to
the Committee established by Article 18 of Council
Directive 75/442/EEC of 15 July 1975 on waste (2), hereinafter ‘the Committee’.
(7)
The measures provided for in this Decision are in
accordance with the opinion of the Committee,
Whereas:
(1)
In accordance with Directive 2002/95/EC the
Commission is required to evaluate certain hazardous
substances prohibited pursuant to Article 4(1) of that
Directive.
(2)
Certain materials and components containing lead and
cadmium should be exempt (or continue to be exempt)
from the prohibition, since the use of these hazardous
substances in those specific materials and components is
still unavoidable.
HAS ADOPTED THIS DECISION:
Article 1
(3)
(4)
Some exemptions from the prohibition for certain
specific materials or components should be limited in
their scope, in order to achieve a gradual phase-out of
hazardous substances in electrical and electronic
equipment, given that the use of those substances in
such applications will become avoidable.
Pursuant to Article 5(1)(c) of Directive 2002/95/EC each
exemption listed in the Annex must be subjected to a
review, at least every four years or four years after an
item is added to the list, with the aim of considering
deletion of materials and components of electrical and
electronic equipment if their elimination or substitution
via design changes or materials and components which
do not require any of the materials or substances referred
to in Article 4(1) are technically or scientifically possible,
(1) OJ L 37, 13.2.2003, p. 19. Directive as amended by Commission
Decision 2005/717/EC (OJ L 271, 15.10.2005, p. 48).
The Annex to Directive 2002/95/EC is amended as set out in
the Annex to this Decision.
Article 2
This Decision is addressed to the Member States.
Done at Brussels, 21 October 2005.
For the Commission
Stavros DIMAS
Member of the Commission
(2) OJ L 194, 25.7.1975, p. 39. Directive as last amended by Regulation
(EC) No 1882/2003 of the European Parliament and of the Council
(OJ L 284, 31.10.2003, p. 1).
25.10.2005
EN
Official Journal of the European Union
ANNEX
Annex to Directive 2002/95/EC is amended as follows:
1. point 7 is replaced by the following:
‘7. — Lead in high melting temperature type solders (i.e. lead-based alloys containing 85 % by weight or more lead),
— lead in solders for servers, storage and storage array systems, network infrastructure equipment for switching,
signalling, transmission as well as network management for telecommunications,
— lead in electronic ceramic parts (e.g. piezoelectronic devices).’;
2. point 8 is replaced by the following:
‘8. Cadmium and its compounds in electrical contacts and cadmium plating except for applications banned under
Directive 91/338/EEC (*) amending Directive 76/769/EEC (**) relating to restrictions on the marketing and use of
certain dangerous substances and preparations.
___________
(*) OJ L 186, 12.7.1991, p. 59.
(**) OJ L 262, 27.9.1976, p. 201.’;
3. the following points are added:
‘11. Lead used in compliant pin connector systems.
12. Lead as a coating material for the thermal conduction module c-ring.
13. Lead and cadmium in optical and filter glass.
14. Lead in solders consisting of more than two elements for the connection between the pins and the package of
microprocessors with a lead content of more than 80 % and less than 85 % by weight.
15. Lead in solders to complete a viable electrical connection between semiconductor die and carrier within integrated
circuit Flip Chip packages.’
L 280/19
現 地 報 告
欧州環境規制(REACH,EuP)の動向
日本機械輸出組合ブラッセル事務所次長
徳増
伸二
欧州の環境規制として今後産業界に大きな影響を及ぼすとみられている新化学品規制(REACH)
案および EuP 指令について、これまでの経緯も含めて最近の動きを以下の通り報告します。
1. 新化学品規制(REACH)案
<これまでの経過>
・ 2003 年 10 月に欧州委員会案が出された後、理事会では WG を設置し検討が進められてきた
が、欧州議会においては選挙が 2004 年 6 月にあったこと、また、本格審議に入る前に本規制
案が経済社会に与える影響について更なる調査が必要との理由から 2004 年中は実質審議に
は入らず、2005 年 1 月の欧州議会公聴会を終えてから審議に入るスケジュールとなった。
・ 今年の春先までは、現行の規制案の撤回や抜本的な大幅修正を求める声があがっていたが、4
月下旬に、欧州委員会が全体調整を行い実施した(資金提供:産業界、委託先:KPMG)イン
パクト・アセスメントの結果として、
「中小企業等へはそれなりの影響となる可能性はあるも
のの、総じて REACH による産業界への影響は manageable」との報告が出された以降、規制
案の撤回や抜本修正を求める声は鳴りを潜め、欧州委員会から出されている規則案を如何に
より workable なものに修正するかの議論となってきている。
<日本企業の関心>
・ 日本企業の関心は多くが成型品に関する条文についてであり、現在の条文では登録や届出を
求められる成型品の外延が不明確で、解釈によってはかなり荷重な負担となり得ることに起
因。また、モノマー/ポリマーの登録スキームについて不満を持つ企業もあり。
・ 成型品に対する規制への懸念は、日・欧・米の産業界(自動車・ゴム業界を除く)は何れも
同じポジションであり、条文修正に向け共闘している。なお、自動車・ゴム業界は、域内生
産者が実質的に優位となるよう、現行案どおりの成型品への規制を望んでいる模様(成型品
への規制は、その上流過程で当該化学物質が既に登録されていれば不要となるので、実質的
には域外から入って来た場合にのみ対象となる)
。
・ 一方、モノマー/ポリマーの登録スキームについては、欧州の化学業界と欧州委員会との調
整の結果、現行案となった経緯があり、欧州産業界は本条文の修正案には冷たい。日本企業
以外では、一部米国企業に同様の修正意見を持つ企業がある模様。
<議会での審議状況>
・ 議会においては環境委員会が主委員会であるが、その他、産業委員会、域内市場委員会など
の 9 つ の 委 員 会 で も 審 議 。 産 業 委 員 会 及 び 域 内 市 場 委 員 会 は enhanced cooperation
committee という位置づけとなっており、本会議において、主委員会である環境委員会から
JMC environment Update
11
Vol. 7 No.4 (2005.11)
欧州環境規制(REACH、EuP)の動向
の修正意見とは別にこの 2 つの委員会からも修正意見を出すことが可能となっている。
・ 本年 1 月の公聴会以降、本格的な審議が各委員会で始まり、7 月及び 9 月に環境委員会を除
く 9 つの委員会で採決が行われ、10 月 4 日には主委員会である環境委員会で採決が行われ
た。その後、11 月 17 日には第一読会の本会議で採決が行われ、賛成 398、反対 143、棄権
36 の賛成多数で可決された。
・ 環境委員会、産業委員会、域内市場委員会での所属議員から出された修正提案数は各々1,183、
1,301、895 に達し、さらに本会議での修正提案数も 1,000 以上に上るなど、ここに至るま
で膨大な数の修正案がテーブルされた。
【産業委員会及び域内市場委員会での採決(両委員会とも 9 月 13 日)の内容】
・ 両委員会とも制度の簡素化、企業(特に中小企業)への負担軽減を目指す修正案が出され、
産業界の意見を踏まえた修正案が採択された。具体的には、少量生産物質への負担の軽減、
曝露に基づくリスク評価、対象範囲の絞込み・明確化、欧州化学庁の権限強化等が採択され
た。修正ポイントは以下のとおり。
・ 登録 − 1-10t の生産量・輸入量の物質の登録の際に求められる情報の軽減を両委員会で採
択。域内市場委員会においては 10-100t についても負担軽減の修正案を採択。また、議長国
英国が提案している一物質一登録(OSOR)に関しては、データの共有を強く勧める修正案と
なっている。
・ 成型品 − 両委員会ともに 6 条 1 項(意図した放出)については each article type の文言の
削除(→ each article type が何を意味するのか不明であるための削除との見方もあるが、こ
の文言の削除により成型品タイプごとの登録でなくなり、1 トンの基準値に数量が達しやす
くなるため登録範囲が広がる恐れがあるとの見方もあり)及び登録対象の明確化(絞込み)
の条文修正が採択された。一方、6 条 2 項(意図しない放出)については、域内市場委員会
は条文削除、産業委員会は、欧州化学庁が一定の条件下で登録が必要と考える場合には製造
者・輸入者に登録を求めることが出来るスキームへの修正案が採択された。
・ モノマー・ポリマー − 5 条 3 項(ポリマー中のモノマー登録)については、域内市場委員
会では登録を届出にすることにより負担軽減を図る修正案が採択されたが、産業委員会では
同修正案は否決された。
・ 採決後、産業界がこれら修正案を概ね歓迎する旨の声明を出す一方、環境 NGO 等は REACH
を骨抜きにするものとして激しい非難の声を上げた。
【環境委員会での採決(10 月 4 日)の内容】
・ 登録 − 中小企業に配慮して、1-10t の生産量・輸入量の物質については登録の際に求めら
れるデータを軽減する修正を認めたが、産業界が同じく求めていた 10-100t の物質への負担
軽減の修正案は否決。また、データ共有(OSOR)を原則義務付け。
・ 成型品 − 6 条 1 項(意図した放出)については、each article type の文言削除の修正のみ。
JMC environment Update
12
Vol. 7 No.4 (2005.11)
欧州環境規制(REACH、EuP)の動向
6 条 2 項については、極めて毒性の高い物質(認可対象物質)が含まれている場合に届出を
求めるスキームに変更(議長国英国案と似通っている)。なお、届出を求める際の条件とし
て、極めて毒性が高い物質(認可対象物質)であること以外の要件を(a)- (c)で示している。
その際、(a)、(b)は含有量の閾値的なものであるが、(c)においては”where the producer or
importer can not exclude any exposure of the public or the environment to the substance
during the article full life-cycle Life” とあり、解釈に曖昧さが残るとの指摘もある。
・ モノマー・ポリマー − 日本が要望してきた登録を届出に変える修正案は通らず。しかしな
がら、CEFIC(欧州化学工業会)が要望してきた負担軽減案(既存指令(67/548/EEC)で登
録済みのポリマーについては登録済みとみなす)が採択された。
・ 認可 − 認可の有効期間を最大 5 年とする条文を追加。
(→ 認可を求めるような有害物質は、
代替物質が開発されるべきであり、それを促すため有効期間を導入すべきとの考え方。)
・ 環境委員会の採択に関し、産業界は落胆、環境 NGO は賞賛。
【本会議での採決(11 月 17 日)の内容】
・ 登録 − 本規制案導入により最も影響を受けると見込まれる 1-10t の少量生産物質の登録の
際に求めるデータについて、ターゲットアプローチを導入した。これは、既存物質について
は事業者が知り得る限りの情報提供は求めるもののそれ以上のデータは必要に応じて提出を
求めることとするものである。一方、1-10t であっても、新規物質や極めて有害性が高い物質
についてはフル・セットの安全性データの提出が求められる。また、英国・ハンガリー等が
主張してきた「一物質一登録制度」についても特別な場合を除いて導入されることとなり、
提出データの可能な限りの共有を進めるアプローチを採用した。
・ 認可 − 有害性が極めて高い物質の使用には認可が求められるが、代替品がない場合のみ認
可を認め、また、代替品の開発を促す観点から認可期間は 5 年毎の更新制となっており、産
業界にとって厳しい修正案である。
・ 成型品 − 意図的に物質を放出する場合の登録については大きな修正はないが、これまでの
意図しない物質の放出の場合に届出を求めるスキーム案を、リストに掲載されている有害性
が高く環境・健康への悪影響が強く憂慮される物質が含まれている場合に届出を求めるス
キーム案に変更した。
・ 中小企業への配慮 − ヘルプデスクの設置やガイダンス文書を作成する等により、規制遵守
に向けた支援を実施。
・ 欧州化学庁 − 物質および提出資料の評価に際して、今後創設される欧州化学庁の権限を強
化。
<理事会での審議状況>
・ 理事会においては、登録に係るコストを削減する手法として英国・ハンガリーが提案した One
Substance One Registration (OSOR) 提案、少量(1-10t)の物質に対して求める情報量
JMC environment Update
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Vol. 7 No.4 (2005.11)
欧州環境規制(REACH、EuP)の動向
(現行案では不十分との指摘が北欧諸国からある一方、少量生産物質が本規制による影響を
最も甚大に受けるとの指摘あり)、登録の優先付けの提案、成型品への規制、欧州化学品庁の
役割等が議論されてきた。
・ 8 月上旬に現在の議長国の英国は、これまでの理事会 WG での議論を踏まえた修正案を作成
し、加盟国に意見提出を求めた後、9 月 5−6 日に開催された理事会 REACH Ad-Hoc WG に議
長国案を提示。議会の各委員会(特に産業委員会、域内市場委員会など)にテーブルされた
修正案に比べると、本修正案は産業界からの意見はそれ程反映されておらず、北欧の加盟国
等の環境寄りの意見も踏まえた内容となっており、自らが議長国の間に政治的合意にまで達
したい強い意思の現れと推測される。
【議長国案の内容】
・ 登録 − 生産量・輸入量が 1-10t の場合には、登録の際に求められる情報を軽減。10-100t に
ついても求められる情報を軽減。また、動物試験データに限らず、データを原則共有する仕
組みに(OSOR)。
・ 成型品 − 6 条 1 項(意図した放出)については、each article type の文言削除。6 条 2 項に
ついては、発がん性、高蓄積性などの有害性が極めて高い物質を含む場合に届出を求めるス
キームに変更。また、含有率 0.1%の閾値も導入。
・ モノマー・ポリマー − 川上で登録されていれば、ポリマー中のモノマーの登録を免除する条
文を追加。
【競争力相理事会での議論(10 月 11 日)の内容】
・ 10 月 11 日の競争力相理事会で REACH を議論。生産量・輸入量が 1-10t の場合に求める情報
を軽減することについて多くの賛成が得られたほか(反対する加盟国もあり)、10-100t の求
める情報の軽減についても賛成が多数であった。また、
(動物試験に限らず)全てのデータの
共有や同一物質への登録を共同で行うに当たっては、コスト効率的な方法、且つビジネス上
の秘密情報の保護も確保した上で行う必要があることについてコンセンサスが得られた模様。
【環境相理事会での議論(10 月 17 日)の内容】
・ 10 月 17 日の環境相理事会で成型品規制について議論が行われた。議長国修正案が広く支持
され、6 条 2 項(意図しない放出)の修正案(極めて有害性が高い物質が含まれる場合には届
出)については広範な合意が得られた。
<欧州委員会での検討>
・ 議会、理事会での議論と平行して、欧州委員会では施行に向けた取り組み RIP (Reach
Implementation Project) を実施中。特に、RIP 3.8 は成型品の規制についてのガイダンス・ド
キュメントを作成することになっており、日本産業界にとって重要な位置づけ。このため、
欧州委と交渉して、本プロジェクトに参加する十名程度の専門家の一人に日本からの代表者
を加えてもらうことで合意。第一回会合が 9 月末に開催され、ガイダンス・ドキュメント素
案が示され、それに対して日本としての意見を現在取りまとめ中。
JMC environment Update
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Vol. 7 No.4 (2005.11)
欧州環境規制(REACH、EuP)の動向
・ 第一読会が終了した時点で、これまでの議会・理事会での議論を踏まえた形で欧州委案が再
度出される見込み。なお、9 月半ばに、その原案の一部と見られる修正案を内々に加盟国に
回していたものがリークされ、少量物質の登録の際に求める情報を軽減する内容の修正案で
あったため、議会環境派、環境 NGO から激しい非難の声が上がった。
【今後の予定】
・ 今回の議会の動きに対し、当初、加盟国代表で構成される理事会についても今月末の 11 月
28-29 日の競争相理事会で政治的合意を目指す予定であったが、本規制によって最も影響を
受けることが見込まれるドイツが、政権移行中であり十分は検討体制がとれないとの理由に
より政治的合意の延期を主張。これを受けて 11 月末の政治的合意はなくなり、現在のところ
12 月下旬の競争相理事会において政治的合意を目指す予定。その後、見込まれる動きとして
は、まずは欧州議会・理事会での議論を踏まえた修正規制案が欧州委員会から提案され、そ
の後に第二読会での審議に入ると予想される。順調整に進めば 2006 年中あるいは 2007 年初
めにも最終採択される見込み。
2. エコデザイン(EuP)指令
<これまでの経過>
・ 地球温暖化対策等を背景に、エネルギー多消費製品に対しての環境規制を製品設計段階から
設けることを意図した指令。
(これら製品の環境負荷の約 8 割は設計段階で決める → エコデ
ザインが重要)
・ 2003 年 8 月に欧州委より枠組み指令案が出され(担当総局は企業総局及び運輸・エネルギー
総局)、本年 7 月に最終的に採択。
・ 今般採択された枠組み指令では、将来、電気電子機器、ガス・灯油暖房機器等のエネルギー
多使用製品に対するエコデザイン規制を導入するために必要となる分野横断的な事項が定め
られているが、実質的な規制内容は今後個別機器ごとに策定される「実施対策令」において
決定される予定。なお、実施対策令はコミトロジー・プロセス(欧州委員会が加盟国の代表
等からなる専門家会合を開催して決定)による。
・ なお、議会・理事会での議論の最大の争点はリーガル・ベース(法の根拠)であった。委員
会案は欧州共同体設立条約 95 条(域内調和)のみをリーガル・ベースとするものであったが、
第一読会で 175 条(環境保護)を加えた 2 つをリーガル・ベースとする修正が行われた。175
条が含まれると各国毎の上乗せ・はみ出し規制も可能となるため、産業界は域内で統一され
た規制となるよう 95 条のみをリーガル・ベースにすることを強く主張。最終的には、リーガ
ル・ベースは 95 条のみとなったが、例外的な措置として、欧州委員会がその必要性を認めた
場合には各国の上乗せ・はみ出し規制が出来ることになっている。
<Study>
・ 現在、欧州委員会の委託を受けたオランダの VHK 社が方法論(methodology)に関する調査
(study)を実施しており、近く最終報告書が出される予定。同調査では、どういった方法で
エコデザインを評価していくべきかをケース等を通して調査。去る 10 月 3 日に欧州委主催
JMC environment Update
15
Vol. 7 No.4 (2005.11)
欧州環境規制(REACH、EuP)の動向
の同調査に関するセミナーが開催され、報告書案の概要がプレゼンテーションされたが、参
加者より報告書内容について不満の声が多く聞かれた。このため 10 月 15 日まで書面での意
見を受けつける旨のアナウンスがされた。
・ 上記 methodology study に引き続き、間もなく detailed study が開始される予定(detailed study
は運輸・エネルギー総局が主導とのこと)。欧州委によると、同調査では更に詳細が検討さ
れる予定であり、技術的な詳細情報が不可欠となるため、関心のある企業には積極的な貢献
をお願いしたいとのこと。来年初めに立ち上げられる Consultation Forum(下参照)では技
術的詳細についてはあまり議論がされてないとのことであり、技術的内容のインプットは同
調査への協力を通して行うことが適当とのこと。
<今後の予定>
・ 本年 7 月に枠組み指令が最終採択され、それ以降 2 年間は加盟国が国内法の整備を行うこと
になっており、その間に実施対策令が採択されることはない。しかしながら、この 2 年間の
間に実施対策令策定に向けての準備を出来る限り進め、2007 年後半の早い時期から実施対策
令の採択を開始したい意向の模様。
・ 実施対策令(implementing measures)の策定に向け、”Consultation forum”と“Regulatory
committee”が立ち上げられる予定。
・ Consultation forum は 2006 年始めに立ち上げられる。本フォーラムは意見を表明するための
場であり決定権限は有さない。
・ Regulatory Committee (←実施対策を決定する委員会)は 2007 年まで会合が開かれること
はない見込み。
・ 加盟国のメンバーは両方の組織に参加。産業界、NGO 等は Consultation forum のみ幾つか席
が用意される見込み。
・ 実施対策令についてのパブリック・コンサルテーションは、Consultation forum に諮った後
に必ず行われる予定。
□
JMC environment Update
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Vol. 7 No.4 (2005.11)
講 演
米国の環境法規制動向 〜 州別リサイクル/省エネ法規制
株式会社プロテイビテイジャパン
アソシエイト・ディレクター 蛇抜信雄
(当組合「貿易と環境専門委員会」
「環境問題関西委員会」元委員長)
本稿は、去る 10 月 28 日の環境問題関西委員会における蛇抜 信雄氏の講演を取り纏め、同氏の
校閲を得て掲載するものです。
本日のテーマは、アメリカの環境法規制です。みなさんの関心は欧州にあるようですが、実は
アメリカの方が法律の数とか文献の数が非常に多いのです。特に、連邦法よりも州法の方で、意
外と見過ごしている法律が多い。それと、カリフォニア州及び、東部のバーモント州を中心とす
る環境先進州のテーマが先行すると、だいたい右にならえで他の州に波及していきます。今のア
メリカは、エネルギー政策がかなり動いています。そのエネルギー政策は、全体的な代替エネル
ギーの問題として取り上げられておりますが、製品にからんで、エナジースターを中心とする省
エネに進んでいるのです。それから、eco-efficiency、つまり環境効率を求める法律は州のほうが
多いという状況です。さらに当然欧州の影響を受けて、臭素系難燃剤の全廃、e-waste の法律が
ほとんどの州法で法案が提出され、検討が進められています。アメリカ、日本、欧州の動き、そ
れに中国が少し遅れてついてくるという状態で、案件は少し異なりますが、この四極は同じ流れ
だという感じです。
表1
グローバル環境法規制ロードマップ
循環型経済社会
製品含有化学物質
UNEP
化学物質管理/届出
欧州
米国
中国
RoHS
6 物質
水銀規制
水 銀 規 制
CA- RoHS 6 物質
C-RoHS
6 物質+α
EINECS / ELINCS
E-PRTR/IPPC
REACH
エコデザイン / ラベル EuP / IPP
Flower Mark
CE Mark
WEEE
廃棄物/リサイクル
鉛/水銀 / カドミ
包装材
新電池指令
自動車
ELV
JMC environment Update
水銀規制
TSCA
TRI
Pro-65
E-Star
CA-WEEE
MD, ME
包装材
電池管理法
RBRC
FC
17
新規化学物質管理
危険化学品登録
危険化学品安全管理
省エネラベル
C-WEEE
C-WEEP
包装材
廃棄電池汚染防止
Vol.7 No.4 (2004. 11)
米国の環境法規制動向 〜 州別リサイクル/省エネ法規制 〜
前頁の表は最近私が作ったのですが、環境のグローバル・ロードマップです。欧州、米国、中国
では、このような案件で 2020 年くらいまでかかる感じです。製品含有化学物質関連、RoHS 6 物質
規制や水銀規制が始まっています。最近、欧州ではハロン、フロンを中心に地球温暖化ガスの規制、
米国ではこの分野ではカリフォニア州リサイクル法の中で欧州 RoHS 指令を引用した化学物質の規
制が入っており、これが今、各州に影響を与えているというのが大きな流れです。中国では、中国
版RoHS が法制化の最中で、
中国政府は、
WTO に物質プラス他の有害物質の使用を禁止する内容で、
2006 年 7 月 1 日から発効する旨、正式に WTO に通報しました。これで中国も、時間軸だけは欧州
と一緒に 7 月 1 日に焦点を合わせたということになります。
UNEP(国連環境計画)関係でも登録等についての規制という世界的な水銀規制というテーマをあ
げることができます。一方では、化学物質の登録制度があります。これは、日本も含めて化学物質
の届出をしないと製造・販売できないといった大きな流れの中で、欧州はこれから 11 年かけて 10
万物質と言われている化学物質のうち 3 万物質についてランキングして、登録、評価出、許認可を
システムとして REACH という大きな枠組みの中で実施していきます。これからは、化学物質は
REACH を中心に動いていくのではないかという感じです。基本的には、今まで科学的に検証、アセ
スメントをやっていない物質あまりに多くて、この世界は簡単にできない。日本も欧州も実は 10
万というのは、もともと 1981 年以前の統計でして、今、流通しているのはだいたい 3 万物質です。
従って、今までの古い 10 万物質の見直しをするのは当然です。
一方、アメリカでは TSCA において毎年物質が増えたり、消えたりしています。また、アメリカ
のプロポジョン 65 は、最近事務機器メーカーの案件として動いています。中国は、これまで大気、
及び土壌、建物に対する環境規制は多かったのですが、製品関連の法律はやや少ない。近々、中国
版 WEEE(+WEEP) と RoHS ができれば、中国ではじめて正式な製品関連の法律が出来ることにな
ります。過去の新規化学物質管理とか危険化学品登録という法律は改訂される予定です。
エコデザインや環境ラベルに関しては、欧州では、EuP を中心に、LCA と環境設計の観点から、
CE マーキングの制度が強化されていきます。すなわち EuP の枠組み指令が官報で発表され、これ
から対象製品を具体的に選択していく、すなわち実施細則令がこれから策定されていくというもの
です。米国はエナジースターを中心に、製品の省エネ関連、プラス、eco-efficiency regulation とい
うのが連邦法や州法で今、動いています。中国では、冷蔵庫を中心に、省エネラベル規制が進めら
れていく。廃棄物/リサイクル関係では、欧州は WEEE が今 25 カ国分の 21 カ国が完了、RoHS の
方が 25 カ国分の 23 カ国が完了ということで(10 月 13 日現在)大手のイギリス、フランスが未完
了ですが、ほとんどの加盟国で WEEE/RoHS は国内法の移行が完了していると思います。
廃棄物/リサイクル関係は、WEEE を中心に動いていくであろう、と思われます。カリフォニア
州は、E-Waste の中でリサイクルと有害化学物の規制を始めています。それから、包装材、硬質プ
ラスチックのリサイクルというのがアメリカでは今、動いています。中国は、中国版-WEEE、中国
版-WEEP(技術政策)
、RoHS を交えた三つの柱で動いていくだろうといわれています。その他、欧
州では新電池指令がニッカドを段階的に廃止しようとか、
回収率をあげようとかいった流れの中で、
スウェーデンを中心とした政府がニッカドを段階的に廃止する方向に動いています。米国では、電
池管理法という連邦法がありますが、RBRC が非常に大きなスキームになっていて、電池規制に関
してはどこの州も RBRC を使うようにという省令を法律の中で謳っているようです。最後に、自動
車に関しては ELV がありますが、水素を用いたものが出てきており、これが大きな流れになると思
います。
JMC environment Update
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Vol.7 No.4 (2005. 11)
米国の環境法規制動向 〜州別リサイクル/省エネ法規制〜
Ⅱ. 米国連邦法
以下の一覧表が米国の連邦法の大きな流れを示していますが、実質的にアメリカは土壌・水に関
する法律と大気に関する法律があります。毎日のように事例が出てきています。罰金、罰則はこの
分野では非常に大きいものがあります。また、大きな流れの中でスーパーファンド法というものが
あり、さらに、資源の回復、固形廃棄物にまつわる資源の有効利用の回復の法律があります。
アメリカでは、環境規制の中では、やはり労働安全衛生法が一番厳しい。もともと労働災害で死
亡する人が年間約 15 万人いたわけです。これが歴史的な背景で、労働安全衛生法ができて、罰金
の額が大きく、責任者が牢屋に行くという厳しい法律です。廃棄物に関しても、この労働安全衛生
法が必ず関連してきます。また、地下貯蔵タンク関係の法律があります。アメリカではタンクの 10%
が地下にもぐっていると地下の貯蔵タンク法の対象となり、それ以外は別の法律の対象となるとい
うように細かい法体系となっています。それと、有害物質管理法として TSCA があります。これが
大きな連邦法の仕組です。
図 1 米国連邦法
米国連邦法
水質浄化法
水質浄化法
¾ 直接排出: 全米排出汚染物質浄化制度(National
全米排出汚染物質浄化制度(National Pollutant discharge Elimination System: NPDES) ←州によって発行
¾ 間接排出: 公共汚水処理所(Publicly
公共汚水処理所(Publicly--Owned Treatment Works: POTW)の処理プロセスに準じるもの
POTW)の処理プロセスに準じるもの ←一般・
一般・産業別/
産業別/カテゴリー別規制
大気浄化法
大気浄化法
¾ 各州による州実施計画(State
各州による州実施計画(State Implementation Plans: SIPs)
SIPs)
¾ 新規発生源性能基準(New
新規発生源性能基準(New Source Performance Standards: NSPS)
¾ 発生源カテゴリー別有害大気汚染物質に関する連邦排出基準(National
発生源カテゴリー別有害大気汚染物質に関する連邦排出基準(National Emission Standard for Hazardous Air Pollutants for Source
Source
Categories: NESHAPs for source categories)
包括的緊急対処補償責任法
包括的緊急対処補償責任法
スーパーファンド修正
スーパーファンド修正 // 再授権法
再授権法
‹ 緊急計画及び市民の知る権利に関する法律(Emergency
緊急計画及び市民の知る権利に関する法律(Emergency Planning and community RightRight-toto-Know Act:
EPCRA)=SARA タイトルIII
タイトルIII
‹ 有害物質排出インベントリー(Toxic
有害物質排出インベントリー(Toxic Release Inventory: TRI)
資源保護回復法:
:固形(
資源保護回復法
固形(非有害)
非有害)廃棄物及び有害廃棄物
資源保護回復法:固形(非有害)廃棄物及び有害廃棄物
¾各州による独自のプログラムにより施行
¾廃棄物の輸送:運輸省(Department
廃棄物の輸送:運輸省(Department of Transportation: DOT)
‹ 労働安全衛生法(Occupational
労働安全衛生法(Occupational Safety and Health Act:OSHA)
地下貯蔵タンク
地下貯蔵タンク
有害物質管理法
有害物質管理法
3
© 2005 Protiviti Japan Inc.
州別の動きについては、特定臭素系難燃剤規制、水銀規制等を中心に、法律になっているもの、
あるいは法案で今動いているものを中心に、お話をしようと思います。
(なお、事務局にて講演内容を当日資料に基づき、各規制を一覧表にしたので、以下の本文では
一覧表の補足説明や関連情報のみを記載する。
)
JMC environment Update
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Vol.7 No.4 (2005. 11)
米国の環境法規制動向 〜 州別リサイクル/省エネ法規制 〜
Ⅲ. 特定臭素系難燃剤規制
我々は、西部はカリフォニア州、東部はバーモントを中心とした 2 拠点を環境先進州と呼んでい
まして、新しい制度はここからスタートするといって過言ではないと思います。臭素系難燃剤は、
もともと欧州で騒がれています。アメリカでは、特定臭素系難燃剤は州法として、法制化が進んで
います。
州法はだいたい中身が似ております。ただ、運用方法が微妙に違うので、どう対応したらいいの
か、ということを中心に考えていただければ良いのではないかと思います。今の州法は Penta-BDE、
Octa-BDE を中心に動いていますが、ある州では Deca-BDE を禁止しようとする動きも見られます。
メリーランド州は、Deca-BDE に関して、2007 年 1 月 1 日まで調査をするということですが、今
回、欧州が Deca-BDE の継続使用を認めたことに対して、アメリカがどう動くかという点が注目さ
れます。
ニューヨーク州では、2006 年 1 月 1 日以前に生産された製品の再販売、あるいは 2006 年 1 月 1
日以前に生産された交換部品は除外にします。欧州の historical waste に非常に解釈が似ているよう
です。
表 2 特定臭素系難燃剤規制
州
カリフォニア
州
ハワイ州
メリーランド
州
メイン州
ミシガン州
ニューヨーク
州
規制名/制定日
Flame Retardant Restriction
(PBDE)
制定日:2004 年 9 月 21 日
概要
・ 2006 年 6 月 1 日以降、0.1%以上の Penta-BDE,
Octa-BDE を含む製品、製品の一部に難燃剤として
使用しているものの製造・加工・販売を禁止。
Act 146: Polybrominated ・ 2006 年 1 月 1 日以降、0.1%以上の Penta-BDE,
diphenyl ethers
Octa-BDE を含む製品、製品の一部に難燃剤として
制定日:2004 年 6 月 24 日
使用しているものの製造・加工・販売を禁止。
HB83 Penta-BBDE 及 び ・ 2008 年 10 月 1 日以降、0.1%以上(同)製品・物質
Octa-BDE 禁止法令
の加工・販売を禁止
制定日:2004 年 10 月 1 日
・ Deca-BDE は 2007 年 1 月 1 日まで調査
Restrictions on sale and
・ 2006 年 1 月 1 日以降、1%以上の PBDE の Penta
distribution of brominated
混合物及び Octa 混合物を含有する製品を販売する
flame retardants (PBDE)
ことを禁止
制定日:2004 年 4 月 1 日
Penta-BDE & Octa-BDE – ・ 2006 年 6 月 1 日より 0.1%以上の Penta-BDE 及び
Natural
resources
and
Octa-BDE を含有する製品あるいは物質の製造、加
environmental
protection
工、流通の禁止
act: Act 451 of 1994
・ OEM の交換部品は免除
Section 37-0111
・ 2006 年 1 月 1 日以降、
Penta-BDE、
Octa-BDE 0.1%
Prohibition
against
以上含有する製品・部品の生産、販売の禁止
brominated flame retardants ・ 以下は除外
*州を通過し他州あるいは他国へ納品される製
品・織物あるいは関連する物質
*2006 年以前に生産された製品の再販売、あるい
は 2006 年 1 月 1 日以前に生産された交換部品
JMC environment Update
20
Vol.7 No.4 (2005. 11)
米国の環境法規制動向 〜州別リサイクル/省エネ法規制〜
Ⅳ. 水銀規制
アメリカの水銀規制は、歴史が古い。東部を中心に 2020 年までに水銀を全廃しようといった大
きなスキームの中で州法が動いております。
カリフォニア州の規制において、水銀体温計については、一般の consumer がお店に行って買っ
てはだめ、ということで、医師が処方したもの以外は販売禁止となっています。これは同州に限ら
ず、多くの州の流れです。
また、ノベルティーで装飾品を中心にかなりの水銀が使われているので、多くの州の法律でノベ
ルティーと体温計という文言が入っております。
表 3 水銀規制
州
規制名
カリフォ
ニア州
CA SB633
California
Mercury
Reduction Act of
2001
メリーラ
ンド州
HB136
Mercury Law
JMC environment Update
概要/発効日
◆
・
・
◆
・
・
・
◆
・
水銀体温計
処方されたもの以外は、販売禁止
2002 年 7 月 1 日発効
ノベルティー
置物・装飾品・オモチャ・ゲーム
水銀含有ノベルティーの製造・流通・販売の禁止
2003 年 1 月 1 日発効
小・中学校における使用
代替がないと認められた測定デバイスを除き、教室での測定デバ
イスの購入禁止
・ 発効日:即
◆ 車両ライトスイッチーボンネット、トランクにある水銀を含むラ
イトスイッチ
・ 車両の廃棄またはリサイクル前に、有害物質管理部または解体業
者に水銀ライトスイッチの除去及び再生させる技術支援を行う
・ 発効日:2004 年 1 月 1 日
◆ 水銀含有体温計
・ 2002 年 10 月 1 日より、処方箋の場合を除いて販売禁止
◆ 水銀添加製品
・ 染料/顔料 ・電気スイッチ ・蛍光灯 ・サーモスタット
2006 年 4 月 1 日以降ラベル貼付のない水銀添加製品を販売禁止
◆ ラベル貼付
・ 2006 年 1 月 1 日以降、製造業者のラベル貼付責任
・ ラベルは購買者・消費者に明確に下記を明記する
1.水銀が製品に含有していること
2.連邦・州法に従って環境への水銀放出を最低限に抑えるよう製
品の管理をすること
◆ 車両ラベル
1. 車両製造業者は、ラベルを新しい車両のドアポストに貼付できる
2. 点検時に水銀含有製品を新たに車両に使用した場合は、ドアポス
トのラベルは更新する
3. 他の州の同様のラベル貼付要求に遵守している製造業者は、それ
をもってよしとする
21
Vol.7 No.4 (2005. 11)
米国の環境法規制動向 〜 州別リサイクル/省エネ法規制 〜
州
規制名
コネチ
カット州
Public Act 02-90
Act Concerning
Mercury
Education and
Reduction
Public Act
093-0964
Environment
Protection Act
(Mercury)
イリノイ
州
マサ
チュー
セッツ州
メイン州
Public Act
093-0615/
HB1530
Mercury Fever
Thermometer
Prohibition Act
2004 年 1 日 1 日
施行
Chapter 39 of the
acts of 2002 An
Act Regulating
the Sale of
Mercury
Thermometers
Title 38, Chapter
16-B, Mercury
Added Products
and Services
JMC environment Update
概要/発効日
◆ 定義
・ 水銀含有製品とは、水銀あるいは水銀化合物が意図的に加えられ
た製品、化学物質、製品の部品をいう
◆ 水銀含有製品生産者届出
・ 2003 年 1 月 1 日以降、Clearing House (IMERC 州間水銀教育削減)
に届出しないと水銀含有製品の州内の販売禁止
◆ 特定水銀含有製品の販売禁止
1. 2003 年 1 月 1 日以降、水銀含有体温計(医師によって処方された
ものは除く)
2. 2003 年 7 月 1 日以降、ノベルティー
◆水銀含有製品ラベル添付義務
・2004 年 7 月 1 日以降
イリノイ州環境保護法を改定し、追加された(2004 年 8 月 20 日)
◆ 水銀及び水銀含有製品
1. 2005 年 7 月 1 日以降、
大量の水銀元素・水銀化合物含有化学物質・
生産時に水銀が加えられた教材道具を小学校で使用禁止
2. 2007 年 7 月 1 日以降、水銀含有継電器あるいはスイッチを個々の
製品あるいは部品として販売禁止
◆ 水銀含有体温計の販売禁止
1. 2004 年 7 月 1 日以降、水銀含有体温計を州内で販売禁止
2. 医療施設で使用されるものは除外
◆ 水銀含有体温計の生産禁止
・ 2004 年 7 月 1 日以降、州内で水銀含有体温計の生産を禁止
◆ 水銀含有ノベルティーの販売禁止
・ 2004 年 7 月 1 日以降、ボタン電池、蛍光灯を除き、水銀含有
ノベルティーの販売を禁止
◆ 水銀含有体温計
・ 処方箋あるいは医療で必要と医者が認めた場合を除き、販売禁止
・ 医療で必要とされた場合に販売された水銀体温計の生産者は破損
注意及び破損した場合の的確な処理法を明確に提供する
・ 水銀含有ボタン電池を使用したデジタル体温計は除外とする。
◆ 事前書面届出義務
・ 2002 年 1 月 1 日以降、製品、部品の届出義務が生じる。届出がな
い場合、販売禁止となる。
・ 連邦食品医薬品局によって承認されている医薬品は除外
◆ 除外
・ 連邦法で規制されている水銀含有製品、部品は除外
◆ 守秘義務
・ 所轄部署に提供された情報は機密とする
◆ 水銀含有体温計の販売・使用に関する規制
・ 2002 年 1 月 1 日以降、処方箋なしで消費者、患者に水銀含有体温
計を販売することを禁止
・ 処方箋で販売された体温計には、生産者は破損を避ける注意事項
及び破損の際の適切処理を提供する
・ ボタン電池を使用する体温計は除外
◆ 機器及びデバイス
・ 2006 年 7 月 1 日以降、水銀含有製品の販売を禁止
1. バロメーター 2. 食道拡張機 3. 流量計 4. 比重計
22
Vol.7 No.4 (2005. 11)
米国の環境法規制動向 〜州別リサイクル/省エネ法規制〜
州
規制名
ミシガン
州
HB4599
Natural
Resources and
Environmental
Protection Act
(Mercury)
ミネソタ
州
Minnesota Waste
Management Act:
Mercury Laws
概要/発効日
5. 温度計または乾湿計 6. 圧力計 7. 血圧計
◆連邦法で規制されているもの、ボタン電池を使用する製品は除外
◆ 水銀スイッチおよび継電器
1. 2006 年 7 月 1 日以降、
水銀スイッチあるいは水銀継電器を個々で、
あるいは製品の部品として販売禁止
2. 2006 年 7 月 1 日以前に使用された大型製品のスイッチ・継電器の
交換品および次の場合は除外
・生産に使用される大型製品
・大型製品の部品で分離できないスイッチや継電器
◆ 水銀含有体温計
・ 2003 年 1 月 1 日以降、処方箋のあるもの以外は販売禁止
・ ただし、以下の場合を除外とする
― 州または連邦の規制によって要求される使用方法の水銀含有
温度計および薬学研究目的のもの
◆ ラベル
・ 製品に水銀を含有しており、水銀が取り除かれて、再使用・リサ
イクルまたは固形廃棄物または排水とならないよう的確に管理す
るよう消費者に知らせるラベルが貼付されていなければ、次の製
品の販売を禁止する
1. サーモスタットまたは温度計 2. 電気スイッチ
3. 電気製品 4. 医療用または科学用機器
5. 電気継電器または電器デバイス
◆ 禁止
1. 水銀を含有するオモチャ・ゲームまたは水銀を含有する電器ス
イッチのある衣服類の販売を禁止
2. 2000 年 12 月 31 日以降、酪農場における水銀圧力計の使用禁止
Ⅴ. e-Waste
e-Waste は、皆さんにかなり関係があると思うのですが、カリフォニア州を中心に、様々な法律
が制定されています。日本の家電リサイクル法では、一番普及している 4 つの製品がリサイクルの
対象として選択されましたが、アメリカでは、コンピューター、コンピューターモニターに使われ
ている CRT、CRT を構成する鉛が対象となっています。
e-Waste に関しては、カリフォニア州の IT 機器の市場メーカーから中国、香港、台湾への不法投
棄の問題があります。アメリカは先進国で唯一バーゼル条約に加盟していない国なので、国内法で
は不法投棄を規制できないのです。カリフォニア州から多くの中古製品が中国やその他の国に流れ
ていて、子供を中心に使える部品だけをはずして、それを再販するという商売があります。中国政
府はそれを知りながらも、雇用問題に影響するため規制できずにいるので、それが社会問題になっ
ています。
それから、埋立地の化学物質の問題があります。アメリカは、砂漠地帯が多いので、それを埋立
地として長い間使用していました。当時、埋立地から化学物質が出てきていたにもかかわらず、研
究者たちは問題ない、という論文を出していました。このような中で、アメリカはリサイクルの法
律に関して、日本や欧州に比べるとかなり遅れていたのですが、ここへ来てコンピューターを中心
に加速されて州法が制定されております。
JMC environment Update
23
Vol.7 No.4 (2005. 11)
米国の環境法規制動向 〜 州別リサイクル/省エネ法規制 〜
アメリカの場合は、廃家電のリサイクルにおいて、小売店が大きな役割を果たしているという点
で日本とも欧州とも違います。欧州では、生産者が主体となっています。日本では生産者が中心と
なっていますが、消費者も巻き込んで、三位一体で進めています。日本もおそらくこれから見直し
があって、次第に生産者だけの責任になっていく方向になるようです。アメリカは小売店が役割分
担を強く持っている法律が結構多いというところが違います。小売店が使用済み携帯電話の回収お
よび引き取りシステムを構築する、という法律がいくつかの州で見られます。
アメリカは、連邦法と州法があり、原則的に同じ内容でしたら、中身が厳しいほうが優先されま
す。それと、連邦政府は、州政府にかなりの裁量権を与えていますので、州法のほうが厳しくなっ
ていくという流れが今までにあります。
ここでみるように、多くの州法が制定されつつあります。州法は、下院、上院で通って、知事が
サインすれば簡単に法律になる為、常に動きを見ている必要があり、要注意だと思います。ニュー
ジャージー州の法案では、RoHS 物質と PVC の廃止を謳っておりますが、たぶん今 PVC を禁止して
いる法律は世の中にないと思いますので、これが制定されると、はじめての法律となります。欧州
は子供のおもちゃでフタレートを中心としたものが結構ありますが、PVC を限定して禁止する法律
はありません。なぜ PVC が禁止になるのか、アセスメントはやったのか、ご存知の方がいましたら、
ぜひ教えていただきたいと思います。
州など
法律または法案名
連邦
S510 Electronic Waste
Recycling Promotion and
Consumer Protection Act
(法案)
ワシン
トン州
イリノ
イ州
ミネソ
タ州
HB2488 Electronic Product
management
施行日:2004 年 6 月 10 日
実施日:2005 年 12 月 15 日
SB0773 Cell Phone
Recycling Act(法案)
実施日:2006 年 7 月 1 日
SF1298 Minnesota
Electronics Recycling Act of
2005(法案)
施行日:2005 年 9 月 1 日
表 4 e-Waste
対象
スクリーンサイズ
が 4 インチ以上の
ディスプレイスク
リーン
コンピューターモ
ニター、PC、テレビ
使用済み携帯電話
内容
・ リサイクルを推進して廃電気機器を削
減
・ 法の実施から 3 年経過してリサイクル
しない廃電子機器の廃棄を禁止
・ EPA の執行官は州のいかなるリサイク
ルプログラムに先行して全国的なリ
サイクルプログラムの設立の研究を
する
・ SWAC (State Solid Waste Advisory
Committee) 電子機器の回収・リサイク
ル・再使用における財政および推進の
研究と開発を導入
・ 小売店は、再使用・リサイクル・適切
な廃棄を目的に、使用済み携帯電話の
回収および引き取りのシステムを構築
ビデオディスプレ
・ 生産者の集積場所以降の責任
イデバイス
SF1398 companion with
SF1996 Minnesota
Electronics Recycling Act of
2005(法案)
デスクトップコン ・ 消費者は新規電子機器の購入時 10 ド
ピューター、PC、コ
ルを支払う
ンピューターモニ ・ 小売店が販売時に 10 ドルを回収
ター、プリンター、
テレビ
HF1729
Electronic Computer
Product Waste Recycling
CRT 、 コ ン ピ ュ ー ・ 生産者は廃電子の回収および財政負担
ター機器、通信機 ・ 生産者は 2007 年 1 月 1 日まで、RoHS
JMC environment Update
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Vol.7 No.4 (2005. 11)
米国の環境法規制動向 〜州別リサイクル/省エネ法規制〜
州など
法律または法案名
(法案)
施行予定日:
2007 年 7 月 1 日
ミズー
リ州
HB914 Recycling Act
(法案)
ニュー
ジャー
ジー州
A3057 Electronic Waste
Producer Responsibility Act
(法案)
ニュー
ヨーク
州
A3200/S1454/S1287/
S1563
Electronic Equipment
Recycling Act(法案)
HB1765 Electronics
Recycling Act of 2005
実施日:2006 年 1 月 1 日
ノース
カロラ
イナ州
ロード
アイラ
ンド州
HB1465(2005 年 9 月)An
Act to prohibit the disposal
of clean wood waste,
electronic devices, motor
vehicle oil filters, plastic
bottles, and wooden pallets
in landfills
実施日:2009 年 10 月 1 日
SB826/H6115 Electronic
Waste Producer
Responsibility Act(法案)
実施日:2007 年 6 月 1 日
対象
内容
の化学物質および PVC を廃止
器、小型電子デバイ
ス/家電で 1 つ以上
の基盤を有するも
の
CRT、フラットパネ
ル、もしくは 4 イン
チ以上のスクリー
ンサイズを有する
その他のビデオ
ディスプレイ、ビデ ・ 回収とリサイクル費用は、販売者が購
オカセットプレー
入者に請求
ヤー、カムコー
例:PC 8 ドル、携帯電話 5 ドル
ダー、レーザーディ
スクプレーヤー、電
話、FAX、PC、コン
ピュータープリン
ター、モニター
プリント基板を一
・ 廃電子機器の回収・リサイクルの費用
つ、もしくはそれ以
責任は生産者
上の数を有する機
・ RoHS 物質と PVC の廃止
器
・ 環境保全課は電子機器のリサイクルプ
ログラムを制定し、電子機器の回収・
未定
保管・輸送・リサイクルの効率のよい
方法の開発と推進を目指す。又、使用
済み CRT の埋め立て禁止
・ 特定電子デバイスのリサイクルプログ
ラムの制定、生産者は使用済み電子デ
コンピューターモ
ニター、ラップトッ
バイスの再使用、リサイクルを目的に
製品管理プランの推進と開発、生産者
プコンピューター、
9 インチ以上の画面
は年間プログラム費を支払う
・ 費用負担:自治体、生産者(年間プロ
を有するテレビ
グラム費の生産者負担 $20,000)
・ Clean wood
・ Electronic
・ Electronic device は以下のもの
device
― コンピュータープロセシングユ
・ Medical waste
ニット、モニター、ラップトップコ
・ Motor
vehicle
ンピューター
oil filter
―
9 インチ以上の画面をもつテレビ
・ Plastic bottle
・ 5 gallons 以下
コンピューター、モ
ニター、周辺機器
・ 生産者は使用済み製品、歴史的製品、
孤児製品の回収、リサイクルの費用責
任
(編者注:e-waste に関して、カリフォニア州、メイン州およびメリーランド州の 3 州の法規制について
は、本誌 Vol.7 No.1 に記載したので、講演対象から割愛した。
)
JMC environment Update
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Vol.7 No.4 (2005. 11)
米国の環境法規制動向 〜 州別リサイクル/省エネ法規制 〜
Ⅵ。 省エネ関連
アメリカは、代替エネルギーについてはかなり動いています。その一方で、エネルギーの法律に
関してはまだそんなに数がないのですが、その一部を紹介します。
表 5 省エネ関連
州など
米国
エナジースター
オレゴン州
カリフォニア州
法律名・施行日
内容
External Power Supply manufacturer が対象者
◆ 対象:
コンピューター、民生機器、CD プレイヤー、携帯電話
などは当初から適用される。
◆ 対象外:
充電池を充電するだけの以下の機器は対象外
Energy Star Program for ① Flashlights
Single Voltage External ② 主機能が機械的動きである機器(電動工具、充電
AC-DC and AC-AC Power
池用掃除機)
Supplies
③ 熱、光、モーションを生み出す電動工具・家庭用
機器
*これらの機器が対象外となるのは 2005 年 1 月1日〜
12 月 31 日。この期間 EPA は対象外である電池充電シ
ステムにもエナジースター基準が適用可能かテスト方
法などを模索する。テスト方法の開発に失敗したら、
対象外のものも当該基準適用となる。
対象
電気製品エネルギー
・業務用製氷機 ・業務用洗濯機 ・業務用皿洗い機
効率基準法案 HB3363 ・業務用冷蔵庫/冷凍庫 ・高輝度放電ランプ
・ユニットヒーター
2008 年 1 月 1 日施行
◆ 効率を下回ると、販売できない
対象
カリフォニアで販売、提供される新しい器具に適用さ
れる。カリフォニアで卸売りされ、最終的に州以外で
小売される場合は除外。また、レジャー用車両専用使
用器具は除外
The 2005 Appliance
◆ 対象器具:
Efficiency Regulations
冷蔵庫・冷凍冷蔵庫・冷凍庫・自動製氷機・水販売機
器具エネルギー効率規則
例:非業務用冷蔵庫・食品冷蔵室の温度が 32〜39 度 F
実施:2005 年 4 月 15 日
で設計されている。
◆ 試験方法
10CFR section 430.23 (a) (2004) and 430.23 (b)
(2004), as applicable
CFR: Code of Federal Regulations
米国エナジースターにおいては、パワーサプライにエナジースターの基準ができました。対象者
は、これを提供している製造業者です。充電池を充電するだけの機器、Flashlights、主機能が機能
的動きである機器(電動工具、充電池用掃除機)
、熱、光、モーション、動きを生み出す電動工具と
か家庭用機器というのは、対象外になります。これらの機器について対象外とされるのは、2005
年 1 日 1 日から 2005 年の 12 月 31 日までという期間の制約があります。この間に、EPA は対象外
である電池充電システムにもエナジースター基準が適用可能かテスト方法を模索します。テスト方
法の開発に失敗したら、対象外の機器は、当該基準に適用となる、という変な法律です。1 年間、
JMC environment Update
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Vol.7 No.4 (2005. 11)
米国の環境法規制動向 〜州別リサイクル/省エネ法規制〜
アセスメントをやって失敗したら、また、既存の基準が適用されるということです。
オレゴン州のように、エネルギー効率法というのが、アメリカの連邦法、州政府で今、動いてい
ます。従って、この流れを見ていますと、製品に関する省エネの規制がかなり出てくると思います。
また、Appliance Efficiency Regulation という言葉が、現在、連邦の各州で出回っていますので、注
意したほうがいいと思います。今までアメリカは、エネルギーが安いということで、あまり省エネ
の方面のことは言っていなかったのですが、社会的な問題を背景に加速していくと思います。
以上のような流れがアメリカにはありますので、アメリカの州法もぜひ注目していただきたい。
以上
JMC environment Update
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Vol.7 No.4 (2005. 11)
連載
欧州環境規制動向
〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
I.
EU
民の信用を損ねるものである」と述べた。同
1. 欧州議会議員、欧州委員会の EU 法見直し
議員はまた、この見直しに関して、ディマス
の動きを批判
環境担当委員はフェアホイゲン産業担当委員
欧州議会議員は、欧州議会が廃棄物輸送規則
に同意するのか問い正した。
案および温室効果ガスのフッ化ガス(F ガス)
法案に関する第二読会を実施している最中に、
その後、欧州委員会の職員が、この見直しは
両 案 に つ い て 「 よ り 良 い 規 則 ( Better
欧州議会および理事会との間の立法プロセス
Regulation)」プログラムに基づく EU 法見直
を損なうものではないと改めて保証した後に、
しを実施しようとしている欧州委員会を非難
Blokland 氏は「私に関しては討議継続中であ
した1。
る」と述べた。
Hans Blokland 議員(オランダ−独立・民主主
2005 年 9 月 27 日、フェアホイゲン産業担当
義)は、欧州議会環境委員会で「この知らせ
担当委員は、欧州委員会はその多くは時代遅
に驚愕した」と述べた。同議員は、欧州議会
れの法案である約 68 の法案を廃案とし、廃
を代表するラポーター(起草者)であるが、
棄物輸送法案および F ガス法案など他の提案
環境委員会が同氏の廃棄物輸送規則案に関す
も見直し、成長や競争力に及ぼす影響を調査
る報告を審議する場での発言であった。
すると発表した。いわゆる指令の整理である
が、バローゾ欧州委員長は一部に「不合理な」
スペインの保守派 Maria del Pilar Ayuso 議員
法律があるとして、欧州基準の制定を目的と
は、欧州人民党−欧州民主党を代表する同案
する一部の法律を廃止しようとしている。
の影のラポーターであるが、さらに次のよう
な率直な意見を環境委員会で述べた。
「欧州委
同委員長は次のように述べた。
「このイニシア
員会がこのような決定を下すと、われわれが
ティブは、欧州委員会がより良い法律の策定
あたかも素人集団であるかのように見えてし
に真剣に取り組んでいることを示すものであ
まう。」
る。われわれはすべての法案を検討し、不必
要なもの、理事会および欧州議会が決して同
Ayuso 議員は、理事会と欧州議会がすでに規
意しないものは排除した。最も重要なことは
則案に関する決定を採択した現時点で見直し
組織の文化を変えることである。」
を提案する行為は、
「われわれに対する欧州市
同委員長は、経済改革アジェンダ再スタート
1
の一環として、
「より良い規則」というイニシ
欧州委員会の通知文書および廃案となる案件の一覧は以
アティブを捉えていると述べた。しかし、必
下のサイトを参照すること。
要に応じて、環境も含めて立法を続けていく
http://europa.eu.int/comm/enterprise/regulation/
better_regulation/docs/en_br_final.pdf
JMC environment Update
という。
28
Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
バローゾ委員長とフェアホイゲン委員は、
2004
2. EU 産業汚染法の専門家評価
年 1 月 1 日以前に提案された 183 件の法案を
2005 年 9 月中旬にドイツで開催された主要会
検討した。その結果、食品表示、販売促進、
議に出席した上層部の参加者は、欧州の要と
客室乗務員および週一回のトラック通行禁止
なる産業汚染法すなわち IPPC 指令(統合的
などの分野における約 68 件の法案が廃案と
汚染防止管理指令)の成果について議論し、
なる。その他、特に廃棄物輸送および F ガス
今後の課題への取り組みを開始した。
法案など 5 件の法案は、経済影響分析など「何
らかの介入」が行われると、欧州委員会の広
独立系シンクタンク Ecologic 主催の会議に出
報官は述べた。
席した者の報告によると、施行からほぼ 10
年が経過した同指令に大多数が満足している
広報官によると、スクリーニングの実施は今
と い う 。 Ecologic の デ ィ レ ク タ ー Andreas
回が初めてではないという。
「前欧州委員会の
Kraemer 氏は、IPPC 参照文書すなわち最善の
時も規制緩和を開始したが、二年に一回のペー
環境技術を個別業界にどのように適用するか
スであった」と、同氏は述べた。
「現在は、政
の指針に対する評価は、有用かつ質が高いと
治的圧力に鑑みて実施されている点が違う。」
の報告が一般的であるという。
今後、欧州委員会の「より良い規則」の取り
しかしながら、会議に出席した欧州委員会の
組みは、80,000 ページに及ぶ現行 EU 法体系
代表らは、最善環境技術使用義務が新設工場
の簡素化および修正に重点を移す。「EU は規
だけではなく全工場に適用される 2007 年と
則マニアの官僚的な怪物であるという考えに
いう重要な期限を迎える前に、加盟国は同指
反証を挙げたい」と、フェアホイゲン委員は
令の実施状況を改善しなければならないと強
述べた。
調した。欧州委員会代表の Jos Delbeke 氏は、
これは「憂慮される問題である」と発言した。
一部の業界団体は、この計画は中味がないと
して、拡大の一途をたどる規制負担に歯止め
さらに、同氏は、欧州委員会は現在あるデー
を掛ける一段と包括的なプロセスに組み込む
タの溝を埋めるために業界に BREF 2 (Best
ことを要求している。しかし、環境団体は、
Available Technology Reference document)
見かけほど無害なリストではないと主張して
への貢献を奨励する対策を検討中であると付
いる。WWF の Tony Long 氏は、欧州委員会
言した。委員会の某職員は、一つの選択肢と
が成長と雇用を主張するのは、来月公表予定
して現行の自主制度から強制的参加に変える
の同執行部の簡素化プログラムにとって不吉
方法があると述べた。
な前兆であると述べた。
Debelke 氏はまた、2006 年に予定されている
環境委員会に続いて、理事会がこの「より良
IPPC の見直しについて、初めて見解を明らか
い規則」のための計画を検討する番である。
にした。同氏は、バローゾ欧州委員長が推進
「より良い規則」に関する議論は、2005 年
する「より良い規則」に沿って、この見直し
10 月 17 日にルクセンブルグで開催される環
で EU 産業排出法の合理化を進める可能性に
境閣僚理事会では、3 件の正式議題の一つに
ついて主に触れた。
なっている。
2
JMC environment Update
29
編者注:BREF は EU 加盟国政府が企業に対して操業許認
可条件を設定する際の基準として考慮することを求められ
るもので、企業が直接的に準拠することを法的に求められ
たものではない。(日本機械工業連合会ウェブより)
Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
会議参加者は、オランダの窒素酸化物(NOx)
さらに Makela 氏は、同指令は環境有害性の
排出量取引のように市場型インセンティブを
低い利用可能な代替物質が存在しない場合に
IPPC の見直しに組み込む必要性については認
限り除外を認めているのであり、代替物質の
識しているが、その実施方法については意見
コスト高を理由とするものではない」と付言
の相違があった。
した。
「われわれはこのルールを堅持しなけれ
ばならない。」
特に、粉塵および有害化学物質に関する詳し
い横断型 BREF を作成する案には高い関心が
同指令は「猶予期間」も認めていないと、同
あった。しかしながら、環境団体である欧州
氏は述べた。従って、除外対象とならない一
環境ビューローは、IPPC を EU 化学物質法の
部の製品に対して遵守までの猶予期間を認め
代わりに利用すべきではないと強く訴えた。
たのは欧州委員会ではない。猶予期間を認め
る規定を変えることができるのは、EU 共同決
欧州環境ビューローはまた、BREF の作成方
定手続きによって同指令を採択した理事会と
法にも懸念を表明している。同団体は、プロ
欧州議会だけであるという。
セスが産業界および規制当局に依存しすぎて
おり、NGO など他の利害団体が犠牲にされて
いずれにしろ、同氏は、生産者は除外が適用
いると指摘した。
されない限り、2006 年 7 月 1 日から禁止措
置が適用されることを認識していると主張し
Kraemer 氏は会議で予想外のことが明らかに
た。
「2006 年 7 月 1 日以降、RoHS 指令を遵
なったと述べた。それは、欧州域外で環境技
守しない製品が市場に存在してはならないこ
術を推進するためにどの程度 BREF が利用さ
とを生産者は認識していると思う。」
れているかということである。BREF は、多
くの場合、国際的に利用可能な唯一の環境指
Makela 氏およびその他何人かの代表が提起し
針であるため、世界銀行および難分解性有機
たもう一つの問題は、代替に伴う競争的側面
汚 染 物 質 ( POPs : Persistent Organic
であった。一社が代替物質の開発に成功した
Pollutants)に関するストックホルム会議でも
が、その他ほとんどの会社は開発していない
歓迎された。
状況で除外を与えるのか。
3. 欧州委員会、RoHS 除外について見解表明
同氏は、時間の経過とともに RoHS 除外問題
欧州委員会において RoHS 指令執行部門の長
は競争問題化していくと述べた。同氏は、あ
を務める職員は、同指令の除外は一時的措置
る企業グループの訪問を受け、
「当社は代替開
であり、環境への有害性が低い代替物質が存
発を行ったが、競合他社はまだかもしれない
在しない場合に限り適用されると、強調した。
ので、除外には慎重に対処してほしい」と言
われたと述べた。
欧州委員会環境総局の持続可能な開発・統合
局長 Timo Makela 氏は、2005 年 9 月 21 日−
デンマークの代表もこの問題に触れ、ある会
22 日にブラッセルで開催された WEEE に関す
社が解決策を開発した場合それは「オープン
る Agra Informa 会議で、同指令の有害廃棄物
ブック方式」になるのか、それとも競争優位
禁止除外は時限措置であり、4 年後に見直し
として利用できるのかと質問した。Makela 氏
が必要であると述べ、
「恒久的除外は論外であ
は、
「オープンブックとなるかは、市場経済に
るという点は、皆さんにお伝えしておきたい」
おいては相対的な問題である」と応じた。同
と、同氏は会議で発言した。
氏は、企業が製品を開発するのは市場から利
益を得るためであることを認めながらも、
RoHS
JMC environment Update
30
Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
の場合、前述の生産者は解決策を模索するた
Makela 氏は、依然としてデカ BDE をめぐる
めに市場全体で協力すると述べたことを明ら
加盟国の意見は分かれていると説明した。
かにした。
「従って、進展が見られるかどうかは欧州委
員会次第である。」同氏は、ディマス環境委員
会議の議長を務める Ab Steves 氏が口をはさ
だけではなく 25 名の委員全員で決定すると
み、これは環境保護を目的とする協力の必要
述べた。また、同氏は手続きを「先制する」
性と競争が対峙する「興味深い問題である」
つもりはないが、除外措置は認められるとの
と述べた。
「真の競争が市場を推進するのであ
見通しを示した。
「われわれは、市場にもっと
れば、われわれはさらにスピーディに前進し
明確性を与えることが必要であるとの認識か
ていけるのではないか。」
ら、この問題を処理したい。」
Makela 氏は、除外されるケースは 3 つあると
しかしながら、Makela 氏は、欧州委員会が
3
説明した 。2 つはまもなく承認される予定で
この問題に対して異なる対応を取り、欧州議
あるという。欧州委員会から欧州議会への情
会と敵対することを避けられたかもしれない
報伝達不足に関して「多少の混乱と誤解」が
ことをおそらく認めたということであろうが、
あったことを認め、環境総局はこの 2 つを確
ブラッセルは「今後もっと慎重になるであろ
実なものにするために改めたという。
う」と述べた。今後、産業界の除外要求はさ
らに精査されることになるであろう。
Makela 氏はまた、第 2 のケースは議論の分か
れる臭素系難燃剤デカブロモジフェニール
しかし、現在提案されている除外規定に関す
エーテル(デカ BDE)除外案が含まれている
る決定については、
「われわれは近い将来に決
ので「争点」になったことを認めた。欧州議
定されることを願い、期待している」と述べ
会と欧州議会議員による小グループは、この
た 4。
除外規定、特に理事会の合意が得られない場
4. 欧州議会議員、理事会の電池指令除外規
合に、欧州委員会に同除外規定を採択する権
利があることに異論を唱えた。
定に異議
Hans Blokland(オランダ−独立・民主主義)
同指令によって、除外を認めるために各国代
議員は、環境理事会の共通の立場に示された
表によって構成される技術適応委員会(TAC:
将来の電池規則除外措置に異議を申し立てよ
Technical Adaptation Committee)が設立され
うとしている。
たが、通常の「コミトロジー」手続きに沿っ
て、その後、同指令は特定多数決で決定され
Blokland 議員は、この共通の立場に対する欧
ない場合の決定権を理事会に移すと規定した。
州議会の意見を書く予定である。これは 2004
年の第一読会でも果たした役割である。2005
しかしながら、コミトロジー手続きというの
年 9 月 21−22 日に開催された WEEE に関す
は、今回のケースのように、理事会も TAC と
る Agra Informa 会議で、同議員は、第二読会
同じく特定多数決で決定できない場合には、
の主な論点は、電池および蓄電池における重
決定責任が欧州委員会に戻ってくることを意
金属の使用禁止と回収目標であると述べた。
味する。
3
4
編者注:第 1 パッケージ〜第 3 パッケージの 3 つのこと
と思われる。
JMC environment Update
31
編者注:2 つのパッケージに関する除外については、本誌
冒頭の記事で報告したように 10 月に決定された。
Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
Blockland 議員は、理事会が携帯型電池への水
5. 理事会、ELV 指令の重金属禁止措置除外
銀・カドミウムの使用禁止しか採択せず、コー
規定を承認予定
ドレス電動工具、医療機器および緊急システ
EU 理事会は 2005 年 9 月 20 日に廃車処分さ
ムならびに重量比 2%未満の水銀含有ボタン
れる使用済み自動車に使用される材料に関す
型電池を例外扱いにしたことに不満を表明し
る EU 規制の除外リストを修正する決定を採
た。
択した5。
同議員は、
「ニッケル水素電池およびリチウム
これは欧州委員会が 2005 年 7 月 1 日に提案
電池が使用される傾向が明確になってきてい
した ELV 指令付属書Ⅱの修正であり、理事会
る」ことを検討して、除外規定の必要性に疑
で特定多数決により成立した。
オランダとフィ
問を呈した。同議員は、ニッケル水素電池は
ンランドの代表は反対、スペインとスウェー
すでに市販されて 15 年程度経過し、また充
デンは棄権した。
電可能なリチウムイオン電池には「さらに期
待がもてる」ようであると述べた。従って、
この修正に賛成しなかった 4 加盟国は、電気
電池におけるカドミウム使用の禁止は正当で
自動車の電源として使用されるバッテリーに
あるという。
含有されるカドミウムに対する除外措置が年
末に満期を迎えるところであるが、これが 2008
今後、同議員は、コードレス電動工具に関す
年 12 月 31 日まで延長され、2007 年末まで
る第一読会の修正を再提出する予定である。
に見直しが実施されるという案を大いに不服
同議員は、カドミウムは利用可能な代替物質
とした。
がある場合には禁止すべきであり、技術的に
必要がある場合に限り、除外を認めるべきで
指令 2000/53/EC は、自動車の材料および
あると述べた。
コンポーネントに鉛、水銀、カドミウムまた
は六価クロムの使用を禁止しているが、一連
また、技術的に可能なこと、および代替物質
の除外規定がある。
がないケースのリストの提出を電池業界に何
回か要求したにもかかわらず、
「業界からは禁
新付属書は特定用途向けに除外措置の一部を
止措置を望まないという回答しかない」と不
延長し、その他を撤回し、ドライバー支援装
満を表明した。
置のガラス基盤の光コンポーネント(カドミ
ウム)に対する新たな除外措置を導入してい
一方、回収目標に関しては、Blokland 議員は
る。なお、9 月 20 日の修正において、禁止物
欧州議会が第一読会で支持した 4 年後から
質の最大許容値の規定から、「意図的な混入」
50%回収という目標を変更する用意があるか
の条件を削除した。これは、RoHS 指令の規
どうか明言しなかった。共通の立場では、4
定に合わせたものである。
年後から 25%、8 年後から 45%と定め、10
年後の目標は、欧州委員会の指令施行から 4
6. WEEE 指令:産業界、EU 内の調和を要求
年後の見直しに従って合意する予定のため、
生産者は、貿易障壁および競争の歪曲を避け
定められていない。
るために、加盟国が 2002 年 WEEE を実施す
今後、欧州議会環境委員会は 2005 年 10 月 3
日に Blockland 議員の報告を審議する予定で
5
ある。
JMC environment Update
32
同決定の本文は以下のサイトを参照すること。
http://europa.eu.int/eur-lex/lex/LexUriServ/site/en/oj/20
05/l_254/l_25420050930en00690072.pdf
Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
る方法の調和を拡大するよう EU に要求して
会議参加者にとって何よりも困難なことは、
いる。
WEEE 生産者の国家登録および各加盟国の規
定に大きなばらつきがあることである。最大
9 月 21 日−22 日にブラッセルで開催された
の矛盾は、生産者がすでに他の EU 加盟国で
2005 年 Agra Informa 会議に参加した代表者
登録していても、加盟国が国内市場での販売
や発言者も当該 EU 指令には 25 通りの国別の
に際して登録を義務づけていることに関連し
異なる解釈があり、遵守が困難であることを
ているようである。
指摘している。
欧州家電工業会 CECED の会長 Luigi Melli 氏は、
あらゆる問題が悪化しているのは、同指令の
「同指令の精神と加盟国の法律が一致してい
実施の遅れによるものである。同指令は 2004
ない」と論じた。
年 8 月までに国内法に置き換えることになっ
ており、生産者は 2005 年 8 月 13 日から引き
その後、同氏は「われわれは短期的にはこの
取りおよびマーク表示に関する主な要件を遵
混乱を受け入れなければならない」と述べ、
守することになっている。
業界としては、EU 市場全域で 1 生産者が 1
製品に責任を負うという解決方法しか考えら
欧州委員会環境総局の持続可能な開発・統合
れないと付言した。
「これは国内レベルではで
局長 Timo Makela 氏は、最新情報によると全
きない。それでは断片的である」と同氏は指
加盟国が 2006 年までには同指令を実施して
摘し、「20 年前への後退である」と述べた。
いるであろうと述べた。同氏は、これは指令
違反になるが「今に始まったことではない」
業界団体 Orgalime(欧州機械・電気・電子・
と述べた。
金属加工連合会)の事務局長 Adrian Harris 氏
は、一つの WEEE 指令に対して 25 の国内法
会議でも発言した欧州議会議員 Blokhand 議
すなわち基本的に 25 の国家登録簿ができる
員(オランダ−独立・民主主義)は、欧州委
のであるが、一部の加盟国には複数の登録簿
員会が 2005 年 7 月に指令を実施していない 8
があることを指摘した。同氏は、このことに
加盟国に二度目かつ最後の警告である理由付
ついて「どこに登録すれば良いか決めなけれ
き意見書を送付したことに賛辞を送った。し
ばならないので、こちらの方が簡単だろう」
かし、同議員は「すべての問題が解決された
と皮肉った。
という意味ではない」と付言した。
Harris 氏は、各国の登録簿運営方法は、登録
Makela 氏は、欧州委員会がすでに受領した国
日に至るまで差があることを特に指摘した。
家実施法の精査に多忙を極めていると述べた。
指令では 2005 年 8 月 13 日からの登録を義務
意図的かどうかにかかわらず、加盟国の法律
づけているが、例えばハンガリーではすでに
に誤りがないか確認しているという。同氏は、
2005 年 1 月 1 日から登録が義務づけられて
WEEE 実施に関する調査も「まもなく完了す
おり、ドイツでは 2005 年 11 月 24 日までを
る」ことを明らかにし、これは「重要な分析
登録日としている。また、まだ日付を確定し
作業」であると述べた。
ていない加盟国もある。
会議参加者の発言から判断して、同法の影響
登録費にも無料から 6,000 ユーロまでと加盟
を受ける生産者にとって、WEEE 実施に伴う
国によって幅がある。欧州全域で大きな市場
主要な困難や危険を示すのに調査は必要ない
シェアを有する多国籍企業には過大な費用で
ようである。
はないが、特定の国でわずかしか販売してい
JMC environment Update
33
Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
ない小企業には大きな負担であると指摘する
内法で一段と厳しい要件を設けることが認め
者もいた。
られている。
「しかし、これではわれわれが置
かれている状況は改善されない」と、同氏は
ある弁護士は、クライアントが各国の「生産
述べた。
者(producer)」の解釈の違いに端を発する問
題を抱えていると報告した。同氏は、加盟国
ベルギーやドイツなど、国内法により困難が
は国としての見方を示しているようであるが、
生じている一部の国に触れた後、Harris 氏は
「われわれは各国別に登録すべき主体の判断
記者会見で次のように述べた。
「現在の法律で
に困っている」と述べた。同氏は、Makela 氏
は、本当に調和が必要な分野で相違が生じて
に「登録すべき主体は国内販売業者なのか、
しまう。」
それとも生産者なのか」と質問した。
「一回だけ登録すればいいのかという質問が
Makela 氏は、欧州委員会の判断としては、生
頻繁にあり、そのたびにいいえ、各国で登録
産者とは EU への最初の搬入地点または当該
が必要です、というやりとりがある」と、
Harris
機器を上市する生産者であると回答した。し
氏は述べた。同氏は、少なくとも各国の登録
かし、同氏は「この定義の範囲を超える加盟
簿間の連携を高めるよう求め、
「高度な調和が
国もあり、現実は少々複雑である」と認めた。
求められている」と付言した。
その後、 Melli 氏も生産者の定義が異なる問
その他の代表者もこの調和の問題を取り上げ
題に触れた。同氏は、欧州委員会は TAC への
た。駐 EU 米国代表部(the US Mission to the
意見(当該指令を修正する内容)の中で、加
EU)の Rosemary Galant 氏は、企業が各国に
盟国は実際的な理由があれば他の要件を導入
存在する必要がないように登録プロセスの統
できると述べていると報告した。しかし、そ
一を求めた。
「これは我が国の企業がしばしば
の文言からは、当該指令に加えて導入するこ
提起してきた問題である」と述べた。
とができるのか
(第 175 条を法的根拠とする)、
それとも当該指令に代わって導入可能なのか
台湾のコンサルタント会社 Electronics Testing
不明であるという。
Center の Thomas Chang 氏は、各国での登録
義務は「中国の生産者にとって極めて難しい
Makela 氏は「その問題は検討中であり、議論
ことである」として、それらの登録簿に関し
の最中なので、忍耐が必要である」と対応し
て統一フォーマットと内容を求める意見を支
た。
持した。
Harris 氏は、各国の実施法にバラツキがある
ここで Harris 氏が再び発言し、「今は、誰も
と生産者が手にする対象製品リストが「混乱
が自分のことしかやっていない傾向がある」
する」と述べた。欧州委員会は徐々に指針文
と述べ、この案件がいつまで続くのかという
書を通して明確化しているが、加盟国はすで
質問に答えて、改定に 10 年を要した包装指
に国内法を策定してしまっており、採択が遅
令よりは速やかに進むことを期待すると述べ
れをとっている。
た。
Harris 氏は、WEEE 指令の法的根拠である EU
同氏は「生産者にとって何年間も困難な状況
条約第 175 条が多くの逸脱を認めていること
が生じることは想像できる」と述べ、ほとん
を指摘した。第 175 条に基づく各種指令は最
どの指令は「少なくとも 5 年間は質問せざる
低限の欧州基準を定めているが、加盟国は国
JMC environment Update
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Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
を得ない」と付言し、WEEE 指令も「例外で
欧州議会および理事会は、同指令を第一読会
はない」との予想を示した。
で成立させることを目指して協力してきた。
新法に基づき、トルエン含有量が質量比 0.1%
その後、会議の議長を務める Ab Stevels 氏が
を超える一般大衆向けに販売されるスプレー
発言し、
「連合ならそれらしく振る舞うべきだ」
塗料および接着剤ならびに TCB 含有量が質量
というのが EU 域外からのメッセージのよう
比 0.1%を超える調剤が禁止される。
だと総括した。同氏は、会議で提起された問
題点を要約し、生産者の懸念が伝わるように
しかし、TCB に関して 3 種類の例外措置があ
欧州委員会と欧州議会に送付するつもりであ
る。まず、火災などの事故の際に爆発を防止
ると述べた。
して弾薬の安全性を高める 1、3、5−トリア
ミノ−2、4、6−トリニトロベンゼン(TATB)
Melli 氏も調和を求めた。同氏は「われわれは
である。その他 2 つは、塩素処理反応のため
25 ヶ国での国内法化という窮地に直面してい
の閉鎖系化学用途における合成仲介物質また
る」として、
「われわれには調和が必要である。
はプロセス溶剤として使用される場合に適用
コスト削減と効果的な市場監視のためにも手
される。
続きの簡素化が必要である」と述べた。
TCB は主として除草薬製造の中間体および閉
同氏は、賠償責任に対応するために国内に事
鎖系におけるプロセス溶剤として使用され、
務所がないと小売業者が製品を置いてくれな
またそれほどではないが溶剤、染料キャリアー
いとの報告が生産者からあり、小企業は特に
および防錆剤として使用されることもある。
打撃を受けていると述べた。
トルエンは化学物質の製造、特にベンゼンの
原材料となる。
7. 理事会、トリクロロベンゼン(TCB)およ
その溶剤としての機能から、接着剤、家庭用
びトルエンの規制を採択
トリクロロベンゼン(TCB)およびトルエン
エアロゾルおよび塗料などの消費者向け製品
の使用規制は、9 月 19 日−20 日に開催され
にも使われる。
た農業閣僚理事会において、更なる審議がな
い項目として EU 指令において承認されたの
同指令の発効後、加盟国は 12 ヶ月以内にそ
で、これから約 1 年後には欧州全域で適用さ
の規定を遵守しなければならない。
れることになる6。
8. 2005 年 11 月末までに廃棄物戦略の提案
を公約
本指令の目的は、トルエンおよび TCB に関す
る調和措置の導入である。高度な人の健康お
環境総局の持続可能な開発統合局長 Makela
よび環境の保護を確実にすると同時に、域内
氏によると、欧州委員会の廃棄物リサイクル
市場を適切に機能させることがその目標であ
および防止に関するテーマ別戦略が 2005 年
る。
11 月 23 日に提出される。
同氏は、9 月 21 日−22 日に開催された Agra
Informa 電気電子廃棄物会議で、直前に開か
れた欧州委員会の内部会合で日程が確定した
6
と述べた。また、同戦略は欧州廃棄物政策に
同指令の本文は以下のサイトを参照すること。
http://register.consilium.eu.int/pdf/en/05/st03/st03626.
en05.pdf
JMC environment Update
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Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
おける「変革ではなく進化」を意味すると発
1999 年から 2002 年まで、EU 諸国は環境保
言した。
護総支出を廃水および廃水処理事業に重点的
に向けてきた。EU15 ヶ国と新規加盟国との
Makela 氏は、特に重要な点として、同戦略の
違いは、2000 年における新規加盟国の重点が
中で包装廃棄物指令、WEEE 指令または ELV
大気汚染対策に置かれていたのに対して、既
指令など廃棄物に関する現行指令の変更を提
存の加盟国は廃棄物および廃水に重点を置い
案することはない、と述べた。しかしながら、
ていたことである。2002 年には、新規加盟国
欧州リサイクル市場を刺激するための具体策
における重点が廃水処理に移行した。その投
が提案されるという。
資の内訳は汚染処理と汚染防止に分類できる
が、汚染処理投資は総支出の 16%を占めてい
る。
同氏は、欧州は「リサイクル社会へ移行する」
必要があると述べた。一段と機能的な再生素
材市場を創造するための対策が提案されるで
Eurostat が入手可能な情報(ドイツ、オース
あろうという。
トリア、フィンランド、フランス、アイルラ
ンド、イタリアおよびオランダの 7 ヶ国は必
また、同戦略は現行廃棄物法の「簡素化およ
要情報を提供していない)によると、英国の
び明確化」を提案することになるという。戦
産業界による環境保護投資が最も多く(39 億
略の策定過程における議論は、主として、何
9,600 万ユーロ)、
次がポーランド(20 億 1,600
がリサイクルとみなされるのか、また廃棄物
万ユーロ)
、スペイン(18 億 9,100 万ユーロ)
ヒエラルキーなど廃棄物法における主な定義
およびベルギー(11 億 7,000 万ユーロ)と続
に関するものであった。
く。最下位のラトビアは 2,300 万ユーロしか
投資していない「劣等生」である。次に、キ
9. EU 産業界、1999 年から 2002 年までの
プロス(3,400 万ユーロ)、エストニア(6,600
万ユーロ)、リトアニア(6,900 万ユーロ)と
環境保護支出が減少
続く。
EU15 ヶ国における 1999 年から 2002 年まで
の産業部門(鉱業&採石業、製造業、電力お
よび水道)における環境保護投資および現在
大半の加盟国において、工業部門で働く全給
の支出が減少した。
与労働者の 94%に相当する約 3,400 万人の従
業員を擁する製造業が環境保護において最大
の貢献を行っていた。
しかしながら、
EU 統計局 Eurostat によると、
新規加盟国を加えると環境保護総支出はさら
に 11%程度増加するが、その支出が総付加価
製造業の中では、ハイテクからミッド・ハイ
値に占める割合も著しく高まってきている。
テクを使用する資本集約型産業の化学・ゴム
2002 年の総付加価値に占める割合は、
EU15 ヶ
業界が、スペイン、オランダ、ベルギー、ス
国の割合がほぼ 1.4%であったのに対して、
3%
ロバキアなどの国々における最大の環境保護
以上であった7。
投資業界である。
これらの国々では、この二つの業界が製造業
による環境保護総支出の 25−27%を占める。
一方、英国では、これらの業界の支出は 1997
7
年から 2002 年の間に減少している。対照的
同調査は以下のサイトを参照すること。
http://epp.eurostat.cec.eu.int/cache/ITY_OFFPUB/KS-NQ
-05-009/EN/KS-NQ-05-009-EN.PDF
JMC environment Update
に、英国では、食品・タバコ産業の支出が増
36
Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
大し、現在では英国産業界の環境保護総支出
保守派野党も BDI 戦略文書を取り合わなかっ
の 25%を占めている。
た。選挙戦の中で、キリスト教民主同盟環境
担当広報官 Gerda Hasselfeldt 氏は「明確な目
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
標を定めた拘束力のある国際条約がなければ、
気候保護に進展は見られない」と発言した。
Ⅱ.
業界寄りのリベラル派といわれる自由民主党
ドイツ
( FDP ) で さ え 、 環 境 担 当 広 報 官 Birgit
1. 独産業界、京都議定書を敬遠
Homburger 氏が批判に同意して、「京都議定
ドイツ産業連盟(BDI:Bundesverband der
書からの脱退はドイツ産業界にとって得策で
Deutschen Industrie)は、京都議定書に対し
はない」と、消極的な姿勢を示した。
て距離を置く姿勢を表明した。
環境 NGO の声明も同様に明白であった。例
BDI 理事会メンバーの Carsten Kreklau 氏は、
えば、世界自然保護基金(WWF:the World
「このアプローチは失敗した」と戦略文書の
Wildlife Fund)は BDI の方針を「無責任」と
中で述べている。「トリッティン環境大臣が
批判した。また、産業界全体が BDI を支持し
2012 年以降も頑なに京都条約に固執している
ている訳でもない。
が、われわれを誤った方向へと導くものであ
る」と同氏は付言している。Kreklau 氏は BDI
欧州持続可能なネルギー産業協会「e5」は、
環境政策責任者を務めている。
「絶対的な制限
京都議定書は真に機能すると発言している。
を設けるよりも、われわれには市場の拡大が
e5 の CEO を務める Sebastian Gallehr 氏は、
必要である。」
「ドイツ産業界が最も少ない排出量と最も効
率の高いエネルギー技術を追求する競争に見
BDI は、この戦略文書の中で「クリーン開発
切りをつけるとすれば、それは失敗である」
と気候に関するアジア太平洋地域パートナー
と述べている。
シップ」に言及している。このパートナーシッ
プは、2005 年 7 月に、米国、オーストラリア、
この騒動の後、BDI の CEO を務める Jürgen
中国、インド、日本および韓国が署名してい
Thumann 氏は、2005 年 8 月 25 日、戦略文書
る。参加国は、この合意の中で、温室効果ガ
の方針を若干弱めざるを得ないと考えた。
「わ
ス排出削減のために、京都議定書による固定
れわれにとって京都議定書からの脱退が問題
目標ではなく、技術革新および技術移転の推
なのではない。
」しかしながら、同氏は依然と
進を強調している。
「ドイツ政界もこの方針に
して、2012 年以降については、できる限り多
従うべきである」と、Kreklau 氏は主張して
くの国とさらに効果的な国際的気候保護に取
いる。
り組むべきであるとして、京都議定書の継続
は必要ないと示唆した。従って、
「ドイツと他
BDI は 2005 年 8 月中旬に戦略文書の内容が
の京都議定書締約国はアジア太平洋パート
漏れた際、厳しい批判にさらされた。シュレー
ナーシップとの協定を目指すべきである」と
ダー首相はその内容を読み「愕然とした」と
いう。
発言している。さらに、近代工業国家におい
て経済と環境を対抗させて利益を得ようとす
2. ドイツ、EU レベルの廃棄物投棄禁止を要
ることは「大きな誤り」であると首相は付言
求
した。緑の党のトリッティン環境大臣は、特
独環境省は、廃棄物事業者および環境保護主
に京都議定書に基づく排出量取引制度は大い
義者の支持を得て、EU レベルの未処理廃棄物
に技術革新を推進すると発言している。
JMC environment Update
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Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
投棄禁止を提言した。最新の研究結果による
め立て処分量を 1995 年比で 35%以下まで段
と、かかる対策により温室効果ガスの著しい
階的に削減することが定められている。欧州
削減が達成されると、同省は主張している。
の中でも埋め立て処分への依存度が高い国は、
この目標を達成するという大きな課題にすで
これは、欧州委員会が廃棄物防止・リサイク
に直面している。
ルに関するテーマ別戦略の提案を数ヶ月後に
控えていることを見越しての提案と思われる。
これまでのところ、欧州議会が賛成を表明し
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ているのに対して、EU 執行部は埋め立て処理
に関する一般禁止措置支持のサインを出して
いない。
Ⅲ.
英国
1. 英国、包装廃棄物リサイクル目標を提案
ドイツ環境省、
環境庁、廃棄物業界団体 BDE、
2005 年 8 月 22 日、英国は産業包装廃棄物の
環境団体 NABU(ドイツ自然保護同盟)が共
リサイクルおよび再生に関する新目標を提案
同で実施した研究によると、事前処理を施さ
する協議文書を公表し、コメントを求めた8。
ずに投棄する行為を禁止すると、旧 EU15 ヶ
国において CO2 換算で年間 1 億 3,400 万トン
同協議文書は、包装および包装廃棄物に関す
の排出が削減できるという。これは 2020 年
る EU 指令 94/62/EC(指令 2004/12/EC
までに EU の排出量を 30%削減するという京
により修正)の遵守を目的として、2006 年、
都議定書の次の最大目標の 11%に相当する量
2007 年および 2008 年の目標を提案している。
である。
同案には、プラスチック、紙、ガラス、スチー
研究結果によると、ドイツにおける埋め立て
ル、木およびアルミニウムなど特定素材毎の
処理禁止は 2005 年 6 月 1 日に施行されたが、
個別目標が含まれている。
その準備によって、1990 年から 2005 年まで
の間に廃棄物業界からの温室効果ガス排出量
同規則は、年間 500 トンを超える廃棄物を排
が 4,600 万トン(CO2 換算)程削減されたと
出し、年間売り上げが 200 万ポンド(370 万
いう。これは政府予想の二倍に相当すると、
ドル)以上の企業にのみ適用される。
BDE は指摘している。特に、埋め立て処理場
からの(投棄された生分解性廃棄物の嫌気性
企業に対する個別リサイクル・再生義務は、
分解による)メタン排出量は 85%削減された。
当該企業の活動動向またはサプライチェーン
における位置づけや、各々が生み出す包装量
また、同研究は、ドイツでも 2020 年までに
によって異なってくる。
さらに年間 900 万トン(CO2 換算)の削減が
EU 包装廃棄物指令では、2008 年 12 月 31 日
可能であるとの結論を示している。このよう
までに、全体で 60%の再生目標と、「55%か
な排出削減の一部は、化石燃料に代わって埋
ら 80%」のリサイクル目標を達成するよう加
め立て処理施設で発生するガスエネルギーを
盟国に求めている。
利用することや、リサイクル可能な金属の再
生が増加することによるものであるという。
EU 加盟国の多くは、この提案に懐疑的な姿勢
8
同協議文書は以下のサイトを参照すること。
を示すと思われる。すでに、EU 埋め立て指令
http://www.defra.gov.uk/corporate/consult/packaging-reg
に基づき、2016 年までに生分解性廃棄物の埋
05-targets/consultation.pdf
JMC environment Update
38
Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
同案には、同指令は 2009 年から 2013 年の期
Ⅳ.
間について 2007 年 12 月 31 日までに新たな
1. 仏業界団体、炭素取引に関する指針を発
目標を定めることも予想しているとの言及が
フランス
表
ある。
フランスを代表する業界団体のフランス企業
運動(MEDEF)は、2005 年初頭にスタート
現時点では、目標が設定されるのか、設定さ
した EU 温室効果ガス排出量取引制度に関す
れる場合にはそれがいつなのかは明言されて
る仏企業向け指針を発表した。
いない。しかし、再生・リサイクルの拡大は、
英国の廃棄物戦略の目標に多大な貢献をする
同指針は、排出量取引に関する具体的ルール
と思われる。
について説明し、契約について詳しく論じ、
関連する会計・税務問題について取り上げて
2. 大規模焼却施設指令の実施に関する最新
いる。
の進捗報告
英国政府は、大規模焼却施設指令に関する最
また、排出枠価格に関して企業が抱く長期的
新の進捗状況を利害関係者に伝えた。同指令
な不確実性に関する懸念についても触れてい
は 2008 年 1 月に施行され、排出ガスを規制
る。
する。
2. 仏、新廃棄物政策の優先課題を発表
英国政府の見解は、一貫して、同指令の環境
仏環境省は、今後 10 年間の廃棄物政策にお
目標を最もコスト効果の高い方法で提供でき
ける新たな方針を明らかにした。新方針は、
る方法を見つけるということである。英国政
2005 年春に実施された公開協議の結果を受け
府は、いわゆる「複合方式」がその方法であ
て、全国廃棄物会議で発表された。
ると確信し、欧州委員会がこの方法を受け入
れたと理解していると付言している。
環境省によると、ダイオキシンと重金属によ
る汚染廃棄物の削減およびリサイクル促進に
英国案によると、製造業および精製業からの
10 年間を費やした後の今後の政策としては、
排出は国家排出削減計画によって規制され、
廃棄物防止および拡大する廃棄物管理コスト
エネルギー産業からの排出規制には排出制限
の対策に重点を置くべきであるという。
値が設けられるという。
また、数少ない具体的な新目標の中に、埋め
同指令の実施に関する委員会との協議は建設
立て処理または焼却される家庭廃棄物を現在
的であり、今後も継続される。現在、政府は、
の 1 人当たり 290kg から 5 年以内に 250kg、
既存焼却施設に関する同指令の適用範囲につ
10 年以内に 200kg に減量するという目標が
いて協議中である。
あるという。
今後、政府は利害関係者と非公式会合をもち、
情報公開キャンペーンや新たな財源措置も特
委員会との密接な協力を継続する。
色である。廃棄物由来バイオガスを使用して
発電した電力の料金は 50%引き上げられ、管
政府は、2005 年末までに同指令の実施に関す
理されていない埋め立て地に投棄された廃棄
る最終決定を下す見込みである。
物については、汚染諸活動に課税される仏環
境総合税(TGAP)が倍額となる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
JMC environment Update
39
Vol. 7 No.4 (2005. 11)
欧州環境規制動向 〜在ブラッセル弁護士モニタリング情報 [41]
政府は、18 ヶ月以内に管理されていない埋め
れることを確実にしなければならない。これ
立て地をすべて閉鎖するという目標の達成に、
は電気電子機器生産者責任に関する政令
後者の課税措置が寄与することを期待してい
SFS2005:209 に規定される。同政令は、指
る。2004 年、フランスの違法な管理されてい
令 2002/96/EC いわゆる WEEE 指令に基づ
ない埋め立て地問題は欧州司法裁判所の審判
くものである。
に委ねられた。
今回、制度の改善と WEEE 指令の実施を目的
拡大する廃棄物管理コストの問題に対処する
として、いくつかの変更が導入される。同指
ため、フランスの地方自治体に、埋め立て処
令により、今後、電気電子機器の生産者責任
分や焼却処分される廃棄物に対して独自に課
が全 EU 加盟国で導入される。
税する権限が与えられる。また、2006 年春に
は、コンポスト開発計画が公約されている。
スウェーデンの電気電子機器の生産者責任に
関する政令(2005:209)は、2005 年 4 月
14 日に採択され、2005 年 8 月 13 日に施行さ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
れる。スウェーデン環境保護庁は廃電気電子
機器の専門的前処理に関する新規制(政令
SFS2005:10)を発表している。同規制には、
Ⅴ.
生産者責任の対象となる廃電子機器だけでは
スウェーデン
なく、すべての廃電子機器の処理方法に関す
1. 電気電子機器生産者責任
る規定が含まれている9。
電気電子機器の生産者責任が拡大され、2005
年 8 月 13 日から発効する。但し、スウェー
生産者責任法の変更により、対象機器が増え、
デン環境保護庁への報告は 2006 年初頭まで
生産者責任が拡大される。すべての生産者は
開始されない。
同政令に基づき、その責任の履行方法を繰り
返し説明しなければならないので、監督およ
従って、例えば、生産者は製品にラベル表示
びチェックに関する要件は相当厳しくなる。
をすること、廃電子機器の回収制度を提供す
さらに、スウェーデン環境保護庁は、不適切
ること、当該廃電子機器が再利用、再生また
な報告が行われた場合に環境罰金を科す権限
はその他の環境的に容認しうる方法で処分さ
をもつ。
<本モニタリング情報は、競輪の補助金を受けて実施したものです>
9
電気電子機器生産者責任に関する政令(2005:209)は
以下のサイトを参照すること。
http://www.sweden.gov.se/content/1/c6/04/34/82/2cfc4ad
5.pdf
JMC environment Update
40
Vol. 7 No.4 (2005. 11)
米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [36]
連載 米国における環境関連動向
〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [36]
【今月号のまとめ】
連邦レベルの廃電子機器リサイクル法が存在せず、州レベルでのリサイクル法が相次いで成立す
る中、北東部の 10 州の州政府職員や環境保護団体による評議会が、10 州で統一のモデルを作成
する動きを進めている。2005 年 3 月より開始したモデル作成への取り組みは順調に進み、11 月
には 10 州統一のモデルが完成する見込みで、その後は NERC が州議会で法案の土台と採用する
ようロビー活動を行う。このモデルは、製造業者がリサイクル料を負担し、非営利団体がリサイ
クルを運営する仕組みであることから、
他州で成立している廃電子機器リサイクル法のハイブリッ
ド形式として評価されている。このモデルを各州議会が法案の土台として採用し、そして法案が
州議会で可決された場合は、全米で最初の州の枠組みを越えた統一の廃電子機器リサイクルモデ
ルが法律として成立されることになる。統一モデルを土台とした州法可決の道のりは長いが、利
害関係者の期待が集まっている。
2005 年 1 月 1 日より施行されたカリフォルニア州の廃電子機器リサイクル法は、施行から約 1
年近くが経過した現在、同法のより実際的な見直しが行われている。これは、実際に徴収される
ARF が確実に回収業者・リサイクル業者へ償還されにくい現状を是正するためであり、今後も同
様の見直しが行われることが予測される。
カリフォルニア州はまた、新たに 29 件の環境関連法を成立させており、環境保護の面で他州を
牽引する姿勢を継続している。今回成立した法案のうち電子機器に関連するものは、コンピュー
タや携帯電話に利用される充電式乾電池の再利用等を義務付ける法案と、水銀を含有するスイッ
チやリレーといった制御機器の販売を禁止する法案がある。カリフォルニア州では今後も環境関
連法が成立する可能性が高いとみられている。
Ⅰ. 北東部における廃電子機器リサイクルのモデル作成の動きが前進
2005 年 7 月に開催された上院・下院の公聴会に引き続き1、連邦議会は 9 月 8 日、下院環境・有害
物質小委員会にて廃電子機器リサイクルに関する公聴会を開催した。9 月の公聴会では、環境保護
団体、小売業者、及び HP 社が証言したもののその内容は 7 月の公聴会とほぼ同様の内容であった。
このことから、連邦法を望む関係者からは、連邦レベルの廃電子機器リサイクル法成立に向けた動
きは足踏み状態になっているとの失望の声が挙がっている2。また、去る 7 月の公聴会にて、商務省
技術政策室(Office of Technology Policy, Department of Commerce)や政府説明責任局(GAO:General
Accountability Office)が、廃電子機器リサイクルの現状を把握するための報告書を発表するとして
いたが3、11 月時点では発表されていない。
1
本誌 Vol.7 No.3 (2005 年 9 月号)参照。
2
State Recycling Laws Update 紙、2005 年 9 月 16 日。
3
本誌 Vol.7 No.3 (2005 年 9 月号)参照。
JMC environment Update
41
Vol.7 No.4 (2005.11)
米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [36]
このように連邦レベルでの廃電子機器リサイクル法の動きが遅々として進まない中、従来の州政府
ごとのパッチワーク的な廃電子機器リサイクル法へのアプローチから一歩進み、複数の州で統一の
廃電子機器リサイクル法を作成する動きが見られる。米国北東部の 10 州4(画像下)にて共通のモ
デル作成を目的とした活動を行う Northeast Recycling Council(北東リサイクル評議会、以下 NERC)
5
は、2005 年 3 月に廃電子機器リサイクルに関するモデル作成を開始している。NERC は、州政府
職員、環境保護団体および EIA(Electronic Industries Alliance:米国電子工業会)を含む電子機器業
界団体などがメンバーとして参加している6。NERC は、2005 年 11 月にも廃電子機器リサイクルの
モデルを完成させる予定で、このモデルを、NERC に参加する 10 州の州議会にて廃電子機器リサイ
クル法案の土台として採用するよう州議院などに求める方針である。NERC が推進するモデルを土
台とした法案が州議会に提出され、さらに可決された場合には、統一の廃電子機器リサイクルモデ
ルを土台とした廃電子機器リサイクル法が州の枠を越えて成立することが期待されている。
以下に、
NRNC の概要と共通のモデル草案作成に向けたこれまでの動きを報告する。
出典:NRNC ウェブサイト情報をもとにワシントン・コア作成
1. NERC モデル草案の概要
NERC は、北東 10 州内における資源利用の削減や資源の再利用、環境にやさしい製品の購入を通じ
て環境保全経済を推進することを目指して設立された評議会である7。評議会が現在着手しているプ
ロジェクトは、
「紙資源の再利用」や「環境にやさしい製品の調達」といった、資源の有効活用やリ
サイクルに関する幅広い内容となっている。廃電子機器については、参加する 10 州から合計 35 名
の代表が集い、これら地域内で廃電子機器の回収・リサイクルの統一アプローチを構築するための
会合を 2005 年 3 月 11 日に初めて開催し、モデルの草案作成を開始した8。NERC が作成するモデル
は、NERC の参加メンバーによる州議員へのロビー活動などを経て、各州の州議会にて廃電子機器
リサイクル法案として提出されることを最終的目標としている。
NERC で提唱されているモデルの特徴は、鉛を含有するブラウン管(CRT)以外にも、半導体(カド
4
メイン州、ニューハンプシャー州、バーモント州、マサチューセッツ州、コネチカット州、ロードアイランド州、ニューヨーク
州、ペンシルバニア州、ニュージャージー州、デラウェア州。
5
http://www.nerc.org/
NERC メンバー一覧:http://www.nerc.org/members.html
6
7
NERC ウェブサイト。http://www.nerc.org/about/mission.html
8
廃電子機器リサイクルのモデル作成に向けた動き一覧:http://www.nerc.org/currentprojects.html#11
JMC environment Update
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Vol. 7 No. 4 (2005.11)
米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [36]
ミウムを含有)
、サーキットボードおよびプラスチックカバー(ともに臭素系難燃剤を含有)もリサ
イクルの対象にした点である。また、リサイクル料は電子機器製造業者から徴収し、リサイクルの
運営は非営利団体によって行われる。具体的なリサイクル料については現時点では定められていな
い。以下に、NERC が提唱する廃電子機器リサイクルのモデルの内容をまとめる。
図表 1 NERC が提唱する廃電子機器リサイクルのモデル概要(2005 年 10 月時点)
目的
州政府関係者、電子機器製造業者、小売業者、リサイクル業者、環境保護団体の間で、
使用済みコンピュータや TV の回収・リサイクルに係る資金の仕組みについて統一見
解を構築する。
リサイクル対象
¾ コンピュータ(デスクトップ型、ノート型)
の廃電子機器
¾ コンピュータ用モニター
¾ PDA
¾ プリンター
¾ TV 用ブラウン管(CRT)及び CRT 以外のモニター
リサイクル義務
¾ 年間売上高に準じたリサイクル料を支払う。
●製造業者
¾ 対象機器に、①製造業者のブランド名、②リサイクル情報9の入手先(無料電話番
号、ウェブサイトなど)
、を掲載したラベルを貼付する。
¾ 対象機器の販売台数、有害物質(水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、PBB)の
含有量およびリサイクル可能な材料の量を毎年報告する。
¾ リサイクルしやすい製品設計に向けた取り組み状況を報告する。
●小売業者
¾ 対象機器のリサイクル情報について(店頭に)掲示する
●消費者
特に規定なし
行政義務
特に規定なし
法施行の 10 年後に、対象機器のすべて(100%)が再利用あるいはリサイクルされる。
目標
施行日
2006 年にモデルとして採用されることを目標
罰則規定
¾ 法施行 2 年後より、対象機器の廃棄が禁止
¾ リサイクル料の消費者への転嫁は禁止
10
出典:NERC 情報 、各種業界紙資料11をもとにワシントン・コア作成
9
編集注:例えば、企業ウェブサイトのリサイクル情報ページのアドレスや、フリーダイヤルの電話番号などを示したラベルを対
象機器に貼付し、消費者がこの情報源へ行くことで(ウェブサイトへアクセスする等)対象機器をリサイクルするために必要な
情報(回収・リサイクルする業者の情報等)が得られること。
10
http://www.nerc.org/adobe/E-RecyclingPrimer/E-RecyclingPrimer-ReuseInclusion.pdf
JMC environment Update
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Vol.7 No.4 (2005.11)
米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [36]
2. 利害関係者の反応
NERC が提唱する廃電子機器リサイクルモデルの草案に対して、利害関係者(ステークホルダー)
からは、
「州をまたがる統一モデルの構築」といった概念に概ね賛同する意見が多くを占めている。
例えば電子機器業界団体の EIA の環境担当ディレクター、ゴス氏(Rick Goss)は「10 州の統一モ
デルは、製造者側にすべての責任を問うというより、金銭的な責任を問う仕組みで、
(ARF を消費者
から徴収するカリフォルニア州法や、製造業者によってリサイクルを運営させるメイン州法の)ハ
イブリッド形式であり評価できる。
」12との感想を述べ、前向きに受け止めているという。
一方で、草案の詳細な内容については、各利害関係者から様々な意見が集まった。例えば、材料再
利用を専門とするリサイクル業者の MaSeR 社13は、モデルに消費者の責任が組み込まれていないこ
とに対し、
「消費者は自分で購入した製品に対して責任を持つことを意識することが必要」との考え
を示し、
「モデルの目標を『製造業者と消費者におけるプロダクト・スチュワードシップ14の促進』
へと変更」するよう書面で求めた。同様に、EIA のゴス氏も、
「個人資産である電子機器のリサイク
ル率を 10 年後に 100%達成するには、消費者の協力が不可欠であるが、アルミニウム缶のリサイク
ル率ですら 100%に達していない」ことから、
「モデルの掲げる『リサイクル率 100%』の目標は非
現実的」と指摘する15。
また、IBM 社とアップル社は、10 州統一モデルにある、
「製造業者に対する年次報告義務」の撤廃
を求めている。両社は、自社製品の州ごとの販売台数や金額などの算出は、実際にどの州で販売さ
れているか追跡することが難しいことや、これら数値の一部は社外秘である」ことなどを理由とし
て挙げている。
更には、
「これら情報を州政府やリサイクル運営機関が建設的に利用する理由がない」
16
とも訴える 。
尚、製造業者側の一部意見は受け入れられ、モデル草案から一部が改正されている。アップル社、
IBM 社、HP 社並びに EIA は、モデル草案の対象機器に当初、
「CATV 放送・衛星放送受信機、VCR、
DVD などの TV 関連機器」
「マウス、キーボード、モデム、プリンターなどの PC 関連機器」および
「CPU」が含まれていたことに対し、
「モデルの運用に向けて、まずは対象機器を限定すること("walk
before we can run”)
」を推奨し、これらを対象外することを求めた。結果、10 州統一モデルからは、
上記製品は除外されることとなった17。
NERC による廃電子機器リサイクルのモデル草案が 2005 年 3 月に発表された後、7 月より一般から
の意見を公募し、その後、これら意見を反映させたモデルが 11 月には発表される予定である。こ
のモデルが各州で「廃電子機器リサイクル法案」の土台として採用され、さらに州議会で法案可決
されるといった長いプロセスをすべてクリアした場合、州の枠を越えた廃電子機器リサイクルのモ
デルが初めて誕生する可能性もある。10 州統一モデルの作成は、当初計画通りのスケジュールで順
調に進んでいることからも、NERC の熱心な活動状況に利害関係者からの期待が集まっている。ま
た、連邦レベルでのリサイクルの仕組みが存在しない現在、州・地方自治体よりも大枠で、且つ全
11
State Recycling Laws Update 紙、2005 年 9 月 23 日; State News 紙、2005 年 9 月 1 日。
12
Greenwire 紙、2005 年 8 月 3 日。
13
企業ウェブサイト:http://www.masercorp.com/
14
プロダクト・スチュワードシップ(product stewardship)
:製品による環境への影響を削減する責任を、製品のライフサイクル
のすべての関係者(製造業者、小売業者、消費者、リサイクル業者)が負うという考え方。
15
State Recycling Laws Update 紙、2005 年 9 月 23 日。
16
State Recycling Laws Update 紙、2005 年 9 月 23 日。
17
State Recycling Laws Update 紙、2005 年 9 月 23 日。
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Vol. 7 No. 4 (2005.11)
米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [36]
米人口の 20%を抱える1810 州で統一したリサイクルの仕組みが構築される可能性に対して、特に
HP 社や EIA なども賛同の姿勢をみせている。一方で、NERC が提唱する仕組みが、NERC に参加す
るメイン州で既に成立している独自の法律と異なるなどの理由から19、参加する 10 州の議会が、実
際にこのモデルを「廃電子機器リサイクル法案」の土台として採用するかという現実問題を懐疑的
にみる意見もある20。このため、NARC が作成する 10 州の統一モデルが実際の法制化にどこまで影
響を持つかについては、現段階では具体的に見えていない。
Ⅱ. カリフォルニア州における廃電子機器リサイクル関連動向
カリフォルニア州にて、廃電子機器リサイクル関連の動きが活発化している。まずは、2005 年 1
月 1 日より施行されている『2003 年カリフォルニア州廃電子機器リサイクル法』
(法案 SB20/SB50)
は、その運用から約一年近く経過した現在、内容の見直し作業が開始された。さらに、同州のシュ
ワルツェネッガー知事(Arnold Schwarzenegger)が 10 月、合計 29 本に及ぶ環境保護関連法案21に
署名した。その一環として、2 本の廃電子機器関連法案も成立した。環境関連法案の成立に積極的
なカリフォルニア州では、現在も 20 本以上の環境関連法案の提出が見込まれていることから、同
州における環境関連動向が注視されている。以下にこれら 2 つの動きをまとめた。
1. 廃電子機器リサイクル法仕組みの見直し案が提出
2005 年 1 月 1 日より施行された『2003 年カリフォルニア州廃電子機器リサイクル法』(法案
SB20/SB50)の運用から約一年近くが経過した中、同法の見直し作業が行われている。これは、特
に持ち主が不明の廃電子機器を回収・リサイクルした業者へ適切にリサイクル料が償還されていな
いことや、消費者から徴収する ARF(電子機器 1 台につき 6 ドル〜10 ドル)では州政府における同
法運営経費が充分に賄えていないという問題が表面化したことが背景にある22。このため、同法の
運用を管轄するカリフォルニア州統合廃棄管理委員会(California Integrated Waste Management
Board:以下 CIWMB)は、
『2003 年カリフォルニア州廃電子機器リサイクル法』の修正案23を作成・
公表し、11 月 1 日に一般の意見募集を開始した。CIWMB は来る 11 月 15 日・16 日の両日に、修正
案の承認に向けた話し合いを行う予定である24。
CIWMB の修正案のうち注目されているのが、
廃電子機器リサイクル法の対象外であった回収元が不
明の廃電子機器("source-anonymous CEWs”)のリサイクルについても、回収業者・リサイクル業
者にリサイクル料を償還する仕組みの追加である。廃電子機器リサイクル法では、徴収したリサイ
クル料(電子機器購入時に消費者が 6 ドル〜10 ドルを支払う ARF)を、回収業者・リサイクル業者
へ償還する(回収業者 22 セント、リサイクル業者 26 セント)仕組みとなっている。この際、回収
業者・リサイクル業者は、廃電子機器の持ち主の氏名・住所を CIWMB に提出して、初めてリサイ
クル料が償還される。しかし、回収業者やリサイクル業者が回収している廃電子機器の約 5 割の出
18
NERC エグゼクティブ・ディレクター、ルビンスタイン氏(Lynn Rubinstein)
。Consumer Electronics Daily 紙、2005 年 8 月 12
日。
19
本誌 Vol.6 No.6 (2005 年 3 月号)参照。
20
Greenwire 紙、2005 年 8 月 3 日。
21
廃電子機器以外の法案には、例えば農家に対し汲み上げ水の量を報告させる義務を課すものや、化粧品製造業者に対する有毒の
可能性がある化学物質の報告義務、湾岸地域の住民に対し乗用車登録料に大気汚染防止施策費として 6 ドルを上乗せするものな
どがある。San Jose Mercury News 紙、2005 年 10 月。
22
State Recycling Laws Update 紙、2005 年 9 月 9 日。
23
修正案全文:http://www.ciwmb.ca.gov/Electronics/Act2003/Regulations/Emergency/PropRev051101.doc
24
CIWMB ウェブサイト:http://www.ciwmb.ca.gov/Electronics/Act2003/Regulations/Emergency/Revision1.htm
JMC environment Update
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Vol.7 No.4 (2005.11)
米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [36]
所がわからないという問題に直面している25。例えば、CIWMB の廃電子機器プロジェクト担当マネ
ジャー、シャーリー・ウィルド・ワグナー氏(Shirly Willd-Wagner)によると、法施行後 1 年弱で
徴収した ARF3,000 万ドルのうち、回収業者・リサイクル業者が実際に請求したリサイクル料の償
還額はわずか 900 万ドルに留まっているという26。
このような背景から、CIWMB の修正案では、以下の条件において回収された場合、身元不明の廃電
子機器でも廃電子機器リサイクル法における償還の対象とした27。
積荷確認作業(Load Check Activities)で発見された廃電子機器――固形廃棄物処理施設で
¾
の積荷確認作業で回収された廃電子機器
¾
不法投棄された廃電子機器――不法投棄のクリーン(回収)活動や、非営利団体以外の回収業
者施設へ不法投棄され、回収された廃電子機器
当初、CIWMB は、新たに対象となる廃電子機器へのリサイクル料償還額を申請額の 5%に限定する
案を進めていた。これにより、回収業者・リサイクル業者に対し、引き続き廃電子機器持ち主の氏
名・住所確認を促進する意向であったという。結果的に、5%の上限は修正案には反映されず、上
記の「積荷確認作業で発見された廃電子機器」
「不法投棄された廃電子機器」を書面で証明・申請し
た場合、
これら廃電子機器もリサイクル料
(申請額全額)
償還の対象とする内容に落ち着いている28。
2. カリフォルニア州が廃電子機器関連法案を成立
カリフォルニア州知事が 2005 年 10 月 6 日、2 本の廃電子機器関連の法案を成立させた。ひとつめ
の法案(AB1125)は、電子機器に利用される充電式電池の再利用などを義務付けるものである。尚、
ここでは充電式電池の製造業者はテイクバックやリサイクル料の負担といった、リサイクル責任は
問われていない。二本目の法案(AB1415)は、電子機器に利用される場合もある制御機器(スイッ
チ、リレー)の販売を禁止したものである。以下に、2 本の法案内容をまとめる。
—
充電式電池のリサイクルを義務化
『2006 年充電式電池リサイクル法』
(法案 AB1125)29は、消費者に対し、2006 年 7 月 1 日より、
消費者、小売業者に対して充電式電池の再利用、リサイクル、あるいは適切な廃棄を義務付ける法
律である。充電式電池はノート型パソコン、コードレス電話、携帯電話などに広く利用されている。
同法の起草者であるペイブリー州下院議員(Fran Pavley、民主党)によると、現在これら充電式電
池の多くが埋め立て処理されており、また消費者の間でも充電式電池の埋め立て処理による有害性
に関する認知度も低かった30。充電式電池にはカドミウム、水銀、鉛などの重金属が含まれており、
同氏によるとこれら発ガン性物質は埋め立て処理により地下水や地上水に流れ出ているという。
尚、
今回の法律は充電式電池のみを対象にしており、使い切りタイプの電池は回収の対象となっていな
い。ペイブリー州氏によると、同法案は当初使い切りタイプの電池も対象としていたが、結果的に
25
State Recycling Laws Update 紙、2005 年 10 月 28 日。
26
State Recycling Laws Update 紙、2005 年 9 月 9 日。
27
CIWMB ウェブサイト:http://www.ciwmb.ca.gov/Electronics/Act2003/Regulations/Emergency/Revision1.htm
28
State Recycling Laws Update 紙、2005 年 11 月 4 日。
29
法案 AB1125 全文:http://www.leginfo.ca.gov/pub/bill/asm/ab_1101-1150/ab_1125_bill_20050914_enrolled.html
30
Waste News 紙、2005 年 10 月 24 日。
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Vol. 7 No. 4 (2005.11)
米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [36]
州議会での承認を得られなかったという31。
今回成立した『充電式電池リサイクル法』では、消費者が自費で小売業者(販売店)に持参し、こ
れら小売業者が無料で回収する。
したがって、
州政府や地方自治体からの資金的な援助は一切ない。
同法は、州内において充電式電池を含む危険物の利用を段階的に廃止することを最終目的としてい
る。以下に、
『充電式電池リサイクル法』の概要を示す。
図表 2 カリフォルニア州『充電式電池リサイクル法』概要
目的
使用済み充電式電池を再利用、リサイクル、あるいは適切に廃棄する
リサイクル対
使用済み充電式電池(Rechargeable battery)
象の廃電子機
小型で、乗り物以外に使用される充電式のニッケルカドミウム、ニッケル水素、リチ
器
ウムイオン、あるいは SLD を指す。また、これらの充電式電池を入れるバッテリーパッ
クも含む。
リサイクル義務
●
製造業者
特に規定なし
●
小売業者
すべての小売業者(*)は、消費者から使用済み充電式電池を受取、回収する仕組みを構
築する。小売業者による受取・回収の仕組みは、以下のすべての要素を含む必要があ
る。
¾ 小売業者が過去に販売した種類あるいはブランドの充電式電池を回収する仕組み
を消費者に対し、無料で提供
¾ 小売業者による無料の回収の仕組みは、小売業者が過去に販売した充電式電池の
個数までに限定することができる
(*)食品専門の小売店および年間売上高が 100 万ドル未満の小売店は、同法の対象から
除外される。
●
消費者
行政義務
使用済みの充電式電池を小売業者に持参する
2007 年 7 月 1 日より隔年、カリフォルニア州有害物質管理局(Department of Toxic
Substances Control)が、電池リサイクル施設より充電式電池の回収データを収集する
施行日
罰則規定
2006 年 7 月 1 日
法に順守しない小売業者は、2006 年 7 月 1 日以降に充電式電池の販売が禁止される
出典:カリフォルニア州『充電式電池リサイクル法』32をもとにワシントン・コア作成
31
State Recycling Laws Update 紙、2005 年 10 月 7 日。
32
法案 AB1125 全文:http://www.leginfo.ca.gov/pub/bill/asm/ab_1101-1150/ab_1125_bill_20050914_enrolled.html
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米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [36]
『充電式電池リサイクル法』は、カタログ販売や電話による販売といった、店舗以外での販売も対
象となる。この場合小売業者は、販売した充電式電池を無料で回収する仕組みを消費者に必ず告知
する義務があり、情報の提供手段として例えばウェブサイトのリンクや電話番号、領収証、箱、請
求書などへの記載が推奨されている。更に、店舗以外で販売した充電式電池の回収方法として、店
舗での回収が難しい場合もあることから、
充電式電池リサイクル大手のリチャージブル・バッテリー・
リサイクリング社(Rechargeable Battery Recycling Corp:以下 RBRC 社)33あるいは同様のリサイ
クルを実施しているリサイクル業者へのテイクバックを推薦している。
『充電式電池リサイクル法』が回収業者として推奨する RBRC 社は、約 300 社以上の充電式電池製
造業者リサイクル業者によって設立された非営利団体で、1994 年の設立以降、2,000 万ポンド(約
907 キロ)の充電式電池を回収した実績を誇っている。同社は現在、米国・カナダの大手小売業者
や小規模小売業者約 3 万店舗と提携し、RBRC 社のシールが貼ってある使用済みの充電式電池を消
費者が持参できる回収箱を設置し、回収・リサイクルしている。RBRC 社によると、同社リサイク
ルに参加する小売業者 3 万店舗のうち、カリフォルニア州の小売業者は約 3,000 店舗存在するとい
う。
家電業界団体最大手の CEA(Consumer Electronics Association)環境・
州政策担当、テイラー氏(Kristina Taylor)によると、一部のコンピュー
タを含む一部の製造業者は、
「ビジネスモデルが崩壊する」として法案
1125(充電式電池リサイクル法)の成立に反対してきたという。しか
し、CEA は内部で同法案への見解が分かれたことから、結果的に法案
1125 に対するロビー活動は起こさなかった34。
出典:RBRC 社ウェブサイト
—
水銀を含有する制御機器の販売を禁止
カリフォルニア州衛生・安全法(Health and Safety Code)は、水銀を含有する恒温装置(サーモス
タット)の販売を禁止35している。2005 年 10 月 6 日、同法を追加・修正し、水銀を含有する制御
装置(リレー、スイッチ)の販売も禁止する法案 AB141536が成立した。法案 1415 は、前出の法案
AB1125(充電式電池リサイクル法)を提出したペイブリー州下院議員によって提出されている。
法案 AB1415 の成立により、2006 年 1 月 1 日以降、水銀を含有するスイッチ(Mercury switch)及
び水銀を含有するリレー(Mercury relay)の販売・埋め立て処理が禁止される。これら制御装置は
新品あるいは再生品(refurbished products)が対象となる。また、2008 年 1 月 1 日以降、オーブ
ンレンジやガスレンジに使用される水銀を含有するガスバルブ制御装置(Mercury diostat)の販売
も禁止される。尚、同法案では、例えば水銀を含有するリレーの使用先(例えば『コンピュータ』
など)については具体的に明記していない。
今回提出された 29 本の環境関連法案はすべて、
シュワルツェネッガー州知事によって署名された。
シュワルツェネッガー知事は、
「次世代のためにカリフォルニア州の環境保護を最優先する」と公言
33
Rechargeable Battery Recycling Corp 企業ウェブサイト:http://www.rbrc.org/
34
Waste News 紙、2005 年 10 月 24 日。
35
工業使用やハンディキャップを抱える人が利用する場合は適用除外される。Health and Safety Code Section 25214.8.2.
http://www.leginfo.ca.gov/cgi-bin/waisgate?WAISdocID=89872629840+5+0+0&WAISaction=retrieve
法案 1415 全文:http://www.leginfo.ca.gov/pub/bill/asm/ab_1401-1450/ab_1415_bill_20051006_chaptered.html
36
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米国における環境関連動向 〜在ワシントンコンサルタントによるモニタリング情報 [36]
しており、今回も提出された環境関連法案すべてに署名した。このことから、環境保護団体などは
同氏の姿勢を強く支持し、今後もより積極的なロビー活動を行う姿勢をみせている。カリフォルニ
ア州は過去にも、廃電子機器リサイクル法を含めた環境関連法において他州を牽引してきたが、州
知事は今後も環境関連法の成立に前向きな姿勢でいることから、現在提出されている 20 本以上の
環境法案についても、注目が集まっている37。
調査委託先:
ワシントン・コア
Website: http://www.wcore.com
<本モニタリング情報は、競輪の補助金を受けて実施したものです>
37
San Jose Mercury News 紙、2005 年 10 月 7 日。
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中国【22】中国国家環境保護総局、
「電子廃棄物環境汚染防止管理弁法」を制定
中国【22】中国国家環境保護総局、「電子廃棄物環境汚染防止
管理弁法」を制定
2005 年 9 月、中国国家環境保護総局は、
「電子廃棄物環境汚染防止管理弁法」
(意見徴収用の草案、
以下「弁法」と略称)について、国家発展改革委員会、商務部、科学技術部、建設部、情報産業部、
税関総署、国家工商行政管理総局、国家質量検験検疫総局および各省環境保護局の意見、コメント
を求めるため、
「弁法」のドラフトを公布した。以下に同弁法制定の背景と主な内容を紹介し、併せ
て弁法の和訳を掲載する。また、最後に参考情報として電子廃棄物処理に関するその他の法規を列
挙した。
1. 「弁法」制定の背景
近年、中国では、電子・電気製品生産量および家電・電子製品保有量の増加などに伴い、電子・電
気廃棄物の数量も急速に増加している。
これら廃棄物の多くは、
合法かつ正しく処理されておらず、
各地で小規模な業者が立ち遅れた方法で処理している。これが原因で、深刻な環境汚染問題を引き
起こしている。
電子廃棄物処理に対する管理を強化することは、中国にとって電子製品による公害防止の重要課題
である。2004 年 12 月 29 日、中国全人大は、
「中華人民共和国固体廃棄物環境汚染防止法」
(以下
「固体法」と略称)を修正し、
「廃棄電器、廃棄機動車両・船舶の処置は、関連法律・法規を遵守し、
関連措置を実施し、環境汚染を防止すべきである」内容をつけ加えた。これにもとづき 2005 年初
め、国家環境保護総局は「弁法」を起草し、関係者の意見を求め、繰り返し修正を経て、同「弁法」
が完成した。
この「弁法」は、固体廃棄物汚染防止の「減量化、資源化、無害化」原則、汚染者責任原則、固体
廃棄物発生者責任原則、申告・登録制度、危険廃棄物営業許可証制度、拡大生産者責任制度、建設
プロジェクト環境影響評価制度などの指針を基本原則にしたものである。
電子廃棄物の解体、
利用、
処理のプロセスは、電子廃棄物がこれらの過程で公害をもたらすため、
「弁法」の重点も、電子廃棄
物の解体、利用、処理過程に関する監督管理に置かれている。
2.
「弁法」の要点
1) 「弁法」第四章附則では、電子廃棄物の範囲を定めている。廃棄された電子・電器、電子・電気
製品、設備およびその部品、ユニットの他に、当局が制定した「電子廃棄物目録(リスト)で
指定されている対象品目・物質」も管理対象になっている。この電子廃棄物目録制定の担当政
庁は、国家環境保護総局である。
2) 電子廃棄物を発生させた組織、個人は、電子廃棄物を環境に無害な方法で処理すべきであり、
自らその処理をしないものは、その処理を行う資格を有する業者に委託すべきである。電子産
業廃棄物を発生する組織は、所在する環境保護主管部門に対し、電子廃棄物発生数量、搬送先、
再利用方法、処理状況などについて報告する義務がある。
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中国【22】中国国家環境保護総局、
「電子廃棄物環境汚染防止管理弁法」を制定
3) 電子廃棄物処理を取り扱う業者は、当局に登録する必要がある。登録されている業者のリスト
は、当局が定期的に公表、検討する。
4) 電子廃棄物の処理は、当局が制定した技術政策、技術水準および関連基準に適合する必要があ
る。環境汚染をもたらす立ち遅れた処理方法の使用を禁止する。
5) 電子廃棄物を取り扱う業者に対し、事業記録、従業者による技術・技能取得などを要求する。
6) 廃棄された鉛酸電池、ニッケルカドミウム電池、陰極射線管などの電子類危険廃棄物を取り扱
う業者は、危険廃棄物営業許可証を取得すべきである。電子類危険廃棄物の中国への輸入、転
送を禁止する。
7) 生産者(輸入者、販売者を含む)は、製品に含有する有害物質、廃棄後の無害化処理などに関
する情報公開、製品廃棄後の部分的または全量回収・再利用、各処理の責任の所在、製品への
有毒・有害物質使用の削減や中止の責任などを負う。
8) 政府は電子・電器製品、電子・電気設備の生産者が回収システムを設け、消費者から回収した
廃棄製品・設備を引き受け、かつそれを無害化方式で処理、再利用することを奨励する。
9)「弁法」で称する電子廃棄物の「利用」は、電子廃棄物から原材料または燃料として物質を抽出
することを指し、中古設備の更新、再利用は含まない。
3.
「電子廃棄物環境汚染防止管理弁法」草案(日本語仮訳)
第一章
総則
第1条
電子廃棄物の環境管理を強化し、電子廃棄物による環境汚染を防止し、人体の健康
を保障するため、
「中華人民共和国固体廃棄物環境汚染防止法」および「危険廃棄物
経営許可証管理弁法」にもとづき、本弁法を制定する。
第2条
本弁法は、中華人民共和国国内で発生、回収、貯蔵、解体、利用および処理された
電子廃棄物が引き起こす汚染の防止、およびこれに対する監督・管理行為に適用す
る。
第3条
国家環境保護総局は、全国における電子廃棄物の発生、回収、貯蔵、解体、利用お
よびその処理に関連する環境汚染の防止に対し、統一的に監督管理を実施する。県
レベル以上の各地方人民政府環境保護行政主管部門は、所轄行政区域内における電
子廃棄物の発生、回収、保存、解体、利用およびその処理に関する環境汚染防止に
対し、一括して監督管理を実施する。
第4条
あらゆる団体、個人は、電子廃棄物を発生、回収、貯蔵、解体、利用および処理す
る組織、監督・管理部門およびその職員の違法行為に対し、検挙、訴追を行う権利
を有する。
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中国【22】中国国家環境保護総局、
「電子廃棄物環境汚染防止管理弁法」を制定
第二章
電子廃棄物汚染の防止およびその監督管理
第5条
国家環境保護総局は、電子廃棄物品目リストの制定、検討および公布を行う。
第6条
1) 電子廃棄物を発生する団体および個人は、電子廃棄物による汚染防止の責任を負う。
電子廃棄物を発生する団体および個人は、環境に無害の方式で、電子廃棄物を貯蔵、
利用、解体、処理を行うべきである。自ら貯蔵、解体、利用、処理をしない場合、市
または省レベル人民政府環境保護行政主管部門で登録済みの組織に対し、該当する電
子廃棄物を供するか、またはその回収、貯蔵、解体、利用、処理を委託すべきである。
2) 産業電子廃棄物を発生する組織は、国家汚染物排出申告・登録管理規定にもとづき、
所在地にある県レベル以上の環境保護主管部門に、電子廃棄物の発生数量、持ち込み
先、貯蔵、解体、利用、処理などの関連資料を提出すべきである。
第7条
電子廃棄物の回収、貯蔵、解体、利用、処理の事業を行う組織は、所在地区の市または省
レベルの人民政府環境保護行政主管部門に対し、登録を行うべきである。登録の具体的方
法は、省レベル人民政府環境保護行政主管部門が制定する。市または省レベルの人民政府
環境保護行政主管部門は、本行政区内における登録済みの電子廃棄物回収、貯蔵、解体、
利用、処理を行う組織リストを、定期的に公布、検討すべきである。
第8条
国家は、電子廃棄物の分別回収、集中的解体、利用および処理を奨励する。電子廃棄物の
集中解体・利用・処理する場所を建設する場合、国家環境保護総局が制定した関連技術水
準の要求に合致すべきである。
第9条
1) 電子廃棄物の回収、貯蔵、解体、利用および処理は、国家環境保護総局が制定した電
子廃棄物汚染防止に関する技術政策、
技術水準および関連基準の要求を満たすべきで
ある。
2) 電子廃棄物の貯蔵、解体、利用、処理の作業場所は、防雨、地面への浸透などに関す
る防止措置を講じ、かつ漏出液体の回収施設を設置する必要がある。
3) 立ち遅れた技術、方法、設備を利用した電子廃棄物の解体、貯蔵、処理を禁止する。
電子廃棄物の野外焼却を禁止する。簡易な反射炉、簡易な酸洗方式による電子廃棄物
の回収・利用を禁止する。
第10条
電子廃棄物回収、貯蔵、解体、利用および処理に従事する組織は、電子廃棄物事業記録簿
を設置し、電子廃棄物回収、貯蔵、処理の数量、持ち込み先、持ち出し先などを正確に記
載すべきである。
第11条
電子廃棄物回収、貯蔵、解体、利用および処理に従事する管理者、直接作業員は、電子廃
棄物による環境汚染防止に関する法律、法規、知識を把握し、かつ相当の専門技術能力を
有するべきである。
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第12条
電子類危険廃棄物回収、貯蔵、解体、利用および処理に従事する組織は、国家関連法律法
規に従い、危険廃棄物営業許可証の取得を申請しなければならない。危険廃棄物営業許可
証なしで、電子類危険廃棄物回収、貯蔵、解体、利用および処理に従事することを禁止す
る。また発生した電子類危険廃棄物の回収、貯蔵、解体、利用および処理を、危険廃棄物
営業許可証を有しない組織に供したり、委託したりすることを禁止する。
第13条
中華人民共和国の国境外からの電子類危険廃棄物を輸入、または中華人民共和国の国境内
を経由した電子類危険廃棄物の移送を禁止する。
第14条
電子・電器製品、電子・電気設備のメーカーは、法にもとづき有毒・有害物質の製品また
は設備の使用を制限、廃止すべきである。
第15条
電子・電器製品、電子・電気設備の製造、輸入、販売を行う組織は、法にもとづき、製品
または設備に含有される有毒・有害物質およびその違法利用、処理が環境や人体の健康に
与える影響などについて情報公開し、かつ製品または設備廃棄後の環境無害化処理方法を
利用、提示すべきである。
第16条
国家は、電子・電器製品、電子・電気設備の製造、輸入、販売組織が回収システムを確立
し、消費者から廃棄製品・設備を回収し、かつ環境無害化方法にて貯蔵、利用、処理する
ことを奨励する。電子・電器製品、電子・電気設備の製造、輸入、販売組織は、単独ある
いはその他組織と提携して、回収システムを構築することができる。
第17条
電子廃棄物の貯蔵、解体、利用、処理施設を建設する場合、法にもとづき環境影響評価を
行い、かつ国家の建設プロジェクト環境保護管理の関連規定を遵守しなければならない。
第18条
県レベル以上の人民政府環境保護行政主管部門、およびその他電子廃棄物環境汚染防止に
関連する監督管理部門は、各自の責務にもとづき、管轄範囲内において電子廃棄物による
環境汚染および関連する組織への現場検証の権限を有する。検査される組織は、正確かつ
真実に必要な資料を提供すべきである。検査機関は検査対象組織の技術秘密、業務秘密を
守るべきである。検査機関は現場における検証、サンプル品採集、電子廃棄物環境汚染防
止に関連する資料の閲覧あるいは複製などを通して、電子廃棄物回収、貯蔵、解体、利用、
処理に従事する管理者、直接作業員の法律・法規知識、あるいは専門技術知識を考査する
ことができる。検査担当者が現場検証を実施する際、資格証明書を提示すべきである。
第三章
罰則
第19条
本弁法に違反し、以下の行為の一つに該当した場合、県レベル以上の人民政府環境保護行
政主管部門は、違法行為の停止、期限までの改善を命令し、かつ 3 万元以下の罰金を課す
ることができる。
1) 第 6 条第 2 項の規定に違反し、市または省人民政府環境保護行政主管部門で登録をし
ていない組織に、電子廃棄物を回収、貯蔵、解体、処理の目的で供したり、委託した
りするもの。
2) 本弁法第 9 条第 2 項の規定に違反し、電子廃棄物の貯蔵、解体、利用、処理を行う場
所が、指定の基準に合致しないもの。
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3) 本弁法第 9 条第 3 項の規定に違反し、立ち遅れた技術、方法、設備を利用し、電子廃
棄物を解体、利用、処理するもの。
4) 本弁法第 10 条に違反し、電子廃棄物の回収、解体、利用、処理に従事する組織が電
子廃棄物事業記録簿を設置せず、電子廃棄物の回収、貯蔵、処理の数量、搬入・搬出
先などの事項を真実に記載しない場合。
5) 本弁法第 11 条規定に違反し、管理者、直接作業員が電子廃棄物環境汚染防止に関わ
る関連の法律、法規、知識を把握せず、相当の専門的技術能力を有しないまま、電子
廃棄物の回収、貯蔵、解体、利用、処理に従事する場合。
第20条
本弁法第 6 条第 2 項の規定に違反し、国家規定にもとづいて電子産業廃棄物の申告、登録
をしない、あるいは申告、登録時に虚偽の資料を提供した場合、県レベル以上の人民政府
環境保護行政部門は違法行為の停止、一定期限までの改善を命令し、かつ 5 千元以上、5
万元以下の罰金を課することができる。
第21条
本弁法第 12 条第 1 項、第 2 項の規定に違反し、営業許可証なし、または営業許可証の規
定を遵守せずに、電子類危険廃棄物の回収、貯蔵、解体、利用および処理に従事するもの
に対し、県レベル以上の人民政府環境保護行政主管部門は、その違法行為の停止を命令し、
違法所得を没収し、かつ違法所得の 3 倍以下の罰金を課することができる。営業許可証規
定に違反し、電子類危険廃棄物の回収、貯蔵、解体、利用および処理に従事するものに対
し、営業許可証発行政庁はその許可証を取り消すことができる。本弁法第 12 条第 3 項の
規定に違反し、発生した電子類危険廃棄物を、危険廃棄物営業許可証を有しない組織に供
したり、または回収、貯蔵、解体、利用、処理の委託をしたものに対し、県レベル以上の
人民政府環境保護行政主管部門は、その違法行為の停止、一定期限までの改善を命令し、
かつ 2 万元以上、20 万元以下の罰金を課することができる。
第22条
本弁法第 13 条の規定に違反し、中華人民共和国国境外から電子類危険廃棄物を輸入した
者に対し、税関は当該電子類危険廃棄物の返却を命令し、かつ 10 万元以上、100 万元以
下の罰金を課することができる。犯罪を構成した者に対し、法にもとづいてその刑事責任
を追及する。本弁法第 13 条の規定に違反し、中華人民共和国の国境内で電子類危険廃棄
物を移送した者に対し、税関は当該電子類危険廃棄物の返却を命令し、かつ 5 万元以上、
50 万元以下の罰金を課することができる。
第四章
附則
第23条
本弁法で使用される用語の主旨
1) 「電子廃棄物」とは、廃棄された電子・電器製品、電子・電気設備およびその廃棄された部
品、ユニットを指し、①工業生産および補修過程で発生する廃棄製品、②中古製品、設備
更新および再利用過程で発生する廃棄製品、③消費者が廃棄する製品、設備、④法律・法
規で生産を禁止、または許認可なしで違法に製造された製品および設備、⑤国家電子廃棄
物品目リストにより、電子廃棄物管理範囲で定められた品目、物質などが含まれる。
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2) 「電子類危険廃棄物」とは、国家危険廃棄物リストに掲載されたもの、または国家が規定し
た危険廃棄物認定基準、鑑別方法で危険性を有する電子廃棄物を指す。鉛酸電池、ニッケ
ルカドミウム電池、水銀スイッチ、陰極射線管、ポリ塩化ビフェニール使用コンデンサな
どを含む廃電気電子機器または電子・電気設備を指す。
3) 「回収」とは、分離された状態の電子廃棄物に特化して回収する場合を指す。
「解体」は、
利用、処理の便宜を図るため、人的資源または機械を利用して電子廃棄物を分解、解体す
る作業を指す。
4) 「利用」とは、電子廃棄物から原材料または燃料としての物質を抽出する行為を指す。
第24条
本弁法は、 年 月 日より施行する。
4.中国電子廃棄物処理に関する法規
中国の電子廃棄物処理に関する法規には、現在制定途上にあるものを含めて、以下のものがある。
1) 中華人民共和国固体廃棄物環境汚染防止法
1995 年 10 月 30 日、全国人民代表大会常務委員会公布、2004 年 12 月 29 日修正
本法律は、産業廃棄物を含む固体廃棄物汚染防止に関する全国的法律であり、今回、国家環境
保護総局が制定した「電子廃棄物環境汚染防止管理弁法」
、および固体廃棄物に関するその他
関連の公害防止法規、規定の準拠法である。
2) 危険廃棄物経営許可証管理弁法 2004 年 5 月 30 日、国務院公布
概要:当局が定めた特定危険廃棄物の回収、貯蔵、処理を取り扱うことについて、危険廃棄物
営業許可証の取得が必要である。危険廃棄物営業許可証取得の資格、審査プロセス、監督管理
制度、法的責任に関して規定している。
3) 危険廃棄物汚染防止技術政策
2001 年 12 月 17 日、国家環境保護総局公布(ガイドライン)
概要:当局が定めた危険廃棄物、および特殊危険廃棄物(病院臨床廃棄物、ポリ塩化ビフェニ
ール類廃棄物、廃棄電池、廃棄鉱物油、生活ごみ燃焼灰、水銀含有蛍光灯など)による公害防
止、およびその適正処理を明確にするため、国家環境保護総局が各地方環境保護行政当局およ
び関連政庁に対して行う行政指導の効力を有する。中国危険廃棄物管理の各段階別目標、危険
廃棄物の減量化と資源化、環境汚染防止のための危険廃棄物の回収、貯蔵、輸送、処理(燃焼、
埋蔵など)に関する処理方法などを規定している。
4) 「電子情報製品汚染防止管理弁法」
(制定中、担当部門は情報産業部)
概要:電子情報製品の製造において、有毒有害物質使用の制限、安全使用期限の表示義務など
を規定している。
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5) 「廃旧家電および電子製品回収処理管理条例」
(制定中、担当部門は国家発展改革委員会)
概要:家電生産者は、回収・再利用に効率的な設計・製造方法、および環境に有益な材料を使
用する責任を負う、という廃棄家電、電子製品などの回収、処理を規範する行政法規である。
☐
調査委託先:
Thrace Investments Limited(華南投資顧問有限公司)
HP: http://chinasouth.info/(日本語・English)
<本モニタリング情報は、競輪の補助金を受けて実施したものです>
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寄
稿
三菱電機グループの環境への取り組み
三菱電機株式会社
環境推進本部
副本部長 蛭田 道夫
1. はじめに
当社グループは 1991 年から環境に対する本格的な取り組みを始めました。1993 年からは自主的な
取り組みを中長期的視野に立って体系化した 3 ヵ年の「第 1 次環境計画」をスタートしました。当初
は工場の環境対策中心の取り組みでしたが、徐々に遵法の範囲と自主的取り組みを拡大していき、現
在は「第 4 次環境計画」として、工場や製品に限らずあらゆる企業活動における環境に配慮した活動
を推進中です(図 1)
。
図1.環境計画の推移
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三菱電機グループの環境への取り組み
2. 三菱電機グループの環境経営
表1 環境基本理念
当社グループの環境基本理念を「表 1」に、そ
「持続可能な発展」の国際理念のもと、
三菱電機グループは、すべての事業活動
して、環境経営の枠組みを「図 2」に示します。
及び社員行動を通じ、これまでに培った
当社グループは環境基本理念のもと、
「MET(メッ
技術と今後開発する技術によって、環境
ト)の花を咲かせよう」を合い言葉に環境負荷低
の保全と向上に努めます。
減に取り組んでいます。M(Material)は
「資源の有効活用」
、E(Energy)は「エ
図2 三菱電機グループの環境経営の枠組み
ネルギーの効率利用」
、T(Toxicity)は「環
境リスク物質の排出回避」を示し、材料
調達(グリーン調達)から生産活動(エ
コファクトリー)
、物流(エコロジス)
、
製品(エコプロダクツ)
、リサイクルに至
るまで全ての事業活動において MET の
視点で考えようというものです。MET の
花が咲き、環境に貢献する技術や製品と
いう実を結ばせるために、我々は環境経
営の木を大きく育てていきたいと考えて
います。
これらの活動を支えるのが環境マネジメントシステムです。当社は 2004 年 3 月に本社・支社も含
めてすべての事業所で ISO14001 を取得しました。関係会社においても国内 91 会社、海外 26 会社が
取得し、個々については EMS が確立し環境への取り組みが確実なものになってきました。今後三菱電
機グループとして一層の向上を目指すために、ISO14001 が 2004 年版に改訂されたのを機に現在 EMS
の全面的な見直しを進めています。これは本来業務への EMS の更なる内部化を目指すものであり、ま
ずは本社・支社からマニュアルの改訂を進め、06 年度から始まる第 5 次環境計画において当社グルー
プ全体への展開を図る予定です。
3. 守りと攻めのシナジー戦略
社会の環境負荷低減に対する要求はますます増大しており、
環境規制は厳しさを増しています。
我々
企業は社会的責任としてこれらにいち早く対応することが必要であり、これが企業の競争力強化につ
ながります。当社グループには、工場全体のエネルギーを効率化するための技術や省エネをはじめと
した多くのエコプロダクツがあ
図3 管理・製品・事業のシナジー形成
ります。これらの技術・製品を
最大限に活用して当社グループ
内の環境負荷低減を図り、社会
のニーズに対応していきます。
このようにして培われた技術、
ノウハウを使って製品、サービ
スとしてソリューションを社会
に提供し、環境貢献事業を拡大
していきます。そして、提供し
たソリューションの成果を社内
に展開、社内の成果を再び社会
に提供する。
図 3 に示すように、
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三菱電機グループの環境への取り組み
守り(環境管理)と攻め(エコプロダクツ、環境貢献事業)の成果を好循環で活用してシナジー効果
を発揮する、これが当社グループの環境経営戦略です。
例として、当社グループ内の CO2 削減と環境貢献事業の拡大を狙った活動を紹介します。2005 年 2
月 16 日に京都議定書が発効し、温暖化防止への要求はますます重要になってきました。当社は CO2
の排出量を 2010 年に 1990 年比 25%削減する という自主目標を立てアクションプランを推進して
います。この 1 つとして「EM(エネルギーロスミニマム)活動」を展開しています。
「エコモニター
(当社製品)
」
と呼ばれるデジタル電力計を使用して工場の生産工程単位でエネルギー消費を細かく計
測します。これを分析し無駄な使い方を見つけて、当社グループの省エネ機器を活用して改善すると
いうものです。この改善を進める中で多くの技術、ノウハウが蓄積され、これが顧客への提案能力向
上につながります。工場は環境管理が向上し、営業は事業が拡大することでウィン、ウィンの関係が
生まれます。このように、環境対策を受け身で捉えるのではなく、積極的に事業チャンスと捉える姿
勢で活動することが重要です。
4. エコプロダクツの創出に向けて
シナジー戦略を推進するためにはエコプロダクツの創出が必要です。第 4 次環境計画では 2005 年
度末までにエコプロダクツ比率を 70%以上にすることを目指しており、MET のカテゴリーで推進を
図っています。
M(資源の有効活用)の例として、リサイクルへの取り組みが挙げられます。当社では日本で最初
の家電製品専門のリサイクル処理施設東浜リサイクルセンター(株式会社ハイパーサイクルシステム
ズ:以下、HCS)を設立しました。HCS は、循環型社会を目指す高度リサイクルへの取り組みを実践し
ており、使用済みとなった
家電製品などから鉄、銅、
図4 循環型社会を目指して
プラスチックなどの素材を
取り出し再び資源として有
(株)ハイパーサイクルシステムズの挑戦
効活用しています。また、
1999年4月 国内初の家電リサイクルプラント
図 4 に示すとおり、当社グ
ループとして HCS を設計
(株)ハイパーサイクル
三菱電機
システムズ
者の研修の場としても活用
環境適合設計で
エコプロダクツを創出
しており、設計者が実際に
技術開発
分解を経験し、新しい製品
回収した資源を
再び自社製品に使用する
の設計にフィードバックし
自己循環型リサイクルへ
ています。
リサイクル
ルームエアコン室外機
1999年度−2004年度
運用実績
サービスパネル
・リサイクル量:147,000トン
E(エネルギーの有効活
・リサイクル率:86.6%
設計への
用)の領域ではすべての製
自己循環素材を利用
拡大生産者責任の実践
フィードバック
リサイクルプラントと設計
品についてエネルギーの効
現場とのコラボレーション
率向上を進めています。エ
アコンを例にとると、10 年
前と比べて電気使用量は半部以下になっており、新しいエアコンを使っていただく事により電気使用
料金と CO2 を大幅に削減できます。直接お客様の目に触れない所でも、電力をきめ細かく制御するこ
とでさまざまな製品の省エネに役立つインテリジェント・パワー・モジュールや、従来の油圧式に比
べ自動車の燃費を 3〜5%改善できる電動パワーステアリング用モーター等の当社製品が世界中で数
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三菱電機グループの環境への取り組み
多く採用されています。当社が独自で開発した ポキポキモーター は 展開した鉄心に巻線してか
ら丸める という生産設計によりモーターの効率向上と生産性向上を両立させました。当社のエアコ
ンやエレベーターなどに使われています。
T(環境リスク物質の排出回避)の領域では有害物質の使用を廃止することが不可欠です。2006 年
7 月以降、欧州では有害 6 物質を含有する電機・電子機器の販売が禁止されます。中国においても同
様な法律が検討されており、日本においても有害物質の含有表示義務が生じるなど全世界的な動きと
なっています。これに対し当社グループは「2005 年 12 月末までに有害 6 物質の使用を廃止する」こ
とを宣言しており、これを確実にするために会社規則を制定し、定期的なフォロー・情報共有を実施
しています。また、使用されていないことを証明する分析も重要であり、当社では「一滴抽出法」と
いう分析技術を開発・実用化しました。一滴抽出法により、六価クロム、臭素系難燃剤の分析が従来
と比べて 1/15 から 1/50 の短時間で可能となりました。
5. エコプロダクツから 1 歩進んだ「ユニ&エコ」
環境配慮だけでなく使いやすさも考えた「ユニ&エ
コ」
(ユニバーサルデザイン&エコロジー)
。「人も地
球も気持ちよく」
をテーマとし、
「誰もが使いやすいデ
ザイン」と「地球への負担を少なくすること」
、そして
「商品のライフエンドまで考えること」をコンセプト
としています(シンボルマークを図 5 に示す)
。
図5 「ユニ&エコ」シンボルマーク
「感じて、ユニ」として、真の「使いやすさ」
「生活し
やすさ」を考え、年齢や性別にかかわらず、できるだ
け多くの人々にとって気持ちのいい商品を目指します。
冷蔵庫の例では、縦一線のハンドルを採用しどの高さ
を握っても開閉できるようにすると同時にオートクローザーを採用し、半ドア状態になると自動的に
扉が閉まる構造としました。
「使って、エコ」として、独自の環境基準を設け、地球への負担が少ない、環境に配慮した商品を目
指しています。
冷蔵庫では、
断熱材の改良や新方式の霜取り制御などで大幅な省エネを達成しました。
「使い終わっても、エコ」として、使用済み商品の 100%リサイクルを目指し、すべてのプロセスに
おいて、リサイクル性に配慮します。また、 自己循環リサイクル を方針に掲げ、使用済み製品から
得られた素材を自社製品に再利用することを進めています。具体的には、使用済み冷蔵庫野菜ケース
のルームエアコン室外機意匠パネルへの適用、使用済み洗濯機水槽の洗濯機底枠への適用などです。
いつまでも、人と地球が気持ちよく共存できるように。ユニ&エコ商品には持続可能な社会をめざす
三菱電機の想いがこめられています。
6. ステークホルダーとの相互理解に向けて
今まで述べてきました環境への取り組みや社会とのかかわりについて、様々な視点からステークホ
ルダーの方々との相互理解を深める活動を推進しています。
活動の 1 つとして、毎年 12 月に国内で開催されるエコプロダクツの展示会に出展し、当社グルー
プの環境への取り組み、環境関連製品・事業を紹介しています。展示会もグローバルになってきてお
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三菱電機グループの環境への取り組み
り、今年はタイで「エコプロダクツ国際展 2005」が開催さ
れ、当社グループも出展しました(図 6)
。タイには、エア
コン、FA 機器など 6 つの工場を含む 10 の拠点があり、現
地と国内関係部門との協力により効果的な展示を行うこと
ができました。会期中に 2 万人を超える方々が来場されタ
イにおける環境意識の高さを感じました。展示会はこちら
からのプレゼンテーションの他に来場された方々からの意
見を聞くのも大きな目的で、ここで得た意見を環境経営に
活かしています。
図 6 エコプロダクツ国際展 2005(タイ)
1 年間の活動をまとめた年次報告書として「環境・社会報告書」を発行しています。1998 年から発
行を始め、今年で 8 回目になります。2003 年度版からは企業の社会的責任についても報告内容を順次
拡充してきました。また、グローバルへの対応として日本語の他に、英語、中国語についても発行し
ています。詳細は http://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/eco/ をご覧下さい。
これらの活動がひとりよがりにならないようにするために「環境経営アドバイザー会議」を設置し
ています。この会議は、環境経営について有識者の方と意見交換を行い、当社の取り組みを検証し今
後の展開に活かしていくためのもので、社外アドバイザーとして、環境 NGO 代表、消費者団体代表、
大学教授の方々に出席していただき、年 2 回開催しています。
7. むすび
経済的な豊さと環境との両立、これは現代を生きる人類の課題ですが、その実現への道のりは容易
なものではなく「大変な努力を伴う」ものです。しかし、それでも当社グループはこれらを前向きに
捉え、コーポレートステートメント Changes for the Better に込められた「常により良いものを目
指し、変革していく」という決意のもと、これからも一歩一歩堅実な取り組みを積み重ねていきたい
と考えています。
□
[当組合 貿易関連環境問題対策委員会 委員]
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環境・安全グループ担当委員会の活動状況
1. 貿易関連環境問題対策委員会
<平成 17 年度 第 3 回委員会(10/18:組合会議室)>
Œ 「アジアにおける資源循環について」
―― (独)日本貿易振興機構 アジア経済研究所 新領域研究センター 小島 道一氏より、ア
ジアにおける資源循環について講演を伺った後、意見交換を行った。
Œ 各委員から最近の環境関連トピックスを報告いただいた後、意見交換を行った。
2. 貿易と環境専門委員会
<平成 17 年度 第 6 回委員会(10/31:組合会議室)>
Œ 最近の環境関連動向(WEEE & RoHS、EuP、REACH 等)について情報交換、意見交換を行っ
た。
<平成 17 年度 第 7 回委員会(11/25:組合会議室)>
Œ 最近の環境関連動向(WEEE & RoHS、EuP、REACH、TC111 関連 等)について情報交換、
意見交換を行った。
3. 環境法規専門委員会
<平成 17 年度 第 5 回委員会(10/14:西日本家電リサイクル㈱ 会議室)>
Œ 最近の環境規制動向(欧州:WEEE&RoHS 関連等、米国:カリフォルニア州省エネ規則等)
、
アジア:中国 RoHS 規則等について情報交換、意見交換を行った。
<環境関連施設見学会(10/14:北九州エコタウン)>
Œ 北九州エコタウンセンター(資源循環型社会へ向けた北九州市の取組み)、西日本オートリ
サイクル㈱(使用済み自動車の解体・リサイクル)、㈱ジェイ・リライツ(蛍光管のリサイク
ル)、西日本家電リサイクル㈱(使用済み家電のリサイクル)の 4 施設を見学後、質疑応答
を行った。
<平成 17 年度 第 6 回委員会(11/14:組合会議室)>
Œ 最近の環境規制動向(欧州:WEEE&RoHS 関連、F ガス規制案、化学物質規制関連 等、米
国:カリフォルニア州廃棄物法関連、メーン州リサイクル法関連 等、カナダ:サスカチワ
ン州リサイクル規則 等、中国:RoHS 規則、循環経済促進法 等について情報交換、意見交
換を行った。
4. 環境問題関西委員会
<平成 17 年度 第 5 回委員会(10/28:大阪支部会議室)>
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環境・安全グループ担当委員会の活動状況
Œ ㈱プロティビティ アソシエイト ディレクター 蛇抜信雄氏より、米国の環境関連動向(州
別リサイクル法、省エネ法等)に関する講演があり、その後、質疑応答を行った。
<平成 17 年度 第 6 回委員会(11/18:大阪支部会議室)>
Œ ㈱リコー
社会環境本部担当部長
佐藤孝夫氏より、
「EuP の最近の動向」について報告が
あり、その後、質疑応答を行った。
5. 基準認証委員会
<平成 17 年度 第 4 回委員会(10/27:組合会議室>
Œ 田中委員長(小松製作所)より「欧州の騒音、振動、排ガス指令の動向と ISO のグローバ
ル安全規格の進展状況」について、岡崎客員研究員(ユーエルエーペックス)より
「JISC-CENELEC 会合の結果」について報告があり、終了後意見交換を行った。
<平成 17 年度 第 5 回委員会(11/25:組合会議室>
Œ 独立行政法人
製品評価技術基盤機構
認定センター次長
登坂 孜氏より「ベトナム・イ
ンドの調査結果」について、岡本副委員長(三菱電機)より「IEC ケープタウン会議の結
果概要」について報告があり、終了後意見交換を行った。
6. 海外 PL 問題対策委員会
<平成 17 年度 第 3 回委員会(11/17:大阪支部会議室)>
Œ WILSON,ELSER,MOSKOWITZ,EDELMAN&DICKER 法律事務所
PHILIP QUARANTA 弁護士よ
り、「米国の最近の PL 動向」について講話を伺い、質疑応答を行った。
□
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事務局便り
◇
WEEE指令が実施段階に入り、RoHS指令も実施まで半年余りを残すまでになりました。WEEE
指令関係では制度的に目立った動きはありませんが、RoHS指令関係では第 1 パッケージと第 2
パッケージの案件でようやく追加除外の正式決定が発表されましたので、追加除外となった項
目を整理して掲載しました。第 3 パッケージについてはコンサルタントにより調査中であり、
結論が出るのはかなり先と見られ、企業の対応上極めて厳しい状況にあります。
◇
WEEE指令に関しては、加盟国の法制化はかなり進みましたが、主要国では英国が未だ国内法
を策定に至っておりません。本号では簡単ながら独仏蘭 3 カ国の法制内容と実施体制について
紹介しました。既にご存知の向きもあるかと思いますが、参考に供しました。
◇
REACH規則案およびEuP指令の最新動向については、当組合ブラッセル事務所徳増次長から報
告がありましたので、掲載しました。REACH規則案については欧州議会第 1 読会の本会議採択
まで進んでおり、並行して理事会でも審議が行われるなど、法制化への動きが進んできており
ます。成型品に関するガイダンスドキュメント作成のための欧州委員会のプロジェクトに日本
業界から参画していることも紹介されております。またEuP指令に関しては、実施令策定の準
備として企業への詳細調査が行われる動きなどが報告されております。
◇
環境問題関西委員会においてで現在コンサルタント会社に所属している㈱プロティビティジ
ャパンの蛇抜氏(同委員会の元委員長)により米国の環境法規制について講演していただきま
したので、その内容を掲載しました。米国の規制をまとまった形で読むことが出来、有益な情
報と思われます。
◇
モニタリング情報としては、欧州については欧州委員会による EU 法見直しの発表に対する欧
州議会の批判、環境総局による廃棄物戦略提案の公約、理事会で修正した電池指令の除外規定
に対する欧州議会の異議等、米国については北東部 10 州の廃電子機器リサイクルに関するモ
デル作成の動きやカリフォルニア州の廃電子機器リサイクル関連動向、また中国については廃
電子機器による汚染防止のための法案の内容について報告しております。
◇ 組合員のページとしては、「三菱電機」グループの環境への取り組みをご紹介します。「貿易関
連環境問題対策委員会」委員としてご活躍の蛭田様からご寄稿いただきました。同社グループ
では早くから環境への取り組みを行い、現在「第 4 次環境計画」としてあらゆる企業活動にお
ける環境配慮活動を推進中ということで、M(資源の有効活用)
、E(エネルギーの効率利用)
、
T(環境リスク物質の排出回避)の視点で環境経営を進めていることなど多くの点が注目され
ます。
□
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Vol.7 No.4 (2005.11)
本レポートの全部または一部の無断転載を、翻訳、原文の如何を問わず禁ず。
environment Update
― 海外環境関連情報誌 ―
第 40 号
2005 年 11 月(Vol.7 No.4)
発行: 日 本 機 械 輸 出 組 合
環境・安全グループ
TEL: 03-3431-9230
FAX: 03-3436-6455
HP: http://www.jmcti.org/
〒105-0011
東京都港区芝公園 3-5-8
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印刷:株式会社 伸榮
〒158-0096
東京都世田谷区玉川台 2-3-10
本誌バックナンバーの詳細は、
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環境関連のページ
→ 海外関連情報誌−environment Update
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