都市デザイン

第8回 都市空間のデザイン (5)住宅地と都市住宅
都市デザイン
No.1 住宅地とその計画
1.住宅地計画の意義
(1)住宅地計画とは
□ 住宅の新規計画
□既成住宅地の 、 、 ⇒重要な地区計画の一つ
図2 住居形式と住戸の開放型
(2)住宅地計画の基本
住戸と土地との関係に着目すると、1戸建、2戸建、連続建、共同建などがある。1戸建は4
面開放、2戸建は3面開放、連続建と共同建の場合、原則2面開放になる。
□ 条件、
的条件、 的条件を考えること
□居住者の 環境の安全、利便、快適性の確保
(3)我が国の住宅政策の変遷
□戦後・・・住宅の 的な供給
・サラリーマンのマイホーム ⇒ 型
□近年・・・住宅の の向上と住環境の整備
・多様な に対応した住宅の供給 ⇒ など
・ 施設:道路、公園、学校、集会所
2.計画立案の基本的な考え方
(1)設計条件の設定
□ 理論
・ 区を単位
・ 住区 ー 近隣分区 ー 隣保区
□土地利用比率の目安
図1 住宅地構成指針
住宅地計画立案の前提となる諸条件、すなわち住宅の形
式と戸数、その他の施設の所要量、土地の用途配分など
を決めるにあたっては、敷地の立地条件、予想される居
住者の条件、事業の経営条件など多くの制約条件がある。
しかし、都市計画の観点から一定の環境水準を確保する
ために、ある種の技術的尺度が必要とされる。これには
数多くの指標が用いられるが、その中では土地利用強度
(一般的には戸数密度が用いられる)と土地利用比率は
最も重要な指標であると考えられる。
(出典:日笠端、
「都市計画」共立出版)
・ 用地(幹線道路+区画道路) :15 〜 20%
図3 住宅のタイプ(鈴木成文氏による)
共同住宅を通路形式で分類すると、階段室型、片廊下型、スキップフロア型、中廊下型、、集中
型などがあり、重ね建ての形式からみるとフラットとメゾネットがある。
・ 施設用地(学校、公園など) :20 〜 30%
・ 商業用地(スーパー、銀行等) : 5 〜 10%
図4 市街地の住環境整備年表
クリアランス型の再開発による高層住宅団地での犯罪問題やインナーシティ問題などが深刻化した 1960 年代後半から、地域社
会の継承を目指した修復型、改善型の都市づくりへの取組みが始められるようになった。
・ 用地(低層、中層、高層) :40 〜 60%
□密度(人口もしくは戸数)
密度 net、中密度 semi--gross、 密度 gross で区別
・低層住宅( 1-2 階): 〜 人 /ha(gross)
・中層住宅( 3-5 階): 〜 人 /ha(gross)
・高層住宅(6-12 階): 〜 人 /ha(gross)
・超高層住宅 (12 階以上):高さ m 以上、 人 /ha 以上
(2)計画
(例1)ある戸建て住宅地(低層)において、80 人 /ha(gross)、
住宅用地 60%、2.5 人 / 戸で計画した場合、敷地面積は、
80 人 /ha = 80 ÷ → 約 30 戸 /ha
図5 近隣住区理論
図9 戸建ての低層住宅地における敷地割りの例
1920 年代、C.A. ペリーは小学校区を単位とした近隣住区
を提案した。
10000m2 × %÷ 戸= m2/ 戸
(例2)ある中層住宅地の計画において、150 人 /ha(gross)、
住宅用地を 50%、2.5 人 / 戸
図8 ラドバーンの居住単位
住宅街区の半分を共用庭もしくは駐車場、建物の共用部分を約 1/3、
住戸面積を平均 100m2/ 戸としたとき、建物の平均階数は、
図7 ラドバーンの全体平面図
1ha を目安に街区を考え、敷地割りを行うと検討をつけやすい。
図の場合、200m × 50m=10,000 ㎡ =1ha で道路中心線を捉えている。すなわち、グロスの戸
数密度が、30/ha。戸あたり人口を 2.5 人 /ha とすると、人口密度が約 75 人 /ha の低層住宅
地ということになる。
また、グロスでの面積(道路中心線)に対してネットでの面積(道路境界線)を約9割とすると、
ネット人口密度は 80 人 /ha 強になる。また、一敷地の面積は、上図において約 270 ㎡である。
このように、人口密度の設定は住宅地計画における基本である。
十数戸の住戸群がクルドサックを中心に構成されてい
る。
「来るべき自動車社会の都市」と評された。通過交通を排除する
ために、スーパーブロック、クルドサックなどを採用している。
150 人 /ha = 150 ÷ → 約 戸 /ha
1ha における建築面積は、10000m2 × % ÷ = m2
階数を a とすると、延べ床面積は × a m2
∴ a=100 × 戸÷(1 − )= a= ÷ = 階
(3)住宅のタイプとその集合形式
□土地と建物の関係からみた住宅のタイプ
1戸建て(戸建て住宅)
2戸建て、
建て、 建て ⇒ 集合住宅
⇒ 住宅集合
□面の開放からみた住宅のタイプ
1戸建て 面開放、2戸建て 面開放、 建て 開放
□通路からみた集合形式(共同住宅)
室型、
廊下型、 フロア型、
中廊下型、
型 など
□住戸の重ね方からみた集合形式(共同住宅)
、フラット
図6 近隣住区理論の6原則
①規模 : 小学校区。②境界 : 住区は周囲を幹線道路で区切
ること。③オープンスペース : 公園緑地のシステムを持つ
こと。④公共施設用地 : 住区の中央部か公共用地の周囲に
設けること。⑤店舗地区 : 住区に 1 カ所以上、住区周辺、
道路の交差点等に設けること。⑥内部街路体系 : 住区内幹
線道路を設け、通過交通を排除すること。
写真1( 左上 ), 2( 左 ), 3( 上 ), 4( 右 ) インターバウ(国際建築展、ドイツ・ベルリン、1957 年)
グロピウス、ル・コルビュジェなどの建築家が参加し、戦後の集合住宅のあり方を先導する様々な住戸プランが提案された。写真3, 4はコルビュ
ジェが提案したユニテダビダシオンである。