スウェーデンにおける情報収集・公開システム

IDUN
Vol.20・2012
スウェーデンにおける情報収集・公開システム - 社会研究のための情報活用に関する一考察 - 高橋 美恵子 1. はじめに スウェーデンは,世界で最初に公文書公開を憲法(国家法)で規定した国とし
て知られている.1 民主主義の理念に基づき,言論表現の自由を人権の中核として,
知の平等と共有化を図り,参加型の共治・共生社会を構築してきた.公文書公開
の原則は,スウェーデンにおける情報公開システムに多大な影響を与えていると
いえる.1990 年代以降は IT 技術の著しい発展にともない,情報公開網が拡張さ
れた.2 2010 年 10 月の第二期中道右派連立政権発足時には,産業省に IT・エネル
ギー大臣のポストが開設され,世界最高峰のデジタル技術と環境エネルギーとの共
存共栄を目指すものとしている (Regeringen HP). 本稿の目的は,スウェーデンにおける情報収集と公開の仕組みについて考察し,
スウェーデン社会研究に活用できる情報を整理して,文献収集に有効な手法を提
示することである.まず,統合政策の一環として刊行されている,外国人むけの
スウェーデン社会ハンドブック Om Sverige(スウェーデンについて)(Göteborgs
Stad och Länsstyrelsen.Västra Götalandslän 2012) の内容を概観し,共有すべきとさ
れる社会的表象を捉える.また同国の個人情報と生活情報の収集・公開の仕組み
を紹介する. 次に,スウェーデン社会研究を進めるために有効と思われる情報収集・活用方
法を提示する.情報収集に有益と思われる URL 集を掲載し,筆者が現地で行なっ
た研究資料収集の手法も例に挙げて解説する. スウェーデンの国家機関,地方公共団体,大学等の教育・研究機関や図書館,
民間団体がインターネット上で公開している情報・文献の多くは,遠く離れた日
本に居ながらにして入手することが可能である.同国における情報集積システム
はきわめて体系的であり,その仕組みを理解すれば,有効活用が可能となろう. 1
公文書公開の原則を導入したのは 1766 年で,長い歴史がある.その背景とプロセスについて
は,福本(1997)に詳しい. 2
スウェーデンにおける IT 政策発展の経緯と概要については,兼子(2005)参照. 199
高橋美恵子:スウェーデンにおける情報収集・公開システム 2. グローバル社会としての情報公開性 2.1. 社会的表象と知の共有 これまで人道的な見地からも,積極的に移民・難民を受け入れてきたスウェー
デンでは,現在,人口の約 15%を外国出身者が占めている (SCB 2012).移民あ
るいは難民として新規に移住してきた外国人(以下,本稿では「新規移住者」称
す)に社会の基礎知識を教授する方法については,過去 40 年以上にわたり議論が
重ねられてきた (SOU 2010:16, p.50).新規移住者がスウェーデン社会に適応する
ための啓発活動が必要であるという議論は 1960 年代に起こった.当時は,医療制
度,学校制度,投票システム,警察や消防隊・救急隊への通報の仕方といった実務
知識の提供に焦点が当てられていた.1980 年代に入ると,北欧や近隣ヨーロッパ
諸国以外からの移住者の増加に伴い,新規移住者へは,社会サービスの仕組みに
ついての基礎知識の提供のみではもはや十分ではなく,社会のバックボーンをな
す理念や価値観についても教示する必要性が説かれるようになる.21 世紀に入り,
その必要性はさらに高まり,社会の規範を理解すること,さらには新規移住者と
して直面し得る問題に対処できる能力が求められるようになる.このような
スウェーデン社会についてのガイダンスは,2000 年代半ばまで,移民のための
スウェーデン語教育 (SFI: Svenska för invandrare) に組み込まれていたが1,2007 年
には個別のコースとして設けることとなった.社会の基礎知識を身につけること
の重要性に鑑み,それをスウェーデン語学習の一環としてではなく,別途,母語
で学ぶものとする,と明示している (ibid. :51). 2010 年 12 月,新規移住者のためのスウェーデン社会ガイダンスを規定する政
令 (2010:1138) が制定された.同ガイダンスを受講する外国人は,先述の「ス
ウェーデンについて (Om Sverige)」を教材として,次の4項目に関する知識の習
得が目標とされている. ①基本的人権と民主主義の基本的価値観 ②個人の権利と義務 ③社会の仕組み ④日常生活の実務 「スウェーデンについて」の第3版(2012 年発行,全 174 頁)は,レーン府(広域
地方政府の連合体: Länsstyrelserna)が提供している,“Information om Sverige”(ス
1
1987 年に筆者がスウェーデンに移った際,当時の移民局(その後,統廃合により廃止)がハ
ンドブック(配布されたのは英語版:Sweden – a general introduction for immigrants, 1986)を出
版していた.Om Sverige はスウェーデン語,英語,アラビア語,フランス語,スペイン語,
ロシア語,ペルシャ語等,計 10 か国語で刊行されている.
200
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ウェーデンに関する情報)というサイトから全文ダウンロードすることが可能で
ある. 同書で扱っている内容は,国が明示するスウェーデン社会の体系であるといえ
る.同社会について学ぶ者にとっては,基礎知識としておさえておくべき事象で
あろう.
同書の目次は,
スウェーデン語の文献検索においても参考になると考え,
以下,日本語の対訳を付けておく. Om Sverige (スウェーデンについて) 2012 年版 Innehåll
目次 1.Att komma till Sverige
1.スウェーデンに到着 7 Sverige – ett invandrarland
スウェーデン-移民国家 8 Den svenska integrationspolitiken
スウェーデンの統合政策 11 Sveriges historia- från istid till
スウェーデンの歴史-氷河期から現
14 modern tid
頁 代まで Sverige under 1900-talet
1900 年代のスウェーデン 20 Finns det något typiskt svenskt?
スウェーデンで典型的なものとは 22 Traditioner och högtider i Sverige
スウェーデンにおける伝統と歳時 24 2.Att bo i Sverige
2.スウェーデンに暮らす 31 Geografi, näringsliv och infrastruktur
地理,産業,インフラストラクチャー 32 Befolkning
人口動態 36 Bostäder och boende
住宅と住まい 38 Miljö, natur och ekologisk hållbarhet
環境,自然,エコロジカルな 46 持続可能性 Så fungerar din kommun
居住するコミューンの仕組み 57 Att hantera ekonomin
経済的やりくり 63 Att leva med funktionsnedsättning
身体機能が低下して生活すること 65 Säkerhet
安全 66 3. Att försörja sig och utvecklas i
Sverige
3.スウェーデンでの経済的自立と 67 自己啓発 Arbetsmarknaden i Sverige
スウェーデンの労働市場 68 Arbetslöshetsförsäkringen
失業保険 73 Att vara anställd
仕事に就く 74 201
高橋美恵子:スウェーデンにおける情報収集・公開システム Att söka arbete
仕事を探す 77 Att starta eget företag
起業する 82 Att betala skatt
税金を納める 83 Folkbokföring
住民登録 85 Socialförsäkring
社会保険 87 Utbildning för vuxna
成人のための教育 89 Yrkesutbildningar
職業教育 92 Universitet och högskola
大学 94 Validering
資格の評価(母国での学歴・職歴) 95 Studiemedel
学資金・奨学金 96 Fritid- och föreningsliv
余暇と団体活動 97 4. Individens rättigheter och
4.個人の権利と義務 103 Familj och individ
家族と個人 104 Jämlikhet och jämställdhet
社会的平等と男女平等 195 Skydd mot diskriminering
差別防止 108 Barns rättigheter
子どもの権利 110 Våld i nära relationer
近親者間に起こる暴力 111 skyldigheter
5. Att bilda familj och leva med barn
i Sverige
5.スウェーデンで家族をつくり,子
115 どもと生活する Olika sätt att leva ihop
家族の多様性(同居のさまざまな形) 116 Vårdnad av barn
子どもの養育 119 Föräldrarollen
親役割 120 Ekonomiskt stöd till familjer
家族への経済的支援 122 Socialtjänstlagen
社会福祉サービス法 124 Barnomsorg
保育 124 Grundskola
基礎学校(小・中学校) 127 Gymnasium
高等学校 129 Skolan och demokrati
学校と民主主義 130 6. Att påverka i Sverige
6.スウェーデンで影響を与える 133 Demokratins bakgrund
民主主義の背景 134 Demokratins utveckling i Sverige
スウェーデンにおける民主主義の発展 135 202
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Det demokratiska systemet i Sverige
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スウェーデンにおける民主主義シス
136 テム EU
EU
140 Offentlig förvaltning
行政機関 141 Demokrati i vardagen
日常における民主主義 141 Politiska idéer och partier
政治理念と政党 142 Roller och delaktighet i politiken
政治における役割と参加 143 Rättväsendet i Sverige
スウェーデンの法制度 144 Domstolar
裁判所 146 Offentlighet och sekretess
公開性(公文書)と機密事項 149 Mutor och bestickning
賄賂と贈収賄 150 7. Att vårda sin hälsa i Sverige
7.スウェーデンで健康を維持する 151 Vad är hälsa?
健康とは 152 Droger, alkohol och tobak
薬物,アルコール,煙草 157 Hälso- och sjukvård i Sverige
スウェーデンの保健・医療 158 Vart ska du vända dig?
医療機関 (どこを訪ねるか) 160 Tandvård
歯科医療 165 Om du inte är nöjd
不服申立て 166 8. Att åldras i Sverige
8.スウェーデンで老いる 167 Åldrande
老い 168 Pensioner
年金生活者 168 Äldreomsorg
高齢者福祉 170 Begravning
葬儀 172 Arvsrätt
相続権 173 上述の構成から,現代スウェーデン社会の特徴が読み取れる.例えば,民主主
義について(6)や経済的自立と自己啓発について(3)に多くの紙面が割かれ
ているのは注目に値する.後者は,同国が完全雇用の実現を目指してきたことに
起因するものと思われる.また学校教育については,高等学校までは家族に関す
る項目(5)に含まれるが,大学は先述の3課に収められている.大学とは 18
歳以上の成人が自活して学ぶ場所というのが社会的通念とされてきたゆえに,子
どもを大学に通わせることは,親役割の範疇に含まれないからであろう.さらに
個人と家族の関係性や家族形態の多様性など,同国の特色ある一面にも触れてい
203
高橋美恵子:スウェーデンにおける情報収集・公開システム る.公文書の公開性についても,ごく簡単ではあるが解説が加えられている. 2.2. 個人情報・生活情報の収集と公開 IT 政策を掲げて,国家機関の情報の電子化を推進してきたスウェーデンでは
(Kommittédirektiv 2009:2009:19),IT 技術を駆使した情報公開・提供といったソフ
トインフラが整備されている.ここでは,スウェーデンにおける情報公開の仕組
みを概観し,住民の視点から,それらの情報をいかに活用できるかについてみて
いこう. 個人情報収集の仕組み スウェーデンで生活する全ての住民(1年以上滞在の外国人も含む)は,10 桁
の個人番号 (personnummer) を有し,個人単位で国税庁の住民データに登録され
ており,医療や社会保障の情報も同一番号で管理されている.所得税率(地方税)
はコミューン(全国に 290 ある基礎自治体)毎に設定されているため,住民登録
は居住するコミューンで行われる.個人番号登録システムにより,個人の住所,
家族情報(父母,配偶者,子ども,の氏名と出生地,国籍,個人番号),所得・
納税額といった情報が集積・管理されている.
同国では,個人番号と氏名,住所は公情報として位置づけられる.1 日常生活に
おいて,個人番号で個人認証が行われることが多い.個人情報の保護と情報提供
の監督は,データ監査院 (Datainspektion) が行う (Datainspektion 2009).
下記に挙げる公的機関の他,銀行,通信会社,保険会社等の民間企業,さらに
は民間のマーケティング会社や信用調査機関が,それぞれの管轄でさまざまな個
人情報を収集・管理している.しかし,情報保護の意味からも,それらは互いに
リンクしておらず,データ管理は一元化されていない.公文書・秘密保護法
(Offentlighet- och sekretesslagen 2009:400) により,各行政機関の管理下で秘密保護
の対象となる公文書の取り扱いは厳重に規定されている (Regeringen 2013).
・個人情報を収集・管理する公的機関の例2;就学支援(奨学金貸与・給付)機
構 (CSN: Centrala studiestödsnämnde), 大学庁 (Högskoleverket), 特許登録庁
(Patent- och registreringsverket),警察庁 (Rikspolisstyrelsen), 国税庁 (Skatteverket),
交通庁 (Transportsstyrelsen) 等 (Datainspektion 2009).
1
2
住民登録された個人の住所は国税庁管轄の機関 SPAR (States personadressregister) で管理
される.
3.1 で紹介する公的機関はここでは割愛する.
204
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1998 年に施行された,個人情報法 (PuL: Personuppgiftslagen) により,国の機関
や特定の企業等が管理するデータベースに登録されている個人に自分自身の情報
を知る権利が与えられている.個人情報法は,情報保護ではなく,情報公開の理
念に基づいた規定と捉えられてきた (Westman 2007).しかし,インターネット上
の情報氾濫のリスクが高まるなか,
個人情報の保護を強化する取組みもみられる.
2011 年 1 月,信用情報法 (Kreditupplysningslagen) が改正され,それまで国税庁の
データベースで公情報として公開されていた課税所得情報については,本人以外
が入手しようとする場合,正当な理由を提示することが必要になった
(Datainspektion HP).その一方で,民間の信用調査機関が入手した個人の所得情報
等を提供することはいまだ禁止されていない.公人だけではなく民間人の所得情
報を比較的容易に入手することが可能である.
氏名や住所といった個人情報がどのように公開されているか,一例を挙げてみ
よ う . イ ン タ ー ネ ッ ト の 電 話 番 号 ・ 住 所 検 索 サ ー ビ ス ( 例 え ば Eniro http://www.eniro.se/)で,特定の個人名を入力すると,該当者の住所と自宅の電話
番号,携帯電話番号等が表示される.ごく一般的な名前で,該当者が多ければ,
居住地名で絞り込み検索をすることも可能である.個人の登録状況によっては,
職業名も表示される.1 生活情報公開の仕組み 日々の生活に必要な情報の大半は,居住するコミューンのホームページに集約
されている.地方分権が進んでいるスウェーデンでは,国民の日常生活に直接関
わる事項-福祉,教育,就労,環境・衛生,住宅,交通,文化等-は,コミュー
ンの管轄とされる.医療業務に関しては,ランスティング(landsting:全国に 20
ある広域自治体.「県」と訳される場合が多い)が担うため,医療に関する情報
は居住地のランスティングのホームページから入手することができる. 情報を平等に提供すべく,多様なニーズに対応した情報公開システムが構築さ
れている.首都ストックホルム(コミューン)のホームページ (http://www. stock
holm.se) を例にとると,トップページで,
「やさしいスウェーデン語 (Lättläst)」,
「手話 (Teckenspråk)」,「音声ガイド (Anpassa & lyssna)」,「フィンランド語」
のページが明示されている.スウェーデンでは,手話は独立した言語として認め
られ社会的地位を得ており,手話を選択すると,画面上で手話画像が現れる.音
声ガイドは,視覚障がい者にむけたサービスである.フィンランド語で情報提供
1
特別な事情により身分保護の対象となっている者(犯罪被害者等)以外の氏名と住所,電話
番号は,一般的に公開されている.
205
高橋美恵子:スウェーデンにおける情報収集・公開システム されているのは,フィンランド系の住民が多いからであるが,英語のページも整
備されている.次に紹介する画像は,同ホームページ内の保育所と家庭保育所 (Förskola och familjedaghem) に関する情報ページの一部であるが,見出しの下に
音声ガイドや手話等の選択肢が表示されていることがわかるだろう. <ストックホルム・コミューンのホームページにおける保育所に関する情報サイト> (http://www.stockholm.se/ForskolaSkola/Forskola/ から一部抜粋) [2013-03-06] さらに生活に関連する重要な機関の一つである社会保険・給付の管轄機関,
「社
会 保 険 機 構 ( 社 会 保 険 事 務 所 : Försäkringskassan ) 」 の ホ ー ム ペ ー ジ
(http://www.forsakringskassan.se) について紹介しておこう.同サイトでは,疾病保
険,求職者給付,出産・育児休業給付,子ども手当,看護・介護手当,住宅手当
といった多岐にわたる社会給付制度の情報が集約されている.各種パンフレット
類は PDF 版としてダウンロードできる.生活者にとって必要な情報が提供されて
いるだけではなく,スウェーデンの社会保険制度や実態について研究する者に
とっても,最新情報が記載されているファクトシートや統計資料(例えば,男性
の育児休業取得日数やシェア率など)
が入手できる有益なサイトであるといえる.
ここでもやさしいスウェーデン語と手話のページ,
音声ガイドが設けられており,
英語を含む 22 か国語によるページも整備されている.
一例として,男女双方を対象に育児休業に関する基礎情報を提供するページ
“Planera föräldraledighet”(育児休業計画を立てる)では,休業中に所得保障として
給付される「親保険」の制度と休業取得方法について,文章による説明に加え,
映像やロールモデルを用いて分かりやすく解説している. 206
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社会保険機構では,社会保険に関するさまざま分析調査を行なっている.親保
険の取得状況についても,取得日数やそのうち男性が占める割合等を毎年ホーム
ページ上で発表している.2012 年に刊行された下記の報告書 “Föräldrapenning
Analys av användandet 1974-2011”(親保険 取得状況の分析 )からは,育児休業
法が男性にも適用されるようになった 1974 年から 2011 年の間の親保険の取得状
況の変遷を読み取ることができる. <社会保険機構による報告書「親保険 取得状況の分析 1974-2011」の表紙> (http://www.forsakringskassan.se/wps/wcm/connect/cb691e27-2e59-4d26-b3cd-d32057b7fa04
/socialforsakringsrapport_2012_09.pdf?MOD=AJPERES) [2013-03-06] 3. 社会研究のための情報活用について 3.1. インターネットによる研究資料・文献収集法 スウェーデンにおける情報公開のあり方を踏まえた上で,研究の視点から,資
料・文献収集の方法について整理しておこう.スウェーデン社会研究に携わる者
にとって,まず研究分野の政策・制度についての情報を収集することが重要であ
る.同国での法律の策定にあたり,関係する行政機関や民間団体(利害関係団体)
207
高橋美恵子:スウェーデンにおける情報収集・公開システム 等に法案を送付し,意見を聴取して集約するという「レミス (Remiss)」制度が導
入されていることは,我が国でも注目されてきた.法律の発議案をうけて,政府
は諮問調査委員会を設置し,同委員会は立法のための叩き台,また根拠資料とな
る報告書 SOU (Statens Offentliga Utredningar) を提出する.同報告書を先述の関係
省庁や民間団体,大学等に送付し,意見を聴取したものを分析し,まとめた上で,
法律原案が作成される.同原案は,元最高裁判所判事および元行政最高裁判所判
事とで構成される立法顧問院による審査を経て,法律案 Prop (Proposition)として
国会に提出される.それが国会で可決されると法律として公布される (SFS:
Svensk författningssamling) (Halvarson 1995,Sveriges Riksdagen HP).この一連の過
程で作成された文書(SOU,Prop,SFS 等)は,公文書として電子化されており,
下記の国会ならびに政府のホームページから入手することができる. ・諮問調査委員会報告書 SOU ならびに法律案 Prop: http://www.regeringen.se/sb/d/1081 ・スウェーデン法令集 SFS:
http://www.riksdagen.se/Dokument-Lagar/Lagar/Svenskforfattningssamling/
スウェーデン社会に関して研究テーマを設定した際,
当該分野の法制度に関し,
SOU シリーズの報告書が刊行されているかどうかを検索することから始めるの
も一つの方法であろう.当該分野を専門とする国会議員,官僚,研究者,利害関
係団体の政策エキスパート等で構成される諮問調査委員会が,その背景や実態を
緻密に研究・分析を行った上で作成する報告書の情報は有効に活用できる. スウェーデンのこの特色ある意思決定・合意形成の手法は,共治・共生社会の
中核を担っていると思われる.レミス制度が広く実践される基盤として,公的機
関と民間団体の連携協力関係が構築されていることが特徴として挙げられる(高
橋 2009).多くの民間団体は中央組織化され,情報が集約されている点も,領域
横断的な連携協力体制が実現する基盤となっているのではないだろうか. 各研究分野における国レベルの取組みに関する情報・資料は,政策の企画・立
案組織としての「省 (departement)」の下部機関で,政策の執行機関(例えば「庁・
局 (verket 等)」)や国の研究機関,専門委員会等のホームページからも入手でき
る.どのような組織が設置されているかについては,関連する省のサイトにて確
認できる. 1
関係各省により提出された報告書 Ds (Departementsserien) やその他,立法過程で作成され
る文書や情報等も,同サイトで公開されている.
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一例として,スウェーデン政府のサイトより,社会福祉を管轄する
“Socialdepartementet”(社会省)を選択し,そこから同省についての説明サイトへ
と進み “Om Socialdepartementet” (社会省について),“Myndigheter”(行政機関)
をクリックすると,50 に上る関連機関名が表示される.例えばそのうちの一つで
家族福祉や高齢者福祉等を管轄する機関である社会福祉庁 (Socialstyrelsen) は,
福祉分野の多岐にわたるきわめて有益な報告書を多数刊行している.
学術文献や一般図書を検索する際,全国の大学図書館総合目録データベース
LIBRIS が活用できる.同サイトのトップページ右下 にある学術論文・資料の検
索サービス LIBRIS söktjänster(検索サービス)の “SwePub”からキーワード検索
すると,全文ダウンロードできる文献を探すことも可能である.近年スウェーデ
ン国内で発表された博士論文は電子資料化されていることが多い. 筆者がこのたび編纂に関わった『原文で読むスウェーデン社会-スウェーデン
を学ぶ者のための資料集』1 のテキストとして用いた文献には,上述の方法で入
手したものも多くある.そこで利用したサイトを中心に,現代スウェーデン社会
研究において有益と思われるサイト名と URL を以下,紹介しておこう.2 [図書検索サイト] ・大学図書館総合目録データベース LIBRIS http://libris.kb.se/
[国家機関・行政機関] ・国会 Riksdagen http://www.riksdagen.se/sv/
・政府 Regeringen http://www.regeringen.se/
・社会省 Socialdepartementet http://www.regeringen.se/sb/d/1474
他,法務省 Justitiedepartementet,財務省 Finansdepartementet,
防衛省 Försvarsdepartementet,外務省 Utrikesdepartementet,
産業省 Näringsdepartementet,雇用省 Arbetsmarknadsdepartementet,
教育省 Utbildningsdepartementet,文化省 Kulturdepartementet,
国土省 Landsbygdsdepartementet,環境省 Miljödepartementet,の計 11 省. ・中央統計局 SCB http://www.scb.se/
1
2
2012 年度に大阪大学総長裁量経費(戦略的経費)の配分を受けて,大阪大学言語文化研究科
が進めた「世界に通じる<阪大メソッド>高度言語教材編纂プログラム」の一環として,ス
ウェーデン語中・上級クラスの講読教材として編纂された(2013 年3月末,溪水社から刊行).
同書の全 12 章のうち筆者が担当した4章~12 章に用いた文献.但し,現代社会に関する主要
分野が網羅されているわけではない.
Google scholar も活用できるが,同サイトでの検索でヒットする論文は,スウェーデンの大
学生の卒業論文 (C-uppsats) である場合が多く,留意が必要である.
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高橋美恵子:スウェーデンにおける情報収集・公開システム ・レーン府 Länsstyrelserna によるスウェーデン情報
http://www.informationsverige.se/Svenska/Sidor/Start.aspx
・地方自治体連合 Sveriges Kommuner och Landsting http://www.skl.se/
・社会福祉庁 Socialstyrelsen http://www.socialstyrelsen.se/
・差別撤廃オンブズマン Diskrimineringsombudsmannen(性別,人種,宗教,年
齢,障がい,性的指向による差別に関して行政機関等を監視する機関)
http://www.do.se/ 議会-,子ども-,消費者オンブズマン等がある.
・学校庁 Skolverket http://www.skolverket.se/
・学校監査院 Skolinspektion http://www.skolinspektionen.se/
・青少年庁 Ungdomsstyrelsen http://www.ungdomsstyrelsen.se/
・労働環境庁 Arbetsmiljöverket http://www.av.se/
・公共職業安定所 Arbetsförmedlingen http://www.arbetsformedlingen.se/
・移民庁 Migrationsverket http://www.migrationsverket.se/
・住宅庁 Boverket http://www.boverket.se/
・住宅庁と消費者庁による住まいの総合サイト http://www.omboende.se/
・環境保護庁 Naturvårdsverket http://www.naturvardsverket.se/
・食品庁 Livsmedelsverket http://www.slv.se/
[団体]
・ブルーカラー労働組合連盟 LO http://www.lo.se/
・ホワイトカラー労働組合連盟 TCO http://www.tco.se/Default.aspx?id=7
・大卒者労働組合連盟 SACO http://www.saco.se/
・セーブ・ザ・チルドレン・スウェーデン Rädda Barnen
http://www.rb.se/Pages/default.aspx
・社会における子どもの権利 BRIS(Barnens Rätt i Samhället)
http://www.bris.se/
・性的指向の多様性 (LGBT) に関する全国連合 RFSL (Riksförbundet för sexuellt
Likaberättigande) http://www.rfsl.se/
[大学・研究機関等]
・大学管理機構 Universitetskanslersämbetet http://www.uk-ambetet.se/
・大学審議会が運営する大学・コース検索サイト http://www.studera.nu/
・社会科学・労働生活研究に関する研究審議会 FAS http://www.fas.se/
・未来学研究所 Institutet för Framtidsstudier http://www.iffs.se/
・ウップサーラ大学図書館 Uppsala universitetsbibliotek 学術論文検索サイト
http://www.ub.uu.se/sv/Sok/Avhandlingar/
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・ユンシューピン大学図書館 Högskolan i Jönköping 研究資料収集ガイド
http://hj.se/bibl/sok---skrivhjalp/att-soka-information.html
[文献・学術誌]
・Om Sverige. (スウェーデン社会ハンドブック「スウェーデンについて」2012
年版). http://www.informationsverige.se/Svenska/Samhalle/Sidor/Samh%C3%A4llsorient
ering.aspx
・Välfärd (中央統計局発行の季刊誌「福祉」) http://www.scb.se/Pages/Product____65288.aspx
3.2. 研究事例を通してみた公文書公開のあり方 先述の通り,スウェーデンでは公文書公開の原則により,秘密保護の対象でな
い公文書は全て公開されており,一般市民も閲覧することができる.研究におい
ても,研究倫理 (forskningsetik) に基づき,個人のプライバシーの保護を前提に公
文書を研究資料として用いることが可能である ( cf. Datainspektion 2011).
筆者がこれまでの研究において,スウェーデンの公文書にアクセスした事例を
紹介してみよう.初回は 1990 年代後半で,同国の離別ローンマザーへのインタ
ビュー調査実施にともない,対象者を抽出するために採った手法である.国際比
較の視点から,1990 年以降に子どもを連れて離別・離婚し,調査時に 17 歳未満
の子どもがいる女性を抽出するため,ストックホルム地方裁判所の「離婚訴訟」
ならびに「養育費訴訟」の判決文を閲覧し,サンプリング作業を行った.スウェー
デンでは,法的な婚姻関係にある夫妻が離婚する際は,地方裁判所に離婚申請を
する必要があり,同裁判所にその記録が収められている.また婚姻関係の有無に
かかわらず,離別後に別居親が支払う義務を負う子どもの養育費の取り決めに関
する訴訟も同様に記録されており,公文書として一般の閲覧が認められている. サンプリングは次の手順で行った. ①地方裁判所の受付にて,研究の目的での裁判記録閲覧を申し出て,資料室に
て裁判記録のファイルを複数冊閲覧した.上述の調査の対象者となり得る離
別女性をランダムに抽出し,その氏名,個人番号,裁判時の自宅住所,子ど
もの出生年,前夫(子どもの父親の個人番号)等を書き写した. ②上記の女性の氏名と住所をストックホルムの個人別電話帳と照合し,氏名,
住所共に記載内容が一致する者をサンプルとして確定した. ③電話帳で照合できなかった者の名字(旧姓に変更していることも予測し)と
211
高橋美恵子:スウェーデンにおける情報収集・公開システム 住所を探るため,国税庁に設置され,一般に公開されている住民登録データ
ベースにアクセスし,記録していた個人番号を入力して,新住所等,必要情
報を入手した.記録していた女性のうち,既に再婚していることがわかった
数名は対象者から外した. 上記の方法により,調査対象者として抽出した 48 名に,調査協力依頼書を郵送
し,後日,電話連絡にて再度協力を依頼した.最終的に,そのうち 18 名へのイン
タビュー調査が実現した(高橋 1998). 二度目にアクセスした公文書は,スウェーデンの家庭内で虐待等の危険に晒さ
れている子どもへの公的支援に関する研究を行っていた際
(2006 年度~2008 年度.
詳細は高橋(2009)参照)に閲覧した,レーン行政裁判所 (Länsrätten) の判決文
と訴訟記録である.同国では,家庭で危険に晒されている子どもを親(法的養育
者)から引き離し,一時保護した後,コミューンの社会福祉委員会(コミューン
議会の議員により構成)の決定に親が同意しない場合,子ども擁護の視点から,
レーン行政裁判所に子どもの保護申請を申し立てる.1 そのような事情で強制保
護された子どもへの公的支援状況を探るべく,ストックホルム・レーン裁判所に
赴き,先述の地方裁判所と同様に,研究目的での裁判記録の閲覧をその場で申込
み,2000 年代半ばの裁判記録から該当するケースのデータを複写・収集した.閲
覧・複写できる公文書には,判決文に加え,裁判のプロセスで取られた全ての記
録や根拠資料も含まれており,社会福祉サービスの調査報告書等の行政文書だけ
ではなく,当事者(親子)間の手紙やメモといったきわめてプライベートな文書
もファイルされていたことは特筆すべきであろう. 家族はプライベートな領域であるが,何らかの理由で「公権」が及ぶ状況に陥
ると,「公」は「私」に介入し,絶対的な公権が行使され,その特定の「私」は,
一定期間,「公」の管轄下に入る.スウェーデンで「当局」(Myndighet) という
1
スウェーデンでは,社会福祉全般を担う行政機関は,コミューンの社会福祉サービスである.
家庭内で虐待を受けている,あるいはその疑いがある子どもをめぐる処遇について,社会福
祉サービスが介入・調査し,社会福祉委員会が決定を下す.その決定措置に子どもの法的養
育者が同意する場合は,「社会福祉サービス法 (SoL: Socialtjänstlagen)」を適用するが,養育
者の同意が得られず,子どもを強制保護しなければならない場合は,「青少年の擁護に関す
る特別措置法 (LVU: Lag med särskilda bestämmelser om vård av unga)」の適用となる.子どもが
危険に晒されており,緊急保護しなければならない場合は,社会福祉委員会委員長の許可を
得て行う.子どもを保護してから1週間以内にレーン行政裁判所へ申請手続きを行い,LVU
6条に則り,一時保護(保全処分)が認められる.一時保護可能期間は4週間で,その間,
社会福祉サービスが調査を行ない,レーン行政裁判所に子どもの処遇に関する申し立てを行
う(高橋 2009)
.
212
IDUN
Vol.20・2012
言葉がもつ意味の重層性を意識させられるが,
その側面に関する議論については,
また別の論考に委ねたい.
現在では,ホームページ上で判決文を公開している裁判所もある.例えば,労
働者と事業主との間の紛争を扱う労働裁判所
(Arbetsdomstolen :
http://www.arbetsdomstolen.se/pages/startpage.asp?lngLangID=1) では,判決文の一部
を下記のホームページ (Meddelande domar) で公開しており,誰でも閲覧すること
が可能である.
先述の差別撤廃オンブズマン (DO:http://www.do.se/sv/Om-DO/ Forlikningardomstolsarenden/) は,人権侵害問題を広く扱っており,個別案件の詳細について,
下記のホームページで公開している.
4.おわりに 本稿では,スウェーデンにおける情報収集と公開の仕組みについて考察した.
社会研究のための情報収集・活用の視座に立つと,同国の情報公開度の高さは驚
くに値する.また情報の電子化とペーパーレス化は,環境にやさしい社会の発展
の方向性とも考えられよう.生活者の視点からみても,日常生活上のさまざまな
社会サービスが電子化されることは,快適で好ましいかもしれない.しかし,電
子化された情報に何がしかの理由でアクセスすることが困難な人々を排除してし
まうのではないか,そうなると,全ての人を「包摂」する社会のあり方と齟齬を
きたすのではないか,という懸念が残ることは否めない.1 スウェーデンにおける情報の公開性について考察を進めると,社会における
「公」と「私」,また「公開」と「機密・保護」といった区分の境界線が複雑に
交差しているということにも気付かされる.2 情報の電子化がさらに進む中,これまで高いとされてきた,スウェーデンの
人びとの「公」に対する信頼感に変化が起こり得るかもしれない.3 現在,個人
番号制度導入についての議論が進められている我が国の一つのモデルとして,
1
2
3
同国にインターネット・バンキングが導入された 1990 年代後半,一部の銀行で,インターネ
トによる振込手数料は無料であるのに対し,窓口業務では手数料が課され,問題視された.
また現在では,都市部のローカルバス(公共交通)のチケット販売システムも電子化され,
(フリーパス等を所有している者以外は),携帯電話の SMS(ショートメール)を利用して
チケットを事前購入しなければならない.これらのシステムを社会の全ての構成員が難なく
利用できるか否かについては,議論の余地があるだろう.
公文書公開の原則を導入している一方で,匿名報道主義が採られていることもその一例とい
える. 著作権法等に意義を唱え,2006 年,スウェーデンで結成され,その後,欧米各地に広がった
「海賊党 (Piratpartiet)」は,インターネット上の個人のプライバシー尊重についても提起し
ている (Piratpartiet HP).
213
高橋美恵子:スウェーデンにおける情報収集・公開システム スウェーデンにおける情報収集・公開システムをめぐる今後の動向が見守られる
ところである. 参 考 文 献 <欧文> Datainspektion.2009. Personregistrering i Sverige.
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年度 科学研究費補助金(基盤研究 B)研究成果報告書.pp.115-276. 追手
門学院大学社会学部善積研究室. 215