Report - 一般財団法人バイオインダストリー協会

進化しつづけるバイオ産業
2014
Report
BioJapan 組織委員会/株式会社 ICS コンベンションデザイン
進化しつづけるバイオ産業
2014
CONTENTS
1
総 括
1
2
開 会 式
2
3
基調講演
3
4
ネットワーキング
6
5
主催者セミナー
レセプション/パートナリングパーティー
1 総 括
BioJapan2014 − World Business Forum“進化しつづける
バイオ産業”が 2014 年10 月15 日(水)から10 月17 日(金)の
3 日間、パシフィコ横浜を舞台に盛大に開催された。BioJapan
iPS 細胞研究アップデート
7
は、1986 年以来開催されている我が国で最も歴史のある国際
Regulatory Reform for Regenerative
Medicine in Japan
7
バイオ総合イベントであり、今回は 16 回目にあたる。主催は
機能性食品に社会が求めるもの
―科学的エビデンスと正しい表示
8
㈱ ICS コンベンションデザインである。地元の横浜市・神奈川県・
新しいヘルスケアシステムとマネジメント
9
グローバルファーマが見据える将来戦略
10
バイオクラスターサミット
11
6
パートナリング
12
7
展示会
13
BioJapan2015 案内
14
バイオ関連 9 団体から構成される BioJapan 組織委員会と、
川崎市からそれぞれ特別協賛・特別後援を頂き、さらに政府関係
機関、各国大使館など合わせて 41 組織の後援を得て催された。
国内外の多くの地域から、産業界、政府および関係機関、アカ
デミア、バイオ団体・クラスターなどが多数参加して最終的には過
去最大規模となった。出展・パートナリング参加企業数は 678 社、
来場者数は12,734 名と、それぞれ前回を上回った。参加国数は
国内外 29カ国と、前回の 27カ国から増え、国際化が進んだ。
BioJapan2014 の特徴は、ここ数年間注力しているビジネス
パートナリングの参加者数が1,127 名(前回 1,016 名)、商談成
立数が 5,778 件(前回 4,747 件)と大幅に拡大し、アジア最大
BioJapan2014 開催実績
● 出展・パートナリング参加企業数
678 社
出展者
内訳
来場者
538 社
(前回 607 社)
140 社
● 上記のうち、海外参加企業数
● パートナリング参加者数
● 商談件数
● 来場者数
©2014
208 社
(前回 203 社)
1,127 名
(前回 1,016 名)
5,778 件
(前回 4,747 件)
12,734 名
(前回 12,487 名)
のマッチングイベントとして順調に拡大し、重要な発展基盤とし
ての存在感を示した。
2 開 会 式
開会式には来賓として渡邊 宏経済産業
省技術総括審議官、渡辺巧教横浜市副市長、
吉川伸治神奈川県副知事、福田紀彦川崎市
長が出席した。
主催者を代表して大石道夫 BioJapan
組 織 委 員 会 会 長((一財)バ イ オ イ ン ダ ス ト
リー協会会長)が挨拶に立ち、アジア最
大のパートナリングイベントとなった
BioJapan において新しいアライアンスが
多数生まれることの期待を述べた。
ご来賓の渡邊 宏経済産業省技術総括審
大石道夫会長
渡邊 宏経済産業省技術総括審議官
渡辺巧教横浜市副市長
吉川伸治神奈川県副知事
福田紀彦川崎市長
議官は、「先日、世界で初めての iPS 細胞
を用いた患者への移植手術が、日本で行われた。バイオ・再生医療は産業競
争力の源として期待している。昨年再生医療に関わる 3 本の法律が国会で
成立し、今年 11 月に施行を迎える。政府全体で来年度 1,400 億円以上の
予算を要求し、来年 4 月発足予定の日本医療研究開発機構で一元的に執行
し、大学の基礎研究から臨床実用まで含めて首尾一貫した研究開発マネジメ
ントを進める」と述べられた。
渡辺巧教横浜市副市長は、「バイオ産業はすそ野が広く我が国の経済をけ
ん引することが期待されている。2011 年開始の「京浜臨海部ライフイノ
ベーション国際戦略総合特区」では再生医療・医療機器開発など 7 分野18 件
の革新的な取り組みを横浜プロジェクトとして支援している。今年神奈川県
全域が東京圏の一翼として国際戦略特区の区域に指定された。この2つの特
区制度を活用し人々の健康に貢献したい」と述べられた。
吉川伸治神奈川県副知事は、「日本の高齢化社会の進展が世界から注目さ
れている。一つの解決としてヘルスケアニューフロンティアを提案している。
特区の活用により健康寿命を伸ばす、新しい産業・企業を創出し経済のエン
ジンを回そうという構想である。未病を治す取り組みが重要で、来年箱根で
未病サミットを開催する」と述べられた。
最後に福田紀彦川崎市長は、
「京浜臨海部は日本の工業化を引っ張り、公害問
題を企業と一緒に克服してきた。挑戦し続け、困難をチャンスに替えるのが川
崎市。今果敢に取り組んでいるのがライフイノベーション分野。キングスカイフ
ロントには企業・研究機関が集積している。世界に冠たるライフイノベーション
を東京圏として、川崎市もその中核として盛り上げていきたい」と述べられた。
2
3 基 調 講 演
本年は、内閣総理大臣補佐官の和泉洋人氏、米国のモリソンフォスター弁護士事務所のシニアパー
トナーの Gladys H. Monroy 氏、味の素 ㈱ 代表取締役社長の伊藤雅俊氏の 3 名を基調講演者と
して招待し、「安倍政権の健康・医療戦略」、「Recent Supreme Court Decisions: The Effect
on Obtaining and Enforcing Patents on Biological Products in the U.S.」、「技術が先導
するグローバル食品企業としての成長戦略」と題し、ご講演いただいた。
基 調 講 演
1
安倍政権の健康・医療戦略
和泉洋人 内閣総理大臣補佐官
れから持続的に長期に維持していくには、
まずイノベーションを通じて、生産性を向
上させる。次に既存の産業の新陳代謝も含
2012 年 12 月 26 日に安倍政権が誕生
インダストリーを活用した医療分野の研究
めて設備投資を増やす。そして労働力を確
し、①産業再興プラン、②戦略市場創造プ
開発の推進、健康増進・予防、生活支援関
保していく。特に今後人口の増加が見込め
ラン、③国際展開プランの 3 つの成長戦略
連産業の拡大、最先端インフラ整備(ICT 化)
ない日本では、労働力確保のために、出生
が規定された。この 3 つの戦略は、今日の
などに注力していく。最後の「国際展開プ
率を上げる、次に女性の社会への参画率を
BioJapan のテーマに密接に関係している。
ラン」では、世界中の医療の問題を解決す
上げる、高齢者を活用して労働力を確保す
るため、保健・医療システムの海外展開を
ることが必要となる。そういう意味で、日
拠る地域産業の活性化、「戦略市場創造プラ
目指す。
本の健康医療戦略は極めて大事である。
ン」では、世界と戦える産業であるバイオ
超高齢化、少子社会を迎える日本が、こ
2014 年 7 月 22 日に健康・医療戦略が
「産業再興プラン」では、特区などの設置に
閣議決定され、まず健康医療戦略の司令塔
として、安倍総理を本部長とする健康・医
和泉 洋人氏
療戦略推進本部が 8 月に閣議決定で創設さ
れた。副本部長には、健康・医療戦略担当
大臣である甘利氏が就任した。また健康医
療戦略の基本となる関連法案として、健康
医療推進法と日本の医療関連の関連研究を
効率的に、基礎から実用化まで一気通貫で
進める日本医療研究開発機構法を定めた。
その法律に基づき日本医療研究開発機構は、
2015 年の 4 月 1 日に設置される予定で、
すでに大手町の読売新聞ビルへの入居も決
まった。推進本部のアドバイザリーボード
として、政策的助言を行う健康・医療戦略
参与会合と、専門的調査を行う健康・医療
戦略推進専門調査会を置いて、具体的な仕
事を進めていく。
健康医療戦略推進会議は、甘利大臣のも
とに各省が連携するための、6つの協議会・
タスクフォースがある。創薬支援ネットワー
クは古い歴史があるが、その医療機器版で
ある次世代医療機器開発推進協議会を設立
し、その両方の共通基盤である次世代 ICT
タスクフォースを設立した。また健康医療
ファンドも設立した。次世代ヘルスケア産
業協議会では、未病の段階でのサポートを
促進して、高齢者の健康を維持していく。
3
基 調 講 演
2
Recent Supreme Court Decisions: The Effect on
Obtaining and Enforcing Patents on Biological
Products in the U.S.
Gladys H. Monroy Morrison & Foerster LLP Senior Partner
最近の米国最高裁(SCOTUS)で出された
特許の適格性に関する3つの判決をもとに、
これからビジネスに及ぼす影響の考察を講
演された。
米国特許法第 101 条は、特許の対象とな
る発明の保護対象を規定するとともに、そ
の有用性も求めている。一方特許法の例外
事項として、
「自然法則」、
「自然現象」、
「抽
象的な考え」の3つの項目を挙げている。今
回、2012 年 に 判 決 が 出 た Prometheus
ケース、2013 年の Myriad ケース、2014
年の Alice のケースを紹介された。最後の
Alice のケースは、ビジネスメソッドに関す
るもので、先の 2 件のケースにも関連する。
(a) Prometheus ケースは、自己免疫疾
患の治療薬であるチオプリンの代謝で生じ
る物質によって起こる副作用について、治
療の最適化を特許化したケースである。
一審(DC)では、クレームの記載は、単に
自然に起こっていることを発明者が見てい
るだけで、進歩性なしとして、特許は無効
とした。しかし、控訴審(CAFC)は、副作
用を起こす代謝体に変換された事象であり、
特許は有効と判断された。しかし SCOTUS
では、代謝体の濃度と治療効果・毒性との
関係は特許不可能な自然の法則であり、特
許は無効とした。この判決は今後の診断・
検査で見いだされた事象に対する特許性へ
の影響を否定できない。
Gladys H. Monroy 氏
(b) Myriad ケースは、生体から単離され
た BRCA1/2 の遺伝子変異と乳癌や卵巣癌
のリスクの診断に関する特許の有効性の是
然界に存在するものと違う異なる化合物と
に重層されていても、抽象的な発明にはか
非を求めた裁判である。この裁判の特徴は、
して特許可能と判断した。SCOTUS では、
わりはない。変換は起きないとして無効と
その発明から生じる第 3 者の新たな知見
DNA の断片は自然の生成物として特許性を
判断した。
に関してもその特許によって影響を受ける
認めなかったが、cDNA は自然界に存在し
(d) 3 月に出された米国特許庁のガイドラ
ので、患者やその他の医療関係者への社会
ていないので、自然発生するものではない
インでは、「自然法則」、「自然原理」
、「自然
的な不利益があることを考慮した裁判でも
として、その特許性の一部のみを認めた。
現象」がどういうものかを規定している。ま
あった。
(c) Alice ケースは、第 3 者の仲介者とし
たガイドラインでは、
「自然に存在するもの」
DC では、遺伝子の単離は情報の質を変
てコンピューターシステムを使用する 2 者
と「顕著に違う」ことを証明しないと特許に
えるものではなく、特許発明には当たらず、
間の金融債務の取引を促進するというビジ
ならないとし、6 つの基準を提示した。こ
また遺伝子変異を比較するのは単なる抽象
ネスモデルに関する特許で、DC では、その
のガイダンスに対して、7 月末までに各機
的な思考過程であり、それは科学的な原理
特許は抽象的なアイデアであり特許に値し
関から意見書が提出され、10 月末までに訂
に含まれているとして特許を無効とした。
ないとして無効とした。CAFC もその判決
正版のガイドラインが米国特許庁から出て
一方、CAFC では、単離された DNA は自
を支持。SCOTUS は、単にコンピューター
くる予定である。
4
基 調 講 演
3
技術が先導するグローバル食品企業としての成長戦略 伊藤雅俊 味の素 ㈱ 代表取締役 取締役社長、最高経営責任者
講演は 2 つのテーマに分かれていて、最
ノレジャーノの中にはグルタミン酸が多く
るが、その白い結晶の成分もアミノ酸であっ
初に「
「食べる」について」、次に「生命を
含まれており、そのチーズを 48 カ月間熟
て、特にスポーツ栄養製品の主成分である、
つくるアミノ酸と事業展開」について講演
成させると白い結晶がチーズから析出され
ロイシン、イソロイシン、バリンが多く含
された。
最初のテーマである「「食べる」
について」では、
「食べる」こと
5
まれていると述べられた。
伊藤雅俊氏
後半は、アミノ酸の高度利用に
関するもので、アミノ酸は人の体
は細胞を再生させる培養液と説明
の水分を除くと約半分を占めてい
し、培養液を構成する 5 つの基
るタンパク質を作り上げる重要な
本味を、人は経験によって脳に記
化合物であり、生命の中核を担っ
憶として蓄積し、その情報が「食
て い る と 説 明 さ れ、 味 の 素 ㈱ の
べる」という行動を開始させると
微生物の発酵生産技術で製造され
説明された。味に香りがついて風
たアミノ酸を、動物の飼料や化粧
味が生まれる。そしてそれを舌と
品、医薬品、スポーツ栄養製品に
鼻で味わうことで食感が生まれ
展開されていることや、さらにア
る、その風味や食感を味の素 ㈱
ミノ酸からタンパク質を製造する
の技術で探求して、食として世界
“AJIPHASE”や“CORYNEX”技
に送り出していると述べられた。
術の紹介、先端医療を支えている
特にグルタミン酸ナトリウム(味
培地事業の説明、血中アミノ酸濃
の素)の旨味が、高カロリー食に
度を測定することによる健康診断
よる肥満の抑制を促し、さらに味
(
「アミノインデックス」
)の紹介を
の素を添加した粉ミルクを与えた
された。
乳児は、無添加の粉ミルクを与え
最後に、ガーナでの栄養改善プ
た乳児よりも 15% も少ない摂取
ログラムの紹介をされ、安倍総理
量で、食の満足感が得られること
により国際会議で味の素 ㈱ の製品
も紹介された。またイタリアの代
が紹介されたことを結びとして講
表的なチーズであるパルミジャー
演を締めくくられた。
4 ネットワーキング
■レセプション(1 日目)
た。今年度も会場アナウンス、主催者挨拶、
初日 17:30 からヨコハマ グランド イン
ムーズに進行した。例年、レセプションに
ターコンチネンタル ホテルで、組織委員会
は国内外から大勢の参加者で賑わうが、よ
乾杯も国際イベントとしてすべて英語でス
メンバー・来賓・出展者・マッチングメン
バーの来場者を対象として開催した。まず、
主催者を代表して畑中好彦氏(日本製薬工業
協会副会長)の挨拶に始まり、来賓(横浜市、
り一層海外からの参加者が目立ち、恒例と
神奈川県、川崎市、基調講演者 Monroy 氏)
なりつつあるジャズ演奏では、カリビアン
を紹介し、戸田雄三氏(再生医療イノベー
フルートの音色をバックに話がはずみ大盛
ションフォーラム会長)が乾杯の発声をされ
況であった。
畑中好彦氏
戸田雄三氏
レセプションパーティー
■ パートナリングパーティー(2 日目)
会期 2 日目 17:00 ~ 19:30 に昨年の横浜
パートナリングパーティー(横浜赤レンガ倉庫)
美術館から場所を変えて横浜赤レンガ倉庫で
マッチングメンバー対象のパーティーを開催
し、約 450 名もの大勢の参加により会場が埋
め尽くされた。昼間の面談以外でのマッチン
グ機会の増進の狙いどおり、自己紹介や熱心
に情報交換される方が多く見られ、大きな成
果を得られたと思われる。
6
5 主催者セミナー
アネックスホール会場で、基調講演を含め 19 の主催者セミナー、22 のスポンサーセミナーを開
催した。事前聴講登録で早い時期から満員札止めのセミナーが続出し、今回のセミナーも参加者
の興味をとらえられたと思われる。以下に、主催者セミナーから 6 つのセッションを紹介する。
主催者セミナー
1
iPS 細胞研究アップデート
コーディネーター
●
宮田 満 日経 BP 社 特命編集委員
京都大学 iPS 細胞研究所 山中伸弥氏から 2012 年のノーベル賞受賞から 2
年間の進展について紹介された後、iPS 細胞を使った臨床研究に世界で初め
て着手された理化学研究所 高橋政代氏より、その背景・経緯等が説明された。
……………………………………………………………
iPS 細胞がつくる新しい医学
山中伸弥
京都大学 iPS 細胞研究所 所長・教授
……………………………………………………………
加齢黄斑性に対する iPS 細胞由来
網膜色素上皮移植
高橋政代
理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 網膜
再生医療研究開発プロジェクト
プロジェクトリーダー
9 月に始めた網膜加齢黄斑変性の臨床研究
見、創薬のための培養ディッシュ内での病
に至る背景・経緯の詳細について紹介され
態モデルの作製、スタチンの軟骨無形性症
た。網膜は術後 2 年間にわたって回復が続
回復能の発見、遺伝子異常のない大部分の
くため、今回の臨床研究のその後の結果に
sporadic な患者に対する長期投薬前の予想
ついては 1 年後に発表する予定である。良
iPS 細胞は、皮膚から末梢血や臍帯血由来
とアルツハイマー症個別化医療の実現、限
い iPS 細胞をつくることが大切であり、今
になってきている。また、その医学応用は、
定した clinical trial への応用、hERG test
回は 30 ラインつくって、その中から 3 ラ
体外(cell therapy)と体内(toxicology)の
における false positive の排除、既存薬の
インを選別した。また、手術は多くの幸運
2 つの使い方を目指して研究が進んでい
復活など様々な医学応用が期待できる。
に恵まれて上手くいった。
る。体内の使い方としては、iPS 細胞から
ドーパミン産生細胞をつくって純化する研
究、血小板や赤血球をつくる巨核球のライ
ン化、拍動する心筋シートの作製、神経細
胞が障害を受けた疾患への応用、癌免疫の
活性化への応用、挑戦的なプロジェクトし
てのβ細胞の作製、臓器の大きさを決める
メカニズムの研究、iPS 細胞ストックのた
めの HLA ホモドナー探索が進展している。
一方、体外の使い方として、心筋毒性の予
山中伸弥氏
主催者セミナー
高橋政代氏
2
Regulatory Reform
for Regenerative Medicine
in Japan
コーディネーター
●
戸田雄三氏 (一社)再生医療イノベーションフォーラム 会長
海外企業が注目している再生医療の産業化を目指す日本の新しい規制・制度
の変更を巡る最新動向について、行政・規制官庁と再生医療製品企業から発
表された。外国人の聴講者を主な対象とし、すべて英語で進行された。
7
7
コーディネーター:戸田雄三氏
……………………………………………………………
「日本の再生医療と“新生”㈱セルシード」に
Promoting Practical Use of
Regenerative Medicine
ついて、我が国の再生医療の現状(法律の変
更内容と企業の新たなビジネスチャンス)、
江崎禎英
経済産業省製造産業局 生物化学産業課長
セルシードの活動、国内・海外の連携及び
臨床研究の進捗状況、将来の“夢”、再生医
療産業化コンソーシアム(FIRM)の活動、な
「再生医療の産業化と新しい細胞加工ビジネ
どについて企業の視点で概要を紹介した。
スのチャンスに向けた規制制度の新たな整
備」について、再生医療周辺産業の中長期国
内及び世界市場予測、2014 年 11 月施行
の再生医療の産業化に向けた世界に類のな
佐藤大作氏
い新法制定・薬事法改正に至った経緯及び
した。国内外の関係者より質問があった。
法律の概要を紹介された。
……………………………………………………………
Japan for Regenerative
Medicine: New Business
Opportunities
橋本せつ子
㈱セルシード 代表取締役社長
橋本せつ子氏
江崎禎英氏
……………………………………………………………
New Regulatory Challenges of
Regenerative Medicine: New
Cell Processing Business
Opportunities
佐藤大作
(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)再生医療製
品等審査部 部長
「再生医療の新しい規制・制度と PMDA の
新たな取り組み」について、背景、具体的内
容の詳細、再生医療製品の定義、PMDA の
新たな取り組み、相談制度の流れ等を紹介
主催者セミナー
3
機能性食品に社会が求めるもの
―科学的エビデンスと正しい表示
コーディネーター
●
阿部啓子 東京大学大学院農学生命科学研究科 特任教授
機能性食品や 2015 年春に始まる新しい機能性表示制度が社会やイノベー
ションに及ぼす影響について、関連団体、大学、国の研究機関で機能性食品
開発を牽引する方々が講演するセミナーを企画したと冒頭で挨拶された。
コーディネーター:阿部啓子氏
……………………………………………………………
米国の機能性表示制度と日本の新機能
性表示制度
末木 一夫
(一社)国際栄養食品協会 専務理事
米国の機能性表示制度の概要を紹介した
について米国の制度と比較して紹介された。
後、「食品の新たな機能性表示制度に関する
2014 年度末を目途に消費者庁から提示さ
検討会」に出席した経験を含めて、日本に
れる“ガイドライン”
(予定)について業界団
おける新しい機能性表示制度の概要と課題
体からの意見を用意し、消費者庁との意見
8
交換が予定されているとのことであった。
予防医療を目指した ICT を用いた取り組み
府の取り組みを概観し、昨年スタートした「機
やグローバルな取り組みの状況についての説
能性を持つ農林水産物・食品の開発」に関し
明と、今後の展望について講演された。
て、育種に重点を置き、データベース構築や
栄養ケアステーションの利用などで普及を
促進するシステムの構築などの特徴を説明
された。さらに試験の進行状況や“メチル化
カテキン”を含む緑茶など幾つかの成果事例
や、最終的に目指す“機能性のお弁当”につ
いて、最後に、新しい機能性表示制度におけ
る農産物の表示の課題について説明された。
末木一夫氏
……………………………………………………………
ヒト介入試験による機能性食品の評価
西平 順
北海道情報大学 教授
食品の健康機能性評価の実例として、江別モ
デルとして有名なヒト介入試験について、そ
西平 順氏
……………………………………………………………
機能性食品開発プロジェクトでの
機能性農林水産物の開発状況
山本(前田)万里
の概要と多数の試験を実施している状況、さ
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研
究所 食品機能研究領域長
らに具体的な成果の例を紹介された。また、
農林水産物の機能性に関するこれまでの政
主催者セミナー
山本(前田)万里氏
4
新しいヘルスケアシステムと
マネジメント
コーディネーター
●
松原謙一 ㈱ DNA チップ研究所 取締役名誉所長
……………………………………………………………
健康長寿社会におけるヘルスケアと
新ビジネス
松田 譲
(公財)加藤記念バイオサイエンス振興財団 理事長
日本は少子高齢化、医療費増大の時代を迎
え、産官学を超えてこの課題に取り組まな
くてはならない。日本発の目指すべきイノ
ベーションは異業種連携、すなわちサービ
ス の 融 合 で あ り、 医 療 と ICT の 融 合 が 特
COI の特徴は、10 年後の有るべき姿を想定
し、そこからバックキャストして現在なすべ
き研究・開発の課題を考えることである。COI
コーディネーター:松原謙一氏
の到達点は成果を社会実装することである。
……………………………………………………………
青森における“革新的健やか力増進”
について
中路重之
弘前大学大学院 医学研究科長
野県の健康関連指標を比較すると、生活習
慣が大きく異なっていた。健康長寿の実現
には健康意識を高める教育や健康指導者の
育成が重要である。弘前市岩木地区では、
10 年来、「岩木健康増進プロジェクト」とい
うコホート研究が実施されており、これが
に重要である。新しい未来を作りたいとの
各自治体の平均寿命は、男女とも長野県が
COI に採択された。約 600 項目について評
想いから COI プログラムをスタートさせた。
1位で青森県は最下位である。青森県と長
価しており、このビッグデータ解析から予
防法を考えたい。治療も大切であるが、健
康づくりに注目すべきである。
……………………………………………………………
ヘルスケアビッグデータを活用した
ケアサイクルの革新
宇賀神 敦
㈱日立製作所 情報通信システム社 スマート情報シ
ステム統括本部 本部長
ヘルスケアのステージをpre-Medical、Medical、
松田 譲 氏
9
中路重之氏
post-Medical に区分した場合、各ステージで
様々なデータが発生し分散して存在してい
る。これらを IT 技術で統合し、ビッグデー
タとして活用することが必要である。日立
のビジョンは安全・安心で健康な社会を作る
ことであり、これを実現することにより社会
に貢献したい。このビジョンを実現するため
には、前述の 3 つのステージに IT で横串を
刺し、さらに医療技術と融合させることが必
要である。
宇賀神 敦氏
主催者セミナー
5
グローバルファーマが見据える
将来戦略
コーディネーター
●
山崎基寛 ㈱ヤマサキ ファーマ コンサルティング 代表取締役社長
……………………………………………………………
Harnessing Global Cutting
Edge Science for the R&D
Ecosystem of the Future
Yuan-Hua Ding
Executive Director, Head of External R&D
Innovation (ERDI)– Asia/Pacific, Pfizer
Worldwide Research & Development
ビジネスストラクチャーは、OTC 事業を含
めて、地域ごとに 5 ユニットを構築。R&D
の主領域は、癌、循環器・代謝、中枢、呼吸器、
一般医療(消化器中心)、ワクチン。武田ら
カスした投資を実施し、外部リソースを取
しさを出すために、意思決定を簡略化して、
り込むが、大型買収はしない。地域ごとに、
外部の変化に迅速に対応できるようにした。
ベ ン チ ャ ー フ ァ ン ド を 活 用 し て ProjectFocused Company
(PFC)
を設立し、資金・
化合物・ノウハウを提供して、前臨床段階か
ファイザーの製薬事業の主領域は、癌、免疫
ら社内外のリソースに関与していく。現在
炎症、循環器・代謝、ワクチン、中枢の 5
9 つの PFC から化合物が出てきている。
領域。さらに特別領域として、疼痛、バイオ
シミラー、稀小疾患の 3 領域を設定し、各疾
……………………………………………………………
患領域に100 〜150 名程度の R&D 研究
The Changing Landscape of Pharma
R&D Externalization Models
者が従事している。研究所は、英国・米国に
合計 6カ所。また積極的に外部のパイプラ
Jason Coloma
インや技術を獲得するため、早期の段階から
パートナー会社と共同で評価を進めている。
コーディネーター:山崎基寛氏
樋口典子氏
……………………………………………………………
External Innovation in Drug
Discovery and Development
Adam Houghton
Senior Director, Global External R&D
-Biomedicines and Tailored Therapeutics,
Eli Lilly and Company
Global Head of Venture and Innovation,
Roche Partnering
外部導入品は、売上の 37% を占める。世界の
主要地域にイノベーションセンターを設置し
て、アカデミアの研究段階からイノベーション
にアクセスしている。またベンチャーファン
ドとともに、欧米に1カ所ずつ、外部の医薬品
候補の種を探索する特別な組織を設置して、特
にアカデミアのイノベーションの発掘を進め
事業方向性に合ったイノベーションにフォー
るとともに投資リスクの分散を図っている。
Adam Houghton 氏
Jason Coloma 氏
Yuan-Hua Ding 氏
……………………………………………………………
武田の事業開発戦略について
樋口典子
武田薬品工業㈱ 事業開発部 医薬ライセンス
シニアマネジャー
2014 年 6 月にクリストフ・ウェーバー社長
を迎え、社内と社外のリソースを活用した
Dual power motor innovation を目指す。
10
主催者セミナー
6
バイオクラスターサミット
コーディネーター
●
坂田恒昭 塩野義製薬㈱ シニアフェロー/全国バイオ関係者会議 副会長
“国際連携の強化”をテーマとして、国内外から 12 のクラスター代表が各地域の取り組みを
発表し、クラスター間の更なる交流強化およびクラスターの企業間(大手企業、バイオベン
チャー企業など)のマッチングを促進した。クラスター政策がビジネス創りにつながった具
体例(誘致、起業等)や人材育成(クラスターマネジャー、起業家)について発表された。
コーディネーター:坂田恒昭氏
タイ
ニュージーランド
Thailand Center of Excellence for
Life Sciences
Nares Damrongchai 氏
New Zealand Biotechnology
Sector
David Grimmett 氏
ドイツ
TCELS - An Overview
The Munich Biotech Cluster -
The German Biotech Location
for Drug Development
BioM Biotech Cluster Development
Horst Domdey 氏
スペイン
The Spanish Biotech Cluster
ASEBIO
Jorge Barrero 氏
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アメリカ(サンディエゴ)
アメリカ(マサチューセッツ)
BIOCOM Joseph D. Panetta 氏
Massachusetts Life Sciences Center
Tal Dinnar 氏
フランス(アルザス)
フランス(リヨン)
スコットランド
ALSACE BioValley
Agnès Legoll 氏
LYONBIOPOLE
Simon Gudin 氏
Scottish Development International
Sharon Mckendry 氏
Clusters, Indispensable roles
for Global Network
Industrial Promotion Strategies of
Northern Osaka Biomedical Cluster
Utilizing Strategic Special Zones
Fukuoka Biocluster Project
New Zealand Biotech
Alsace BioValley, Driving
business growth in Healthcare
(公財)木原記念横浜生命科学振興財団
岡本博之氏
BIOCOM-Strategies, Successes
& Lessons Learned in Building
the So Cal Life Science Cluster
The one-stop shop for healthcare innovation in Rhône-Alpes
大阪バイオ・ヘッドクオーター
河野 裕氏
Massachusetts Going Global:
New Models of International
Collaboration
Life Sciences in Scotland:
Innovation through Collaboration
福岡バイオ産業拠点推進会議/㈱久留米
リサーチパーク
藤田和博氏
6 パートナリング
パートナリング会場
パートナリング参加者数は 1,127 名(前回は 1,016 名)と
なり、アジア最大のパートナリングイベントとしてさらに規模
を拡大した。参加企業数は 678 社(前回は 607 社)、商談件数
は 5,778 件(前回は 4,747 件)であった。国内外の大手中堅
製薬が軒並み参加し、グリーンイノベーション分野、機能性食
品分野の企業・機関も多数参加した。BioJapan では、技術移転、
共同研究形成、事業提携などの面談を支える仕組みとして、国
内の他のイベントに先駆けて web マッチングシステムを提供し
てきた。web マッチングシステムおよび円滑な会場運用によっ
て、利便性の高いパートナリングを実現している。
パートナリングラウンジ
12
7 展 示 会
出展者は 538 社(前回は 479 社)、うち
記については、標準の社名板を英語にするな
設置されたこともあり、パートナリングに
海外出展者は 146 社(前回は 129 社)、出
ど、国際イベントとしてより洗練されたもの
向かう参加者も加わり、前回よりも賑わい
展小間数は 388 小間(前回は 386 小間)と、
になった。来場者数は前回から微増であっ
が感じられた。
いずれも前回を上回った。会場内の英語表
たが、パートナリング会場が展示会場の奥に
■ オープンイノベーションゾーン
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本年の新しい企画として展示場内に
むように、前記、両研究会の会員 12 団
“オープンイノベーションゾーン”を設置
体のポスターブースを配置した。プレ
した。住友化学 ㈱グループ及び㈱ 三菱
ゼンテーション会場では、オープンイノ
ケミカルホールディングスの商談用ブー
ベーションゾーン出展者に加え、研究会
スに加え、JBA 機能性食品研究会及び
会員、地域クラスター、産業技術総合研
JBA ヘルスケア研究会の共同ブースを
究所などが、機能性食品やヘルスケアに
出展した。それらと隣接して、プレゼン
関連した 44 件のプレゼンテーションを
テーション会場を設置し、そこを取り囲
3日間に亘り実施し、およそ 900 名の
オープンイノベーションゾーン 各社ブース
聴講者を集めた。プレゼンテーションを聞いた後、展示品を見
るためにブースに足を運ぶというように、プレゼンテーション
とブース展示とが一体的に機能したと思われる。
オープンイノベーションゾーン
出展企業・機関
住友化学 ㈱
㈱三菱ケミカルホールディングス
<JBA 機能性食品研究会>
富士フイルム ㈱
三生医薬㈱
㈱ ダイセル
キリン㈱
タカラバイオ ㈱
日本製粉㈱
小林製薬 ㈱
浜松ホトニクス㈱
<JBA ヘルスケア研究会>
浜松ホトニクス㈱
三井化学 ㈱
(独)製品評価技術基盤機構
東京工業大学
(順不同)
(上)ポスターブース、(下)プレゼンテーション
出展者
募集中
World Business
Forum
World Business
Forum
Y
Y
O
K
O
H
A
会
M
K
O
H
A
M
A
A
期
2015. 10.14(水)~ 16(金)
会 場 :
O
パシフィコ横浜
同時開催 : All about Photonics 2015
(光技術の専門展)
Pacifico Yokohama, JA
www.ics-expo.jp/biojapan/
October 14th ( Wed.) -16th (Fri.),
お問合わせ先:BioJapan 事務局
(㈱ ICS コンベンションデザイン)
〒 101-8449 東京都千代田区猿楽町 1-5-18 千代田ビル
Tel 03-3219-3565 Fax 03-3219-3628 E-mail [email protected]
14
Report
2014
BioJapan2014
日 時:2014 年 10 月 15 日(水)~ 17 日(金)
会 場:パシフィコ横浜
BioJapan
組織委員会
〒 220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい 1-1-1
主 催:BioJapan 組織委員会
株式会社 ICS コンベンションデザイン
特別協賛:横浜市
特別後援:神奈川県、川崎市
一般財団法人 バイオインダストリー協会
公益財団法人 ヒューマンサイエンス振興財団
公益社団法人 農林水産・食品産業技術振興協会
一般社団法人 バイオ産業情報化コンソーシアム
日本バイオ産業人会議
日本製薬工業協会
NPO 法人 近畿バイオインダストリー振興会議
公益財団法人 地球環境産業技術研究機構
一般社団法人 再生医療イノベーションフォーラム
[問い合わせ先]
BioJapan 組織委員会事務局 (一財)バイオインダストリー協会内
〒 104–0032 東京都中央区八丁堀 2–26–9 グランデビルディング 8F
TEL(03)5541–2731 FAX(03)5541–2737