N o.2 DN 25-01-02 1(4) ATS(排気後処理装置) 概要: ATS(排気後処理装置)について モデル: NLT(新長期規制)車両 (シャシ番号:A647917以降) 内容: ATS(排気後処理装置)の説明 1. ATS(排気後処理装置)とは? エンジンの排気ガスには有害な成分が含まれています。ATS はこれら有害成分を浄化する 装置で、サイレンサーに内蔵された酸化触媒とフィルター(VPF)、排気管上に取り付けられた 燃料インジェクターやセンサーで構成されています。ATS の制御はエンジンを制御しているコ ンピューターが行います。 【おもな有害成分と ATS の作用】 VPF CO(一酸化炭素)および HC(炭化水素) 酸化触媒の作用により無害な CO 2(二酸化炭素)と H 2O(水)にします。 PM(粒子状物質) フィルターで捕集します。 2. 煤と灰について フィルターで捕集された PM のうち、炭素を主成分とする煤は、酸化反応により無害な二酸化 炭素になり、フィルターから排出されます。これを「再生(サイセイ)」とよびます。 しかしながら、エンジン・オイルの成分に由来する灰は酸化して排出することができません。そ のため、少なくとも1年に 1 回はボルボ・トラック正規ディーラーで清掃を行なわなくてはなりま せん。またボルボ純正エンジン・オイルを使用することが重要です。 3. フィルターの再生 DN 25-01-02 2(4) コンピューターは、再生が不十分だと判断すると、ディスプレイに警告メッセージとシンボル・マ ークを表示し再生を要求します。再生の開始には、コンピューターによる自動再生とドライバ ー自身で行う手動再生の2つの方法があります。 警告が表示されていないときは、いずれの再生もできません。 1. 走行再生(自動再生) 走行中に排気温度を含む必要条件が満たされる(もしくは満たす)と、コンピューターが 自動的に再生を開始します。開始された走行再生を維持するには一定速度で高速走行 (高負荷走行)を行う必要があります。 2. 駐車再生(手動再生) その名の通り、駐車中に手動で開始する再生です。メーター・ディスプレイの警告レベル がレベル1~3にあるとき、ディスプレイのメニュー『ATS』から開始することができます。 4. 警告レベルと再生方法 メーター・ディスプレイに警告メッセージとシンボル・マークが表示されたら、警告レベルに応じ た再生を行ってください。運転席上のサンバイザーには、4段階の警告レベルと再生方法を説 明したステッカー『排気後処理装置(ATS)について』が貼付されています。 レベル1 ⇒ 走行再生または駐車再生を実行します。 レベル2 ⇒ 走行再生または駐車再生を実行します。 レベル3 ⇒ 駐車再生を実行します。 レベル4 ⇒ もはや走行再生も駐車再生もできません。速やかに最寄りのボルボ・トラックデ ィーラーに連絡してください。 DN 25-01-02 3(4) 1. 駐車再生方法 ① 初めに再生レベルがレベル1~レベル3にあるこ とを確認します。(バイザーに貼付のステッカーを 確認してください) ② ハンドルの右レバーを操作し、ディスプレイメニュ ーからメインメニューの『ATS』を選択し実行ボタ ン ③ を押します。 『ATS』メニューから『システムジョウケン』を選択 し、 ボタンを押します。 ④ この画面で再生に必要な全ての条件を確認しま す。条件が整っている場合は『OK』と表示されま す。条件が整っていない場合は『テンケン』と表示 され、システムが適用されていない場合は『ガイト ウナシ』と表示されます。(システムジョウケンの 内容については車両に搭載されているブラックバ インダーをご確認ください) ⑤ ④ですべての条件が整っていることを確認しまし たら、『ATS』メニューから『サイセイヲヨウキュウ シマス』を選択し、 ボタンを押します。この 後、エンジン回転数が上がり再生が始まります。 再生には20~30分を要し、1~2リットルの燃料 を消費します。 また、ディスプレイには再生中を示すシンボルマ ークと排気システムが高温であることを知らせる シンボルマークが表示されます。 DN 25-01-02 4(4) ⑥ 再生に失敗すると右図のように表示されます。再 度、『システムジョウケン』を確認し、条件が満たさ れているにもかかわらず再生が出来ない場合に は最寄りのボルボ・トラックサービス工場へご連 絡してください。 2. 強制終了 何らかの理由で再生を途中で中止したい場合、サブ・メニュー「ATSオン/オフ」で「ATSガ オフデス」を選択するか、イグニッション・スイッチをオフすることで中止できます。また、再 生条件が解除された場合においても再生は中止となります。※「ATSガオフデス」を選択 し再生を中止した場合は、同じ手順にて「ATSガオンデス」に戻すか、イグニッション・スイ ッチをオフにした後、約30秒以上経過後にオンにし「ATSガオンデス」に復帰させます。 どちらかの作業をできるだけ早い時期に実行してください。 5. 再生時の注意 ・ 駐車再生時、VPFは高温になります。そのため、可燃物の近くや人が多く集まる場所で は行なわないでください。 ・ 駐車再生中は車両より離れないでください。離れなくてはならない場合は再生を終了して ください。 ・ 再生中または再生終了直後は周辺部品もVPFの影響を受けて熱を持ちます。手など触 れないように注意してください。 ※ その他、ご不明な点につきましては、ボルボ・トラック正規ディーラーまでお問い合 わせください。 ボルボ・トラック・ジャパン アフターマーケット部サービス
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