中国人材採用事情

中中国の人材採用情報について(2010.6.12 作成)
①中国人材の特徴
☞ 勤続期間 2 年から 3 年での転職が非常に多い。
背景としては契約自体が 1 年∼3 年契約の雇用形態なので、契約期間が満了すれば転職するとい
う風潮が強くある。また転職が給料アップには一番効果的のため、転職を選択する者が多くなる
傾向がある。
☞ 地元意識が強い。
大都市出身者は自分の地元を動かない傾向がある。その理由として、地元のネットワークがある
場所で働き続けたいという意志が強く表れていることがあげられる。
☞ 給料交渉が非常に多い。
給与アップのために転職活動をしている者が多いので、給与交渉が非常に多く見られる。尚、平
均手取額は大卒新入社員 3,000∼4,000 元(約 4∼6 万円程度)、3∼4 年目社員は 5,000∼
7,000 元(約 7∼10 万円程度)、管理職 10,000 元(約 14 万円程度)である。保険、税金等
を含めた会社負担額は手取額の約 1.8∼2 倍になる。
※上記手取額の水準は北京・上海の場合。広州は上記手取額の 0.8 倍、深センは 1.1 倍の水準である。
※また、給与交渉は手取額ベースで行なわれるのが通常である。
②中国の人材雇用形態について
☞ 直接雇用形態と間接雇用形態がある。
直接雇用は、企業と従業員が直接契約をして雇用関係になることである。一方、間接雇用は採用
する人材を決定した後、国営の労務関係を管理する企業にその従業員を雇用してもらい、そこか
ら派遣を受ける形態のことである。
☞ 国営の労務関係管理企業がある。
外資企業が中国で中国人社員を雇用する際、会社形態が駐在員事務所の場合は直接雇用すること
ができず、政府が認めた企業を通さなければならない。その際に手数料(労務関係サービスのア
ウトーシング 費)を労務関係管理企業に支払い、福利厚生等の労務関係サービスを従業員に提供
することができる。このサービスは、駐在員事務所ではない法人でも受けることができる。
※政府が認めた企業では対外服務有限公司(略称:FESCO)・中国国際技術智力合作公司(略称:中智)が有名である。
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中中国の人材採用情報について(2010.6.12 作成)
③採用方法について
☞ 求人募集方法について
募集の方法には、合弁相手先からの推薦、人材紹介会社・募集広告による一般公募等がある。
☞ 人材紹介会社活用のススメ
直接雇用であれば、人材紹介会社にて企業様の現状や採用戦略などを的確に把握し、きめ細かい
ヒアリングにより意欲・能力・適性など書類選考や面接だけでは分からない求職者の資質をしっ
かり見極め、紹介することが可能なため、求める人材とのミスマッチを防ぎ、精度の高い採用が
可能である。
☞ 就職活動情報サイト活用について
中国には株式会社リクルートが提携、出資している中国最大の人材総合サービス企業が運営する
就職活動情報サイトがある。こちらのデータベースは約 2,000 万人の登録者数を誇り、さらに
求人募集企業に対して専門コンサルタントによるきめ細やかなサービスを提供している。また、
対象エリアは中国全土。登録者の内、日本語が話せる大学卒業者は約 1 万人が該当する。
※就職活動情報サイト利用時の注意
人材データベースは保有人材数が多いため、多量の情報の中から適した人材を探し出す必要があるため、選考に手
間がかかる。また、履歴書に嘘の記載があることが多いので、選考の際は信頼のおける人材紹介会社を使用する必
要がある。
☞ 予算について
前述したリクルートの人材紹介サービスは完全成功報酬型となっており、採用が決まった人材の
理論年収総支給額の 20∼30%(理論年収総支給額が 50,000 元未満は 10,000 元)を人材紹
介手数料として徴収する仕組みとなっている。
☞ 優秀な人材を確保するためには
優秀な人材を確保するために、会社登記・代表事務所等の拠点地を定める必要性がある。
登記がされていない場合や拠点地が不明の場合は信頼性が極端に低下してしまうため、優秀な人
材を獲得するためには、きちんと会社登記・代表事務所を定めてから採用活動を開始するべきで
ある。
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