JP 2007-43952 A 2007.2.22 (57)【要約】 【課題】 天然原料のみを用い、シェフが作る手製のブ イヨンと同品質のブイヨンを短時間の抽出で得られるブ イヨン調味料を提供することを目的とする。 【解決手段】 主原料の生肉に食肉エキスと野菜類を加えたものをペ ースト状にし、乾燥して得られるブイヨン調味料であっ て、天然原料のみを用いること、および、数分間で自然 の香りとまろやかな味を有し、濁りがないブイヨンを抽 出できることを特徴とするブイヨン調味料。 自然の香りとまろやかな味を有し、濁りがないブイヨ ンを数分間で抽出できる天然原料のみを用いたブイヨン 調味料の製造方法であって、主原料の生肉に食肉エキス と野菜類を練り込みペースト状にしてから乾燥するブイ ヨン調味料の製造方法。 【選択図】 図1 (2) JP 2007-43952 A 2007.2.22 【特許請求の範囲】 【請求項1】 主原料の生肉に食肉エキスと野菜類を加えたものをペースト状にし、乾燥して得られる ブイヨン調味料であって、天然原料のみを用いること、および、数分間で自然の香りとま ろやかな味を有し、濁りがないブイヨンを抽出できることを特徴とするブイヨン調味料。 【請求項2】 主原料の生肉が鶏肉であり、食肉エキスが、鶏肉および/またはその骨から抽出された チキンエキスである請求項1のブイヨン調味料。 【請求項3】 鶏肉に、胸肉、ササミまたは脱脂を行ったモモ肉を用いる請求項2のブイヨン調味料。 10 【請求項4】 前記乾燥前に、前記ペーストを加熱することで得られる請求項1ないし3のいずれかの ブイヨン調味料。 【請求項5】 前記加熱前に、前記ペーストを均一な厚みに成型する請求項4のブイヨン調味料。 【請求項6】 前記乾燥は、熱風乾燥と冷却または室温放置を含有水分が5%以下になるまで行う請求 項1ないし5のいずれかのブイヨン調味料。 【請求項7】 乾燥して得られたものを切削または粉砕して、通水性のフィルターバッグに入れた請求 20 項1ないし6のいずれかのブイヨン調味料。 【請求項8】 自然の香りとまろやかな味を有し、濁りがないブイヨンを数分間で抽出できる天然原料 のみを用いたブイヨン調味料の製造方法であって、主原料の生肉に食肉エキスと野菜類を 練り込みペースト状にしてから乾燥するブイヨン調味料の製造方法。 【請求項9】 主原料の生肉が鶏肉であり、食肉エキスが、鶏肉および/またはその骨から抽出された チキンエキスである請求項8のブイヨン調味料の製造方法。 【請求項10】 前記乾燥前に、前記ペーストを加熱することを特徴とする請求項8または9のブイヨン 30 調味料の製造方法。 【請求項11】 前記加熱前に、前記ペーストを均一な厚みに成型することを特徴とする請求項8ないし 10のいずれかのブイヨン調味料の製造方法。 【請求項12】 前記乾燥は、熱風乾燥と冷却または室温放置を含有水分が5%以下になるまで行うこと を特徴とする請求項8ないし11のいずれかのブイヨン調味料の製造方法。 【請求項13】 乾燥後、得られたものを切削または粉砕して、通水性のフィルターバッグに入れること を特徴とする請求項8ないし12のいずれかのブイヨン調味料の製造方法。 40 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、ブイヨン調味料とその製造方法に関し、より具体的には天然原料のみを用い ること、および、数分間(約1∼3分)で料理人が作る本物のブイヨンと同等のブイヨン (すなわち、自然の香りとまろやかな味を有し、濁りがないブイヨン)を抽出できるブイ ヨン調味料およびその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 ホテルやレストランや家庭では、畜肉や野菜から数時間以上かけてブイヨン(コンソメ 50 (3) JP 2007-43952 A 2007.2.22 )を調理している。ブイヨンの調理は、更に、火加減、あく取り、濾過、清澄、煮詰め( 濃縮)等の複雑な作業が必要であり、技術の差が品質に直接反映されるため、家庭でシェ フの作るブイヨンを再現することは困難である。 例えば、チキンブイヨン(チキンコンソメ)は、鶏肉および/または鶏ガラより、水溶 性固形分を抽出して得られるチキンエキスと、鶏肉および/または鶏ガラに水、野菜、香 辛料などを加え煮沸して作られるが、旨み成分であるアミノ酸、核酸などを豊富に含むた め、「だし」として洋風・和風・中華を問わず、広く一般の料理に使用されている。 【0003】 一方、加工食品においても、エキス、ブイヨンは、冷凍、缶詰、乾燥品など形態を問わ ず頻繁に用いられているが、特に乾燥して形状を粉末としたものが、その保存性、簡便性 10 、保管に場所をとらないなどの理由から、広く用いられている。例えば、小売店で市販さ れているチキンブイヨン調味料は、手製のチキンブイヨンとは品質のみならず生産方法や 原料も異なる。すなわち、チキンブイヨンの乾燥品を製造する場合、通常、液状のチキン エキスまたはチキンブイヨンを適宜濃縮し、水分含有量を調整した後、乾燥機にて乾燥す る方法が採られている。 また、市販されるブイヨン加工食品は、製造工程を簡易化するために、乾燥した乾燥鶏 肉粉末と肉エキスパウダーと野菜パウダー等を混合したものにアミノ酸、糖類や食塩を加 え 、 固 形 化 ( CUBIC) し て い る 。 し か し な が ら 、 こ の 種 の 製 品 は 、 味 や 香 に ま と ま り が 無 く、自然なまろやかさが不足しており、手製のブイヨンには品質面で劣っている。 【0004】 20 ところで、工業的にチキンエキスまたはチキンブイヨンの乾燥品を製造する方法として は 、 チ キ ン エ キ ス ま た は チ キ ン ブ イ ヨ ン に つ い て 、 脱 水 、 濃 縮 操 作 と 、 そ の 固 形 分 の 10重 量 % 以 上 、 100重 量 % 未 満 の 澱 粉 と 、 そ の 固 形 分 の 0.01重 量 % 以 上 、 3 重 量 % 未 満 の 乳 化 剤 と を 加 え る 操 作 と を 行 な っ て 、 全 体 の 水 分 が 65∼ 95重 量 % の 範 囲 内 と な る よ う に 調 整 し た後、ドラム型乾燥機にて乾燥することを特徴とする製造方法が知られている(特許文献 1)。 【特許文献1】特開平8−154628号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 30 手製のブイヨンは、食肉および/またはその骨から高品質の天然のブイヨン(コンソメ 、スープ、だし)を取る際、食肉および/またはその骨を沸騰水に加えて抽出しているが 、長時間(数時間から十数時間)を要する。そのため市販されているブイヨン調味料は、 グルタミン酸ナトリウムや食塩等を添加しているが、昨今の消費者の健康志向には合わな い。 【0006】 表1に市販されているチキンブイヨン調味料の成分分析結果を示す。 【表1】 40 【0007】 本発明は、天然原料のみを用い、シェフが作る手製のブイヨンと同品質のブイヨンを短 時間の抽出で得られるブイヨン調味料を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 50 (4) JP 2007-43952 A 2007.2.22 本発明は、主原料の食肉を細断し、食肉エキスと野菜を混合し、成型し、煮熟または生 のまま乾燥することでブイヨン調味料を製造するものである。このようにして得られたブ イヨン調味料は、沸騰水で数分(約1∼3分)間抽出するだけで高品質のブイヨンを取る ことができる。また、抽出時の方法として、通水性のフィルターバッグに入れて、抽出す ることで、より効率的に高品質のブイヨンを取ることが可能である。 【0009】 すなわち、本発明は以下の(1)ないし(10)のブイヨン調味料を要旨とする。 主原料の生肉に食肉エキスと野菜類を加えたものをペースト状にし、乾燥して得られる ブイヨン調味料であって、 (1)天然原料のみを用いること、および、数分間で自然の香りとまろやかな味を有し、 10 濁りがないブイヨンを抽出できることを特徴とするブイヨン調味料。 (2)主原料の生肉が鶏肉であり、食肉エキスが、鶏肉および/またはその骨から抽出さ れたチキンエキスである(1)のブイヨン調味料。 (3)鶏肉に、胸肉、ササミまたは脱脂を行ったモモ肉を用いる(2)のブイヨン調味料 。 (4)前記乾燥前に、前記ペーストを加熱することで得られる(1)ないし(3)のいず れかのブイヨン調味料。 (5)前記加熱前に、前記ペーストを均一な厚みに成型する(4)のブイヨン調味料。 (6)前記乾燥は、熱風乾燥と冷却または室温放置を含有水分が5%以下になるまで行う (1)ないし(5)のいずれかのブイヨン調味料。 20 (7)乾燥して得られたものを切削または粉砕して、通水性のフィルターバッグに入れた (1)ないし(6)のいずれかのブイヨン調味料。 【0010】 また、本発明は以下の(8)ないし(13)のブイヨン調味料の製造方法を要旨とする 。 (8)自然の香りとまろやかな味を有し、濁りがないブイヨンを数分間で抽出できる天然 原料のみを用いたブイヨン調味料の製造方法であって、主原料の生肉に食肉エキスと野菜 類を練り込みペースト状にしてから乾燥するブイヨン調味料の製造方法。 (9)主原料の生肉が鶏肉であり、食肉エキスが、鶏肉および/またはその骨から抽出さ れたチキンエキスである(8)のブイヨン調味料の製造方法。 30 (10)前記乾燥前に、前記ペーストを加熱することを特徴とする(8)または(9)の ブイヨン調味料の製造方法。 (11)前記加熱前に、前記ペーストを均一な厚みに成型することを特徴とする(8)な いし(10)のいずれかのブイヨン調味料の製造方法。 (12)前記乾燥は、熱風乾燥と冷却または室温放置を含有水分が5%以下になるまで行 うことを特徴とする(8)ないし(11)のいずれかのブイヨン調味料の製造方法。 (13)乾燥後、得られたものを切削または粉砕して、通水性のフィルターバッグに入れ ることを特徴とする(8)ないし(12)のいずれかのブイヨン調味料の製造方法。 【発明の効果】 【0011】 40 本発明によれば、天然原料のみを用いてシェフが作る手製のブイヨンと同品質(味や香 にまとまりがあり、自然なまろやかな味を有し、濁りがない)のブイヨンを作成すること ができ、しかも、従来は4時間以上かかっていたブイヨンの抽出時間を数分間に短縮する ことができる。 また、食肉エキス、野菜、香辛料の組み合わせと、量によって色・味・香りを自由に調 製できるため、多くの人の嗜好に合わせた製品を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明のブイヨン調味料は、食肉エキスを主原料の食肉に直接加えて、それに野菜類を 加えたものをそのまま或いは加熱した後、乾燥し、粉末化することで製造される。主原料 50 (5) JP 2007-43952 A 2007.2.22 の食肉は鶏肉、牛肉、マトンレッグ肉、豚もも肉等を用いることができる。 【0013】 食肉エキスは、食肉および/またはその骨の液状のエキスに限定されず、それらを熱湯 で 抽 出 し た も の ( だ し ) 、 ブ イ ヨ ン 、 フ ォ ン 、 湯 ( Chinese Soup) で 抽 出 し た も の 、 抽 出 しただしを濃縮した高濃度のエキスを乾燥(スプレー乾燥等)させて得た粉状の食肉エキ スパウダーを用いてもよい。これらは、好ましくは主原料の食肉および/またはその骨か ら抽出したエキスを用いる。 以下では、チキンブイヨン調味料の製造方法を例に、各工程を詳述する。 【0014】 主 原 料 の 鶏 肉 は 、 鶏 の 全 て の 部 位 (胸 肉 、 サ サ ミ 、 モ モ 肉 等 )を 用 い る こ と が 可 能 で あ る 10 。しかし、胸肉とササミはイノシン酸が多いので、呈味力の高い粉末チキンブイヨン調味 料となる。 表 2 は 鶏 肉 の 部 位 別 核 酸 関 連 物 質 分 析 結 果 で あ る 。 部 位 別 の 脂 肪 量 は 、 胸 肉 が 1.0% 、 サ サ ミ が 1.4% 、 モ モ 肉 が 6.5% で あ る 。 モ モ 肉 は 一 般 的 に 脂 肪 の 割 合 が 高 く 、 乾 燥 し た 際 に脂肪が酸化する場合がある。脂肪の酸化が原因で、風味の劣化が起こりやすくなるため 好ましくない。従って、原料としては、胸肉および/またはササミを用いることが望まし い。ただし、脱脂を行ったモモ肉を用いれば、風味の劣化や濁りについて品質上問題とな ることはない。モモ肉を一度ボイルし搾汁(もしくは遠心分離による)を行うことで内部 に含まれる脂肪分を減少させることができる。 【0015】 20 【表2】 30 【0016】 鶏肉を細断し、セロリ、玉ねぎ、人参等の野菜類(生野菜、野菜ペースト、野菜ジュー ス、エキス、エキスパウダー等)を加える。添加量は鶏肉に対し、通常チキンエキスパウ ダーで1∼20%、野菜で1∼20%が適当である。しかし、分量はこの範囲に限定され るわけではなく、使用原料や目的とする調味料によっては、これより高い或いは低い濃度 で使用してもよい。 【0017】 添加後、十分に混合撹拌を行い、その後、包材に充填し成型し、加熱を行う。成型は次 工程で乾燥が効率よく行なわれるために、薄板状に成型する。より具体的には、非通水性 40 の ケ ー シ ン グ を 用 い て そ の 厚 み を 均 一 な も の ( 例 え ば 5 ∼ 20mm) に す る 。 加 熱 は 殺 菌 と 、 原料の凝固を目的としている。しかし、雑菌汚染とその増殖が問題ない場合は加熱工程を 行わなくても良い。また、雑菌汚染とその増殖が問題ない場合は熟成工程を取り入れても 良い。 【0018】 次に乾燥工程について説明する。 乾燥工程においては通常通風乾燥で行うが、凍結乾燥、真空乾燥等の方法でもよい。通 風乾燥の場合には、高温で乾燥し、その後冷却または室温放置し、更に高温で乾燥すると いうことの繰り返しにより効率よく乾燥ができる。高温で一気に乾燥を進めると表面が固 化し、内部の水分が蒸発しにくくなってしまうためである。ある程度乾燥が進んだ状態で 50 (6) JP 2007-43952 A 2007.2.22 、細断、粉砕を行い、再乾燥を行うことで更に効率的な乾燥が可能となる。 【0019】 以上の方法で得た粉末チキンブイヨンに必要に応じて香辛料や香辛料抽出物を加える。 香辛料は生原料の時点で配合しても良いが、最終乾燥工程でブレンドすることにより香辛 料のフレッシュな香りが製品に移行するので好ましい。表3に長時間炊いて作った手製の チキンブイヨンと、本発明の乾燥チキンブイヨン調味料を用いたものと、乾燥肉にエキス パウダーを混合しただけの調味料を用いたもの(配合割合は本発明と同じ)との官能比較 を示す。なお、官能者は訓練された5人のパネリストにより行なわれた。 【0020】 【表3】 10 【0021】 このようにして製造されたチキンブイヨン調味料は、沸騰水中で約1∼3分間抽出する 20 だけで、高品質のチキンブイヨンが、誰にでも得ることができる。すなわち、数時間から 十数時間の抽出時間と長い料理技術の経験を背景にプロフェッショナルな料理人が作り上 げたものとほぼ同等の品質を家庭で手軽に得ることが可能となる。 【0022】 また、フィルターシートで作成されるフィルターバッグに充填することで手軽に人数分 のチキンブイヨンを得ることが可能となる。フィルターシートは、パルプ等の天然繊維や プラスチック繊維を用いて製造される濾紙、濾布またはネットから構成される公知のもの であり、抽出中のバッグの破れや繊維の脱落が抑制するために、熱溶着繊維を用いたヒー トシール層を天然繊維の層に接着したシートを用いてもよい。 【0023】 30 以上で説明した本発明のチキン調味料の製造方法を、まとめたものが図1である。表3 に記載の本発明品は、(A)の製法により得られたものである。(B)の製法は、野菜ペ ーストの代わりにカット野菜を用いたこと、乾燥機を(A)と比べ乾燥能力の高いものを 用いたこと、充填前に粉砕・分級したことで(A)の製法と相違する。(C)の製法は、 ペーストをシート状に成型したこと、真空乾燥を行ったことで(B)と相違する。 な お 、 香 辛 料 を 混 合 す る 際 は 、 STEP2或 い は 最 終 充 填 時 に 混 合 す る 。 【0024】 以下では、本発明の詳細を実施例で説明する。実施例1∼3はチキンブイヨン調味料で あり、実施例4,5はビーフブイヨン調味料であり、実施例5はマトンブイヨン調味料で あり、実施例7はポークブイヨン調味料である。 40 なお、本発明がこれらの実施例によって何ら限定されるものではないことは言うまでも ない。 【実施例1】 【0025】 (1)チキンエキスパウダーの作製 丸 鶏 10kgに 対 し 水 20kgを 加 え 、 約 95℃ の 湯 中 で 2 時 間 抽 出 を 行 っ た 。 抽 出 後 、 ミ ス ト の 除 去 お よ び 油 液 分 離 を 行 っ た 液 を Brix32ま で 濃 縮 し 、 チ キ ン エ キ ス と し た 。 水 溶 液 の 中 に 含 ま れ る 可 溶 性 固 形 分 を 32% 濃 度 ( Brix32) ま で 濃 縮 し た チ キ ン エ キ ス を ス プ レ ー 乾 燥 に て 粉 末 化 し た 。 具 体 的 に は Brix32の チ キ ン エ キ ス を 95℃ で 30分 間 の 加 熱 殺 菌 を 行 っ た 。 そ の 後 、 雰 囲 気 温 度 180℃ 、 排 風 温 度 80℃ で ス プ レ ー 乾 燥 を 行 い 、 チ キ ン エ 50 (7) JP 2007-43952 A 2007.2.22 キスパウダーを得た。 (2)野菜類との混合 鶏 ム ネ 肉 500gに 対 し て 、 チ キ ン エ キ ス パ ウ ダ ー 50gを 添 加 し た 。 そ の 後 更 に 、 セ ロ リ 、 タ マ ネ ギ 、 ニ ン ジ ン を ミ キ サ ー に か け 野 菜 の ペ ー ス ト 150gを 加 え た 。 原 料 を フ ー ド ミ キ サ ーにて十分に混合を行った。 (3)ケーシングへの充填 混 合 後 、 混 合 物 を 非 通 水 性 の ケ ー シ ン グ ( 幅 100mm× 長 さ 230mm) に ス タ ッ フ ァ ー マ シ ー ン を 用 い て 250g充 填 を 行 っ た 。 充 填 後 は 厚 み を 約 20mmの 均 一 な も の と し 、 乾 燥 の 偏 り が 無 い よ う に し た 。 充 填 後 、 95℃ の 温 浴 中 で 30分 間 加 熱 し た 。 (4)乾燥工程 10 通 風 乾 燥 機 を 用 い て 乾 燥 を 行 っ た 。 具 体 的 に は 70℃ で 12時 間 高 温 乾 燥 後 、 15℃ で 12時 間 放 置 し 、 更 に 60℃ で 12時 間 乾 燥 を 行 い 、 続 い て 、 15℃ で 12時 間 放 置 し た 。 そ の 時 の 水 分 は 約 30% 程 度 で あ っ た 。 さ ら に 、 厚 さ 約 1 mmに ス ラ イ ス し 60℃ で 4 時 間 乾 燥 を 行 う こ と で 最 終水分5%以下にまで乾燥することができた。 (5)最終工程 乾 燥 粉 末 に ブ ラ ッ ク ペ ッ パ ー 粉 末 を 配 合 し 、 20g を 不 織 布 に 充 填 し 、 粉 末 チ キ ン ブ イ ヨ ン 調 味 料 を 得 る こ と が で き た 。 で き あ が っ た 粉 末 チ キ ン ブ イ ヨ ン 調 味 料 400g を 熱 湯 水 中 で約3分間抽出したところ、高品質のチキンブイヨンを約2人分取ることができた。 【実施例2】 【0026】 20 (1)チキンエキスの作製 丸 鶏 10kgに 対 し 水 20kgを 加 え 、 約 95℃ の 湯 中 で 2 時 間 抽 出 を 行 っ た 。 抽 出 後 、 ミ ス ト の 除 去 お よ び 油 液 分 離 を 行 っ た 液 を Brix32ま で 濃 縮 し 、 チ キ ン エ キ ス と し た 。 (2)野菜類との混合 鶏 ム ネ 肉 500gに 対 し て 、 チ キ ン エ キ ス 45g を 添 加 し た 。 そ の 後 更 に 、 ニ ン ジ ン エ キ ス 、 オ ニ オ ン エ キ ス 、 リ ー ク エ キ ス 、 セ ロ リ エ キ ス を 10g、 ロ ー リ エ 0.2g、 ブ ラ ッ ク ペ ッ パ ー 0 .2g、 タ ラ ゴ ン 1.7gを 加 え た 原 料 を フ ー ド ミ キ サ ー に て 十 分 に 混 合 を 行 っ た 。 (3)ケーシングへの充填 混 合 後 、 混 合 物 を 非 通 水 性 の ケ ー シ ン グ ( 幅 100mm× 長 さ 230mm) に ス タ ッ フ ァ ー マ シ ー ン を 用 い て 250g充 填 を 行 っ た 。 充 填 後 は 厚 み を 約 20mmの 均 一 な も の と し 、 乾 燥 の 偏 り が 無 30 い よ う に し た 。 充 填 後 、 70℃ の 温 浴 中 で 30分 間 加 熱 し た 。 (4)乾燥工程 通 風 乾 燥 機 を 用 い て 乾 燥 を 行 っ た 。 具 体 的 に は 70℃ で 12時 間 高 温 乾 燥 後 、 15℃ で 12時 間 放 置 し 、 更 に 60℃ で 12時 間 乾 燥 を 行 い 、 続 い て 、 15℃ で 12時 間 放 置 し た 。 そ の 時 の 水 分 は 約 30% 程 度 で あ っ た 。 さ ら に 、 厚 さ 約 1 mmに ス ラ イ ス し 60℃ で 4 時 間 乾 燥 を 行 う こ と で 最 終水分5%以下にまで乾燥することができた。 (5)最終工程 20g を 不 織 布 に 充 填 し 、 粉 末 チ キ ン ブ イ ヨ ン 調 味 料 を 得 る こ と が で き た 。 で き あ が っ た 粉 末 チ キ ン ブ イ ヨ ン 調 味 料 400g を 熱 湯 水 中 で 約 3 分 間 抽 出 し た と こ ろ 、 高 品 質 の チ キ ン ブイヨンを約2人分取ることができた。 40 【実施例3】 【0027】 (1)チキンエキスの作製 丸 鶏 10kgに 対 し 水 20kgを 加 え 、 約 95℃ の 湯 中 で 2 時 間 抽 出 を 行 っ た 。 抽 出 後 、 ミ ス ト の 除 去 お よ び 油 液 分 離 を 行 っ た 液 を Brix32ま で 濃 縮 し 、 チ キ ン エ キ ス と し た 。 丸 鶏 10kgに 対 し 水 20kgを 加 え 、 約 95℃ の 湯 中 で 2 時 間 抽 出 を 行 っ た 。 抽 出 後 、 ミ ス ト の 除 去 お よ び 油 液 分 離 を 行 っ た 液 を Brix32ま で 濃 縮 し 、 チ キ ン エ キ ス と し た 。 (2)野菜類との混合 鶏 ム ネ 肉 500gに 対 し て 、 チ キ ン エ キ ス 150gを 添 加 し た 。 そ の 後 更 に 、 セ ロ リ 、 タ マ ネ ギ 、 ニ ン ジ ン を ミ キ サ ー に か け 野 菜 の ペ ー ス ト 150gを 加 え た 。 原 料 を フ ー ド ミ キ サ ー に て 十 50 (8) JP 2007-43952 A 2007.2.22 分に混合を行った。 (3)乾燥工程 混 合 物 を 、 4mmの 厚 み に な る よ う に 調 整 し 、 真 空 乾 燥 機 内 で 床 温 70℃ 、 真 空 度 7 kPaに て 3時 間 乾 燥 を 行 っ た 。 (4)最終工程 粉 砕 機 に て 粉 砕 を 行 い 濾 過 網 に て の 分 級 を 行 っ た 。 分 級 に て 得 ら れ た 12メ ッ シ ュ を 通 過 し 、 32メ ッ シ ュ 不 通 過 の も の 20g を 不 織 布 に 充 填 し 、 粉 末 チ キ ン ブ イ ヨ ン 調 味 料 を 得 る こ と が で き た 。 で き あ が っ た 粉 末 チ キ ン ブ イ ヨ ン 調 味 料 400g を 熱 湯 水 中 で 約 3分 間 抽 出 す る こ と で 高 品 質 の チ キ ン ブ イ ヨ ン を 約 2人 分 取 る こ と が 可 能 で あ っ た 。 【実施例4】 10 【0028】 (1)ビーフエキスの作製 牛 骨 10kgに 対 し 水 20kgを 加 え 、 加 圧 加 熱 抽 出 110℃ で 1時 間 抽 出 を 行 っ た 。 抽 出 後 ミ ス ト の 除 去 お よ び 輸 液 分 離 を 行 っ た 液 を Brix32ま で 濃 縮 し 、 ビ ー フ ボ ー ン エ キ ス と し た 。 (2)野菜類との混合 牛 も も 肉 400g に 対 し て 、 ビ ー フ ボ ー ン エ キ ス 76g を 添 加 し た 。 そ の 後 更 に 、 セ ロ リ 、 タ マ ネ ギ 、 ニ ン ジ ン を ミ キ サ ー に か け 野 菜 の ペ ー ス ト 64g を 加 え た 。 原 料 を フ ー ド ミ キ サ ーにて十分に混合を行った。 (3)乾燥工程 混 合 物 を 、 4m m の 厚 み に な る よ う に 調 整 し 、 真 空 乾 燥 機 内 で 床 温 70℃ 、 真 空 度 7k Paに 20 て 3時 間 乾 燥 を 行 っ た 。 (4)最終工程 粉 砕 機 に て 粉 砕 を 行 い 濾 過 網 に て の 分 級 を 行 っ た 。 分 級 に て 得 ら れ た 12メ ッ シ ュ を 通 過 し 、 32メ ッ シ ュ 不 通 過 の も の 20g を 不 織 布 に 充 填 し 、 粉 末 ビ ー フ ブ イ ヨ ン 調 味 料 を 得 る こ と が で き た 。 で き あ が っ た 粉 末 ビ ー フ ブ イ ヨ ン 調 味 料 を 400g の 微 沸 騰 水 中 で 約 3分 間 抽 出 す る こ と で 高 品 質 の ビ ー フ ブ イ ヨ ン を 約 2人 分 取 る こ と が 可 能 で あ っ た 。 【実施例5】 【0029】 (1)ビーフミートエキスの作製 牛 肉 ミ ン チ 10kgに 対 し 水 10kgを 加 え 、 98℃ の 湯 中 で 2時 間 抽 出 を 行 っ た 。 抽 出 後 ミ ス ト 30 の 除 去 お よ び 輸 液 分 離 を 行 っ た 液 を Brix32ま で 濃 縮 し 、 ビ ー フ ミ ー ト エ キ ス と し た 。 (2)野菜類との混合 牛 も も 肉 400g に 対 し て 、 ビ ー フ ミ ー ト エ キ ス 76g を 添 加 し た 。 そ の 後 更 に 、 セ ロ リ 、 タ マ ネ ギ 、 ニ ン ジ ン を ミ キ サ ー に か け 野 菜 の ペ ー ス ト 64g を 加 え た 。 原 料 を フ ー ド ミ キ サ ーにて十分に混合を行った。 (3)乾燥工程 混 合 物 を 、 4m m の 厚 み に な る よ う に 調 整 し 、 真 空 乾 燥 機 内 で 床 温 70℃ 、 真 空 度 7k Paに て 3時 間 乾 燥 を 行 っ た 。 (4)最終工程 粉 砕 機 に て 粉 砕 を 行 い 濾 過 網 に て の 分 級 を 行 っ た 。 分 級 に て 得 ら れ た 12メ ッ シ ュ を 通 過 40 し 、 32メ ッ シ ュ 不 通 過 の も の 20g を 不 織 布 に 充 填 し 、 粉 末 ビ ー フ ブ イ ヨ ン 調 味 料 を 得 る こ と が で き た 。 で き あ が っ た 粉 末 ビ ー フ ブ イ ヨ ン 調 味 料 を 400g の 微 沸 騰 水 中 で 約 3分 間 抽 出 す る こ と で 高 品 質 の ビ ー フ ブ イ ヨ ン を 約 2人 分 取 る こ と が 可 能 で あ っ た 。 【実施例6】 【0030】 (1)マトンエキスの作製 羊 骨 10kgに 対 し 水 20kgを 加 え 、 98℃ の 湯 中 で 3時 間 抽 出 を 行 っ た 。 抽 出 後 ミ ス ト の 除 去 お よ び 輸 液 分 離 を 行 っ た 液 を Brix32ま で 濃 縮 し 、 マ ト ン ボ ー ン エ キ ス と し た 。 (2)野菜類との混合 マ ト ン レ ッ グ 肉 500g に 対 し て 、 マ ト ン ボ ー ン エ キ ス 300g を 添 加 し た 。 そ の 後 更 に 、 セ 50 (9) JP 2007-43952 A 2007.2.22 ロ リ 、 タ マ ネ ギ 、 ニ ン ジ ン を ミ キ サ ー に か け 野 菜 の ペ ー ス ト 70g を 加 え た 。 原 料 を フ ー ド ミキサーにて十分に混合を行った。 (3)乾燥工程 混 合 物 を 、 4m m の 厚 み に な る よ う に 調 整 し 、 真 空 乾 燥 機 内 で 床 温 100℃ 、 真 空 度 7k Pa に て 3時 間 乾 燥 を 行 っ た 。 (4)最終工程 粉 砕 機 に て 粉 砕 を 行 い 濾 過 網 に て の 分 級 を 行 っ た 。 分 級 に て 得 ら れ た 12メ ッ シ ュ を 通 過 し 、 32メ ッ シ ュ 不 通 過 の も の 20g を 不 織 布 に 充 填 し 、 粉 末 マ ト ン ブ イ ヨ ン 調 味 料 を 得 る こ と が で き た 。 で き あ が っ た 粉 末 マ ト ン ブ イ ヨ ン 調 味 料 を 400g の 微 沸 騰 水 中 で 約 3分 間 抽 出 す る こ と で 高 品 質 の マ ト ン ブ イ ヨ ン を 約 2人 分 取 る こ と が 可 能 で あ っ た 。 10 【実施例7】 【0031】 (1)ポークエキスの作製 豚 骨 10kgに 対 し 水 20kgを 加 え 、 加 圧 加 熱 抽 出 110℃ で 1時 間 抽 出 を 行 っ た 。 抽 出 後 ミ ス ト の 除 去 お よ び 輸 液 分 離 を 行 っ た 液 を Brix32濃 縮 し 、 ポ ー ク ボ ー ン エ キ ス と し た 。 (2)野菜類との混合 豚 も も 肉 400g に 対 し て 、 ポ ー ク ボ ー ン エ キ ス 82g を 添 加 し た 。 そ の 後 更 に 、 セ ロ リ 、 タ マ ネ ギ 、 ニ ン ジ ン を ミ キ サ ー に か け 野 菜 の ペ ー ス ト 80g を 加 え た 。 原 料 を フ ー ド ミ キ サ ーにて十分に混合を行った。 (3)乾燥工程 20 混 合 物 を 、 20m m の 厚 み に な る よ う に ケ ー シ ン グ に 充 填 ・ 調 整 し 、 70℃ 熱 水 中 で 1時 間 の 加 熱 を 行 っ た 。 そ の 後 、 ケ ー シ ン グ を 取 去 り 70℃ 熱 風 中 で 12時 間 の 乾 燥 を 行 っ た 。 次 に 切 削 機 で 約 1m m の 厚 さ に な る よ う に 削 り 、 再 度 60℃ 熱 風 中 で 1時 間 の 乾 燥 を 行 い 最 終 乾 燥 品とした。 (4)最終工程 粉 砕 機 に て 粉 砕 を 行 い 濾 過 網 に て の 分 級 を 行 っ た 。 分 級 に て 得 ら れ た 12メ ッ シ ュ を 通 過 し 、 32メ ッ シ ュ 不 通 過 の も の 20g を 不 織 布 に 充 填 し 、 粉 末 ポ ー ク ブ イ ヨ ン 調 味 料 を 得 る こ と が で き た 。 で き あ が っ た 粉 末 ポ ー ク ブ イ ヨ ン 調 味 料 を 400g の 微 沸 騰 水 中 で 約 3分 間 抽 出 す る こ と で 高 品 質 の ポ ー ク ブ イ ヨ ン を 約 2人 分 取 る こ と が 可 能 で あ っ た 。 【産業上の利用可能性】 【0032】 本発明のブイヨン調味料は、家庭での利用のみならず、調理工程を簡易化するためホテ ルやレストラン等の業務用途でも利用されることが期待される。 【図面の簡単な説明】 【0033】 【図1】本発明に係る製造方法(チキンブイヨンの例)の実施態様の説明図である。 30 (10) 【図1】 JP 2007-43952 A 2007.2.22
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