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水辺と生き物を守る農家と市民の会活動報告
はじめに
「水辺と生き物を守る農家と市民の会」は、福井県越前市西部の白山・坂口地区において人も生き物も元気な里地里山づくりを目的として
2006年にスタートしました。 越前市西部地区は、豊かな農村環境が残されており、絶滅危惧種であるアベサンショウウオをはじめ、メダカ
やゲンゴロウ、ハッチョウトンボなどの多くの希少な野生生物が生息しています。またこの地区は、平成16~19年度に環境省の「里地里山
保全再生モデル地域事業」の全国4ヶ所の1つとして白山・坂口地区が指定されました。
わたしたちは、豊かな里地里山の希少種を保全し、人間生活との共生を図ることで、自然・農業そして文化等の相互作用によって、農村
環境の活性化を図るため、活動しています。平成21年度からは、組織体制を新たに地域内を問わず市外県外など全国から会員を募り、農
村における生物多様性保全や地域活性化について各地の取り組みを取り入れ、これまでに培われた白山・坂口の取り組みを全国に情報
発信するため、私達は以下の取り組みを柱に活動をしています。
① 希少野生生物が生息する里山生態系・希少種の保全及び調査・研究
② 小中学生と住民の環境学習と自然体験の活動
③ 希少野生生物保全指導員・村の達人の発掘・育成
ここだよ!!
④ 地域外の人との交流と協働・情報発信(エコキャンプ、農家民泊)
⑤ 希少な野生生物を付加価値とした商品づくりや仕事づくり推進 等
越前市西部地区
福井県越前市西部地区の位置
① 希少野生生物が生息する里山・生態系・希少種の保全および調査・研究
希少野生生物が生息する里山・生態系・希少種の保全および調査・研究
外来種の調査・駆除
地域内のダム湖における外来魚調査
地域内のダム湖における外来魚調査
悠々と泳ぐオオクチバス
フロートの影に群れるブルーギル
豊かな里山環境が残る越前市西部地区には、水田・ため池、水路などの水辺に、
多くの希少野生生物が生息しています。しかし、近年では農業の近代化や過疎化
などによって、乾田化された水田や耕作放棄水田が増え、里山の水辺環境が荒廃
してきています。さらに、オオクチバスやアメリカザリガニなどの外来種の侵入も確
認されており、里山の生態系に与える悪影響が懸念されます。水辺と生き物を守る
農家と市民の会では、里山の生物多様性保全のため、冬水田んぼや放棄水田を
利用したビオトープの造成による希少種の保全、そして地域に侵入した外来種の
調査および駆除を行っています。
地域内における外来種駆除の取り組み
これまで、8
これまで、8回にわたる潜水調査および捕獲網による調査で発見できた魚類は、
コイ(大型)、オオクチバス、ブルーギルの3
コイ(大型)、オオクチバス、ブルーギルの3種のみ。
ダムの魚類相は、非常に
非常に多様性が低い
非常に多様性が低い!!
多様性が低い!!
ダムに流れ込む小さな小川にはヒダ
サンショウウオが生息。
池干しによる外来魚駆除
(2006年)
2006年)
在来種の食害が懸念される!!
在来種の食害が懸念される!!
子供達による外来魚駆除作戦
(2009年)
2009年)
ザリガニ釣り大会による駆除
(2009年)
2009年)
ブルーギルの消化管内容物を調査した結果、ダ
ム湖内のプランクトンや昆虫類など様々な生き
物を捕食していることが分かった。
釣り人の残したゴミ
ブルーギルの消化管から発見された
トンボのヤゴ
福井工業大学環境生命化学科との共同調査(2009
年)
福井工業大学環境生命化学科との共同調査(2009年)
耕作放棄水田を利用した新規ビオトープの整備
ビオトープの造成・希少種の保全
前年度からの継続整備事業
郷の森里楽ビオトープ整備
観察木道の整備(2008年)
ビオトープ除草作業(2009年)
オオクチバス人工産卵床の作成
(2009年)
2009年)
若須町ビオトープ整備
Before
除草作業と木道などの設置(2009
年)
僕たちの新しい棲みか
ができた!
After
整備後2日目にトンボ類の
出来上がった休耕田ビオトープ 交尾・産卵を確認!!
(今後もさらに整備予定)
② 小中学生と住民の環境学習と自然体験の活動
小学校環境学習
白山小学校ビオトープ生き物調
査(3年生、4年生対象)
水辺と生き物を守る農家と市民の会では、豊かな里山環境を後世にわたり末長く
伝えていくため、未来を担う子供たちの環境学習の支援を行っています。子供たち
に里山の自然環境に関心をもってもらうため、白山・坂口地区の小中学校に出向き、
生き物調査、田んぼ体験、および地域の自然に関するレクチャー等、環境学習の
お手伝いをしています。これらの環境学習の取り組みは、学校の先生をはじめ農家
さん、生物学研究者や環境アセスメント会社の専門家など多方面にわたる人々の
協力のもと行われ、地域の子どもと大人のコミュニケーションの場にもなっています。
小学校ビオトープの
ハッチョウトンボ
自然観察会等の実施
5、6年生は、田んぼ体験の際必ず生き物調査を行い、
学校田の生物相をモニタリングする。
白山小学校学校田生き物調査
(5年生、6年生対象)
白山小学校田んぼ体験学習
(5年生、6年生対象)
武生第五中学校水田生き物調査
(全学年対象)
坂口エコビレッジでのホタル観察会
鳥の巣箱作り
③ 希少野生生物保全指導員・村の達人の発掘・育成
アベサンショウウオ(オ
ス)の生体
越前市西部地域には、環境省のレッドデータブック(RDB)でランクⅠA(ごく近い将来に
おける絶滅の危険性が極めて高い種)に分類されているアベサンショウウオが生息して
います。また、この他にもゲンゴロウ類やメダカなど数多くの希少野生生物が生息してお
り、これらの希少生物を保全・増殖するため、各地区において希少種のモニタリング、お
よび生息・産卵場所整備の手法について講習会を行い、希少野生生物の保全に取り組
む人材の育成を行っています。
アベサンショウウオの
幼生
アベサンショウウオ調査講習会
アベサンショウウオ産卵場所整備
たくさんの人たちが私たちの産卵場所
を守ってくれているよ!!
夏から秋にかけて研修会
冬には産卵状況の調査
春先に行われる幼生の調査
瓜ケ谷の整備(2008)
整備されたアベサンショウウオの産卵場所
④ 地域外の人との交流と協働・情報発信(エコキャンプ、農家民泊)
エコツーリズムの実施
白山・坂口で里山体
験しよう!!
これまで、水辺と生き物を守る農家と市民の会は、越前市西部地区周辺での活
動が主体でした。しかし地域の更なる活性化を推し進めるため、地域外の方々に、
農家民泊やエコツーリズムを実施し、地域の自然や文化を直接体験してもうこと
で、多くの人びとに白山・坂口を知ってもらう取り組みを行っています。また、イン
ターネットホームページやブログを利用し、全国に向け白山・坂口地区について情
報発信を行っています。
情報発信
みんな待ってるよ!!
Googleなどの検索サイトで検索
できるよ!みんなみてね!!
現在6軒が民泊施設として利用可能!!
エコキャンプでのビオトープ作り
民泊ができる地域内の農家
体験(2006)
公式ブログ: しらやま・さかぐち水辺の日記
http://blogs.yahoo.co.jp/mizubenokai_shirayama
http://blogs.yahoo.co.jp/mizubenokai_shirayama
里山チャレンジ隊での
生き物調査(2009)
URL:
http://www.abechan.org
www.abechan.org/
URL:http://
www.abechan.org
/
ホームページによる情報発信
公式ブログによる活動日記
⑤ 希少な野生生物を付加価値とした商品づくりや仕事づくり推進
コナギの天ぷら
予想以上にうまい・・・
無農薬だから安心!
オモダカチャンプルーとかき揚げ
コウノトリを呼び戻す農法部会と
農産物販売ミーティングに参加
里山料理の創作
田んぼの雑草料理など
私たちの会が目指すものは、人と生き物が元気な里山です。希少な野
生生物が生息する里山環境を保全することで、無農薬・減農薬などの生
き物にやさしい農法が広がり、安全で安心な付加価値の高い農産物を
作ることができます。また、希少生物や無農薬を付加価値とした特産品
を生み出すことで、地域の活性化と同時に新たな雇用を生み出すことも
期待できます。水辺と生き物を守る農家と市民の会では、地域の農家さ
んと協力し、新しい特産品のアイディアの創出、それらの販売ルートの確
立を目指してゆきます。
詳しくは、URL
: http://www.abechan.org/
詳しくは、URL:
または、0778
-28または、077828-1001 担当:笠原 まで。