教育活動 - 国立大学法人 大分大学

Ⅲ.教育活動
目次
Ⅲ.教育活動
1. 教育の目標
6. 修士・博士課程への学生の受入
2. 教育組織
6.1 目的・理念
2.1 教育組織の構成
6.2 アドミッション・ポリシー
2.2 教員の配置
6.3 学生募集
2.3 教育支援者及び教育補助者の配置
6.4 選抜体制
3. 学士課程の学生の受入
6.5 選抜結果
3.1 アドミッション・ポリシー
6.6 定員管理
3.2 学生募集
6.7 定員外入学
3.3 選抜体制
(科目等履修生,研究生,特別聴講生等)
3.4 選抜結果
7. 修士・博士課程の教育課程等
3.5 定員管理
7.1 教育課程
3.6 定員外入学
7.2 教育的配慮
(科目等履修生,研究生,特別聴講生等) 7.3 教育方法等
4. 学士課程の教育内容・方法等
7.4 教育活動改善への取組
4.1 教育課程
7.5 教育効果
4.2 教育的配慮
8. 学生生活
4.3 教育方法等
8.1 学生生活の支援体制
4.4 教育活動改善の取組
8.2 学生への経済的支援
4.5 教育効果
8.3 健康管理・生活相談等
5. 留学生の交流推進
8.4 進路支援
5.1 留学生の受入と派遣体制
8.5 学生生活の実態
5.2 外国人留学生の受入及び派遣数
5.3 外国人留学生・研究者への生活支援
Ⅲ.教育活動
1.教育の目標
(現状)
大分大学は,大分大学憲章において以下の教育の目標を設定している。
1.大分大学は,学生の立場にたった教育体制のもとで,広い視野と深い教養を備え,豊かな人間
性と高い倫理観を有する人材を育成する。
2.大分大学は,ゆるぎない基礎学力と高度の専門知識を修得し,創造性と応用力に富んだ人材を
育成する。
3.大分大学は,高い学習意欲を持ち,たゆまぬ探究心と総合的な判断力を身につけ,広く世界で
活躍できる人材を育成する。
(大分大学憲章:教育の目標)
本学の上記教育の目標に基づき,各学部は資料 1-1 に示す教育目標を定めている。
6
Ⅲ.教育活動
資料 1-1
各学部の教育目標
学部
教育目標
教育福祉科学部
経済学部
医学部
工学部
豊かな成熟社会を創造し,共生社会を実現するために,「福祉の心」を持ち実
践できる人材の養成を目指す。
情報化・国際化及び高齢化が急速に進展する未来を展望し,専門的な知識を
備えるとともに,幅広い教育を身につけた人材の養成を目指す。
医学科は,患者の立場を理解し,全人的医療ができ,豊かな教養と人間性,
高度の学識,生涯学習能力,国際的視野を備えた医師を育成すること,看護学
科は,人々が心身ともに健康な生活が営めるよう,適切な看護を行うことがで
きる専門的知識と技術の修得を促し,看護学の発展と地域住民の保健・医療・
福祉の向上,ひいては国際社会への貢献ができるような豊かな人間性を備えた
人材を育成することを目指す。
課題を探求する意欲に満ち,国際標準を満たす学力を持って,世界を見据え
ながら地域社会づくりにも貢献できる個性豊かで創造性あふれる人材の養成
を目指す。
2.教育組織
2.1.教育組織の構成
(現状)
本学の教育組織は,4 学部及び 5 研究科から構成されている。
また,学内共同教育研究施設等として 10 施設がある。
(参照資料)
資料 2.1-1 教育組織
(評価)
本学の教育組織は,4 学部,5 研究科,10 学内共同教育研究施設等で構成されており,本学の教育
の目標に照らして,適切なものである。
資料 2.1-1
教育組織
区分
学
部
名
称
程
又
は
学
科
教育福祉科学部
学校教育課程,情報社会文化課程,人間福祉科学課程
経済学部
経済学科,経営システム学科,地域システム学科
医学部
医学科,看護学科
工学部
研
究
科
課
機械・エネルギーシステム工学科,電気電子工学科,
知能情報システム工学科,応用化学科,福祉環境工学科
教育学研究科
修士課程
経済学研究科
博士前期課程,博士後期課程
医学系研究科
修士課程,博士課程
工学研究科
博士前期課程,博士後期課程
福祉社会科学研究科
修士課程
7
Ⅲ.教育活動
イノベーション機構,地域共同研究センター,総合科学研究支援センター,
学内共同
国際教育研究センター,べンチャー・ビジネス・ラボラトリー,
教育研究
福祉科学研究センター,先端医工学研究センター,高等教育開発センター,
施設等
入学企画支援センター,保健管理センター
(出典:大分大学学則)
2.2.教員の配置
(現状)
本学の学部,研究科及び学内共同教育研究施設等に,それぞれ資料 2.2-1 に示す教員を配置してい
る。平成 20 年 5 月 1 日現在の教員数は 661 名(職員総数 1,614 名)である。
(参照資料)
資料 2.2-1 平成 20 年度教職員数
(評価)
本学の教員配置は,教育の目標を達成するのに,適切なものとなっている。
資料 2.2-1 平成 20 年度教職員数
区
分
平成 20 年 5 月 1 日現在
大学教員
教育福祉科学部
93
経済学部
55
医学部
177
医学部附属病院
101
工学部
111
教務職員
附属学校教員
83
合計
176
55
1
178
101
4
115
福祉社会科学研究科
2
2
学術情報拠点
2
2
イノベーション機構
1
1
地域共同研究センター
1
1
総合科学研究支援センター
9
国際教育研究センター
6
6
福祉科学研究センター
4
4
先端医工学研究センター
2
2
高等教育開発センター
4
4
保健管理センター
3
3
合
計
2
571
7
11
83
661
(出典:大分大学概要)
2.3.教育支援者及び教育補助者の配置
(現状)
本学の各学部等に,教育を支援するための教育支援者(事務職員及び技術職員等)を資料 2.3-1 の
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Ⅲ.教育活動
ように配置している。平成 20 年 5 月 1 日現在の教育支援者数は 953 名(職員総数 1614 名)である。
また,教育補助者として,講義・演習・実習等の教育補助を行うティーチング・アシスタント(TA)
の制度を定め,資料 2.3-2 のように配置している。
(参照資料)
資料 2.3-1 教育支援者数(職員数)
資料 2.3-2 ティーチング・アシスタント配置数及び延べ時間数
(評価)
本学の教育支援者の配置は,学生本位の本学の教育の目標に照らして,一層充実する必要がある。
また,教育補助者は各学部等の専門性・授業形態等に応じて配置されており,適切である。
資料 2.3-1 教育支援者(職員数)
区
分
平成 20 年 5 月 1 日現在
事務・技術
技能系
医療系技術
監査室
4
総務部
30
研究・社会連携部
31
財務部
54
学生支援部
27
医学・病院事務部
74
22
6
教育福祉科学部
18
1
1
経済学部
医学部
医学部附属病院
看護系技術
合
計
4
1
31
31
1
55
27
1
103
20
7
7
22
22
6
5
92
486
589
工学部
49
49
総合科学研究支援センター
11
11
2
2
学術情報拠点
保健管理センター
合計
335
29
99
2
2
490
953
(出典:大分大学概要)
資料 2.3-2 ティーチング・アシスタント配置数及び延べ時間数
教育福祉科学部
人
数
延べ時間数
経済学部
医学部
工学部
合計
32
24
45
228
329
1,441
701
16,289
11,403
29,834
(各学部学務係へ照会)
3.学士課程の学生の受入
3.1 アドミッション・ポリシー
(現状)
本学は,教育の目標に対応した統一的なアドミッション・ポリシーを策定しており,各学部はそれ
9
Ⅲ.教育活動
を踏まえ,入学者選抜方針を含むアドミッション・ポリシーを策定し,それぞれの求める学生像を明
確に示している。アドミッション・ポリシーを,募集要項や入学者選抜要項に掲載するとともに,公
開ホームページの「入試情報」で公表している。
また,平成 20 年度においても選抜方法の変更に合わせ表記の修正を行った。
(参照資料)
資料 3.1-1
全学のアドミッション・ポリシー
(評価)
本学の全学的なアドミッション・ポリシーを踏まえて,各学部もアドミッション・ポリシーを策定
し,適切に対応している。
資料 3.1-1 全学のアドミッション・ポリシー
基本理念
人間と社会と自然に関する教育と研究を通じて,豊かな創造性,社会性及び人間性を備えた人
材を育成するとともに,地域の発展ひいては国際社会の平和と発展に貢献し,人類福祉の向上
と文化の創造に寄与することです。
教育の目標
1. 学生の立場にたった教育体制のもとで,広い視野と深い教養を備え,豊かな人間性と高
い倫理観を有する人材を育成します。
2. ゆるぎない基礎学力と高度の専門知識を修得し,創造性と応用力に富んだ人材を育成し
ます。
3. 高い学習意欲をもち,たゆまぬ探究心と総合的な判断力を身につけ,広く世界で活躍で
きる人材を育成します。
求める学生像
意欲をもち,将来への可能性を秘めている人を求めています。
1.
2.
3.
4.
5.
3.2
幅広く,より深く学ぶための基礎的能力をもっている人
旺盛な知的好奇心をもち,新しい課題に積極的に取り組む人
自分のもつ資質を磨き,能力を伸ばしたい人
夢や目的をもち,周囲と協力しつつその実現に向けて努力する人
志をもって国際社会および地域社会への貢献をめざす人
学生募集
(現状)
例年どおり,7 月に次年度の入学者選抜要項の冊子を関係機関に配布するとともに,ホームページ
に掲載した。さらに,オープンキャンパス,進学説明会,出前講座,高校訪問,学生によるオープン
キャンパス,キャンパス大使(在学生による母校訪問)の派遣などにより,高校生等へ積極的な働きか
けを行った。
高校訪問では,教育担当理事や担当職員が,大分県内の高等学校を訪問して,本学の入試に係わる
10
Ⅲ.教育活動
事項を説明した。また,東京,広島,福岡で開催された九州地区国立大学合同説明会及び各高等学校
等で開催される進学説明会に参加した。
平成 20 年度の実施状況を資料 3.2-1 に示す。積極的な広報活動を継続的に行い,推薦入試におい
て入学志願者が減尐したが,一般選抜においては,入学志願者が前年度と比べ全学部とも増加した。
内訳を見ると,一般選抜においては教育福祉科学部が前年比 103.9%,経済学部が 139.2%,医
学部が 107.5%,工学部が 108.5%,全学部で 113.9%(前期 119.8%,後期 109.2%)であった。
経済学部前期日程が前年比 178.6%と突出して増加しているが(後期日程は同 123.8%),学部
独自の学校訪問活動や昨今の景気状況等が反映されたものと考えられる。また,経済学部AO入
試は志願倍率 4.8 倍となっている。
今後も各種事業を通して高等学校や受験生の意見や要望を聴取し,大学運営や入学者選抜など
に取り入れるなど積極的に活用する必要がある。
(参照資料)
資料 3.2-1 主な学生募集活動
資料 3.2-2 入学試験(一般選抜)志願状況
(評価)
オープンキャンパス,進学説明会,学生によるオープンキャンパス及びキャンパス大使で本学の入
学者選抜要項や大学案内などを活用し,高校生への働きかけを積極的に実施するなど,精力的な募集
活動が行われたことは評価できる。
資料 3.2-1 主な学生募集活動
事業
参加者数等
参加者 3,166 名
オープンキャンパス
参加者内訳:教育福祉科学部 1,050 名,経済学部 1,084 名,
医学部 397 名,工学部 635 名
進学説明会
参加回数 44 回,資料参加 86 か所
高校訪問(入試に係わる説明) 訪問校 13 校
学生によるオープンキャン 旦野原キャンパス 相談者
挾間キャンパス
相談者
パスの実施
キャンパス大使
10 名
8名
派遣者数 52 名
九州地区国立大学合同説明会
参加者 東京
説明会
6 名 相談者 13 名
広島
説明会
27 名 相談者 9 名
福岡
説明会 145 名,相談者 62 名
資料 3.2-2 入学試験(一般選抜)志願状況
平成 21 年度
学部
募集人員
志願者数
平成 20 年度
前年度比率
募集人員
志願者数
教育福祉科学部
191
1,332
103.9%
191
1,281
経済学部
210
1,363
139.2%
210
979
11
Ⅲ.教育活動
医学部
120
1,098
107.5%
115
1,021
工学部
292
1,143
108.5%
292
1,053
合計
813
4,936
113.9%
808
4,334
3.3
選抜体制
(現状)
アドミッション・ポリシーを踏まえた入学者選抜を実施するために,入試部門会議及び各学部の入
試委員会を設置している。入試部門会議は,毎年文部科学省から提示される「大学入学者選抜実施要
項」を各学部へ通知するととも,本学の実施体制が本要項に従った適切なものであることを確認して
いる。
試験問題作成等は,
「大分大学一般選抜試験問題作成等の手引」
(部外秘のため非公表)に従った体
制によって行っていることを科目責任者連絡会議で確認している。「手引」では,試験問題作成に当
たっては,試験科目等毎に「問題作成・校正委員」,
「問題チェック委員」,
「査読委員」を選任するこ
ととしており,相互チェック体制を整えている。試験の採点に当たっては,試験科目毎に複数の「答
案採点委員」を選任し,相互チェックを行いながら採点する体制をとっている。
合否の判定に当たっては,各学部の教授会において採点結果が提示され,教授会が承認することと
している。なお,入試に係わる規程等は非公開である。
(評価)
全学的には入試部門会議,各学部には入試委員会が設置されている。また,選抜試験問題の作成な
ども組織的に行われているので,選抜体制は適切である。なお,作題担当者の確保や良問の確保の観
点から,各学部単位の出題体制から全学出題体制への移行や入試過去問題の活用についての検討も始
めた。
3.4
選抜結果
(現状)
平成 21 年度入試における各学部の志願者及び合格者の学部別概況を資料 3.4-1 に,試験別の志願
者詳細状況を資料 3.4-2 に示す。資料 3.4-2 には,帰国子女,中国引揚者等子女,社会人及び私費外
国人留学生等の定員外入試状況も記載した。合格倍率は,全学で 2.7 倍であり,志願倍率は全学で 4.7
倍から 5.1 倍と上昇し,全学部において志願者数の増加があり,前年度より 499 名の増加であった。
受験者数に対する合格倍率は,全学で 3.0 倍と前年度より 0.3 倍上昇した。また,定員超過を抑制
するため合格者数を絞った結果,入学定員に対する充足率は,昨年度並みの 106%であった。
(参照資料)
資料 3.4-1 平成 21 年度の学部別募集定員と合格倍率の概要
資料 3.4-2 平成 21 年度入試における学部・試験別の志願倍率
(評価)
選抜の結果,入学定員も確保されていることから,入学者選抜及び定員外入学による学生の受入れ
は適切に行われている。
12
Ⅲ.教育活動
資料 3.4-1 平成 21 年度の学部別募集定員と合格倍率の概要
受験者数
合格者数
(A)
(B)
1,471
1,104
296
270
3.7
110
305
1,523
1,053
369
324
2.9
106
医学部
155
1,198
746
168
155
4.4
100
工学部
370
1,290
950
435
395
2.2
107
1,075
5,482
3,853
1,268
1,144
3.0
106
学部
募集人員
志願者数
教育福祉科学部
245
経済学部
合計
入学者数
倍率(A/B)
充足率
(%)
(入試課で集計)
資料 3.4-2 平成 21 年度入試における学部・試験別の志願倍率
全学
日程等
教育福祉科学部
経済学部
募集人員
志願者数
倍率
募集人員
志願者数
倍率
募集人員
志願者数
倍率
推薦入学
257
490
1.9
54
129
2.4
90
126
1.4
前期日程
565
2,279
4.0
144
650
4.5
120
493
4.1
後期日程
248
2,657
10.7
47
682
14.5
90
870
9.7
5
24
4.8
-
5
24
4.8
帰国子女
若干名
1
若干名
1
若干名
0
中国引揚者
若干名
0
若干名
0
若干名
0
社会人
若干名
7
若干名
2
若干名
2
私費外国人
若干名
24
若干名
7
若干名
8
計
1,075
5,482
245
1,471
305
1,523
AO 入試
5.1
6.0
5.0
倍率:志願倍率=入学志願者数/募集人員数。計においては,若干名の募集を募集人員に算入していない。
医学部
日程等
工学部
募集人員
志願者数
倍率
志願者数
倍率
推薦入学
35
97
2.8
78
138
1.8
前期日程
75
524
7.0
226
612
2.7
後期日程
45
574
12.8
66
531
8.0
募集人員
AO 入試
-
-
帰国子女
-
若干名
中国引揚者
-
若干名
社会人
私費外国人
計
3.5
若干名
3
-
155
1,198
7.7
若干名
9
370
1,290
3.5
定員管理
(現状)
平成 20 年度における本学の在籍者数は資料 3.5-1 のとおりである。収容定員に対する在籍者数の
割合は 112%であり,各学部における割合も 103%~116%間にある。
13
Ⅲ.教育活動
(参照資料)
資料 3.5-1 学部生の在籍状況
(各学部からの学生数報告書より抜粋)
(評価)
在籍者数は収容定員を上回り,かつ大幅な超過はみられないことから,定員管理は適切に行われて
いる。
資料 3.5-1 学部生の在籍状況
(H20.5.1 現在)
定員
学部
現
入学
収容
定員
定員
教育福祉科学部
245
学校教育課程
員
数
2 年次
3 年次
4 年次
980
253
276
268
307
1104
113
100
400
103
115
114
129
461
115
情報社会文化課程
50
200
50
57
54
62
223
112
人間福祉科学課程
95
380
100
104
100
115
419
110
教育学部(旧学部名)
-
-
-
-
-
-
-
養護学校教員養成課程
-
-
-
-
-
1
1
情報社会文化課程
-
-
-
-
-
-
-
経済学部
315
1240
321
371
331
391
1414
(10)
(6)
(16)
経済学科
130
520
94
110
(6)
(2)
1414
経営システム学科
130
520
142
178
(16)
(3)
(2)
地域システム学科
45
180
95
103
(1)
(2)
3 年次編入学定員
10
20
医学部
165
820
145
144
166
174
医学科
85
510
85
84
2 年次後期編入学定員
10
50
看護学科
60
240
60
60
3 年次編入学定員
10
20
380
1500
401
410
80
320
85
86
工学部
機械・エネルギーシ
ステム工学科
321
371
14
(20) (22)
94
95
(10) (10)
72
5 年次
94
6 年次
充足率
1 年次
合計
(%)
122
845
(9) (11)
(62)
94
122
574
(9) (11)
(40)
79
271
(10) (12)
(22)
418
506
1735
(10) (12)
(22)
92
(1)
116
379
(1)
114
103
113
113
116
118
Ⅲ.教育活動
生産システム工学科
2
2
90
109
370
(2)
(2)
(4)
75
103
334
(1)
(4)
(5)
65
67
269
112
96
105
377
118
(6)
(6)
(12)
建設工学科
2
2
福祉環境工学科
2
2
電気電子工学科
知能情報システム工
学科
応用化学科
福祉環境工学科
(改組後)
3 年次編入学定員
合計
(
80
320
85
86
70
280
76
80
60
240
70
67
80
320
85
91
10
20
1,105
4,540
1120
1201
1183
1378
94
(40) (40)
122
5,098
116
119
112
(9) (11) (100)
)は,2 年次後期,または 3 年次編入学者を内数で示す。(各学部からの学生数報告書から抜粋)
3.6
定員外入学(科目等履修生,研究生,特別聴講生等)
(現状)
定員外とは,科目等履修生,研究生,特別聴講学生等を指す。定員外入学については,規程を整備
して,審査の上,受け入れている。平成 20 年度の定員外入学者数を,資料 3.6-1 に示す。
(参照資料)
資料 3.6-1 平成 20 年度 科目等履修生,研究生,特別聴講学生の在学数
(評価)
定員外入学についての規程が整備されていること,審査の上受け入れていること,一定数の入学者
を確保していることから,定員外入学は適切である。
資料 3.6-1 平成 20 年度 科目等履修生,研究生,特別聴講学生の在学数
学
部
科目等履修生
研究生
特別聴講学生
前期
後期
計
前期
後期
計
前期
後期
計
教育福祉科学部
6
5
11
14
22
36
48
46
94
経済学部
1
1
2
4
10
14
6
8
14
医学部
2
2
4
1
1
2
0
0
0
工学部
0
1
1
1
3
4
0
2
2
9
9
18
20
36
56
54
56
110
計
※ 特別聴講学生は,前期 5 月 1 日及び後期 10 月 1 日現在の在籍者数
※ 単位互換に係る特別聴講学生を除く
(平成 20 年度学生数報告書から作成)
15
Ⅲ.教育活動
4.
学士課程の教育内容・方法等
4.1 教育課程
4.1.1 教育課程の概要
(現状)
入学生は,資料 4.1.1-1 に記載した各学部・課程・学科・コースに配属され,本学の教育課程に従
って学習する。本学では,履修の柔軟性と教育効果を高める目的から,半年単位で授業を完結するセ
メスタ-制を採用している。
本学の教育課程は,教養教育科目,専門基礎科目及び専門教育科目により編成されている。
教養教育科目は,導入教育科目,全学共通科目,外国語科目,身体・スポーツ科学科目,基礎教育
科目,専門基礎教育科目及び外国人留学生のための日本語・日本事情科目,短期留学プログラム科目
で構成されている(開設科目数については後述する)。
専門教育科目は,各学部の特性に応じた科目が開講されている。専門教育科目であっても,一部は
他学部生にもオープン化されている。
(参照資料)
資料 4.1.1-1 教育組織
資料 4.1.1-2 平成 20 年度教養教育科目内容
(評価)
教育組織構成及び教育課程の編成は,教育目標に照らして適切である。
資料 4.1.1-1 教育組織
学部名
課程・学科・コース名
学校教育課程(発達教育コース・特別支援教育コース・教科教育コース)
教育福祉科学部
情報社会文化課程(社会文化コース・情報教育コース・総合表現コース)
人間福祉科学課程(社会福祉コース・心理健康福祉コース・生活環境福祉コー
ス)
経済学部
経済学科,経営システム学科,地域システム学科
医学部
医学科,看護学科
機械・エネルギーシステム工学科,電気電子工学科,知能情報システム工学科,
工学部
応用化学科,福祉環境工学科
資料 4.1.1-2 平成 20 年度教養教育科目内容
教養教育科目
備考
導入教育科目
高校教育と大学教育との連携
全学共通科目
全学の学生が共通して習得する科目
年間取得単位数に制限有り
外国語科目
英語,ドイツ語,フランス語,中国語,スペイン語,ハングル語
身体・スポーツ科学科目
身体やスポーツ文化に関する科学的認識を深める科目
基礎教育科目
医学部対象。主に倫理学・哲学・心理学及び数学・物理・化学・生
物学・医療情報学等の科目
16
Ⅲ.教育活動
専門基礎教育科目
医学部看護学科のみ対象
日本語科目・日本事情科目
外国人留学生対象
短期留学プログラム科目
短期留学プログラム生を対象
医学部非対象
4.1.2 教育課程の科目配置
(現状)
平成 20 年度教養教育科目・専門基礎科目・専門教育科目の開設科目数を資料 4.1.2-1 に示す。
資料 4.1.2-2 に各学部・学科の卒業に必要な教養科目と専門科目の単位数を示す。
(参照資料)
資料 4.1.2-1 開設科目数
資料 4.1.2-2 卒業に必要な教養科目と専門科目の単位数
(評価)
教育課程における科目配置のバランスは,各学部の教育方針に照らしてバランスよく配置されてい
るので,適切である。
資料 4.1.2-1 開設科目数
必修科目
選択必修科目
選択科目
教養教育科目
専門基礎教育科目
専門教育科目
397
経済学部
3
4
医学部
28
2
工学部
9
教育福祉科学部
10
11
242
79
710
7
0
204
医学部
123
2
8
工学部
191
経済学部
285
資料 4.1.2-2 卒業に必要な教養科目と専門科目の単位数
学部
教養科目
専門基礎
専門科目
教養割合(%)
学校
30
102
23
情報
28~36
94~102
22~28
福祉
30
96
24
82
27
152
29
74
13
工学部
26
14~22
76~84
※医学部医学科の教養科目 63 単位の中には,基礎教育科目を含む
21
教育福祉科学部
経済学部
医学部
34
医学
63
看護
17
10
39
17
Ⅲ.教育活動
4.1.3 教育課程の特色
(現状)
本学の教育課程の特色として,導入期の教育,尐人数教育,専門性の共有,情報化に対応した教育,
国際化に対応した教育,インターンシップ,職業教育がある。これらの特色の概要を資料 4.1.3-1 に
示す。また,科目当たりの受講申請者数の分布を資料 4.1.3-2 に示す。
(参照資料)
資料 4.1.3-1 教育課程の特色
資料 4.1.3-2 科目当たりの受講申請者数の分布
資料 4.1.3-3 インターンシップ参加人数と企業数(平成 20 年度)
(評価)
全学において,また学部の特性に応じ,導入期の教育,尐人数教育,専門性の共有,情報化に対応
した教育,国際化に対応した教育,インターンシップ,職業教育を実施しており,本学の教育目標を
踏まえた特色ある取組がなされている。
資料 4.1.3-1 教育課程の特色
教養教育の全学共通科目に,学習方法や社会調査法の基礎を修得する「大分
大学を探ろう」
,
「アカデミックスキル」等の科目を設けている。また,グルー
プ学習の方法や社会性を身に付けるため「大野川Ⅰ・Ⅱ」等の科目を設けてい
る。
教育福祉科学部では,全課程共通する「基礎ゼミ」科目を設定し,学習スキ
導入教育
ル等の習得・大学生活への対応を中心とした教育を行っている。
経済学部及び医学部においては,高校教育との連携を考慮した導入教育科目
を設定している。工学部においては,全学科・コースで該当する科目を 1 年前
期で開設しており,また通年や 2 年前期でも開設している学科もある。
尐人数教育
専門性の共有
学習効果及び教員とのコミュニケーションによる直接指導の観点から,尐人
数教育を導入している。全学共通教育においても,尐人数教育に努めている。
教育福祉科学部では,本質的に学習単位を尐人数構成としている。
経済学部では全学年を通して,1クラス 13 人前後の演習を設定している。
医学部医学科では,PBL(問題提起型)チュ-トリアル教育を導入しており,
臨床実習でも尐人数教育を行っている。看護学科では,ゼミ形式学習や技術演
習でのグループ活動等を,4~12 名の構成で行っている。
工学部では,学科により学生を尐人数のグループに分け,入学直後の導入教
育や研究室インターンシップを実施している。
各学部の卒業研究では,研究室に数名ずつ学生を配属し,ゼミ形式学習,技
術演習及び研究等を行っている。
各学部において,学部生が共通に取得すべき科目及び取得できる科目を定め,
学部内の専門性を共有化している。また,専門基礎教育科目に,複数学部にオー
プンしている科目があり,例えば,工学部の専門基礎教育科目の「基礎理論化学
Ⅰ・Ⅱ」,
「原子と分子」
,「物質の状態と変化」は,経済学部の学生も教養教育科
目として受講できる。
18
Ⅲ.教育活動
教養教育科目内に情報処理科目として「情報処理入門」を設けている。
情報処理教育科目には,学部内開講科目と,複数学部にオープンしている科目
がある。各学部における情報化に対応した科目の例を下記に記載する。
・教育福祉科学部:
「教育メディアとコンピュータ」
・経済学部:
「情報リテラシ-Ⅰ」,
「情報リテラシ-Ⅱ」,
「情報リテラシ-Ⅲ」
・医学部:
「医療情報システム」,「医療情報学」
情報化に対応
・工学部:専門教育科目で対応
した教育
平成 20 年度は,Web 上のシラバス入力・提示,成績評価入力・提示,学生に
よる履修登録や成績照会等のため,全学的に統一した新教務情報システムの本格
運用を開始した。また,高等教育開発センターによる授業オンディマンド化の推
進として,大分大学内で行われている講義を,インターネットを利用して学内外
で共有し,学内外の皆さんに役立ててもらえるようにするために,「大分大学グ
ローバルキャンパス」
(2006 年 12 月開設)で公開している。
教養教育の全学共通科目として,コア分野「国際理解」で,語学教育や人文・
社会・自然の分野で国際化に対応した科目を設け,さまざまな視点から国際理解
を促している。また,海外留学希望者を対象にした国際理解教育ゼミナールを平
成 20 年度から新たに開設した。
短期留学生のため,
英語による授業を行っている。
外国人留学生のためには「日
本語・日本事情」を開講し,習熟度に応じて教育している。
教育福祉科学部では,
情報社会文化課程において特に国際化を課題とした教育
が行われており,課程共通科目に「現代国際事情Ⅰ」や「比較文化論」が設定さ
れている。また,学部共通科目として「異文化間コミュニケーション論」を設定
している。
経済学部では,平成 19 年度から,留学による単位取得を柱とした体系的な学
習を独自奨学金で支援する IBP(インターナショナル・ビジネス・プログラム)を
国際化に対応
実施し,平成 19 年度にはソウル・梨花女子大で開催された第三回「東アジア経
した教育
済統合・国際学生フォーラム」に企画・参加するとともに,これに対応した特別
講義を開講している。さらに,海外の交流協定校における夏期一月程度の語学研
修を実施するとともに,ネイティヴ教員の英語による専門科目講義を行ってい
る。
医学部医学科では「研究室上級配属」科目において,国外の研究室で研修する
学生を支援している。平成 20 年度は,選抜した 8 名の4年次生を対象にフィリ
ピンのサン・ラザロ病院において,感染症を焦点にした臨地実習を行った。看護
学科では,
「国際看護論」を開講している。
工学部では,
「工業英語」を開講している。
高等教育開発センターでは,全学教育の推進のため,TOEIC-IP に加入し,仕
事で英語が使える学生の育成に努めている。平成 19 年度は,7 月・11 月・1 月
に実施し,600 名の学生が受験した。
キャリア開発部門会議ではインターンシップポリシーを策定し,在学中・卒業
直後の学生が,
自分の専攻や将来のキャリアと関連した就業体験を一定期間行う
インターンシップを全学で推奨している。教育福祉科学部,工学部及び経済学部
インターンシ においては,単位化されている。
ップ
工学部においては,平成 19 年度より産学官連携で長期インターンシップ(4
週間)を実施している。
平成 20 年度は 172 人の学生が参加した。
教養教育科目に職業意識啓発科目として,「職業とキャリア開発」及び「キャ
職業教育
リアデザイン入門」を設定している。また,各学部の特性に応じた職業意識啓発
のための講演・演習等を行っている。
資料 4.1.3-2 科目当たりの受講申請者数の分布
科目数
科目当たりの受講申請者
教養
教育
経済
1~10 人未満
10~20 人未満
20~40 人未満
40~80 人未満
39
69
112
167
448
216
141
84
115
149
25
38
19
医学
1
88
工学
321
126
100
228
Ⅲ.教育活動
80~160 人未満
160 人以上
74
35
51
3
46
39
74
23
0
資料 4.1.3-3 インターンシップ参加人数と企業数(平成 20 年度)
学部
参加人数(企業数)
備考
教育福祉科学部
3 ( 4)
企業及び大学
経済学部
43 (19)
地方自治体及び企業
医学部
85 ( 4)
教育課程に 1 年生からの臨地実習を組み込んでいる
工学部
41(30)
地方自治体及び企業 大学院生
9名(内数)
4.1.4 授業形態と単位
(現状)
授業は,講義,演習,実験,実習及び実技のいずれかにより,又はこれらの併用により行われる(資
料 4.1.4-1)。本学の各授業科目の単位数は,1 単位当たり 45 時間の学修を必要とする内容をもって
構成することを標準としている。授業の方法,当該授業による教育効果,授業時間外に必要な学習等
を考慮して,資料 4.1.4-1 に示す基準により単位数を計算している。
教養教育科目等における単位基準を資料 4.1.4-2 に示す。資料 4.1.4-2 に 15 時間とある科目で,
通常の 90 分授業(2 時間分)を 15 コマ行うと 2 単位(30 時間分)となる。
(参照資料)
資料 4.1.4-1 授業形態と単位の基準
資料 4.1.4-2 教養教育科目等における 1 単位当りの授業時間数
(評価)
授業形態と単位数は,本学の教育目標に照らして適切である。
資料 4.1.4-1 授業形態と単位の基準
授業形態
単位の基準
15 時間から 30 時間までの範囲で,各学部の定める時間の授業をもって1
単位とする。
30 時間から 45 時間までの範囲で,各学部の定める時間の授業をもって1
単位とする。ただし,芸術等の分野における個人指導による実技の授業に
② 実験,実習及び実技
ついては,各学部が定める時間の授業をもって1単位とすることができ
る。
①,②項にかかわらず,卒業論文,卒業研究及び卒業制作等の授業科目については,これらの学修
の結果を評価して単位を授与することが適切と認められる場合には,これらに必要な学修等を考慮し
て,単位数を定めることができる。
①
講義及び演習
資料 4.1.4-2
15 時間
30 時間
教養教育科目等における 1 単位当りの授業時間数
全学共通科目(スポーツゼミナールを除く),導入教育科目,基礎教育科目,スポーツ文化
科学,日本事情科目,短期留学プログラム科目,専門基礎教育科目,応用英語E
スポーツゼミナール,外国語科目(応用英語Eを除く),身体・スポーツ科学科目,日本語
科目
20
Ⅲ.教育活動
4.1.5 進級要件及び卒業要件
(現状)
進級要件については,教育福祉科学部では,学校教育課程において,3 年次の教育実習Ⅰ・Ⅱ及び
4 年次の教育実習Ⅲへの参加資格判定を行っている。経済学部では 3 年次進級時,医学部医学科は1
年次後期,2 年次前期,3 年次 1 学期終了時,4 年次 1 学期終了時,4 年次 3 学期終了時の計 5 回,看
護学科は 3 年次前期,工学部では 4 年進級時にそれぞれ進級判定を行う。
また,
卒業要件は各学部のカリキュラムに対応した単位数が定められており,資料 4.1.5-1 に示す。
なお,工学部では,特例としての早期卒業の制度があり,早期に卒業研究に着手することを認めてい
る。
進級要件及び卒業要件については,各学部の履修の手引に記載されており,履修説明等で周知して
いる。
(参照資料)
資料 4.1.5-1 卒業要件単位
(評価)
各学部の進級要件及び卒業要件は,本学の教育目標及び各学部の教育方針に基づいて明確
に定められており,学生に周知されていることから適切である。
資料 4.1.5-1 卒業要件単位
学部
課程名
(単位)
教養教育科目
専門科目
計
28~36
94~102
126~132
30
102
132
情報社会文化課程
28~36
94~102
132
人間福祉科学課程
30
96
126
教育福祉科学部(範囲)
学校教育課程
学部
学科名
経済学部(全学科共通)
医学部
教養教育科目
専門基礎科目
専門/専門教育科目
計
34
10
82
126
17~63
0~39
74~152
130~215
152
215
医学科
63
看護学科
17
39
74
130
26
14~22
76~84
124
応用化学科
26
22
76
124
福祉環境工学科
26
14~16
82~84
124
その他の学科
26
20
78
124
工学部
※
(範囲)
工学部のその他の学科は,機械・エネルギーシステム工学科,電気電子工学科,知能情報シス
テム工学科を指す。
※
医学科の教養教育科目には,導入教育科目,全学共通科目,外国語科目,身体・スポ-ツ科学
科目,教養・基礎教育科目を含む。
21
Ⅲ.教育活動
4.1.6 実習
(現状)
実習は,各学部の特性によって設定され,実施されている。各学部の実験実習科目について,資料
4.1.6-1 に示す。
平成 20 年度においては,教育福祉科学部の教員の実践能力の向上,実習場の確保及び人権を配慮
した教育方法を検討した結果,観察体験実習及び参加体験実習,教育実習Ⅰ・Ⅱ,介護等体験等の実
習を積み上げ式で実施し,教育実習の事前・事後指導を行った。さらに,人間福祉科学課程において
は,体験実習Ⅰ・Ⅱを行っている。
また,教育実習については,大分県教育委員会及び大分県内市長村教育委員会代表及び実習協力校
等の関係団体と教育実習運営協議会を開催し,平成 20 年度教育実習の実施報告と平成 21 年度教育実
習の実施計画を策定するとともに今後の教育実習のあり方について検討した。
さらに,社会福祉援助技術現場実習・精神保健福祉援助実習についても,実習受入先の機関と社会
福祉援助技術現場実習・精神保健福祉援助実習協議会を開催し,本学の実習の基本的な考え方及び実
習内容の説明を行い,今後の社会福祉援助技術現場実習・精神保健福祉援助実習のあり方について検
討した。
経済学部では,教員免許状取得希望者を対象に,卒業要件に含まれない教育実習として,教育福祉
科学部等との連携による事前指導,大分商業高校との連携による商業科教育実習,学部単位の事後指
導などを行っている。
医学部臨床実習の指導体制の整備・充実化に関して,1 年次の早期体験実習により医学を学ぶ動機
づけを行い,4 年次には臨床実習に備えて OSCE(Objective Structured Clinical Examination)
で医療診療に必要な技能・態度を,CBT(computer based testing)で医療診療に必要な知識を評価
した後に,5 年次からローテーションしながら臨床実習を行っている。
工学部では,各学科の専門分野の特性に沿って,各種実験実習科目を設定し,教育指導を行ってい
る。
(参照資料)
資料 4.1.6-1 各学部の実験実習科目一覧
(評価)
学部の特性に合わせた実習等が教育方針に基づいて実施されており,適切である。
資料 4.1.6-1 各学部の実験実習科目一覧
教育福祉科学部
学校教育課程
「観察体験実習」
「参加体験実習」
「教育実習Ⅰ・Ⅱ」「介護等体験等」「教育実習の事前・事
後指導」
「障害児教育実習」
「物理学実験」「化学実験」「生物学実験」「地学実験」「理科教育
学実習」
「指揮法実習」
「木材加工実習」
「金属加工実習」
「機械工作実習」
「内燃機関実験・実
習」
「栽培学実習」
「コンピュータハードウエア実習」
「被服構成実習」
「栄養学実験」
「食品学
実験」
情報社会文化課程
「舞踊創作実習」
「創作表現実習」
「空間・立体表現実習」
「音楽基礎実技」
「博物館実習」
「指
揮法実習」
「書道実習」
人間福祉科学課程
「体験実習Ⅰ・Ⅱ」
「レクレーション実技」「キャンプ実習」「スキー実習」
「健康スポーツ現
場実習」
「救急処置法実習」
「被服構成実習」
「衣料学実験」
「基礎環境化学実験」
「環境生物学
22
Ⅲ.教育活動
実習」
「自然地理学実習」
「自然地理学野外実習」
「岩石科学野外実習」
「宇宙科学実習」
「気象
海洋学実験」
「物質科学基礎実験」
「社会福祉援助技術現場実習・精神保健福祉援助実習」
(「教育福祉科学部履修の手引」より)
医学部
医学科
「早期体験実習」
「物理学実験」
「化学実験」
「生物学実験」
「生命科学・病院内実習」
「人体構
造概略実習」
「組織学実習」
「生理学実習」「生化学実習」「病理学実習」「病原体実習」「薬理
学実習」
「免疫・血液実習」
「呼吸器実習」
「消化器実習」
「循環器実習」
「腎・泌尿器実習」
「内
分泌・代謝実習」
「運動器実習」
「皮膚実習」
「神経・筋実習」
「行動・精神・心理実習」
「ライ
フサイクル医学実習」「特殊感覚器頭頸部実習」「治療実習」「周術期医学実習」「社会医学実
習」
「研究室配属実習」
「メディカルインタビュー実習」「身体診察実習」
「臨床実習」
看護学科
「基礎看護学実習」
「成人看護学実習」
「母性看護学実習」「小児看護学実習」「精神看護学実
習」
「老年看護学実習」
「地域看護学実習」「看護学総合実習」「看護過程実習」
(「医学部履修の手引」より)
工学部
機械・エネルギーシステム工学科
「デザイン実習」
「機械工学実習」
「エネルギー工学実験」「機械工作制御実習」
電気電子工学科
「電気電子基礎実験」
「電気電子工学実験」
知能情報システム工学科
「ハードウエア実験」
「計算機システム実験」「知能システム実験」「情報工学特別実習」
応用化学科
「応用化学実験」
福祉環境工学科
「建築材料実験」
「測量学実習」
「人間システム工学実験」「福祉機器実験」
(
「工学部履修案内」より)
4.1.7 情報公開及び周知方法
(現状)
本学の教育課程については,
「大分大学概要」,
「Let’s Challenge」やその他の冊子で広報すると
ともに,ホームページでも公開している。
学生への周知としては,
「履修の手引」による履修案内を中心として,入学時にガイダンスを行い,
また指導教員制に基づく個別の履修指導も行っている。
(評価)
教育課程に関する情報は各種の媒体により公表・周知されており,適切である。
4.2 教育的配慮
4.2.1 単位互換
(現状)
本学は,平成 19 年度までに,県内 5 大学等との間で単位互換に関する協定を結んでおり,それぞ
れの大学等で取得した単位を,審査の上,認定している。平成 20 年度にこれらの協定校で単位を取
得した本学学生は 290 名で,その状況を資料 4.2.1-1 に示す。なお,協定校から本学の科目の履修者
23
Ⅲ.教育活動
は大分県立芸術文化短期大学から 8 名,立命館アジア太平洋大学から 12 名,別府大学から 2 名であ
った。
また,平成 21 年 4 月から日本文理大学と単位互換を開始するため協力協定を締結した。
遠隔講義システムを使用しての講義が受講できればキャンパスの移動,遠距離の問題もクリアでき
受講者も増加し,学習意欲の向上につながる。平成 19 年度後期から大分県立看護科学大学との間で
双方の講義を各1科目遠隔講義で行っているが,平成 20 年度は大分県立看護科学大学から本学の科
目の履修者は 53 名であった。
放送大学とは平成 20 年度に「大分大学と放送大学との間における単位互換モデル構築に向けた研
究プロジェクトの実施に関する覚書」を締結し,工学部の学生(2 学科 181 名)が『技術者倫理』を
受講した。
(参照資料)
資料 4.2.1-1 平成 20 年度単位互換に係る特別聴講学生数
(評価)
5 大学等との協定に基づき,単位互換が実施されていることや遠隔講義が実施されていることから
制度は適切に活用されている。
資料 4.2.1-1 平成 20 年度単位互換に係る特別聴講学生数(本学学生で協定校の科目を受講した数)
学校名
大分県立芸術文化短期大学
立命館アジア太平洋大学
(APU)
放送大学
*技術者倫理(工学部)
大分県立看護科学大学
学期
特別聴講
登録科目数
学生数(人) (科目)
登録単位数
修得単位数
(単位)
(単位)
前期
1
2
4
2
後期
2
4
8
8
前期
1
2
4
4
前期
1
6
12
4
後期
2
4
8
2
後期
181
1
2
2(306)
後期
102
1(102)
2(204)
2(160)
※()内は,遠隔講義にかかる数
4.2.2 高校教育から大学教育への接続(導入教育の実施状況)
(現状)
本学では,高校教育から大学教育への接続を重視した,導入期の教育を必修科目として設定してい
る。
教育福祉科学部では,課程毎に「基礎ゼミ」科目を設定し,各課程の特色のもとで学習スキル等の
習得を中心に教育している。
経済学部では,「基礎演習Ⅰ・Ⅱ」科目を設定し,入学年次において尐人数によるクラス編成を行
い,導入教育を実施している。さらに平成 20 年度からは,文部科学省の質の高い大学教育推進プロ
グラムとして「学問探検ゼミを核とした高大接続教育」事業を実施している。事業内容としては,高
校の教員と生徒,大学の教員と学生という4つの主体全てが参加する形で,高大共同シラバスにもと
24
Ⅲ.教育活動
づき学生生徒が自分たちで探検する学問分野を定め,調べ学習を行う学問探検ゼミを中心としており,
高校生なるほどアイデアコンテスト,キャンパス大使,高大連携シンポジウム等の事業を実施した。
医学部では,
「一般教育概論」
,「健康科学概論」,「早期体験実習」を実施し,学習の動機づけを行っ
ている。
工学部では,学科ごとに導入教育を実施している。機械・エネルギーシステム工学科では,「機械
工学セミナー」,「機械工学基礎・演習」,「エネルギー工学基礎」を,電気電子工学科では,「電気電
子工学入門」を,知能情報システム工学科では,「計算機科学概論」,「計算機科学演習1」,「プログ
ラミング演習1」を,応用化学科では,
「応用化学入門 1・2」を,福祉環境工学科では,「建築総論」
「福祉環境工学総論」科目を設定している。
(評価)
学部・課程・学科の特徴を踏まえた,各種の導入教育が適切に実施されている。
4.2.3 授業時間外の支援
(現状)
学生センターにソーシャルワーカーによる「キャンパスライフなんでも相談室」を設置し,学生を
支援するとともに,全教員は,オフィスアワー(特定した時間には必ず教員が研究室に在室すること)
を定め,学生の相談に対応している。さらに,指導教員制(いわゆる担任制度)によって,コース・
分野・学科・学年単位での指導も行っている。また,学務課(学務係)では不明な点の問い合わせに
常時対応する体制を整えている。各行事等に必要な指導は,学生を集めてガイダンス等を行い,説明
する。
平成 20 年度からは,本学独自の取組として,大学・保護者・地域が連携して不登校傾向にある学
生のもとへ『出かけていく』という「不登校傾向の学生のアウトリーチ型支援」を行っている。この
取組は,独自性や有用性が高く評価され,平成 20 年度「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プ
ログラム」
(学生支援 GP)に採択された。更に,この取組の一環として,学内に「ぴあROOM」を
設置し,学習アドバイザーや学生チューターの協力の下,修学の問題や不安を抱える学生や基礎学力
に不安のある学生に対して相談や個別指導を行っている。また,教員に対しては,各学部教授会に出
向いて,アウトリーチ型支援についてのミニFDを実施している。
(評価)
授業時間外の支援としてオフィスアワー,指導教員制等の制度が整備され,適切に対処されてい
る。
4.2.4 安全教育
(現状)
大学全体として安全マニュアルを「学生生活案内」に掲載し,新入学生に配付し指導している。
医学部では,実習中の事故防止と対処方法を定めており,工学部では独自に安全の手引を作成し,
入学式後のガイダンスにおいて説明し,事故防止に努めている。
(評価)
「学生生活案内」に安全マニュアルを掲載し,また各学部が独自に対応するなど,安全教育は適切
に行われている。
25
Ⅲ.教育活動
4.2.5 編入学生,社会人学生等への教育上の配慮
(現状)
編入学生に対する教育上の配慮として,既修得単位の認定を行うとともに,指導教員が個別に学習
支援等を行っている。工学部においては編入学生に対する卒業研究着手条件を学科別に定めている。
また,社会人学生等への教育上の配慮として,再チャレンジプログラムを設け,該当者には授業料
免除等の配慮を行っている。
(参照資料)
資料 4.2.5-1 再チャレンジプログラム内容
(評価)
再チャレンジプログラム内容を検証し改善したことにより,編入学生や社会人学生に対する配慮を
充実させた。
資料 4.2.5-1 再チャレンジプログラム内容
研究科名
プログラム名
概要
教育福祉科学部 現職教員等のス
本プログラムは,子育て中の母親やリタイアした女性社会人の「学び
キルアップ支援
直し」の機会を提供するため,社会人特別選抜の実施,授業料減免の
プログラム
実施など受入体制を整備することにより,女性・社会人の「学び直し」
を支援する。
経済学部
社会人学部学生
従来から社会人選抜等を進めてきたが,再チャレンジ支援として社会
に向けた職業能
人に向けた教育プログラムの拡充及び授業料減免などを行っている。
力を高める教育
これをさらに充実させるため,高校教育との間にブランクのある社会
プログラム
人学生から職業能力に関わる資格として求められ,同時に学部教育の
基礎となる教育内容についての整備・拡充を行う。
4.3 教育方法等
4.3.1 履修指導
(現状)
授業選択の指導は,「履修の手引」や「シラバス」による履修案内を編纂し,入学時にガイダンス
を行っている。また,指導教員制に基づく個別の履修指導を行っている。
(評価)
履修規程等は整備されており,授業選択の指導を行うなど,適切な対応がなされている。
4.3.2 成績評価方法
(現状)
各教員は,受け持ち科目の成績評価基準を作成し,シラバスや講義等で学生に明確に周知するよう
努めている。成績を複数の評価項目によって評価する場合(例えば,試験,レポート,平常点)は,
その割合を明示することとしている。平成 20 年度におけるシラバスへの複数の評価項目での割合の
記載状況を資料 4.3.2-1 に示す。
26
Ⅲ.教育活動
学部での成績は,原則 6 段階(S,A,B,C は合格,D,F は不合格)の評価で,資料 4.3.2-2 に示すとお
りである。
教育福祉科学部及び工学部では,成績の指標としての GPA(累積成績指標値制度)を導入している。
評価点は,両学部とも S=5 点,A=4 点,B=3 点,C=2 点,D=1 点,F=0 点で,学期成績表に学期成績指標値や
累積成績指標値を記載している。
工学部では,学期成績指標値が 3 学期間連続して 2.0 未満の学生又は連続する 2 学期間の修得単位
が 18 単位以下の場合の者(卒業研究着手者は除く)に対して進路変更を勧告する制度を導入してい
る。
また,中期計画の中で,適切な成績評価等の実施に関する具体的方策として,医学部では国家試験
受験資格認定のための総括評価を,工学部では JABEE 対応学科を中心に卒業認定のための総括的評価
を行った。
さらに,成績評価のための課題レポート及び定期試験等の解説や,模範回答例の公表を全学部で
試行的に実施した。特に医学部では平成 20 年度学期末試験の解説等公表については 100%であった。
(参照資料)
資料 4.3.2-1 シラバスへの複数評価項目での評価割合の記載状況(平成 20 年度)
資料 4.3.2-2 成績評価の方法
(評価)
各学部とも 6 段階評価を実施するなど,成績評価の適正化に努めており適切に行われている。
資料 4.3.2-1 シラバスへの複数評価項目での評価割合の記載状況(平成 20 年度)
複数評価項目での評価割合の記載
あり
科目数
なし
%
科目数
その他
%
科目数
合計
%
科目数
教育福祉科学部
934
98
12
1
3
1
949
経済学部
169
99
2
1
0
0
171
医学部
91
56
47
29
25
15
163
工学部
354
73
132
27
1
0
487
1,548
87
193
11
29
2
1,770
合計
※ 「その他」:講師未定などの理由により評価方法が明記できないもの
(各学部学務係及び学務課で集計)
資料 4.3.2-2 成績評価の方法
学部
成績評価の方法
GPA(累積成績指標値制度)
学期成績指標値及び累積成績指標
教育福祉科学部
6 段階評価(S,A,B,C,D,F)
経済学部
同上
なし
医学部
同上
なし
工学部
同上
値を導入
学期成績指標値及び累積成績指標
値を導入
(出典:各学部履修規程等)
27
Ⅲ.教育活動
4.3.3 成績の確認
(現状)
各学部は,資料 4.3.3-1 に示すように,毎年保護者及び学生に成績を通知している。成績に関する
苦情への対応も資料 4.3.3-1 のとおり実施している。
(参照資料)
資料 4.3.3-1 成績の通知及び苦情処理法
(評価)
成績は毎年保護者及び学生に通知し,成績に関する苦情に組織的に対応しており,成績の確認は適
切に行われている。
資料 4.3.3-1 成績の通知及び苦情処理法
学生への成績
通知
苦情処理法
教育福祉科学部
経済学部
医学部
工学部
保護者へは,年 1 回
5 月に郵送
学 生へ は学 期の 始
め に指 導教 員か ら
配付
保護者へは,年 1 回
3 月に郵送
学生へは年 2 回,次
学 期の ガイ ダン ス
時に配付
保護者へは,留年者
のみ通知(進級判定
の都度)
学 部内 のパ ソコ ン
より本人が閲覧
保護者へは,年 1 回
5 月に郵送
学 内 のパ ソコ ンよ
り本人が確認
苦情がある場合は,
苦 情は 文書 での 提 苦 情は 文書 での 提 苦情がある場合は,
申し出。学務係で受
出。学務係で受付, 出。学務係で受付, 学務課で対応し,教
付,教員と協議して
教員と協議する
教員と協議する
員と協議する
いる
(各学部学務係へのヒアリングにより作成)
4.3.4 留年防止への取組
(現状)
留年を防止するために,各学部は資料 4.3.4-1 に示す取組を行っている。平成 20 年度からは,「不
登校傾向の学生へのアウトリーチ型支援」を行い,さらに,この取組の一環として学内に「ぴあRO
OM」を設置し,就学の問題や不安を抱える学生や基礎学力に不安のある学生に対して相談や個別指
導を行っている。(4.2.3 を参照)
(参照資料)
資料 4.3.4-1 留年防止への取組
(評価)
全学的に,また各学部でもきめ細かな指導を行っており,適切である。
資料 4.3.4-1 留年防止への取組
学部
全学
教育福祉科学部
取組
・ソーシャルワーカーによる何でも相談「キャンパスライフなんでも相談室」
の開設
・前・後期の成績表配付時に指導教員から直接学生に修学指導を行う。
28
Ⅲ.教育活動
・年間取得単位が 25 単位未満の学生の保護者に文書を送付する。
・成績表を学生に配付し,履修届未提出者及び修得単位が前年度 20 単位未
経済学部
満の学生に対して教務委員と学生生活委員で修学指導を行う。
・成績表を学生の保護者に送付している。
・英語の補習授業を実施している
医学部
・学生数が尐人数のため指導教員制度(チュ-タ-)できめ細かな修学指導
を行っている。
・前・後期に成績表を配付し,年間取得単位数の尐ない学生には各学科の指
導教員から直接修学指導を行う。
工学部
・成績不振の学生の保護者に文書を送付し,毎年 6 月の後援会総会にて指導
教員,保護者,学生の 3 者面談を実施している。
・英語の補習授業を行っている。
4.3.5 学習者の意欲向上対策
(現状)
本学では,学生の学習・研究活動,課外活動に対する意欲を喚起し,社会貢献等に積極的に取り組
む姿勢を育むため,学生表彰規程を整備し,平成 18 年度から表彰を行い,平成 20 年度は,学業成績
で 9 名の表彰を行った。
平成 20 年度からは「不登校傾向の学生へのアウトリーチ型支援」を行い,さらに,この取組の一
環として学内に「ぴあROOM」を設置し,就学の問題や不安を抱える学生や基礎学力に不安のある
学生に対して相談や個別指導を行っている。(4.2.3 を参照)
また,経済学部において学術研究奨励の目的で学生懸賞論文を募集し,優秀な論文を表彰するとと
もに,学生懸賞論文集を発刊している。平成 20 年度は 37 編の応募があり,学生懸賞論文集を発刊し
た。
(評価)
全学的な学生表彰制度や経済学部での学生懸賞論文表彰制度を取り入れ,学習者の意欲向上を図っ
ており,適切である。
4.4 教育活動改善の取組
4.4.1 教育活動の自己評価実施体制
(現状)
教育活動の自己評価実施体制については,全学的規程及び組織を整備している。また,各学部では
教育評価に関わる委員会を設けて,教育活動の在り方をはじめとしてカリキュラム,授業活動等の点
検・評価に取り組んでいる。全学及び学部の評価実施体制等を資料 4.4.1-1,4.4.1-2 に示す。
学生による授業評価は,全学的に行っている。教務部門会議と連携して高等教育開発センターは,
教養教育科目・専門科目について学期毎に実施している。
(参照資料)
資料 4.4.1-1 全学的な評価実施体制
資料 4.4.1-2 各学部等における評価実施体制等
29
Ⅲ.教育活動
資料 4.4.1-1 全学的な評価実施体制
国立大学法人大分大学法人規則
国立大学法人大分大学理事室規程
法人評価
総務企画室評価部門会議
【理事室及び部門会議規程】
職員評価
国立大学法人大分大学点検評価規程
国立大学法人大分大学評価委員会
【評価委員会規程】
評価情報分析室
学部の点検評価に
関する委員会
自己評価専門委員
会
自己評価
認証評価専門委員
会
認証評価
資料 4.4.1-2 各学部等における評価実施体制等
学部等
教育福祉科学部
評価体制
自己評価委員会
経済学部及び大学院経
経済学部
済学研究科自己評価委
員会
医学部
工学部
高等教育開発セ
ンター
医学部評価委員会
評価内容
カリキュラム・授業活動等について点検及び評価
教育研究活動等の自己点検及び自己評価の実施に関
し,基本的事項の策定及び点検・評価のとりまとめ
附属病院を除く医学部及び大学院医学系研究科にお
ける点検評価の実施
工学部自己点検及び評 教育研究活動等の自己点検及び自己評価の実施に関
価委員会
FD・授業評価部門
し,基本的事項の策定,点検・評価の取りまとめ
教養教育科目・専門科目について学生による授業評
価の実施とまとめ
(出典:各学部評価委員会等の規定)
(評価)
全学的な評価体制が整備されているほか,各学部でも当該の委員会等を設けて点検・評価に取り組
んでおり,教育活動の評価実施体制は適切に整備されている。
4.4.2 外部組織による評価
(現状)
平成 20 年度に,
「国立大学法人大分大学の中期目標期間に係る業務の実績に関する評価」を独立行
政法人大学評価・学位授与機構から受けた。これは平成 16 年度から平成 19 年度の 4 年間の本学の教
育・研究関係の実績報告書をもとに独立行政法人大学評価・学位授与機構が評価したものである。
30
Ⅲ.教育活動
(評価)
国立大学法人法に基づく業務の実績に関する評価の中で,適切に実施されている。
4.4.3 カリキュラムの検討と改善
(現状)
全学及び各学部は,カリキュラムの検討と改善に関して規程を定め,資料 4.4.3-1 に示す体制とし
ている。平成 20 年 4 月発足した全学教育機構を中心に教務部門会議及び各学部の関連委員会で取組
が進められている。
キャリア形成に関する支援教育として,全学共通科目の「職業意識啓発科目」に「職業とキャリア
開発」,「キャリアデザイン入門」を開講する他,各学部においてインターンシップを導入するなど,
カリキュラム等の工夫・改善を行っている。
国際化教育に関して,異文化理解力や国際的コミュニケーション能力の向上のため,教養教育の全
学共通科目に「国際理解」のコアの設定,ゼミナール科目に「国際理解教育ゼミナール科目」の新規
設定(平成20年度より8科目開講),TOEIC試験の全学的な実施などを行っている。専門教育において
も,各学部で様々な取組を実施している。
また,県内の公立大学及び国立高等専門学校と単位互換等の教育面を含む協力協定を締結し,大分
県立看護科学大学とは,平成19年度から遠隔授業科目を相互に配信するとともに,平成20年度には,
大分県立看護科学大学で,大分大学の作成・発信コンテンツを活用したVOD授業を実施している。
シラバスの作成にあたっては,教員と学生による合同研修会「きっちょむフォーラム」において学
生の意見を取り入れている。例えば,「教養教育科目ガイドブック」(教養教育のシラバス)につい
て,曜日・時間順に並べ替えて講義選択を行いやすくするなど改善を図っている。その結果,毎学期
行っている「授業改善のためのアンケート調査-学生による授業調査-」では3分の2の学生が「シラ
バスの記述が授業選択に有効であった」と回答している。
自主学習への配慮として,e-LearningシステムによるTOEIC対応英語学習システムを導入し,全学
生がインターネット経由で場所を問わずに24時間自習することを可能としている。この他,前述のVOD
による講義のインターネット配信や,WebClassによる講義も増やしている。多様なメディアを活用し
て,教養教育を中心とした授業を,高等教育開発センター「グローバル・キャンパス」として公開し,
「大分大学の人と学問」及び「アカデミックスキル(調査法入門)」等の19科目約100タイトルを設
けている。平成19年度にはLMSのバージョンアップ(WebCtからWebClassへ)を行い, WebClass等
e-Learningを取り入れた授業は,平成16年度の16科目から平成20年度には150科目に増加した。
自主学習の場を確保するため,各学部に自習室を設置するとともに,図書館(旦野原地区)及び医
学図書館(挾間地区)の夜間利用や,実習室の時間外パソコン利用を可能としている。
入学者の履歴の多様化に対応して,大学での基礎学力充実のため,必修科目に導入教育を設定して
いる他,各学部で補修授業や習熟度別クラス編成を実施し,学生の学力に対応した学習指導を行って
いる。
(参照資料)
資料 4.4.3-1 カリキュラム検討体制等
(評価)
教養教育及び専門教育においてカリキュラム検討体制が整備され,各種の課題について組織的・恒
常的に検討され,改善が適切に行われている。
31
Ⅲ.教育活動
資料 4.4.3-1 カリキュラム検討体制等
学部
教養教育
教育福祉科学部
経済学部
医学部
工学部
体制及び活動状況
教務部門会議・全学教育機構
「教育改革の課題と方策」をもとに,教養教育科目の再編を行った。この結果
は平成 21 年度から実施予定である。
カリキュラム検討委員会
H19 年度に,拡大カリキュラム検討委員会を設置し,学校教育課程のカリキ
ュラム改革の具体化について検討を行い,中間報告を行った。
教育システム委員会
H15,16 年度にカリキュラムを検討し,H17 年度生より新カリキュラムを適用
している。H19 年度に一部見直しを行い,H20 年度より実施している。
医学科は医学教育センター及び各部会等で検討を行った。
看護学科は,保健師助産師看護師学校養成所指定規則等の一部改正に伴い,教
務委員会及び看護教育部会においてカリキュラム改正を検討し,所要の改正を
行った。
教務委員会及び各学科
専門基礎科目の数学,物理について習熟度別クラス編成をとることとした。
4.4.4 授業評価(学部)
(現状)
高等教育開発センターが中心となり,全学的に学生による「授業改善のためのアンケート」(授業
評価)を実施している。また,その結果に対する「教員による自己点検レポート」も作成し,公表し
ている。
学生による授業改善のためのアンケートは,調査対象科目及び設問項目を定め,各学期末に調査対
象科目の受講生に対して実施する。回収されたアンケートは集計・分析作業を経て,報告書として公
表している。また,高等教育開発センターは,平成 14 年度から平成 20 年度までの調査結果を分析し,
公表するとともに,FD 活動等に活用している。
教員による自己点検レポートは,学生による授業改善のためのアンケートの調査対象科目の担当教
員が,アンケートの結果に基づき自己点検を行い,教員による自己点検レポート集としてまとめ・公
表している。
(参照資料)
資料 4.4.4-1 学生による授業改善のためのアンケート及び教員による自己点検レポート集の概要
(評価)
学生による授業改善のためのアンケート(授業評価)と教員の自己点検評価が全学的に実施されて
おり,適切な授業評価がなされている。
資料 4.4.4-1 学生による授業改善のためのアンケート及び教員による自己点検レポート集の概要
平成 20 年度
学生による授業評価
教員による自己点検レポート集
対象授業科目数
アンケート回答数
対象教員数
回答教員数
前期
336
11,558
274
56
後期
324
9,945
138
27
(出典:
「平成 20 年度授業改善のためのアンケート調査結果報告書」,
「平成 20 年度教員によ
る自己点検レポート集」
32
Ⅲ.教育活動
4.4.5.学生と教員との意見交流
(現状)
旦野原キャンパスにおいては,「学生と教員の意見交換会」を長年実施しており,平成 20 年度も,
教務部門会議及び学生支援部門会議,学生団体が共催し,大学教育,学部教育,学生生活等に関して
2 部構成で意見交換を行った。
挾間キャンパスでも,学生生活委員等と学生団体等の共催で同様に実施した。
(評価)
両キャンパスで学生と教員の意見交換会を実施しており,学生との適切な意見交流がなされている。
4.4.6 FD 活動(学部)
(現状)
教務部門会議で,本学教員(大学院担当教員も含む)は,3年に1度,ファカルティ・ディベロップ
メント(FD)に関する研修会・講習会等に参加するという基本方針を策定している。これを受け,高
等教育開発センター(FD・授業評価部門)は,学内合同研修会「きっちょむフォーラム」をはじめと
して,授業公開ワークショップ,WebClass 利用講習会,授業記録装置講習会等,授業改善に向けた
様々な事業を実施している。また,各学部においても,それぞれが独自に研修会,講演会,ワークシ
ョップ等を実施している。
(参照資料)
資料 4.4.6-1 平成 20 年度 FD 活動実施状況
(評価)
高等教育開発センターが毎年度 FD 研修会・講演会等を企画・立案し,全学的に実施しており,ま
た,一部は学部独自でも実施しており,適切である。
資料 4.4.6-1 平成 20 年度 FD 活動実施状況
実施部局
高等教育開発
センター
講演会名等
(学部・大学院合同)
FD 講習会「WebClass 利用者講習会」
大分大学ティーチングカフェ
オンライン授業公開・授業検討会
e ラーニングに関する研究会
きっちょむフォーラム 2008(学内合同研修会)
・第 1 部「教育課題・教育実践検討会」
・第 2 部「学生教職員教育改善シンポジウム」
相互授業参観・授業検討会
講演会「FD と e ラーニングに関する講演」
(大学院)
講演会「大阪大学大学院における教育改革」
講演会「学生とのよりよい関係を目指して」
33
延べ参加者数
8人
18 人
7人
16 人
43 人
22 人
21 人
27 人
31 人
55 人
基礎演習のためのFDワークショップ
Rcap(適性検査)報告会
経済学部
高大連携と入試動向に関する講演会
危機管理講演会・ワークショップ
第 10 回挾間キャンパス心肺蘇生処置(CPR)+AED 講習会
医学部医学科臨床実習討論会
医学部医学科臨床実習討論会
医学部附属
第5回大分漢方医学指導者養成講座
医学教育セン
第6回大分漢方医学指導者養成講座
ター
OSCE評価者講習会
Advanced OSCE 評価者講習会
第3回大分県医師臨床研修指導医講習会
第4回大分県医師臨床研修指導医講習会
工学部(知の
メディア教育研修会
創造プロジェ
ソフトウエア産業活性化プラン-ソフトウエア産業を再構
クト主催)
築し,世界レベルの産業を育てる-
(出典:平成 20 年度高等教育開発センター報告書)
Ⅲ.教育活動
25 人
10 人
60 人
10 人
23 人
49 人
34 人
16 人
15 人
47 人
36 人
49 人
52 人
30 人
13 人
4.4.7 教育支援機器の整備及び活用状況
4.4.7.a 視聴覚機器
(現状)
各学部等においてスクリーン等に画像出力可能な講義室数及び PC 設置数は,資料 4.4.7.a-1 に示
すとおりである。
(参照資料)
資料 4.4.7.a-1 スクリーン等に画像出力可能な講義室数及び PC 設置数
(評価)
講義室における視聴覚機器の整備は,各学部とも適切に進められている。
資料 4.4.7.a-1 スクリーン等に画像出力可能な講義室数及び PC 設置数
学部等
教養教育
教育福祉科学部
経済学部
医学部
工学部
高等教育開発センター
設置状況
全室で VHS・DVD・資料提示装置(OHP,PC 接続含む)の投影可,LL 教室1
スクリーン全室完備,プロジェクター11 室,テレビ 5 室,ビデオ/DVD 全
室完備,資料提示装置 4 室
全 16 教室
プロジェクター6 台,教材提示装置 6 台,ビデオ 18 台,DVD10 台,MD5 台,
PC6 教室
全室スクリーンを完備し,TV モニターは 3 教室を除く全室,プロジェクタ
ー8 台,臨床大講義室に PC110 台
OHP14 台,教材提示装置 2 室,プロジェクター18 台,ビデオ 8 台,PC53 台
2 室(内 1 室は TA サポート有り)
電子ホワイトボードシステム(各部局への配備台数 各学部(教・経・医・
工)2 台・高等教育開発センター3 台 計 11 台)
34
Ⅲ.教育活動
4.4.7.b 情報処理機器
(現状)
学術情報拠点情報基盤センター管理の教室は,資料 4.4.7.b-1,2 のように整備されている。授業利
用度は資料 4.4.7.b-1 のとおりである。
(参照資料)
資料 4.4.7.b-1
資料 4.4.7.b-2
学術情報拠点情報基盤センター所管の教室特性
その他の提供システム
(評価)
各実習室における情報処理機器の整備は適切に進められている。
資料 4.4.7.b-1 学術情報拠点情報基盤センター所管の教室特性
学部等
室
A
端末数(台)
教員用
学生用
1
80
附属ソフト例(一般用の
ソフトを除く)
OS/特徴
情報基盤センター 1F(第
1 実習室) 70 台【Windows XP
一斉授業支援システム
Professional SP2】
ト
( ネ ッ ト ワー ク プ リン タ
CAD ソフト(AutoCAD 2007)
【IPSIO NX660S】 2 台)
情報基盤センター 1F(第
2 実習室) 10 台
( ネ ッ ト ワー ク プ リン タ
【IPSIO SP6110】 1 台)
情報基盤セ
ンター
授業利用科目数
20 年度
19 年度
マルチメディアヘッドセッ
WWW ブラウザ(Firefox)
J2SE
1.4.2_11SDK
with
29
36
20
22
27
29
教育福
祉科学
部工事
の為,使
用停止
25
21
6
NetBeans 5.0 IDE Bundle
(Java 開発環境)
Eclipse SDK 3.2(Java 統
合開発環境)
一斉授業支援システム
情報基盤センター 2F(第
3 実習室) 60 台【Windows XP
B
1
60
Professional SP2】
( ネ ッ ト ワー ク プ リン タ
【IPSIO NX660S】 2 台)
教養教育・
LL 教室
F
1
74
マルチメディア授業支援シ
ス テ ム 【 Windows XP
Professional SP2】
化学構造式作画ソフト
(ChemDraw Std 10.0 教育
用)J2SE 1.4.2_11SDK with
NetBeans 5.0 IDE Bundle
(Java 開発環境)
Eclipse SDK 3.2(Java 統
合開発環境)
ヘッドセット
統 合 ソ フ ト ( Microsoft
Office
Professional
Edition 2003)
WWW ブラウザ(Firefox)
一斉授業支援システム
マルチメディアヘッドセッ
情報システム室(1)
台【Linux】
C
1
32
教育福祉科
学部
32
ト
(Java 開発環境)
【 Windows XP Professional
(Java 統合開発環境)
SP2】
C コ ン パ イ ラ , Xorg
X11R6.8.2(X サ ー バ ) ,
( ネ ッ ト ワー ク プ リン タ
【IPSIO NX660S】 2 台)
GNOME-2.4(デスクトップ環
境)
KDE-3.2( デ ス ク ト ッ プ 環
境),GTK+-2.4(GUI ツール
キット),Gimp 2.0
20
D
1
※別に,
システム
C を 28 台
移設して
運用
情報システム室(2)
20 台
J2SE
1.4.2_11SDK
with
【 Windows XP Professional
NetBeans 5.0 IDE Bundle
SP2】
(ネットワークプリンタ
【IPSIO NX660S】 2 台)
(Java 開発環境)
Eclipse SDK 3.2(Java 統
合開発環境)
35
Ⅲ.教育活動
情報処理第 1 実習室
経済学部
医学部
情報基盤セ
ンター
E
1
50
50 台
統計解析パッケージ(SPSS
Base
+ 4
オ プ シ ョ
【 Windows XP Professional
ン
SP2】
(ネットワークプリンタ
【IPSIO NX660S】 2 台)
Statistics ,
Advanced Statistics
Trends , Tables)
:Professional
20
41
MS Office
22
22
Win50 台/情報リテラシー教育,
,
G
0
50
H
0
36
Win36 台/自己学習支援
MS Office, SPSS
0
0
0
Win/教職員の研究・授業支援。
大判プリンタ(B0 ノビ)
,画像
入 力 ・ Web 配 信 用 シ ス テ ム
(Video On Demand システム)
Ace Design ,MS Office,
Adobe Photoshop,
Adobe Illustrator ,
Adobe Premiere
0
0
X
3
自己学習支援
資料 4.4.7.b-2 その他の提供システム
名称
概要
登録数
ALC Net Academy
オンライン英語学習システム
10,421
WebClass
オンライン上で授業を構築するシステム
教員+学生
10,421 人/150 コース
4.4.7.c SCS の活用
(現状)
本学は,大学・研究機関の間で通信衛星を利用して映像・音声による双方向通信を可能にする大学
間ネットワークシステム(SCS:スペース・コラボレーション・システム)を整備し,平成 20 年度に
おいては,2 テーマ『e ラーニング運用実践セミナー』,
『SCS 障害者セミナー「発達障害の学生への支
援」について』に参加した。
なお,SCS システムは,本システムを主管していた独立行政法人が廃止されたことにより,平成 21
年 3 月をもって終了した。
(評価)
SCS は適切に活用された。
4.5 教育効果
4.5.1 進級(留年)
,休学,退学者
(現状)
平成 20 年度における所属別及び学年別の留年,退学,休学者数は,資料 4.5.1-1,2 に示すとおり
である。
全学的にはソーシャルワーカーによる「キャンパスライフなんでも相談室」で相談体制を整えてい
る。更に平成 20 年度からは「不登校傾向の学生へのアウトリーチ型支援」を行い,この取組の一環
として,学内に「ぴあROOM」を設置し,就学の問題や不安を抱える学生や基礎学力に不安のある
学生に対して相談や個別指導を行っている。(4.2.3 を参照)
各学部では,休退学等の理由を解析して,早期において問題点を発見するために,学期ごとに保護
者及び学生に成績を通知し,指導教員や教務・学生生活委員等からきめ細かな修学指導を行っている。
さらに,学部毎に英語,数学及び物理の補習授業を行っている。
休学者数は,大学全体では,総数が 156 名から 147 名へと減尐した。部局別では,経済学部及び工
36
Ⅲ.教育活動
学部では減尐し,教育福祉科学部と医学部は増加した。
また,退学者数は,総数が 90 名から 66 名へと減尐した。部局別では,教育福祉科学部と経済学部
及び工学部では減尐し,医学部は増加した。
(参照資料)
資料 4.5.1-1 所属別の退学・休学・留年者数
資料 4.5.1-2 学年別の退学・休学・留年者数
(評価)
学部ごとにきめ細かな指導体制をとっているが,さらに対応策を検討する必要がある。今年度の退
学者,休学者については,全体としては減尐している。
資料 4.5.1-1 所属別の退学・休学・留年者数
教育福祉科学部
在籍者数
(人)
経済学部
医学部
工学部
合計
1094
1404
854
1715
5067
退学者
14
12
5
35
66
休学者
26
34
35
52
147
留年者数
31
76
38
104
249
※在籍者数は平成 21.3.1 現在である。
※退学者には,除籍者を含まない。
資料 4.5.1-2 学年別の退学・休学・留年者数
区分
第1学年
第2学年
(人)
第3学年
第4学年
退学者数
5
9
8
44
休学者数
4
20
24
87
留年者数
※退学者には,除籍者は含まれない。
220
第5学年
5
第6学年
7
29
4.5.2 卒業生の進路
(現状)
平成 20 年度学部卒業者数は 1,142 名であり,そのうち進学者は 196 名,就職者 838 名,その他 108
名となっている。就職率アップ及び雇用のミスマッチ解消を図るため,専門のキャリアカウンセラー
による「キャリア相談」の充実を図り,延べ 657 名に対して相談を実施した。また,合同企業説明会
を 2 日間開催し,延べ 100 社以上の企業,280 名以上の学生が参加した。その結果,平成 20 年度後半
からの世界的な景気後退に伴う就職環境の変化があったものの,就職率は前年の 95.1%から 95.6%
に向上した。
(参照資料)
資料 4.5.2-1 卒業生の進路
(評価)
卒業生は,所属する専門領域の特性に応じて,進路を適切に選択している。また,
「キャリア相談」
の充実が図られ就職率も向上した。
37
Ⅲ.教育活動
資料 4.5.2-1 卒業生の進路
区
分
教育福祉科学部
経済学部
医学部
工学部
合計
卒業者
進学者
266
31
336
12
168
1
372
152
1,142
196
その他
就職者
36
199
45
279
12
155
15
205
108
838
86.5
97.9
100
99.0
95.6
4
15
19
31
3
28
19
29
96
5
40
4
11
141
8
88
31
60
金融・保険業
13
102
不動産・物品賃貸業
2
7
学術・専門技術等
10
宿泊・飲食サービス業
5
5
(注)
生活関連・娯楽業
7
9
教育・学習支援業
64
2
医療・福祉
16
4
複合サービス業
9
5
サービス業
6
3
公務
13
18
その他
2
(注)就職率は,就職希望者数に対する就職者の割合による
(注)就職者の内訳は,産業分類大分類の区分による
3
8
3
2
1
1
3
118
17
13
12
17
67
178
14
14
39
2
就職率(%)
(注)
農業・林業
漁業
鉱業・採石砂利採取業
建設業
製造業
14
電気・ガス・熱・水道業
就
職
者
の
内
訳
情報通信業
運輸・郵便業
卸売・小売業
20
8
20
155
5
8
4.5.3 国家試験の合格状況
(現状)
平成 20 年度の本学卒業生の国家試験の合格率を資料 4.5.3-1 に示す。国家試験の合格率はおおむ
ね良好であるが,既卒者の合格率が新卒者に比べて低い傾向にあり,既卒者に対する支援として,医
学部では学内メールアドレス及び附属図書館医学分館利用の継続利用申請,国家試験模試の案内(指
導教員より)及び国家試験受験申請手続き,学内で実施する国家試験対策講義の案内を行った。
(参照資料)
資料 4.5.3-1 国家試験の合格率
(評価)
国家試験の合格率を高位に保つのは教育機関の使命であり,全国平均に比しておおむね達成されて
いるが,一層の改善を図る必要がある。
38
Ⅲ.教育活動
資料 4.5.3-1 国家試験の合格率
資
格
合格者数
( )は既卒者内数
受験者数
医師
95(3)
109(7)
看護師
55(0)
保健師
社会福祉士
精神保健福祉士
合格率(%)
全国平均(%)
87.2(42.9)
91.0(54.3)
56(0)
98.2(
0)
89.9(47.4)
71(6)
72(6)
98.6( 100)
97.7(85.4)
26(0)
33(0)
78.8(
0)
-
2(0)
3(0)
66.7(
0)
-
4.5.4 教員免許の取得状況
(現状)
教育福祉科学部・経済学部・工学部における平成 20 年度教員免許状取得状況は,資料 4.5.4-1 の
とおりである。
教育福祉科学部の教科教育コースでは,小学校免許と中学校免許の取得を義務付けており,加えて
高等学校免許の取得についても積極的であることから学生1人当たりの平均免許取得数は,2.74 と高
い。
(参照資料)
資料 4.5.4-1 平成 20 年度教員免許状取得状況
(評価)
卒業生数に比して,教員免許の取得状況は良好である。
(希望申請である経済学部,工学部を除く)
資料 4.5.4-1 平成 20 年度教員免許状取得状況
学部
卒業生数
教育福祉
111 名
科学部
(教員養成系のみ)
経済学部
工学部
免許状の種類
免許取得者数
小学校免許状一種
93
小学校免許状二種
15
中学校免許状一種
74
中学校免許状二種
7
高等学校免許状一種
59
特別支援学校免許状一種
18
特別支援学校免許状二種
10
幼稚園免許状一種
28
幼稚園免許状二種
3
高等学校免許状一種
10
高等学校免許状一種(工業)
17
高等学校免許状一種(情報)
5
4.5.5 各種資格取得状況
(現状)
教育支援課が主催し大学生協が実施母体となり TOEIC-IP テストを実施している。TOEIC-IP テス
トは平成 20 年度に3回実施し,601 名の学生が参加した。また経済学部では,簿記検定対策講座を実
施している。
39
Ⅲ.教育活動
(評価)
学生の資格取得支援体制は必ずしも十分でなく,今後も支援体制を一層強化する必要がある。
4.5.6 卒業生及び社会人による評価
(現状)
教育福祉科学部は,
「大分県教育委員会・大分大学教育福祉科学部連携推進協議会(年1回開催)」
を開催して,卒業生に対する評価・意見を聴取している。また,大学院を修了した現職教員と在学す
る現職教員との意見交換会を 4 月当初開催し,意見を聴取している。具体的な意見として,
「引き続
き資質の高い教員養成と大分県教育界への貢献を行ってほしい」
,
「大学院で学ぶ機会があったことに
より,自身のスキルアップに繋がり,教育に生かすことができた。」との評価を得ている。
経済学部は,同窓会である四極会との定期的な意見交換会や経済同友会をはじめとする県内産業界
からの意見聴取を実施している。
医学部では,看護ユニフィケーション・システム推進委員会が卒業生の評価を把握している。
(評価)
協議会や同窓会からの聴取などで卒業生及び社会人による評価を受け各学部の教育改善に役立て
いるが,調査項目の充実等により,外部評価の精度を高める必要がある。
5. 留学生の交流推進
留学生に関しては,本節で学部・大学院を一括して扱う。
5.1 留学生の受入と派遣体制
(現状)
外国人留学生の受入及び日本人学生の海外派遣留学を実施・促進するため,国際教育研究センター
及び研究・社会連携部国際交流課を設置している。平成 20 年 5 月 1 日現在,国際教育研究センター
の専任教員数は 7 人,国際交流課の職員数は 8 人(非常勤職員 3 人を含む)である。留学生の交流を
促進するため,各国の大学・機関と国際交流協定を締結している。平成 20 年度までの協定締結数は
53 である。
外国人留学生を支援するためチューターを 57 名(平成 20 年 5 月 1 日現在)配置し,日本での日常
生活や日本語及び授業科目に係る学習指導・補助を行っている。また,本学は,外国人留学生に対す
る環境整備等のために特別事業費(留学生支援事業)を設け,学習支援を行っている。
さらに,浄財によって設立された大分大学国際交流・学術振興基金があり,平成 20 年度は総額 1,220
万円の経費のうち,約 4 割を留学生の受入事業,学生の海外派遣事業に使用している(資料 5.1-1 参
照)。基金は取り崩しながら運用されているため,財源確保の方策について検討を開始した。また,
医学部には別途の国際交流基金があり,平成 20 年度の予算は 273 万円で,その使途は,協定校から
の研究者の受入,協定校への学生引率及び留学生支援一時金等であった。
その他に,外国人留学生を物心両面から支援する組織として,大分大学外国人留学生友の会があり,
学生教育研究災害傷害保険加入,緊急時の貸付,私費留学生に対する教材費及び宿舎費補助等を行っ
ている。
また,学生交流に対して,大分大学国際交流・学術振興基金からの奨学制度を適用しており,年間
予算範囲内で,受入学生に 2 万円/月,派遣学生に 5 万円/月を支援している(資料 5.1-1
事業名:
「留学生の受入」)
。
なお,平成 20 年 10 月に発生した世界的な金融危機に伴う円の急騰により,本学に在籍する外国人
40
Ⅲ.教育活動
留学生のうち,特に私費留学生は大きな影響を被って学業の継続が困難となっている事例があったこ
とから,経済状況の厳しい私費留学生 39 名(うち医学部 3 名)に対して国際交流・学術振興基金及
び医学部国際交流基金から緊急支援のための一時金 10 万円を支給した。
(参照資料)
資料 5.1-1 基金の支出状況(執行額)
(評価)
留学生の受入体制と派遣体制が組織的に整備されており,適切である。今後,基金の拡大を図ると
ともに予算の重点化などを検討する必要がある。
資料 5.1-1 基金の支出状況(執行額)
事業名
(金額単位:万円)
16 年度
17 年度
18 年度
19 年度
20 年度
件数
金額
件数
金額
件数
金額
件数
8
210
7
210
8
210
9
11
228
12
228
12
228
12
228
12
228
研究者等の海外派遣
6
62
3
17
5
100
7
88
7
85
外国人研究者等の招聘
3
90
1
44
2
90
1
11
2
90
国際研究集会等の開催
1
20
0
0
0
0
1
10
0
0
その他国際交流
4
158
5
186
3
170
5
183
4
162
学術に関する研究の推進
2
20
0
0
0
0
2
70
2
17
地域社会との学術交流
1
40
3
78
3
82
3
63
2
68
その他の学術振興
1
22
0
0
0
0
0
0
0
0
36
360
73
1220
学生の海外派遣
留学生の受入
金額
件数
210
8
留学生緊急支援一時金
合計
37
850
31
763
33
880
40
863
金額
210
5.2 外国人留学生の受入及び派遣数
(現状)
平成 20 年度の外国人留学生受入数は,大学全体で 154 人(平成 20 年 5 月 1 日現在。研究生及び特
別聴講学生を含む。
)であり,このうち学部配置は 87 人で,前年度比で 6 名(約 6.5%)の減であり,
大学院配置は 67 人で,前年度比で 7 名(約 9.5%)の減となった。(資料 5.2-1 参照)
国際交流協定に基づく平成 20 年度の日本人学生の派遣数は 20 人(学部生 19 人,大学院生 1 人),
であり,前年度比 33%の増となった。(資料 5.2-2 参照)派遣学生数は,社会情勢等により一時減尐
したが,前年度に引き続き,今年度も増加傾向にある。
(参照資料)
資料 5.2-1 平成 20 年度外国人留学生数
資料 5.2-2 派遣学生数一覧
(評価)
留学生の受入体制は整備されている。外国人留学生数は尐し減尐したが,おおむね適切である。
41
Ⅲ.教育活動
資料 5.2-1 平成 20 年度外国人留学生数
学
経費区分
教育
経済
(人)
部
医学
研
工学
小計
教育
経済
究
医学
科
工学
福祉
小計
合計
国 費
1
1
0
0
2
0
0
9
8
0
17
19
政府派遣
0
0
0
13
13
0
0
0
5
0
5
18
私 費
50
14
0
8
72
1
25
5
13
1
45
117
計
51
15
0
21
87
1
25
14
26
1
67
154
(H19 数)
45
22
0
26
93
1
26
14
30
3
74
167
(国際交流課で集計)
資料 5.2-2 派遣学生数一覧
年度
北米
ヨーロッパ
アメリカ 連合王国
H18
2
H19
5
H20
2
2
3(1)
ドイツ
スウェーデン
ア ジ ア
ハンガリー
オランダ
中 国
5(2)
2
2
5
※(
韓 国
タ イ
計(人)
1
8
3
1
15
5
2
17
)内は大学院生の人数で内数
5.3 外国人留学生・研究者への生活支援
(現状)
本学には留学生用の宿舎として,国際交流会館(市内錦町),留学生寄宿舎(旦野原キャンパス内)
及び医学部外国人研究者等宿泊施設(挾間キャンパス内)の三つが設置されている。それらの利用状
況は資料 5.3-1 のとおりである。これらの施設には,新規渡日の協定校からの交換留学生,国費留学
生及び政府派遣留学生を優先入居させるため,8~9 月及び 2~3 月の入替時期を除き,ほぼ満室の状
況である。国際交流会館及び留学生寄宿舎への入居については,新規渡日の私費留学生は1年以内,
国費及び政府派遣留学生については半年以内の入居許可期間として対応している。留学生の増加に対
する宿舎の確保を図るため,平成 20 年 9 月より既設の男子寮を全面的に改修し,留学生用の居室を
確保することとした。
また,留学生が民間アパートを借りるときの機関保証については平成 17 年 9 月に大学生協と大学
コンソーシアムおおいたとの間で統一契約書を作成した。これによって,大学生協が機関保証につい
てあらかじめ貸し主の同意を得た物件については大学コンソーシアムおおいたの機関保証制度が利
用できる。
留学生の生活支援事業のうち,設備の老朽化への対応として,国際交流会館及び寄宿舎の洗濯機の
更新,国際交流会館のクロス張替,レースカーテンの取替,壁の塗り替えを行った。
(参照資料)
資料 5.3-1 外国人研究者・留学生の受入施設及び利用者数
(評価)
留学生用宿舎の設備更新や補修が図られており,適切な対応がされている。需要の増加に伴う宿舎
の整備については,平成 20 年 9 月から学生寮を全面改修しており留学生用の居室を確保することに
なっている。
42
Ⅲ.教育活動
資料 5.3-1 外国人研究者・留学生の受入施設及び利用者数
(単位:室/利用延べ人数)
国際交流会館
留学生寄宿舎
(昭和 63 年築)
(昭和 50 年築平成 11 年改)
外国人研究員等宿泊施設
(平成 4 年築)
単身室
夫婦室
家族室
単身室
管理人室
単身室
30/51
3/ 6
3/ 4
42/61
1/ 2
-
外国人研究者
2/ 3
1/ 2
1/ 1
-
-
6/14
計
32/54
4/ 8
4/ 5
42/61
1/ 2
6/14
留学生
6. 修士・博士課程への学生の受入
6.1 目的・理念
(現状)
本学の教育目標に基づき,各研究科は資料 6.1-1 に示す目的・理念を定めている。
(参照資料)
資料 6.1-1
各研究科の目的・理念
(評価)
各研究科とも目的・理念が明確に定められ,公開ホームページ等で公表されており,適切である。
資料 6.1-1
各研究科の目的・理念
本研究科は,学部教育で修得した学校教育の基本的知識ならびに学校教育現場における教
教育学
研究科
師としての経験や知見を土台に,さらに学校教育における理論と実践に関する学術分野の総
合的な研究・教育を行うことにより,高い研究能力と教育的指導力を具えた実践力豊かな人
を養成することを目的としています。
http://www.ed.oita-u.ac.jp/001ippann/003daigakuin/index.html
本研究科は,旧来の枠にとらわれない高度な学際的・総合的なアプローチと実務に直結す
経済学
研究科
る政策的・応用的アプローチを通じて,現代経済社会の諸問題に対処しうる実践的な判断力
と能動的な問題解決能力の涵養を図り,高度な専門職業人を中心として,21 世紀のリーダー
となるべき有為の人材を地域社会の各分野に供給することを目的とします。
http://www.ees.ec.oita-u.ac.jp/~echp/graduate/graduate.html
最新の学術を教授・研究し,高度の医学及び看護学の知識と技術並びにそれらの本義を見
失わない道徳観と,それを支える豊かな教養を身につけた医療人及び研究者を育成し,もっ
医学系
研究科
て医学及び看護学の進歩,国民健康の維持増進,さらに医療・保健を中心に地域及び国際社
会の福祉に貢献する。
また,
「患者本位の最良の医療」を基本理念とし,高度先進医療の開発と提供及び倫理観豊
かな医療人の育成により地域社会の医療・福祉の向上に貢献する。(学部と共通)
http://www.oita-u.ac.jp/000004843.pdf
工学研
世界に通用する科学技術を創造し,もって地域に貢献するとともに,個性豊かで創造性あ
43
Ⅲ.教育活動
究科
ふれる人材を養成する。(学部と共通)
http://www2.cc.oita-u.ac.jp/eng/rinen.html
本研究科は,人間と社会に対する深い理解を踏まえ,国家・地域社会・企業などが「福祉社
福祉社
会科学
研究科
会」の形成に果たす役割を科学的に究明していくという基本的視点に立って,社会福祉学を
基盤として,社会学・法学・経済学・教育学などの社会科学の立場から「福祉」を総合的・
多角的に捉えた教育研究を推進し,
「福祉社会」の実現に向けた高度な専門職業人の育成を目
的とします。
http://www.gsssa.oita-u.ac.jp/keii.htm
6.2 アドミッション・ポリシー
(現状)
記載方法について,各研究科の統一的な記載に向けて取り組み,研究科間の統一性が図れるよう文
言等の見直しを行った上で,平成 21 年度学生募集要項及び公開ホームページ「入試情報」でアドミ
ッション・ポリシーを掲載した。
(評価)
アドミッション・ポリシーの策定と公表は適切になされている。
6.3 学生募集
(現状)
各研究科は募集要項を作成し,公開ホームページで公表するとともに,関係各機関にも周知してい
る。
平成 21 年度入試でも,大分県・大分県教育委員会,市役所及びマスコミなど関係各機関への周知
はもとより,教育学研究科では,県下の小・中・高等学校長等に募集要項とポスターを配付し,経済
学研究科では,地元紙の大分合同新聞に博士後期課程学生募集に関する新聞広告の掲載や,企業・団
体(税理士会,経営者など)への周知,福祉社会科学研究科では,福祉関係施設へのポスターの配付等,
入試広報に努めた。また,志願者確保のため,複数回の入学試験実施等,入学定員充足のための工夫
を行った。
(評価)
学生募集方法についてはおおむね適切である。今後は,各研究科の主な研究活動や就職状況など広
報内容をさらに充実させるとともに,学内からの進学者の拡大,社会人や外国人留学生など入学志願
者の確保のために効果的な方策を策定・実施する必要がある。
6.4 選抜体制
(現状)
大学として入学者選抜要項を定め,大学院部門会議で各研究科の募集要項を審議・決定した上で,
各研究科単位に選抜している。各研究科では,研究科委員会等の担当者会議で,入試問題の作成・校
正,採点も含めた実施体制を構成している。試験問題の作成に当たっては,試験科目等毎に「問題作
成・校正委員」を選任し,相互チェック体制を整えている。また,採点には,試験科目毎に複数の「採
点委員」を選任し,相互チェックを行っている。
平成 21 年度選抜に当たって,選抜体制に係わる問題は発生しなかった。
44
Ⅲ.教育活動
(評価)
組織的に相互チェックを図る選抜体制が整備されており,その体制の下で,研究科毎に選抜を実施
しており,適切である。
6.5 選抜結果
(現状)
選抜方法は各研究科のアドミッション・ポリシーに基づいて定めており,詳細は各研究科の募集要
項により公表している。各研究科は,概ね外国語科目,専門科目及び面接による選抜を行っている。
平成 21 年度選抜に当たって,選抜方法に係わる問題は発生しなかった。
平成 21 年度入試における各研究科の入試状況は資料 6.5-1 のとおりである。平成 21 年度の全入学
志願者は 332 名で,前年度比 83%であった。募集定員 282 名に対し,合格者は 276 名,入学者は 256
名でともに前年度を下回った。
(参照資料)
資料 6.5-1 大学院入試状況(平成 21 年度)
(評価)
適切な選抜が実施されている。今後も全学的に入学志願者の確保に努め,全専攻において入学定員
を充たす必要がある。また,収容定員の充足率が 95%に満たない研究科については,今後,入学定員
の見直しなどを含めて全学的に検討する必要がある。
資料 6.5-1 大学院入試状況(平成 21 年度)
研究科
教育学研究科
経済学研究科
医学系研究科
工学研究科
福祉社会科学研究科
合
課程
募集
人員
志願
者数
志願者数
前年度比
(%)
受験者
数(A)
合格者
数(B)
入学
者数
倍率
(A/B)
充足率
(%)
修士
39
48
76
44
29
29
1.5
74
修士
20
32
100
31
22
22
1.4
110
博士後期
3
3
60
3
3
3
1.0
100
修士
31
27
100
27
25
23
1.1
74
博士
30
19
50
19
18
18
1.1
60
博士前期
135
177
85
172
157
141
1.1
104
博士後期
12
8
80
8
8
8
1.0
67
修士
12
18
100
18
14
12
1.3
100
282
332
83
322
276
256
1.2
91
計
6.6 定員管理
(現状)
本学大学院の収容定員及び在籍者数等は資料 6.6-1 に示すとおりである。募集定員については各研
究科の募集要項及び本学の公開ホームページで公表している。全学での現員と収容定員の比は 113%
で,定員を充足している。
平成 21 年度学生募集において,定員確保のために,募集要項公表の案内を行うとともに,各研究
45
Ⅲ.教育活動
科においては,学生募集に関する新聞広告の掲載や関係機関へのポスターの配付等を実施し入試広報
に努めた。また,志願者確保のため,一部研究科において入試や入学手続きの時期を早める等,入学
定員充足のための工夫を行った。さらに学生相談体制の充実を図った。
(参照資料)
資料 6.6-1 大学院研究科の在籍状況(20.5.1 現在)
(評価)
定員管理はおおむね適切であるが,収容定員を充たしていない専攻があり,引き続き入学者の確保
方策を検討する必要がある。
資料 6.6-1 大学院研究科の在籍状況(20.5.1 現在)
単位:人
定員
研究科
専攻
教育学研究科(修士課程)
現
員
現員/
入
収
過
学
容
1年
2年
3年
4年
年
合
定員
定
定
次
次
次
次
度
計
(%)
員
員
生
39
78
42
46
学校教育専攻
6
12
13
13
教科教育専攻
33
66
29
33
10
98
126
2
28
233
8
70
106
11
11
経済社会政策専攻
3
3
地域経営政策専攻
8
8
経済学研究科(修士課程)
経済学研究科(博士前期課程)
20
40
19
26
45
113
経済社会政策専攻
8
16
6
11
17
106
地域経営政策専攻
12
24
13
15
28
117
3
6
3
4
7
117
3
6
3
4
7
117
31
62
27
28
62
100
医科学専攻
15
30
14
9
23
77
看護学専攻
16
32
13
19
7
39
122
30
120
37
37
12
15
20
121
101
経済学研究科(博士後期課程)
地域経営専攻
医学系研究科(修士課程)
医学系研究科(博士課程)
7
病態制御医学専攻
33
10
3
6
3
22
67
生体防御医学専攻
18
10
2
4
4
20
111
分子機能制御医学専攻
30
17
7
4
12
40
133
1
1
2
22
37
123
環境社会医学専攻
医学
30
9
0
30
37
46
0
Ⅲ.教育活動
工学研究科(博士前期課程)
135
270
168
123
8
299
111
機械・エネルギーシステム工学専攻
27
54
31
30
2
63
117
電気電子工学専攻
27
54
39
20
2
61
113
知能情報システム工学専攻
24
48
30
25
2
57
119
応用化学専攻
21
42
28
24
0
52
124
建設工学専攻
15
30
19
10
2
31
103
福祉環境工学専攻
21
42
21
14
0
35
83
12
36
10
19
15
12
56
156
物質生産工学専攻
6
18
5
10
7
4
26
144
環境工学専攻
6
18
5
9
8
8
30
167
12
24
11
9
5
25
104
12
24
11
9
5
25
104
282
636
317
292
73
724
113
工学部研究科(博士後期課程)
福祉社会科学研究科(修士課程)
福祉社会科学専攻
合計
27
15
6.7 定員外入学(科目等履修生,研究生,特別聴講生等)
(現状)
定員外とは,科目等履修生,研究生,特別聴講生等を指す。定員外入学については,規程を整備し
て受け入れている。平成 20 年度は,科目等履修生は前期 4 名・後期 2 名(福祉社会科学研究科)で
研究生は資料 6.7-1 のとおりであった。なお,修士・博士課程において聴講生は在籍していない。外
国人留学生については,
「5. 留学生の交流推進」を参照のこと。
(参照資料)
資料 6.7-1 平成 20 年度研究生在学数
(評価)
定員外入学については,規程を整備して受け入れており,適切である。
資料 6.7-1 平成 20 年度研究生在学数
研究科
前
期
後
期
教育学研究科
0
0
経済学研究科
0
0
医学系研究科
23
21
工学研究科
0
1
福祉社会科学
0
0
計
23
22
(平成 20 年度学生数報告書から作成)
47
Ⅲ.教育活動
7. 修士・博士課程の教育課程等
7.1 教育課程
7.1.1 教育課程の概要
(現状)
本学の大学院は,資料 7.1.1-1 のとおり 5 研究科 17 専攻で構成されている。入学生は,これらの研
究科に配属され,本学の教育課程に従って学習する。本学では,履修の柔軟性と教育効果を高める目
的から,原則半年単位で授業を完結するセメスタ-制を採用している(課題研究等の一部科目を除く)
。
各研究科の教育課程は,本学の教育理念・教育目標及び各研究科の教育目標に基づいて資料 7.1.1-2
のとおり編成されている。
(参照資料)
資料 7.1.1-1 研究科の構成
資料 7.1.1-2 教育課程の編成
(評価)
本学の教育理念・目標並びに各研究科の教育方針に照らして,各研究科の教育課程は適切に構成さ
れている。
資料 7.1.1-1 研究科の構成
研究科
教育学研究科
経済学研究科
医学系研究科
課程
修士
専攻
学校教育専攻,教科教育専攻(国語・社会科・数学・理科・
音楽・美術・保健体育・技術・家政・英語教育専修)
博士前期
経済社会政策専攻,地域経営政策専攻
博士後期
地域経営専攻
修士
医科学専攻,看護学専攻
博士
医学専攻
機会・エネルギーシステム工学専攻,電気電子工学専攻,知
工学研究科
福祉社会科学研究科
博士前期
能情報システム工学専攻,応用化学専攻,建設工学専攻,福
祉環境工学専攻
博士後期
物質生産工学専攻,環境工学専攻
修士
福祉社会科学専攻
資料 7.1.1-2 教育課程の編成
研究科
課程
教育課程の編成
学校教育の場における理論と実践の研究能力や専門性を
教育学研究科
修士
高め,教育研究や実践に必要な能力を養うことを目的とし
ている。
より高度な研究,専門的職業人を目指し,国際化・情報
経済学研究科
博士前期
化・地域を機軸とした実社会で活躍する高度専門的職業人
の養成を目的としている。
48
Ⅲ.教育活動
経済のグローバル化とともに地域の自立が求められる今
博士後期
日の社会において,地域経済の発展をめざし,地域づくり
を担う,高度の専門性をもつ人材を養成することを目的と
している。
医科学専攻は,医学以外の専門領域と医学を融合させた
学際的な領域の教育・研究者や技術者として活躍できる人
修士課程
医学系研究科
材の育成を目的としている。
看護学専攻は,医学に関する幅広い知識と視野を備えた
看護実践専門家,看護教育者等の育成を目的としている。
博士課程
博士前期
工学研究科
博士後期
主として医学研究者の育成を目的としている。
高度化された内容の授業や最先端の研究を通じて専門性
を高めた人材の育成を目的としている。
物質と環境を柱とした学際的分野に係わり,独創的な研
究能力者の育成を目的としている。
政策立案やその実施,また多様な場面での実践など,福
福祉社会科学研究科
修士課程
祉と関わるさまざまな分野で活躍するための専門的な技
能・知識・視点をそなえた,高度専門職業人の養成を目的
としている。
7.1.2 教育課程の特色
(現状)
各研究科の特色は,資料 7.1.2-1 のとおりである。
(参照資料)
資料 7.1.2-1 各研究科の特色一覧
(評価)
各研究科の教育課程は,本学の教育理念・教育目標に基づいて編成されており,特色あるものとな
っている。
資料 7.1.2-1 各研究科の特色一覧
研究科
課程
研究科の特色
学部卒業生及び現職教員に,学部における教育の基礎又は教師としての
経験と知見の上に,広い視野に立って精深な学識を授け,学校教育の場に
おける理論と実践の研究能力や専門性を高め,教育研究や実践に必要な能
教育学研究科
修士
力を養っている。
なお,学校教育専攻臨床心理コースでは,平成 18 年度入学生から財団
法人日本臨床心理士認定協会の指定する臨床心理士養成指定大学院の「第
一種指定校」として認定を受けた。
社会人・職業人の積極的な受入と高度な専門的職業人の養成,「地域」
経済学研究科
博士前期
への総合的アプローチ,「政策」重点化のカリキュラム,コース制の導入
等を特色とする。
49
Ⅲ.教育活動
社会人・職業人の積極的な受入と高度な専門性を持つ職業人の養成,
「地
博士後期
域経営」についての教育研究,コースワークを重視した教育プログラム,
体系的・段階的な研究指導等を特色とする。
修士
優れた指導力を持った教育・研究者,医療人及び技術者を養成するため,
医学・医全般にわたる理論的・実践的教育を特色とする。
最新の学術を教授・研究し,豊かな教養を身に付けた教育・研究者及び
医学系研究科
博士
医療人を育成するため,従来の講座間の壁を取り払い,教員同士の密接な
連携より,人間の複雑多彩な生命現象を自然科学・社会科学を含めた広い
視野に立った研究活動を可能とした教育研究体制を特色とする。
学部における一般的及び専門的教養を基礎として,環境や社会に対する
博士前期
している。
工学研究科
博士後期
福祉社会科学
研究科
影響も予見しながら,自然との共生や人類に役立つ技術とは何か等を追求
国際的視野のもとに科学技術を深く探求し,新たな分野や理論の創出を
めざすことを特色とする。
社会科学の研究方法や,福祉事象を理解するためのカリキュラムをもう
修士
けるとともに,質的研究,フィールドワーク,グループディスカッション
などを積極的に取り入れた,実践的な教育の展開を特色としている。
7.1.3 教育課程の科目配置
(現状)
各研究科の開講科目数は,資料 7.1.3-1 に示すとおりである。
(参照資料)
資料 7.1.3-1 専攻内訳及び修了要件単位
(評価)
本学の教育理念・教育目標に照らして,各研究科の教育課程を構成する開講科目数は適切である。
資料 7.1.3-1 専攻内訳及び修了要件単位
研究科
教育学研究科
経済学研究科
課程
修士
博士前期
博士後期
医学系研究科
修士
博士
工学研究科
博士前期
専攻
学校教育専攻
教科教育専攻
経済社会政策専攻
地域経営政策専攻
地域経営専攻
医科学専攻
看護学専攻
医学専攻
機械・エネルギーシステ
ム工学専攻
電気電子工学専攻
知能情報システム工学
専攻
50
必修科目
2
科目数
選択必修
0
36
68
72
114
11
3
2
6
9
14
8
11
27
4
181
19
24
11
75
223
96
110
133
22
30
81
0
0
72
72
0
0
60
60
2
0
63
65
選択科目
59
計
61
Ⅲ.教育活動
博士後期
福祉社会科学
研究科
修士
応用化学専攻
建設工学専攻
福祉環境工学専攻
5
2
2
0
0
3
50
55
77
55
57
82
物質生産工学専攻
2
0
41
43
環境工学専攻
2
0
35
37
福祉社会科学専攻
5
29
34
7.1.4 授業形態と単位
(現状)
授業は,講義,演習,実験,実習もしくは実技のいずれかにより又はこれらの併用により行われる。
各授業科目の単位数は,学部と同様な方法で算定する。即ち,単位数は 1 単位当たり 45 時間の学修
を必要とする内容をもって構成することを標準としている。授業の方法,当該授業による教育効果,
授業時間外に必要な学修等を考慮して,資料 7.1.4-1 に示す基準により単位数を計算している。
(参照資料)
資料 7.1.4-1 授業形態と単位の基準
(評価)
授業形態と単位数は,本学の教育目標に照らして適切である。
資料 7.1.4-1 授業形態と単位の基準
授業形態
講義及び演習
単位の基準
15 時間から 30 時間までの範囲で,各学部の定める時間の授業をもって
1単位とする。
30 時間から 45 時間までの範囲で,各学部の定める時間の授業をもって
実験,実習及び実技
1単位とする。ただし,芸術等の分野における個人指導による実技の授業
については,各研究科が定める時間の授業をもって1単位とすることがで
きる。
7.1.5 修了要件
(現状)
各研究科・専攻ごとに,修了要件を資料 7.1.5-1 のように定めている。加えて必要な研究指導をう
けた上,論文の審査と最終試験に合格する必要がある。修了要件は,履修の手引に記載し,ガイダン
ス等を通じて学生に周知している。
(参照資料)
資料7.1.5-1 修了要件単位
(評価)
各研究科の修了要件は,各研究科の教育方針に基づいて明確に定められており,学生に周
知もされていることから,適切である。
51
Ⅲ.教育活動
資料 7.1.5-1 修了要件単位
研究科
教育学研究科
経済学研究科
課程
学校教育専攻
修士
博士前期
博士後期
医学系研究科
科目の単位数
必修
選択必修
選択
6
6
18
専攻
修士
博士
教科教育専攻
経済社会政策専攻,地域経営
政策専攻
地域経営専攻
医科学専攻
看護学専攻
医学専攻
工学研究科
博士後期
福祉社会科学
研究科
知能情報システム工学専攻
応用化学専攻
建設工学専攻
20
8
12
10
30
12
22
6
4
8
24
4
0
0
20
30
30
15
5
10
30
30
30
26
20
24
30
30
30
22
30
8
12
4
10
6
福祉環境工学専攻
物質生産工学専攻,環境工学
専攻
福祉社会科学専攻
修士
30
10
機械・エネルギーシステム工
学専攻,電気電子工学専攻
博士前期
計
4
4
4
10
30
20
30
7.1.6 実習
(現状)
各研究科(経済学研究科及び福祉社会科学研究科を除く)は,個別に実習について定め,実施して
いる。各研究科で実施している実習を資料 7.1.6-1 に示す。
(参照資料)
資料 7.1.6-1 実習科目
(評価)
各研究科の教育方針に基づいて実習が行われており,適切である。
資料 7.1.6-1 実習科目
研究科
実習科目
教育学研究科
臨床心理実習,臨床応用実習
医学系研究科
人体形態学実習,基礎生命科学実習,臨床がん化学療法学,実践課題実習
工学研究科
学外特別実習A,学外特別実習B,情報システム特別実習ⅠA,情報システム
特別実習ⅠB,情報システム特別実習ⅡA,情報システム特別実習ⅡB,
物質生産工学特別実習Ⅰ,物質生産工学特別実習Ⅱ,環境工学特別実習Ⅰ,
環境工学特別実習Ⅱ
52
Ⅲ.教育活動
7.1.7 研究指導
(現状)
各研究科は,指導教員を置き,研究上の助言等を行っている。各研究科における研究指導の体制は,
資料 7.1.7-1 のとおりである。
(参照資料)
資料 7.1.7-1 研究指導の体制
(評価)
本学の教育理念・目標並びに各研究科の教育方針に照らして,研究指導の体制は適切である。
資料 7.1.7-1 研究指導の体制
研究科
研究指導の体制
教育学研究科
専攻・専修で開設する授業,修士論文の作成や修学,学生生活上の指導を行
うために指導教員を置いている。
経済学研究科
研究科の教育,研究及び論文の指導を行うために指導教員を置いている。
医学系研究科
修士課程及び博士課程における学生の履修指導及び研究指導を行うため,学
生ごとに指導教員を置いている。
博士前期課程の学生の履修,研究及び学位論文の指導を行うために指導教員
を置いている。
工学研究科
福祉社会科学研究科
博士後期課程の学生の履修,研究及び学位論文の指導を行うために指導教員
を置いている。また,学生1人について,主指導教員1人及び副指導教員2
人以上とし,指導にあたっている。
開設されている授業,修士論文の作成,また修学や学生生活上の指導を行う
ために指導教員をおいている。
7.2 教育的配慮
7.2.1 オリエンテ―ション
(現状)
入学式当日を中心に各研究科で独自に定めて実施している(資料 7.2.1-1)
。
(参照資料)
資料 7.2.1-1 各研究科のオリエンテーション日程
(評価)
時期や方法は異なるが,各研究科の教育方針に基づいて適切に実施されている。
資料 7.2.1-1 各研究科のオリエンテーション日程
研究科
オリエンテーション時期
教育学研究科
入学式の翌々日
経済学研究科
入学式終了後
医学系研究科
午後半日
2 時間
入学式翌日 1 時間
(博士課程,修士課程医科学専攻,修士課程看護学専攻別)
53
Ⅲ.教育活動
工学研究科
福祉社会科学研究科
入学式翌日 1 時間(博士後期課程,博士前期課程別)
入学式以降 各専攻ごとに適宜
入学式終了後及び後日 2 時間
7.2.2 学部・大学院教育の有機的連携
(現状)
大学院の授業科目の学部学生への開放は,単位認定を行わない聴講形式で一部開放されている。
経済学研究科では,
「リスクマネジメント論特研」の聴講を学部学生に認めている。
医学系研究科では,全ての講義,セミナー聴講を学部学生に認めている。
工学研究科では,工学部の卒業生の 50 パ―セントが本学大学院に進学していることから,学部授
業において大学院進学を考慮した授業内容を盛り込む等の工夫を行っている。
福祉社会科学研究科では,教育福祉科学部人間福祉科学課程社会福祉コース 1 年生の基礎ゼミⅠに
おいて,
「大学院とは何か」に関する指導を行っている。
(評価)
一部で大学院科目の開放はなされているが,学部・大学院教育の有機的連携についての各研究科の
取組は必ずしもまだ十分でなく,連携方法の改善を引き続き検討する必要がある。
7.2.3 単位互換,単位認定等
(現状)
平成 20 年度に単位互換協定大学として,日本文理大学を新たに加えた。
しかし,他大学の大学院との単位履修の実績はまだない状況である。このため,既に単位互換協定
を締結している大学やまだ協定を結んでいない大学との大学院科目の単位互換の可能性について引
き続き検討している。
(評価)
今後,他大学大学院との連携を推進するための方策を検討する必要がある。
7.2.4 編入学,社会人学生等への教育上の配慮
(現状)
各研究科では,社会人学生の利便性を図るため,長期履修制度の導入や昼夜間開講を実施している。
平成 20 年度に長期履修制度を利用した学生は 68 名であった。夜間開講科目の開講状況は資料 7.2.4-1
に示す。
また,社会人に対する教育上の配慮として,再チャレンジプログラムを設けている。該当者にはカ
リキュラム上の配慮及び授業料免除の配慮を行うもので,平成 20 年度は 31 名の学生がこのプログラ
ムを利用した。
(参照資料)
資料 7.2.4-1 各研究科の夜間開講科目の数
(評価)
社会人学生等に対して,長期履修制度や昼夜間開講を実施するとともに社会人に対する再チャレン
54
Ⅲ.教育活動
ジプログラムの実施を行っており,おおむね適切であるが,今後社会人や外国人留学生の数は増加す
ると予想されるため,必要な教育上の配慮についてさらに検討する必要がある。
資料 7.2.4-1 各研究科の夜間開講科目の数
研究科
受講数/開講数
教育学研究科
31/240
経済学研究科
51/ 72
医学系研究科
49/ 51
工学研究科
福祉社会科学研究科
0/
0
27/ 32
※工学研究科は制度としては夜間開講をしていないが,社会人に配慮して柔軟な開講時間を設定してい
る。
7.3 教育方法等
7.3.1 履修指導
(現状)
各研究科は,履修内容を履修規程に定めている。授業選択の指導は,
「履修の手引」や「履修案内」
の冊子をもとに,入学時にガイダンスを行う。また,指導教員制に基づく個別の履修指導を行ってい
る。
(評価)
履修規程は整備されており,授業選択の指導を行うなど,適切な対応がなされている。
7.3.2 成績評価方法
(現状)
各教員は,受け持ち科目の成績評価基準を作成し,シラバスや講義等で学生に明確に周知するよう
努めており,複数の評価項目によって評価する場合は,シラバス上に各項目の比率が明確となる評価
基準を記載するように努めている。各研究科の成績評価方法は,医学系研究科が A,B,C,D の評語をも
って表し,C 以上を合格としている。他の研究科は,優,良,可,不可の評語をもって表し,可以上
を合格としている。
(評価)
各研究科とも適切な成績評価を行っているが,複数の評価項目によって評価する場合の各項目の比
率が明確でない箇所が一部の科目に残されていることから,改善を要する。
7.3.3 成績の確認
(現状)
各学部学務係又は学務課大学院係窓口で個別配付を行っている。苦情処理については,学生が窓口
経由又は直接に授業担当教員へ申し立てることとしている。
(評価)
各研究科とも成績の通知は適切に行われている。
55
Ⅲ.教育活動
7.3.4 学習者の意欲向上対策
(現状)
大学院生の TA(ティーチング・アシスタント)への任用を積極的に行い,学部授業のアシストを経
験させることで刺激を与え,学習意欲の向上を図っている(資料 7.3.4-1)。また,医学系研究科や工
学研究科博士後期課程では期間短縮修了の基準を設け学習意欲の向上を図っている。
(参照資料)
資料 7.3.4-1 ティーチング・アシスタント任用数(平成 20 年度)
(評価)
大学院学生の TA への任用は効果的に機能している。また,期間短縮修了の制度を導入している研
究科もあり,適切な学習意欲向上が図られている。
資料 7.3.4-1 ティーチング・アシスタント任用数(平成 20 年度)
所属(任用学部)
任用数(人)
延べ時間数
教育学研究科(教育福祉科学部)
32
1,441
経済学研究科(経済学部)
24
701
医学系研究科(医学部)
45
16,289
228
11,403
8
184
工学研究科(工学部)
福祉社会科学研究科(教育福祉科学部,経済学部)
7.4 教育活動改善への取組
7.4.1 教育活動の評価実施体制
(現状)
全学的な評価実施体制は学部と同じであり(資料 4.4.1-1),評価委員会を設け全学的に教育活動
の評価をしている。また,各研究科においても資料 7.4.1-1 に示す評価委員会が教育活動の評価を
独自に実施している。
(参照資料)
資料 4.4.1-1 全学的な評価実施体制(再掲)
資料 7.4.1-1 評価体制等
(評価)
全学的な評価実施体制を整備し,教員の教育活動を評価している。また,各研究科においても独自
に評価を実施しており,適切に評価活動が行われている。
資料 7.4.1-1 評価体制等
研究科
教育学研究科
評価体制
自己評価委員会
評価内容
カリキュラム・授業活動等について点検及び評価
56
Ⅲ.教育活動
経済学研究科
医学系研究科
工学研究科
経済学部及び大学院経済
学研究科自己評価委員会
医学部評価委員会
工学部自己点検及び評価
委員会
教育研究活動等の自己点検及び自己評価の実施に
関し,基本的事項の策定及び点検・評価のとりまと
めを行う
附属病院を除く医学部及び大学院医学系研究科に
おける点検評価を行う
教育研究活動等の自己点検及び自己評価の実施に
関し,基本的事項の策定,点検・評価の取りまとめ
を行う
福祉社会科学 福祉社会科学研究科委員
研究科
会
福祉社会科学研究科委員会の定めるところによる
(出典:各学部評価委員会規程)
7.4.2 外部組織による評価
(現状)
平成 20 年度に,
「国立大学法人大分大学の中期目標期間に係る業務の実績に関する評価」を独立行
政法人大学評価・学位授与機構から受けた。これは平成 16 年度から平成 19 年度の 4 年間の本学の教
育・研究関係の実績報告書をもとに独立行政法人大学評価・学位授与機構が評価したものである。
(評価)
国立大学法人法に基づく業務の実績に関する評価の中で,適切に実施されている。
7.4.3 カリキュラムの検討と改善
(現状)
カリキュラムについては研究科ごとに組織的かつ恒常的に検討している。資料 7.4.3-1 に平成 20 年
度の各研究科のカリキュラムの検討と改善の取組状況を示す。
(参照資料)
資料 7.4.3-1 平成 20 年度の各研究科のカリキュラムの検討と改善の取組
(評価)
研究科ごとに組織的かつ恒常的に検討しており,適切に対応している。
資料 7.4.3-1 平成 20 年度の各研究科のカリキュラムの検討と改善の取組
研究科
教育学研究科
カリキュラム改善の取組内容
拡大カリキュラム検討委員会で,カリキュラム改革の具体化を継続して
検討している。
博士前期課程では,平成 18 年度からコース制(5 コース)による教育方
式を決定し,各コースの目標を設定した。
経済学研究科
博士後期課程では,
「マネジメント」,
「地域政策」,
「経済社会環境分析」
の 3 つの科目群について授業を行い,コースワークを重視した教育課
程・研究指導プログラムを設定している。カリキュラムの改善について
は,大学院委員会で検討を継続的に行っている。
医学系研究科
平成 20 年度から博士課程 4 専攻を 1 専攻に統一し,授業科目も 3 研究
領域(基礎・臨床・がん)とし,新しい授業科目を設定した。
57
Ⅲ.教育活動
各専攻の課題,カリキュラムについては,専攻単位の教員会議によるカ
工学研究科
リキュラムの検討体制で,研究科共通の課題については,教務委員会ま
たは研究指導委員会を主体とした検討体制を整備している。
学位論文審査の透明性厳格性を高めるため審査委員の副査を複数名体
福祉社会科学研究科
制とした。また,修士論文発表会(中間・最終)を公開で行うこととし
た。カリキュラムの改善については,院生や修了生の意見を鑑み,大学
院教務委員会で継続的に行っている。
7.4.4
FD 活動(大学院)
(現状)
大学院設置基準の改正に伴い,平成19年度より大学院におけるFDが義務化されたことに伴い,平成
18年度に策定した本学の大学院関係FDの基本方針(大学院関係FDのあり方)を実施に移してきている。
全学レベルでは高等教育開発センターが中心となり,大学院FD講演会を2回(「大阪大学大学院にお
ける教育改革」「メンタルヘルス講演会」)実施するとともに同センター企画・実施の各種FD研修会・
講演会に大学院教育担当者が参加している。また,経済学研究科では,修士論文の中間報告会の実施
により大学院の集団指導体制を推進するなど,各研究科で独自のFD活動を行っている。
(評価)
大学院教育担当者を対象とする全学及び各研究科の FD 活動が実施されており,適切である。
7.5 教育効果
7.5.1 修了の状況
(現状)
ソーシャルワーカーを配置した「キャンパスライフなんでも相談室」の相談体制を整備するととも
に,家計問題で勉学に支障がある学生の支援体制としての入学料・授業料奨学融資制度の対象を拡大
する等,充実させた。
(参照資料)
資料 7.5.1-1 平成 20 年度退学・休学者数(大学院)
(評価)
おおむね順調に修了者を出している。
資料 7.5.1-1 平成 20 年度退学・休学者数(大学院)
研究科
修士課程・博士前期課程
教育学
経済学
医学系
退学者
2
1
1
休学者(延べ人数)
8
8
1
博士課程・博士後期課程
工学
福祉社会科学
経済学
医学系
工学
1
0
1
5
5
6
2
1
8
5
※退学者には,除籍者は含まれない。
7.5.2 修了生の進路
(現状)
修了生の進路については,資料 7.5.2-1 に示すとおりである。
58
Ⅲ.教育活動
(参照資料)
資料 7.5.2-1 修了生の進路(平成 20 年度)
(評価)
修了生はそれぞれの特性を生かした分野へ進んでおり,各研究科の教育方針に照らして適切である。
資料 7.5.2-1 修了生の進路(平成 20 年度)
研究科
教育学
課程
修士
卒業者
医学系
博士 博士
修士
前期 後期
45
進学者
25
14
工学
博士
14
1
その他
就職者
経済学
計
博士
前期
129
博士
後期
7
福祉社
会科学
合計
修士
修士 博士
10
7
6
8
2
39
16
12
14
223
21
8
4
3
118
4
10
20
3
195
18
農業・林業
漁業
鉱業・採石砂利採取業
2
2
建設業
7
7
製造業
1
3
3
78
電気・ガス・熱・水道業
情報通信業
1
1
2
85
4
4
23
25
1
2
2
運輸・郵便業
卸売・小売業
就
職
者
の
内
訳
金融・保険業
1
不動産・物品賃貸業
1
学術・専門技術等
6
宿泊・飲食サービス業
2
生活関連・娯楽業
1
教育・学習支援業
28
医療・福祉
1
2
8
2
1
2
2
2
9
2
34
9
4
5
7
13
5
1
6
複合サービス業
サービス業
2
公務
3
3
2
その他
2
(注)就職者の内訳は,産業分類大分類の区分による
7.5.3 免許・資格の取得状況
(現状)
平成 20 年度教員免許状取得者数は,資料 7.5.3-1 のとおりである。
59
3
2
2
Ⅲ.教育活動
(参照資料)
資料 7.5.3-1 平成 20 年度教員免許状取得状況
(評価)
各研究科の資格取得は実績を重ねており,適切である。
資料 7.5.3-1 平成 20 年度教員免許状取得状況
研究科
教育学研究科
免許の種類
取得者数
小学校免許状専修
7
中学校免許状専修
11
高等学校免許状専修
18
特別支援学校免許状専
4
修
幼稚園免許状専修
2
経済学研究科
高等学校免許状専修
0
工学研究科
高等学校免許状専修
3
福祉社会科学研究科
高等学校免許状専修
1
7.5.4 学術活動状況
(現状)
平成 20 年度の各研究科の学生の学術活動状況は,資料 7.5.4-1 のとおりである。
(参照資料)
資料 7.5.4-1 平成 20 年度の大学院学生の学術活動状況
(評価)
専攻分野により大学院学生の学術活動の件数に偏りが見られるが,活発な学術活動を展開している。
資料 7.5.4-1 平成 20 年度の大学院学生の学術活動状況
学術活動の件数
研究科
専攻
0
7
7
0
0
3
3
0
2
学会等での
研究発表
1
11
12
0
0
0
0
0
3
38
143
論文
教育学研究科
経済学研究科
医学系研究科
学校教育
教科教育
小 計
経済社会政策
地域経営政策
地域経営
小 計
医科学
看護学
医学
60
その他
0
0
0
0
0
0
0
0
0
11
Ⅲ.教育活動
工学研究科
小 計
機械・エネルギーシステム
工学
電気電子工学
40
146
11
6
88
2
17
86
知能情報システム工学
応用化学
建設工学
福祉環境工学
18
11
95
147
28
220
66
128
830
1
989
3
9
0
20
875
64
平成 20 年度
総
計
37
33
150
0
200
平成 19 年度
総
計
239
福祉社会科学研究科
物質生産工学
環境工学
小 計
福祉社会科学
1
3
(各研究科の調査を集計)
7.5.5 修了生及び社会人による評価
(現状)
教育福祉科学部・教育学研究科は,「大分県教育委員会・大分大学教育福祉科学部連携推進協議会
(年1回開催)」を開催して,卒業生に対する評価・意見を聴取している。また,大学院を修了した
現職教員と在学する現職教員との意見交換会を 4 月当初開催し,意見を聴取している。具体的な意見
として,「引き続き資質の高い教員養成と大分県教育界への貢献を行ってほしい」,「大学院で学ぶ機
会があったことにより,自身のスキルアップに繋がり,教育に生かすことができた」との評価を得て
いる。
経済学部・経済学研究科は,同窓会である四極会との定期的な意見交換会や経済同友会をはじめと
する県内産業界からの意見聴取を実施している。
医学部・医学系研究科は,修了生や就職先等の関係者から意見聴取を行っており,「教育の成果や
効果があがっている」との評価を得ている。
福祉社会科学研究科は,卒業生・修了生や福祉関係各機関へのアンケート調査を実施した。卒業生・
修了生からは「高度専門職性を身につけることができた」という評価とともに,「研究方法について
具体的に学べる科目があれば良かった」という要望も寄せられている。また福祉関係機関からは,研
究科の修了生に対して高い評価が得られており,機関が学費を負担して入学した例もある。
(評価)
協議会や同窓会からの聴取,卒業生アンケートの実施などで卒業生及び社会人による評価を受け各
学部の教育改善に役立ているが,調査項目の充実等により,外部評価の精度を高める必要がある。
8.学生生活
8.1 学生生活の支援体制
8.1.1 学生生活の支援組織
(現状)
学生生活の支援組織として,教育担当理事,各学部学生生活委員会委員長及び学部委員各1名で構
成される学生支援部門会議と,課長以下 12 名が配置された学生支援課がある。学生生活に関する各
61
Ⅲ.教育活動
種事項のほかに,緊急を要する事案等及び理事が必要と判断する事案について,両組織が連携して対
応している。学生が係わる事件・事故についての具体的な対応として,①死亡事件・事故,②重体等
のけがを伴う重大な事故,③軽微な事件・事故に区分して,連絡,対応,協議,報告等の体制を整備
している。
また,平成 20 年度から「不登校傾向の学生のアウトリーチ型支援」を行っている。学生支援部門
会議の下に本学教職員,精神科医,臨床心理士,ソーシャルワーカーから成る「支援チーム」を組織
して「心理・社会的支援」
「家族支援」
「修学支援」の 3 分野にわたる支援を行っている。更に,学内
に「ぴあROOM」を設置し,学生に対して相談や個別指導を行っている。
(4.2.3 を参照)また,教
員に対しては,各学部教授会に出向いて,アウトリーチ型支援についてのミニFDを実施している。
(評価)
教員と事務職員が連携して学生生活を支援する組織が整備されており,適切な体制が整備されてい
る。
8.1.2 学生への個別支援
(現状)
学生への個別支援については,各学部で各学科・課程ごとに指導教員を配置している。また,学生
生活上の悩み等,些細なことでも相談できるよう,学生相談室を各学部,学生センター学生支援課及
び保健管理センターに設置して,3 者が連携して学生の個別相談に応じる体制を整えている。この個
別相談体制については,『学生生活案内』に詳細に記載するとともに,新入生オリエンテーションで
説明している。
また,平成 18 年度に相談窓口の整理及び役割の明確化を行い,全国の国公立大学で初めてソーシ
ャルワーカーを配置した「キャンパスライフなんでも相談室」を新たに学生支援課内に設置し,イン
テーカーの位置づけと役割を明確化し,支援体制を強化した。平成 20 年度の相談実績は 51 件であっ
たが,ソーシャルワーカーの導入によって初期対応のレベルが年々向上した。更に,本学独自の取組
として,「不登校傾向の学生のアウトリーチ型支援」を行っている。更に,学内に「ぴあROOM」
を設置し,学生に対して相談や個別指導を行っている。また,教員に対しては,各学部教授会に出向
いて,アウトリーチ型支援についてのミニFDを実施している。
(4.2.3 を参照)
なお,学内連携を図るため,ソーシャルワーカー,学生支援課職員,保健管理センターの専門医と
看護師で構成する「学生相談連絡会」を年 2 回実施している。
(評価)
学生への個別支援については,関係者が連携して実施する体制が整備・強化されており,支援体制
の周知も適切に行われている。
8.1.3 留年生,休学者,退学者への支援
(現状)
留年・休学・退学等に対する全学的対応として,オフィスアワー,メンタルケア,健康相談,学生
相談窓口,学生意見箱など各学部と連携しながら行っている。さらに平成 18 年度からはソーシャル
ワーカーによる「キャンパスライフなんでも相談室」を設置している。平成 20 年度からは大学・保
護者・地域が連携して不登校傾向にある学生のもとへ『出かけていく』という「不登校傾向の学生へ
のアウトリーチ型支援」を行っている。この取組は独自性や有用性が高く評価され,平成 20 年度文
62
Ⅲ.教育活動
部科学省学生支援 GP「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」に採択された。更に,こ
の取組の一環として,学内に「ぴあROOM」を設置し,退職高校教員を学習アドバイザーとして招
聘し,TA の協力の下,就学の問題や不安を抱える学生や基礎学力に不安のある学生に対して相談や個
別指導を行っている。
また,留年,休学,退学者防止のため,各学部では各学部の特性に応じて指導教員や教務・学生生
活委員等からきめ細かな就学指導を行うとともに休退学等の理由を解析している。また,問題点を早
期に発見するために,毎年保護者及び学生に成績を通知し指導教員が修学指導を行っている。
(評価)
全学的にも各学部においてもきめ細かな対応を行っており,適切である。
8.1.4 障がい者・社会人学生への支援
(現状)
平成 17 年度に入試・修学・学生生活・施設設備等に関し調査・検討し,修学環境の改善を行うこ
とを目的に「大分大学身体等に障がいのある学生の支援委員会」を発足させた。委員会は「要支援学
生のための支援ガイドライン」を作成し,日常の支援を行う学部とともに支援にあたっている。
障がい者支援としては,スロープの完備やトイレの改修,授業での配慮等である。本学に聴覚障が
い学生が在籍しているため,授業での情報保障として,要約筆記のためノートテイカー養成講座及び
レベルアップ講座の開催,支援マニュアルの作成,意見交換会等を行って支援にあたっている。
平成 20 年度聴覚障がい学生支援としてノートテイク及び手話通訳等の支援を行うとともに,難聴
の聴覚障がい学生からの要望に基づきFM補聴器の貸与を行った。また,車椅子学生への身障者用駐
車場使用について配慮した。
また,社会人に対する支援として,再チャレンジプログラムを設け,授業料免除の配慮を行ってい
る。
(参照資料)
資料 8.1.4-1 再チャレンジプログラム内容
(評価)
障がいのある学生や社会人学生に対する支援は適切に行われている。
資料 8.1.4-1 再チャレンジプログラム内容
研究科名
プログラム名
概要
教育学研究科
現職教員等のス
夜間開講される講義と演習を機軸に,授業料減免の実施など受入体制
キルアップ支援
を整備することにより,児童生徒の学力向上,特別支援教育,いじめ
プログラム
対策等の現代的な教育課題に直面している現職教員等に「学び直し」
の機会を提供する。
経済学研究科
実践的専門職業
社会人特別選抜及び昼夜開講を実施しつつ,高度専門職業人養成の博
人を養成する課
士後期課程を開設し,博士前期課程では再チャレンジ支援策として,
題解決能力開発
社会人に向けた基礎学力向上プログラムの整備及び授業料減免等を
プログラム
実施してきた。これらを踏まえたプログラムを実施する。
63
Ⅲ.教育活動
医学系研究科
退職・離職看護職
看護師や保健師といった看護職の中には育児等で退職したが,キャリ
の「学び直し」支
アアップを図りながら職場復帰への再チャレンジを希望する者も多
援プログラム
い。また,昼間働きながら夜間大学に通学してキャリアアップを図ろ
うとしている者もいる。このような社会人に対し,新たな非常勤講師
の配置や専門スタッフによるe-ラーニングの導入,実習環境整備等に
より学習効果の向上を図り,また,授業料減免の実施の継続など,受
け入れ態勢を整備することにより社会人の「学び直し」を総合的に支
援する。
工学研究科
大分県の地場企
大分県には新日本製鐵,キヤノン,東芝,ダイハツ等多くの大企業が
業技術者のため
進出しているが,地場企業の技術力は必ずしも十分ではなく,進出企
のスキルアップ
業や地元のニーズに対応しきれていない状況である。この問題点を解
支援事業
決するため,地場企業技術者のスキルアップ教育を実施する。
そのため,現在実施している社会人学生の受け入れ体制を拡充し,
在職中の企業技術者が修学しやすいように夜間開講,休日開講,eラーニング等による授業,チューターによる研究支援等,教育環境の
整備を図る。
また,企業技術者に求められるMOT関連の授業,英語によるプレゼ
ンテーション能力を身につけるための授業を開設する。
福祉社会科学研 福祉専門職をめ
社会福祉学の基礎を十分に学んでいない人のための導入教育として
究科
特別講義「現代の福祉問題Ⅰ・Ⅱ」を受講させる。
ざす社会人のた
めの『学び直し』
支援プログラム
8.2 学生への経済的支援
8.2.1 奨学制度
(現状)
奨学制度としては,日本学生支援機構,地方公共団体や民間育英団体による各種奨学制度を積極的
に活用している。大学を経由して募集される奨学金については,学生支援課で掲示板,学生支援サー
ビス用情報システム及び教務情報システムを用いて情報提供を行い,出願手続きや継続手続きなどの
相談に応じている。
また,修学上経済的に困難な学生(科目等履修生,研究生等を除く。)に対して支援を行うことを
目的とて,平成 18 年度から民間金融機関と連携した「大分大学授業料奨学融資制度」を発足させ,
見直しを行いながら実施している。
各種制度適用者の選考は,日本学生支援機構の奨学金では「日本学生支援機構奨学生の推薦・選考
における大分大学での推薦・選考基準について(重要通知)」に従って行い,その他にあってはそれ
ぞれの基準に従っている。
平成 20 年度末現在の各種奨学制度の適用人数は,資料 8.2.1-1 のとおり,入学料・授業料奨学融
資制度の適用人数は,資料 8.2.1-2 のとおりである。
64
Ⅲ.教育活動
(参照資料)
資料 8.2.1-1 奨学金制度の種類と適用人数(平成 20 年度末現在)
資料 8.2.1-2 入学料・授業料奨学融資制度適用人数(平成 20 年度末現在)
(評価)
経済支援にかかわる各種奨学制度の広報と活用支援が積極的に行われており,本学独自の制度も導
入するなど適切に対応している。
資料 8.2.1-1 奨学金制度の種類と適用人数(平成 20 年度末現在)
奨学金制度の種類
適用人数
日本学生支援機構(第一種及び第二種)
その他
3,293
地方公共団体や民間育英団体
69
資料 8.2.1-2 入学料・授業料奨学融資制度適用人数(平成 20 年度末現在)
区分
適用人数
入学料
1
授業料
22
8.2.2 納付免除・減額
(現状)
入学料免除・徴収猶予及び授業料免除に関しては,取扱規程を定めている。免除等の原資には限り
があり,公正な選考を行っている。
平成 19 年度から授業料免除申請者のアルバイト収入及び奨学金を家計所得に算入しないことで適
格者を拡大し,学部間の機会均等を図るため学力基準を各期に調整することとした。また,全学免除
と半額免除の割合を変更し,支援が広く行き渡るようにした。平成 20 年度の適用人数は,資料 8.2.2-1
のとおりである。
なお,平成 21 年度の入学料免除の実施にあたり,国内外の経済状況が悪化する中,事業者側の一
方的な解雇等で,学資を主として負担している者(学資負担者)が失職したことを理由に,学業優秀
な生徒等が,進学を断念することがないよう,現行の制度とは別に特別枠を設けて支援することを決
定した。
(参照資料)
資料 8.2.2-1 入学料免除及び徴収猶予,授業料免除の種類と適用人数
(評価)
納付免除・減額に係る経済支援は,平成 19 年度からの入学料免除の見直しを含めて適切に実施さ
れている。
65
Ⅲ.教育活動
資料 8.2.2-1 入学料免除及び徴収猶予,授業料免除の種類と適用人数
入学料免除及び徴収猶予(前後期)
適用人数(申請者全体の割合)
授業料免除(前後期)
適用人数(申請者全体の割合)
半額免除
徴収猶予
36(22%)
138(90%)
全額免除
半額免除
427(31%)
543(40%)
8.3 健康管理・生活相談等
8.3.1 健康保持・増進への配慮
(現状)
学生の健康保持・増進のために,旦野原保健管理センターと挾間健康相談室で定期健康診断,特殊
健康診断のほか,診察・応急処置,健康相談,カウンセリング,電話やメールによる相談,講義(教
育福祉科学部学生に対してセンター2 名の医師による医学一般・精神医学の講義,年 75 回)
,健康教
育,啓発活動等を行っている。また,健康増進のため体脂肪計や自動血圧計等を設置し健康への認識
を持たせるよう努めるとともに,心身のリフレッシュのために卓球台を設置している。
保健管理センターの職員は,旦野原 3 名(所長(教授)・内科医,教授・精神科医,看護師)及び
挾間 2 名(講師・内科医,保健師)の常勤職員 5 名のほか,非常勤7名を配置し,医学部相談医との
連携体制も整えている。
また,麻疹の流行に対して,平成 20 年度も麻疹抗体検査を実施し,陰性者にワクチン接種を行っ
た。
(評価)
学生の健康保持・増進の各種方策が実施されており,適切である。
8.3.2 定期健康診断・特殊健康診断
(現状)
定期健康診断は毎年 4 月~5 月に実施している。実施の周知は,掲示及び学生サービス用情報シス
テム(MASIS)を通して行っている。特殊健康診断は電離放射線及び有害化学物質を取り扱う学生に
年 2 回実施している。平成 20 年度の学生定期健康診断受診状況は,資料 8.3.2-1 のとおりである。
(参照資料)
資料 8.3.2-1 平成 20 年度学生定期健康診断受診状況等
(評価)
定期健康診断は毎年計画的に実施されており,適切である。
66
Ⅲ.教育活動
資料 8.3.2-1 平成 20 年度学生定期健康診断受診状況等
キャンパス
学部等
学部
旦野原
学年
受診者(名)
1 学年
957
98.6
2 学年
601
59.6
3 学年
869
84.3
4 学年
948
80.2
365
73.9
5
4.8
1 学年
154
98.7
2 学年
141
100.0
3 学年
167
98.8
4 学年
165
95.9
5 学年
89
97.8
6 学年
102
97.1
80
53.7
0
0
大学院
非正規生等
学部
挾間
大学院
非正規生等
受診率(%)
総計
3,375 名(80.7%)
818 名(98.1%)
※ 受診率は,対象学生に対する受診学生の割合である。
8.3.3 学生からの健康に係わる相談
(現状)
学生からの健康に係わる相談は,旦野原キャンパスの保健管理センター,挾間キャンパスの健康相
談室でそれぞれ実施している(資料 8.3.3-1)。
(参照資料)
資料 8.3.3-1 平成 20 年度学生の健康に係わる相談件数
(評価)
保健管理センターを中心に学生の健康に係わる相談体制が確立され,恒常的に実施されており,適
切である。
資料 8.3.3-1 平成 20 年度学生の健康に係わる相談件数
キャンパス
相談内容
旦野原キャンパス
挾間キャンパス
件数
総計
身体面
2,327
精神面
1,007
身体面
2,830
精神面
574
3,334
3,404
8.3.4 ハラスメントへの対応
(現状)
本学ではイコール・パートナーシップ委員会を中心に各種のハラスメントに対応する体制を整備し
ている。ハラスメント予防教育として,毎年,新入生へのパンフレット配付,教養教育科目ガイドブ
67
Ⅲ.教育活動
ックへの掲載及び講演会の開催等を行って学生への周知を図っている。また,保健管理センターがイ
コール・パートナーシップ委員会と連携して活動している。
平成 20 年度には,セクシュアルハラスメント講演会(アルコールハラスメント教育講演を同時開
催)を開催し,約 150 名の参加を得た。
(評価)
イコール・パートナーシップ委員会を中心として,ハラスメントに対して適切な対応がなされてい
る。
8.4 進路支援
8.4.1 進路指導体制
(現状)
就職には,キャリア開発部門会議がキャリア開発課とともに,各学部の就職委員会及び事務組織で
ある就職支援室と連携して対応している。就職情報を収集し・加工提供するとともに 27 台のパソコ
ンを整備したインフォメーションルームを設置して,情報収集の便宜を図っている。進路相談につい
ては,各学部及び学生支援課にそれぞれ学生相談室を設けて対応している。
学生の職業意識を啓発し,自ら進路を主体的に選択する能力の育成(キャリア形成教育)に全学的
かつ組織的に取り組むため,平成 18 年度から「キャリア開発課」を新設し,公募により課長を登用
するとともに,「キャリア相談室」を設置し,専門のキャリアカウンセラーによる就職相談体制の強
化,OB・OG による在学生支援のための「キャリアサポーター制度」の導入を行い,全学的なインター
ンシップを推進するために「インターンシップポリシー」を定めている。
さらに平成 19 年度から OB・OG の再就職,進路変更に必要な支援を行うことを目的に「再チャレン
ジ支援室」を設置し,OB・OG の就職相談体制を強化するとともに,職員のスキルアップのため産業カ
ウンセラーの資格取得に努めた。この資格取得により,カウンセラーとしてキャリア相談を行うこと
ができることとなり,平成 20 年度から「キャリア相談室」の相談日を週 4 日から週 5 日に増やした。
また,早い段階で学生の職業意識・生き方を考えさせるキャリア形成教育を強化するため,教務部
門会議と連携し,教養教育・専門教育における「キャリア形成教育プログラム」の体系化を図るべく
取り組んでいる。
(評価)
進路指導体制については,新たな制度の導入も進み,おおむね適切に整備されている。
8.4.2 就職支援の実施状況
(現状)
本学は,求人票,就職関係資料等の各種情報の提供(直接閲覧,各種 DVD・ビデオテープ視聴,学
内外のパソコンからの閲覧)を行っている。また,「就職の手引」の発行,合同企業説明会・個別企
業説明会,就職ガイダンス,公務員ガイダンス,本学 OB・OG の支援を含むキャリア相談室における
専門のキャリアカウンセラーによる個別就職相談,能力開発講座等の多面的な就職支援を行っている。
各種講演・企業説明会等の案内は,学生サービス用情報システム(MASIS),全学掲示板や各学部掲
示板で行っている。各学部においては,就職委員会委員を中心に個別就職指導を実施するとともに,
医学部医学科では,教務委員会を中心に本学附属病院への就職に力を入れて取り組んでいる。
また平成 18 年度から,OB・OG による在校生支援のための「キャリアサポーター制度」を発足させ,
68
Ⅲ.教育活動
卒業式や同窓会組織を通じて,卒業生・修了生に対し「キャリアサポーター」への参加を呼びかけ 168
名の登録を得た。
平成 20 年度の主な就職支援活動状況を資料 8.4.2-1 に示す。
(参照資料)
資料 8.4.2-1 平成 20 年度の主な就職支援活動の実績
(評価)
就職支援の活動が計画的に活発に行われている。改善のための取組にも意欲的であり,適切な実施
状況である。
今後は,学生自らが進路を主体的に選択する能力の育成(キャリア形成教育)に取り組む必要があ
る。
資料 8.4.2-1 平成 20 年度の主な就職支援活動の実績
事業名
主な対象
回数
学生就職支援プログラム
1~4 年
12 回/年
キャリア相談室(OB・OG の支援を含む)での就職相談
全学年
5 回/週
3年
2 回/年
281
全学年
2 回/年
111
学内合同企業説明会
公務員ガイダンス
延べ参加人数
1,196
657
(内 OB・OG 50 名)
8.5 学生生活の実態
本学は,数年ごとに学生生活実態調査を行い,学生生活の把握に努めている。
なお,平成 18 年度に調査項目の見直しを行い,12 月中旬から 1 月中旬の間に調査を実施し,次年度
に事項別統計を学生生活実態調査 WG で纏めることにしている。
最近の調査結果は,平成 18 年度のものである。
8.5.1 学生の自主的活動
(現状)
本学では学生の自主的活動として,医学部を除く各学部に自治会(教育福祉科学部自治会,思学会
(経済学部),工学部自治会)が組織され,より豊かで明るく有意義な学生生活が送れるよう,さま
ざまな学内活動やボランティア活動が展開されている。サークル活動も盛んで,文化会及び体育会が
旦野原キャンパスの,サークル協議会が挾間キャンパスの公認サークルを統括し,日々の練習や稽古,
各種大会・発表会などの通常の活動に加えて,学園祭,献血活動,駅伝大会のほか活動に関連したボ
ランティア活動などにも積極的に取り組んでいる。
(資料 8.5.1-1)
大学では,学生の自主性を第一とし適切な指導・助言を行う一方,「課外活動推進プロジェクト」
による活動の高度化や利便性を図りながらインセンティブの付与等のサポートも行っている。また,
学生たちの自主性・積極性・元気力により自ら企画をプロデュースする「活き2 プロジェクト」にも
参加し,活動を通じて大学や地域社会等が活性化に貢献している。
学生によるボランティア活動の推進のため,ボランティア支援室を中心に教務部門会議と協力し
て,大分県からの全国障害者スポーツ大会選手団担当学生ボランティアの要請に応じて,平成 19 年
69
Ⅲ.教育活動
度にボランティア養成講座の体制作りを行い,平成 20 年 10 月に開催された「第 8 回全国障害者スポ
ーツ大会・チャレンジ!おおいた大会」において,本学から多くの学生が選手団担当ボランティア(約
150 名)として参加し,各県選手団が大分県入りした 9 日から離県された 14 日までの 6 日間をサポー
トした。
(参照資料)
資料 8.5.1-1 サークル数及び部員数
(評価)
学生自治会やサークル組織によって,多様な課外活動が行われており,支援体制も整備され,一層
強化されているので,適切である。
資料 8.5.1-1 サークル数及び部員数
サークル等の種類
サークル数
部員数
体育会系サークル
44
1,170
文化系サークル
30
1,139
6
106
80
2,415
同好会
合計
8.5.2 学生生活支援に対する学生の満足度
(現状)
平成 18 年の学生生活実態調査によれば,大学生活全般について「大学生活に満足しているか」とい
う質問に対する学生の総括的評価は全学生の 6 割が満足している。一方,福利厚生施設や体育施設等
の環境面では半分以上の学生が不満を抱えている。今後,今回の学生生活実態調査結果から最優先課
題を見きわめて,着実に改善していく必要がある。
(評価)
学生生活の支援に関する学生の満足度はおおむね良好であるが,キャンパス環境と授業環境につい
ては一層の整備が必要である。
70