海外感染症流行等に関する情報提供(27-45) 平成 27 年 6 月 10 日 要約 1)韓国における中東呼吸器症候群感染拡大状況等(ソウル聯合ニュース、中央日報) 2)韓国における中東呼吸器症候群への厚生労働省の対応(日経、朝日) 3)インドネシア・バリ島で狂犬病による死者発生(Bali Discovery Tours) 本文 1)本日午前、韓国保健福祉省は、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が 昨日午前から新たに 13 人増え、計 108 人になったと発表しました。また感染者のうち 2 人が死亡し、同国内の死者は 9 人となりました。死亡したのは 62 歳の男性と 75 歳の女 性で、いずれも持病があったとのことです。新たに感染が確認された 13 人中、死亡した 2 人を含む 10 人が、ソウルのサムスンソウル病院で感染したものとみられています。他 の 3 人も別の病院で感染しており、今のところ病院外での感染は確認されていません。 今回、同国で感染拡大の発端となった患者が入院したのは平沢(ピョンテク)聖母病 院ですが、保健福祉省 MERS 官民合同対策班疫学調査委員会によりますと、平沢聖母病院 では病院側が 6 人部屋を石膏ボードで仕切って 3 つの 2 人部屋に分けてあったため、残 りの2部屋には換気施設があったものの、同患者の入室した部屋には換気施設がなかっ たとのことです。そのため排気と換気ができず、同患者からウイルスが室内に広がり、 病室外に流出したものと考えられています。同国政府は先月 20 日に最初の患者が確定さ れた後、追加の隔離対象者を同じ病室の患者や家族、医療スタッフに限定したことにつ いて、8 日、接触者の範囲をあまりに狭く絞った対応のまずさを認めました。現在は、感 染者の立ち寄った先を調査し、乗ったとみられるバスの同乗者まで特定するなどの対策 を講じているとのことです。 2)韓国で発生している MERS への対応として、厚生労働省は 9 日夜、専門家会議を開き、 対応策をまとめました。それによりますと、現在実施している検疫対応を継続すること、 また国内で MERS 確定患者と接触した人への対応については、①発熱や咳などの症状があ れば、指定の医療機関に入院してもらうこと、②症状のない人は、潜伏期間中、接触の 程度に応じて健康状態を定期的に保健所に報告してもらうこと及び外出を自粛してもら うこと、などを求めるとしています。患者確認の発表は、各都道府県にある地方衛生研 究所での検査で陽性結果が出た段階で行い、国立感染症研究所における検査で確定しま す。同省はこれらの対応策を都道府県などに近く通知する予定です。 3)7 日、地元紙によりますと、インドネシア・バリ島で、犬の咬傷により 15 歳の学生が 狂犬病で死亡したとのことです。同国では今年に入ってからの同症による死亡者数が 9 人となりました。バリ州医療局担当者は、同州で狂犬病曝露後接種ワクチンが枯渇して いることへの批判に対し、速やかに同ワクチンの輸入手続を進めていると話しています。 神戸検疫所、関西空港検疫所、大阪検疫所
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