(2010年1月)(PDF:3157KB)

14 号
2010年1月
SGホールディングス株式会社 〒601-8104 京都市南区上鳥羽角田町68番地
URL.http://www.sg-hldgs.co.jp
Contents
Special Report ――――――――――― 1∼3
ビジネスを最適化するソリューション提案
News Topics ――――――――――― 4∼5
発泡スチロール廃材を減容機で再資源化
SCS京都本社の電力供給ルートを二重化、ほか
Business Angle ―――――――――― 6∼7
佐川アドバンス 代表取締役社長 遠藤英二
Portrait/Column ――――――――――― 8
「真のセールスドライバーNo.1決定戦」で優勝
「日経企業サイトランキング 2009」で2位に
ビジネスを最適化するソリューション提案
企業の多様化するニーズに対応する
最適なソリューションを提案
企業を取り巻く環境は急速に変化しており、物流分野においてもネ
ットビジネスの拡大、配送時間の短縮、環境対策などが求められていま
す。佐川急便㈱では、
「Fit Your Business」をコンセプトに、さま
ざまな商品、サービス、インフラを活用して、企業ごとにカスタマイ
ズした物流業務の効率化を図り、最適なソリューションを提案するな
ど、ビジネス課題の解決をサポートしています。今回は企業のビジネス
をサポートする佐川急便のソリューションを紹介します。
「 Fit Your Business」とは、多
レクト」による集金業務に加え、商
スピードを最優先に求める企業のた
種多様にわたるお客様のビジネスに
品の販促から受注、請求書などの各
めに、当日中に配達する「飛脚即配
“Fit(フィット)
”する最適なソリュ
種帳票の作成・発行、請求までの業務
便」などのサービスも提供します。
ーションを提供することを意味しま
を一元管理できるシステムを提案。
「輸送におけるCO 2 削減」について
す。企業が抱える課題に対して佐川
これにより企業の「eビジネス化」を
も、佐川急便ではさまざまな提案を
急便がどのようなソリューションを
推進し、通販事業のトータルサポー
行っています。佐川流通センターは
提供しているのか、
「eビジネス*によ
トを行います。
商品の入荷から出荷までを一元管理
る事業拡大」
「産地直送品の時間短縮」
次に「産地直送品の時間短縮」で
できることから、作業工程間の無駄
は、通販市場で食品分野の産地直送
な輸送をなくし、CO 2 排出量の削減
をサポートするため、配送時間の短
など環境負荷の低減とコストの効率
縮を提案しています。新鮮な食材を
化が図れます。また、商品を運ぶ際
では、拡大するネット通販市場に着
生産者が直送する場合は、品質を損
も、配送車両を使わないサービスセ
目し、新たに通販事業に進出する企
なわずに迅速に配達することが求め
ンターの設置、環境負荷の少ない天
業の事業拡大を支援しています。佐
られますが、佐川急便の保冷宅配便
然ガストラックの大量導入、鉄道や
川急便の全国ネットワークを使った
サービス「飛脚クール便」は新鮮さを
船舶を使ったモーダルシフトなどを
配送業務、代金引換サービス「e-コ
保ったまま輸送できます。また、輸送
積極的に推進しています。
「輸送におけるCO 2 削減」の3つの事
例について紹介します。
まず、
「eビジネスによる事業拡大」
このように佐川急便では、明確なタ
◆企業のビジネス課題を最適化するソリューション
ーゲットのもと、当社の持つさまざ
事業拡大
時間短縮
CO2削減
通販事業者向けに
商品の受注から出荷
集金などを行う
食材の品質を保ち
より迅速に配送する
「産地直送」を
CO 2 排出量の削減など
環境にやさしい
物流システムの
サービスを提供
サポート
再構築を提案
まな商品・サービスおよびインフラを
活用して、顧客企業に対して最適な
ソリューションをカスタムメイドで
提案しています。
(次ページに続く)
eビジネス:企業活動において、電子商取引以外に
も、データ管理や商談などの業務全般をネットワー
ク化し、経営効率を向上させること
January, 2010 No.14
1
1 事業拡大を提案
前述した「 Fit Your Business」
「e飛伝産直」
「e-コレクト」などを活用して
通販事業の業務簡略化と効率化を提案
る“産地直送”が広がっています。
成、出荷・請求・入金などを一元管理
の3つのソリューションについて、
このような通販事業者に向けて、佐
でき、産地直送やギフト出荷などに
さらに具体的に紹介します。
川急便では既存の配送業務や、
「e-コ
関わる生産地での一連の作業を支援
レクト」での集金業務に加え、通販
します。また、販売実績から購買動
では、ネット通販事業者の大きな悩
事業に関わる諸業務をネットワーク
向分析や販売計画に合わせた eメー
みの一つである代金回収について、
化し、一元管理できる産地直送支援
ル・商品案内などのダイレクトメール
代金引換サービス「 e-コレクト」を
システム「 e飛伝産直」を提案。「 e
活動も展開できます。
提供しています。
「e-コレクト」はセ
ビジネス」による業務効率の向上を
ールスドライバーが商品配達時に商
推進しています。
まず、
「eビジネスによる事業拡大」
このように佐川急便では、
「eビジ
ネス」のソリューションやサービス
品と引き換えに代金をお預かりする
「e飛伝産直」は、商品の受注から
ので、確実に代金を回収することが
送り状・請求書などの各種帳票の作
を組み合わせ、通販事業の業務簡略
化や効率化を提案しています。
できます。最近の通販市場の拡大を
受け、
「e-コレクト」は、2000年のサ
◆産直支援システムの流れ
販売事業者
ービス開始以来、毎年二桁成長を続
けています。2008年度の決済金額は
販売促進活動
消費者
1兆2,115億円に達し、今期の中間決
Eメール DM
産地直送支援システム
電話・ハガキ・注文書
「e 飛伝産直」
算でも取扱個数が前年同期比 21.1%
増と拡大。代金引換決済において確
固たる地位を築いています。
通販市場では、店舗を持たず、ネ
ット販売だけで商品を販売する事業
入金管理
③
集金
e
コ
レ
ク
ト
②
注文
①
配達
者が増えており、特に農水産品では
納品書
<提供セット>
①専用パソコン
②サーマルラベラー
③インクジェットプリンター
送り状
請求書
消費者・小売店に生産者が直接販売す
2 時間短縮を提案
佐川急便では生鮮食品などの産地
する顧客に対しては、午前中に集荷
ピードと品質で産地直送をサポート
直送を支えるため、付加価値サービ
した荷物を当日中に配送する「飛脚
していきます。
スとスピードを追求しています。佐
即配便」のサービスを行っており、
川急便の「飛脚クール便」は、商品
配達エリアも拡充しています。これ
の集荷から輸送・保管・配達までを途
まで首都圏では東京23区だけで当日
切れることなく低温に保ち続けるコ
配送を行ってきましたが、2009年 5
ールド・チェーンシステムを採用して
月からは東京都、神奈川県、埼玉県、
おり、食材の新鮮さを保ったまま配
千葉県の一部地域で、利用可能にな
達することができます。2008年度の
りました。
取扱個数は 前年比 13.1%増の 3,297
このほかにも、集荷翌日の午前9時
万個に達し、2009年度中間決算でも
から配達指定ができる「飛脚TOP便」
、
前年比 17.3%増と順調に推移。多く
遠隔地への配達を半日早める「飛脚ス
の顧客に支持されています。
ーパー便」なども提供しています。
また、より輸送スピードを必要と
2
「飛脚クール便」
「飛脚即配便」を使い
付加価値サービスとスピードで産地直送を支援
SGホールディングスグループ ニュースレター
佐川急便はこれからも、輸送のス
◆ 飛脚即配便 関東の配達可能エリア
※平日のみ利用可能
ビジネスを最適化するソリューション提案
3 CO 2削減を提案
環境にやさしい物流システムを再構築し
企業の環境経営を積極的にサポート
今や企業が抱えるビジネス課題と
酸化物)排出量が少ない天然ガス
して、環境対策への取り組みが不可
トラックを累計4,324台(2009年
欠となっています。佐川急便では、
11月現在)導入しています。また、
企業の物流診断を行い、環境にやさ
佐川急便では、輸送をトラックの
しい物流システムの再構築を支援し
みに頼るのではなく、環境負荷の
ています。
小さい鉄道や船舶などの輸送手段
(g-CO 2 /トンキロ)
輸送機関別CO2排出原単位
200
出典:国土交通省ホームページ
(2006年度)
150
100
佐川グローバルロジスティクス㈱
を複合的に組み合わせるモーダル
が運営・管理する「佐川流通センター
シフトを推進しています。2004
(SRC)
」では、顧客から預かった商
年から日本貨物鉄道㈱と共同開発
品の入荷から一時保管、検品、値付
した世界初の特急コンテナ電車
までの物流加工業務、そして出荷ま
「スーパーレールカーゴ」を東京
でをトータルでサポートしています。
∼大阪間で運行しています。1回
一元管理を行うことで、物流に関す
の運行で運べる積載量は10トント
る手間を簡略化し、作業工程ごとの
ラック56台分に相当し、CO 2 排出量
台車や自転車での集荷・配達を行い、
無駄な輸送を削減するため、環境負
の大幅な削減に貢献します。
環境負荷を与えない配送に努めてい
39
20
0
営業用貨物車
鉄道
1トンの貨物を1km運ぶのに排出されるCO 2 の量を
比べると、鉄道はトラックの1/8、海運は1/4といわ
れている。
ます。
そのほかにも、交通量が多く、駐
荷の低減を図ることができます。
船舶
車スペースが少ない都市部では、配
これらの環境対策を駆使して、佐
スにも積極的に取り組んでいます。
送車両を使わない「サービスセンタ
川急便では、企業の物流の最適化を
営業車両については、一般的なディ
ー」を全国221か所に設置。約1,100
図り、環境経営を積極的にサポート
ーゼル車と比べてCO 2 やNOx(窒素
台相当の増車を抑制しました。また、
していきます。
また、商品を運ぶ際のECOサービ
◆スーパーレールカーゴ
◆佐川流通センター(SRC)
毎日深夜に16両編成(31フィート
コンテナ28個搭載)の列車を東京
∼大阪間で上り下り各1本運行。東
京貨物ターミナル駅(東京)から安
治川口駅(大阪)を6時間12分で結
ぶ。最高時速は130km。
佐
川
急
便
︵
東
京
︶
営業店
集
荷
中継センターで専用
コンテナに積み替え
全国 26か所に展開。物流業務の一
括委託、情報支援システムや物流ス
ペースの提供、人材派遣、コンサル
ティングなど物流全般をサポート。
取引先業種はアパレル、靴、医療、
家電など多業種に及ぶ。
JR貨物
東京貨物ターミナル駅
でコンテナを乗せ替え
一般的な商品の流通
集 荷
配
達
佐
川
急
便
︵
大
阪
︶
配達
棚
入
れ
・
在
庫
ピ出
ッ荷
キ検
ン品
グ
出
荷
スーパーレールカーゴ
東京・大阪
の顧客
集
荷
入
荷
・
入
荷
検
品
SRCを利用した商品の流通
配
達
営業店
集 荷
中継センターで専用
コンテナに積み替え
安治川口駅で
コンテナを乗せ替え
SRC
配達
ピ
検 在 ッ 値 出
梱 出
キ 荷
検
収 庫 ン 付 品 包 荷
グ
佐川急便の営業店がSRCに隣接
January, 2010 No.14
3
設置輸送事業で生じる廃材の発泡スチロールを
減容機で圧縮処理して再資源化
佐川引越センター㈱は、2007年 6
圧縮されたペレットは、製紙工場
月より佐川急便㈱と共同で、大型家
やセメント工場の発電ボイラーの燃
具や家電の輸送・設置などを行う「大
料として使用されるほか、高純度な
型家具・家電設置輸送」サービスを展
ものはマテリアルリサイクルでプラ
開していますが、このときに生じる
スチック製品に再生されます。
廃材の発泡スチロールを再資源とし
佐川引越センターの設置輸送事業
て活用するため、このほど小型簡易
は、
「大型家具・家電設置輸送」サー
型の発泡スチロール減容機を東京支
ビスの需要拡大などもあり、好調に
店(東京都江東区)に導入しました。
推移しています。その一方で、設置
この発泡スチロール減容機は、京
輸送で生じる発泡スチロールの廃材
都府再資源化事業協同組合(京都府
は、東京支店だけでも月間約 280kg
城陽市)の中谷延幸理事長が提案し、
にものぼり、これまで月額50万円程
ープで唯一、産業廃棄物収集運搬業許
機械メーカーの㈱石川商事(静岡県
度の処理費用を負担していました。
可を得て事業を展開しており、グル
今回、発泡スチロール減容機を導
ープが環境方針として掲げている
使用済み発泡スチロールを摩擦熱と
入したことにより、処理コストが低
『循環型社会の構築』に向けて、廃材
圧縮により空気を抜き、白いロープ
減できるほか、圧縮したペレットを
をゴミとして扱うのではなく、有効活
状のペレットを生産します。発泡ス
産業廃棄物処理業者に1kg当たり1
用できるように再資源化に努めてい
チロールは高温で圧縮すると黒く変
円で売却することができるようにな
ます。そのため、2009年10月から日
色しますが、この減容機は 150℃ 以
ります。
本資源再生事業振興協同組合に加盟
駿東郡清水町)が開発したもので、
下の低温で処理するため、火気の危
険性がなく、1時間に25kgを処理す
佐川引越センターの熊川孝康・取締
役は次のように話しています。
「当社は、SGホールディングスグル
ることができます。
しており、今後も産業廃棄物処理業者
の皆様と連携し、さまざまな取り組
みを行っていきたいと考えています」
◆発泡スチロール減容機を用いた再資源化の流れ
廃材持ち帰り
個人宅への家電設置作業
発泡スチロールを抽出
大型家電などを箱から開梱し、指定され
た場所へ設置、不要資材の引き取り・配線
作業(追加料金)まで含めた輸送を行う
従来は有料で発泡スチロールを廃材処理
4
→
減容処理して1kg当たり1円で売却
産業廃棄物処理業者に売却
減容品を抽出
1kg当たり1円で売却
発泡スチロールを低温で圧縮
SGホールディングスグループ ニュースレター
発泡スチロールを投入
発泡スチロール減容機
SGモータースが製作などをサポートした
津山高専のソーラーカーが鈴鹿を走行
SGモータース㈱は、津山工業高等
2009年7月31日∼8月2日に鈴鹿サー
専門学校(岡山県津山市、以下:津
キット国際レーシングコース(三重
山高専)のソーラーカー製作に協力
県鈴鹿市)で開催された「 D r e a m
し、カーレース出場をサポートしま
Cupソーラーカーレース鈴鹿 2009」
した。具体的には、テスト走行のた
で、国際自動車連盟(FIA)が公認
めに同社の岡山工場を提供したほか、
する世界最高峰のソーラーカーレー
本を学ぶ場として、高校・高専・大学
各種データの取得や分析を実施する
スです。クリーンな太陽光のエネルギ
関係者から高い評価を受けています。
機材を貸与し、電気エネルギーの調
ーで走る車づくりを目指そうと、
整を行いました。そのほか、車体搬
1992年にスタートし、今回で18回目
間耐久レースに出場。車体前面と側
送作業なども全面的に協力しました。
を迎えます。学生たちが車体製作など
面にSGモータースのロゴを入れたソ
に関わることから、
“ものづくり”の基
ーラーカーが、1周 5.807kmの国際
津山高専が出場したレースは、
津山高専は8月1日に行われた4時
レーシングコースを11周走りました。
今回のSGモータースの協力は、自
動車の新しい動力源となりうる電気
エネルギーの基礎的な知識の習得と
人材の育成を図り、次世代のエコカ
ービジネスに結びつけることを目的
岡山工場でのテスト走行の模様
車体を飾るSGモータースのロゴ
に行いました。
車体の搬送作業をサポート
佐川コンピューター・システムが停電によるリスク回避のため
京都本社ビルへの電力供給ルートを二重化
が停止する事態に陥る可能性があり
ました。
これらを解消するために、発電所
佐川コンピューター・システム㈱
ルートは、2か所の発電所から正副
および送電経路が異なる上鳥羽変電
(以下:SCS)は、災害時におけるシ
2系統で受電していましたが、途中
所が本社近くにあることから、関西
ステムダウンなどのリスクを回避す
で経路が重なる箇所があり、その区
電力㈱に依頼し、新たな電力ルート
るため、京都本社ビル(京都市南区)
間で停電した場合、正副2系統とも
を確保しました。一方、本社ビル付
への電力供給ルートを二重化し、併
送電が停止する恐れがありました。
近の電柱に関しては、本館西側に新
せて構内電力供給ルートの変更工事
また、本社ビル敷地内への電力引き
たな構内柱を立て、正経路は既存の
を行いました。
込み経路では、同じ電柱を経由して
東側ルートを、副経路は西側ルート
おり、電柱が倒壊すれば、電源供給
を確保し、リスクを分散しました。
これまでSCS本社ビルの電力供給
電力供給系統図
これまでの供給ルート
正
美浜発電所
嶺南変電所
副
大飯発電所
京北開閉所
東近江変電所
観進橋変電所
南京都変電所
横大路変電所
SCS本社
停電が発生した場合、正副ともに送電がストップ
清井町変電所
二重化後の供給ルート
美浜発電所
嶺南変電所
大飯発電所
京北開閉所
東近江変電所
南京都変電所
正
高浜発電所
新綾部変電所
観進橋変電所
SCS本社
西京都変電所
副
横大路変電所
能勢変電所
島原変電所
吉祥院変電所 上鳥羽変電所
*SCSは佐川コンピューター・システムの略称
January, 2010 No.14
5
社会に貢献できる「総合サービス企業」を目指す
えんどう
佐川アドバンス株式会社 代表取締役社長
デリバリー事業やロジスティクス事業に次ぐ
第3、第4の主力事業を育成する
遠藤 英二
旅行事業では、グループの社員旅行
や、一般市場への旅行商品の企画・販
売だけではなく、出張の各種手配な
SGホールディングスグループの中
2つ目は、通信販売や、売店・コン
ども行っています。また、イベント
でさまざまなサービス業務を展開し
ビニの運営、自動販売機による販売管
事業では入社式や表彰式なども総合
ているのが、1975年に設立された佐
理などを担っている商品開発事業で
的にプロデュースしています。
川アドバンス株式会社です。今回は
す。通信販売では、
「美味しい、旨い、
同社の遠藤英二社長に、事業領域や
ぜひ買っとこーっと」という消費者
今後の展開について聞きました。
の思いをコンセプトにした新商品ブ
*************
このように当社は、各事業が市場
のニーズに応えられる多種多様なビ
ジネスユニットを持ち合わせており、
ランド「カットコット」を 2008年 4
「総合サービス企業」として着実に実
――佐川アドバンスの役割は?
月に立ち上げるなど、本格的に事業
績を積み重ねています。なお、当社
遠藤 SGホールディングスグループ
を展開しています。売店・コンビニ運
の事業の1つであった移動体通信基
の現・中期経営計画「F i r s t S t a g e
営では、ローソンのフランチャイジ
地局の施設管理事業は、2 0 0 7 年 8 月
Plan」では、デリバリー事業とロジ
ーとして9店舗を展開しているほか、
に100%子会社のSGモバイルサポー
スティクス事業を主力事業として位
食堂や社内売店( SGマート)を 35
ト㈱として分離独立し、通信インフ
置づけるとともに、それに次ぐ第3、
店舗運営しています。また、オリジ
ラ整備事業を担っています。
第4の事業の柱を育成することが重
ナル商品も開発しており、飲料は自
――特に注力している事業は?
要なミッションとなっています。当
社の自動販売機でも販売しています。
遠藤
社は新しい事業に挑戦するインキュ
3つ目は、損害保険や生命保険を
なるものと期待しているのは、この
ベータとしての役割を担いながら、
取り扱う保険事業です。損害保険で
3年間で新たに創設された請負事業
刻一刻と変化するマーケットを見据
は、佐川急便が保有する2万6,000台
と通販事業で、当社の持ち味が発揮
え、社会に貢献できる「総合サービ
以上の集配車両のほか、グループ社
できると考えております。
ス企業」を目指しています。
員のマイカー保険などを、また生命
請負事業は、2007年に佐川急便中
――事業内容を教えてください。
保険では、社員・家族向けに医療保険
部支社で配送業務の一括請負を開始
遠藤
事業は大きく分けて4つあり
などを扱っています。また、これら
し、2009年から関東支社や関西支社
ます。1つは、人材派遣や業務請負な
のノウハウをもとに、一般企業に対
でも請負を始めました。これは単な
どを行う人財開発事業です。請負事業
しても福利厚生充実の企画やコスト
る請負業務ではなく、現場の調査分
ではコンプライアンスを徹底させた
削減の提案を行っています。
析を行い、適正人数の配置を行う一
将来、グループの事業の柱に
現場管理を推進し、コストの適正化と
4つ目は、旅行や研修、イベント
種のコンサルティングを含めた請負
業務品質の向上に取り組んでいます。
などを企画・実施する旅行事業です。
です。品質管理の面でも、当社の配
佐川アドバンス株式会社の概要
所在地 京都市下京区烏丸通仏光寺下ル
大政所町678番地
代 表 代表取締役社長 遠藤 英二
創 業 1975年7月
売上高 168億7,700万円
資本金 2,700万円
従業員 2,163名(2009年3月現在)
事業所 3支店(東京・名古屋・大阪)
10営業所
6
えいじ
SGホールディングスグループ ニュースレター
人材派遣・請負事業
職業紹介事業 ●ISO取得のコンサルティング業務
●保養所、
スポーツ・研修施設等の運営
●売店、喫茶の運営事業
商
品
開
発
事
業
損害保険代理業及び自動車損害補償
法に基づく保険代理業
●生命保険の募集に関する業務
旅行
事業
人
財
開
発
事
業
●
保
険
事
業
●
●
飲料、食品、業務用品等の自動販売機
による販売及び管理業務事業
●販促品等の商品企画開発販売事業
●カタログ、
ネット等による通信販売
●売店、
ローソン店舗、社員食堂の運営 ●
旅行業 ●イベント事業
●
その他事業
商品開発事業の業務展開
売店・コンビニの運営
2008年10月にオープンしたローソン上鳥
羽大宮通り店。
靴下
トラックのミニカー
通信販売事業
オリジナル商品の企画・開発
自動販売機管理
地方特産品の食材通信販売サイト「カッ
トコット」など、カタログとインターネ
ットによる通販事業を展開。
営業活動用オリジナルグッズなどの
企画・開発や、グループ社員が使用
する備品類を調達。
グループ各社や関連施設に設置されて
いる約3,000台の自動販売機を契約管
理。社員の利便性向上を図っている。
送管理担当者がスタッフに対して教
通販事業では、
「カットコット」と
育訓練を行い、管理監督することに
同時にWeb通販サイトを開設し、カ
していきます。また、損保事業では、
よって、丁寧な荷扱いを徹底させ、
タログギフトなどを展開しています。
ほかの代理店との提携などを積極的
破損や紛失などの貨物事故を抑制さ
通販市場は年々拡大し、今後も二桁
に推進し、業容の拡大を図ります。
せるなど、グループとして首尾一貫
近い伸びが見込まれるなど、大きな
した運営を可能としました。パート
市場となっています。
「カットコット」
員や家族を対象にした個人旅行で約
やアルバイトを含めた従業員数は、
の会員は、現在、約8万7,000人、商
8万人、3,200コースの利用がありま
3年前の事業開始当初と比べると約
品点数は約 700アイテムと順調に増
した。こうした実績を最大限に活用
15倍に拡大しており、アウトソーシ
えており、さらに経営資源を集中さ
し、グループの特色を生かした独自性
ングビジネスの礎を築いています。
せ、事業の拡大を図っていきます。
のある、夢のある商品を企画し、ホ
実させ、個人や法人への営業を強化
旅行事業は、2008年、グループ社
ールセール商品とメディア商品をラ
グループ内で培った実績とノウハウを武器に
一般市場でホールセールの獲得を目指す
インナップすることにより、一般市
場の獲得を目指していきます。また、
イベント事業でも、これまでの実績
――佐川アドバンスの今後の展開を聞
とのコラボ、媒体チャネルの拡大、
とノウハウをもとに、一般市場へ積
かせてください。
イベント物販の実施、付加価値サー
極的に営業拡販していく方針です。
遠藤 請負事業は、これまでに蓄積し
ビスの構築などを行っていきます。
そのほか新事業では、コールセンタ
たノウハウと1万名を超えるスタッ
――そのほかの事業はどうですか?
ーの運営を保険と旅行事業で開始し
フを武器に、流通系企業などの物流業
遠藤
保険事業は、生命保険でさら
ました。コールセンターは通信販売の
務にターゲットを絞り、業務の一括受
なる拡張を図るため、すでに外部よ
受発注業務や、SGモバイルサポートの
託を推進していきます。当社のよう
り生保のプロフェッショナルを採用
時間貸駐車場の管理業務などで外部
な規模と、業務スキームを持って請負
し、営業体制の整備を進めています。
委託をしており、将来的には内製化し、
事業を展開している事業者は少ない
今後は複数の生保会社と積極的に提
さらにコールセンター業務の事業化も
ことから、大きなビジネスチャンス
携し、販売商品のラインナップを充
視野に入れ、検討しているところです。
であると考えており、軽作業系の派
遣・請負事業で業界トップクラスの人
材サービス企業を目指していきます。
通販事業では、女性をターゲット
にグループのインフラとブランド力
を前面に出し、
「信頼ある全国ネット
ワークの配送網で安心・速い、だから
新鮮!」というイメージづくりを行
い、
「カットコット」ブランドの定着
を目指します。同時に、差別化に向
遠藤 英二社長の略歴
1953年4月19日生まれ(56歳)
1977年3月 中央大学経済学部国際経済学科卒業
1981年11月 東京佐川急便㈱入社
1992年8月 佐川急便㈱ 本社 関連事業部 係長
1995年1月 佐川急便㈱ 本社 営業統括部 課長
1996年9月 佐川ワールドエクスプレス 統括部長
2002年4月 アスコム㈱ 代表取締役社長
2003年6月 佐川サポートサービス㈱ 代表取締役社長
2006年6月 佐川アドバンス㈱ 代表取締役社長(商号変更)
けてグルメカタログ戦略、ターゲッ
ト戦略、顧客へのアプローチ戦略、
商品開発戦略を推進し、グルメカタ
ログの一新、頒布会の実施、他企業
January, 2010 No.14
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「真のセールスドライバーNo.1決定戦」で優勝
まつもと
佐川急便㈱中部支社名古屋店主任
なおや
松本 直也
さん
佐川急便㈱では、輸送品質の向上
ルスドライバーNo.1」を目指して競
などを目的に運転技術を競うドライ
技したわけですが、その中で1位に
バーコンテストを実施していますが、
なれたことは本当に嬉しく思います。
このほど中部支社で輸送に関する知
最初は、
「参加できればそれだけで今
識や、集荷時における接客力・提案力
後の営業にも繋がる」という思いで
などを競う「真のセールスドライバ
出場しましたが、こんな素晴らしい
ーNo.1決定戦」を開催しました。
賞をいただいて光栄です。
と思っていましたが、日頃からお客
―― 集荷時の対応を競う実技では満
様のところへ集荷に行くときにコミ
第1回大会で優勝した名古屋店の松
点でしたね?
ュニケーションを心がけているので、
本直也主任に話を聞きました。
松本
緊張することもなく、平常心で対応
―― セールスドライバーNo.1になり
る「笑顔で御用聞き!」の部門で、
することができました。改めて自分
ました。感想を聞かせてください。
ドライバーとしての接客態度や笑顔、
が日常の業務の中で行っていること
松本
中部支社の各営業店から選ば
提案力などが審査されます。初めは
の大切さを痛感しました。
れた80人のドライバーが、
「真のセー
緊張して言葉も出ないのではないか
―― 「佐川急便ドライバーコンテス
今回の「ポートレート」は、この
松本直也主任 2003年に佐川急便㈱中部支社名古屋店
に入社。2009年5月に開催された「第17回 佐川急便ド
ライバーコンテスト」でも2トン部門で2位を獲得する
など、運転スキルもトップレベル。
これは今回のメイン競技であ
ト」でも2位を獲得しました。
「第1回 真のセールスドライバーNo.1決定戦」の実施要綱
◆目的 セールスドライバーの知識・営業力・やる気の向上
および輸送品質に関わる基礎知識・技術の高揚を図り、売上
拡大、輸送品質の向上を図る
◆日程 2009年10月30日:筆記競技 31日:実技競技
◆出場 佐川急便中部支社のセールスドライバー80名
◆審査競技(各競技の総合得点を競う)
① 筆記競技(制限時間90分/200点)
輸送品質に関わる必要な知識について筆記試験を実施
選手が所属する各営業店の応援も審査対象と
② 凄腕!7thPDT(制限時間5分/200点)
なる。写真は表彰される松本直也主任(右)
7thPDT(セールスドライバー用携帯端末)を用いてボー
ドに張り出されている送り状にMPR(モバイルプリンター)で作成した店番コードを貼付する
③ ころがし上手!(制限時間5分/200点)
荷物を台車に乗せて、20m先のゴール地点の荷物置き場に荷物を置く。スピードと丁寧な荷扱いを競う
④ 笑顔で御用聞き!(制限時間5分/400点)
模擬定期顧客に荷物の集荷に伺う。ドライバーとしての接客態度・笑顔・提案力などを審査
Column
佐川急便㈱のホームページが、このほ
ど㈱日経 BPマーケティングが調査した
「日経企業サイトランキング2009」で2
位となりました。この調査は国内の主要
企業 696サイトを対象に、「利用者への
配慮」と「 Webサイトのブランド評価」
の2つの観点から検証し、ランキングを
算出するものです。
佐川急便は2009年3月にホームページ
を大幅にリニューアルしました。利用者
目線で制作し、ユーザビリティ(使いや
SGホールディングスグループ ニュースレター
同じ佐川急便で働く父(=恵
那店安全推進課の松本良実係長)に
親孝行できたことが嬉しかったです。
父が安全推進課に務めていますので、
プレッシャーもありましたが、
「運転
にあせりは禁物」という父の言葉を
思い出して競技に臨みました。
―― 今後の目標を教えてください。
松本 セールスドライバーなので、
まずは安全を第一とし、その上で営
業を行い、新しいお客様をどんどん
増やして売り上げを伸ばしていきた
いと思っています。
佐川急便のホームページがサイトランキングで2位に浮上
すさ)の向上に注力。利用者のサイト閲
覧目的や行動を考えた設計としました。
たとえば「利用者への配慮」では、トッ
プページから主要コンテンツへのアクセ
スを 2クリック以内で可能にしました。
また、
「ブランド評価」が高まるように、
サイト内でのロゴの設置やコーポレート
カラーの訴求にも工夫を加えました。こ
うした取り組みが、今回の高い評価に繋
がったものと考えられます。
佐川急便ホームページ http://www.sagawa-exp.co.jp/
ご感想をぜひお寄せください。 Mail:[email protected]
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松本