ライフ サイエンス ●情報通信 首都圏北部4大学研究室紹介 茨城大学工学部 ■研究テーマ ■キーワード の影響を軽減するためにサイクリックプレフィックス (CP: などの研究を進める。 Cyclic Prefix) と呼ばれる余分な信号を送信する必要 ここで紹介した周波数領域等化などのブロードバンド がある。 無線アクセス技術やコグニティブ無線技術などの次世代 一方、 単一の高速信号を送信するシングルキャリア ワイヤレス技術に関心のある方、 あるいは電波を利用した 伝送信号はピーク電力と平均電力が小さく、 送信電力 センサやセンサネットワークなどの無線応用に関心のある の小さな電力増幅器が利用できる。 しかし、 フェージン 方は、 共同研究や技術相談も可能であるので、 連絡いた グによる波形歪の等化が必要であり、 高速フーリエ変換 だければ幸いである。 環 境 ●ブロードバンド無線アクセス技術 ●コグニティブ無線技術 ●ワイヤレスセンサーネットワーク・無線応用 の検出し利用するダイナミックスペクトラムアクセス技術 情報通信 ワイヤレスネットワーク研究室 を送信できる電力増幅器が必要となると共に、 波形歪 (FFT:Fast Fourie Transform) で周波数領域に変 ワイヤレス、 無線、 ネットワーク 無線LAN・移動通信・衛星通信のシステム設計・応用、 無線技術を利用した製品開発 信号に変換する、 周波数領域等化が提案されている。 ■主な設備 しかし、 FFTブロック間の干渉による特性劣化を軽減 梅比良正弘 教授 シミュレーション用コンピュータ、 Matlabソフトウェア、 測定器類など ナノテクノロジー・ 材料 換して等化し、逆フーリエ変換(IFFT) で時間領域の ■産業界の相談に対応できる技術分野 するためにはCPが必要となり、 伝送効率が低下する。 これを解決するため、 図3に示すような、 オーバーラップ エネルギー 連 絡 先 工学部メディア通信工学科 梅比良 正弘 TEL:0294-38-5108 FAX:0294-38-7148 (事務室) 共同研究開発センター TEL:0294-38-5005 FAX:0294-38-5240 e-mail:ccrd-iu@mx.ibaraki.ac.jp 処理を用いた周波数領域等化を提案し、 検討を進めて いる。 提案技術は、 CPを付加して送信する必要がない ため、 伝送効率を改善でき、 周波数利用効率を高める ワイヤレスネットワークの研究 ことができる。 また、図4のように無線LANなどに適用 図2 シングルキャリア伝送とOFDM 製造 ︵ものづくり︶ 技術 研究概要 すれば、 同じ電力増幅器でさらに大きな電力を送信で ◆ き、 到達距離を延長できる。 信技術は様々な分野で利用されており、光ファイバを 本技術は、 無線LANをはじめ、 多くの無線通信方式 利用したブロードバンドサービスの普及に伴い、 ワイヤレ に適用でき、伝送効率の向上や伝送特性の改善に応 スネットワークの更なるブロードバンド化が求められてい 用することができ、 応用範囲の広い技術である。 社会基盤 携帯電話やコードレス電話、 無線LANなど、 無線通 る。 また、 将来は、 図1に示すようにネットワークの利用領 携帯電話や無線LANなど、 ワイヤレスネットワークは オーバーラップ処理を用いた 今後さらに広く利用されると予想される。 すでに、 HDTV ①1Gbit/s以上の高速モバイル通信を可能とするブ 周波数領域等化 信号を大型平面テレビへワイヤレス伝送するミリ波を利 次世代無線LAN、 次世代携帯電話IMT-Advancedの に利用するためのコグニティブ無線技術 る複数の電波が受信され、 レベル変動や波形歪を引き 研究開発も始まっており、 特性改善を進めると共に、 提案 ③無線技術を応用して産業や生活を支援するRFID 起こす多重波フェージングが問題となる。 これを解決す 技術の応用を検討していく。 等のワイヤレスセンサーネットワーク るため、図2のような無線LANや地上ディジタル放送 また、 ワイヤレスネットワークが広く利用される将来の周 の3テーマを中心に研究を進めている。以下では、 ブ では、波 形 歪の低 速 信 号を多 数 送 信 するOFDM 波数不足に備え、 さらに周波数利用効率を高めるための ロードバンド無線アクセス技術の一つとして研究を進め (Orthogonal Frequency Division Multiplexing) と コグニティブ無線技術の研究、 具体的には指向性アンテ 技術について紹介する。 4u Vol.2 呼ばれるマルチキャリア通信技術が用いられているが、 ナ制御を用いた干渉軽減によるネットワークスループット ピーク電力と平均電力の差が大きく、 大きな送信電力 の向上や、 時間や場所に応じて変動する空き周波数帯 図4 無線LANへの応用例 埼玉大学 ている、 オーバーラップ処理を用いた周波数領域等化 群馬大学 用した無線PANの研究開発・標準化や1Gbit/sを超える 移動通信では、 建物や壁で反射され、 時間遅延のあ 宇都宮大学 ◆◆ ②場所・時間に応じて利用されていない周波数を有効 図3 オーバーラップ処理を用いた周波数領域等化 茨城大学 特徴と強み 当研究室では、 ワイヤレスネットワークに関し、 ロードバンド無線アクセス技術 35 今後の展開 ◆◆◆ 広く様々な形で人間を支援するユビキタスネットワーク の時代が到来すると予想されている。 フロンティア 図1 ユビキタスネットワーク 域が拡大し、人に加えてモノがネットワークで結ばれ、 4u Vol.2 36
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