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Title
成層混合気で発生するノッキング現象に関する研究( 内容の
要旨(Summary) )
Author(s)
秦, 小健
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 甲第313号
Issue Date
2007-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://repository.lib.gifu-u.ac.jp/handle/123456789/21453
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
氏名(本籍)
学 位
の
種
類
秦
小
博
士(工学)
学位授与番号
甲第
学位授与日付
平成19
専
攻
学位論文題目
健(中
313
国)
号
年
3
月 25
日
生産開発システム工学専攻
成層混合気で発生するノッキング現象に関する研究
(StudyonKnockingPhenomenoninStratifiedMixture)
授
助教授
憲雄平
(副査)教
井
和勝周
授
里橋
(主査)教
若安高
学位論文審査委員
教
授
槍和田
小
宗
池
彦
誠
論文内容の要旨
近年,石油資源の枯渇や大気汚染,地球温暖化などの問題が顕著になり,自動車エンジンにはさ
らなる低燃費,高効率化が要求されている.これらの観点から筒内噴射ガソリンエンジンが注目さ
れ,多くの研究者が幅広い研究を進めてきている.このようなエンジンは燃料噴霧の気化潜熱によ
る吸気冷却により,充填効率の向上とノッキング抑制効果が得られることが知られている.一方,
従来のガソリンエンジンと比べ,圧縮比が高く,また混合気の成層化による大幅な希薄領域がある
ため,圧縮後の混合気の温度が高くなり,ノッキングの発生する可能性があると予測されており,
実験時によるノッキング発生の報告も見られた.このような成層燃焼におけるノッキング現象を解
明するために,本研究は実験と理論両面から解明を試みている.
実験では急速圧縮機(RCM)を用い自着火特性のメカニズムがある程度わかっていてしかも実
際ガソリンとして使われているn-ヘブタン(n・heptane)と、自着火しやすい燃料の代表であるジエ
チルエーテル(DEE)を燃料として選んでいる。実験的なメカニズムの解明には、筒内に所定の当量
比と濃度分布を持つ混合気を生成する必要があるが、これらの燃料の早い拡散速度を利用して目的
を達成している。すなわち、軸方向を水平に置いたRCMに、燃料注入初めからピ不トン圧縮開始
までの時間を調節することで、シリンダー直径方向に所定の成層場を作っている.したがって、シ
リンダーヘッドを透明ガラス窓にすることにより、濃度分布方向の現象を直接撮影できる。自然拡
散を利用するため、所定の濃度勾配を得ているかどうかについて把握しておく必要があり、赤外線
吸収法、およびシェリーレン法により確認している。また、圧縮過程にピストンの圧縮より流れが
形成され、濃度勾配を崩す恐れがあるので,本研究では抵抗線CT温度分布測定法を発展させ,圧
縮直後のシリンダ断面の温度分布を測定し,温度の変化から濃度分布の変化を算出することにより、
濃度分布が崩れる懸念を払拭している。さらに、圧力スペクトル解析結果から、RCMで発生させ
たノッキング現象は、エンジン実機でノッキング発生時のスペクトル、圧力振動モードほぼ一致す
ること、つまりRCMでノッキングを調べることの妥当性を示している.
以上のように、実験装置が理想的なエンジン条件を提供していることを示したあと、ノッキング
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強度と濃度分布勾配や平均当量比などの関係を検討している。すなわち、燃料がn-heptaneで平均
当量比が1の場合、自着火開始点は、当量比が0.4程度の部分であること、それは比熱比が希薄な
ほど大きくなり、断熱圧縮温度が高くなることによること、均一混合気で見られた二段燃焼は成層
混合気では明確には見られなくなることを示している。さらに様々なノッキング指標、すなわち田
中らの解析手法である平均圧力上昇率、Heywoodらの提案するノックインテンシティー、Engの
提案になるリンギングインデックスを調べ、おおよそ傾向は同じであり、圧力上昇率からノッキン
グ強度が予測できることなどの結論を得ている。
高速度カメラ映像から、上述のように自着火位置は当量比が希薄な0.4付近から開始するが、そ
の後火炎映像は希薄側と過濃側へ急速に広がり、過渡側への火炎の広がり速度は38m/sとなり、そ
れは燃焼速度では説明がつかないことから自着火の連続現象、すなわち0.4付近での自着火により
圧縮され温度上昇した隣の混合気が自着火遅れ時間を稼いで即座に自着火、それがさらに隣の混合
気を自着火させるという連続現象であろうとしている。
その確認のため、化学反応計算コードを用い、簡略化学反応スキームを選んで一様当量比の場合
に適用し、そのスキームの妥当性を確認した後、本論文の成層条件に適用、自声火の開始点、火炎
の広がり方を計算している。その結果、自着火開始点は実験と同様希薄側であり、さらにその火炎
は自着火位置から希薄側、過渡側両方へと急速に広がっており、過渡側の速度は48.4m/sを得てい
る。これもまた実験結果と非常によく合っていることを示している。ただし、圧力上昇率など、ノ
ッキングの強度については、モデルが壁面近傍の熱損失を考慮していないことが致命的と思われる
が、均質な混合気ではかけはなれてくることを示している。熱損失をきちんと入れたモデルを構築
すれば、反応スキームはそのままで絶対値も合うことになりうること、すなわち、ノッキングの発
生を予測することが可能になりうることを示している。
論文審査結果の要旨
審査は、論文の印刷・製本が完成、各審査委員の皆様に本人が手渡した段階から始まっ
た。すでに予備審査で、予備審査委員は質問やコメントを口頭および文書で論文提出者に
渡しており、提出者はそれに回答をするとともに論文を修正していたので、新たな質問は
公聴会前には無かった。ただし、本審査で新たに審査委具に加わってもらった小池審査委
員(主査としては大学の研究者の副査のみでなく、このテーマが実機に発生している問題
現象の解明を目指すもので、まさにその成層混合気を用いるガソリン直噴エンジンの開発
を手がけてこられている小池委員に加わってもらい、評価を受けるべきと判断した)には、
12月中旬に予備審査時点での論文原稿を送付して質問や意見を聞いていた。それに基づ
き、説明不足や不備な点は修正を加え論文を修正しており、その段階から審査が始まって
いたともいえる。
公聴会は2月14日に主査、副査全員(合計5名)に生産開発システム工学専攻の教授、助
教授数名および学生たちという中で行った。13:00から13:40過ぎまで本人の発表、つづいて
質疑を行った。まず副査の先生方から質問を受けたが、全副査から質問あるいはコメントが出
た。それに対し、申請者は的確に答弁した。さらに、一般の出席者の質問も受け、対応した。
こうして、14:15までの45分間、質疑応答を行い公聴会を終了した。
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その後、副査の先生方に博士授与の可否をうかがい、論文審査としては全員「合格」とする
判定を得た。
最終試験結果の要旨
しかるべきジャーナルに二編の掲載をしており、そのうち一編は欧文誌、また国際学会
で自らが講演発表を二回行っており、最終試験は「合格」である。
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