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International
Rectifier
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DT 95-4J
・APPLICATION ENG・
・233 KANSAS ST.・
・EL SEGUNDO,CA.90245・
・TEL(310)
)322-3331・
・FAX(310)
)322-3332
INTERNATIONAL RECTIFIER・
ハイブリット型 51HXXX を使用した
小型オフライン電源装置
By
Peter Wood
訳 アイアールファーイースト株式会社
DC/DC コンバータ、モータドライブ、大型電源装置
を含め数多い電源調整装置は、日常電源を供給する小
型の補助電源装置やバイアス電源装置に対するニーズ
が高くなっている。この電源装置は、保護制御回路や
インジケータランプなどの他の機能装置を動作させる
バイアス電源装置とも呼ばれている。オフラインバイ
アス電源装置の最も簡単な例は、AC 入力側に接続して
いる小型の変圧器/整流器である。AC バスがない場合
は、DC/DC コンバータを使用しなければならない。
I R 社製 5 1 H X X X シリーズの自己発振ハイブリッド
は、この小型電源装置には理想的である。その理由は
この装置はシングルインラインにパッケージされてお
り、しかも単独で完全な変換機能を備えているからで
ある。この回路に必要なのは小型の絶縁変圧器 1 個と
数個のダイオードである。
VIN
VT
VCC V13
T
+
+
VO
T
CT
+
IR51HXXX
+
COM
CT
RET
RET
図 1 基本的なオフラインコンバータ
図 1 に、最大 25 ワットの電力を変圧器の一次側に供
給するバイアスコンバータの基本的な回路図を示す。
動作周波数は、次に示す式で求めることができる。
"f=1/1.4(Rt+75Ω)Ct
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このようなコンバータを機構化する方法の一例とし
て、図 2 に示すような回路が考えられる。
周波数 50Khz
出力 25 ワット(最大出力)
入力 AC120V、60Hz
D C バス電圧 D C 1 6 0 V
変圧器一次側 80Vrms
D C 出力 5VDC@5A
1
B = ────────
4 x Ae x f
なお、f は 50Khz、Ae は約 40mm2
106
B = ───────── =125mT
4 x 40 x 50
これは許容範囲である。
周波数 50KHz、出力 25 ワットで動作する変圧器は、 上記要件を適切に満たすような磁心は、実効面積
実効面積約 40mm 2 、光束濃度 100mT のフェライト磁心 41mm 2 を持った PC 30 EE22-Z である。PC30 には鉄
を使用して設計する。
損が最小限に抑えられるように飽和磁束密度が
390mT@100 °C になっている。整合ボビン #BE-22 ファラデーの式からV = 4B x A x f x N 実光束濃度 118CP には、一次側に 30 HAPT 磁気ワイヤが 80 回巻
1V あたり @1 ターンは次のようにして計算できる。
線されて、二次側は #22HAPT が 2 本巻かれている。
共通の陰極ショットキー整流器およびフィルターコ
ンデンサーを駆動する中央タップ巻線にするために、
二次巻線の半分 2 箇所が相互に接続されている。
120VAC
+
IR51 H737
VCC RT CT G
27K
10μ
25V
+
470p
VR V0
VT
15T
15T
0.1μ
7512
+12V
RET
68K
1W
80T
6T
6T
+5V
+
RET
図 2 出力が絶縁されている 25 ワットのオフライン電源装置(レギュレーション無し)
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図 2 に示した回路は簡単な解決方法ではあるが、母
線や負荷の変動によってレギュレーションの必要性が
たびたび発生する。そのため、ある種の閉ループ制御
4×1N4004
が必要となる。二次側に直列にレギュレータを入れて
もよいが、効率が悪くなってしまう。より良い方法は、
図 3 に示すようにパルス幅制御回路を使用することで
ある。
11DF4
+
FLOATING 0.1P
120VAC
47K
+ 47μ
250V
+
V+
VR
VCC
47μ
25V
VS
IR51 H737
1.2mH
15K
+12V REG
6.8K
RT
CT
+ 1Kμ
COM
TL431C
1K
25V
220p
COM
図 3 0 ∼ 25 ワットのオフライン電圧レギュレータ
この回路は低コストのIR2151及び母線や負荷変動に
応じてIR2151のデューテーサイクルを可変に出来る制
御された TL 431C シャントレギュレータを使用してい
る。この点で、この回路はいくぶんユニークな機能を
持っている。またこの回路は、通常の高速回復ダイ
オードではなく有効整流型回路 MOSFET を使用してい
るので、ソース負荷電流シンク負荷電流に関係なく出
力電圧を調整する。この機能を使用すると、調整され
た出力を負荷する必要なく、電源を未調整出力から引
き出せるため、図 3 に示すように多出力レギュレータ
のときに特に役立つ。この未調整出力の負荷は、ダイ
オード整流型バックレギュレータとの兼ね合いで大き
な問題の 1 つになっている。また有効整流型回路はよ
り高効率をもたらす。その理由はダイオードの V F は
MOSFET のチャネル降下によって機能はおきかえられ
るがその結果、逆回後時間(frr)とは無関係になるか
らである。もちろんバッテリを充電するために電流調
整器を設計することは図 3 に示す回路の多少の変更で
可能となる。図 4 に、ラップトップコンピュータの急
速充電器などのアプリケーション用バッテリ管理ICを
取り付けできる回路構成を示す。この場合の充電完了
はバッテリ温度カットオフ、ピーク電流、またはス
ロープカットオフによって感知する。
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11DF4
4×1N4004
120VAC
47K
+ 47μ
250V
+
V+
VR
VCC
47μ
25V
VS
0.1μ
1.2mH
I0 +
15K
RT
IR51 H737
CT
+
COM
1K
SET I0
220p
COM
2Ω 3W
図 4 バッテリ充電アプリケーション用の電流レギュレータ
低コストのバッテリ管理制御 I C の例として、
BENCHMARQ bq 2002 がある。この IC は内部に生成
された制御電圧によって外部定電圧充電器を制御す
る。この制御信号は単なるオン/オフ機能になってい
る。だがこの信号を反復変調することによってバッテ
リ管理プロセスを完全に制御できる。バッテリの温度
と電圧が制御チップの仕様値以内にある場合は、バッ
テリを充電器に接続したときに急速充電が開始され
4×1N4004
る。急速充電が完了すると、一定時間最高値に近い充電
を維持するために、制御電圧はオン時に 286 マイクロ
秒、オフ時に 4.6 マイクロ秒に変調される。そのあと反
復サイクルは細流充電するためにオン時に286マイクロ
秒、オフ時に18.3マイクロ秒再び変調される。図5に示
すように 51H XXX ハイブリッドの Ct ピンに制御電圧を
かけることによって、図4の回路を同じように制御でき
る。
11DF4
120VAC
+
47K
1W
47μ
250V
+
47μ
35V
IR51 H737
1.2mH
V+
VCC
VR
22K
5V
0.1μ
LED
47μ
+10V
VS
15K
RT
5.1K
CT
TS
TL431C
5.1K
COM
IN
914
*SELECT
FOR
R = N-1
150K
VCC
IN H
220p
IN
914
CONTROL
1K
10K
*
LED
N
Cells
Bat
TM CC
VSS
150K
2Ω 3W
図 5 ラップトップコンピュータの Nicad 電池または NiMH 電池用の急速充電器の回路図
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図5に示すbq 2002バッテリ充電管理ICは、タイマー
モード( T M ) ピンをアースに接続することによって、
ピーク電圧終了(PVD)に設定される。この終了モード
のあとに最高値に近い充電があり、さらに細流充電が
1.50
100
1.46
80
続いたときに、この終了モードは Nicad および NIMH
バッテリ両方にとって有用となる。図 6 に、このバッ
テリ管理方式を使用した典型的なバッテリ電圧と時間
特性を示す。
75
155
65
40
温度 ( °C )
1.38
60
温度 ( °F )
1.42
圧力 ( PSIG )
電圧 ( V )
電池の電圧
135
55
115
電圧
45
温度
1.34
20
95
35
0
75
25
0
50
100
変化の状態 ( % )
図 6 電圧特性、圧力、温度と率 1C での Nicad 電池の変化状態(General Electric 社の協力を得た)。
急速充電が開始したときに電池の電圧は急激に上り、
そのあと完全に充電されるまではゆっくり上昇し、急
速充電が終了する地点に達すると最終的に 1.48V にな
ることに注意されたい。
急速充電サイクルの終わりに、
バッテリにはしばらくの間は最高値に近い充電が供給
され、そのあと細流充電が供給される。細流充電は
バッテリを充電器から取り外すまで維持される。これ
らすべての制御機能は、bq 2002 の充電制御(CC)出力
信号によって提供される。この信号は自己発振 IR2151
ドライバ IC を始動または停止させるのに使用される。
完全放電されたバッテリを約 1 時間で充電できるとし
ても、通常のラップトップコンピュータのバッテリを
充電するときは、この充電器の効率は、ヒートシンク
を必要としないほど高い。充電器はまた放電された一
部のバッテリを過充電にならずに再充電できる。過充
電になると、バッテリが損傷する。この充電器は少な
い部品で構成されていて、「壁取り付け」プラグ式に
なっている。
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