簡易教材 人体

人体エプロン
簡易教材 No.5
【教材名】
【使用単元】
第6学年
【位置付け】
(1) 人の体のつくりと働き
エ 体内には、生命活動を維持するための様々な臓器
人の体のつくりと働き
があること。
【準
備】
臓器カード(7種類:心臓、肺、食道・胃、小腸、大腸、心臓、肝臓)
子ども用エプロン(背丈に合わせて調整 )、マジックテープ(数個、裏が粘着
用になっているもの)
※エプロン以外に段ボール紙で人体ボードを作成したり、ホワイトボード
A4サイズを使用したりすることでも可能。その際に臓器カードを貼り
付けるものは、板磁石やセロハンテープなどに変更する。
【作 り 方】
はさみ
※ 作り方によ って必要 な物:ラミ ネートシー ト、ボンド (布での使
用が可能なもの)セロハンテープ、板磁石、ホワイトボード、厚紙
1
下のような臓器カードをダウンロードし、臓器の
形 に 切 り 抜 く 。( 切 り 取 っ た も の は 、 ラ ミ ネ ー ト を
すれば、繰り返し使うことができる 。)
2
切り取った臓器カードを人体の位置
に並べ、臓器カードとエプロンがマジ
ックテープで付くようにそれぞれに貼
り付ける。
切り取った全部の臓器カードを一度エプロ
ン上に 並べ てから 、カード が重ならな い場所
にマジックテープをそれぞれに付けると良い 。
【臓器カードの活用】
右のように段ボールとビニ
ールエプロンに貼ったり、ホ
ワイトボードをエプロンの代
わりにしたりするなどの工夫
もできます。
-人 体 1 -
血液循環モデル
簡易教材 No.6
【教材名】
【使用単元】
第6学年
【位置付け】
(1) 人の体のつくりと働き
エ 体内には、生命活動を維持するための様々な臓器
人の体のつくりと働き
があること。
【準
備】
灯油ポンプ 2個、透明ホース(内径12㎜
外径14㎜)約150cm、
回転ホースジョイント ( 内径12~15㎜ )4個 、赤ビーズ 適量数 、フック ( 両
面テープ付き)10個程度、土台となる板(発砲スチロール)横90cm×縦150
cm
※土台の大きさは、変更が可能。それに応じて、ホースの長さも変更。
【作 り 方】
1
はさみ、ビニールテープ
灯 油ポ ンプ 2個 を図 のよう に並 べて 心臓
部分をつくる。
2
下の図のように青部分でホースとポンプを
青丸部分でつなぐ(回転ホースジョイントを
使用 )。水とビーズを入れてから赤丸部分もつ
なぐ。
肺の部分
右心房
右心室
ここは、水を入れ
てから最後につな
ぐ。
左心房
左心室
灯油ポンプと回転ホースジョ
イントの連結がゆるい場合、
回転ホースジョイントにはさ
むポンプやホースの先にビニ
ールテープを巻いて厚みを出
す。それから連結器にかませ
ると外れにくい。
3
つなげたものをボー
ド ( 板 ) の上に広げて 、
体全身の部分
ホースが引っかかるよ
うに右の写真のように
フックで数か所固定す
る。
-人 体 2 -
第6学年
人の体のつくりと働き(生命領域)
指導計画
○単元の目標
生物の体のつくりと働きについて興味・関心を持って追究する活動を通して、生物の体のつくりと働き
の関係を推論しながら調べる能力や生命を尊重する態度を育てるとともに、それらについての理解を図り、
生命の体の働きについての見方や考え方を持つことができるようにする。
○評価規準及び指導の計画概要(全11時間扱い)
自然事象への関心
評
・人や他の動物の呼吸、消化、排出、循環などの働きに興味・関心を持ち、自
・意欲・態度
ら体の内部のつくりや働きを調べようとしている。
価
・人の他の動物の体のつくりや働きに生命のたくみさを感じ、それらの関係を
規
準
調べようとしている。
科学的な思考・表
・人や他の動物の体のつくりと呼吸、消化、排出、循環などの働きやそのかか
現
わりについての予想や仮説を持ち、推論しながら追究し、表現している。
・人や他の動物の体のつくりと呼吸、消化、排出、循環などについて、自ら調
べた結果と予想や仮説を照らし合わせて推論し、自分の考えを表現している。
観察・実験の技能
・指示薬や気体検知管、石灰水などを安全に使って呼気や吸気の違いを調べて
いる。
・映像資料や魚の解剖、模型などを活用して呼吸、消化、排出、循環などの働
きを調べている。
・人や他の動物を観察し、呼吸、消化、排出、循環などの働きを調べ、その過
程や結果を記録している。
自然事象について
・体内に酸素が取り入れられ、体外に二酸化炭素などが出されていることを理
の知識・理解
解している。
・食べ物は、口、胃、腸などを通る間に消化、吸収され、吸収されなかった物
は排出されることを理解している。
・血液は、心臓の働きで体内を巡り、養分、酸素及び二酸化炭素を運んでいる
ことを理解している。
・体内には、生命を維持するための様々な臓器があることを理解している。
過
時
主な学習活動
評
程
導
1
入
体
2
価
評価項目
関
・人や他の動物が生きていくために必
・人や他の動物の生命維持の活動につい
○
要なものをどのように体内に取り入
て興味・関心を持ち、話合いに意欲的
れているかを話し合う。
に参加している。
・人や他の動物が生きていくために必
思
技
・人や他の動物には、生命維持のための
の
要な臓器について働きとともにまと
様々な臓器があることを理解してい
つ
める。
る。
○
く
り
呼
3
・人や他の動物の呼吸について、呼気
・呼気と吸気の違いを調べる実験におい
吸
と吸気の違いを調べる実験を行い、
て、石灰水や気体検知管を安全に扱い
の
結果を基に呼吸についての自分の考
ながら実験を行っている。
は
えを見いだす。
- 人体 3 -
知
○
た
ら
・実験結果を基に予想と結果を照らし合
き
わせながら、呼気と吸気の違いについ
○
て推論し、自分の考えを表現している。
4
・呼吸のしくみについて知る。
○
・人や他の動物は、肺の働きによって酸
素を取り入れ、二酸化炭素を取り出し
ていることを理解している。
消
5
化
・消化のしくみについての問題を見い
だす。
の
・消化のしくみについて興味・関心を持
○
ち、消化について問題を見いだすこと
ができる。
は
た
6
・だ液の消化実験の結果を基に、人や
ら
他の動物の消化のしくみについての
き
自分の考えを見いだすとともに、消
化のしくみについて知る。
・だ液の消化の働きを調べる実験を正し
○
く行い、結果を正確にまとめている。
○
・実験結果を基に、だ液の消化の働きに
ついて推測し、自分の考えを表現して
いる。
7
・消化、吸収、排出のしくみについて
知る。
・食べ物は消化管を通る間に、消化・吸
○
収され、吸収されなかったものは体外
に排出されることを理解している。
血
8
・体の中の血液の通り道を調べたり、
・拍動数と脈拍数の測定結果から、心臓
液
心臓の拍動数と脈拍数を測定したり
の動きと血液の流れとの関係について
の
する。
推論し、自分の考えを表現している。
○
は
た
9
ら
・心臓の動きと血液の流れとの関係に
ついて知る。
・心臓の働きによる血液循環のしくみに
○
ついて理解している。
き
調
10
べ
学
・人や他の動物の体のしくみについて、 ・人や他の動物の体のしくみについて興
資料を活用した調べ学習を行う。
11
○
味・関心を持ち、資料を活用しながら
意欲的に調べている。
習
・映像資料や書籍などを活用しながら、
調べたことを絵や文などを用いてまと
めている。
- 人体 4 -
○
【第1時】
人や他の動物が生きていくために必要なものをどのように体内に取り入れているのだろ
うか。
<ねらい>
人や他の動物の生命維持の活動について興味・関心を持ち、話合いに意欲的に取り組むこと
ができる。
学習活動・教師の発問
時間
1,5年生の植物を育てた経験
10
について想起し、話し合う。
など
○植物と動物とを比較することで、同じ生物でも生きるために必要な
物や体内の取り入れ方の違いなどについて気付けるようにする。
植物は発芽して成長
していくために、何が
必要だっかかな?
2,人や他の動物が生きるため
児童の反応・教師の支援
10
に何が必要か話し合う。
植物は、発芽するのに水・空気・温度が必要
だったよね。
成長するには、日光と肥料も必要だった
よ。全部で五つの条件が必要だったよね。
○前に挙げた植物を例に、動物が生きていくために必要なことを考え
るように促す。
人や他の動物は、生きるために何が必要だろう?
食べ物、水、空気が必要です!
○「温度」も必要と考える児童もいるが、温度は
食べ物が育つために必要であることや、動物は、
温度調節や冬眠などができることを伝える。
3,必要な物をどうやって体内
10
に取り入れているのか話し
合う。
○児童の日常経験を基に話合いを進める。
○臓器名などが話題となった場合は、ここでは触れる程度にする。
必要なものはどうやって体内に取り入れているのだろう?
食べ物は、口で食べた後、胃とか腸とかを通って栄養が体の
中に入っていく。いらない物は便として出ていくんだよね。
空気は、口や鼻から吸って、また出て
いっちゃうよね。
水は、口から飲んで汗とか尿で出ていくよね。
4,今日の話合いから疑問に感
15
じたことを伝え合う。
人や動物の体のつく
りや働きって不思議が
いっぱいですね。
○児童からでてきた疑問を「呼吸に関すること」「食べ物や水に関す
ること」「その他のこと」などと分類することで、今後の学習の流
れをつかめるようにする。
・食べた物からどうやって栄養を取り入れるのか知りたい。
・吸う空気と吐く空気って、何か違いがあるのか知りたい。
・心臓が何の役割をしているのか知りたい。
・血は何の働きをしているのか知りたい。
《評価》
人や他の動物の生命維持の活動について興味・関心を持って、意欲的に話合いに参加している。
(関心・意欲・態度)
- 人体 5 -
【第2時】
生きていくために必要な臓器にはどんなものがあるだろうか。
<ねらい>
人や他の動物には、生命維持のためのさまざまな臓器があることを理解できる。
学習活動・教師の発問
時間
児童の反応・教師の支援
など
1,臓器名を知る。
私たちの体の中には、生きていく
ためにはたらくものがたくさんあり
ます。それを臓器といいます。
15
心臓とか胃とかが、臓器の仲間です
よね。
○臓器カードを班に配付し、それぞれの臓器について確認する。
・ここでは、それぞれの臓器の働きまでは、触れる必要がない。
※ここでの学習は、既習知識に
よって進め方を検討する必要
がある(場合によっては、
単元の最後に学習することが
効果的な面もある)。
2,体の中のどの位置に各臓器
20
があるか考える。
○児童のこれまでの経験や知識だけで、それぞれの臓器が体のどの位
置にあるかを推測し合う。
心臓は胸あたりだよね。おなかが痛いっていう
ときは、どの臓器の場所なのかな?
○臓器カードを人型に当てはめながら話し合う。カードの利用の仕方は、いろいろある。
迷っている班は、
ヒントカードを渡す
よ!(既存知識だけ
では難しい場合)
・マジックテープでエプロンに着用
・ボードを作成し、セロ ・マグネットを付けて、
ハンテープで付ける。
3,班の考えを共有し合い、臓
器についてまめとめる。
10
ホワイトボードに付ける。
○班の考えを共有し合った後、全体で正しい臓器の位置について確認
する。
○今後の学習の中で臓器を取り上げた際に、名称や位置などを繰り返
し確認することで、定着を図るようにする。
《評価》
人や他の動物には、生命維持のためのさまざまな臓器があることを理解している。(知識・理解)
- 人体 6 -
【第3時】
吸う空気と吐く空気で、何か違いがあるのだろうか。
<ねらい> 呼気と吸気の違いを調べる実験において、石灰水や気体検知管を安全に扱いながら実験を行
い、実験結果を基に予想と結果を照らし合わせながら、呼気と吸気の違いについて推論し、
自分の考えを表現できる。
学習活動・教師の発問
時間
1,呼気と吸気の違いについて
10
考える。
児童の反応・教師の支援
など
○前時で取り上げた「動物が生きていくために必要なこと」について、
再確認し、まずは「呼吸」について学習することを伝える。
○第6学年「ものの燃え方」の単元での学習した既習事項である、空
気に含まれる成分について取り上げる。
どうすれば、空気を
吸って何を取り入れて
いるか分かるかな?
窒素が一番多くて、他に酸素と二酸化炭素
などが含まれていたね。
空気を吸って、何を取り入れているのか
な?吐く息と吸う息で何が違うか調べれば分
かりそうですね。
吸う空気とはく空気で何か違いがあるのだろうか?
○今回の実験については、児童の既習事項や経験では予想が立てにく
2,吸気と呼気の違いを調べる
20
実験を行う。
い。具体的な成分などまで考えずに、違いがあるかないかの点で予
想を立てる程度でよい。
《予想》→《実験計画》
違いがあると思うな。何か必要なものを取
り入れて、いらないものをはいているんじゃ
ないかな。
→《実験》
◎児童から空気の成分の違いを調べると分かると計画
が立てられた場合
《気体検知管を使って調べる実験》
・使用する検知管の種類に気を付ける。
二酸化炭素は、空気中を調べる場合
0.03~1.0%用、呼気を調べる場合
0.5~8.0%用を使用する。酸素は、
6~24%用を使用する。
・酸素用検知管は使用すると発熱をするので、5分程
度放置し、手で触れないように指示する。
・使用後の検知管の処理について、指示を徹底してお
く。
3,実験結果を基に、呼気と吸
気の違いを見いだす。
◎児童から二酸化炭素の量が違うという予想が出た場
合
《石灰水を使って調べる実験》
・石灰水はアルカリ性。使用するとき
は、安全眼鏡を着用するように指示
する。
・誤って手などに付いたら、水でよく洗う。
・どちらも石灰水は白く濁る反応は見られる。
「どちらも白く濁った」と捉えた児童には、どちら
がよく濁っているかを観察するように促す。
15
吸う空気と吐く空気には、違いがありました。
吐く空気は吸う空気よりも酸素が少なくて、二酸
化炭素が多いです。
《評価》
呼気と吸気の違いを調べる実験において、石灰水や気体検知管を安全に扱いながら実験を行ってい
る。(技能)
実験結果を基に、予想と結果を照らし合わせながら、呼気と吸気の違いを推論し、自分の考えを表現
できる。(思考・表現)
- 人体 7 -
【第4時】
人や他の動物は、どうやって酸素を体内に取り込んで、二酸化炭素を出しているのだろ
うか。
<ねらい> 人や他の動物は、肺の働きによって、酸素を取り入れ二酸化炭素を取り出していることを理
解できる。
学習活動・教師の発問
時間
1,前時の実験から分かったこ
10
とを振り返る。
児童の反応・教師の支援
など
○前時の実験を振り返ることで、呼気と吸気の違いを再確認し、呼吸
のしくみはどうなっているのかについて疑問を持つことができるよ
では、人や他の動物
は、呼吸で何を体の中
に取り入れているので
しょう?
うにする。
前の実験結果で、吐く空気の方が酸素が少ないと
いうことは、体の中に一部の酸素を取り入れている
ことが分かりました。
2,呼吸のしくみについて知る。
どうやって酸素を体内に取り込んで、二酸化炭素を出しているのだろうか?
20
○児童にとって、体内のしくみについては予想ができない。ここでは、
モデルを用いた体験活動を取り入れながら、呼吸のしくみについて
理科できるように工夫する。
○実物の肺を準備することも可能(精肉店に問い合わせしてみるとよ
臓器カードで、「肺」の大きさや形
を知りましょう。みんなの体のどこに
肺があるのか分かりますか?
い)。しかし、児童への配慮が必要。
○肺の中でのイメージは、動画資料を活用しながら確認をするとよい。
《臓器カード(肺)》
○実物大の大きさ。
(A4サイズ カラー印刷)
○気管、気管支、肺胞などは触れる程度で
よい。
○呼吸数の計測などを取り入れてもよい。
通常時(4秒に1回の割合で呼吸してい
る)と運動時の違いなどを調べると、心
《肺モデル》
○呼吸の仕方は、横隔膜の動き
と肋骨の動きによるものであ
るが、小学校では胸の膨らみ
とへこみによって肺が膨らん
だりしぼんだりしている様子
をつかむ程度でもよい。
○モデルは肺が1個だが、人
(哺乳類)は、左右にあるこ
とを伝え、つくりが混乱しな
いようにする。
3,呼吸のしくみについてまと
める。
15
臓との関連や呼吸の必要性などにも気付
かせることができる。
私たちが毎日行っている呼吸は、こ
んな仕組みで行われていたんですね!
○人以外の動物として、魚類はえらで呼吸をしていることを伝える。
クジラやイルカなどの例を挙げることで興味・関心を高める。
《評価》
人や他の動物は、肺のはたらきによって、酸素を取り入れ、二酸化炭素を取り出している
ことを理解している。(知識・理解)
- 人体 8 -
【第5時】
<ねらい>
食べ物の養分は、どうやって体の中に取りこんでいくのだろうか。
消化のしくみについて興味・関心を持ち、消化について問題を見いだすことができる。
学習活動・教師の発問
時間
1,食べ物の養分について考え
10
児童の反応・教師の支援
など
○食べ物を食べることで、生きるために必要な栄養素を摂取している
る。
ことを確認する。
家庭科の勉強で食べ
物の栄養について勉強
しましたね。
炭水化物、タンパク質、無機質などがありました
ね。それぞれ生きるために必要な働きをしているこ
とを勉強しました。
2,養分を取り込むための消化
養分は、どうやって体内に取り込んでいくのだろうか?
・消化管について知る。
20
《臓器カード(胃、小腸、大腸)》
○実物大の大きさ
(A4サイズでそれぞれカラー印刷)
○現段階では肝臓を含ず消化管だけ
食べ物が口から入って、便で出て行くまでの間に
何かあるんだろうな~。食べ物は、どこを通ってい
くのかな?
○臓器カードを活用しながら、消化管に関する臓器について確認する。
○実際にそれらを連結させることで、人の体の中にどのように消化管
がおさめられているのかを確認する。
(消化管の長さは約10m、小腸だけでも7m程度の長さがある。消化
時間は約24時間かかる。)
消化管の中を食べ物が通っているうちに何か起こ
っているはずだぞ。僕は、胃があやしいと思うんだ
けど。
実は、消化管を通る間にいろいろな消化液というのが出ているんだよ。胃の消
化液を胃液、小腸の消化液を腸液といいます。これ以外にも消化液があって、み
んなが食事をするときに、気を付けている食べ方があったのを覚えてるかな?
○給食時に、
「よく噛んで食べる」指導を事前に繰り返し行っておく。
3,だ液が消化に関係があるこ
とを知る。
15
よく噛んで食べなさいって注意されたことがあり
ます。噛んで細かくして養分を取り込みやすいよう
にするためなのかしら。
確かに大きいまま胃に入ると、胃に負担がかかります。そのために細かくする
のですが、ごはんやパンなどを噛んでいると味が変わった経験ありませんか?そ
れは、口の中のだ液という消化液が原因なんです。
甘い味になりますね。でも、甘くなるのは別の物
に変わったってことなのかな?だ液で本当に別の物
に変わっているのか調べてみたいな!
《評価》
消化のしくみについて興味・関心を持ち、消化について問題を見いだしている。
(関心・意欲・態度)
- 人体 9 -
【第6時】
<ねらい>
食べ物の養分は、どうやって体の中に取りこんでいくのだろうか。
だ液の消化の働きを調べる実験を正しく行い、結果を正確にまとめることができる。また、
実験結果を基に、だ液の消化の働きについて推測し、自分の考えを表現できる。
学習活動・教師の発問
1,本時のめあてをつかむ。
時間
5
口にある消化液 だ液
の働きについて調べる
実験を行うんだった
ね。
2,だ液の働きを調べる実験を
25
行う。
児童の反応・教師の支援
など
○前時に確認した消化管、消化液について復習を行い、児童が本時の
実験の目的を明確になるようにする。
噛んでいると甘くなるのは、だ液の働きで別の物
に変わったからじゃないのかという予想でしたね。
○実験を行う前に次のことを確認しておく。
・なぜ、ヨウ素液を使うのか → デンプンの有無を調べるから
・なぜ、だ液のありとなしで比べるのか → 反応がだ液によるものか
調べるため。
(対照実験)
・なぜお湯を40度程度にするのか →
体温と同じくらいにするため
《だ液の働きを調べる実験》
※この方法は個々で調べる実験方法です。
【準備】 デンプン溶液、アルミカップ(小)、ろ紙(細かく切ったもの)、発泡容器(カップ麺の容器)、
ヨウ素液、紙コップ(小)、スポイト、ピンセット
※使用する数や量は、班の数や一人一実験にするなどによって異なります。
3,結果を基に、だ液の働きに
ついて考察する。
15
○実験結果を絵や文を使って書くように促す。
○「結果」と「考察」の違いをしっかり押さえるようにする。
○考察が苦手な児童には、穴埋め形式などで導き出させるなどの段階
に応じた指導を行う。
水道水の方はヨウ素液が青紫色に反応した。だ液を含んだ
水の方は、反応しなかった。このことから、だ液を含んだ水
の方には、デンプンがなくなっていることが分かる。よっ
て、だ液によってデンプンは別のものに変化したといえる。
《評価》
だ液の消化の働きを調べる実験を正しく行い、結果をまとめている。(技能)
実験結果を基に、だ液の消化の働きについて推測し、自分の考えを表現している。
(思考・表現)
- 人 体 10 -
【第7時】
食べ物の養分は、どうやって体の中に取りこんでいくのだろうか。
<ねらい>
食べ物は消化管を通る間に、消化・吸収され、吸収されなかったものは体外に排出されるこ
とを理解できる。
学習活動・教師の発問
時間
1,消化のしくみについて知る。
15
児童の反応・教師の支援
など
○前時のだ液の消化の働き調べる実験を再確認し、消化液によって別
の物質に変化することを押さえる。
胃液や腸液なども、
だ液と同じように別の
物に変えてしまうはた
らきがあるんだよ。
変わった物って甘いから砂糖みたいなもの
に変わったのかな?
○中学校で消化酵素や、変化する物質名などを学習する。ここでは、
あまり深く取り扱う必要はない。
デンプンは、麦芽糖という糖分(水あめに多く含まれている)に変化したんだよ。デンプン
よりも糖の方が水に溶けやすくて、体に取り入れやすいんだよ。
だ液や胃液などは、体の中に取り入れやす
い物に変える働きがあるんですね。
そうですね。そういうことを消化といいます。また、体の中に取り入れることを
吸収といいます。吸収はどうやっているのか勉強しましょう。
2,吸収のしくみについて知る。
15
最後に長くある小腸とか大腸が吸収す
る働きをしていそうですね。
○小腸のつくり(柔毛)については、中学校で学習す
るので、あまり深く取り扱う必要はない。映像資料などで興味付け
をするとよい。
○大腸の働きについても動画資料で確認する程度でよい。
小腸と大腸は主に栄養を吸収する働きをし
ているんだね。栄養は、血液によって体中に
運ばれるんだね。
○点滴の話などをすると、血液によって養分を運んでいることがイメ
ージしやすい。
3,肝臓のはたらきについて知
5
る。
養分を蓄える大
事な働きをしてい
るのが、肝臓なん
だよ。
3,消化と吸収についてまとめ
10
《臓器カード(肝臓)》
○実物大の大きさ
(A4サイズでそれぞれカラー印刷)
○肝臓は大人で約1~1.5kgの重さ
があり、臓器の中でも最も重いこ
となどに触れるとよい。
○いろいろな働きがあるが、養分の
貯蔵庫としての役割のみ扱う程度
でよい。
○教科書などのモデル図を参考にまとめていくとよい。
る。
《評価》
食べ物は消化管を通る間に、消化・吸収され、吸収されなかったものは体外に排出されることを理解
している。(知識・理解)
- 人 体 11 -
【第8時】
<ねらい>
取り入れた養分や酸素を運ぶ血液は、どうやって体全体に流れていくのだろうか。
拍動数と脈拍数の測定結果から、心臓の動きと血液の流れとの関係について推論し、自分の
考えを表現できる。
学習活動・教師の発問
時間
1,これまでの学習を振り返る。
5
これまでに呼吸や消
化について勉強しまし
た。取り込んだ酸素や
養分は、何によって運
ばれていたでしょう。
2,本時のめあてをつかむ。
児童の反応・教師の支援
など
○これまでの呼吸や消化の学習で取り込んだものが、血液に最後は流
れていることを確認する。
酸素や養分は血液の中に入って、体全体に運ばれていま
した。でも、どうやって体全体に運んでいるのか知りたい
です。
血液は、どうやって体全体に流れていくのだろうか?
20
○血管が分かりやすい場所を探す活動を通して、体中のいろいろな場
所に流れていることを確認する。頸動脈が最も見付けやすい。
○脈拍を確認する場合、人差し指、中指、薬指の3
《血液・血管に関する豆知識》
・血管の全長は、約10万km、地球約2周半の距離がある。
・最も太い血管で直径3cm、細い血管では0.005mm
本を脈にそっと当てるように伝える。
○豆知識を使ったクイズ形式を取り込みながら、人
・血液量は、体重の約1/13。60kgの人で、約4.5ℓ。
体の不思議さに触れることもよい。
血液の流れるリズムは、心臓のドクドクって感じと似て
では、心臓の音も確
認してみましょう。こ
れを拍動といいます。
るような気がするな~
○聴診器を使って拍動を確認する。聴診器は、強く当て過ぎると聞き
取りにくいので注意する。同性同士で観察を行えるように配慮する。
脈拍と拍動は同じようにリズムをしているようですね。
運動前と後で拍動がはやくなるけど、脈拍もはやくなるの
か調べてみたいな。
3,脈拍数と拍動数を測定し、
血液循環と心臓との関係を
見いだす。
《脈拍数と拍動数は、常に同じリズムなのだろうか》
・2人1組で行う。運動前を最初に測定する。
・図のようにして、脈拍数・拍動数を確認する
人と聴診器を心臓に当てる人に分かれる。
聴診器に心臓に当てる人は、時間を測定
する。(約15秒程度)
・運動後の拍動数、脈拍数についても同様に
測定を行う。
20
○測定がうまくいかない児童もいるので、結果は全体で共有を図るよ
うにする。
どうやら心臓が、
酸素や養分を含んだ
血液を流す重要な役
割をしているようで
すね。
○本時のめあてを確認し、心臓の働きと血液の流れの関係に着目でき
るように促す。
運動する前も運動した後も、脈拍数ち拍動数はほぼ同じ
数でした。ということは、血液が流れていくのは、心臓が
動いているからだと考えます。
《評価》
拍動数と脈拍数の測定結果から、心臓の動きと血液の流れとの関係について推論し、自分の考えを表現してい
る。(思考・表現)
- 人 体 12 -
【第9時】
<ねらい>
取り入れた養分や酸素を運ぶ血液は、どうやって体全体に流れていくのだろうか。
心臓の働きによる血液循環のしくみについて理解できる。
学習活動・教師の発問
時間
10
1,前時の学習を振り返る。
児童の反応・教師の支援
など
○心臓のはたらきによって血液が体中に流れていることを確認する。
本時では、その心臓のはたらきに注目しながら体の中の血液循環に
血液が全身をめぐ
ることを循環といい
ます。
ついて考えていく。
心臓がとても重要な役割をしていることが分かりまし
た。もっと心臓のことを知りたいです。
血液は、心臓のどんな働きによって、血液は循環されているのだろうか?
2,心臓のつくりやはたらきに
20
ついて知る。
《臓器カード(心臓)》
○実物大の大きさ(握り拳1つ程度
の大きさ)
(A4サイズでカラー印刷)
○心臓の位置は、ほぼ胸の真ん中
である。
○心臓の詳しいつくりについては、扱わない(四つの部屋があること
や、太い血管が四本ある程度でよい)。
意外と小さい心臓なのに、血液を送る力ってすご
そうですね。どのくらいあるのだろう?
《心臓の血液を送る様子を体感する活動》
○心臓は毎分約70回拍動し、1回につき70mlの血液を送り出
している。そのことを実感することで、心臓のはたらきの
偉大さを感じることができる。
・2.5リットルの水を別の容器(バケツなど)に灯油ポンプを
使って、30秒間でどのくらい水を送れるかを体感する。
(灯油ポンプ1回で約70mlで心臓と同じ量になっている。)
《血液循環のしくみを理解するモデル教材の活用》
○灯油ポンプ2個とホースを使って作成した血液循環モデルを活用し、実際に
血液が循環している様子をイメージできるようにする。
心臓は、拍動を人が生まれ
てから一度も休んでいないな
んて、すごいですね。
2,不要物を送り出すしくみに
心臓によるはたらきで、外に出さなけれ
ばならない不要物も血液によって運ばれて
いきます。
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ついて知る。
《臓器カード(腎臓)》
○実物大の大きさ(握り拳1つ程度
の大きさ)
(A4サイズでカラー印刷)
○腎臓1個は、にぎりこぶし大の
大きさ。
約150g
○不要物としてアンモニアがあるが、児童は二酸化炭素以外イメージ
がない。そのため、「不要物」とだけ押さえるようにすればよい。
○腎臓の働きについて説明した後、血液循環の図や映像資料を活用し
ながら、全体の血液循環についてまとめる。
《評価》
心臓の働きによる血液循環のしくみについて理解してい
る。(知識・理解)
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