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経済政策の不確実性の測定と経済への影響について

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経済政策の不確実性の測定と経済への影響について
Measuring Economic Policy Uncertainty and Its Impact on the Economy
公共システムプログラム
13M43064 遠藤寛士 指導教員 山室恭子
Public Policy Design Program
Hiroshi Endo, Adviser Kyoko Yamamuro
ABSTRACT
Many commentators have argued that uncertainty about taxes, government spending and other policy
matters deepened the recession of 2007-2009 and slowed the recovery. In order to investigate this issue,
Baker, Bloom and Davis (2013) developed a new index of policy-related economic uncertainty in the
United States and estimated its dynamic relationship to output, investment and employment. Based on
this finding, this paper analyzes index of policy-related economic uncertainty in Japan. The index
spikes near election matters and after major events such as Black Monday, the Asian financial crisis,
and the bankruptcy of Lehman Brothers. Also, the index value is relatively higher in recent years after
the collapse of Lehman Brothers than the period of Japanese economic expansion from February 2002
to October 2007. VAR estimates show that an increase in policy uncertainty foreshadows large and
persistent declines in the Nikkei Stock Average, industrial production, and employment.
1.
背景
1.1
不確実性について
近年の経済学は、既存の市場モデルがあまりにも現実から
乖離していることを認識し、情報の非対称性、複雑系、行動
確実性が歴史的に高いレベルに上昇したということ。二つ目
はその不確実性の上昇が、企業や家計に雇用や消費を削減さ
せたり延期させたりすることにより、不景気からの回復を遅
らせていることである。
経済学などの分野が発達している。こうした流れを以前から
Baker, Bloom and Davis (2013)は、この主張がどの程度妥
先取りしていた概念として不確実性(uncertainty)がある。不
当であるかを分析した。そのため、彼らは経済政策の不確実
確実性という概念は、Frank Knight によって 1921 年に提唱
性の指標を構築し、1985 年以降の変化を調べている。不確実
された。Knight (1921)は「リスク」と「不確実性」とを区別
性指標は大統領選挙、二つの湾岸戦争、9.11、リーマンショ
して考えている。それによると、リスクはその発生確率によ
ックと TARP 成立、2010 年の中間選挙、ユーロ危機、およ
って数値的に予測できるのに対し、不確実性はその発生確率
び米国債務上限の問題の際に大きな上昇を見せている。
さえ予測できないものとされる。発生確率が予測可能なリス
そしてこの不確実性指標をもちいて、経済政策の不確実性
クは、保険などのシステムによってヘッジ可能であり、市場
の効果の潜在的な影響のおおよその目安として、VAR(Vactor
で取り扱うことができる。しかし、企業が直面する問題の多
Autoregression: 多変量自己回帰)モデルを推定している。
くは、数学的な先験的確率でもなく経験的な統計的確率でも
推定の結果、2006 年から 2011 年の実際の政策関係の不確実
ない、先験的にも統計的にも確率を与えることができない推
性の増加は、工業生産の約 2.5%の下落と雇用の 230 万人の
測である。企業の意思決定が、こうした不確実性の影響を強
減少に関連していることが判明した。
く受けるというのが Knight の主張である。
1.3
1.2
経済政策の不確実性の経済抑制効果
日本における不確実性分析の背景
リーマンショックは、不確実性が世界で注目されるように
近年、とりわけリーマンショックによる未曾有の経済的シ
なった一つの要因である。一方で日本は、もちろんリーマン
ョックからの回復の遅れを説明するにあたって、経済活動上
ショックで多大な影響を受けたことは間違いないが、複雑な
の不確実性の影響を考慮する研究は、その重要性を増してい
金融工学によって生み出された商品で好景気を謳歌していた
る。多くの専門家は、経済政策の不確実性について二つの主
諸外国に比べ、未だ「失われた 10 年」と呼ばれた不況から立
張をしている 。一つは税、支出、規制、金融政策の不確実性
ち直っていなかったこともあり、比較的影響は軽微だったと
によって、2007 年から 2009 年の景気後退後に経済政策の不
考えられている。さらに国家としての土壌の違いから、日本
に Baker, Bloom and Davis (2013)の分析結果をそのまま当
の不確実性が低い値(68)となり、逆にリーマンショック以
てはめて考えることはできないだろう。日本国内における不
降は高い値(112)となっている。また年平均で見ても 2006
確実性の影響を明らかにするためには、日本に適応可能な独
年が 49(金融危機前の最後の通年)なのに対し 2011 年が 118
自の分析が必要になるのである。さらに、日本の不確実性が
と 69 ポイントの差が認められる。これは 102 ポイントの差
測定されれば、日本のビジネスサイクルを解明する手がかり
であるアメリカには及ばないものの大きな値であり、ただし
となり、その影響の大きさをある程度把握できれば、より適
アメリカに及んでいないという部分も予測と整合的である。
切な政策を策定することにつながるだろう。
することを目的とする。具体的には、日本語新聞記事から日
本の経済政策の不確実性指標を構築する。そして、VAR 分析
による経済指標への影響と、諸外国の不確実性との比較を通
して、日本経済の不確実性に対する反応を検証する。
2.
不確実性指標の測定
経済政策の不確実性に対する懸念の強さの指標を作成する
ため、大手新聞の記事を扱い、社会が経済政策に対する不安
400
350
300
250
200
150
100
50
0
198704
198901
199010
199207
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199601
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200301
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200607
200804
201001
201110
201307
よって、本研究では、日本の経済政策の不確実性を数値化
をどの程度抱えているかを数値化する。経済政策に対する社
会の不安が大きくなれば、その事案に関する新聞記事が増え
ると考えられる。日本語新聞 6 紙を選び、月ごとに経済政策
図 1 日本の経済政策の不確実性
の不確実性を示すワードが含まれる記事の件数を調査する。
調査には日経テレコンという新聞記事のデータベースを用い
アメリカの不確実性との比較を図 2 に記す。どちらもリー
る。期間を 1987 年 4 月から 2014 年 9 月まで一カ月ごとに設
マンショック以降に経済政策の不確実性の高まりがみられる
定し検索をかけ、検索結果の件数を記録する。使った新聞紙
ものの、その大きさはアメリカの方がより大きい。またアジ
は、朝日、毎日、読売、産経、日本経済、中日である。
ア通貨危機の際には日本の不確実性のみが非常な高まりを見
「予算」
「赤字」の七つのワードを付け加える形で計 7 周の検
索を行った。一例をあげると「経済」
「不安」
「政策」の三語
をスペースで区切って検索キーワード入力欄に入れて検索を
行う。これはいいかえれば経済、不確実性、政策の三つのカ
テゴリ全てに属している記事を探したということになる。
ここでの問題点は新聞記事の総数が増減すれば、当然不確
実性のためのワードでの検索件数も増えてしまうということ
せている。こういった点も予測と整合的であるといえる。
400
350
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0
198704
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キーワードとしては、
「経済」
「不安」の二つのワードを固
定とし、その二つに「政策」
「税」
「消費」
「規制」
「日本銀行」
である。この問題を解決するため、一カ月ごとの各新聞社の
総記事件数で結果を除し、重みを同等としてから足し合わせ
ることを試みた。
これによって構築された経済政策の不確実性指標を図 1 に
図 2 日本(実線)とアメリカ(点線)の不確実性
示す。平均値を 100 に合わせてある。この指標は一カ月に新
また Baker、Bloom、Davis が公開している EU、ロシア、
聞 6 紙に掲載された全ての記事のうち、経済政策への不安感
中国の経済政策の不確実性および、日本と同じく日経テレコ
を表した記事がどれだけあったかを示しているといえる。
ンのデータベースを用いて独自に作成した韓国の不確実性と
数値が突出する部分についてその時期に起こった政治的な
比較した結果、日本の不確実性はアメリカ、韓国、EU、中国
事件を当てはめたところ、明確な説明ができることから、あ
とは若干の相関を示したが(相関係数においてそれぞれ 0.341、
る程度の妥当性は確保されているといえる。不確実性にショ
0.326、0.169、0.167)
、ロシアとは相関がみられなかった
ックを与える出来事としては選挙が多い。これは政府の方針
(-0.014)
。これはアメリカや韓国と同じ要因によって不確実
が示され政策に動きが出る期間であることを考えても妥当な
性が増大することが多いということを示し、両国と日本との
ものであろう。またその他には主要な経済危機が大きなショ
経済的関わりの深さから考えても妥当な結果であるといえる。
ックを与えている。具体的にはブラックマンデー、アジア通
3.
不確実性指標の評価
貨危機やリーマンショック、米国債の格下げなどにおいて非
この不確実性指標の最も基本的で大きな問題は、新聞記事
常に高い値を記録している。また一般的な日本経済の区分に
の単語の出現頻度によって不確実性を定量化することが可能
よって不確実性指標の平均値をとると、いざなみ景気と呼ば
なのかという点である。この問題に対処するため、株式市場
れる 2002 年 2 月から 2009 年 3 月の好景気期間には経済政策
の不確実性の指標を先ほどと同様の方法で新聞記事から構築
し、日経平均ボラティリティー・インデックス(日経平均 VI)
順番は不確実性の与える影響を議論するため、ひとまず不確
と比較する。日経平均 VI は、投資家が日経平均株価の将来の
実性、日経平均株価、コールレート、鉱工業生産指数、雇用
変動をどのように想定しているかを表した指数である。この
人口という順序に並べ、インパルス応答関数の分析を行う。
広く使われている不確実性指標と新聞記事から構築された不
4.2
分析期間
産経新聞の 1992 年 8 月以前のデータが存在せず、
また 1987
確実性指標が高い相関があれば、新聞記事の単語から不確実
年 3 月以前になると中日新聞のデータも欠落してしまうため、
性の構築が可能といえる。
新聞記事からの株式市場の不確実性指標を構築するために、
5 紙以上のデータによって不確実性の指標が構築できる 1987
セクション 2 で行ったのと同様の方法を用いる。具体的には
年 4 月から 2014 年 9 月までをひとまずの対象とした。また
日経テレコンを利用して「経済」
「不安」
「株」の三単語を含
日本の景気状態によって不確実性への反応に違いが出るかを
む記事を月ごとに検索し、新聞社ごとの記事総数で割ったう
調べるため、前述した失われた 10 年といざなぎ景気に関して、
えで記録した。
期間を区切って同じ分析を行う。
図 3 は 2004 年から 2014 年まで日経平均 VI の月平均と新
5.
分析結果
インパルス応答関数の結果は図 4 の通りである。実線が経
聞記事ベースの株式市場の不確実性を同じグラフに表したも
のである。二つの指数が高度に相関していることが見て取れ、
済政策の不確実性の攪乱項に 1 標準偏差のショックを与え、
相関係数も 0.630 と高い値を示している。若干のずれはある
それに対する各変数の累積 36 か月の反応を示している。ただ
にせよ高い相関が、新聞記事からの不確実性指標の作成が可
し日経平均株価とコールレートに関しては 1 階の階差数列で
能であることを示している。
あるので、累積インパルス反応はレベルデータへの反応を示
100
600
80
500
60
40
20
軸の数値は%である。点線は 95%信頼区間を表しており、こ
の点線がゼロを示す水平線から上下いずれかに離れていれば、
400
5%水準で有意であるということになる。結果から経済政策の
300
不確実性のショックが、日経平均株価(N)
、コールレート(C)
、
200
雇用人口(E)
、実質鉱工業生産指数(P)のいずれにおいて
100
もネガティブなショックを与えていることが確認できる。た
0
だし経済政策の不確実性がその後の経済指標の変動を引き起
200401
200410
200507
200604
200701
200710
200807
200904
201001
201010
201107
201204
201301
201310
201407
0
していることに注意されたい。また変数は対数であるので縦
こすのか、あるいは経済指標の変動を反映して不確実性が増
加するのかに関しては明確ではなく、今回の結果は相互の波
及効果の潜在的な値であることには注意が必要である。
図 3 日経平均 VI(実線)と株式市場の不確実性(点線)
4.
Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.
Accumulated Response of D(ln_N) to ln_EPU Accumulated Response of D(ln_C) to ln_EPU
計量分析の枠組み
.04
経済政策の不確実性が主に 2007 年から 2009 年の景気後退
.1
.0
.02
-.1
からの回復を妨げていることや、より一般的には景気変動に
.00
-.2
影響を与えることが知られているのは前述したとおりである。
こうした経済政策の不確実性の経済への潜在的な影響を検証
するために、VAR モデルに基づいて分析を行った。
4.1
-.3
-.02
-.4
-.04
-.5
5
10
15
20
25
30
35
Accumulated Response of ln_P to ln_EPU
推定モデル
VAR モデルはそれぞれの変数が自分自身と他の変数の過
去の値及び攪乱項の線形結合によって記述されるモデルであ
10
15
20
25
30
35
.01
.0
.00
-.01
-.1
る。推定に用いられる 5 変量の VAR モデルは次のように表さ
-.02
-.2
れる。
 = 1 −1 + 2 −2 + ⋯ +  − + 
5
Accumulated Response of ln_E to ln_EPU
-.03
 ~(0, )
ここで、 = [ ,  ,  ,  ,  ]′ は、5 つの確率変数から
なる 5 次元ベクトルであり、Φ は係数ベクトルである。各変
数は、日経平均株価(N)
、コールレート(C)
、雇用人口(E)
、
-.3
-.04
5
10
15
20
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30
35
5
10
15
20
25
30
35
図 4 インパルス応答関数(全期間)
(注)D は 1 階の階差を、ln は常用対数を表す。
日経平均株価は不確実性のショックから少なくとも 6 か月
実質鉱工業生産指数(P)
、経済政策の不確実性(EPU)であ
間は前月比 0.02%程度の負の影響を受け続ける。およそ 18
る。この 5 変数に関しては Baker, Bloom and Davis (2013)
か月で影響は回復に向かいはじめる結果となっている。コー
にならって決定した。全てのデータは月次データであり、対
ルレートについては負の影響が有意にでている。ただし負の
数をとって分析を行う。単位根検定の結果、日経平均株価と
影響が収束することなく出続ける結果には疑問が残る。鉱工
コールレートに関しては 1 階の階差をとることで定常化を行
業生産指数は 24 か月先に累積して 0.15%程度の負の影響に
った。またラグは AIC に基づき 3 次のラグを取った。変数の
なり、その後は下げ止まりとなる。雇用人口には長期にわた
って徐々に負の影響が出る。また不確実性への反応としては
6.
解雇よりも新卒採用数を減らすことの方が一般的に妥当であ
6.1
結論と課題
結論
るため、反応が即応的でないことも整合的であるといえる。
経済政策の不確実性については、リーマンショック以降の
また日本の景気状態によって不確実性への反応に違いが出
不況において多くの議論が行われている。専門家たちが指摘
るかを調べるため、前述した失われた 10 年といざなぎ景気に
するのは経済政策の不確実性が不況とともに増加したこと、
関して、期間を区切って同じ分析を行った。失われた 10 年は
そしてその増加が不況からの回復を妨げたことである。本研
日本が経験した長期の経済低迷期間であり、対していざなみ
究では、日本における不確実性についてその計測と経済指標
景気は実感なき好景気との批判もあったものの近年では最も
への影響を分析することでこの主張の検証を試みた。
景気が安定して回復した期間である。この二期間を比較する
一つ目の不確実性が不況と共に増加したという主張に対し、
ことで好景気時と不況時における不確実性の影響の違いを把
日本の不確実性指標を新聞記事から構築した。指標の動きを
握することができる。具体的な期間は失われた 10 年が 1991
調査したところ、経済政策の不確実性が、選挙のような政治
年 3 月から 2002 年 1 月、いざなみ景気が 2002 年 2 月から
的イベントや、リーマンショック等の経済的な事件の際、大
2009 年 3 月である。失われた 10 年のインパルス応答関数の
幅に増加すること、また不況時に全体的に増加することが確
結果を図 5 に、いざなみ景気を図 6 に示す。
認された。加えて他国との比較から、リーマンショック前後
での日本の不確実性の落差が大きいものではあるがアメリカ
Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.
Accumulated Response of D(ln_N) to ln_EPU Accumulated Response of D(ln_C) to ln_EPU
.08
.2
.06
に及ばないことを確認した。
二つ目の不確実性の増加が不況からの回復を妨げたという
.0
-.2
主張に対しても、VAR 分析を用いることにより経済政策の不
-.4
確実性の高まりが株価やコールレート、鉱工業生産や雇用の
.04
.02
.00
全てにネガティブな影響を及ぼすことを確認した。また好景
-.6
-.02
-.04
-.8
5
10
15
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35
Accumulated Response of ln_P to ln_EPU
5
10
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20
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30
35
Accumulated Response of ln_E to ln_EPU
気時にくらべ、不況時では不確実性への反応が回復を見せな
いことを確認した。これは好景気時には企業が見通しを上方
.01
.00
修正しやすいことが理由であると推測される。ただし、VAR
.00
-.05
モデルは因果関係ではなく相関関係を推定するものである。
-.01
-.10
-.02
本研究から得られた分析結果は、相互の波及効果の潜在的な
-.15
-.03
-.20
値として解釈すべきことに注意が必要である。
-.04
-.25
-.05
5
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35
5
10
15
20
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35
図 5 インパルス応答関数(失われた 10 年)
6.2
これからの課題
将来の発展性の面では、まずより多くの国の経済政策の不
Accumulated Response to Cholesky One S.D. Innovations ± 2 S.E.
確実性を調査することによって、各国のビジネスサイクルを
Accumulated Response of D(ln_N) to ln_EPU Accumulated Response of D(ln_C) to ln_EPU
把握できる。さらに経済的に不確実性を上昇させる出来事が
.10
0.4
どの国に共通しているかを調査することによって、国家間の
0.0
.05
-0.4
経済的な結びつきの強度を測定できる可能性がある。不確実
-0.8
性が各国間で相互に与える影響についても分析が可能である。
.00
-.05
方法論についても改善が望まれる。まず、新聞記事から構
-1.2
-.10
-1.6
5
10
15
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35
Accumulated Response of ln_P to ln_EPU
.4
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35
Accumulated Response of ln_E to ln_EPU
築した経済政策の不確実性の精度については、さらなる議論
が必要となるだろう。新聞だけでなく経済報告書で同様の不
.02
.2
確実性指標を構築できれば、本研究で構築した不確実性指標
.00
-.02
の妥当性を評価することができる。また、新聞記事以外から
-.04
の不確実性の要素について検討の必要がある。さらに、計量
.0
-.2
-.4
分析においては経済政策の不確実性が経済に与える因果効果
-.06
-.6
-.8
-.08
5
10
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20
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35
5
10
15
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30
35
図 6 インパルス応答関数(いざなみ景気)
この二つの結果の最も大きな違いは不況時には不確実性の
が明確にされていないため、これを何らかの方法で把握する
ことが期待される。最後に、過去の各変数の影響だけでなく、
同時点の影響も考慮に入れた構造型 VAR モデルの応用も検
ショックによって与えられた影響が下げ止まりするのに対し、
討の余地があるだろう。
好景気時には 18 か月から 24 か月ころから回復を見せ始める
主要参考文献
点である。これは好景気時には企業が見通しを上方修正しや
[1]Baker, Scott R., Bloom, Nicholas and Davis, Steven J. (2013)
すいことが理由であると推測される。不確実性の高まりで一
“Measuring Economic Policy Uncertainty.” Working paper.
時的に雇用や投資を控えるが、時間と共にその不確実性への
[2] 李昌玟・遠藤寛士 (2014) 「経済政策の不安定性の測定」
不安が薄まっていく。だが不景気時にはその不確実性への不
『ソリューション科学に対する体系的研究 2013』
、東京工業
安が常に残り続けてしまうと考えられる。
大学大学院社会理工学研究科、pp. 71-84.
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