北設楽郡生活交通確保維持改善計画

資料2
平成28年度
北設楽郡生活交通確保維持改善計画
(地域公共交通確保維持改善事業のうち地域内フィーダー系統関係)
平成27年6月
愛知県北設楽郡 設楽町・東栄町・豊根村
1
1.地域公共交通確保維持改善事業に係る目的・必要性
(1)目的と必要性
本計画の対象地域である、愛知県北設楽郡(設楽町、東栄町、豊根村)は、愛知県北東部に位置し長野県・静
岡県に接する中山間地域である。北設楽郡の 3 町村は歴史的・文化的につながりが強く、行政区域の枠を越えた
交流が盛んである。しかし、地域の状況は厳しく、県域の約1割である 553.2km2 の面積を有するにもかかわら
ず、人口は県全体の 1%にも満たない1万人余りであり、激しい減少傾向が止まっていない。高齢化率も北設楽
郡で約 45%と、県の高齢化率約 20%を大きく上回っている。
このような状況の中で、安心して住みやすい地域を作ることが重要な課題である。その基盤の 1 つとなる住民
の移動手段確保・充実のために、公共交通活性化・再生を進め、高校生や高齢者といった自家用車を利用できな
い住民にとって利便性の高いサービスの確保のために、北設楽郡では平成 21 年 8 月に「北設楽郡地域公共交通
総合連携計画」を策定し、3 年間実証実験を行い、平成 24 年度から「北設楽郡総合交通システム おでかけ北
設」として本格稼働をした。おでかけ北設として走らせている路線のうち、基幹バスの稲武線、東栄設楽線、東
栄線、豊根東栄線、豊根設楽線の5路線と、支線バスの三都橋豊邦線、宇連長江線の2路線は補助対象路線とな
っているが、これらのほかに御園線、東薗目線、薗目線、振草線、三ツ組・三輪線、坂宇場線、三沢線、富山線
を、県補助対象路線として、各市町村内で運行している。北設楽郡 3 町村が安心して住みやすい地域として今後
も連携を続け、中高一貫教育などの取り組みや互いの公共施設・集客施設を利用できる等することで、地域生活
交通を維持・向上していくためには、各集落とそれぞれの町村にある施設・駅・中心集落を結ぶ使いやすく利便
性の高い公共交通網を維持していくことが必要である。そのためにはJR飯田線又は地域間幹線「田口新城線」
と関係するフィーダー路線網とが結節することが必要不可欠であり、当該路線は地域間幹線として認められる予
定である。
国庫補助路線名
東栄設楽線
(設楽町・東栄町)
豊根東栄線
(東栄町・豊根村)
東栄線
(東栄町)
稲武線
(設楽町)
三都橋豊邦線
(設楽町)
宇連長江線
(設楽町)
豊根設楽線
(豊根村)
必要性
東栄設楽線は、東栄町の中心部である本郷地区から設楽町の中心部である田口
地区を運行し、郡内唯一の高校である田口高校への通学や郡内唯一の東栄病院へ
の通院及び小・中学生のスクールバスとしての役割を担っている。さらに車をも
たない高齢者の生活用品購入などの生活路線としての役割も担っており本路線の
運行は当該地域に欠かすことはできない。
豊根東栄線は、豊根村中心地域と東栄町中心地域との間を運行し、郡内唯一の
東栄病院・JR 飯田線と結節する路線である。
東栄町、豊根村の高齢者の通院、買い物等の移動手段として、又、郡外高校へ
の移動手段として本路線の運行は当該地域に欠かすことはできない。
東栄線は東栄町の中心部である本郷地区と東栄町南部に位置する三輪地区との
間を運行し、JR 飯田線東栄駅と結節しているため、佐久間・新城方面の高校への
通学や、町外病院への通院、町外への買物等に出かけるためには必要不可欠であ
る。また、沿線にある郡内の中心的医療機関である東栄病院への通院や、東栄中
学校への通学の足として本路線の運行が必要である。
豊田市稲武地区と設楽町の中心に位置する田口地区を結ぶ区間を運行してお
り、名倉地区からの田口高校への通学、隣接する豊田市足助高校へ通学する交通
手段として欠かせない。また、田口にある医院への通院等への移動手段としても
必要である。豊鉄バス田口新城線(地域間幹線)と結節することで新城方面への
移動手段としても必要である。
車をもたない高齢者の通院や生活用品購入のための移動手段として、小学生、
中学生の通学の足として必要である。
車をもたない高齢者の通院や生活用品購入のための移動手段として、小学生、
中学生の通学の足として必要である。
豊根村から郡内の唯一の高校である田口高校へ通学する手段を確保する路線で
あり、また豊鉄バス田口新城線(地域間幹線)と結節することで新城方面への移
動手段としても必要である。
2
2.地域公共交通確保維持改善事業の定量的な目標・効果
(1)事業の目標
各路線について、基準年として設定する平成24年利用者数を平成25年1月の沿線人口で除することによっ
て算出できる系統別沿線住民一人あたりの年間利用回数を指標とし、各年度において比較する。
なお、利用者数は現金乗車人数、沿線人口は各路線の通過する大字単位の人口の合計とする。
目標値
基準値
(H24実績)
平成28年度
平成29年度
平成30年度
基幹バス 稲武線
3.1
3.1
3.1
3.1
基幹バス 東栄設楽線
1.0
1.0
1.0
1.0
基幹バス 東栄線
4.2
4.2
4.2
4.2
基幹バス 豊根東栄線
2.8
2.8
2.8
2.8
基幹バス 豊根設楽線
1.8
1.8
1.8
1.8
支線バス 三都橋豊邦線
4.0
4.0
4.0
4.0
支線バス 宇連長江線
1.3
0.4
0.4
0.4
単位:現金乗車による年間利用者数/1月1日現在の沿線人口
※宇連長江線のみ、ダム建設事業による人口減少が著しいため、目標値の算出は平成 26 年の年間利用者
数を平成 27 年 1 月 1 日現在の沿線人口で除したものとする。
路線系統名
【参考】補助対象外路線
路線名
支線バス
予約バス
御園線
東薗目線
宇連長江線
三都橋豊邦線
坂宇場線
三沢線
富山線
御園線
薗目線
振草線
三ツ組・三輪線
東栄設楽線
稲武線
年間利用者数
660 人
1,584 人
412 人
494 人
468 人
284 人
1,477 人
503 人
267 人
20 人
246 人
5,039 人
5,877 人
沿線住民数
1,739 人
1,679 人
203 人
170 人
786 人
507 人
115 人
207 人
869 人
469 人
192 人
2,314 人
1,139 人
実績値
0.3
0.9
2.0
2.9
0.5
0.5
12.8
2.4
0.3
0.04
1.2
2.1
5.1
なお、これらを達成するために以下のような具体的施策を実施する。
町村名
設楽町
東栄町
事業内容
・各地区イベントなどでバスの利用方法の説明
・とうえい温泉のバス利用時の施設利用割引制度の車内掲載によるPR
・意見箱を設置して利用者の意見聴取
・3町村連携チラシ
・世話人定員の維持
・各地区会合などで利用方法の説明
・とうえい温泉のバス利用時の施設利用割引制度の継続実施と車内掲載等によるPR
・3町村連携チラシ・時刻表の作成
3
豊根村
・走る広告塔としてバス広告掲載募集
・兎鹿嶋温泉のバス利用時の施設利用割引制度の実施と車内掲載によるPR
・JR飯田線、路線バス乗り継ぎ時刻表を作成し車内配布とホームページに掲載
・バス利用改善についての意見募集を実施
・3町村連携チラシ
また、これらの取り組み以外にも自主財源による予約バス等の運行を実施し、北設楽郡全体の公共交通を
総合的にカバーし、この補助対象路線へのフィーダー的役割を果たしており、北設楽郡全体で、公共交通の
維持に尽力している。そのほか、地元田口高等学校への体験入学時に路線バスの乗車体験、中学生を対象と
する高等学校通学に利用できる時刻表と乗換案内を記載した広報紙の配布、といった利用促進策の実施、路
線相互および鉄道との乗り継ぎについて十分考慮したダイヤの設定など、第2次北設楽郡地域公共交通総合
連携計画(平成25年7月策定)に基づく事業を実施し、目標を達成できるように努める。
なお、事業の進捗状況については別途、連携計画に定める評価指標に基づき、自己評価を行い、評価結果
に基づいた見直しや改善を随時実施する。
(2)事業の効果
北設楽郡 3 町村全域を対象地域とする一つの法定協議会のもと、連携して生活交通ネットワーク計画を策
定することにより、JR、民営バス及び町村営バスによる移動利便性が向上し、今後も交流が続き、また互
いの公共施設・集客施設を利用できるようになる。
特に 3 町村全体で 1 つしか存在しない、高等学校への通学手段を確保することができ、また、他市内の高
等学校にも自宅から通学ができることで、高校進学により親元を離れて下宿生活をするための人口流出を食
い止めることができる。
JR飯田線と地域間幹線とフィーダー系統が結節することにより、郡内各地から新城市や豊川市、豊橋市
といった近隣の中心市へのアクセスも可能となる。
さらに、地域住民が自ら必要とする路線、停留所を考え、路線の運営状況を把握することで、路線バスを
「守り」
「育てる」意識の向上と環境を作ることができる。
これらのことにより、自家用車を運転することができない子供やお年寄りが、単独町村では不足している
公共サービスを享受でき、安心して住み続けることができるようになる。
なお、これらの取り組みの実績が評価され、平成24年度地域公共交通優良団体として国土交通大臣賞を
受賞したほか、3町村の中学校と中高一貫教育を行っている田口高校への自宅通学者の増加、豊橋特別支援
学校の分教室の田口高校への新設などの成果を得ている。
3.地域公共交通確保維持改善事業により運行を確保・維持する運行系統の概要及び運行予
定者
①路線図
(別添「総合時刻表」のとおり)
②予定している時刻表・運行期間
(別添「総合時刻表」のとおり)
③運行予定者が実施する運転手の健康状態等の把握について
④運行予定者は、設楽町及び東栄町が委託、豊根村が直営である。いずれも、価格のみでの判断ではなく、総合
的に判断され、運行予定者が決定されている。
⑤各町村が実施する運行前の管理体制について
町村名
設楽町
東栄町
豊根村
健康・疲労等の確認方法
始業前の点呼時に対面し確認
乗務員点呼の際確認をしている
・運転士からの申告
・身体の異常の有無確認
運行管理者又は代務者において
点呼時に確認
飲酒・酒気帯びの確認方法
始業前の点呼時にアルコー
ルチェッカーで確認
乗務員点呼の際確認をして
いる
・飲酒検知器による確認
始業・終業点呼時にアルコー
ル検知器にて確認
4
台帳整備の有無
有
有
有
4.地域公共交通確保維持事業に要する費用の総額、負担者及びその負担額
地域公共交通確保維持改善事業費補助金交付要綱「表2」を添付。
なお、町村から運行事業者への委託料は運行経費から国庫補助額と県費補助額を控除した額を負担することとしてい
る。
5.別表4及び別表4-1の補助事業の基準ニに基づき、協議会が平日1日当たりの運行回数が3
回以上で足りると認めた系統の概要
(地域フィーダー系統確保維持計画のため、記載なし)
6.別表4及び別表4-1の補助事業の基準ハに基づき、協議会が「広域行政圏の中心市町村に準
ずる生活基盤が整備されている」認めた市町村の一覧
(該当しないため、記載なし)
7.地域公共交通確保維持改善事業を行う地域の概要【地域内フィーダー系統のみ】
地域公共交通確保維持改善事業費補助金交付要綱「表5」を添付
8.車両の取得に係る目的・必要性
(該当しないため、記載なし)
9.車両の取得に係る定量的な目標・効果
(該当しないため、記載なし)
10.車両の取得計画の概要及び車両の取得を行う事業者、要する費用の総額、負担者及びその
負担額
(該当しないため、記載なし)
11.協議会の開催状況と主な論点
平成27年6月15日 第30回北設楽郡公共交通活性化協議会
・北設楽郡生活交通ネットワーク計画の認定について
12.利用者等の意見の反映
北設楽郡公共交通活性化協議会(法定協議会)の構成員である住民代表者等からの意見を反映して本計画を作成し
た。
13.協議会メンバーの構成員
5
関係都道府県
関係市町村
交通事業者・交通施設管理
者等
地方運輸局
その他協議会が必要と認め
る者
愛知県振興部交通対策課、愛知県東三河総局新城設楽振興事務所、愛知県新
城設楽建設事務所設楽支所
設楽町、東栄町、豊根村
公益社団法人愛知県バス協会、豊鉄バス株式会社、愛知県タクシー協会、田口乗
用自動車有限会社、東栄タクシー有限会社、豊橋鉄道労働組合、東海旅客鉄道
株式会社、愛知県設楽警察署
国土交通省中部運輸局愛知運輸支局
名古屋大学大学院准教授、公益財団法人豊田都市交通研究所主任研究員、設
楽町住民(利用者)代表、東栄町住民(利用者)代表、豊根村住民(利用者)代表、
北設楽郡小中学校長会、愛知県立田口高等学校、豊根村社会福祉協議会
【本計画に関する担当者・連絡先】
(住所)
愛知県北設楽郡設楽町田口字辻前14番地
(所属)
北設楽郡公共交通活性化協議会
(設楽町企画ダム対策課内)
(氏名)
加藤 志歩
(電話)
0536-62
-0514
(e-mail)
6
kikak
[email protected]
ara.aichi.jp