組み換えタンパク質発現ガイド - Sigma

組み換えタンパク質発現ガイド
2014
・これ一冊で組み換えタンパク質発現・抽出・精製・
検出がわかる!
・便利なプロトコールつき
・巻末:FLAG® システム特集
SAJ1783
biomapping
組み換えタンパク質の発現・抽出・精製・検出
組み換えタンパク質を作製する手法は、対象の遺伝子を適当な宿主細胞に発現させ大量に得ることによって、
生体内でわずかにしか存在していないタンパク質でも構造解析や機能解析を可能にした有用な技術です。
いまや組み換えタンパク質の発現や調整方法は色々な方法が試されていますが、タンパク質の検出と精製には、
通常、
特異的抗体が利用されます。しかし全てのタンパク質に対する抗体が販売されているわけではありません。
ポリクローナル抗体の作成には時間もコストもかかり、モノクローナル抗体を作成する場合は尚更です。そこで
融合タグ又は親和性タグとしても知られているエピトープタグを付けてタンパクを発現させる方法は、融合する
タンパク質の構造を乱すことなく、その検出と精製のための普遍的エピトープとして働くことで、このような問
題に対する便利な解決法となります。
選択の際に重要な点の 1 つは、その発現の目的がタンパク質の検出か、精製か、ということです。
目的タンパク質の下流解析の方法、コストなどを考慮して最終的に選択するのが良い方法です。
組み換えタンパク質の
実験フロー
ベクター ( コンストラクト ) 作成
(サブクローニング)
• ベクターの選択
•プライマーのデザイン
•インサートの PCR
•プラスミドの制限酵素による切断
•インサートとライゲーション
•シークエンス確認
大腸菌を形質転換
(トランスフォーメーション)
大腸菌の培養(少量)
プラスミド精製(ミニプレップ)
発現用の大腸菌を形質転換
(トランスフォーメーション)
哺乳動物細胞にプラスミドを導入
(トランスフェクション)
大腸菌の培養(大量)
細胞の培養
(ディッシュ)
細胞の培養
(プレート)
タンパク質発現・抽出
タンパク質発現・抽出
タンパク質発現・抽出
発現の確認
(電気泳動 or ウェスタンブロット)
発現の確認
(ウェスタンブロット)
発現の確認
(ウェスタンブロット)
タンパク質精製
(アフィニティ精製)
タンパク質精製
(アフィニティ精製)
免疫染色
(免疫蛍光染色・免疫組織化学)
機能解析
構造解析など
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目次
- 組み換えタンパク質の発現 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4
- タンパク質の抽出 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- 超音波破砕 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- 凍結融解 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- 界面活性剤抽出 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- タンパク質抽出関連製品紹介 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
12
12
13
14
15
- タンパク質の精製 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- ヒスチジンタグ融合タンパク質の精製例 ‥‥‥‥‥‥‥
- 免疫沈降法(IP)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- 直接免疫沈降法 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- 間接免疫沈降法 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- 精製関連製品紹介 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
19
19
21
22
24
25
- タンパク質の確認・検出 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- ウェスタンブロッティング(WB) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- 免疫組織化学 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- 免疫蛍光法 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
-ELISA 法 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
- 検出関連製品紹介 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
29
30
33
38
41
43
- 巻末特集:FLAG® 発現システム ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 48
3
biomapping
組み換えタンパク質の発現
まず組み換えタンパク質のデザインを考える際には実験の目的やタンパク質の性質に応じて、ベクターの種類、
プロモーター、発現したタンパク質に輸送シグナルを付けるか、タグは N 末端に付けるか C 末端に付けるかなど
を検討して適した発現用ベクターを選択します。
例えば抗原に用いる組み換えタンパクを発現させる場合には糖鎖修飾が起こらない大腸菌などを宿主として選
択するのがよいでしょう。発現用宿主として大腸菌を選ぶ場合、DH5 α ® と BL21(DE3)は最も広く使用されて
いる宿主で、FLAG® 融合タンパク質を発現させる場合にも有用な菌株です。ただし、宿主株を使用したデータ
がない場合、タンパク質と宿主の組み合わせは実験的に決定する必要があります。
ベクターの種類としては tac プロモーターを用いたベクターや、T7 プロモーターなどを用いたベクターなどがあ
ります。 tac プロモーターを用いたベクターはほとんどの一般的な大腸菌宿主に使用することができます。
大腸菌用 FLAG タグ融合タンパク質発現ベクターには、lacI リプレッサータンパク質をコードする配列が含まれ
ています。このベクターは IPTG によって FLAG タグ融合タンパク質の発現を誘導することができます。
T7 プロモーターを用いたベクターは極めて強力で、tac プロモーターを用いたベクターに比べ高い収量が期待
されます。しかし、T7 プロモーターは発現のリークが起こることが知られており、発現タンパク質が宿主に毒性
がある場合には欠点となり得ます。そのため Sigma® のベクターは lac オペレーター(lacO)の配列をプロモー
ターのすぐ下流に持たせることで、リークによる発現を低減させています。 T7 プロモーターを用いた FLAG タ
グ融合タンパク質発現ベクターは、T7 RNA ポリメラーゼを産生できる BL21(DE3)株などの大腸菌株(DE3
溶原菌)を宿主として発現させる必要があります。このベクターも lacI 配列があり、IPTG によって FLAG タグ
融合タンパク質の発現が誘導されます。
大腸菌での発現系は簡便でまた迅速・安価に使用できるため、上手く発現できれば非常に効率的な発現方法で
すが、翻訳後の修飾がないために機能発現に必須なタンパク質では使用できません。その場合には酵母や、哺
乳類細胞での発現系を検討します。
弊社でご用意している発現ベクターは次ページをご覧ください。
また、トランスフェクション試薬・詳しいプロトコールは製品データシート、各種ウェブサイトなどでご紹介してい
ます。
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5
大腸菌用発現ベクター選択チャート
各種ベクターマップはこちらをご覧ください:sigma.com/vectors
分泌(ペリプラズム)
FLAG®
E8158 , pFLAG-ATS™
E8033, pFLAG-MAC™
N末端
FLAG
細胞質内発現
分泌(ペリプラズム)
C末端
E9533, pFLAG-Shift™12C
MAT
E5530, pTAC-MAT™-Tag-1
FLAG
E8283, pFLAG-CTS™
FLAG
E8408, pFLAG-CTC™
MAT
E5405, pTAC-MAT-Tag-2
細胞質内発現
T7プロモーターシステム(すべて細胞質内発現)
FLAG
N末端
N,C末端
P9618 , pT7-FLAG™ -3
P1118, pT7-FLAG -1
MAT
E5780 , pT7-MAT™-Tag-1
デュアルタグ
E5155, pT7-MAT-Tag-FLAG™ -1
FLAG
C末端
ampr/kanr
ampr/kanr
P9743, pT7-FLAG -4
P1243, pT7-FLAG -2
MAT
E5655, pT7-MAT-Tag-2
デュアルタグ
E5030, pT7-FLAG -MAT™-Tag-2
デュアルタグ
E5280, pT7-FLAG -MAT-Tag-1
(N末端FLAG, C末端MAT)
E4905, pT7-MAT-Tag-FLAG -2
(N末端MAT, C末端FLAG)
P3871, pT7-FLAG-SBP™-1
(N末端FLAG, C末端SBP)
発 現
tacプロモーターシステム
biomapping
大腸菌用発現ベクター価格表
tac プロモーター系
製品名
製品番号 Promoter FLAG® MAT OmpA Ek Site ampr
pFLAG-ATS™
E8158
tac
N
pFLAG-MAC™
E8033
tac
N
pFLAG-CTS™
E8283
tac
C
pFLAG-CTC™
E8408
tac
C
pFLAG-Shift™12C
E9533
tac
N
pTAC-MAT™-Tag-1
E5530
tac
N
pTAC-MAT-Tag-2
E5405
tac
C
P
P
P
P
P
kanr
P
P
P
P
P
P
P
容量
CAT.NO.
価格
10µg E8158-10UG
¥30,000
10µg E8033-10UG
¥30,000
10µg E8283-10UG
¥40,400
10µg E8408-10UG
¥40,400
10µg E9533-10UG
¥44,700
10µg E5530-10UG
¥45,300
10µg E5405-10UG
¥47,500
T7 プロモーター系
製品名
製品番号 Promoter FLAG MAT OmpA Ek Site ampr
pT7-FLAG™ -1
P1118
T7/lacO
N
pT7-FLAG -2
P1243
T7/lacO
C
pT7-MAT-™Tag-1
E5780
T7/lacO
N
pT7-MAT-Tag-2
E5655
T7/lacO
C
pT7-FLAG -MAT™-Tag-1
E5280
T7/lacO
N
C
pT7-MAT-Tag-FLAG™ -2
E4905
T7/lacO
C
N
pT7-FLAG-SBP™-1
P3871
T7/lacO
N
注
pT7-MAT-Tag-FLAG -1
E5155
T7/lacO
N
N
pT7-FLAG -MAT-Tag-2
E5030
T7/lacO
C
C
pT7-FLAG -3
P9618
T7/lacO
N
pT7-FLAG -4
P9743
T7/lacO
C
P
P
P
P
kanr
P
P
P
P
P
P
P
P
P
P
P
P
容量
CAT.NO.
価格
10µg P1118-10UG
¥42,500
10µg P1243-10UG
¥42,500
10µg E5780-10UG
¥41,600
10µg E5655-10UG
¥47,500
10µg E5280-10UG
¥45,300
10µg E4905-10UG
¥47,500
10µg P3871-10UG
¥45,900
10µg E5155-10UG
¥47,500
10µg E5030-10UG
¥45,300
10µg P9618-10UG
¥47,200
10µg P9743-10UG
¥47,200
N:N 末端タグ C:C 末端タグ ompA:periplasmic localization Ek:エンテロキナーゼ 切断部位
ampr = アンピシリン耐性遺伝子 kanr = カナマイシン耐性遺伝子
(ストレプトアビジン結合ペプチド)
タグ
注: C末端はSBP
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7
哺乳動物用発現ベクター選択チャート
分泌
3xFLAG™
E9908, p3xFLAG-CMV ™ -8
E7408, p3XFLAG-CMV-7
N末端
3xFLAG
細胞質内発現
E7533, p3xFLAG-CMV-7.1
E7033, pFLAG-CMV2™
FLAG®
E2275, pFLAG-CMV ™ -6a,b,c
デュアルタグ
バイシストロン性発現
C5989, pCMV-MAT-Tag-FLAG™ -1
E7029, pBICEP-CMV ™ -3
N末端FLAG+タグなし(同時発現)
E5905, pCMV-BICEP™ -4
N末端FLAG+N末端c-Myc(同時発現)
E6908, pFLAG-CMV -5.1
C末端
細胞質内発現
FLAG
E3762, pFLAG-CMV -5a,b,c
デュアルタグ
分泌
デュアルタグ
C6114, pCMV-FLAG-MAT™-Tag-2
E8658, pFLAG-Myc-CMV ™ -19
(N末端FLAG, C末端c-Myc )
E9158, p3xFLAG-Myc-CMV ™ -23
(N末端3xFLAG, C末端c-Myc)
N,C末端
細胞質内発現
デュアルタグ
E9283, p3xFLAG-Myc-CMV -24
(N末端3xFLAG, C末端c-Myc)
E8783, pFLAG-Myc-CMV -20
(N末端FLAG, C末端c-Myc)
C5864, pCMV-FLAG-MAT-Tag-1
(N末端FLAG,C末端MAT)
発 現
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一過性発現
biomapping
哺乳動物用発現ベクター選択チャート
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安定発現
3xFLAG™
E9783, p3xFLAG-CMV™-9
FLAG®
E6783, pFLAG-CMV™-3
3xFLAG
E7658, p3xFLAG-CMV-10
FLAG
E7158, pFLAG-CMV™-4
分泌
N末端
細胞質内発現
バイシストロン性発現
E0904, pBICEP™-CMV™-2 N (MCS1)
(N末端3xFLAG)
E0779, pBICEP™-CMV™-1 N (MCS1)
(N末端FLAG)
分泌
3xFLAG
E7783, p3xFLAG-CMV-13
細胞質内発現
3xFLAG
E7908, p3xFLAG-CMV-14
分泌
デュアルタグ
E9408, p3xFLAG-Myc-CMV™-25
(N末端3xFLAG,C末端c-Myc)
C末端
N,C末端
細胞質内発現
デュアルタグ
E7283, p3xFLAG-Myc-CMV-26
(N末端3xFLAG,C末端c-Myc)
E9033, pFLAG-Myc-CMV™-22
(N末端FLAG,C末端c-Myc)
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哺乳類用発現ベクター一覧表
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製品名
製品番号 PPT
pFLAG-CMV2™
E7033
N
pFLAG-CMV ™ -5.1
E6908
C
pFLAG-CMV-5a,b,c
E3762
C
pFLAG-CMV-6a,b,c
E2275
N
p3XFLAG-CMV™-7
E7408
N
p3xFLAG-CMV-7.1
E7533
N
p3xFLAG-CMV-8
pFLAG-Myc-CMV ™
-19
pFLAG-Myc-CMV-20
p3xFLAG-Myc-CMV ™
-23
p3xFLAG-Myc-CMV
-24
pCMV-FLAG®-MATTag®-1
pCMV-MAT-TagFLAG™ -1
pCMV-FLAG-MAT™Tag-2
pBICEP-CMV ™ -3
E9908
P
E8658
P
pCMV-BICEP™ -4
E9158
FLAG® 3x FLAG™ c-Myc
MAT
N
20µg E7033-20UG
P
P
P
P
C
P
価格
¥80,300
20µg E6908-20UG
¥74,600
1set E3762-1SET
¥104,100
1set E2275-1SET
¥115,500
20µg E7408-20UG
¥86,300
20µg E7533-20UG
¥82,100
20µg E9908-20UG
¥82,200
P
20µg E8658-20UG
¥100,300
C
P
P
20µg E8783-20UG
¥96,100
N
C
P
P
20µg E9158-20UG
¥78,500
N
C
P
P
20µg E9283-20UG
¥78,400
N
E9283
CAT.NO.
P
P
P
P
P
P
P
P
N
P
Ek Site ampr 容量
C5864
N
C
P
P
20µg C5864-20UG
¥100,500
C5989
N
N
P
P
20µg C5989-20UG
¥109,900
C6114
C
C
P
20µg C6114-20UG
¥107,100
E7029
N(MCS1)
¥113,600
N(MCS1)
P
P
20µg E7029-20UG
E5905
20µg E5905-20UG
¥109,900
P
P
N(MCS2)
N = N 末端タグ C= C 末端タグ PPT =直接分泌に関するプレプロトリプシンリーダー(細胞外分泌シグナル)
c-Myc = c-Myc エピトープ MAT =金属アフィニティタグ ampr =アンピシリン耐性遺伝子
Ek =エンテロキナーゼ切断部位
安定発現
製品名
製品番号 PPT
pFLAG-CMV3™
E6783
pFLAG-CMV4™
E7158
p3xFLAG-CMV-9
E9783
p3xFLAG-CMV-10
E7658
p3xFLAG-CMV-13
E7783
p3xFLAG-CMV-14
E7908
P
FLAG
N
3x FLAG
N
P
N
N
P
C
c-Myc Ek Site
P
P
P
P
ampr
neor
P
P
P
P
P
P
P
P
P
P
P
P
P
P
容量
CAT.NO.
20µg E6783-20UG
¥72,500
価格
20µg E7158-20UG
¥77,800
20µg E9783-20UG
¥78,400
20µg E7658-20UG
¥82,200
20µg E7783-20UG
¥82,100
20µg E7908-20UG
¥80,000
20µg E9033-20UG
pFLAG-Myc-CMV-22 E9033
N
C
P
p3xFLAG-Myc-CMV™
E9408 P
N
C
20µg E9408-20UG
P
P
P
-25
p3xFLAG-Myc-CMV
E7283
N
C
P
P
P 20µg E7283-20UG
-26
pBICEP-CMV-1 N
E0779
N(MCS1)
P
P
P 20µg E0779-20UG
(MCS1)
pBICEP-CMV-2 N
E0904
N(MCS1)
P
P
P 20µg E0904-20UG
(MCS1)
N = N 末端タグ C = C 末端タグ neor =安定発現に関するネオマイシン耐性(G418 でセレクション可能)
PPT =直接分泌に関するプレプロトリプシンリーダー c-Myc = c-Myc エピトープ ampr =アンピシリン耐性遺伝子 Ek =エンテロキナーゼ切断部位
¥100,500
C
¥91,300
¥78,400
¥103,700
¥108,200
発 現
一過性発現
E8783
9
biomapping
発現ベクター キット紹介
哺乳動物用 N 末端 FLAG® 安定発現キット
Mammalian Amino-terminal FLAG Stable Expression Kit
哺乳動物用 N 末端 FLAG 安定発現キットには、哺乳動物細胞中でリコンビナント N 末端 FLAG 融合タンパク質を発現させるために
必 要 な 専 用 の FLAG コ ン ポ ー ネ ント が 用 意 さ れ て い ま す。 pFLAG-CMV3™(CAT.NO.E8770)
、pFLAG-CMV4™(CAT.
NO.E1775)発現ベクターにより、融合タンパク質を分泌性、あるいは細胞質で一過性または安定発現させることができます。安定
発現はネオマイシン選択(G 418)です。また、キットには発現、検出やアフィニティー精製用のコントロールが付属します。
Hind III
Not I
EcoR I
Bgl II
EcoR V
Kpn I
Xba I
BamH I
キット同梱発現ベクター
キット構成
ANTI-FLAG® M2 monoclonal antibody
ANTI-FLAG M5 monoclonal antibody
C-CMV-24 sequencing primer
N-CMV-30 sequencing primer
FLAG Peptide
Met-FLAG-BAP™ control protein
pFLAG-CMV-3-BAP control plasmid
pFLAG-CMV-4-BAP control plasmid
pFLAG-CMV-4 expression vector (no leader)
pFLAG-CMV-3 expression vector (preprotrysin leader)
製品名
CAT.NO.
哺乳動物用 N 末端 FLAG 安定発現キット
FLMAS-1KT
価格 (¥)
145,400
テクニカルサポート:03-5796-7330
11
その他発現関連製品
CAT.NO.
LB 培地 (1x 溶液)L2542
L2542-500ML
価格
3,500
LB 培地(錠剤)1 錠 50mL 用
L7275-100TAB
12,200
LB ブロス EZMix ™ 粉末
L7658-6X500ML
LB アガー培地(錠剤)1 錠 50mL 用 L7025
L7025-100TAB
アガー(寒天)A1296
A1296-100G
LB アガー EZMix 粉末
L7533-6X500ML
アンピシリン(アンピシリン ナトリウム塩)
A0166-25G
34,300
カナマイシン(カナマイシン硫酸塩)
K1377-1G
A1720-1G
4,500
17,400
G 418(G418 二硫酸塩)
D- グルコース G7021
G7021-100G
IPTG(Isopropyl β -D-1-thiogalactopyranoside) I5502
I5502-1G
X-gal (5-Bromo-4-chloro-3-indolyl β -D-galactopyranoside)
B9146-100MG
プラスミド精製ミニプレップキット(10 回分)PLN10
PLN10-1KT
4,900
12,900
7,300
6,500
5,600
9,600
19,400
3,700
プラスミド精製ミニプレップキット(70 回分)PLN70
PLN70-1KT
7,800
プラスミド精製ミニプレップキット(350 回分)PLN350
PLN350-1KT
37,800
発 現
関連製品
biomapping
タンパク質抽出
タンパク質を精製するためには、用いるサンプル(大腸菌、動物由来細胞など)や目的タンパク質の局在(細
胞質、細胞壁、培養上清など)に応じて、最適な方法で抽出する必要があります。また、プロテアーゼによる
分解の懸念も考慮しなければならずプロテアーゼ阻害剤などを添加する必要もあります。一般的なタンパク質
抽出法には、温和な方法(凍結融解、界面活性剤抽出など)やより強力な抽出法(超音波破砕など)がありま
すが、代表的な方法をいくつかご紹介します。
タンパク質抽出関連製品リストは詳しくは P.15 をご覧ください。
超音波破砕(大腸菌)
超音波破砕は、細胞懸濁液に高周波数の音波を送ることで行われます。音波により生じるせん断力が固形物を
破壊し、組織と細胞を分解します。大量の細胞を処理することができますが、手作業によるところが多いため、
少量の溶媒を使う場合などに適しています。
使用する試薬
超音波破砕用バッファー(Sonication buffer)
Tris-HCl, pH 7.5
NaCl
50 mM
50–200 mM
5–10 mM
還元剤
プロテアーゼインヒビターカクテル
手順
1.遠心(3,000g で 15 分間)して細胞を回収する。
2.1 ∼ 4 倍容積(質量:容積)の氷冷した超音波破砕用バッファー(Sonication
buffer)で再懸濁する。
4˚C
3.10 分間氷冷する。プロテアーゼインヒビターカクテルを添加し、十分に混和す
る。注意:プロテアーゼインヒビターには水溶液中の半減期が短いものもある
ため(PMSF など)
、調製後すぐに添加することが重要です。
4.細胞懸濁液を氷冷したまま 10 秒間超音波処理し、20 秒間冷却してから次の処理
を行う。 10 回程度繰り返す。注意:気泡が入るとタンパク質が変性することが
あるため、できるだけ避けてください。また、超音波ホーンがガラスに直接接
触するとガラスが割れるおそれがあります。
5.遠心(20,000g で 20 分間)して細胞残屑を沈殿させる。可溶性分画を回収して
保存する。
注意:タンパク質が封入体内で発現している場合は、不溶性分画を保存し、変性バッ
ファー内で溶解する必要があります(ヒスチジン精製用の変性平衡バッファー
は後述します)
。
プロテアーゼインヒビターカクテルのラインアップは
P.17 をご覧ください
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13
凍結融解(培養細胞)
凍結融解法では、氷の結晶を成長させて細胞に穴をあける方法です。サンプルが高濃度であるため、少量の
タンパク質の研究に理想的な方法です。 1999 年に Rudolph らによって初めて発表されました(Anal Biochem
269, 66–71)。
使用する試薬
溶解用バッファー(Lysis buffer)
20 mM
600 mM
20%
手順
1.培地を吸引し、氷冷 PBS で洗浄する 。
2.少量の氷冷 PBS から細胞をかき集め、微量遠心チューブに移す。
3.遠心(10,000g で 30 秒間)して細胞を沈殿させ、上清を慎重に取り除く。
4.溶解用バッファー(Lysis buffer)に再懸濁する
(10cm のプレートあたり50µL)
。
5.液体窒素中で急速凍結する。
4˚C
6.融解するまで氷冷し、これを 2 回繰り返す。
7.ベンゾナーゼ ®(CAT.NO.E1014)250 単位を添加し、
室温で 10 分間インキュベートする。
注意:ベンゾナーゼはゲノム DNA の消化によりライセートの粘度を下げることから、
サンプルはピペッティングしやすくなり、クロマトグラフィー溶液に移しやすく
なります。
関連製品
トリス塩酸塩(Trizma® 塩酸塩)
トリス塩基(Trizma 塩基)
Trizma Pre-set crystals BioPerformance Certified, pH 7.8
グリセロール
Benzonase® ヌクレアーゼ
価格
CAT.NO.
T5941-100G
3,700
T6791-100G
8,300
T8193-100G
19,100
G5516-100ML
5,600
E1014-5KU
12,800
抽 出
Tris-HCl, pH 7.8
KCl
Glycerol
biomapping
界面活性剤抽出(酵母)の場合
界面活性剤抽出はあらゆるスケールの抽出に適し、特に Saccharomyces cerevisiae と合わせて使用したときは
酵素的溶解の必要がありません。全てのステップは 4℃で行います。
使用する試薬
抽出試薬
CAT.NO.
C4482
CelLytic ™ Y Cell Lysis Reagent
インヒビターカクテル
Yeast Protease Inhibitor Cocktail, DMSO solution
P8215
手順
1.遠心(3,000g で 5 分間)して細胞を回収し、溶解用バッファーで再懸濁する(細
胞ペースト 1 グラムあたり2.5 ∼ 5mL)。
2.穏やかに振り混ぜながら 15 ∼ 30 分間インキュベートする。
3.遠心(12,000g で 20 分間)して細胞残屑を沈殿させる、上清を保存する。
注意:5 ∼ 10mM の DTT を添加すると、タンパク質の収量が増加します(細胞を
対数増殖期の後に回収した場合は特に増加します)。
大腸菌(バクテリア)
・哺乳動物細胞用 抽出試薬は
次のページをご覧ください。
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15
タンパク質抽出関連試薬
セルリティックシリーズ:タンパク質を効率的にかつ失活させずに抽出できる界面活性剤
CelLytic™は各発現系に合わせて細胞を溶解し、タンパク質を抽出するために調製された試薬です。
プロトコールに従って操作するだけで簡単に細胞を溶解できます。 CelLytic は数々のプロテアーゼインヒビター、
キレート剤、カオトロピック塩などと共に用いることが可能です。 CelLytic を除去せずにアフィニティー精製やウ
ェスタンブロット、ゲルシフトアッセイ、リポーター検出などを行えます。従来の凍結融解法や超音波破砕よりも
簡単・高収率で抽出できる試薬です。
抽 出
【大腸菌(バクテリア)サンプル用】
サンプルタイプ
製品名
大腸菌(バクテリア)用
CelLytic B
CAT.NO./ 価格(¥) B7435-50ML
B7435-500ML
CelLytic B 2X
¥ 9,200 B7310-50ML
¥ 47,500 B7310-250ML
CelLytic B 10X
¥ 17,500 C8740-10ML
¥ 60,200 C8740-50ML
C8740-100ML
¥ 14,600
¥ 48,200
¥ 83,400
製品特徴
独自の両性イオン界面活性剤を配合した
40 m M Trizma® HCl 溶液。
CelLytic B の 2 倍濃縮タイプ。
CelLytic B の 10 倍濃縮タイプ。
バッファー成分不含のため、抽出試薬のカ
スタマイズが可能です。
用法
バクテリア培養液を遠心して得た細胞ペ
レットに CelLytic B を添加して溶解します。
小スケール:1.5 mL 培養からのペレットあ
たり0.4 mL
大スケール:ペレット湿重量1g あたり10
~ 20mL
バクテリア培養液を遠心して得た細胞ペ
レットに CelLytic B を添加して溶解します。
小スケール:1.5 mL 培養からのペレットあ
たり0.2 mL
大スケール:ペレット湿重量1g あたり
ご希望のバッファーで 5、10、20 倍希釈
でご使用下さい。バクテリア培養液を遠
心して得た細胞ペレットに CelLytic B を添
加して溶解します。
小スケール:1.5 mL 培養からのペレットあ
たり希釈した CelLytic 0.4 mL
大スケール:ペレット湿重量 1g あたり希釈
した CelLytic 10 ~ 20mL
菌株 / 細胞株
BL21
DH5α®
JM109 等
BL21
DH5α
JM109 等
BL21
DH5α
JM109 等
界面活性剤のタイプ
両性イオン
両性イオン
両性イオン
CelLytic B Express
CelLytic B Express Tablet
サンプルタイプ
製品名
¥ 4,800 C5491-25EA
¥ 25,200 C5491-100EA
¥ 165,100
培養液を遠心せずにワンステップでタンパ
ク質を抽出できます。
CelLytic Express は、界面活性剤や酵素
などを独自配合した粉末です。 CelLytic
Express により得られた細胞ライセートも
そのままアフィニティー精製することが可
能です。
適用サンプル
培養液中のバクテリア(大腸菌)
(遠心不要)
用法
小スケール:25mL 培地に対し 1 パック
(25mL サイズ)
大スケール:500mL 培地に対し 1 パック
(500mL サイズ)
菌株
5mL
大腸菌(バクテリア)用
CAT.NO./ 価格(¥) C1990-25ML
C1990-10X25ML
C1990-6X500ML
製品特徴
全体の液量を減らしたい場合やタンパク
濃度を高くしたい場合に適しています。
BL21
DH5α
JM109 等
CelLytic B plus kit
¥ 13,600 CB0050-1KT
¥ 41,500 CB0500-1KT
CelLytic B Express の錠剤タイプです。
25 個入り、100 個サイズがあります。
培養液中のバクテリア(大腸菌)
(遠心不要)
¥ 33,900
¥ 113,100
本キットにはグラム陰性菌および溶解が難
しいグラム陽性菌の溶解に必要な試薬が
揃っています(CelLytic B、Lysozyme、
Benzonase®、Protease inhibitor
Cocktail)。 FLAG®、ポリヒスチジン、
GST などのタグ融合タンパク質精製に適
用可能。 CB0050 は少量サイズ(5g のサ
ンプル)、CB0500 は 50g サンプルサイズ
です。
グラム陰性・陽性菌
培地 1mL に対し、1 錠使用。
ペレット湿重量1g あたり10mL(CB0050
は 50mL、CB0500 は 500mL の CelLytic
B が付属)
BL21
DH5α
JM109 等
BL21
DH5α
JM109 等
biomapping
【哺乳動物細胞用】
サンプルタイプ
製品名
哺乳動物細胞用
CelLytic ™ M
C2978-50ML
CAT.NO./ 価格(¥) C2978-250ML
製品特徴
適用サンプル
RIPA Buffer
Mammalian Cell Lysis Kit
¥ 12,500 R0278-50ML
¥ 42,900 R0278-500ML
¥ 10,900
¥ 65,800
培養哺乳類細胞から効果的に全細胞タン
パク質を抽出するためにデザインされた、
マイルドな界面活性剤を含む Ready-touse 試薬です。浮遊細胞、付着細胞のど
ちらからでも効果的で迅速な細胞溶解と
タンパク質可溶化が可能です。
一般的な細胞溶解用の Ready-to-use 溶
液。
50mM Tris-HCl(pH8.0)、150mM
NaCl、1% IGEPAL® CA-630、0.5% デ
オキシコール酸ナトリウム、0.1% SDS 含
有。
免疫沈降やウェスタンブロット用のタンパ
ク質溶解に適しています。
付着細胞と浮遊細胞の両方に有効。
付着細胞と浮遊細胞の両方に有効。
MCL1-1KT
¥ 64,400
哺乳類細胞と組織溶解用に必要な全ての
試薬が揃っています(5 ×バッファー(TrisEDTA)、5×NaCl、5×SDS、5×デオキシコー
ル酸、5 × IGEPAL CA-630、Protease
Inhibitor Cocktail)。
1 キットでリシスバッファー 250mL 分
(100mm プレート 250 枚の抽出可能)
付着細胞と浮遊細胞の両方に有効。
細胞株例
・HeLa・Jurkat・HL-60・COS・PC-12・
哺乳類細胞株
A431・CHO
・Bovine Aorta Endothelial Cells(BAEC)
など
・HeLa・CHO・Jurkat・PC-12・COS・
Bovine Aorta Endothelial Cells(BAEC)
など
用法
浮遊細胞:125 µL/106 ~ 107 個
RIPA バッファー 1mL で 100mm プレー
付着細胞:500 ~ 1,000µL/100mm プレー トの細胞(0.5 ~ 5 × 107 個)溶解。
トあるいは 200 ~ 400µL/35mm プレー
ト
リシスバッファーは付着細胞または浮遊細
胞 106 ~ 107 個につき 1mL 使用。
組織 5 ~ 20mg につき 1mL 使用。
界面活性剤のタイプ
マイルドな界面活性剤(非公開)/ 透析可
能
非イオン性および陰イオン性
非イオン性および陰イオン性
【その他】
サンプルタイプ
製品名
酵母用
CelLytic Y
C4482-50ML
CAT.NO./ 価格(¥) C4482-500ML
製品特徴
CelLytic Y PLUS KIT
¥ 9,700
¥ 58,200
CYP1-1KT
¥ 117,100
効果的な酵母細胞溶解およびタンパク質 酵母細胞の溶解・タンパク質抽出に必要
可溶化のためのリン酸フリーな溶液です。 な試薬が揃っています(反応バッファー、
タンパク質を変性させず抽出します。
DTT、Lyticase、抽出バッファー、Triton™
X-100、Protease Inhibitor Cocktail)。
適用サンプル
酵母細胞
酵母細胞
用法
酵母細胞 1g あたり2.5 ~ 5mL
1 キットで酵母細胞 10 ~ 40g からスフェロ
プラスト形成とタンパク質抽出可能
細胞株
界面活性剤のタイプ
・様々な Saccharomyces
cerevisiae[Y187,Y190,W303(a)、
S288C、SP1、Σ1278b、BJ2168、
cdc25]
・Schizosaccharomyces pombe
マイルドな界面活性剤(非公開)
・Saccharomyces cerevisiae
・Pichia pastoris
・Schizosaccharomyces pombe
(非公開)
その他の溶解試薬は以下をご参照下さい
http://www.sigmaaldrich.com/life-science/proteomics/recombinant-protein-expression/cell-lysis.html
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17
プロテアーゼ & ホスファターゼインヒビターカクテル
プロテアーゼインヒビターカクテル
サンプルタイプ
CAT.NO./ 価格(¥)
一般用
P2714-1BTL
¥ 8,700 I3911-1BO
大腸菌(バクテリア)用
¥ 13,000 S8820-2TAB
S8820-20TAB
¥ 8,700 P8465-5ML
¥ 80,100 P8465-25ML
¥ 11,700
¥ 43,800
阻害特異性
セリンプロテアーゼ
○
○
○
システインプロテアーゼ
○
○
○
○
○
アスパラギン酸プロテアーゼ
○
○
○
○
○
アミノペプチダーゼ
○
凍結乾燥粉末(水溶性)
(100mL 分)
錠剤(水溶性)
個包装
凍結乾燥粉末
+DMSO(別バイアル)
形状
凍結乾燥粉末(水溶性)
(100mL 分)
調製方法
容器に 10mL のバッファーを 容器に 10mL のバッファーを 1 錠で 100 mL の 1x カクテ ・5ML サイズ…1mL の
入れて粉末を溶かし、別の
入れて粉末を溶かし、別の
ル
DMSO で溶解後、4mL の水
容器に移して 100mL に希釈 容器に移して 100mL に希釈 (10 mL に溶解して 10x濃度 で希釈
(=1x 濃度)
(=1x 濃度)
でも調製可能)
・25ML サイズ…5mL の
DMSO で溶解後、20mL の
水で希釈
※ 10mL に溶解後(10x 濃度 ※ 10mL に溶解後(10x 濃度
の状態)、分注して -20℃で 1 ヶ の状態)、分注して -20℃で 1 ヶ
月保存可能
月保存可能
使用量目安
細胞溶解液 100mL あたり 1
本(1BTL)
細胞溶解液 100mL あたり 1
本(1BO)
各種細胞溶解液 100mL あた 細胞溶解液 20mL あたり本溶
り 1 錠(1TAB)
液 1mL
組成(調製後の濃度)
AEBSF
○ (2mM)
○
○ (2mM)
アプロチニン
○ (0.3µM)
○
○ (0.3µM)
○ (23mM)
ベスタチン
○ (130µM)
○
○ (130µM)
○ (2mM)
EDTA
E-64
○ (1mM)
○
○ (1mM)
○ (100mM)
○ (14µM)
○
○ (14µM)
○ (0.3mM)
ロイペプチン
○ (1µM)
○
○ (1µM)
ペプスタチン A
○ (0.3mM)
特長
保存温度(未開封時)
・動物由来原料不使用
-20℃
-20℃
P8340-1ML
¥ 9,800 I3786-1ML
P8340-5ML
¥ 33,900 I3786-5ML
サンプルタイプ
CAT.NO./ 価格(¥)
・タブレット型
2-8℃
-20℃
哺乳動物用
培地添加用(分泌タンパク質)
¥ 17,900 P1860-1ML
¥ 21,100
¥ 60,800
阻害特異性
セリンプロテアーゼ
○
○
○
システインプロテアーゼ
○
○
○
アスパラギン酸プロテアーゼ
○
○
○
メタロプロテアーゼ
アミノペプチダーゼ
形状
○
DMSO 溶液
○
○
DMSO 溶液
DMSO 溶液
調製方法
そのまま使用可能
そのまま使用可能
そのまま使用可能
使用量目安
細胞または組織溶解液 10-100mL あた
り 1mL
細胞または組織溶解液 10-100mL あた
り 1mL
培地に対して 200 倍以上の希釈率にな
るように添加
A431, COS 細胞 = 1/200
CHO, HeLa, HepG2, Jurkat,
HL-60 細胞 = 1/800
組成(調製後の濃度)
AEBSF
○ (104mM)
○
アプロチニン
○ (80µM)
○
○
ベスタチン
○ (4mM)
○
○
EDTA
E-64
○ (1.4mM)
○
○
ロイペプチン
○ (2mM)
○
○
ペプスタチン A
○ (1.5mM)
○
○
特長
保存温度(未開封時)
・動物由来原料不使用
-20℃
-20℃
-20℃
抽 出
メタロプロテアーゼ
biomapping
サンプルタイプ
CAT.NO./ 価格(¥)
His タグ融合タンパク質用
酵母・真菌用
植物用
P8849-1ML
¥ 11,100 S8830-2TAB
¥ 8,700 P8215-1ML
¥ 11,700 P9599-1ML
¥ 11,100
P8849-5ML
¥ 38,300 S8830-20TAB
¥ 77,100 P8215-5ML
¥ 42,300 P9599-5ML
¥ 38,300
阻害特異性
セリンプロテアーゼ
○
○
○
○
システインプロテアーゼ
○
○
○
○
アスパラギン酸プロテアーゼ
○
メタロプロテアーゼ
アミノペプチダーゼ
○
サーモリシン様プロテアーゼ
○
○
○
○
○
○
○
○
形状
DMSO 溶液
調製方法
そのまま使用可能
錠剤(水溶性)個包装
DMSO 溶液
DMSO 溶液
使用量目安
各種細胞溶解液 100mL あた 各種細胞溶解液 100mL あた 酵母細胞の溶解液 100mL あ 植物組織の溶解液 100mL あ
り 1mL
り 1 錠(1TAB)
たり 1mL
たり 1mL
1 錠で 100 mL の 1x カクテル そのまま使用可能
(10 mL に溶解して 10x濃度
でも調製可能)
そのまま使用可能
組成(調製後の濃度)
○
AEBSF
○ (2mM)
アプロチニン
○ (100mM)
○
○ (0.2µM)
ベスタチン
○
○ (130µM)
○
○ (14µM)
○
EDTA
E-64
ロイペプチン
○ (1.4mM)
ペプスタチン A
○
○ (10µM)
ホスホラミドン
○
○ (1µM)
○
1.10- フェナントロリン
特長
保存温度(未開封時)
○
○ (1µM)
・EDTA 不含
○ (2.2mM)
○
○ (500mM)
○
・EDTA 不含
・タブレット型
-20℃
2-8℃
-20℃
-20℃
ホスファターゼインヒビターカクテル
ホスファターゼインヒビターカクテル
CAT.NO./ 価格(¥)
阻害特異性
ホスファターゼインヒビターカクテル 2
ホスファターゼインヒビターカクテル 3
P5726-1ML
¥ 14,900 P0044-1ML
¥ 14,400
P5726-5ML
¥ 50,700 P0044-5ML
¥ 48,200
・チロシンホスファターゼ
・酸性ホスファターゼ
・アルカリホスファターゼ
・セリン / スレオニンホスファターゼ
・アルカリホスファターゼ(L- アイソザイム)
形状
水溶液
DMSO 溶液
調製方法
そのまま使用可能
そのまま使用可能
使用量目安
各種の細胞・組織溶解液 100mL あたり 1mL
各種の細胞・組織溶解液 100mL あたり 1mL
組成
・オルトバナジン酸ナトリウム
・モリブデン酸ナトリウム
・酒石酸ナトリウム
・イミダゾール
特長
・2 種類添加で幅広くホスファターゼを阻害可能
・ウシ肝臓、ヒト胎盤、ウサギ筋肉など様々な動物組織および A431 や Jurkat 細胞で試験済み
保存温度(未開封時)
2-8℃
・カンタリジン
・(-)- ブロモレバミゾール
・カリクリン A
2-8℃
テクニカルサポート:03-5796-7330
19
タンパク質の精製
従来、タンパク質はその本来の性質(大きさ、荷電、疎水性など)に基づいてクロマトグラフィーにより精製さ
れてきました。近年ではエピトープタグを使うことにより、アフィニティークロマトグラフィーで全てのタンパク質
を精製することが出来るようになりました。これにより手順が簡素化され、1 回の精製操作で高純度の調製液を
得ることができます。
最も一般的な 2 種類のアフィニティー精製法として、金属親和性樹脂を用いる方法(ヒスチジンタグ用)と抗体
樹脂結合体を用いる方法(通称、免疫沈降法)があります。抗体樹脂結合法の代表的なものとして、FLAG®
タグや c-Myc などがあげられます。
FLAG タグによる精製法は巻末の FLAG 特集(P.48)をご覧ください。
ヒスチジン - タグ融合タンパク質の精製
ヒスチジンタグはタンパク質のフォールディングによって隠され、樹脂への結合が妨げられることがあります。し
かしニッケル樹脂は変性剤と適合性があるため、変性条件下で精製を行うことによりこの問題が解決されること
があります。変性条件とは、抽出中に 8M 尿素(CAT.NO. U1250)でタンパク質を可溶化し、変性バッファー
のプロトコールを使うだけです。一般的に一度変性したタンパク質を機能的に畳み直す(Refolding) ことは難し
いとされています。
使用する試薬
平衡バッファー(Equilibration Buffer)
非変性
変性
Sodium phosphate pH 8.0
50 mM
0.3 M
50 mM
̶
8M
50 mM
5 mM
0.3 M
50 mM
̶
8M
50 mM
250 mM
0.3 M
50 mM
250 mM
̶
8M
Sodium chloride
Urea
̶
洗浄バッファー(Wash Buffer)
Sodium phosphate pH 8.0
Imidazole
Sodium chloride
Urea
5 mM
̶
溶出バッファー(Elution Buffer)
Sodium phosphate pH 8.0
Imidazole
Sodium chloride
Urea
̶
精 製
ヒスチジン - タグ融合タンパク質は、ニッケルイオンに対するヒスチジン反復配列の親和性を使って精製されま
す。このプロトコールでは、
小規模の調製用に HIS-Select® スピンカラム(CAT.NO. H7787)を使っていますが、
大規模な調製はアフィニティーゲル(CAT.NO. P6611)を使って行うことができます。
biomapping
1.HIS-Select® スピンカラムを回収チューブ内に置く。
2.平衡バッファー 600µL をスピンカラムに加える。
3.スピンカラムに蓋をし、1,000rpm(823g)、室温で 1 分間遠心する。注意:
HIS-Select スピンカラムは精製段階で適切なバキュームマニホールドと使用す
ることもできます。
4.回収チューブからスピンカラムを取り出す。
5.回収チューブを空にし、スピンカラムを戻す。
6.調製した細胞抽出液 600µL をこのカラムで一度に遠心する(823g で 1 分間)。
7.回収チューブからスピンカラムを取り出す。後の解析のためフロースルーを取り
出して保存する(必要があれば)。注意:発現タンパク質が存在した場合、樹脂
への結合に問題があったことが考えられます。
8.新しい回収チューブを使い、洗浄用バッファー 600µL によりスピンカラムから非
結合タンパク質を洗浄する(823g で 1 分間)。解析のためフロースルーを取り
出して保存する(必要があれば)。注意:発現タンパク質が存在した場合、樹脂
への結合又は洗浄用バッファーの状態に問題があったことが考えられます。
9.洗浄用バッファー 600µL で洗浄ステップを繰り返す。
10.新しい回収チューブを使い、500µL 以下の溶出用バッファーにより標的タンパ
ク質を溶出する(823g で 1 分間)。
注意 1)尿素を含むバッファーは毎日新しく調製してください。ヒスチジンタグが融
合した遺伝子組み換え型タンパク質には、pH5.0 ∼ 6.0 で溶出しないものもあるた
め、(タンパク質に応じて)溶出用バッファーの pH4.5 ∼ 6.0 の間で変化させる必
要があることもあります。タグ融合遺伝子組み換え型タンパク質がこの範囲内で溶
出しない場合は、pH4.5 まで下げて試してください。
注意 2)平衡バッファーと洗浄用バッファーには 1 ∼ 10mM イミダゾールと 0.15
∼ 0.5M 塩化ナトリウムを添加し、非特異的タンパク質結合をブロッキングしてくだ
さい。このキレート特有の選択性のため、洗浄用バッファーに 5mM イミダゾール
を添加することで、高純度のサンプルを十分得ることができます。その他の試薬を
使用する場合は、データシートにある試薬適合表をご確認ください。
関連製品
リン酸ナトリウム 一塩基性(リン酸二水素ナトリウム)
塩化ナトリウム for molecular biology, DNase, RNase, and protease, none
detected, ≥ 98%
HIS-Select 溶出バッファー
イミダゾール
尿素 , 8 M (after reconstitution with 16 mL high purity water)
CAT.NO.
S0751-100G
S3014-500G
H5413-250ML
I5513-5G
U4883-6X25ML
価格
2,700
5,500
28,700
7,700
9,000
テクニカルサポート:03-5796-7330
21
免疫沈降法
免疫沈降法(IP)とその後の SDS-PAGE とイムノブロッティングは、次のような様々な用途に日常的に利用され
ています。
タンパク質/タンパク質相互作用の研究
タンパク質抗原の分子量の決定
翻訳後修飾のモニタリング
この手法は基本的に、小規模のアフィニティ―精製法です。タンパク質は抗体結合アガロースで精製されます。
アガロースは不溶性であるため、抗体に結合した相手分子は全て、遠心によって溶液から分離することができま
す。
Species Immunoglobulin
Human IgG (normal)
IgG1
IgG2
IgG3
IgG4
IgM
IgA
IgE
IgD
Fab
K light chains
L light chains
ScFv
Mouse IgG1
IgG2a
IgG2b
IgG3
Rat IgG1
IgG2a
IgG2b
IgG2c
Bovine IgG
Cat IgG
Chicken IgG
Dog IgG
Goat IgG
Guinea Pig IgG
Hamster IgG
Horse IgG
Pig IgG
Rabbit IgG
Sheep IgG
Protein A
++++
++++
++++
++++
++
++
+
++++
+++
++
+
++
++++
++++
+/++++
+
++
+++
++++
+/-
Protein G
++++
++++
++++
++++
++++
++
++++
++++
+++
+++
+
++++
++
++
++++
+
++++
++
++
++
++++
+++
+++
++
Protein L
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
++++
N/A
++
+
++
++++
+/++++
+
-
精 製
エピトープタグに対する抗体が結合したアガロース(樹脂)は市販されていますが、その他にプロテイン A や G,
L が結合したアガロースも市販されています。プロテイン A, G, L はイムノグロブリンに結合する性質があるため、
目的のタンパク質に対する抗体を添加した後にこれらを使うことで、間接的な免疫沈降が可能になります。プロ
テイン A, G, L のどれを用いるかは、1 次抗体の由来動物種及びアイソタイプによって異なります(以下表参照)。
biomapping
使用する試薬
抗体アガロース結合体又は 1 次抗体とプロテイン A または G, L 結合アガロース。
例えば抗 c-Myc 抗体アガロース(CAT.NO. A7470)及びプロテイン G- アガロース(CAT.NO. E3403)など。
HNTG buffer
HEPES, pH 7.5
NaCl
TRITON™ X-100
Glycerol
20 mM
150 mM
0.1% (w/v)
10% (w/v)
Washing buffer (Ice cold):
HNTG buffer
or PBS, pH 7.4
or other buffers
(CAT.NO.P4417)
e.g., RIPA buffer
直接免疫沈降法(マイクロカラム)
この手順は抗 c-Myc 抗体アガロース(CAT.NO. A7470)のプロトコールから引用しています。抗体との相互
作用は往々にしてバッファーの組成の変化に影響を受けます(スーパー抗原も同様ですが、これよりは弱い程度
です)
。したがって良好な結果を得るためには、各種抗体製品に添付されるプロトコールに従うことをお勧めしま
す。 FLAG® タグの免疫沈降法に関しては巻末の特集(P.48)をご覧ください
1.c-Myc 抗体アガロース 50%懸濁液 40 ∼ 100µL を、マイクロ遠心チューブ又は
スピンカラムにピペットで移す。
2.マイクロ遠心チューブ内において最高速度で 10 秒間遠心する。上清を廃棄する。
3.遠心してアガロースを沈殿させることで、PBS 1mL でアガロースを 5 回洗浄する。
4.透明な細菌ライセート又は細胞抽出液をアガロースペレットに添加する。
5.必要に応じて PBS 又は RIPA バッファーにより200µL 以上にする。
6.ローテーターを使い室温又は 4℃で 1.5 時間インキュベートする。
7.PBS 又は溶解用バッファー 1mL でアガロースを 4 回洗浄する。
8.最終洗浄後、上清を吸引し、アガロース上に約 10µL を残す。
9.マイクロ遠心チューブ内において最高速度で 10 秒間遠心する。上清を捨てる。
テクニカルサポート:03-5796-7330
23
ラージスケール(5mL)の手順
免疫沈降法はラージスケールのアフィニティー精製にも利用できます。この手順は抗 c-Myc 抗体アガロース
(CAT.NO. A7470)のプロトコールから引用しています。他の樹脂については、これを一部変更して使用でき
ます。
1.空のクロマトグラフィーカラム(10mL 自然落下式カラム)を固い支持体の上に
置き、PBS でリンスする。
2.カラムからバッファーを流し、樹脂がパッキングされるようカラム内に PBS を残す。
容量を直ちにカラムに移す。
4.アガロースベッドを静置させる。乾燥させないようにする。
5.0.1M 水酸化アンモニウム(pH 11 ∼ 12)5mL による洗浄を 3 回連続して行い、
更に PBS 5mL による洗浄を 3 回連続して行う。
6.カラムにライセートを添加し、自然落下させる。注意:融合タンパク質の種類と
流量に応じて、タンパク質が全て結合しないこともあります。カラムに数回かけ
る、又は添加したカラムに蓋をしてローテーターで 1 時間インキュベートするこ
とで、結合効率が改善することがあります。
7.非結合タンパク質のフロースルーを解析用に回収する。
8.フロースルーの OD280 が 0.01 未満になるまで、カラムを PBS で洗浄する。
9.結合した c-Myc タグ融合タンパク質を 0.1M 水酸化アンモニウム(pH 11 ∼ 12)
1mL(× 10)でカラムから、中和のため 1N 酢酸 30 ∼ 50µL を含むバイアルに
溶出する。注意:低 pH に長時間曝露されると、カラムで活性が失われることが
あります。
精 製
3.アガロースが入っているバイアルを十分に懸濁して均質な懸濁液とし、望ましい
biomapping
間接免疫沈降法
間接免疫沈降法により、更に幅広いタンパク質を精製することができます。抗体複合体を「沈殿させる」ため
にはプロテイン A または G, L 結合アガロースが使われるため、必要なものは標的タンパク質に対する抗体だけ
(プロテイン A または G, L 結合アガロース - 抗体反応と抗体 - ライセート反応)、
です。2 つの結合反応が生じるため
この手法には 2 つのバリエーション、すなわち Resin first(レジンが先)と Lysate first(ライセートが先)があ
ります。
Resin first 法
Lysate First 法
1.洗浄用バッファーでアガロース結合体を 2 回
洗浄し、12,000g で 10 秒間、室温で遠心する。
1.洗浄用バッファーでアガロース結合体を 2 回
洗浄し、12,000g で 10 秒間、室温で遠心する。
2.アガロース結合体を洗浄用バッファーで再懸
。
濁する(50%懸濁液)
2.アガロース結合体を洗浄用バッファーで再懸
濁する(50%懸濁液)。
3.アガロース結合体を 50 ∼ 100µL に分け(ベッ
ド容量あたり25 ∼ 50µL)マイクロ遠心チュー
3.細胞ライセートのサンプル(0.1 ∼ 1.0mL)
4.適切な希釈倍率(抗体仕様参照)の 1 次抗体
10µL を各チューブに添加する。
4.4℃で 90 分間から一晩、ローテーターでサン
上清を捨てる。注意:アガロース結合体が粉
末である場合は、脱イオン水を加えて 5 分間
おいて膨潤させます。
ブに入れる。
室温で15 ∼ 60 分間インキュベートし、
ローテー
5.
ターでサンプルを穏やかに混和する。
6.3,000g、4℃で 2 分間遠心し、上清を捨てる。
7.洗浄用バッファー 1mL で少なくとも 3 回サン
プルを洗浄し、3,000g、4℃で 2 分間遠心し
て上清を捨てる。
8.各チューブに細胞ライセート 0.1 ∼ 1.0mL を
添加する。
9.4℃で 90 分間から一晩、ローテーターでサン
プルを穏やかに混和しながらインキュベートす
る。
10.3,000g、4℃で 2 分間遠心し、上清を捨てる。
11.洗浄用バッファー 1mL で少なくとも 4 回サン
プルを洗浄し、3,000g、4℃で 2 分間遠心し
て上清を捨てる。
上清を捨てる。注意:アガロース結合体が粉
末である場合は、脱イオン水を加えて 5 分間
おいて膨潤させます。
を取り出し、適切な希釈倍率(製品仕様書参
照)の抗体 10µL を添加する。
プルを穏やかに混和しながらインキュベートす
る。
5.アガロース結合体の懸濁液 50 ∼ 100µL を添
加する(ベッド容量あたりアガロース 25 ∼ 50
µL)4℃で 15 ∼ 60 分間、ローテーターでサ
ンプルを穏やかに混和しながらインキュベート
する。
6.3,000g、4℃で 2 分間遠心し、上清を捨てる。
7.洗浄用バッファー 1mL で少なくとも 4 回サン
プルを洗浄し、3,000g、4℃で 2 分間遠心し
て上清を捨てる。
テクニカルサポート:03-5796-7330
25
精製関連製品紹介
HIS タグ精製
製品名
CAT.NO.
P6611-5ML
P6611-25ML
P6611-100ML
P6611-500ML
17,500
52,800
167,800
722,600
HIS-Select HF Nickel Affinity Gel
大規模での精製および FPLC™用途に使用できるよう設計されたヒスチジン
タグ融合タンパク質精製用の Nickel Affinity Gel です。 HIS-Select High
Flow (HF) は、HIS-Select 技術の優れた選択性を高度に架橋したアガロー
スに付与することで、加圧下での高流速および機械的安定性を実現しまし
た。
マトリックス: 高架橋 6% アガロースビーズ
結合能:>15 mg/mL ゲル(約 30 kDa のタンパク質の場合)
形 状:30% のエタノール溶液に 50% のアガロースビーズを懸濁
H0537-1ML
H0537-10ML
H0537-25ML
H0537-100ML
H0537-500ML
9,200
36,800
73,500
233,300
957,100
HIS-Select Cobalt Affinity Gel
ヒスチジンタグ融合タンパク質の精製に、アフィニティー金属としてコバルト H8162-5ML
をお使いになりたい方にお勧めです。 HIS-Select Cobalt Affinity Gel は高 H8162-25ML
純度、低非特異的結合、高結合容量のレジンです。ヒスチジンタグ融合タ H8162-100ML
ンパク質を変性条件と非変性条件のいずれにおいても精製できます。
マトリックス:6% アガロースビーズ
結合能:>15 mg/mL ゲル(約 30 kDa のタンパク質の場合)
形 状:30% のエタノール溶液に 50% のアガロースビーズを懸濁
20,600
74,200
224,800
HIS-Select Nickel Spin Columns
HIS-Select Spin Column はスモールスケールの細胞抽出液からヒスチジン H7787-10EA
タグ融合タンパク質を高速かつ安定的に精製できる ready-to-use のスピン H7787-50EA
カラムです。低非特異的吸着、高純度タンパク質精製を達成する HISSelect テクノロジーを用いたシリカ粒子マトリクスが充填されています。 15
分以内で精製できます。
結合能 : 1 カラムあたり500 µg 以上
25,900
92,500
EZview™ Red HIS-Select HC
Nickel Affinity Gel
プルダウン法のような小量スケールの精製を行う際、マイクロチューブ内の E3528-1ML
レジンは無色なため識別しにくいことがあります。 EZview Red Affinity Gel E3528-5X1ML
は、レジンが赤色に着色しているため、沈殿と上清を容易に識別できます。
そのため、沈殿を吸引するリスクを劇的に減少させます。 EZview レジンは
通常の無着色レジンと同様の性質を持ちます。目的タンパク質のロスを少な
くすることで、より正確なデータを得ることができます。
アガロースビーズ(赤色)の 50% 懸濁液(PBS, 50% グリセロール、抗菌・
防腐剤として 0.0015% Kathon® CG/IPCII 含有)
結合能:> 15 mg/mL ゲル
8,900
30,100
HIS-Select iLAP® 5 mL Column
HIS-Select iLAP(Integrated Lysis and Affinity Purification:溶解および H9913-1EA
アフィニティー 一体型精製)カラムは、細胞溶解およびタンパク質精製ステ H9913-25EA
ップを一度に行えます。
カラムは、ヒスチジンタグ付きタンパク質を 5 mL の細菌培養から直接 1 ス
テップで精製できるようにデザインされています。この 1 ステップ法は、
Sigma の特許取得済み iLAP テクノロジーを使用しており、これにより、組
み換えクローン株からのヒスチジンタグ付きタンパク質精製を迅速かつ簡便
に行えます。
9,200
81,600
よく
使われています
価格 (¥)
■ カラム 1 本で、大腸菌培養液 5 mL から 1 mg 以上のヒスチジンタグ付き
タンパク質を 1 時間未満で精製
■ 精製タンパク質は、プロテインアッセイ、SDS-PAGE、ウェスタンブロッ
ティング、および MALDI に使用できます
HIS-Select Wash Buffer
HIS-Select 洗浄バッファーは、10 mM イミダゾール溶液です。非変性条件 H5288-500ML
において、HIS-Select 製品を用いてヒスチジンタグ融合タンパク質を精製す
る際、洗浄ステップで非特異的タンパク質結合の低減に最適です。
組 成:10 mM イミダゾール , 0.3 M 塩化ナトリウム , 50 mMリン酸ナトリウ
ム含有 (pH 8.0)。
28,700
HIS-Select Elution Buffer
HIS-Select 溶出バッファーは、250 mM イミダゾール溶液です。 HIS-Select H5413-250ML
製品やその他の固定化金属アフィニティークロマトグラフィー製品からヒス
チジンタグ融合タンパク質の溶出に最適です。
組 成:250 mM イミダゾール , 0.3 M 塩化ナトリウム , 50 mM リン酸ナトリ
ウム含有 (pH 8.0)
28,700
精 製
説明
小から中スケールのヒスチジンタグ融合タンパク質精製用レジンです。キレ
ート基とアガロースが独自の非電荷親水性結合しているため、ヒスチジンタ
グ融合タンパク質に対する選択性を高め、他のタンパク質との非特異的結合
を低減させます。選択性が高いため、単一工程で精製できます。アフィニテ
ィーゲルは、変性条件と非変性条件のいずれにおいても使用できます。
マトリックス:6% アガロースビーズ
結合能:>15 mg/mL ゲル(約 30 kDa のタンパク質の場合)
形 状:30% のエタノール溶液に 50% のアガロースビーズを懸濁
HIS-Select® Nickel Affinity Gel
biomapping
HAタグ精製
製品名
Anti-HA
Agarose Affinity Gel
よく
使われています
説明
適用
特異性:N 末端および C 末端 HA(YPYDVPDYA)タグ融合タ ■ 免疫沈降
ンパク質
■ 免疫アフィニティ精製
形 状:0.01M PBS (pH 7.4, 15 mM アジ化ナトリウム 含有 )
との 1:1 懸濁液 , 抗体 / レジン固定率:2.0 ~ 2.4mg/
CAT.NO.
価格 (¥)
A2095-1ML
A2095-5X1ML
91,100
330,400
61,600
256,200
mL
結合能力:HA 融合タンパク質 30 ~ 50 nmol/mL ゲル
標 識:アガロースビーズ
特異性:N 末端または C 末端 HA(YPYDVPDYA)タグ融合
タンパク質
結合能力:HA タグ融合タンパク質約 0.4 mg/mL ゲル(27
kDa タンパク質の場合)
形 状:アガロースビーズ(赤色)の 50% 懸濁液(PBS,
50% グリセロール、抗菌・防腐剤として 0.0015%
Kathon® CG/IPCII 含有)
■ 免疫沈降
E6779-1ML
E6779-5X1ML
分子量:1102.2
形 状:凍結乾燥粉末
解 説:human influenza virus hemagglutinin (HA) の
98-106 アミノ酸に相当する合成ペプチド
アミノ酸配列:Tyr-Pro-Tyr-Asp-Val-Pro-Asp-Tyr-Ala
■ HA 融合タンパク質の
競合的溶出
標準使用濃度
■ 5 ~ 10µg/mL
I2149-.5MG
I2149-1MG
13,700
23,000
Anti-HA Immunoprecipitation Anti-HA Immunoprecipitation Kit は、免疫沈降において ■免疫沈降
HA タグ融合タンパク質を最大限に回収します。マイクロ遠心 ■免疫アフィニティ精製
Kit
IP0010-1KT
128,000
EZview ™ Anti-HA
Agarose Affinity Gel
よく
使われています
HA Peptide
チューブの代わりにミニスピンカラムで全ての処理を行うた
め、抗原 - 抗体結合ビーズの洗浄が簡単で、実験ごとのばら
つきは最小限に抑えられます。 哺乳動物細胞を迅速・効果的
に溶解する細胞溶解試薬 CelLytic™ M Cell Lysis Reagent も
キットに含まれています。
その他タグ精製
CAT.NO.
価格 (¥)
Anti-c-Myc Agarose
Affinity Gel
製品名
特異性:N 末端および C 末端 c-Myc タグ (EQKLISEEDL) 融 ■ 免疫沈降
A7470-1ML
合タンパク質
■ 免疫アフィニティ精製
形 状:0.01M PBS(pH7.4, 15 mM アジ化ナトリウム 含有)
との 1:1 懸濁液
結合能力:c-Myc 融合タンパク質 約 2 nmol/mL ゲル
標 識:アガロースビーズ
説明
適用
98,200
EZview Red Anti-c-Myc
Affinity Gel
特異性:c-Myc タグ融合タンパク質
形 状:赤色アガロースビーズの PBS 懸濁液(50% グリセ
ロール、抗菌・防腐剤として 0.0015%Kathon CG/
IPCII 含有)
E6654-1ML
E6654-5X1ML
96,800
270,600
c-Myc Peptide
分子量:1203.3
■ c-Myc 融合タンパク質 M2435-1MG
形 状:凍結乾燥粉末
の競合的溶出
M2435-4MG
解 説:ヒト c-Myc の C 末端の 410-419 アミノ酸に相当す 標準使用濃度
M2435-25MG
る合成ペプチド
■ 5 ~ 10 µg/mL
アミノ酸配列:Glu-Gln-Lys-Leu-Ile-Ser-Glu-Glu-Asp-Leu
15,300
38,500
177,500
Anti-c-Myc
Immunoprecipitation Kit
免疫沈降において c-Myc タグタンパク質を最大限に回収で ■ 免疫沈降
IP0020-1KT
きるよう、特別にデザインされたキットです。工程はマイク ■ 免疫アフィニティ精製
ロチューブではなくミニスピンカラム中で行われるので、抗
原・抗体結合ビーズを簡便に洗浄でき、実験ごとの結果のば
らつきも最小限に抑えられます。哺乳動物細胞を迅速・効
果的に溶解する細胞溶解試薬 CelLytic M Cell Lysis Reagent
もキットに含まれています。1 キット 50 回分。
128,200
Anti-V5, Agarose Affinity
Gel
特異性:V5 タグ (GKPIPNPLLGLDST) 融合タンパク質を認識 ■ 免疫沈降
A7345-1ML
します。
■ 免疫アフィニティ精製
形 状:0.01M PBS(pH 7.4, 15 mM アジ化ナトリウム 含有)
との 1:1 懸濁液
結合能力:V5 タグ融合タンパク質 約 2.5 nmol/mL ゲル
標 識:アガロースビーズ
99,400
V5 Peptide
分子量:1524.8
■ V5 融合タンパク質の
解 説:パラミクソウイルス SV5 の非構造タンパク質 V お
競合的溶出
よび RNA ポリメラーゼαサブユニット(P タンパク 標準使用濃度
質)の 95-108 アミノ酸に相当する配列の N 末端に ■ 5 ~ 10 µg/mL
システインを付加した合成ペプチド
形 状:凍結乾燥粉末
アミノ酸配列:Cys-Gly-Lys-Pro-Ile-Pro-Asn-Pro-Leu-Leu-
V7754-4MG
52,600
Glutathione Agarose
lyophilized powder
特異性:GST(グルタチオン -S- トランスフェラーゼ)
結合能力:5 ~ 10 mg(GST)/mL レジン
形 状:凍結乾燥粉末(安定化のためラクトース含有)
粉末 1 g を 10.5 ~ 16.0 mL に膨潤させて使用
標 識:架橋 4% アガロースビーズ
■ アフィニティ精製
G4510-1ML
G4510-5ML
G4510-10ML
G4510-50ML
9,200
28,700
41,400
142,500
■ アフィニティ精製
E6406-1ML
E6406-5X1ML
22,200
83,400
■ 免疫沈降
Gly-Leu-Asp-Ser-Thr
EZview Red Glutathione Affinity 特異性:GST(グルタチオン -S- トランスフェラーゼ)
結合能:5 ~ 10 mg(GST)/mL レジン
Gel
形 状:アガロースビーズ(赤色)の 50% 懸濁液(PBS,
50% グリセロール、抗菌・防腐剤として 0.0015%
Kathon CG/IPCII 含有)
標 識 : 架橋 4% アガロースビーズ
テクニカルサポート:03-5796-7330
27
FLAG タグ精製
製品名
説明
適用
価格 (¥)
CAT.NO.
FLAG® アフィニティゲル
ANTI-FLAG® M1
Agarose Affinity Gel
■ 免疫沈降
特異性:N 末端 FLAG 融合タンパク質用(Ca2+ 依存性)。
Ca2+ イオンの欠如で抗原 - 抗体複合体は解離します。 ■ N 末端 FLAG 融合タンパク質
細胞質内で発現した Met-FLAG 融合タンパク質とは
の精製
反応しません。プロセッシングされていない細胞質発
現したタンパク質を認識しません。
結合能力:タンパク質 >0.6mg/1mL gel、結合には Ca2+ が
必要
溶 出:FLAG ペプチド、グリシン緩衝液(pH3.5)、EDTA
形 状:アガロースビーズの 50% 懸濁液(PBS, 50% グリセ
ロール , 0.02%(w/v)アジ化ナトリウム含有)
64,400
139,600
249,700
480,900
A2220-1ML
A2220-5ML
A2220-10ML
A2220-25ML
33,000
98,000
198,000
439,000
特異性:すべての位置の FLAG および 3xFLAG 融合タンパク ■ 免疫沈降
質
■ FLAG、3xFLAG 融合タンパク
結合能力:≧ 0.6mg/1mL gel
質の精製
溶 出:FLAG ペプチド、グリシン(pH 3.5)、
3xFLAG ペプチド
形 状:赤色アガロースビーズの PBS 懸濁液(50% グリセロ
ール、抗菌・防腐剤として 0.0015% Kathon® CG/
IPCII 含有)
F2426-1ML
F2426-5X1ML
78,000
200,000
アミノ酸配列:Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys
分子量:1013.0
形 状:凍結乾燥粉末
■ FLAG 融合タンパク質の
ANTI-FLAG M1 及び M2 アフ
ィニティゲルからの溶出
■ 標準使用濃度:
F3290-4MG
F3290-25MG
21,800
111,200
アミノ酸配列:Met-Asp-Tyr-Lys-Asp-His-Asp-Gly-Asp-Tyr-
F4799-4MG
■ 3xFLAG 融合タンパク質の
ANTI-FLAG M2 アフィニティゲ F4799-25MG
ルからの溶出
■ 標準使用濃度:
61,700
261,600
ANTI-FLAG M2 Agarose 特異性:すべての位置の FLAG および 3xFLAG™ 融合タンパ ■ 免疫沈降
ク質
■ FLAG、3xFLAG 融合タンパク
Affinity Gel
結合能力:タンパク質 > 0.6mg/1mL gel
質の精製
よく
溶 出:FLAG ペプチド、3xFLAG ペプチド、グリシン(pH
使われています
3.5)
形 状:アガロースビーズの 50% 懸濁液(PBS, 50% グリセ
ロール , 0.02%(w/v)アジ化ナトリウム含有)
EZview ™ Red ANTIFLAG M2 Affinity Gel
FLAG ペプチド
FLAG Peptide
よく
使われています
100µg/mL
3xFLAG Peptide
よく
使われています
Lys-Asp-His-Asp-Ile-Asp-Tyr-Lys-Asp-AspAsp-Asp-Lys
解 説:Asp-Tyr-Lys-Xaa-Xaa-Asp 配列が 3 回繰り返されて
います。 C 末端の 8 アミノ酸は標準的な FLAG 配列
(Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys)
分子量:2861.9
100µg/mL
形 状:凍結乾燥粉末
FLAG M 精製キット
FLAG M Purification Kit
FLAG M Purification Kit では CelLytic ™ M を用いて哺乳動物細胞の迅速かつ効果的
な溶解・タンパク質抽出を行い、ANTI-FLAG M2 アフィニティゲルを用いて FLAG タ
グ融合タンパク質のアフィニティ精製を行います。特異性の高いモノクローナル抗体を
アガロースに共有結合した ANTI-FLAG M2 アフィニティゲルにより精製や免疫沈降を
キット構成
CelLytic M
10x Wash Buffer
Elution Buffer
3xFLAG Peptide
ANTI-FLAG M2-Agarose Affinity Gel
Amino-terminal FLAG-BAP™ Fusion Protein
Polypropylene chromatography column
行います。アフィニティゲルを用いることにより、前処理やキャリブレーションしなくて
も、効率的に FLAG 融合タンパク質を結合させることができます。結合した融合タン
パク質は酸性条件や 3xFLAG ペプチドによる競合で効果的に溶出できます。溶出され
たタンパク質は活性、サイズ、翻訳後修飾、相互作用などの分析に用いることができ
ます。
1mL アフィニティ精製カラムで 3 ~ 5 回分の試薬が入っています。
ご注文情報
製品名
CAT.NO.
FLAG M Purification Kit
CELLMM2-1KT
価格 (¥)
146,200
精 製
A4596-1ML
A4596-5ML
A4596-10ML
A4596-25ML
biomapping
FLAG® 免疫沈降キット
FLAG Immunoprecipitation Kit
シグマの FLAG Immunoprecipitation Kit を用いて迅速かつ効率的に活性のある
FLAG 融合タンパク質の免疫沈降、溶出をすることができます。
結合した FLAG 融合タンパク質のうち通常 70 ~ 90% が生物学的活性を保持したま
ま溶出されます。免疫沈降はタンパク質やタンパク質複合体の単離に非常に有効な
方法です。
免疫沈降は図のようなステップで行われます。
キット構成
特異性の高い抗体を用いてエピトープタグ融合タンパク質のアフィニティ精製や免疫
ANTI-FLAG® M2 affinity gel
沈降を行うため、その後の生化学的、免疫学的分析が容易になります。
Elution Buffer
FLAG-BAP™ Control Protein
特長
3xFLAG™ Peptide
Lysis Buffer
■ 前処理やキャリブレーションは不要です。
■ 特異性の高い ANTI-FLAG M2 アフィニティゲルを用いています。
■ 3xFLAG ペプチドを用いることによって穏和な条件で簡単に溶出できます。
2x Sample Buffer
10x Wash Buffer
ご注文情報
製品名
CAT.NO.
FLAG Immunoprecipitation Kit
FLAGIPT1-1KT
価格 (¥)
141,300
FLAG タグの除去に・・
エピトープタグ除去
エンテロキナーゼ
製品名
説明
Enterokinase from bovine intestine エンテロキナーゼは特異性の高いセリンプロテ
アーゼで、FLAG ペプチドの切断に利用されて
います。凍結乾燥粉末。溶解用のバッファーが
付属しています。
認識ペプチド
CAT.NO.
FLAG (N-Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp- E5144-50UN
Asp-Asp-Lys-X*-C) の Lys-X を
価格(¥)
45,800
切断します。
* X 位置が Pro の場合は切断でき
ません。
エンテロキナーゼ除去セット
製品名
説明
キット構成
CAT.NO.
Enterokinase Removal Kit
エンテロキナーゼ(ウシ由来)を除去するため
のキットです。抗ウシエンテロキナーゼ抗体を
固定化したアガロースビーズにエンテロキナー
ゼを結合させ、フィルターろ過によってエンテ
ロキナーゼを除去することができます。
Anti-Enterokinase-Agarose
Conjugate, 1.5 ml
20 × Wash Buffer, 4 ml
Spin Filters, 10 each
PRKE-1KT
価格(¥)
79,900
FLAGタグを利用した精製法に関しては巻末の特集ページ(P.48)をご覧ください
テクニカルサポート:03-5796-7330
29
タンパク質の確認・検出
タグをつけて発現させたタンパク質の検出は通常水性条件下で行われることから、親水性のタグはタンパク質
表面に提示される確率が高くなり、それにより抗体に近づき、物質を捕捉することができます。全てのタグが親
水性ですが、特に親水性の高いものがあります。荷電(酸性又は塩基性)残基をもつことで親水性が高まりま
すが、これは天然に存在するエピトープの 1 つの特徴です。
タグがもつ親水性という特徴のため、発現タンパク質の可溶性を向上させることもあります。タグの大きさと位
。
置も、その作用に影響します(Dyson ら 2004)
大型のタグは、立体的に抗体に近づきやすいため、検出がより容易になることが多くあります。 SDS の存在下
であっても、小分子タグはホストタンパク質の中に折り畳まれ、検出から免れてしまうことがあります。しかし、
荷電残基を取り込んだタグの利用が、これの克服に役立ちます。それがもつ親水性により表面に押し出され、
抗体認識のための強いモチーフになります。
タグのサイズと荷電という現象を活用した、実際の 1 例が FLAG® エピトープです。これは 8 個のアミノ酸の長さ
しかもっていませんが、全ての残基(DYKDDDDK)が荷電しているため、非常に高感度の検出ができます。
エピトープの大きさを 3 倍にして、「3xFLAG ™」タンデムリピート(DYKDHDGDYKDHDIDYKDDDK)にする
ことで、この感度は 10 倍になっています。
検出は免疫検出に限られません。クロラムフェニコールアセチル基転移酵素(CAT)と緑色蛍光タンパク質(GFP)
はそれぞれ、酵素アッセイ又は蛍光アッセイにより測定できます。 GFP は生細胞上で画像化することができ、そ
イムノブロッティング
免疫蛍光法
基質
シグナルを
蛍光顕微鏡で
観察
蛍光標識をした
2次抗体
ホースラディッシュ
ペルオキシダーゼ
(HRP)
標識抗体
基質の酸化
化学発光シグナル
1次抗体
タンパク質
エピトープタグ
ブロット膜
免疫組織化学
スライドに固定された組織等
ELISA(酵素結合免疫測定法)
基質
基質
酵素標識
2次抗体
発色
発色
酵素標識
2次抗体
1次抗体
1次抗体
エピトープタグ
タンパク質
エピトープタグ
タンパク質
スライドに固定された組織等
タンパク質溶液
(例:培養細胞のライセートなど)
エピトープタグ
96ウェルプレートなどの容器内
検 出
のプロセスを固定化した切片から外挿するのではなく、リアルタイムで調べることができます。種々の検出法を
以下の図に比較して示します。
biomapping
イムノブロッティング(ウェスタンブロット)
イムノブロッティングの検出に最も多く利用されている酵素系は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)
です。これはルミノール又は TMB(3,3',5,5'- テトラメチルベンジジン)の酸化を触媒し、発光(化学発光)又
は発色(比色法)の形で検出可能なシグナルを生じさせます。化学発光による検出は比色法に比べて何倍も感
度が高いものですが、コストと手間がかかります。比色法による検出は実験台の上で行うことができ、またシグ
ナルの発生を直接観察することができます。
免疫検出は間接的又は直接的に行うことができます。直接検出法の場合はタンパク質又はタグに対する HRP 結
合抗体を使用しますが、
間接検出法は2段階で行われます。すなわちタンパク質又はタグに対する非標識の「1次」
抗体と、次に 1 次抗体に対する標識「2 次」抗体を利用します。間接検出法のプロトコールは時間がかかります
が、感度が高く、幅広いタンパク質の検出に利用できます。
以下のプロトコールはモノクローナル抗ポリヒスチジン抗体の標識バージョンと非標識バージョン(CAT.
NO.A7058、CAT.NO. H1029)からのもので、他の幅広いスペクトルの抗体に対しても成果をあげます。ただ
し、抗体に固有のプロトコールに従った場合に、最適な結果が達成されます。
転写バッファー 1(Transfer Buffer 1)
Tris-HCl, pH 10.4
Methanol
転写バッファー 2(Transfer Buffer 2)
Tris-HCl, pH 10.4
Methanol
転写バッファー 3(Transfer Buffer 3)
Tris-HCl, pH 10.4
Methanol
ε-amino caproic acid
反応用の基質(2 次抗体の標識と検出系に応じて選択)
アルカリホスファターゼ基質:SIGMA FAST BCIP®/NBT、BCIP/NBT 溶液
ペルオキシダーゼ基質:AEC 染色キット、メンブレン用 TMB 基質液、SIGMA FAST DAB タブレットなど
0.3 M
20%
0.025 M
20%
0.02M
20%
25 mg/mL
その他
ニトロセルロース(NC)膜、孔径 0.45µm
ブロッティングペーパー
1 次抗体
アルカリホスファターゼ標識またはペルオキシダーゼ標識の 2 次抗体
反応用の基質(2 次抗体の標識と検出系に応じて選択)
ブロッキング溶液:5% ウシ血清アルブミン(BSA)(CAT.NO.A9647)含有 TBS または PBS 溶液
関連製品
メタノール、JIS 特級
ε - アミノカプロン酸
トリスバッファー塩
Tween® 20 含有トリス緩衝生理食塩水 (pH 8.0)
リン酸緩衝生理食塩水 ニトロセルロース(NC)膜、孔径 0.45µm(CAT.NO.N8267)
アルカリホスファターゼ基質:SIGMA FAST BCIP/NBT タブレット
アルカリホスファターゼ基質:BCIP/NBT 溶液
ペルオキシダーゼ基質:AEC 染色キット
ペルオキシダーゼ基質:メンブレン用 TMB 基質液
ペルオキシダーゼ基質:SIGMA FAST DAB タブレット
CAT.NO.
19-2410-5-500ML-J
A2504-25G
T6664-10PAK
T9039-10PAK
P3563-10PAK
N8267-5EA
B5655-5TAB
B1911-100ML
AEC101-1KT
T0565-100ML
D4418-5SET
価格
710
5,600
8,900
8,900
8,600
19,600
6,000
13,000
22,700
18,200
8,700
テクニカルサポート:03-5796-7330
31
SDS-PAGE
10 ∼ 20% のアクリルアミドゲルを使用して SDS-PAGE(カセットサイズ約 80 × 80mm)を行います。ゲルの
濃度は目的タンパク質の分子量に応じて選択します 。分析用の場合は、1 ウェルに 0.5 ∼ 10 µg のタンパク質
をアプライします 予備実験用の場合は、1 枚のゲルあたり 600 ∼ 800 µg の全細胞もしくは組織ホモジネート
をアプライします。分子量マーカーを 1 レーンアプライします。(もし、目的バンドが染色されないなどの場合
には 1 レーン当たりのタンパク質の量 を 増 や し て 20 µg/well な ど で ご 検 討 く だ さ い 。)
追跡色素がゲルの終点から約 1cm の位置に移動するまで、1 ∼ 2 時間 200V の定電圧で泳動します。ゲルの
調製法は、文献や書籍等に多く記載されています。
参考文献:Disc Electrophoresis and Related Techniques of Polyacrylamide Gel Electrophoresis by H.R. Mauer(de
Gruyter;Berlin, New York, 1971)
タンパク質のブロッティング
注意:PVDF を使用する場合は、あらかじめ 100%メタノールに 10 秒間浸漬してください。
タンパク質ゲル
転写用バッファー 3 に浸漬したブロッティングペーパー 3 枚
1.5mA/cm2 を室温で 1.5 時間通電して転写。
装置から膜を取り出し、免疫検出も進む。
オプション:転写はポンソー S 溶液中で 2 分間染色することで確認できます。
その後水で洗浄してからブロッキングします
-ve
+ve
検 出
陽極(+)プレート上に転写用の「サンドウィッチ構造」を以下のように作る。
転写用バッファー 1 に浸漬したブロッティングペーパー 2 枚
転写用バッファー 2 に浸漬したブロッティングペーパー 1 枚
脱イオン水であらかじめ湿らせた PVDF 又はニトロセルロース膜 1 枚
biomapping
免疫検出
以下の反応および洗浄ステップは、室温でオービタルシェーカーの台の上で行います。
一次抗体は、二次抗体の宿主動物由来の 1% 正常血清※ を含む TBS または PBS 溶液で希釈することをお勧めし
ます。
※血清の代わりに BSA、脱脂粉乳、ゼラチン、ヘモグロビン、もしくはオブアルブミンのようなタンパク質で代用することもできます。
以下はペルオキシダーゼ標識抗ポリヒスチジン抗体での参考プロトコールです。
1.NC 膜を細長く切断する。これを、転写時にゲルに接していた面を上向きにして、
適当な染色バットに置く。
2.4℃で一晩、または、室温で 2 時間ブロッキングする。ブロッキング剤は、後に
反応させるプローブの種類に合わせて選択する。
3.適当な濃度(製品データシート等に従います)に希釈した一次抗体(3 ∼ 5
mL)を膜が覆われるように入れる。 1 ∼ 3 時間、室温でインキュベート。
(抗体の希釈倍率は何種類か用意し、最適な希釈率をご検討ください。)
4.
5.NC 膜を十分量の TBS/Tween®または PBS/Tween で 5 分間ずつ 4 回洗浄する。
6.NC 膜を、TBS/Tween または PBS/Tween で適当な濃度に希釈したアルカリホ
スファターゼまたはペルオキシダーゼ標識二次抗体で 1 時間インキュベートす
る。
7.NC 膜をステップ 4 の方法で洗浄し、TBS 中で 5 分間ずつ 3 回リンスする。
8.基質を調製する。
アルカリホスファターゼの場合:
添付の製品データシートに従って、SIGMA FAST BCIP®/NBT 基質タブレットを調製
します(または液体 BCIP/NBT 基質を使用します)。
ペルオキシダーゼの場合:
キットの製品データシートに従って AEC または DAB 基質を調製します(または液体
。
の TMB をそのまま使用します)
1.NC 膜を基質溶液中で 10 ∼ 30 分間、発色するまでインキュベートする。
2.蒸留水を何回か交換しながら NC 膜を洗浄し、反応を停止させる。
3.NC 膜を風乾し、プラスチック容器に入れて暗所で保存する。
4.注記:ペルオキシダーゼ化学発光基質(ルミノール + 増感剤など)を使用する
場合、一般的に二次抗体の反応溶液は、通常の色素性基質より 5 ∼ 10 倍希釈
する。
参考文献
1. Burnette, W.N., Anal. Biochem., 112, 195-203 (1981)
2. Hames, B.D., and Richwood, D .(eds.), Gel Electrophoresis of Proteins: A Practical
Approach, IRL Press Ltd., Oxford (1981)
3. Gershoni, J.M., and Palade, G. E., Anal. Biochem., 131, 1-15 (1983)
テクニカルサポート:03-5796-7330
33
免疫組織化学
免疫組織化学的染色法は、組織中の特定の抗原を検出するための有益なツールです。
HRP 又はアルカリホスファターゼで標識した 2 次抗体により、抗体反応を酵素的に検出します。
この手順は以下のステップから構成されます。
パラフィン除去/再水和
抗原回復(シグナルが弱い場合のオプション)
ペルオキシダーゼの不活化(HRP 検出法を利用した場合)
1 次抗体反応
2 次抗体(又は Extravidin®)反応
発色
対比染色
試薬及び機器
ホルマリン固定、パラフィン包埋組織切片
10mM リン酸緩衝生理食塩水 pH7.4(PBS)
ウシ血清アルブミン(BSA)
希釈液
キシレン
無水エタノール
0.1%トリプシン含有 PBS、4mM CaCl2、
200mMトリス、pH7.7 又は 0.1%プロテアーゼ含有 PBS
マイクロウェーブ抗原賦活溶液
2 次抗体
酵素基質
ペルオキシダーゼ系の場合:AEC 染色キット(CAT.NO. AEC101)
、
DAB(CAT.NO. D4418)。アルカリホスファターゼ系の場合:ファストレッ
ド TR /ナフトール AS-MX(CAT.NO. F4648)
ヘマトキシリン溶液、マイヤー法
CAT.NO. MHS1
CAT.NO. S5641
コプリン染色ジャー
パラフィン除去/再水和
1.スライドを 56 ∼ 60℃のオーブン内に 15 分間置く。
注意:オーブンの温度は 60℃を超えないようにします。
2.キシレン槽に写し、5 分間ずつ 2 回キシレンを交換する。
3.余分な液を振り落とし、スライドを 3 分間ずつ 2 回、新鮮な無水エタノール中で
再水和する。
4.余分な液を振り落とし、スライドを新鮮な 90%エタノール中に 3 分間静置する。
5.余分な液を振り落とし、スライドを新鮮な 80%エタノール中に 3 分間静置する。
6.スライドを弱い流水で 30 秒間リンスする。
注意:直接強い水をあてると、洗い落としたり固定が緩くなることがあります。
7.PBS 槽に静置し、更に再水和させる(室温で 30 分間)。
検 出
CAT.NO. P3813 又は P4417 タブレット
CAT.NO. A9647
1% BSA 含有 PBS(CAT.NO. P3688)
CAT.NO. 534056
CAT.NO. 09-0780
CAT.NO. T7409
CAT.NO. T7168 タブレット CAT.NO. P5380
10mM クエン酸ナトリウム pH 6.0(CAT.NO. S4641)+ 1mM EDTA,
pH 8.0(CAT.NO. E9884)
biomapping
抗原回復(シグナルが弱い場合のオプション)
固定組織中では溶液中に比べタンパク質エピトープが近づきにくいため、酵素分解による抗原の回復ステップが
必要なことがあります。
注意:このステップは染色が弱い、又は染色が認められないとき、又は 1 次抗体の露出が必要な抗原について
のみ行います。抗体と抗原に応じて、数種の回復法があります。
酵素法
1.0.1%トリプシン含有 PBS 又は 0.1%プロテアーゼ含有 PBS において 37℃で 2 ∼
30 分間処理する。注意:インキュベーションの時間を延長することで、特異的
な染色が増強されることもあります。
2.10 分間 PBS でリンスする。
マイクロ波回復法
1.スライドを脱イオン水で洗浄し、抗原回復液の入ったマイクロウェーブ耐性プラ
スチック製の染色瓶に置く。注意:スライドが完全に溶液で覆われるようにして
ください。
2.マイクロ波を高出力(約 700W)で 5 分間照射する。注意:スライドがまだ溶液
で覆われているかを確認し、足りない場合は新しい溶液を加えてからマイクロ
波照射を繰り返します。
3.この操作を 2 ∼ 3 回繰り返して行う。
4.室温に 20 分以上置きゆっくりと冷却してから次のステップへ進む。
ペルオキシダーゼの不活化(HRP 検出法を利用した場合)
注意:このステップは、ペルオキシダーゼ標識 2 次抗体又は ExtrAvidin®- ペルオキシダーゼを使用する場合に
のみ行います。
1.スライドを水平な場所に置く。注意:このときスライドが互いに触れ合ったり、
途中で乾燥しないようにしてください。
2.切片全体を覆うように 3%過酸化水素水を滴下する。
3.室温で 5 分間インキュベートする。
4.洗浄瓶を用いて PBS でリンスする。
5.スライドを PBS 槽に 2 分間静置する。
テクニカルサポート:03-5796-7330
35
1 次抗体反応
1 次抗体反応の前に 5% BSA( ウシ血清アルブミン)で 10 分間サンプルをプレインキュベートすることで、バック
グラウンドの染色を抑えることができます。また動物組織の場合、2 次抗体には同じ動物種からの 5 ∼ 10%正
常血清を使用すると良好な結果が得られます。
1 次抗体ごとの至適な希釈倍率と反応時間は必ず使用前に検討してください。
1.液を捨て、スライド上の余分な液体をよく振り落とし、各スライドの切片に触れ
ないように注意深く拭き取る。
2.1 次抗体又はネガティブコントロールを、希釈液で希釈する。注意:希釈液自体を、
ネガティブコントロールとして用いても構いません。ポジティブコントロールの
スライド(対象となる抗原の存在が既知である組織)も処理してください。
3.スライドに 1 次抗体を 100µL アプライし、組織切片を覆う。
4.スライドを 2 方向に傾けて、液をスライド全体に均一に広げる。
5.加湿チャンバー内(37℃)で 60 分間以上インキュベートする。
注意:抗原密度が低い場合には、インキュベーション時間を長くすることを推奨
します。
する。
2次抗体反応
オプション 1:ビオチン/ストレプトアビジン検出法
1.液を捨て、スライド上の余分
な液体をよく振り落とし、先
述のようにスライドを注意深く
拭き取る。
2.ビオチン標識 2 次抗体を、希
釈液で至適濃度まで希釈す
る。
3.各スライドに 2 次抗体を 100µ
Lアプライし、組織切片を覆う。
4.各スライドを 2 方向に傾ける。
5.加湿チャンバー内(室温)で
30分以上インキュベートする。
6.洗浄瓶を用いて PBS で穏やか
にリンスする。
7.スライドを PBS 槽に入れ 5 分
間静置する。
8.液を捨て、スライド上の余分
な液体をよく振り落とし、先
述のようにスライドを注意深く
拭き取る。
9.ストレプトアビジン/
Extravidin® 複合体を、希釈
液で至適濃度まで希釈する。
10.全スライドに 100µL アプライ
し、組織切片を覆う。
11.各スライドを 2 方向に傾ける。
12.加湿チャンバー内(室温)
で 20 分以上インキュベートす
る。
13.洗浄瓶を用いて PBS で穏や
かにリンスする。
14.スライドを PBS 槽に 5 分間静
置する。 注意:検出用基質
の混合液の調製は、この最終
洗浄段階で行うことを勧めま
す。
15.発色に進む。
検 出
6.洗浄瓶を用いて PBS で穏やかにリンスする。スライドを PBS 槽に入れ 5 分間静置
biomapping
オプション 2:酵素標識 2 次抗体
1.液を捨て、スライド上の余分な液体をよく振り落とし、先述のようにスライドを
注意深く拭き取る。
2.ペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ標識 2 次抗体を、希釈液で希釈す
る。
3.全スライドに 100µL アプライし、組織切片を覆う。
4.各スライドを 2 方向に傾ける。
5.加湿チャンバー内(37℃)で 30 分間インキュベートする。
6.洗浄瓶を用いて PBS で穏やかにリンスする。
7.スライドを PBS 槽に入れ 5 分間静置する。注意:検出用基質の混合液の調製は、
この最終洗浄段階で行うことを勧めます。
発色
注意:アルカリホスファターゼ基質溶液に 1mM レバミゾール(CAT.NO. L9756)を添加すると、腸アイソザイ
ム以外の内在性アルカリホスファターゼの活性が大幅に抑制されます。
1.液を捨て、スライド上の余分な液体をよく振り落とし、先述のようにスライドを注意
深く拭き取る。
2.用時調製した基質混合液を充分量アプライして組織切片を覆う。
3.5 ∼ 10 分間、又は顕微鏡でモニターしながら望ましい発色反応が認められるまで、
インキュベートする。ネガティブコントロールのバックグラウンドが染色される前に、
洗浄瓶の蒸留水で穏やかにリンスし、反応を停止させる。
テクニカルサポート:03-5796-7330
37
対比染色(カウンターステイン)
注意:AEC 基質を使用する場合、これにより形成される AEC 染色は有機溶媒に可溶であるため、対比染色にア
ルコール含有溶液(Harris' ヘマトキシリン、酸アルコールなど)を用いないようにして下さい。スライドを脱
水したり、トルエン(又はキシレン)中に入れたり、トルエンを含むマウント剤は使用しないで下さい。
1.充分量の Mayer s ヘマトキシリンをアプライして切片を覆うか、あるいはスライ
ドを Mayer s ヘマトキシリン槽に静置する。
2.ヘマトキシリンの含量に応じて、30 秒∼ 5 分間インキュベートする。
3.洗浄瓶を用いて蒸留水で穏やかにスライドをリンスする。
4.スライドを弱い流水で 5 分間リンスする。
注意:直接強い水をあてると、洗い落としたり固定が緩くなることがあります。
なマニキュア液でカバーガラスをシールしてもよい。
関連製品
アルブミン ウシ血清由来
リン酸緩衝生理食塩水
リン酸緩衝生理食塩水(BSA 含有)
キシレン
エタノール
トリプシン ブタ膵臓由来
トリプシン ブタ膵臓由来
プロテアーゼ Bacillus licheniformis
クエン酸三ナトリウム 二水和物 , ACS グレード
エチレンジアミン四酢酸
ExtrAvidin® -ペルオキシダーゼ
ExtrAvidin– アルカリホスファターゼ
AEC Staining Kit(AEC 染色キット )
過酸化水素 溶液
SIGMAFAST ™ 3,3′- ジアミノベンジジンタブレット
SIGMAFAST ファストレッド TR/ ナフトールタブレット
SIGMAFAST BCIP®/NBT
ヘマトキシリン溶液、マイヤー法
CAT.NO.
A9647-10G
P3813-1PAK
P3688-10PAK
534056-500ML
09-0780-5-500ML-J
T7168-20TAB
T7409-1G
P5380-25MG
S4641-25G
E9884-100G
E2886-.2ML
E2636-.2ML
AEC101-1KT
13-1920-5-500ML-J
D4418-5SET
F4648-5SET
B5655-5TAB
MHS1-100ML
価格
11,900
1,500
37,700
4,900
2,000
6,200
4,700
8,100
3,400
2,800
16,700
15,800
22,700
880
8,700
5,000
6,000
1,700
検 出
5.グリセロールゼラチンなどの水性マウント剤を用いて切片をマウントする。透明
biomapping
免疫蛍光法
免疫蛍光法は非常に多用途に用いられる技術です。抗原が高度に局在化している場合、細胞に含まれる 1,000
程度の抗原分子も検出することができます。また、ある場合には(特にイメージアナライザーを使った場合)
抗原のおおよその濃度も求めることもできます。
最初の段階として、染色する細胞を固体支持体に接着させ、それ以降の手順で扱いやすくします。これは数種
の方法により行うことができます。接着細胞は顕微鏡スライド、カバーガラス、又は光学的に適当なプラスチッ
ク製の支持体上で増殖させることができます。懸濁細胞を遠心してスライドガラス上に置き、化学的リンカーを
使って固体支持体に結合させるか、又は場合によっては懸濁した状態で扱います。
第 2 段階は細胞を固定して透過処理し、抗体がその抗原に近づけるようにします。固定が完全であれば、本来
の細胞/細胞内構造を維持しながら抗原を固定化し、抗体があらゆる細胞/細胞内コンパートメントに障害なく
近づくことができます。正しい固定法は、検討する抗原の性質と使用する抗体の特性をもとに選択されますが、
固定法はおおむね有機溶媒法と架橋試薬法の 2 つに分けられます。アルコールやアセトンなどの有機溶媒は、
細胞構造上にタンパク質を沈降させながら脂質を取り除き、細胞を脱水させます。架橋試薬(パラホルムアル
デヒドなど)は通常は遊離アミノ基を介して分子間に架橋を形成し、それにより連結した抗原のネットワークを形
成します。架橋剤は有機溶媒よりも細胞構造をより適切に維持しますが、一部の細胞成分の抗原性を低下させ
ることがあり、また検体への抗体のアクセスを可能にするためには、透過処理段階を追加する必要があります。
いずれの固定法もタンパク質抗原を変性する可能性があり、このため細胞染色には、変性タンパク質に対する
抗体の方が有用と考えられます。次のページより 4 種類の固定法を紹介しますので、その用途に応じて適切な
固定法を選択してください。
細胞染色の第 3 段階では、
抗体と細胞調製液のインキュベーションを行います。洗浄により非結合抗体を除去し、
、又はフルオロフォア標識 2 次試薬を使って
結合した抗体を直接検出するか(1 次抗体が標識されている場合)
間接的に検出します。最後に、蛍光顕微鏡を使って染色を評価します。
試薬及び機器
注意:ここには、一般的なプロトコールとして手順を示しています。 1 次及び 2 次抗体の至適希釈倍率、細胞の
調製、コントロール、及びインキュベーション時間は経験的に判断する必要があります。また広範な滴定が必要
なこともあります。理想的には、製品データシートの推奨に従って 1 次抗体を使うべきでしょう。適切なネガティ
ブコントロールとポジティブコントロールも含めるべきです。蛍光標識液及び標識スライドは遮光保存してくださ
い。サンプルのインキュベーションは出来る限り暗所で、カバーをして行ってください。
0.01M リン酸緩衝生理食塩水、pH 7.2 ∼ 7.4、
CAT.NO. P3813 又は P4417
メタノール(1 時間以上 -20℃で冷却)
CAT.NO. 19-2400
アセトン (1 時間以上 -20℃で冷却)
CAT.NO. 534064
0.5%トリトン X-100 PBS 溶液を添加した 3 ∼ 4%パラホルムアルデ CAT.NO. P6148 5M NaOH を用い温和加熱しながら PBS に溶解 ヒド含有 PBS
CAT.NO. T9284
3 ∼ 4%パラホルムアルデヒド含有 PBS /メタノール(1 時間以上 CAT.NO. P6148 5M NaOH を用い温和加熱しながら PBS に溶解 -20℃で冷却)
CAT.NO. 32213
PEM バッファー:エタノール(1 時間以上 -20℃で冷却)
5mM EGTA、2mM MgCl2・6H2O 含有 0.1M PIPESNaOH 溶液
で pH 6.8 にしたもの
CAT.NO. 270741
1 次抗体
PBS
抗体コントロール
蛍光色素標識 2 次抗体
水性マウント剤
顕微鏡用スライドガラス
蛍光検出用の適切なフィルター付きの蛍光顕微鏡
倒立光学顕微鏡
76 × 25 mm CAT.NO. S8902
テクニカルサポート:03-5796-7330
39
細胞の調製
培養装置から細胞を取り出す。倒立光学顕微鏡下で観察し、望ましい形状であることを確認する。培地を捨て、
PBS でリンスし、過量の液を除く。
固定
4 種類の固定法を記載します。用途に応じて(又は製品データシートの推奨内容に応じて)適切な固定法を選
択してください。
メタノール - アセトン固定
1.冷却メタノール中で -20℃で 10 分間処理し、固定する。
2.過量のメタノールを除く。
3.冷却アセトン中で -20℃で 1 分間透過処理する。
パラホルムアルデヒド -トリトン固定
2.PBS で簡単にリンスする。
3.0.5%トリトン X-100 で 2 ∼ 10 分間透過処理する。
パラホルムアルデヒド - メタノール固定
1.3 ∼ 4%パラホルムアルデヒド中で 10 ∼ 20 分間固定する。
2.PBS で簡単にリンスする。
3.冷却メタノール中で -20℃で 5 ∼ 10 分間透過処理する。
PEM- エタノール固定
1.PEM バッファー中で 10 分間固定する。
2.PBS で 2 回簡単にリンスする。
3.冷却エタノール中で -20℃で 5 ∼ 10 分間透過処理する。
4.PBS で 3 回洗浄する(1 回あたり5 分以上)。
検 出
1.3 ∼ 4%パラホルムアルデヒド中で 10 ∼ 20 分間固定する。
biomapping
1 次抗体反応
1.1 次抗体を PBS で希釈し、適切な希釈倍率とする。
細胞上のカバーガラスにアプライし、室温で 60
分間インキュベートする。
注意:加湿チャンバーの利用を勧めます。
2.PBS で 3 回洗浄する(5 分以上)。
2 次抗体反応
注意:2 次抗体は間接法でのみ用いられます。
1.標識 2 次抗体を PBS で希釈し、適切な希釈倍率と
する。カバーガラスにアプライし、室温で 30 分
間インキュベートする。
2.PBS で 3 回洗浄する(1 回あたり5 分以上)。
3.過量の PBS を除く。
評価
適切なネガティブコントロールを処理することを勧めます。ネガティブコントロールによりバックグラウンドの蛍
光と、1 次及び 2 次抗体の非特異的染色が確認されます。理想的なネガティブコントロールの試薬は、蛍光色
素標識マウスモノクローナル抗体又は骨髄腫タンパク質です。研究対象の動物種の細胞に特異的ではなくとも、
アイソタイプが一致したもので、試験抗体と同じ濃度にするべきです。自己蛍光性又はネガティブコントロール
試薬の蛍光の程度は、研究対象の細胞種及び使用機器の感度によって異なります。 Fc 受容体を有する細胞の
蛍光解析の場合、アイソタイプが一致したネガティブコントロールを必ず使用してください。
マウント剤でカバーガラスをマウントし、スライドガラス上に反転させる。
顕微鏡下で観察し撮像する。
関連製品
リン酸緩衝生理食塩水
リン酸緩衝生理食塩水(タブレット)
メタノール、SAJ 特級
アセトン、histological grade,
パラホルムアルデヒド
Triton™ X-100
メタノール、SAJ 特級
スライド(顕微鏡用)
CAT.NO.
P3813-1PAK
P4417-50TAB
19-2400-5-500ML-J
534064-500ML
P6148-500G
T9284-100ML
19-2400-5-500ML-J
S8902-1PAK
価格
1,500
12,000
1,600
5,100
3,500
10,400
1,600
4,000
テクニカルサポート:03-5796-7330
41
ELISA 法
酵素結合免疫測定法(ELISA)とは、化合物を特異的に定量する測定法です。その特異性、融通性及び再現性(低
コストでもあります)により、診断ツールとして広く使用されるようになりました。タンパク質研究の場合、細胞
タンパク質レベル(発現プロファイルなど)の便利なスクリーニング法となっています。
試薬及び機器
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)タブレット
10mM リン酸バッファー pH7.4、150mM NaCl 及び 0.1%アジ化ナトリウム
(タブレット CAT.NO. P4417)
炭酸 - 重炭酸バッファーカプセル、pH 9.6
(CAT.NO. C3041)
洗浄用バッファー(PBST)
10mM リン酸バッファー pH 7.4、150mM NaCl、0.05% TWEEN®20(CAT.NO.
P3563)
抗体コントロール
動物種及びアイソタイプが一致した、非特異的免疫グロブリン(マウスモノクローナル 1
次抗体のコントロールとしてマウス骨髄腫タンパク質など)
2 次抗体
アルカリホスファターゼ又はホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)のいずれかの
標識
検出用基質
アルカリホスファターゼ:SIGMAFAST ™ pNPP タブレット(CAT.NO. N1891)HRP:
SIGMAFAST OPD タブレット(CAT.NO. P9187)
反応停止剤(オプション)
アルカリホスファターゼ:3M NaOH HRP:3M HCl 又は 3M H2SO4
マルチウェルプレート
抗原のコーティング
2.上述の溶液 0.2mL をマルチウェルプレートの各ウェルにピペットで移す。
3.37℃で 30 分間インキュベートするか、又は 4℃で一晩インキュベートする。
4.コーティング液を除く。 PBST で 3 回洗浄する。
注意:非特異的結合による問題が生じた場合は、追加のブロッキング段階(5%
BSA-PBS で 30 分間処理)が必要になる場合があります。更なる情報は
文献をご参照ください
Vogt, R.F., et al.,(1987)J. Immunol.Meth., 101, 43.
検 出
1.炭酸 - 重炭酸バッファー又は PBS で、適切な濃度の抗原溶液を調製する。
biomapping
1 次抗体反応
1.モノクローナル 1 次抗体を PBST で希釈する。滴定により至適希釈倍率を
決定しておく。
2.希釈したモノクローナル抗体を、各ウェルあたり0.2mL 添加する。ネガティ
ブコントロールは動物種とアイソタイプが一致した非特異免疫グロブリンと
し、これを PBST で希釈する。
3.室温で 2 時間インキュベートする。
4.ステップ 4 「抗原のコーティング」と同様に洗浄する。
2 次抗体の利用
1.酵素標識 2 次抗体を PBST で希釈する。この溶液を、各ウェルあたり0.2mL
添加する。滴定により至適希釈倍率を決定しておく。
2.室温で 2 時間インキュベートする。
3.ステップ 4 「抗原のコーティング」と同様に洗浄する。
注意:最終インキュベーション中の使用直前に酵素基質を調製するか、又はあ
らかじめ作成した液体基質を室温に戻します。
発色
用時調製した基質を、各ウェルあたり0.2mL 添加する。
陽性のウェルでは 30 分後に発色を認めるはずである(pNPP の場合は黄色、
OPD の場合はオレンジ)。
注意:吸光度はマルチウェルプレートリーダーで直接読み取るか(pNPP では
405nm、OPD では 450nm で)、又は適切な停止試薬を 1 ウェルあた
り 50µL 添加して反応を停止してから吸光度を読み取ることができます。
関連製品
リン酸緩衝生理食塩水
リン酸緩衝生理食塩水(BSA 含有)
アジ化ナトリウム
炭酸 - 重炭酸バッファー
SIGMAFAST ™ p-NPP タブレット
SIGMAFAST OPD
CAT.NO.
P4417-50TAB
P3563-10PAK
S2002-5G
C3041-50CAP
N1891-5SET
P9187-5SET
価格
12,000
8,600
1,600
17,400
5,000
5,000
テクニカルサポート:03-5796-7330
43
検出関連製品紹介
FLAG®
製品名
説明
適用
CAT.NO.
価格 (¥)
FLAG 抗体
ANTI-FLAG® M1
Monoclonal Antibody,
Purified IgG
特異性:N 末端融合タンパク質(Ca2+ 依存性)。 Ca2+ イオン ■ 免疫沈降
の欠如で抗原 - 抗体複合体は解離します。細胞質内 ■ ウェスタンブロット
で発現した、Met-FLAG 融合タンパク質とは反応しま (10µg/mL, 化学発光法)
せん。
形 状:溶液(10mM リン酸ナトリウム、150mM NaCl、
pH7.4、0.02% アジ化ナトリウム含有)
F3040-.2MG
F3040-1MG
F3040-5MG
80,400
137,100
231,400
ANTI-FLAG M2
Monoclonal Antibody,
Affinity Purified
特異性:すべての位置の FLAG 融合タンパク質。アフィニテ
ィ精製済み抗体のため、より高い特異性。
形 状:溶液(50% グリセロール、10mM リン酸ナトリウム、
150mM NaCl、pH7.4、保存剤非含有)タンパク質
濃度は約 1mg/mL 。
■ 免疫沈降
■ 免疫細胞化学
■ ウェスタンブロット
(1µg/mL, 化学発光法)
■ EIA
F1804-200UG
F1804-1MG
F1804-5MG
38,000
72,000
116,000
特異性:すべての位置の FLAG 融合タンパク質。
形 状:溶液(10mM リン酸ナトリウム、150mM NaCl、
pH7.4、0.02% アジ化ナトリウム含有)タンパク質濃
度は約 4 mg/mL。
■ 免疫沈降
F3165-.2MG
■ 免疫細胞化学
F3165-1MG
■ ウェスタンブロット
F3165-5MG
(0.5 ~ 10µg/mL, 化学発光法)
よく
使われています
ANTI-FLAG M2
Monoclonal Antibody,
Purified IgG
よく
使われています
38,600
76,800
213,000
ANTI-FLAG M5
Monoclonal Antibody
特異性:Met-N 末端 FLAG 融合タンパク質。哺乳動物細胞
■ ウェスタンブロット
粗精製物中の Met-FLAG 組み換えタンパク質の検出 (10µg/mL, 化学発光法)
に適。大腸菌発現系には不適。
形 状:溶液(10mM リン酸ナトリウム、150mM NaCl、
pH7.4、0.02% アジ化ナトリウム含有)
Rabbit Monoclonal
ANTI-FLAG,
ascites fluid
特異性:N 末端と C 末端 FLAG 融合タンパク質
形 状:15 mM アジ化ナトリウムを含む腹水
Rabbit ANTI-FLAG
Polyclonal Antibody
特異性:N 末端、C 末端、Met-N 末端 FLAG 融合タンパク質。 ■ 免疫沈降
形 状:溶液(10mM PBS、pH7.4、1% BSA および 15 mM
■ 免疫細胞化学
■ ウェスタンブロット(2.5µg/
アジ化ナトリウム含有)
mL, 化学発光法)
■ 免疫蛍光染色
(5µg/mL)
F7425-.2MG
ANTI-FLAG BioM2
Antibody,
Biotin Conjugate
特異性:N 末端、Met-N 末端、C 末端 FLAG 融合タンパク
質用。
形 状:50% グリセロール溶液(10mM リン酸ナトリウム、
pH7.25、150mM NaCl、0.02% アジ化ナトリウム含
有)
。
標 識:ビオチン
■ 免疫細胞化学
■ ウェスタンブロット
(1 ~ 10µg/mL, 化学発光法)
F9291-.2MG
F9291-1MG
F9291-5X1MG
47,300
97,800
234,500
ANTI-FLAG BioM5
Monoclonal Antibody,
Biotin Conjugate
特異性:Met-N 末端 FLAG 融合タンパク質。大腸菌発現系
には不適。
形 状:溶液(10mM リン酸ナトリウム、150mM NaCl、
pH7.4、0.02% アジ化ナトリウム含有)
標 識:ビオチン
■ 免疫細胞化学
■ ウェスタンブロット
(2µg/mL, 化学発光法 )
F2922-1MG
112,600
ANTI-FLAG M2
Alkaline Phosphatase
特異性:N 末端、Met-N 末端、C 末端 FLAG 融合タンパク
質用。特に抗マウス 2 次抗体が交差を起こしやすい
マウスなどのサンプルを用いる際に有用。
形 状:溶液(TBS、50% グリセロール、1mM MgCl2、
15mM アジ化ナトリウム含有)。
標 識:アルカリホスファターゼ
■ ウェスタンブロット(1:1,000) A9469-.2MG
■ ELISA (1:20,000)
A9469-1MG
55,200
113,900
ANTI-FLAG M2
Peroxidase
特異性:N 末端、Met-N 末端、C 末端 FLAG 融合タンパク質。
特に抗マウス 2 次抗体が交差を起こしやすいマウスな
どのサンプルを用いる際に有用。
形 状:溶液(PBS、50% グリセロール、安定剤、防腐剤)。
標 識:ペルオキシダーゼ(HRP)
■ 免疫細胞化学
(1:100 ~ 1:1,000)
■ ウェスタンブロット
(1:100 ~ 1:1,000)
■ ELISA (1:20,000)
49,900
95,900
232,000
標識 FLAG 抗体
よく
使われています
■ 免疫沈降
F2555-200UL
■ 免疫細胞化学(1:125~1:250)
■ EIA
■ ウエスタンブロット(1:1,000
~ 1:2,000, 化学発光法)
A8592-.2MG
A8592-1MG
A8592-5X1MG
45,800
96,900
173,600
84,800
66,100
検 出
よく
使われています
F4042-.2MG
F4042-1MG
F4042-5MG
biomapping
FLAG®
製品名
説明
適用
CAT.NO.
価格 (¥)
標識 FLAG 抗体
ANTI-FLAG® M2
Monoclonal Antibody
FITC
特異性:N 末端、Met-N 末端、C 末端 FLAG 融合タンパク質。 ■ 免疫蛍光染色
形 状:溶液(10mM リン酸ナトリウム、150mM NaCl、
(10µg/mL, メタノール : アセト
ン固定)
1% BSA、0.1% アジ化ナトリウム、pH7.4)
■ フローサイトメトリー
標 識:FITC
F4049-.2MG
F4049-1MG
F4049-5X1MG
54,900
119,000
191,100
ANTI-FLAG M2
Cy3™ Conjugate
特異性:N 末端、Met-N 末端、C 末端 FLAG 融合タンパク質。 ■ 免疫蛍光染色
特に抗マウス 2 次抗体が交差を起こしやすいマウスな (10µg/mL, メタノール : アセト
どのサンプルを用いる際に有用。
ン固定)
形 状:溶液(10mM リン酸ナトリウム、pH7.4、150mM
NaCl、1% BSA、15 mM アジ化ナトリウム)。
標 識:Cy3
A9594-.2MG
A9594-1MG
A9594-5X1MG
57,100
118,600
194,800
お奨め二次抗体
■ ELISA(1:40,000)
Rabbit Anti-Mouse IgG, 特異性:マウス IgG
A9044-2ML
■ 免疫組織化学
すべてのマウスイムノグロブリンと結合します。
(whole molecule)
Peroxidase Conjugate 形 状:0.01M PBS(pH 7.4)、防腐剤として 0.01% チメロ (1:200, ホルマリン固定・パラフ
42,200
Goat Anti-Mouse IgG, 特異性:マウス IgG Fab
Fab Fragment
Fab フラグメントを認識し、Fc とは交差しません。
すべてのマウスイムノグロブリンと交差します。ヒ
Peroxidase Conjugate,
ト IgG で吸収済み。
Adsorbed with Human
形 状:
IgG
0.01M PBS(pH 7.4)、防腐剤として 0.01% チメロ
■ ELISA(1:60,000)
A9917-1ML
■ 免疫組織化学
(1:150, ホルマリン固定・パラフ
ィン包埋切片)
■ ウェスタンブロット(1:80,000
~ 1:160,000, 化学発光法)
36,300
Goat Anti-Mouse IgG, 特異性:マウス IgG Fab
Fab Fragment
Fab フラグメントを認識し、Fc とは交差しません。
すべてのマウスイムノグロブリンと交差します。ヒ
Peroxidase Conjugate,
ト IgG、ラット血清タンパク質で吸収済み。
Adsorbed with Human
形 状:
IgG and Rat Serum
0.01M PBS(pH 7.4)、防腐剤として 0.01% チメ
ロサール含有
Proteins
標 識:ペルオキシダーゼ(HRP)
■ ELISA(60,000)
A3682-1ML
■ 免疫組織化学
(1:150, ホルマリン固定・パラフ
ィン包埋切片)
■ ウェスタンブロット(1:80,000
~ 1:160,000, 化学発光法)
51,000
サール含有
標 識:ペルオキシダーゼ(HRP)
サール含有
標 識:ペルオキシダーゼ(HRP)
ィン包埋切片)
■ ウェスタンブロット(1:80,000
~ 1:160,000, 化学発光法)
テクニカルサポート:03-5796-7330
45
poly-His
製品名
説明
CAT.NO.
価格 (¥)
特異性:N 末端ポリヒスチジン融合タンパク質を認識し、C 末端ポリ
ヒスチジン融合タンパク質とは弱い反応性を示します。
形 状:腹水液 (15 mM アジ化ナトリウム含有 )
適 用:ウェスタンブロット 1:3,000(大腸菌中で発現誘導させたポ
リヒスチジン融合タンパク質検出の場合 , 比色法 )、免疫蛍
光染色、免疫沈降、ELISA
H1029-.2ML
H1029-.5ML
54,200
123,900
Monoclonal Anti-polyHistidine-Alkaline
Phosphatase antibody produced in mouse
特異性:N 末端ポリヒスチジン融合タンパク質を認識し、C 末端ポリ
ヒスチジン融合タンパク質とは弱い反応性を示します。
形 状:0.05Mトリス緩衝液 (pH 8.0, 1% BSA, 1.0 mM MgCl2,
50% グリセロール , 15 mM アジ化ナトリウム 含有 )
標 識:アルカリホスファターゼ
適 用:ウェスタンブロット 1:2,000(大腸菌中で発現誘導させたポリ
ヒスチジン融合タンパク質検出の場合 , 比色法 )
A5588-.5ML
133,100
Monoclonal Anti-polyHistidine-Peroxidase
antibody produced in mouse
特異性:N 末端ポリヒスチジン融合タンパク質を認識し、C 末端ポリ
ヒスチジン融合タンパク質とは弱い反応性を示します。
形 状:凍結乾燥品 0.5mL の脱イオン水で復元 0.01M PBS (1%
BSA, 0.01% チメロサール含有 )
標 識:ペルオキシダーゼ (HRP)
適 用:ウェスタンブロット 1:2,000(大腸菌中で発現誘導させたポリ
ヒスチジン融合タンパク質検出の場合 , 比色法 )
A7058-1VL
138,500
HIS-Select® HS Nickel-Coated 96-Well Plates
HIS-Select ニッケルコーティング高感度マルチウェルプレートは、少
量のヒスチジンタグ融合タンパク質の検出を高精度で行えるようデザ
インされたプレートです。捕捉されたタンパク質は ELISA 法を用い
て検出可能です。 1well あたり、最低 1ng ヒスチジンタグ融合タン
パク質を検出できます。
S5688-1EA
10,100
HIS-Select HC Nickel-Coated 96-Well Plates
HIS-Select High Capacity(HC)Nickel Coated Plate は、独自の
高密度ニッケルキレートマトリクスによりコーティングされています。
他社のプレートと比べて、高結合容量、低非特異結合を示し、得ら
れたヒスチジンタグ融合タンパク質は様々な用途に使用可能です。
96 ウェルプレートで 4µg/well 以上のタンパク質が結合できます。
S5563-1EA
17,826
Nickel Filter Plates96-well
HIS-Select Filter Plate は、固定化金属イオンアフィニティークロマ
トグラフィー (IMAC) を利用した精製用フィルタープレートで、スモー
ルスケールの細胞抽出物からヒスチジンタグ融合タンパク質を精製
するのに適しています。ニッケルでチャージした独自の4座配位キレー
トで誘導体化したシリカ粒子(20µm)の親水性層が 96 ウェルプレー
トに充填されています。
■ 安定した結合性(2 mg/well 以上)。
■ CelLytic™細胞溶解試薬と併用可能。
H0413-1EA
H0413-5X1EA
GST
適用
44,600
182,600
製品名
説明
CAT.NO.
価格 (¥)
Anti-GST antibody produced
in rabbit
特異性:大腸菌で発現させた GST(非変性および変 ■ ウェスタンブロット
性)を認識します。
(1:2,000)
形 状:PBS 溶液(pH 7.4, 15 mM アジ化ナトリウ ■ ELISA
ム含有)溶液
G7781-.2ML
G7781-.5ML
78,000
156,000
Anti-GST–Alkaline
Phosphatase Conjugate antibody produced in rabbit
特異性:大腸菌で発現させた GST(非変性および変 ■ ウェスタンブロット
A5838-.5ML
性)を認識します。
(1:20,000, 化学発光法)
形 状:トリス緩衝液 (pH 8.0, 1% BSA, 1mM
■ ELISA(1:400)
MgCl2, 15 mM アジ化ナトリウム含有 )
標 識:アルカリホスファターゼ
154,800
特異性:大腸菌で発現させた GST(非変性および変 ■ ウェスタンブロット
Anti-GST–Peroxidase
性)を認識します。
(1:2,000, 比色法、
Conjugate antibody produced
形 状:PBS 溶液 (pH 7.4, 0.01% チメロサール含有
in rabbit
1:20,000, 化学発光法)
■ ELISA(1:10,000)
)
標 識:ペルオキシダーゼ (HRP)
Monoclonal Anti-GST antibody produced in mouse
特異性:GST 融合タンパク質を認識します。
形 状:PBS 溶液 (pH 7.4, 15 mM アジ化ナトリウ
ム含有 )
■ ウェスタンブロット
(0.2 ~ 0.4 µg/mL)
Monoclonal Anti-GST antibody produced in rat
特異性:GST 融合タンパク質を認識します。
■ ウェスタンブロット
(0.05 ~ 0.1 µg/mL)
Schistosoma japonicum 由来 GST と特異
的に反応し、ラット、ウサギ、ブタ、ウシ ■ 免疫沈降
の肝臓およびヒト胎盤由来の GST は認識し ■ ELISA
ません。
形 状:PBS 溶液 (pH 7.4, 15 mM アジ化ナトリウ
ム含有 )
A7340-.5ML
145,000
SAB4200237-200UL
81,700
SAB4200055-25UL
SAB4200055-200UL
12,400
75,900
検 出
Monoclonal Anti-polyHistidine antibody
produced in mouse
biomapping
HA
製品名
説明
適用
CAT.NO.
価格 (¥)
Monoclonal Anti-HA
antibody produced in
mouse
特異性:N 末端および C 末端 HA(YPYDVPDYA)タグ
融合タンパク質
形 状:腹水液 (15 mM アジ化ナトリウム 含有 )
■ ウェスタンブロット
(1:10,000, 比色法)
■ 免疫沈降
■ 免疫細胞化学
■ ELISA
Anti-HA-Tag antibody
produced in rabbit
特異性:N 末端および C 末端 HA(YPYDVPDYA)タグ
融合タンパク質
形 状:PBS 溶液(0.02% アジ化ナトリウム含有 , 50%
glycerol)
■ ウェスタンブロット
SAB4300603-100UG
(1:500 ~ 1:1000 , 比色法)
32,600
Anti-HA tag antibody
produced in chicken
特異性 : HA (YPYDVPDYA) タグ融合タンパク質
形 状 : PBS 溶液 (0.02% アジ化ナトリウム含有)
■ ELISA
GW22511-50UG
51,500
Anti-HA antibody produced in rabbit,
Affinity Isolated
特異性:N 末端および C 末端 HA(YPYDVPDYA)
タグ融合タンパク質
形 状:PBS 溶液(pH 7.4, 1%BSA, 15 mM アジ化ナ
トリウム含有)
■ ウェスタンブロット
(1:1,000)
■ 免疫沈降(1:200)
■ 免疫細胞化学(1:50)
H6908-.2ML
H6908-.5ML
Monoclonal Anti-HA,
Biotin Conjugate
antibody produced
in mouse
特異性:N 末端および C 末端 HA(YPYDVPDYA) タグ融 ■ ウェスタンブロット
B9183-100UG
(0.25 ~ 0.50 µg/mL, 化学
合タンパク質
発光法)
形 状:PBS 溶液、pH 7.4(1%BSA、防腐剤として 15
mM アジ化ナトリウム含有)
標 識:ビオチン
H9658-.2ML
88,000
95,900
191,800
65,700
Monoclonal Anti-HA - 特異性:N 末端および C 末端 HA(YPYDVPDYA)タグ ■ ウェスタンブロット
融合タンパク質
(1:4,000, 比色法)
Alkaline Phosphatase
antibody produced in 形 状:Tris 緩衝液溶液、pH 8.0(1%BSA、1mM
mouse
MgCl2、50% グリセロール、防腐剤として
15mM アジ化ナトリウム含有)
A5477-500UG
169,800
Monoclonal Anti-HA - 特異性:N 末端および C 末端 HA(YPYDVPDYA)
タグ融合タンパク質
Peroxidase antibody
形 状:凍結乾燥品、0.5mL の脱イオン水で復元後
produced in mouse
PBS 溶液(1% BSA, 0.01% チメロサール含有 )
標 識:ペルオキシダーゼ (HRP)
H6533-1VL
124,700
標 識 :アルカリホスファターゼ
Monoclonal Anti-HA,
FITC conjugate antibody produced in
mouse
■ ウェスタンブロット
(1:4,000, 化学発光法)
特異性:N 末端および C 末端 HA(YPYDVPDYA) タグ融 ■ 免疫蛍光染色
合タンパク質
(1 ~ 5 µg/mL)
形 状:PBS 溶液、pH 7.4(1%BSA、防腐剤として 15
mM アジ化ナトリウム含有)
標 識:FITC
Monoclonal Anti-HA - 特異性:N 末端および C 末端 HA タグ(YPYDVPDYA) ■ 免疫蛍光染色
融合タンパク質
(10 ~ 15 µg/mL)
TRITC antibody pro形 状:PBS 溶液、pH 7.4(1%BSA、防腐剤として 15
duced in mouse
mM アジ化ナトリウム含有)
標 識 :TRITC(ローダミン)
H7411-100UG
65,900
H9037-200UG
111,900
テクニカルサポート:03-5796-7330
c-Myc
製品名
説明
Monoclonal Anti-cMyc antibody produced in mouse
特異性:N 末端および C 末端 c-Myc タグ
■ ウエスタンブロット
(1:5,000, 化学発光法)
(EQKLISEEDL) 融合タンパク質
形 状:PBS 溶液 (pH 7.4, 15 mM アジ化ナトリウム含 ■ 免疫沈降
有)
■ 免疫組織化学
■ 免疫蛍光染色
M4439-100UL
Monoclonal Anti-cMyc antibody produced in mouse
特異性:N 末端および C 末端 c-Myc タグ
(EQKLISEEDL) 融合タンパク質
形 状:腹水液 (15 mM アジ化ナトリウム含有 )
■ ウェスタンブロット
(1:100, 比色法)
■ 免疫沈降
■ 免疫組織化学(1:500)
■ ELISA
M5546-.2ML
M5546-.5ML
77,000
153,600
Anti-c-Myc antibody
produced in rabbit,
Affinity Isolated
特異性:N 末端および C 末端 c-Myc タグ
(EQKLISEEDL) 融合タンパク質
形 状:PBS 溶液 (pH 7.4, 1%BSA, 15 mM アジ化ナト
リウム含有 )
抗体濃度:約 0.5mg/mL
■ ウェスタンブロット
(0.5~1.0µg/mL)
■ 免疫細胞化学(5 ~ 10
µg/mL, メタノール:アセ
トン固定細胞)
■ 免疫沈降
C3956-.2MG
95,900
B7554-100UG
70,900
よく
使われています
適用
特異性:N 末端または C 末端 c-Myc タグ(EQKLISEEDL) ■ ウェスタンブロット
Monoclonal Anti-c融合タンパク質
(0.05 ~ 0.1 µg/mL, 化学
Myc - Biotin antibody
形 状:PBS 溶液 pH 7.4(1%BSA、防腐剤として 15
発光法)
produced in mouse
mM アジ化ナトリウム含有)
CAT.NO.
47
価格 (¥)
77,200
標 識:ビオチン
Monoclonal Anti-cMyc - Alkaline
Phosphatase antibody
produced in mouse
特異性:N 末端および C 末端 c-Myc タグ
(EQKLISEEDL) 融合タンパク質
形 状:トリス緩衝液 (pH 8.0, 1%BSA, 1mM MgCl2,
50% グリセロール , 0.1% アジ化ナトリウム含
有)
標 識:アルカリホスファターゼ
■ ウェスタンブロット
(1:100, 比色法)
A5963-.5ML
Anti-c-Myc -
Peroxidase antibody
produced in rabbit
特異性:N 末端および C 末端 c-Myc タグ
(EQKLISEEDL) 融合タンパク質
形 状:PBS 溶液 (pH 7.4, 1%BSA, 0.01% チメロサー
ル含有 )
標 識:ペルオキシダーゼ (HRP)
■ ウェスタンブロット
(1:5,000)
A5598-500UG
85,600
Monoclonal Anti-cMyc - FITC antibody
produced in mouse
特異性:N 末端または C 末端 c-Myc タグ(EQKLISEEDL) ■ 免疫蛍光染色(5.0 µg/
融合タンパク質
mL)
形 状:PBS 溶液、pH 7.4(1%BSA、防腐剤として 15
mM アジ化ナトリウム含有)
標 識:FITC
F2047-100UG
58,800
147,400
■ 免疫蛍光染色(1:50)
C6594-.5ML
Monoclonal Anti-MYC , 特異性:ヒト c-myc の C 末端領域(AEEQKLISEEDLL)
(C-terminal) antibody 形 状:PBS 溶液 (pH 7.4, 15 mM アジ化ナトリウム 含
有)
produced in mouse
■ フローサイトメトリー
(1 ~ 5 µg/mL)
SAB4700447-100UG
30,900
Monoclonal Anti-MYC- 特異性:ヒト c-myc の C 末端領域(AEEQKLISEEDLL)
FITC , (C-terminal) anti- 形 状:PBS 溶液 (pH 7.4, 15 mM アジ化ナトリウム 含
有)
body produced in
標 識:FITC
mouse
■ フローサイトメトリー
(1:200)
SAB4700448-100UG
46,800
106,400
トリウム含有)
標 識:Cy3
検 出
特異性:N 末端および C 末端 c-Myc タグ
Monoclonal Anti-cMyc - Cy3 ™ antibody
(EQKLISEEDL) 融合タンパク質
形 状:PBS 溶液(pH 7.4, 1%BSA, 15 mM アジ化ナ
produced in mouse
biomapping
FLAG® 発現システム
FLAG システムは FLAG ベクターにより目的タンパク質に融合して発現される短い 8 アミノ酸の、親水性ペプチド
(Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys)を用いています。 FLAG ペプチドには特異性の高い ANTI-FLAG® モノ
クローナル抗体(M1, M2, M5)およびポリクローナル抗体の結合部位があり、それぞれ異なる認識特性や結
合特性を持っています。FLAG ペプチドは親水性なので融合タンパク質の表面付近に存在しやすくなっています。
そのため抗体が認識しやすく、またエンテロキナーゼによるタグの切断も容易になります。加えて FLAG ペプチ
ドは小さいので融合タンパク質の他のエピトープやドメインを覆ってしまったり、機能を変えたり、分泌、移動
を阻害する可能性が抑えられている最適なシステムです。
本プロトコールでは、FLAG 融合タンパク質の発現から抗 FLAG 抗体を用いたアフィ二ティー精製、検出(ウェ
スタンブロット、免疫染色)についての実験プロトコール例を紹介します。
(1)FLAG システムを使用する実験のフロー
プラスミド(コンストラクト)の作製
サブクローニング
目的に合った FLAG タグ発現ベクターの選択
インサート配列の設計、PCR による増幅
ベクターの制限酵素による切断
インサートとベクターのライゲーション
クローニング
大腸菌の形質転換
線画培養(シングルコロニー単離)
、培養
プラスミド抽出(ミニプレップ)
ベクター結合部の DNA 配列の確認
→目的のプラスミド(コンストラクト)完成
大腸菌による発現
哺乳動物細胞による発現
タンパク質発現用大腸菌の形質転換
線画培養(シングルコロニー単離)
、培養
培養細胞へ発現ベクターのトランスフェクション
(安定発現の場合:抗生物質によるクローンの単離、確立)
ウェスタンブロットによる発現の確認
スモールスケールによる確認
発現誘導条件のテスト
タンパク質抽出条件のテスト(局在の確認)
タンパク質の発現・抽出
形質転換した大腸菌の大量培養
タンパク質の発現誘導
タンパク質の抽出
導入した細胞の大量培養
タンパク質の抽出
タンパク質の精製
タンパク質の精製
アフィニティーゲルの準備・吸着
FLAG タグ融合タンパク質の溶出
SDS-PAGE、ウェスタンブロットによる確認
目的の用途に使用
タンパク質の機能解析
相互作用解析
構造解析など
導入した細胞の培養
免疫染色
テクニカルサポート:03-5796-7330
49
大腸菌における FLAG® タグ融合タンパク質の発現
FLAG 融合タンパク質を発現させるには最適なベクター、宿主、条件を選ぶことが必要です。
ここでは大腸菌での発現におけるポイントをいくつかまとめました。
(A)大腸菌発現用ベクターの種類
実験の目的やタンパク質の性質に応じて、ベクターのプロモーターの種類、発現したタンパク質に輸送シグナ
ルを付けるか、FLAG タグは N 末端に付けるか C 末端に付けるかなどを検討して適した発現用ベクターを選択し
ます。ベクターの選択に関しては便利な選択ガイド(5~10 ページ)をご覧ください。
(B)発現用宿主(タンパク質を発現させる大腸菌)について
DH5α® と BL21(DE3)は最も広く使用されている宿主で、FLAG 融合タンパク質を発現させる場合にも有用な
菌株です。ただし、宿主株を使用したデータがない場合、タンパク質と宿主の組み合わせは実験的に決定する
必要があります。各種プロモーターの説明に関しては選択ガイドの 4 ページをご覧ください。
(C)発現の誘導条件
融合タンパク質の発現には多くの因子が関与しています。最適化に重要な条件としては、以下の因子が挙げら
れます。
発現に使用する宿主株
FLAG タグ融合タンパク質の生化学的性質および、それが宿主株に与える生理学的影響
誘導を開始する時間(開始時の OD600 値)、温度、誘導時間
Sigma の調査では、宿主 LE392 における FLAG-BAP ™ 融合タンパク質の発現は、0.4% グルコース、50 µg/
mL アンピシリンを含む LB 培地中に 37℃で対数増殖期(OD600=1.0)まで培養後、500 µM IPTG で 2 時間
の誘導のとき最適な結果を示しました。
最適な条件はご使用する際に実験的に決める必要があります。以下にプロトコール例を紹介しています。
1.FLAG タグ発現ベクターで形質転換した発現用の大腸菌 を、50 µg/mL アンピシリンおよび 0.4% グルコー
スを含む LB 培地( 1.5 ∼ 2mL 程度)で一晩 37℃で培養する。
2.一晩培養した培養液を 0.2 mL 取り、50 µg/mL アンピシリンおよび 0.4% グルコースを含む 20 mL の LB 培
地に添加し、OD600 が 0.2 ∼ 1.0 になるまで 37℃で培養を続ける。※ OD あるいは温度を変更し発現量の
改善を検討する
3.この誘導前の培養液の 0.5 mL をマイクロ遠心チューブに取り、遠心して大腸菌をペレット化する。 25 µL の
SDS-PAGE サンプルバッファーで懸濁して、95℃で 5 分間加熱した後、凍結して保存する。
4.残りの培養液には最終濃度 500 µM になるように IPTG を加え、37℃で培養を続ける。
5.誘導の 2、4、6 時間後に各 OD600 を測定し、培養液の一部をそれぞれ分取る。 IPTG による誘導開始時点
と等しい OD になるように LB 培地で希釈する。 マイクロ遠心チューブにそれぞれ 0.5 mL 取り、遠心して
大腸菌をペレット化する。 25 µL の SDS-PAGE サンプルバッファーで懸濁して、95℃で 5 分間加熱した後、
凍結して保存する。
6.SDS 電気泳動または抗 FLAG M2 抗体によるウェスタンブロットで、誘導前(3)と誘導後(5)の各サンプ
ルを比較し、タンパク質発現量の多い誘導条件を決定する。
7.発現量をさらに改善する必要がある場合は、誘導条件( IPTG 濃度、誘導時間、温度)あるいは宿主を変更
する。※
※タンパク質発現が不足している場合は、別の宿主を形質転換する前に、誘導条件の最適化をご検討下さい。
FLAG特集
タンパク質発現の誘導条件検討プロトコール例
biomapping
大腸菌宿主で発現させたタンパク質の抽出
発現させた FLAG® タグ融合タンパク質は、使用したベクターや目的タンパク質の性質によって大腸菌の細胞質
内に存在するかペリプラズム内や細胞外に分泌されます。細胞質内にあるとき目的の FLAG タグ融合タンパク
質は、溶解バッファーで可溶化する場合と不溶物になる場合があります。どの分画に局在するかはベクター、宿
主大腸菌、目的タンパク質の性質などが影響します。
従って、初めて行う組み合わせの際、以下のように発現した FLAG タグ融合タンパク質の局在を確認する実験を
行い、最終的にラージスケールで抽出させます。
(A)発現した FLAG タグ融合タンパク質の局在確認
発現した FLAG タグ融合タンパク質が以下のどの分画に局在するか調べるため、以下の各分画を回収して SDS
電気泳動またはウェスタンブロットによって FLAG タグ融合タンパク質の発現を確認します。
(a)全細胞サンプル
(b)細胞内分画(可溶性分画または不溶物分画)
(c)細胞外分画
(d)ペリプラズム分画
※ペリプラズムに分泌させるベクター以外を用いて発現させた場合、(d)の確認試験は不要です。また、こ
のベクターを用いた場合でも、タンパク質の性質によって細胞内の不溶物分画に局在することもあります。
ペリプラズム分画を除いて各分画は分析に使用するまで -70℃で保存することができます。
発現したタンパク質の局在確認のプロトコール例
まず、適切な条件で培養し発現誘導を行った大腸菌を用意します。大腸菌培養液は(a)∼(d)まで行う場
合は 50 mL 程度、
(a)∼(c)だけの場合は 2.5 ∼ 5 mL 程度必要です。
(a)全細胞サンプルの抽出・確認
1.発現誘導させた培養液 0.5 mL を取り、最高速度で 2 分間遠心して大腸菌をペレット化する。
2.25 µL の SDS-PAGE サンプルバッファーで懸濁して、95℃で 5 分間加熱する。(凍結保存可能)
3.SDS 電気泳動またはウェスタンブロットで発現の確認を行う。
(b)細胞内分画の抽出・確認
1.発現誘導させた培養液から 1.5 mL 取り、最高速度で 2 分間遠心して大腸菌をペレット化する。
2.上清を回収し(手順 c で使用します)、CelLytic ™ B(CAT.NO.B7435)を 0.4 mL 加えてペレットを懸濁する。
3.軽くボルテックスしてペレットをよく懸濁し、5 ∼ 10 分間混和して可溶性タンパク質を抽出する。
4.抽出後、最高速度で 5 分間遠心し、不溶物をペレット化させる。
5.上清(可溶性タンパク質分画)を回収します。
6.回収した上清と不溶物のそれぞれに SDS-PAGE サンプルバッファーを添加し、95℃で 5 分間加熱する。
7.SDS 電気泳動やウェスタンブロットで分析し、目的タンパク質がこの分画にあるか調べる。(SDS-PAGE の各
サンプルには 5 ∼ 15 µL が適している)
(c)細胞外分画の抽出・確認
(. b)で遠心した上清 1 mL を回収する。
1.
2.トリクロロ酢酸( TCA)で沈殿またはスピンフィルターで濃縮したサンプルに適量の SDS-PAGE サンプルバッ
ファーを添加し、95℃で 5 分間加熱する。
3.SDS 電気泳動やウェスタンブロットで分析し、目的タンパク質がこの分画にあるか調べる。
(d)ペリプラズム分画の抽出(浸透圧ショック法)
・確認
注意:凍結融解は細胞を破壊し、ペリプラズムに細胞質性タンパク質が混入するため凍結は行わないで下さい。
1.残りの培養液(約 50 mL)を 5,000 x g で 10 分間、10℃で遠心し、大腸菌をペレット化する。
2.ペ レットを室温に戻し、8 mL の浸透圧ショック用バッファー( 0.5 M Sucrose, 0.03 M Tris-HCl( pH 8.0),
1mM EDTA)で細胞ペレットを懸濁する。
3.浸透圧ショックを与えるため、3,500 x g で 10 分間、10℃で遠心する。
4.上清を除去し、直ちに 5 mL の氷冷した蒸留水で大腸菌ペレットを懸濁する。
5.3,500 x g で 10 分間、4℃で混合液を遠心し、上清を直ちに回収する。
6.回収した上清 50 µL と 50µL の 2xSDS-PAGE サンプルバッファーを混合し、95℃で 5 分間加熱する。(この時
点では凍結保存可能)
7.SDS 電気泳動またはウェスタンブロットで分析し、目的タンパク質がこの分画にあるか調べる。
テクニカルサポート:03-5796-7330
51
(B)各分画のタンパク質抽出
ここではラージスケールで培養した大腸菌からタンパク質を抽出する方法をご紹介します。
プロトコールの詳細は各製品のデータシート(Bulletin, Product Information Sheet)などをご参照下さい。
例 1. 大腸菌細胞質内で発現しているタンパク質の抽出
1.前もって最適化した条件に従って培養・誘導した大腸菌培養液 250 mL を 5,000 x g で 10 分間遠心し、大腸
菌をペレット化する(OD600 が約 2.0 のとき約 1 g に相当)。
2.上清を除去する。(大腸菌ペレットは凍結可能です)
3.大腸菌ペレット 1 g あたり10 ∼ 20 mL の CelLytic ™ B(CAT.NO.B7435)を加え、細胞が完全に懸濁する
まで混ぜる。
4.振とうしながら室温で 10 ∼ 15 分インキュベートしてタンパク質を抽出する。
5.抽出後、16,000 x g で 10 分間遠心し、不溶物をペレット化する。
6.上清(可溶性タンパク質)を回収する。
7.上清(可溶性タンパク質分画)に目的のタンパク質が局在している場合は、この上清を目的の用途に用い
る。不溶物(封入体)に目的のタンパク質が局在している場合は、次の手順「封入体からのタンパク質抽出」
を行う。
【封入体からのタンパク質抽出】
1.前述の手順で得た不溶物ペレット(封入体)の重量を測定する(空の容器の重量を差し引くことで算出)。
2.封入体 1 g あたり8 mL の CelLytic IB(CAT.NO.C5236)を添加し、1 分間ボルテックスして混ぜる。
3.室温で振とうしながら 30 分間インキュベートする。
4.室温で 16,000 x g、15 分間遠心し、細胞片を沈殿させる。
5.遠心後、上清を回収し、目的の用途に使用することができる。
※封入体から得られたタンパク質は必要に応じ、透析などによってリフォールディングを行います。
詳細は CelLytic IB(CAT.NO.C5236)のデータシートや一般的な実験書などをご参照下さい。
FLAG特集
例 2. 大腸菌ペリプラズム内で発現しているタンパク質の抽出
以下の浸透圧ショック処理は、ペリプラズムに分泌される FLAG® タグ融合タンパク質に適しています。
前もって最適化した培養および誘導条件に従い、
培養・誘導を行った大腸菌培養液250 mLを5,000 x gで10分間、
10℃で遠心し、大腸菌をペレット化します(OD600 が約 2.0 のとき約 1 g に相当)。
1.室温で 10 mM Tris-HCl バッファー( pH 8.0)40 mL で大腸菌ペレットを懸濁する(大腸菌 1 g あたり40 ∼
80 mL を使用)。
2.3,500 x g で 10 分間、10℃で懸濁液を遠心する。
3.上清を除去し、室温で 10 mM Tris-HCl バッファー(pH 8.0)40 mL を加えてペレットを再び懸濁する。
4.3,500 x g で 10 分間、10℃で遠心する。
5.室 温で浸透圧ショック用バッファー( 0.5 M Sucrose, 0.03 M Tris-HCl( pH 8.0), 1 mM EDTA)を 40 mL
加えて細胞ペレットを懸濁する(細胞 1 g あたり40 mL の浸透圧ショック用バッファーを使用)。
6.3,500 x g で 10 分間、10℃で遠心する。
7.上清を除去後、直ちに 30 mL の氷冷した蒸留水で細胞ペレットを懸濁する(大腸菌 1 g あたり25 ∼ 35 mL
の氷冷した蒸留水を使用)。
8.3,500 x g で 10 分間、4℃で混合液を遠心する。
9.上清を直ちに回収する。
10.等量の 2xTBS(pH 7.4)を上清に加える。
(精製時に抗 FLAG M1 抗体アフィニティーゲルを用いる場合のみ、最終濃度が 1 mM となるように CaCl2
11.
を加える)
12.25,000 x g で 60 分間、4℃で混合液を遠心する。
13.直ちに上清を回収する。
14.上清をろ紙(Whatman Grade No 1 など)を用いてろ過するとタンパク質溶液が得られる。
biomapping
FLAG® タグ融合タンパク質の精製
抗 FLAG 抗体アフィニティーゲルを用いると夾雑物の少ない FLAG タグ融合タンパク質が簡便に精製できます。
Sigma® はカルシウムのキレートによる溶出ができる抗 FLAG M1 抗体アフィニティーゲル、ならびに、もっとも
よく使われている抗 FLAG M2 抗体アフィニティーゲルをご用意しています。
(I)抗 FLAG 抗体アフィニティーゲルの特徴(詳細は 27 ページをご覧ください)
抗 FLAG アフィニティーゲル
CAT.NO.
タグ
特徴
※ Met-N 末端 FLAG タグ融合タンパク質には結合しません。(そのため細胞質内に発現したプ
ロセスを受けていないタンパク質の精製には適していません。)
一般的に、FLAG タグの直前に分泌シグナル配列があると細胞内プロテアーゼで切断されて、
M1 抗体で認識できます。
FLAG M1 抗体の反応は Ca2+ に依存するため、EDTA によるキレートで溶出が可能です。
溶出方法: EDTA、FLAG ペプチド、3xFLAG ™ペプチド、グリシン塩酸バッファーなど
M1 抗体
A4596
N 末端のみ認識
M2 抗体
A2220
F2426
もっともよく使われているアフィニティーゲルです。
N 末端、
溶出方法: FLAG ペプチド、3xFLAG ペプチド、グリシン塩酸バッファーなど
C 末端、
Met-N 末端どれも CAT.NO.F2426 はゲルが赤色で目視しやすいため、操作によるロスが起こりにくく、少量の精
認識します
製に役立ちます。
(II)FLAG タグ融合タンパク質の溶出方法について
(1)EDTA による溶出
抗 FLAG M1 抗体アフィニティーゲルを用いたときのみ行うことができます。
EDTA は 2 価陽イオンをキレートするため抗 FLAG M1 抗体アフィニティーゲルから FLAG タグ融合タンパク
質を溶出します。マイルドな条件で溶出できますが、目的タンパク質の活性に 2 価陽イオンが必要な場合
は適さないことがあります。
(2)FLAG ペプチドによる溶出
FLAG ペプチドによる競合的作用によって FLAG タグ融合タンパク質を溶出します。
ペプチドはマイルドな条件で溶出したい場合に最適です。
(3)グリシン塩酸バッファー( pH 3.5)による溶出
一般的に溶出能は高くなりますが、非常に過酷な条件であり、目的タンパク質が酸性 pH により変性するこ
とがあります。
(III)FLAG タグ融合タンパク質の精製プロトコール例
ここでは FLAG タグ融合タンパク質を抗 FLAG M2 抗体アフィニティーゲルを用いて精製する方法をご紹介しま
す。
抗 FLAG M2 抗体アフィニティーゲル(CAT.NO.A2220)は 1 mL あたり0.6 mg 以上の FLAG タグ融合タンパク
質(49 kDa の場合)と結合できます。適切な条件下では、20 回以上の再利用が可能です。
アフィニティーゲルが FLAG タグ融合タンパク質により飽和するようにゲルの使用量を調節すると、最良の結果
が得られます。これにより、他のタンパク質による非特異的結合が最小限に抑えられます。
DTT や 2- メルカプトエタノール( 2- mercaptoethanol)などの還元剤がサンプルに含まれている場合、抗
FLAG M2 抗体アフィニティーゲルの重鎖と軽鎖を結ぶジスルフィド結合が還元されます。これにより、抗 FLAG
M2 抗体がゲルから溶脱し、溶出分画に混入するとともに、アフィニティーゲルの結合能が喪失するおそれがあ
ります。
精製するタンパク質抽出液(細胞溶解液)の調製は CelLytic ™シリーズが使用できます。 CelLytic はマイルド
な界面活性剤などを配合したバッファー溶液で、大腸菌用、哺乳動物細胞用などがあります。この組成は抗
FLAG M2 抗体アフィニティーゲルによる精製には影響しないため、CelLytic による溶解液をそのままアフィニ
ティー精製に用いることができます。
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アフィニティー精製プロトコール概要
(1)アフィニティーゲルの準備と吸着(以下のいずれかの方法)
(a)免疫沈降 Immunoprecipitation:少量のタンパク質抽出液(1 ∼ 2 mL 程度以下)の場合
(b)バッチ方式 Batch Absorption:多量のタンパク質抽出液から精製する場合
(c)カラムクロマトグラフィー Column Chromatography:タンパク質抽出液が少量から 100 mL 程度
の場合
(2)溶出(以下のいずれかの方法)
(a)FLAG® ペプチド: マイルドに溶出したい場合に最適。
(b)グリシン塩酸バッファー:溶出能を高めたい場合に有用。ただしタンパク質が変性するおそれがあり
ます。
(c)SDS サンプルバッファー:強力な溶出。ただし抗体が変性や溶脱し、アフィニティーゲルは再利用不能。
(3)アフィニティーゲルの再利用・保存(必要に応じて)
タンパク質抽出液(細胞溶解液)について
抗 FLAG M2 抗体アフィニティーゲルに用いるタンパク質抽出液(細胞溶解液)は 0.15 M NaCl を含む中性 pH
の溶液が適しています。 Sigma® の細胞溶解液 CelLytic ™シリーズで抽出したタンパク質溶液は抗 FLAG M2 抗
体アフィニティーゲルに使用可能です。
尚、使用に適さない界面活性剤や塩が含まれる場合は、透析や脱塩などでバッファーを交換することを推奨し
ます。界面活性剤と塩の種類、濃度の詳細はアフィニティーゲル CAT.NO.A2220 のデータシートをご参照下さ
い。
プロテアーゼによるタンパク質の分解を抑えるため、プロテアーゼインヒビターを添加する場合もあります。 哺乳動物細胞由来サンプルの場合は、脱リン酸化を抑えるホスファターゼインヒビターの添加を行うこともあり
ます。
以下の吸着と溶出は 2-8℃あるいは室温で行います。
(1)アフィニティーゲルの準備と吸着
(a)免疫沈降 Immunoprecipitation:少量のタンパク質抽出液(1 ∼ 2 mL 程度以下)の場合に推奨
以下はタンパク質抽出液が 0.2 ∼ 1 mL のときのプロトコール例です。
使用する各試薬の量はタンパク質抽出液の量によって適度に変更して下さい。
1.抗 FLAG M2 抗体アフィニティーゲルが均一になるように懸濁し、すぐに 40 µL を新しい 1.5 mL マイクロ遠心
チューブに移す。
2.500 µL の TBS(50 mM Tris HCl, 150 mM NaCl, pH 7.4)を加え、軽くボルテックスしてから 8,200 x g で
30 秒間遠心する。上清を除去し、チューブを氷上に置く。
※シリンジなどを使うことでビーズを吸わず上清だけを除去することができる。
3.手順 2 を繰り返す。
4.0.2 ∼ 1 mL のタンパク質抽出液(細胞溶解液)を 3 のビーズに添加する。最終液量を 1 mL にすると効率
が良くなる。
5.軽く振とうまたは回転させながら 2-8℃で 1 ∼ 2 時間(あるいは一晩)インキュベートする。
6.8,200 x g で 30 秒間 4℃で遠心し、上清を除去する(場合によって上清も後の分析に使用)。チューブを氷上
に置く。
7.
500 µLのTBS を加え、軽くボルテックスし、軽く振とうまたは回転させながら2-8℃で5分間インキュベートする。
8,200 x g で 30 秒間 4℃で遠心し、上清を除去する。
8.手順 7 を 2 回以上繰り返す。最後の上清を除去後、「溶出」手順に進む。
FLAG特集
以下の (a) ∼ (c) いずれかの方法で FLAG タグ融合タンパク質の吸着を行います。
※アフィニティービーズをマイクロピペットで吸い取る際、ビーズがチップの先端に詰まることがありま
すので、幅広チップまたは先端を 1 mm 程度切り落としたチップをお使い下さい。
biomapping
(b)バッチ方式 Batch Absorption:多量のタンパク質抽出液から精製する場合に推奨
(1)の(a)と同様の手順で行います。タンパク質抽出液の量に応じて試薬やチューブのサイズを変更し
て下さい。
(c)カラムクロマトグラフィー Column Chromatography
カラムに抗 FLAG M2 抗体アフィニティーゲルを入れ、タンパク質抽出液を自然落下で複数回通すことで
結合させます。アフィニティーゲル 1 ∼ 3 mL でタンパク質抽出液 100 mL まで精製できます。バッファー
などによる洗浄が簡便に行える利点があります。
カラムで行う場合、細胞の残骸や微粒子はカラムを詰まらせることがあるため、サンプルから除去する必
要があります。 DNA や RNA を含む高粘度のサンプルは詰まらないように、超音波やヌクレアーゼ処理を
行って粘性を減らします。
1.空のクロマトグラフィーカラム(CAT.NO.C2103 など)を安定な支持台に設置する。
2.上部および下部のタブを取り除き、カラムを TBS(50 mM Tris HCl, 150 mM NaCl, pH 7.4)で 2 回すすぐ。
落ち切らずカラム内に残った TBS は次の手順でアフィニティーゲルを充填しやすいよう、そのままにしておく。
3.抗 FLAG M2 抗体アフィニティーゲルを均一に懸濁し、使用する量をすぐにカラムに移す。
4.そのまま排水し、カラムに TBS を加えてゲルをピペッティングによってリンスし、排水する。もう一度繰り返す。
ゲルは常に乾燥させないようにして下さい。
5.カラムの 3 倍量の 0.1 M グリシン塩酸バッファー( pH 3.5)でゲルを洗浄する。この状態で 20 分以上置かな
いようにする。
6.カラムの 5 倍量の TBS でゲルを洗浄する。
7.目的のタンパク質抽出液を自然落下でカラムに添加し、カラムがあふれないようにすべてのサンプルをカラ
ムに通す。 1 回の通過ですべての抗原は吸着しないため、数回繰り返すことで回収量を上げます。
8.カラムの 10 ∼ 20 倍量の TBS でゲルを洗浄する。排出液は廃棄する。「溶出」手順に進む。
実験のヒント:プレクリアーについて
サンプルの細胞溶解液に含まれるタンパク質がアフィニティーゲルに非特異的に結合し、最終的な溶出液に
混入することがあります。この非特異的なタンパク質混入を抑えるため、細胞溶解液を抗体のついていない
ゲルとあらかじめインキュベートして除去することもあります(プレクリアー)。
プレクリアーには、抗 FLAG M2 抗体アフィニティーゲルと同様の支持体(4% agarose bead)の
Sepharose® CL4B(CAT.NO.CL4B200)やマウス IgG- アガロース(CAT.NO.A0919)などが適しています。
(2)溶出
前述の手順で得たアフィニティーゲルを以下の(a)∼(c)いずれかの方法によって FLAG® タグ融合タンパ
ク質を溶出します。溶出後のタンパク質溶液は 2-8℃で短期間の保存、冷凍で長期間の保存が可能です。
(a)FLAG ペプチドを用いた競合による溶出
FLAG タグ融合タンパク質には FLAG ペプチド、3xFLAG™タグ融合タンパク質には 3xFLAG ペプチドによ
る溶出が適しています。 3xFLAG タグ融合タンパク質は FLAG ペプチドでは溶出できません。
FLAG タグ融合タンパク質の溶出に 3xFLAG ペプチドを用いることも可能です。
以下は FLAG ペプチドによる溶出プロトコールですが、3xFLAG ペプチドの場合も同様です。
FLAG ペプチド(CAT.NO.F3290)を TBS バッファーで 100 µg/mL ( または 150 µg/mL) に溶解し、溶
出液とします。
【免疫沈降、バッチ方式の場合】
アフィニティーゲルに 100 µL の溶出液を加え、軽く振とうしながら 2-8℃で 30 分間インキュベートします。
8,200 x g で 30 秒間遠心し、上清を回収します。
【カラムクロマトグラフィーの場合】
アフィニティーゲルの入っているカラムに、カラムの 5 倍量の溶出液を添加して排出液を回収します。
(b)グリシン塩酸バッファーを用いた酸溶出
溶出液として 0.1 M グリシン塩酸バッファー( pH 3.5)を調製します。
【 免疫沈降、バッチ方式の場合】
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1-1. 中和液として 0.5 M Tris HCl, pH 7.4, 1.5 M NaCl を調製し、新しいチューブに 10 µL 入れる。
1-2. 100 µL の 0.1 Mグリシン塩酸バッファー(pH 3.5)を(1) で吸着させたアフィニティーゲルに添加する。
1-3. 室温で軽く揺らしながら 5 分間インキュベートする。
1-4. 1-3 の溶液を 8,200 x g で 30 秒間遠心し、直ちに 1-1 のチューブ(中和液の入っているチューブ)に
添加する。
【カラムクロマトグラフィーの場合】
2-1. 中和液として 1 M Tris, pH 8.0 溶液を調製し、6 本のチューブに各 15 ∼ 25 µL 入れておく。
2-2. (1) で吸着させたアフィニティーゲルの入っているカラムに、1 mL の溶出液をロードし、排出液を
2-1 のチューブに入れる。これを計 6 回行う。
※アフィニティーゲルにグリシン塩酸バッファー(pH 3.5)を添加した状態で 20 分以上置かないようにして下さい。
(c)SDS サンプルバッファーによる溶出
この溶出方法は抗体を変性させるためアフィニティーゲルは再利用できなくなります。
また、還元剤によって抗体の重鎖 ( 約 50 kDa) および軽鎖 ( 約 25 kDa) が溶脱し、溶出液に混入すること
もあります。この影響を最小限に抑えるため、サンプルバッファーは 2- メルカプトエタノールおよび DTT
などの還元剤を用いません。どうしても使用する場合はそれぞれ 5% 以下、50 mM 以下にします。
1.20 µL の 2xLaemml サンプルバッファー(CAT.NO.S3401; 125 mM Tris HCl, pH 6.8, 4% SDS, 20%
glycerol, 0.004%bromophenol blue)を (1) で吸着させたアフィニティーゲルに添加する。(カラム
クロマトグラフィーの場合は、チューブに移してから行う)
2.5 分間煮沸後、軽くボルテックスし、8,200 x g で 30 秒間遠心して、上清を回収する。
そのまま SDS 電気泳動に使用することもできる。
(3)アフィニティーゲルの再利用・保存
大腸菌サンプルの場合、約 20 回の再利用ができますが、サンプルの状態などによって再利用時の吸着率は変
化します。
(IV)FLAG® タグの切断プロトコール例
N 末端の FLAG および 3xFLAG™タグはエンテロキナーゼ(enterokinase)による切断が可能です。実験の目
的に応じてタグを除去する。
1.500 mM Tris 塩酸バッファー pH 8.0(2.0 mM CaCl2, 1% TWEEN® 20 含有)を用いて FLAG タグ融合タンパ
ク質の溶液を 1.5 mg/mL,pH 7.0 ∼ 8.0 に調製する。
2.タンパク質 1 mg あたり約 0.02 units のエンテロキナーゼ溶液(CAT.NO.E4906)を添加する。
3.反応液を約 25℃で 16 時間インキュベートして FLAG ペプチドを切断する。
尚、切断反応の最適化には反応時間(通常 2 ∼ 18 時間)、酵素量、反応温度などを調節します。
また、反応後の溶液から切断された FLAG を除去する場合には、FLAG ペプチドと目的タンパク質の分子量の差
を利用して、ゲルろ過、透析あるいは限外ろ過などで除去可能です。切断反応液中のエンテロキナーゼは、抗
エンテロキナーゼ抗体アガロースによって取り除くことができます。アガロースビーズに抗エンテロキナーゼ抗
体が固定化されているため、切断反応液から遠心によって容易に分離することができます。
抗エンテロキナーゼ抗体アガロースはエンテロキナーゼ除去キット(CAT.NO.PRK-E)に付属しています。
FLAG特集
【カラムクロマトグラフィーの場合】 ※免疫沈降、バッチ方式の場合は、下記プロトコールを参考に行って下さい。
1.溶出を終えてすぐのカラムに 3 倍量の 0.1 M グリシン塩酸バッファー(pH 3.5)を入れてそのまま排出する。
2.直ちに TBS 溶液をアプライし、排出液の pH が中性になるまで TBS 溶液を流す。
3.カラム 10 倍量の 50% のグリセロールを含む TBS または PBS 溶液をアプライしてそのまま排出する。
4.排出を止め、新たに 5 mL の 50% のグリセロールを含む TBS または PBS 溶液(0.02% アジ化ナトリウム含有)
を添加する。 2-8℃または -20℃で保存することができる。
biomapping
抗 FLAG 抗体による実験プロトコール
(A)抗 FLAG 抗体について
FLAG® ペプチド(DYKDDDDK)に対 する抗 体 は抗 FLAG 抗 体と呼 ばれ、FLAG タグ 融 合タンパク質 およ
び 3xFLAG ™タグ融合タンパク質を認識し、タンパク質発現の確認(ウェスタンブロッティング、免疫染色、
ELISA)や精製・免疫沈降などに用いられています。
Sigma® ではモノクローナル・ポリクローナル、ならびに標識の種類によって多様な抗 FLAG 抗体製品を販売し
ており、それぞれ反応性に特色があります。特にモノクローナル抗体の場合、FLAG タグの位置によって認識で
きないクローンもありますので、抗体を選ぶ際に発現させるタグと抗体の組み合わせを検討する必要がありま
す。
以下はよく使用されている抗 FLAG 抗体についてご紹介します。
もっともよく使用されている抗 FLAG 抗体は、抗 FLAG M2 抗体と呼ばれるマウスの M2 クローンから産生され
るモノクローナル抗体です。この抗 FLAG M2 抗体は、FLAG タグおよび 3xFLAG タグが融合タンパク質のどの
位置にあっても認識します(N 末端 -FLAG、Met-N 末端 FLAG、C 末端 FLAG、内部に挿入した FLAG タグ)。
抗 FLAG M2 抗体にはイムノグロブリン精製した製品(CAT.NO.F3165)とさらにアフィニティー精製した製品
(CAT.NO.F1804)があります。
イムノグロブリン精製した抗体は反応性が比較的高い一方でバックグランドが生じる可能性がやや高くなり、ア
フィニティー精製した抗体は特異性が高いためバックグランドの問題がほとんどない一方で反応性が比較的低く
なる傾向があります。そのため、初めて行う発現系で検出する場合にはイムノグロブリン精製した抗体を使用し、
その検出時のバックグランドが問題となる場合にアフィニティー精製した抗体を使用する、という選択が考えられ
ます。
抗 FLAG M2 抗体は前述の標識していない抗体(CAT.NO.F3165、F1804)の他に、蛍光色素や酵素、ビオチ
ン、アガロースで標識した製品もあります。アガロースビーズに抗 FLAG M2 抗体を固定化したアフィニティー
ゲル(CAT.NO.A2220)は FLAG タグ融合タンパク質および 3xFLAG タグ融合タンパク質の精製を特異的かつ
簡便に行うことができます。
また、ウサギのポリクローナル抗 FLAG 抗体(CAT.NO.F7425)も幅広い用途に使用されています。
FLAG タグおよび 3xFLAG タグが融合タンパク質のどの位置にある場合も認識し(N 末端 -FLAG、Met-N 末端
FLAG、C 末端 FLAG、内部に挿入した FLAG タグ)、ウェスタンブロット、免疫染色などに使用することができます。
よく使われている抗 FLAG 抗体
マウス産生モノクローナル抗 FLAG M2 抗体
すべての位置の FLAG タグを認識
・未標識の抗 FLAG M2 抗体(CAT.NO.F3165、F1804 )
→幅広い用途に使用可能
・アガロースが結合している抗 FLAG M2 抗体(CAT.NO.A2220)
→ FLAG タグ融合タンパク質の精製に最適 ・蛍光色素、酵素、ビオチン標識の抗 FLAG M2 抗体
→免疫染色、ウェスタンブロットに有用
ウサギ産生ポリクローナル抗 FLAG 抗体
すべての位置の FLAG タグを認識
・未標識の抗 FLAG 抗体(CAT.NO.F7425 )
→幅広い用途に使用可能
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B)抗 FLAG 抗体によるウェスタンブロッティング(化学発光法)のプロトコール例
1.FLAG® タグ融合タンパク質を含むサンプルのタンパク質溶液(細胞溶解液)を用いて、SDS 電気泳動を行う。
ローディング量は 1 レーンあたり2.5 ∼ 10 µg(総タンパク質量として)が標準的。
2.ニトロセルロースや PDVF などのメンブレンに転写する。
3.メンブレンを純水で 2 ∼ 3 分穏やかに揺らしながら洗浄する。
4.ブロッキング溶液(3% スキムミルク含有の TBS, pH 8.0CAT.NO.T8793) で 30 分間室温で穏やかに揺らして
ブロッキングを行う。ブロッキング溶液はメンブレンに対し 0.5 mL/cm2 以上の量を使う。
5.4 のブロッキング溶液を捨て、TBS, pH 8.0( 0.5 mL/cm2 以上)で一回洗い流す。
6.適切に希釈した抗 FLAG M2 抗体(CAT.NO.F3165 または F1804)をメンブレンに添加し、30 分間室温で穏
やかに揺らしながらインキュベートする。注記1:抗FLAG M2抗体の希釈率は1:1,000が標準的だが、
条件によっ
て異なるので、初めての系では適切な希釈率の検討が必要。注記 2:抗体の希釈は 3% スキムミルク含有の
TBS, pH 8.0 などが使われている。使用直前に希釈する。希釈した抗体溶液はメンブレンに対し 0.5 mL/cm2
以上の量を使う。
7.インキュベートさせた抗体希釈液を捨て、TBS, pH 8.0( 0.5 mL/cm2 以上)で一回洗い流す。
8.二次抗体として抗 IgG- ペルオキシダーゼ標識(CAT.NO.A9044)の希釈液をメンブレンに添加し、30 分間
室温で穏やかに揺らしながらインキュベートする。注記 1:二次抗体の適した希釈率は実験系によって異なる。
検出に Sigma® のペルオキシダーゼ化学発光基質 1(CAT.NO.CPS160)を用いる場合、二次抗体の希釈率
は 1:30,000 が推奨。注記 2:抗体の希釈は 3% スキムミルク含有の TBS, pH 8.0 などが使われている。使用
直前に希釈する。希釈した抗体溶液はメンブレンに対し 0.5 mL/cm2 以上の量を使う。
10.ペルオキシダーゼ化学発光基質 1(CAT.NO.CPS160)などで現像する。インキュベート中は揺らさず静置
する。現像液を捨て、ラップでメンブレンを包む。
11.Expose BioMax® Light film(CAT.NO.Z373494)で数秒∼ 10 分までの範囲で数回露光する。この際、
まず 10 ∼ 30 秒の露光を行って検出力を確認し、追加の露光が必要か検討する。その必要に応じて 1 ∼ 8
時間またはそれ以上の露光を行う。
FLAG特集
9.TBS-T(0.5% TWEEN®20 を含む TBS, pH 8.0 CAT.NO.T9039)でメンブレンを 3 回(計 15 分間)室温で穏
やかに揺らして洗浄する。メンブレンに対し 0.5 mL/cm2 以上の量を使う。
biomapping
(C)抗 FLAG 抗体による蛍光染色のプロトコール例
マウス産生モノクローナル抗 FLAG M2 抗体(CAT.NO.F3165 または F1804)を用い、二次抗体として蛍光色
素で標識された抗マウス IgG 抗体を使うことで蛍光による検出ができます。ここでは二次抗体として抗マウス
IgG 抗体 -FITC 標識を紹介しています。
1.カバーガラス上で FLAG® タグ融合タンパク質を発現させた細胞を培養する。
2.4% パラホルムアルデヒド(CAT.NO.P6148)と 4% スクロース(CAT.NO.S1888)を含む PBS, pH 7.4 で
15 分間室温でインキュベートして、細胞を固定する。
3.PBS で 5 分間、2 回洗浄する。
4.0.25% Triton ™ X-100(CAT.NO.T9284)を含む PBS で 5 分間室温でインキュベートして透過処理を行う。
5.PBS で 5 分間、2 回洗浄する。
6.10% BSA(CAT.NO.A9647)を含む PBS で 30 分間 37℃でインキュベートしてブロッキングを行う。
7.適切に希釈した抗 FLAG M2 抗体(CAT.NO.F3165 または F1804)を添加し、2 時間 37℃でインキュベート
します。抗体は 3% BSA を含む PBS で使用直前に希釈する。抗 FLAG M2 抗体の一般的な希釈率は 1:500
∼ 1:2,000 だが、実験系に応じて最適な希釈率を検討する。
8.PBS で 5 分間、3 回洗浄する。
9.適切に希釈した抗マウス IgG 抗体 - FITC 標識(CAT.NO.F9137)で 45 分間 37℃でインキュベートする。抗
体は 3% BSA を含む PBS で使用直前に希釈する。抗マウス IgG 抗体 - FITC 標識の一般的な希釈率は 1:1,000
だが、実験系に応じて最適な希釈率を検討する。
10.PBS で 5 分間、3 回洗浄する。
D)抗 FLAG 抗体による免疫沈降
抗 FLAG 抗体にアガロースビーズを結合させた抗 FLAG M2 抗体アフィニティーゲルを用いると簡便に
FLAG タグ融合タンパク質および 3xFLAG ™タグ融合タンパク質を精製することができます。
詳細はセクション 「FLAG タグ融合タンパク質の精製プロトコール例(53~55 ページ)」をご覧下さい。
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哺乳動物細胞における FLAG® タグ融合タンパク質の発現
クローニングから FLAG タグ融合タンパク質の発現までの一般的な流れは、以下のようになっています。
1.サブクローニング
目的の DNA 配列を用途に合った FLAG タグ発現ベクターに挿入してコンストラクトを作製 2.クローニング
クローニング用の大腸菌(DH5 α ® など)を形質転換し、薬剤耐性コロニーを選択
コロニーを単離、培養してプラスミドを抽出(ミニプレップ)
3.配列の確認
挿入連結部分の DNA 配列を確認
4.トランスフェクション
任意の哺乳動物細胞(COS 細胞、HeLa 細胞など)にベクターをトランスフェクション
5.発現の確認
トランスフェクションした細胞を培養し、タンパク質サンプルをウェスタンブロットで検出
(COS 細胞の場合、一般的に 48 ∼ 72 時間後)
6.クローンの確立
安定発現ベクター(ネオマイシン耐性遺伝子保有)の場合は G418 でセレクションを行いクローンを確立
7.目的の実験に使用
発現している細胞から FLAG タグ融合タンパク質の精製、免疫染色による局在の観察など各目的に使用
(7)付録 関連製品リスト
大腸菌関連
CAT.NO.
抗体アプリケーション
CAT.NO.
L2542
抗 FLAG ポリクローナル抗体(ウサギ産生)
F7425
LB 培地 ( 錠剤 ) 1 錠 50mL 用
L7275
モノクローナル抗 FLAG M2 抗体(マウス産生)
F3165
LB アガー培地 ( 錠剤 ) 1 錠 50mL 用
L7025
モノクローナル抗 FLAG M2 抗体(マウス産生)
F1804
アガー ( 寒天 )
A1296
抗マウス IgG 抗体 -FITC 標識
F9137
アンピシリン ( アンピシリン ナトリウム塩 )
A0166
抗マウス IgG 抗体 – ペルオキシダーゼ標識
A9044
D- グルコース
G7021
EDTA ( エチレンジアミン四酢酸 二ナトリウム塩 二水和物 )
E5134
IPTG (Isopropyl β-D-1-thiogalactopyranoside)
I5502
Tris-HCl バッファー , pH 8.0 (1M 溶液 )
T2694
プラスミド精製ミニプレップキット (10 回分 )
PLN10
PLN70
TBS, pH 7.4 (10x 溶液 )
TBS-T (TBS + TWEEN® 20, pH 8.0, 粉 ) 1 袋 1L 用
T5912
プラスミド精製ミニプレップキット (70 回分 )
プラスミド精製ミニプレップキット (350 回分 )
PLN350
3% スキムミルク入りTBS, pH 8.0 ( 粉 ) 1 袋 100mL 用
T8793
B7435
PBS, pH 7.4 (10x 溶液 )
P5493
CelLytic™ B ( 大腸菌 溶解試薬 )
CelLytic IB ( 封入体 溶解試薬 )
T9039
C5236
PBS, pH 7.4 ( 錠剤 ) 1 錠 200mL 用
P4417
CAT.NO.
PBS, pH 7.4 ( 粉 ) 1 袋 1L 用
P3813
CelLytic M ( 哺乳動物細胞 溶解試薬 )
C2978
PBS-T, pH 7.4 (PBS + TWEEN 20, 粉 ) 1 袋 1L 用
P3563
G418 二硫酸塩
A1720
3% スキムミルク入りPBS, pH 7.4 ( 粉 ) 1 袋 100mL 用
P2194
CAT.NO.
1% BSA 入りPBS, pH 7.4 ( 粉 ) 1 袋 1L 用
抗 FLAG M1 抗体アフィニティーゲル
A4596
BSA (Albumin from bovine serum)
P3688
A9647
抗 FLAG M2 抗体アフィニティーゲル(ノーマル)
A2220
パラホルムアルデヒド
P6148
抗 FLAG M2 抗体アフィニティーゲル(赤色)
F2426
スクロース
S1888
Triton™ X-100 (トライトン X-100)
T9284
哺乳動物関連
アフィニティ精製
セファロース CL-4B
CL4B200
マウス IgG- アガロース
A0919
クロマトグラフィーカラム (10 mL サイズ )
C2103
FLAG ペプチド
F3290
3xFLAG™ペプチド
F4799
エンテロキナーゼ
E4906
エンテロキナーゼ除去キット
PRKE
FLAG タグ発現ベクター、その他の抗 FLAG 抗体は本紙各ページをご覧下さい。
SDS-PAGE 用 2x サンプルバッファー (2x 溶液 )
X 線フィルム (Carestream® Kodak® BioMax® 35 x 43cm)
S3401
Z373494
FLAG特集
LB 培地 (1x 溶液 )
CelLytic ™ シリーズ
HIS シリーズ
発現システムに合わせて細胞を溶解しタンパク質を
抽出するために調製された試薬です。タンパク質が
変性しない条件で簡単に細胞を溶解できます。
シグマの HIS-Select® 製品は、ヒスチジンタグ融合タ
ンパク質を迅速かつ高純度に精製することが可能で
す。レジンの高純度 4 座配位キレートは非特異的結
合を低減し、結合能を増大させます。金属イオンは
より堅固に保持されるため、アフィニティゲルからの
金属イオンの脱離を防ぎます。
プロテアーゼインヒビターシリーズ
動物、植物、酵母菌、細菌、あるいは真菌細胞を含
む、あらゆる組織または細胞の抽出物に適したイン
ヒビターカクテルがあります。簡便なタブレットタイ
プも小パッケージ(2 錠)からご用意しています。
その他のタグ製品
FLAG、poly-His タグ 以 外にもシグマでは c-Myc、
HA、GST など多数のタグ精製製品を扱っています。
FLAG® シリーズ
FLAG 発現システムは組み換え融合タンパク質の発
現、
精製、
検出用に特に確立されたシステムです。ウェ
スタンブロット、免疫組織化学、免疫沈降、フロー
サイトメトリー、タンパク質精製やタンパク質間相互
作用、細胞の微細構造、タンパク質同定等、多くの
アプリケーションで実績を残しています。
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may apply. Please see product information on the Sigma-Aldrich website at www.sigmaaldrich.com. ANTI-FLAG, BCIP, ExtrAvidin, FLAG, HIS-Select, iLAP and Trizma are registered trademark of Sigma-Aldrich Co. LLC. 3xFLAG,
CelLytic, EZMix, Ezview, FLAG-BAP, p3xFLAG, p3xFLAG-CMV, p3xFLAG-Myc-CMV, pBICEP-CMV, pCMV-BICEP, pCMV-FLAG-MAT, pCMV-MAT-FLAG, pFLAG-ATS, pFLAG-CMV, pFLAG-CMV2, pFLAG-CMV3, pFLAG-CMV4, pFLAGCTC, pFLAG-CTS, pFLAG-MAC, pFLAG-Myc-CMV, pFLAG-SHIFT, pT7-FLAG, pT7-FLAG-MAT, pT7-MAT, pT7-MAT-FLAG, pTAC-MAT and SIGMAFAST are trademarks of Sigma-Aldrich Co. LLC. BioMax and Carestream are registered
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