Legal Flag Letter【vol.9】

~Legal Flag Letter~ vol.9
©司法書士法人 Legal Flag 2011
「Legal Flag Letter」では、法改正情報や最新判例、気になる新聞・雑誌記事の紹介など、毎月
1回、各号の担当者の選別に基づいて、さまざまなトピックスを紹介していきます。
vol.9
contents
1.第三者のためにする契約
2.夏の飲み物といえば・・・
1.第三者のためにする契約
どのようなスキームにもメリットとデメリッ
A→B→C と不動産の所有権が移転している場
トがあるものです。その特性をよく知った上で
合に、B の存在を省略して直接 A→C とする登記、
利用することが何より大事であって、その情報
いわゆる中間省略登記は認められていません。
の差が将来の利益の差を生むのかもしれません。
では、次の場合はどうでしょう。
①
不動産所有者 A が B に不動産を売却する契
約を締結する。この契約中に、B は、売買代金
全額の支払いまでに本件不動産の所有権の移転
先となる者を指名するものとし、A は、本件不
動産の所有権を B の指定する者に対し、B の指
(執筆担当者:司法書士 花田
公一)
2.夏の飲み物といえば・・・
梅雨真っ只中の鹿児島ですが、もうすぐ暑い
夏がやってきます。
夏といえばビールのおいしい季節ですが、今
回は麦茶のお話です。
定及び売買代金全額の支払い完了をもって直接
夏になるとなぜだか各家庭に麦茶がお目見え
移転する特約を付けます。つまり、所有権を A
すると思いますが、それは理にかなっているの
に留保しておくわけです。
です。
②
B と C のあいだで売買契約を締結し、C が A
から直接所有権の移転を受ける旨の特約を付け
ご存知の方も多いかと思いますが、麦茶はか
なりの健康飲料!!
血液をサラサラにしてくれたり、胃の粘膜を
ます。
保護してくれたり、抗酸化作用もあるそうです。
この場合、
所有権は A→C に直接移転するため、
これからの季節、人はたくさんの汗をかいて
登記上も A→C に「売買」を原因として移転する
ドロドロ血になりやすいそうなので、夏場には
登記をします。この契約の最大のメリットは、B
もってこいの飲み物ということになります。
に登録免許税をはじめ、各種の不動産取得の税
金が課からないことでしょう。
ただ、世の中に完全なものなど存在しません。
サラサラ血にしていくれるということは、生
活習慣病にも効果がありそうですよね。
汗をかいたあとの飲みものは?と聞かれたら
当然に第三者のためにする契約にもリスクはあ
迷いなく「ビール!」と回答してしまう私です
ります。それは、B は代金を払っても所有権を A
が、今年の夏はビールと麦茶を併用しつつ、暑
に留保したままなので、最悪 B はおろか C も所
さに負けず過ごしていこうと思います。
有権を取得できない可能性があります。
(執筆担当者:金生事務所葛迫)
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