【正の中国情報:2016/04/10】 <371号

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【正の中国情報:2016/04/10】
取締役会長:小川 正
<371号>
● アリババ、世界最大の小売企業に!
中国のアリババグループは、会計年度末の2016/03/31までに、同グループの中国小売取引市場の
取引総額(GMV)は世界のトップに躍り出て、世界最大の小売企業となった。
アリババグループの統計によると、2016/03/21・14:58:37までに、同グループの取引総額は3兆元
を記録したという。 その後も同グループの取引総額は持続的に増加し、最終的に会計年度末の2016/
03/31までに米ウォルマート・米コストコ・仏カルフールといった世界的小売企業を超えて世界最大の小
売企業となった。
次なる目標として、同グループは2020年の会計年度末までに取引総額6兆元達成を掲げている。
同社の張勇CEOは、「今後電子商取引・物流・クラウドコンピューティングといったインフラ設備の充実化
を進め、引き続き農村地域へ、そして世界へ、消費者により優れた消費体験を提供していく」と強気に抱
負を語っている。
● ラオックス、中国の実店舗から撤退!
免税店大手のラオックスは3/31、中国での店舗運営事業から撤退すると発表し、家電などを販売する南
京市内の3店舗を同日付で閉鎖した。
2011年に同市に中国1号店を開業、一時は14店舗まで増やしたが、インターネット通販の拡大などに
押されて赤字が続いていた。 今後は中国向けのネット通販を強化して、日本の家電や日用品を売り込
むという。 ラオックスは親会社である中国の蘇寧雲商集団と連携して、同国内で店舗を運営してきた。
しかし、ここ数年は販売が落ち込み、2015年12月期の中国の店舗の売上高は69億円弱、営業損益も
4億円の赤字だった。
同社は実店舗運営からは撤退するが、ネット通販を通じて引き続き中国の消費者の需要を取り込む。
同社は2015年にアリババ集団の海外企業向け仮想商店街に出店、ネット通販の盛り上がる11月11日
の「独身の日」だけで化粧品など3億円を売り上げている。
● 湖北省、外資系サービス産業の進出加速!
湖北省地元紙「長江商報」によると、3/16~3/22の1週間、省都の武漢市内での新築住宅販売成約件
数は8,309件と過去最高を記録し、平均単価も1平方メートル当たり9230.69元に達した。 特に好調
なのはハイエンド物件で、間取り144平方メートル以上の高級物件(1平方メートル当たり単価2万元以
上)は「即日完売」が相次いでいる。 また、シンクタンク胡潤研究院の調査報告(2013年末時点)による
と、資産1,000万元以上の富裕層が湖北省内に1万5100人、武漢市内に6800人おり、資産1億元以
上の超富裕層も同省内に1140人、同市内に570人いるという。
また同紙によると、武漢市の1人当たり商業施設面積は2012年時点で香港を上回っている。
スーパーマーケット最大手の米ウォルマートが今後5年間に35~40店舗を湖北省内で展開する方針を
公表しているほか、米介護事業のホームインステッドも武漢市に進出するなど、外資系サービス産業の進
出も加速している。 米コストコは中国での初出店が武漢市となった。
今後、武漢市・長沙市など地域間協力の深化に伴って、小売業のみならず、介護・物流・外食・金融・教
育・美容など多くのサービス産業にとってビジネスチャンスが拡大するとみられている。
サービス産業関連の法制度の整備も進んでいる。 3/1には、武漢・長沙(湖南省)・南昌(江西省)・合肥
(安徽省)の4省都が「南昌行動」に合意し、各都市を2時間以内で移動できるよう交通インフラの整備を
進めると同時に、サービス産業の制度面での一体化を目指す方針を打ち出した。
例えば、医療保険の相互適用の拡大・社会保障カードの相互認証・住宅公共積立金の相互利用・共通旅
行カードの発行・金融機関や医療機関の支店・分院の設立認可などだ。
このような動きは、長江流域一体化開発計画による通関・検疫・検査の共通化の進展とも相まって、今後、
各都市におけるサービス産業の振興に大きく貢献するとみられる。