2012年03月23日 - 在パナマ日本国大使館

平成 23 年度草の根・人間の安全保障無償資金協力
「ラス・ウアカス初等学校整備計画」
「プエブロ・ヌエボ初等学校整備計画」
「アベル・タピエロ・ミランダ農牧学校整備計画」
契約署名及び小切手供与式
2012年3月23日、在パナマ日本国大使館において、「ラス・ウアカス初等学校整備計画」、
「プエブロ・ヌエボ初等学校整備計画」「アベル・タピエロ・ミランンダ農牧学校整備計画」の契約署
名及び小切手供与式が行われました。同式典には水城大使をはじめ、レカロ教育省国際協力局
長、教育省 ロドリゲス チリキ支部長、各学校の父兄会会長の他、多くの方が出席しました。
式の中で水城大使は、「今回の私たちの協力で、地域による教育環境の格差を少しでも改善
できれば嬉しく思います。」と述べました。
また、レカロ国際協力局長は、「昨年の東日本大震災から今日で1年と11日が経ちますが、日
本は立ち上がり、(支援が必要な)他の国々を支え続けています。今回も3つの学校に資金協力
をしていただき、感謝しております。」と感謝の意を表しました。
-当日の様子-
挨拶をする水城大使
挨拶をするレカロ国際協力局長
上:ラス・ウアカス初等学校
左:アベル・タピエロ・ミランダ農牧学校
右:プエブロ・ヌエボ初等学校
プロジェクト概要
ラス・ウアカス初等学校整備計画
被供与団体:ラス・ウアカス初等学校父兄会
供与額:68,819 米ドル
供与内容:電気系統の整備、校舎改修(教室、屋根、天井、床、通路)
背景:プロジェクトサイトであるノベ・ブグレ(先住民)自治区ニュルン地区は、パナマシティより南西へ約280km
(パナマ市から車で5時間)に位置する。ラス・ウアカス初等学校の所在するセロ・ペラド地域には、約2400人
が居住しており、住民の大半は、十分な現金収入が得られない低所得層である。
1974年に創立された同校には、現在、139人の就学前児童及び1~6年生の子ども及び7名の教
員が在籍している。同校の第一校舎は、学校創立時に建設されたもので、老朽化が進んでいる。校舎は
天井が低く屋根がトタン板であることから、教室内の高温と多湿が問題となっている他、電気がないた
め、子供たちは常に暗い教室で授業を受けている。経年劣化により、小動物の侵入を防ぐ金網が破損し、
窓から侵入したコウモリによる糞害が各所で見られ、子ども達の呼吸器疾患が懸念されている。
プエブロ・ヌエボ初等学校整備計画
被供与団体:プエブロ・ヌエボ初等学校父兄会
供与額:64,126 米ドル
供与内容:校舎2棟の新規建設、水洗トイレの設置
背景:プエブロ・ヌエボ初等学校が所在するノベ・ブグレ(先住民)自治区ニュルン地区は、首都パナマ市の南西約2
80km(パナマ市から車で5時間)に位置する。
同校が創立された2003年当時は24名の児童のみであったが、その後児童数が増加し、現在は160人の子ども
が同校へ通っている。このため、同校では急激な生徒増加に伴う教室不足が問題となっている。父兄会は、一時措
置として自助努力により、木造の小屋を教室として建設した。しかし、これらの小屋は、壁や建物の隙間から風雨が
入り込む等、構造が脆弱であるため、生徒は適切な教育環境で授業を受けることができずにいる。更に、同校には1
60人の生徒に対し、落下式便所が1基しかないため、生徒は休み時間になると常時長い列を作らなくてはならない
ほか、トイレには手洗い場がないため、学校環境は不衛生な状態である。
アベル・タピエロ・ミランダ農牧学校整備計画
被供与団体:アベル・タピエロ・ミランダ農牧学校父兄会
供与額:100,425 米ドル
供与内容:食堂及び台所の建設、貯水タンク
背景:アベル・タピエロ・ミランダ農牧学校(公立)の所在するチリキ県サン・ロレンソ市は、首都パナマ
シティから西方に約 400km 地点に所在する。通学生徒が住む同地区には 2,290 人が居住し、その9割が農業
に従事している。同校は寄宿舎を提供し、遠方の先住民自治区からも学生を受け入れており、地域の中心的
な専門的教育機関となっている。全校生徒の80%は、十分な賃金収入を得られない貧困家庭出身であるため、父兄
会は、彼らの経済的負担を軽減し、より学習に集中できる教育環境を提供する目的で校舎の一角を改装し食堂及び台所
を作った。しかしながら、校舎の老朽化が進み、電気システムの不具合による照度不足や、天井からの雨漏り、壁の亀裂
等が目立ち、安全性に欠け、衛生的な環境が保てない状態である。また、同校では電力によるくみ上げ式井戸により水の
供給を行っているが、地域の頻繁な停電により、調理場での水利用に支障をきたしている。