を 安全にご使用いただくために 〜腎機能障害および腎機能検査に関する解説〜 弊社製品「スタリビルド®配合錠」を投与する場合の注意及び本剤投与中の腎障害の 発現に関する注意は、本剤の用法・用量に関連する使用上の注意、使用上の注意の慎重 投与、重要な基本的注意ならびに相互作用、副作用の各項に記載し、投与に際しての 注意をお願いしているところです。 このたび、腎障害に関連する諸注意とともに、本剤投与後の腎機能検査に関する知見や 薬物動態ならびに海外臨床試験における知見をまとめましたので、スタリビルド® 配合錠 を適正にご使用いただくためにご活用いただければ幸甚に存じます。 ● 本剤の投与開始時にクレアチニンクリアランスが70mL/min以上 であることを確認してください。 ● 本剤投与後にクレアチニンクリアランスが50mL/min未満に低下 した場合には本剤の投与を中止してください。 ● 本剤の投与開始前にクレアチニンクリアランス、尿糖及び尿蛋白 等の腎障害に関する検査を実施してください。 ● 本剤投与中も、定期的に腎機能 検 査を行い、腎機能の変動に ご注意ください。また、腎機能障害のリスクを有する患者では 血清リンの検査も行ってください。 本冊子は2014年3月作成の添付文書に基づいて作成しています。記載の内容は最新の添付文書をご確認ください。 スタリビルド®配合錠 用法・用量に関連する使用上の注意 抜粋 <用法・用量に関連する使用上の注意>(抜粋) 2. 投与開始時にクレアチニンクリアランスが 70mL/min 以上であることを確認すること。また、本剤 投与後、クレアチニンクリアランスが 50mL/min 未満に低下した場合には本剤の投与を中止すること。 ●本剤投与開始後にクレアチニンクリアランス(CLcr)が50mL/min未満となった場合、エムトリシタビン 製剤、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(テノホビルDF)製剤及びエムトリシタビン/テノホビルDF 配合錠では投与間隔の調節が必要となりますが、本剤は固定用量の配合錠であるため用法・用量の調節 はできません。よってCLcrが50mL/min未満となった場合は本剤の投与を中止してください。 参考1 ツルバダ ® 配合錠 <用法・用量に関連する使用上の注意>(抜粋) 腎機能障害のある患者では、エムトリシタビン製剤及びテノホビル製剤の薬物動態試験においてエムトリシタビ ンとテノホビルの血中濃度が上昇したとの報告があるので、腎機能の低下に応じて、次の投与方法を目安とする (外国人における薬物動態試験成績による) 。 CLcr 投与方法 50 mL/min以上 ツルバダ ® 配合錠1錠を1日1回投与 30~49 mL/min ツルバダ ® 配合錠1錠を2日間に1回投与 30 mL/min未満 又は血液透析患者 ツルバダ ® 配合錠は投与せず、エムトリシタビン製剤及び テノホビル製剤により、個別に用法・用量の調節を行う ● コビシスタットを含む本剤投与後はCockcrof t- Gault計算式*によるCLcrの減少があるため、 投与開始前のCLcrが50mL/min付近の症例では、投与開始直後に本剤の投与を中止しなければ ならない可能性が高くなります。これをできるだけ回避するため、本剤の主要臨床試験であるGSUS-236-0102試験(102試験)及びGS-US-236-0103試験(103試験)では、試験開始時のCLcr が70mL/min以上のHIV-1感染症患者を試験の対象としました。このため、CLcrが70mL/min未満 のHIV-1感染症患者に対しては本剤の投与経験がなく、安全性は確立しておりません。従って、本剤は CLcrが70mL/min以上であることが確認された症例に投与開始してください。 *Cockcroft-Gault 計算式 CLcr(mL/min)=(140 - 年齢)× 体重(kg)÷[ 72 × 血清クレアチニン(mg/dL)] ※女性の場合は計算値に0.85を掛ける 2 ● 102試験及び103試験では、血清クレアチニン(s-Cr)の上昇及びCockcroft-Gault計算式による CLcrの減少が確認されています。s-Crは投与初期に軽度の上昇を認めましたが、投与開始後2週目 以降は一定の値を推移しました。 <102 試験> ベースラインからの s-Cr の推移 ベースラインからの CLcr の推移 (mg/dL) 0.4 0.3 0.14 0.13 0.14 0.2 s-Cr の 0.1 変化量 0.01 -0.1 0.01 0.01 <0.001 0 24 48 72 スタリビルド 96 120 10 20 10 0.0 -0.2 (mL/min) 20 (μmol/L) 30 ‒0.8 ‒14.3 ‒13.8 ‒2.0 0 CLcrの 10 変化量 0 -20 -10 -30 -40 144(週) ‒15.7 =0.001 0 24 48 72 スタリビルド 中央値 ± 四分位値 Wilcoxon rank sum test EFV/FTC/TDF ‒3.0 96 120 144(週) 中央値 ± 四分位値 Wilcoxon rank sum test EFV/FTC/TDF (Wohl D. et al.: 53rd ICAAC. 2013. H-672a) <103 試験> ベースラインからの s-Cr の推移† ベースラインからの CLcr の推移†† (mg/dL) 0.4 (μmol/L) 30 0.3 0.12 0.2 0.12 0.12 s-Cr の 0.1 変化量 10 0.0 0.08 -0.1 -0.2 20 0.08 0.08 <0.001 0 24 48 スタリビルド ATV/r + FTC/TDF 72 96 120 Wilcoxon rank sum test 10 0 ‒9.5 ‒9.5 ‒10.0 ‒12.7 ‒12.3 ‒13.0 CLcrの 10 変化量 0 -20 -10 -30 144(週) 中央値 ± 四分位値 (mL/min) 20 -40 0 24 48 スタリビルド 72 96 120 144(週) 中央値 ± 四分位値 ATV/r + FTC/TDF (†Clumeck N. et al.: 14th EACS. 2013. LBPS7/2、††社内資料) ● コビシスタット投与開始直後のs-Crの軽度上昇は、コビシスタットによるクレアチニンの尿細管分泌 に関与する腎トランスポーターの阻害に起因すると考えられており、健康成人にコビシスタットを投与 した試験では真の糸球体ろ過率は変化がありませんでした(p.10 使用上の注意、10.その他の注意(2) を参照)。このことから、コビシスタットによるs-Crの上昇及びCLcrの減少は腎障害に起因しない現象 であると考えられています。 3 腎尿細管でのクレアチニン分泌における各薬剤の影響 近位尿細管細胞 ATP Pgp ATP ABC トランスポーター (ATP-Binding Cassette) BCRP ATP MRP2 OCT2 MATE1 H+ クレアチニン ドルテグラビル 血液 (基底膜側) SLC トランスポーター (Solute Carrier) MATE2K シメチジン トリメトプリム リトナビル コビシスタット OCTN1 OCTN2 尿 (管腔側) 能動的尿細管分泌 各種薬剤の排出トランスポーターの阻害作用 トランスポーター シメチジン 135 >300 0.95 47 >100 >100 >100 OCT2 OCTN1 MATE1 MATE2K BCRP Pgp MRP2 IC50(μM) ドルテグラビル 0.07 >300 4.67 >300 67 >90 >90 トリメトプリム 68 >300 3.31 1.87 >100 >100 >100 リトナビル 〜20 2.08 1.34 >20 >20 >20 >20 コビシスタット 14 2.49 1.87 34 59 36 71 (Lepist E-I. et al.: 51st ICAAC, 2011. A1-1724) 参考2 テノホビル及びコビシスタットの腎尿細管輸送経路 (A)アニオン輸送経路 (B)カチオン輸送経路 OAT1 OCT2 MRP4 クレアチニン OAT3 MATE1 H+ コビシスタット テノホビル 血液 (基底膜側) 能動的尿細管分泌 尿 (管腔側) 血液 (基底膜側) 尿 (管腔側) 能動的尿細管分泌 (A)テノホビルの能動的尿細管分泌は、有機アニオン輸送経路(OAT1、OAT3及びMRP4)を介する。 (B)コビシスタットは、クレアチニンの能動的尿細管分泌に関与している有機カチオン輸送経路(MATE1)に作用する。 腎有機アニオン輸送経路に対するコビシスタット及びリトナビルの影響 テノホビルの輸送 標準的な基質*の輸送 アニオン トランスポーター 機能 コビシスタット IC50(μM) リトナビル IC50(μM) コビシスタット IC50(μM) リトナビル IC50(μM) OAT1 OAT3 MRP4 MRP4 + 100% ヒト血清 取り込み 取り込み 排出 排出 >15 6.6 ± 1.8 8.5 ± 2.6 >20 >15 4.8 ± 1.2 12.3 ± 1.3 >20 >15 14.6 ± 6.8 14.5 ± 2.8 ND >15 8.7 ± 3.4 >20 ND *アニオントランスポーターに対する標準的な基質:パラアミノ馬尿酸(OAT1、OAT3)、デヒドロエピアンドロステロン硫酸(MRP4) ・コビシスタットは、OAT1、OAT3を介したテノホビル及び有機アニオン基質の取り込みをほとんど阻害しない。 ・コビシスタットは、MRP4を弱く阻害するが、薬理学的条件下ではテノホビルの排出には影響を与えない。 (Stray K.M. et al.: Antimicrob Agents Chemother. 57(10) :4982-4989. 2013. より改変) 4 スタリビルド®配合錠 使用上の注意 慎重投与 抜粋 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) (抜粋) (1)腎機能障害のある患者[中等度及び重度の腎機能障害のある患者では、エムトリシタビン及び テノホビルの血中濃度が上昇する(「薬物動態」の項参照)。] 腎障害患者における薬物動態(【薬物動態】抜粋 ) 6. 腎機能障害患者 エルビテグラビル及びコビシスタット: クレアチニンクリアランスが 30mL/min 未満の重度の腎機能障害を有する被験者において、エルビテ グラビル 150mg 及びコビシスタット 150mg 投与時の薬物動態を検討した。健康被験者に対し重 度の腎機能障害を有する被験者の AUCtau は、エルビテグラビルで約 25%低下し、コビシスタッ トで約 25%上昇した。 エムトリシタビン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩: クレアチニンクリアランスが 30mL/min 未満の被験者では、クレアチニンクリアランスが 80mL/min 超の 被験者に対しエムトリシタビンの Cmax 及び AUC は 1.3 倍及び 3.0 倍上昇し、テノホビルの Cmax 及び AUC は 1.7 倍及び 6.6 倍上昇した。 ● エムトリシタビン及びテノホビルの主要排泄経路は腎であり、腎機能障害を有する患者においてはエ ムトリシタビン及びテノホビルの薬物動態パラメータが上昇します。よって、腎機能障害を有する患者 には慎重に投与してください。 エルビテグラビル 150mg 及びコビシスタット150mg を反復投与した場合の薬物動態パラメータ AUCtau (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Ctau (ng/mL) 重度腎機能障害者 12 (CLcr*< 30mL/min) 26,044.6 (24.3) 2,224.1 (26.7) 531.2 (42.3) 腎機能正常者 11 (CLcr*≧ 90mL/min) 34,597.3 (26.9) 3,348.6 (33.9) 761.1 (38.9) 75.50 [62.82, 90.75] 67.30 [54.78, 82.68] 69.07 [51.82, 92.06] 重度腎機能障害者 12 (CLcr*< 30mL/min) 18,552.9 (36.8) 2,149.4 (35.0) 165.7 (128.2) 腎機能正常者 11 (CLcr*≧ 90mL/min) 14,212.4 (24.4) 1,709.3 (22.4) 97.0 (61.0) 125.48 [98.57, 159.73] 122.42 [99.82, 150.13] 112.85 [56.75, 224.40] 例数 エルビテグラビル 幾何最小二乗平均値(%) [90% CI] コビシスタット 幾何最小二乗平均値(%) [90% CI] * Cockcroft-Gault 式 AUCtau、Cmax、Ctau:平均値(変動係数) (社内資料) 5 ● エムトリシタビン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩: CLcrが50mL/min未満の患者あるいは透析を必要とする末期腎不全患者では、エムトリシタビンと テノホビルのCmaxとAUCがそれぞれ上昇した。 腎障害を有する患者におけるエムトリシタビン製剤(200mg)の単回投与後の薬物動態パラメータ AUC CL/F (μg・hr/mL) (mL/min) CLcr (mL/min) 例数 >80 6 107±21 2.2±0.6 11.8±2.9 302±94 213.3±89.0 50〜80 6 59.8±6.5 3.8±0.9 19.9±1.1 168±10 121.4±39.0 30〜49 6 40.9±5.1 3.2±0.6 25.1±5.7 138±28 68.6±32.1 <30 5 22.9±5.3 2.8±0.7 33.7±2.1 99±6 29.5±11.4 透析を必要とする 末期腎不全患者 <30 5 8.8±1.4 2.8±0.5 53.2±9.9 64±12 投与前のCLcr Cmax 平均値(mL/min) (μg/mL) CLrenal (mL/min) - 平均値 ± 標準偏差、-:算出不能 腎障害を有する患者におけるテノホビル製剤(300mg)の単回投与後の薬物動態パラメータ CL/F (mL/min) CLrenal (mL/min) 2,184.5±257.4 1,043.7±115.4 243.5±33.3 330.4±61.0 3,063.8±927.0 807.7±279.2 168.6±27.5 8 372.1±156.1 6,008.5±2,504.7 444.4±209.8 100.6±27.5 11 601.6±185.3 15,984.7±7,223.0 CLcr (mL/min) 例数 Cmax (ng/mL) >80 3 335.5±31.8 50〜80 10 30〜49 <30(12〜28)注) AUC (ng・hr/mL) 177.0±97.1 43.0±31.2 平均値 ± 標準偏差 注)CLcr が 10mL/min 未満で、透析を行っていない患者における薬物動態は検討されていない。 (ツルバダ 配合錠 添付文書より) Ⓡ 6 スタリビルド®配合錠 使用上の注意 重要な基本的注意 抜粋 2.重要な基本的注意(抜粋) (6)本剤投与前にクレアチニンクリアランス、尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。また、本剤 投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察し、腎機能障害のリスクを有する患者 には血清リンの検査も実施すること。腎毒性を有する薬剤との併用は避けることが望ましい。 ● 本剤の含有成分であるテノホビルDF製剤において、重大な副作用として腎不全、近位腎尿細管機能障害 又はファンコニー症候群といった重度の腎機能障害が報告されており、定期的に検査を行うなど観察を 十分に行うよう、注意喚起がなされています。 ● テノホビル又はテノホビルDFの毒性試験(ラット、マウス、イヌ、サル)において、ヒトの10倍程度の 曝露量 (AUC換算)で、血中クレアチニン増加、BUN増加、尿糖、蛋白尿、高リン酸尿、高カルシウム尿、 血中リン減少が認められています。テノホビルは腎尿細管に作用し、リン酸塩の再吸収を抑制する ことにより、血中のリン酸塩を減少させる可能性も示唆されています。そのため、テノホビルDF製剤 の添付文書において、重要な基本的注意として、腎障害の既往、合併又はリスクを有する患者では、 血中クレアチニン、血中リン酸塩の変動を注意深く観察することが明記されています。 ●コビシスタットはクレアチニンの腎トランスポーターに対する阻害作用を有していることから、コビ シスタットを含有する本剤の投与後は、腎障害を伴わないs-Crの上昇及びCLcrの低下が認められます。 したがって、テノホビルDFとコビシスタットを含有する本剤の使用においては、テノホビルDFの尿細管 障害とコビシスタットによるs-Crの上昇及びCLcrの低下について、注意する必要があります。 ● 投与開始後144週までに本剤の投与中止に至った腎関連の有害事象は、102試験で8例、103試験で 5例に認められました。このうち、腎尿細管障害は4例に認め、いずれも投与開始後24週以内に発現 しました。この4例について、腎機能に関連した臨床検査値の変動を下表に示します。 尿細管障害が認められた 4 例の腎機能臨床検査値の変動 s-Cr (mg/dL) 投与前 中止時 CLcr (mL/min) 血清PO4 (mg/dL) 尿蛋白 尿 糖 尿中PO4 排泄率(%) 投与 投与 投与 投与 投与 投与 投与前 中止時 投与前 中止時 投与前 中止時 投与前 中止時 投与前 中止時 中止後 中止後 中止後 中止後 中止後 中止後 症例1 1.3 2.9 1.7 70.9 31.8 55.7 3.2 3.4 3.1 (-) 2+ (-) (-) (-) (-) 9.8 症例2 1.1 1.8 1.5 126.9 80.0 90.0 3.5 1.8 3.7 (±) 2+ 症例3 1.0 1.7 1.3 82.3 49.4 73.2 3.6 3.0 4.8 (±) 2+ (-) (-) 2+ (-) 4.8 25.6 NA 症例4 1.5 4.3 1.8 68.3 24.6 61.3 3.1 3.0 1.9 (-) 2+ (-) (-) 2+ (-) 26.5 73.9 NA 29.7 NA 2+ (-) 4+ (±) 21.9 64.1 28.3 NA:not available (社内資料) 腎尿細管障害を発現した4例は投与開始前と比較し、s-Cr上昇及びCLcr低下と尿蛋白あるいは尿糖 の増加が確認されています。また血清リン値の異常は、4例中1例に認められました。この結果から、 本剤の腎尿細管障害発現症例において、s-Cr、尿糖及び尿蛋白の変動がみられました。 7 ● 以上のことから、本剤投与中の腎機能モニタリングの一環として、投与前にCLcr、尿糖及び尿蛋白を 測定し、投与後も定期的な腎機能モニタリングを実施してください。また、腎機能障害のリスクを有する 患者に対しては、テノホビルDF製剤の重要な基本的注意と同様に、上記腎機能検査に加え、血清リン の検査を実施して十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を 行ってください。 ● 本剤の用法・用量に関連する使用上の注意として「投与開始時にクレアチニンクリアランスが70mL/ min以上であることを確認すること」としており、また、 「本剤投与後、クレアチニンクリアランスが 50mL/min未満に低下した場合には本剤の投与を中止すること」とあることからも、CLcrの定期的 なモニタリングが必要となります。 ● テノホビルDF製剤の臨床使用において、特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投 与されている患者において重度の腎機能障害の副作用が報告されています。そのため、腎毒性を有す る薬剤との併用は避けることが望ましいと考えられます。 参考3 シスタチンC(CysC)を用いたeGFR*の推移 102 試験及び 103 試験では、シスタチン C を用いて腎機能を評価しており、その結果シスタチン C を用いた eGFR の低下は確認されませんでした。 (mL/min/1.73m 2) 30 スタリビルド 25 EFV/FTC/TDF ATV/r + FTC/TDF 20 15 eGFRcysc 10 の変化量 5 0 -5 中央値 ± 四分位値 -10 0 12 24 36 48(週) 症例数 スタリビルド 701 677 683 657 637 EFV/FTC/TDF 349 328 336 315 306 ATV/r + FTC/TDF 355 337 344 327 317 *eGFRcysc推算式(年齢、性別、人種により調整) 男性:eGFRcysc(mL/min/1.73m2 )=127.7 × CysC-1.17 × 年齢-0.13 女性:eGFRcysc(mL/min/1.73m2 )=上記の推算式 × 0.91 アフリカ系アメリカ人:eGFRcysc(mL/min/1.73m2 )=上記の推算式 × 1.06 8 スタリビルド®配合錠 使用上の注意 副作用 抜粋 4. 副作用(抜粋) (1)重大な副作用 1)腎不全又は重度の腎機能障害(< 1%) 腎機能不全、腎不全、急性腎不全、近位腎尿細管機能障害、ファンコニー症候群、急性腎尿 細管壊死、腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害があらわれることがあるので、定期的に 検査を行うなど観察を十分に行い、臨床検査値に異常が認められた場合には、投与を中止する など適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与され ている患者では注意すること。 ファンコニー症候群を発現した症例の概要 患者 性・年齢 使用理由 (合併症) 副作用 1日投与量 投与期間 男・29歳 HIV-1感染症 1錠 323日間 (側弯症) (肛門性器疣贅) (うつ病) (下痢) (HIV消耗症候群) (リビドー減退) (鼓腸) 経過及び処置 ファンコニー症候群 投与開始日 検査値は以下の通り。CD4リンパ球数 364 cells/mm3、 HIV-RNA量 15,200 copies/mL、CLcr 126.88mL/min、 BUN 23mg/dL、血清クレアチニン 1.13mg/dL、尿糖 -、 尿蛋白 +、PO4 3.5mg/dL。 投与15日目 CD4リンパ球数 391 cells/mm3に上昇、 HIV-RNA量 < 50 copies/mLに低下。 投与52日目 尿糖 2+に上昇。 投与84日目 尿糖 3+及びBUN 29mg/dLに上昇。 投与224日目 血清クレアチニン 1.99mg/dL、及び尿糖 4+に上昇。 CLcr 72.74mL/minに減少。 アシクロビル投与開始。栄養補助剤投与中止。 投与249日目 尿蛋白 2+に上昇し、PO4 1.9mg/dLに低下。 低リン酸血症を発現。 投与270日目 アシクロビル投与中止するも、低リン酸血症、 血清クレアチニン、尿糖及び尿蛋白は改善せず。 投与323日目 ファンコニー症候群発現し、本剤投与中止(処置不明) 。 中止 1 日後 血清クレアチニン 1.70mg/dL、CLcr 83.07mL/min、 PO4 1.5mg/dL、尿糖 4+、尿蛋白 2+。 中止17日後 低リン酸血症消失。 中止58日後 血清クレアチニン 1.54mg/dLに低下し、尿糖も測定限界 値以下を示した。また、PO4 3.7mg/dL、尿蛋白 2+で 安定。担当医師は、ファンコニー症候群は継続、本剤と の因果関係有と判断。 併用薬: テストステロン、シメシコン、タダラフィル、イミキモド、麻酔薬、アセトアミノフェン、アシクロビル、栄養補助剤 9 スタリビルド®配合錠 使用上の注意 その他の注意 抜粋 10. その他の注意(抜粋) (2)健康被験者あるいは軽度から中等度の腎機能障害を有する被験者の腎機能(GFR)に及ぼす コビシスタットの影響を検討した。イオヘキソールクリアランスは変化がなかったが、血清 クレアチニン値を用いた推算クレアチニンクリアランス及び 24 時間内因性クレアチニン クリアランスはプラセボに比べ最大で約 28%低下した。なお、健康被験者で腎血漿流量 を測定したところ、変化はなかった。 ● 健康被験者の腎機能に及ぼす影響について、コビシスタット150mg投与群、テノホビルDF300mg 投与群、コビシスタット150mg及びテノホビルDF300mg併用投与群、本剤投与群、又はプラセボ群 を設定し、それぞれ30日間反復投与し検討しました。投与15日目及び投与30日目に、s-Crを用いて eGFRを、イオヘキソールを用いてGFR実測値(aGFR)を、パラアミノ馬尿酸のクリアランスを用いて 腎血漿流量及び腎血液流量を算出しました。イオヘキソールのクリアランスよりaGFRを比較したところ、 いずれの群においてもほとんど変化が認められませんでした。s-Crを用いた推算CLcr及び24時間内 因性CLcrはプラセボに比べ最大で約28%低下しました。パラアミノ馬尿酸のクリアランスより腎血漿 流量及び腎血液流量を算出したところ、いずれの群においても腎血漿流量及び腎血液流量はほとんど 変化が認められませんでした。 ● 腎機能正常者(eGFR ≧ 80mL/min)にコビシスタット150mgを7日間反復投与し、投与0日目、7日目 及び14日目に、s-Crを用いてeGFRを、イオヘキソールを用いてaGFRを算出しました。投与7日目の eGFRは有意な低下(P< 0.05)が認められましたが、投与中止により速やかに回復しました。一方、 aGFRに有意な変化は認められませんでした。 コビシスタット投与例における GFR のベースラインからの変化 腎機能正常者 (mL/min) 30 (eGFR ≧ 80mL/min) GFRの平均変化 aGFR 20 eGFR 10 1.4 -2.9 0 -10 -2.5 - 9.9 - 20 * < 0.05 - 30 0 * コビシスタット 7 フォローアップ (日) 14 値は、治療グループ間のベースラインから 7 日目の変化の比較 (paired t test) (German P. et al.: J Acquir Immune Defic Syndr. 61(1) :32-40, 2012. より作図) 10 抗ウイルス化学療法剤 薬価基準収載 2014 年 3 月作成(第 3 版) (エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合錠) 注 1)注意−医師等の処方せんにより使用すること 商品名 和名 スタリビルド 配合錠 日本標準商品分類番号 洋名 Stribild ® Combination Tab. 承 エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/ テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 承 認 Tenofovir Disoproxil Fumarate) 薬 価 ® 一 般 名 (Elvitegravir/Cobicistat/Emtricitabine/ 認 2013 年 5 月 2023 年 3 月 年 月 2013 年 3 月 販 元 鳥居薬品株式会社 収 載 2013 年 4 月 製 元 日本たばこ産業株式会社 エルビテグラビル 150mg、コビシスタット 150mg、エムトリシタ ビン 200mg 及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 300mg (テノホビル ジソプロキシルとして 245mg) 添 加 物 二酸化ケイ素、クロスカルメロースNa、ヒドロキシプロピルセルロース、 乳糖、セルロース、ラウリル硫酸 Na、ステアリン酸 Mg、ポリビニ ルアルコール (部分けん化物) 、青色 2 号、マクロゴール、三二酸化鉄、 酸化チタン、タルク 性状・剤形 緑色のフィルムコーティング錠 形 上面 下面 側面 長径 約 20.0mm、短径 約 10.0mm、重量 約 1390mg 識別コード GSⅠ- 2 年(外箱及びラベルに表示の使用期限を参照のこと) 始 組成・性状 サ イ ズ 使用期限 再 審 査 期 間 満了年月 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 (1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 (2)次の薬剤を投与中の患者:リファンピシン、セイヨウオトギリソウ (St. John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート) 含有食品、ジヒド ロエルゴタミンメシル酸塩、エルゴタミン酒石酸塩、エルゴメトリ ンマレイン酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩、シンバスタ チン、ピモジド、シルデナフィルクエン酸塩 (レバチオ) 、バルデナ フィル塩酸塩水和物、タダラフィル (アドシルカ) 、ブロナンセリン、 アゼルニジピン、リバーロキサバン、トリアゾラム、ミダゾラム ( 「相互作用」 の項参照) 外 乾燥剤を同封した気密容器、室温保存 開栓後は湿気を避けて保存すること 号 22500AMX00889000 番 【警告】 B 型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B 型 慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合に は十分注意すること。特に非代償性の場合、重症化するおそれがある ので注意すること。 有効成分 (1 錠中) 貯 法 等 効能・効果 HIV-1感染症 <効能・効果に関連する使用上の注意> 1. 治療経験のない HIV-1 感染症患者に使用すること。また、抗 HIV 薬による治療 経験のある HIV-1 感染症患者に対しては、本剤投与による有効性及び安全性は 確立していない。 2. 本剤による治療にあたっては、可能な場合には薬剤耐性検査 (遺伝子型解析あるい は表現型解析)を参考にすること。 3. 小児 HIV 感染症に対しては、本剤投与による有効性、安全性が確立していない。 用法・用量 通常、成人には1回1錠(エルビテグラビルとして150mg、コビシスタットとして150mg、 エムトリシタビンとして200mg及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として300mg を含有)を1日1回食事中又は食直後に経口投与する。 <用法・用量に関連する使用上の注意> 1. 本剤は、エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビン及びテノホビ ル ジソプロキシルフマル酸塩の 4 成分を含有した配合錠である。本剤の有効成 分であるエムトリシタビン又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む製 剤と併用しないこと。 2. 投与開始時にクレアチニンクリアランスが 70mL/min 以上であることを確認す ること。また、本剤投与後、クレアチニンクリアランスが 50mL/min 未満に低 下した場合には本剤の投与を中止すること。 使用上の注意 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) (1)腎機能障害のある患者[中等度及び重度の腎機能障害のある患者では、エムトリシ タビン及びテノホビルの血中濃度が上昇する(添付文書の「薬物動態」の項参照)。] (2)重度の肝機能障害のある患者 [エルビテグラビルの血中濃度が上昇する可能性がある (添付文書の「薬物動態」の項参照)。] 2. 重要な基本的注意 (1)本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく 説明し同意を得た後、使用すること。 87625 販 売 開 売 造 販 売 1)本剤は HIV 感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含む HIV 感染症 の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況 の変化についてはすべて担当医に報告すること。 2)本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。 3)本剤による治療が、性的接触又は血液汚染等による他者への HIV 感染の危険性を 低下させるかどうかは証明されていないこと。 4)担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。 5) 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医 に報告すること(「相互作用」の項参照)。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を 服用する場合、事前に担当医に相談すること。 (2)本剤は、CYP3A の選択的阻害薬であるコビシスタットを含有するため、CYP3A により主として代謝される薬剤と併用する場合には、併用薬の血中濃度モニタリ ングや診察回数を増やす、また必要に応じて併用薬の減量を考慮するなど慎重に 投与すること(「相互作用」の項及び添付文書の「薬物動態」の項参照)。 (3)本剤は、HIV-1 感染症に対して 1 剤で治療を行うものであるため、他の抗 HIV 薬 と併用しないこと。また、コビシスタットと類似の薬理作用を有しているリトナ ビルを含む製剤、及びエムトリシタビンと類似の薬剤耐性、ウイルス学的特性を 有しているラミブジンを含む製剤と併用しないこと。 (4)エムトリシタビン又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む核酸系逆転写 酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス及び 脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が、女性に多く報告されているので、乳酸 アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランス フェラーゼの急激な上昇等) が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。 特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。 (5)本剤を含む抗 HIV 薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告され ている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染 (マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニュー モシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫 機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー 症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、 必要時には適切な治療を考慮すること。 (6)本剤投与前にクレアチニンクリアランス、尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。 また、本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察し、腎機能 障害のリスクを有する患者には血清リンの検査も実施すること。腎毒性を有する 薬剤との併用は避けることが望ましい。 (7)本剤の臨床試験で、96週投与の結果において、腰椎と大腿骨頸部の骨密度の減少 が認められている。また、 テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の144週投与の結果に おいても、腰椎と大腿骨頸部の骨密度の減少及び骨代謝マーカー (骨型アルカリホス ファターゼ、血清オステオカルシン、血清I型コラーゲン架橋C-テロペプチド及び尿中 I型コラーゲン架橋N-テロペプチド)の増加が認められ、骨代謝回転の亢進が示唆さ れている。また、血清副甲状腺ホルモン及び1,25ビタミンDの増加も認められている。 病的骨折の既往のある患者又はその他の慢性骨疾患を有する患者では、十分な 観察を行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 (8) ア ジア系人種におけるエムトリシタビンの薬物動態は十分に検討されていないが、少数 例の健康成人及び B型慢性肝炎のアジア系人種において、Cmax の上昇を示唆する成績 が得られているので、HBV 感染症合併患者を含め、副作用の発現に注意すること。 (9)抗 HIV 薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので、異常 が認められた場合には適切な処置を行うこと。 (10) エムトリシタビン製剤の試験において皮膚変色が発現し、その発現頻度は有色人種 で高いことが示唆されている。その原因は現在のところ不明である。 3. 相互作用 エルビテグラビル:CYP3A で代謝され、CYP2C9 に対する弱い誘導作用を有する。 コビシスタット:CYP3A 及び一部が CYP2D6 で代謝され、CYP3A 及び CYP2D6 を阻害し、また P- 糖蛋白、BCRP、OATP1B1 及び OATP1B3 を含むトランスポー ターを阻害する。 テノホビル及びエムトリシタビン:糸球体ろ過と能動的な尿細管分泌により腎排泄さ れる。また、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩は CYP1A をわずかに阻害する。 (1)併用禁忌(併用しないこと) 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 リファンピシン (リファジン) セイヨウオトギリソウ (St. John's Wort:セント・ ジョーンズ・ワート)含有食品 エ ルビテグラビル及びコビシス これら薬剤は タットの血中濃度が著しく低下す CYP3Aを誘導 る可能性がある。 するため。 ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩 (ジヒデルゴット) エルゴタミン酒石酸塩 (クリアミン) エルゴメトリンマレイン酸塩 (エルゴメトリン) メチルエルゴメトリンマレイン酸塩 (メテルギン) これら薬剤の血中濃度が上昇し、 重篤な又は生命に危険を及ぼす ような事象(末梢血管攣縮、四肢 及びその他組織の虚血等)が起こ る可能性がある。 シンバスタチン (リポバス) シンバスタチンの血中濃度が上昇 し、重篤な有害事象(横紋筋融解 症を含むミオパチー等)が起こる 可能性がある。 コビシスタット の CY P3A に 対する阻害作用 が考えられる。 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 ピモジド (オーラップ) 薬剤名等 ピモジドの血中濃度が上昇し、重篤 な又は生命に危険を及ぼすような 事象(不整脈等)が起こる可能性 がある。 コビシスタット の CY P3A に 対する阻害作用 が考えられる。 シルデナフィルクエン酸塩 (レバチオ) バルデナフィル塩酸塩水和物 (レビトラ) タダラフィル (アドシルカ) これら薬剤の血中濃度が上昇し、 視覚障害、低血圧、持続勃起及び 失神等の有害事象が起こる可能 性がある。 ブロナンセリン (ロナセン) アゼルニジピン (カルブロック) リバーロキサバン (イグザレルト) これら薬剤の血中濃度が上昇し、 重 篤な又は生命に危険を及ぼす ような事象が起こる可能性がある。 トリアゾラム (ハルシオン) ミダゾラム (ドルミカム) これら薬剤の血中濃度が上昇し、 重篤な又は生命に危険を及ぼす ような事象(鎮静作用の延長や増 強又は呼吸抑制等)が起こる可能 性がある。 (2)併用注意(併用に注意すること) アミオダロン塩酸塩、ベプリジル塩酸塩水和物、ジソピラミド、フレカイニド酢 酸塩、リドカイン塩酸塩、メキシレチン塩酸塩、プロパフェノン塩酸塩、キニジ ン硫酸塩水和物、シクロスポリン、タクロリムス水和物、テムシロリムス、クロ ナゼパム、エトスクシミド、パロキセチン塩酸塩水和物、アミトリプチリン塩酸塩、 イミプラミン塩酸塩、ノルトリプチリン塩酸塩、トラゾドン塩酸塩、コルヒチン、 アムロジピンベシル酸塩、ジルチアゼム塩酸塩、フェロジピン、ニカルジピン塩 酸塩、ニフェジピン、ベラパミル塩酸塩、フルチカゾンプロピオン酸エステル(吸 入剤、点鼻剤)、アトルバスタチンカルシウム水和物、サルメテロールキシナホ酸塩、 ペルフェナジン、リスペリドン、シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ)、タダ ラフィル(シアリス)、クロラゼプ酸二カリウム、ジアゼパム、エスタゾラム、フ ルラゼパム塩酸塩、ゾルピデム酒石酸塩、ボセンタン水和物、ダサチニブ水和物、 ラパチニブトシル酸塩水和物、エベロリムス、ブデソニド、エプレレノン、トル バプタン、エレトリプタン臭化水素酸塩、クエチアピンフマル酸塩、カルバマゼ ピン、フェノバルビタール、フェニトイン、デキサメタゾン、クラリスロマイシ ン、テリスロマイシン、イトラコナゾール、ボリコナゾール、酒石酸トルテロジ ン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、メトプロロール酒石酸塩、チ モロールマレイン酸塩、ワルファリンカリウム、マグネシウム/アルミニウム含 有制酸剤、エチニルエストラジオール、ジゴキシン、リファブチン、アシクロビル、 バラシクロビル塩酸塩、ガンシクロビル、バルガンシクロビル塩酸塩 4. 副作用 外国における抗 HIV 薬による治療経験のない HIV-1 感染症患者を対象とした本剤の 臨床試験 (96 週時) において、701例中330 例 (47.1%) に副作用 (臨床検査値異常除く) が認められた。主な副作用は、悪心110 例 (15.7%) 、下痢 85 例 (12.1%) 、異常な夢 61例 (8.7%) 、頭痛 50 例 (7.1%) 等であった。 臨床検査値異常では、CK(CPK)増加 46 例(6.6%)が多かった。 (承認時) (1)重大な副作用 1)腎不全又は重度の腎機能障害(<1%) 腎機能不全、腎不全、急性腎不全、近位腎尿細管機能障害、ファンコニー症候群、 急性腎尿細管壊死、腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害があらわれること があるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、臨床検査値に異常が認 められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。特に腎機能障害 の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。 2)膵炎(頻度不明)注 2) 膵炎があらわれることがあるので、血中アミラーゼ、リパーゼ、血中トリグリセリ ド等の検査値の上昇がみられた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う こと。 3)乳酸アシドーシス(頻度不明)注 2) 乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止 するなど適切な処置を行うこと。 (2)その他の副作用 下記の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた 場合は適切な処置を行うこと。 種類 頻度 2%以上 代謝及び 栄養障害 2%未満 食欲減退、高コレステロール血症、高脂血症、イン スリン抵抗性、アルコール不耐性、ビタミンD欠乏、 高トリグリセリド血症、食欲亢進 精神障害 異常な夢、 不眠症 睡 眠 障 害、不 安、うつ 病、リビドー減 退、悪 夢、 気分動揺、自殺 念慮、パニック発 作、怒り、多幸 気分、失見当識、妄想症、不安障害、感情不安定 神経系障害 頭痛、 浮動性めまい 傾眠、味覚異常、注 意力障害、錯感覚、片頭 痛、 精神的機能障害、記憶障害、協調運動異常、振戦、 感覚鈍麻、知覚過敏、嗅覚錯誤、認知障害、嗜眠、 運動失調、緊張性頭痛 眼障害 胃腸障害 種類 頻度 2%以上 2%未満 皮膚及び 皮下組織障害 発疹、そう痒症、全身性そう痒症、寝汗、多汗症、紅斑、 斑状丘疹状皮疹、光線過敏性反応、皮膚色素過剰、 剥脱性皮膚炎、湿疹、皮膚疼痛、好酸球性膿疱性 毛包炎、丘疹性皮疹、皮膚炎、脂肪肥大症 筋骨格系及び 結合組織障害 筋肉痛、顎関節症候群、重感、筋骨格痛、四肢不 快感、筋痙縮、骨粗鬆症、関節痛 腎及び 尿路障害 血尿、蛋白尿、頻尿、腎仙痛、ミクロアルブミン尿、 腎結石症 一般・全身障害 疲労 及び投与部位 の状態 異常感、無力症、発熱、熱感、易刺激性、疼痛、胸痛、 末梢性浮腫、インフルエンザ様疾患、空腹、悪寒、 宿酔、脂肪織増加 臨床検査 注3) C K( C P K )増 加、尿中赤血球 陽 性 、アミラー ゼ 増 加 、A S T ( G O T )増 加 、 好中球数減少 その他 ALT(GPT)増加、γ -GTP 増加、リパーゼ増加、尿 中ブドウ糖陽性、血中コレステロール増加、血中ブ ドウ糖増加、血中ビリルビン増加、血中尿酸増加、 血小板数減少、尿中蛋白陽性、血中ブドウ糖減少、 血中アルブミン減少、血中クレアチニン増加、血中 リン減少、血中トリグリセリド増加、ヘモグロビン 減少、血中カリウム増加 勃起不全、しゃっくり、高血圧、ほてり、バーキッ トリンパ 腫、挫 傷、薬 物過 敏 症、回 転 性めまい、 肝損傷、低比重リポ蛋白増加、体重減少、右脚ブロッ ク、肝炎、鼻炎、糸球体濾過率異常 注 2)エムトリシタビン製剤又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩製剤の臨床試験、 製造販売後調査及び自発報告等で報告された副作用を示した。 注 3)グレード 3 及び 4 の臨床検査値異常を示した。 5. 高齢者への投与 本剤の高齢者における薬物動態は検討されていない。本剤の投与に際しては、患者 の肝、腎及び心機能の低下、合併症、併用薬等を十分に考慮すること。 6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 (1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回る と判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立され ていない。] (2)本剤服用中は授乳を中止させること。[エルビテグラビル及びコビシスタットのヒ ト乳汁への移行は不明であるが、エムトリシタビン及びテノホビルのヒト乳汁へ の移行が報告されている。動物実験(ラット)においてエルビテグラビル、コビシ スタット及びテノホビルの乳汁への移行が報告されている。また、女性の HIV 感 染症患者は、乳児の HIV 感染を避けるため、乳児に母乳を与えないことが望まし い。] 7. 小児等への投与 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立されていない。 8. 過量投与 本剤の過量投与に関するデータは限られている。過量投与時に特有の徴候や症状は 不明である。過量投与時には、本剤の副作用 ( 「副作用」 の項参照) について十分に観察 を行い、必要に応じ一般的な対症療法を行うこと。エムトリシタビン及びテノホビル は血液透析により一部除去される。エルビテグラビル及びコビシスタットは血漿蛋 白との結合率が高いため、血液透析又は腹膜透析による除去は有用ではないと考え られる。 9. 適用上の注意 粉砕時の安定性データは得られていないため、本剤を粉砕して使用しないこと。 10. その他の注意 (1)テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩のマウスを用いたがん原性試験(2 年間)に おいて、臨床用量におけるヒトの全身曝露量の 10 倍で雌に肝細胞腺腫が高頻度に 発現したとの報告がある。 (2)健康被験者あるいは軽度から中等度の腎機能障害を有する被験者の腎機能(GFR) に及ぼすコビシスタットの影響を検討した。イオヘキソールクリアランスは変化 がなかったが、血清クレアチニン値を用いた推算クレアチニンクリアランス及び 24 時間内因性クレアチニンクリアランスはプラセボに比べ最大で約 28%低下し た。なお、健康被験者で腎血漿流量を測定したところ、変化はなかった。 承認条件 1.本剤の使用に当たっては、患者に対して本剤に関して更なる有効性・安全性のデータ を引き続き収集中であること等を十分に説明し、インフォームドコンセントを得る よう、医師に要請すること。 2.海外において現在実施中又は計画中の臨床試験については、終了後速やかに試験 成績及び解析結果を提出すること。 3.再審査期間が終了するまでの間、原則として国内の全投与症例を対象とした製造販 売後調査を実施し、本剤の使用実態に関する情報 (患者背景、有効性・安全性 (他剤 併用時の有効性・安全性を含む) 及び薬物相互作用のデータ等) を収集して定期的に 報告するとともに、調査の結果を再審査申請時に申請書添付資料として提出すること。 包 装 スタリビルド®配合錠:30錠/瓶 黄疸眼、視力障害、眼そう痒症、流涙増加、眼乾燥、 眼瞼痙攣 悪心、下痢、 嘔吐、鼓腸 消化不良、便 秘、腹痛、腹部膨満、腹部不快感、 口内乾燥、胃食道逆流性疾患、口唇炎、口の感覚 鈍麻、上腹部痛、肛門周囲痛、心窩部不快感、腸 炎、嚥下障害、排便回数増加、便意切迫、口唇乾燥、 流涎過多、舌障害 ●詳細は製品添付文書等をご参照ください。 ●警告・禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分ご留意ください。 TEL 0120-316-834 FAX 03-3231- 6890 2014 年 10 月作成 GT2-1410H STB TL 002B
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