「四国企業における防災への意識・取り組み」 に関する

平成 18 年 1 月 13 日
四国経済連合会
「四国企業における防災への意識・取り組み」
に関するアンケート調査結果
この度、四国経済連合会では 、「災害に強い地域づくり」への取り組みの一環として、
自然災害に対する四国企業の意識や取り組みについてのアンケート調査を実施しました。
その結果がまとまりましたので、ご報告致します。
〔アンケート実施要領〕
(1)調
査
方
法:郵送によるアンケート調査
(2)調
査
期
間:平成 17 年 11 月 25 日〜 12 月 7 日
(3)調査対象と回答状況:対
象
回答数
四国に本社もしくは事業所を有する企業 460 社
279 社(回答率 60.7 %)
〔結果の概要〕
・災害に対する危機意識では、「地震・津波」、「台風・高潮」は、ともに9割以上の
企業が「リスク要因」であると考えている。なかでも「地震・津波」は、7割近い
企業が「非常に大きなリスク要因」であると回答しており、危機意識が極めて高い。
・自然災害への対策については、「現時点で考えうる対応策は実施している」とした
企業は、災害を「リスク要因」とした企業の1〜2割にとどまっている。今後の対
策としては、建物・設備などハード面の対策、情報・マニュアルといったソフト面
での対応の他、地域との連携強化を考えている企業が多い。
・行政への要望としては、「災害に強い地域づくりのための社会資本整備」が7割を
超え最も多い。また、
「被害予測などの情報提供の充実」も7割程度となっている。
・重点的に取り組むべき社会資本整備の内容としては、「災害時に地域の輸送路とな
る一般道路の整備」、「津波・高潮対策としての堤防の強化」がともに6割を超え
ている。
・四経連としては、今回の調査結果を、関係機関への社会資本整備の充実強化に向け
た要望活動や、防災に対する意識啓発に役立てていきたいと考えている。
本件についてのお問い合わせ先:四国経済連合会
平島、田頭
TEL. 087-851-6032 FAX. 087-821-9384
〔調査結果〕
1.自然災害の経営リスクに対する意識
質問:貴社(貴事業所)が四国で事業を行っていくうえで、自然災害はどの程度
のリスク要因だと考えていますか。「地震・津波」、「台風・高潮」、「渇水」
のそれぞれについてお答え下さい。
・「地震・津波」、「台風・高潮」については、ともに9割以上の企業が、「リスク要因」
であると考えている 。「
( リスク要因」=「非常に大きなリスク要因」+「ある程度
のリスク要因」、以下同様)
・なかでも「地震・津波」は 、「非常に大きなリスク要因」であるとした企業が約7割
を占めており、危機意識が極めて高い。県別に見ると、特に高知県では「非常に大き
なリスク要因」とする企業が8割を超えている。
・「 渇水」についても 、「リスク要因」であると考える企業が半数を超える。県別に見
ると、瀬戸内海側が高いが、高知県でも4割弱がリスク要因と見ている。
非常に大きなリスク要因である
ある程度のリスク要因である
あまり大きなリスク要因ではない
67.3%
地震・津波
台風・高潮
26.6%
35.1%
渇水
17.3%
0%
6.1%
56.3%
38.3%
20%
8.6%
44.4%
40%
60%
80%
100%
(参考)「地震・津波」と「渇水」の経営リスクに対する意識の県別内訳
渇水
地震・津波
非常に大きなリ ある程度のリス あまり大きな
スク要因である ク要因である リスク要因ではない
四 国 計
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
67.3%
58.3%
69.0%
61.3%
80.4%
26.6%
25.0%
27.6%
32.5%
15.2%
非常に大きなリ ある程度のリス あまり大きな
スク要因である ク要因である リスク要因ではない
四 国 計
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
6.1%
16.7%
3.4%
6.3%
4.3%
-1-
17.3%
2.8%
16.4%
27.8%
13.0%
38.3%
36.1%
48.3%
34.2%
21.7%
44.4%
61.1%
35.3%
38.0%
65.2%
2.自然災害に対する対応策の実施状況
質問:自然災害に対し、どの程度備えができていますか。「地震・津波」、「台風・
高潮」、「渇水」のそれぞれについてお答え下さい。
・前問で「地震・津波 」、「台風・高潮 」、「渇水」それぞれについて 、「リスク要因」で
あるとした企業のうち、「現時点で考え得る対応策は実施している」とする企業は、
各々1〜2割程度にとどまっており、多くの企業が対応策はまだ十分でないと考えて
いる。
考え得る対応策は実施済み
地震・津波
16.5%
台風・高潮
渇水
ある程度実施済み
45.6%
20.4%
21.6%
40%
8.4%
12.5%
46.4%
20%
対応策は必要ない
29.5%
54.9%
11.1%
0%
検討中
60%
12.2%
20.9%
80%
100%
〔対象〕 地震・津波:前問で「地震・津波」を経営のリスク要因と考えている企業 261 社
台風・高潮:前問で「台風・高潮」を経営のリスク要因と考えている企業 255 社
渇
水:前問で「渇水」を経営のリスク要因と考えている企業 153 社
-2-
3.対策の具体的な内容
質問:(a)現在実施している対策の内容を、お選び下さい。
(該当するもの全て)
(b)今後行う(もしくは強化する)必要があると考えている対策の内容
を、お選び下さい。(該当するもの全て)
(a)現在実施している対策
・「防災訓練や防災に向けた社員教育の実施」(61.9 %)、「災害対策本部など、災害時の
役割分担や災害時組織の整備」(58.4 %)といった対応が上位を占めている。
(b)今後行う(もしくは強化する)必要がある対策
・様々な対策が必要と考えているが、自社内での取組としては 、「建物・設備の耐震化
や浸水対策」(41.4 %)、「情報システムのバックアップ体制の整備」(39.0 %)などの
割合が高い。
・また、現在実施している割合は低いが 、「自治体や地域住民との連携による地域の防
災力強化への貢献」(41.0 %)、「得意先や協力企業との連携による事業継続体制の仕
組みづくり」(34.1 %)など、地域への貢献や他社との連携強化の必要性を感じてい
る企業が多い。
防災訓練や防災に向けた社員
教育の実施
61.9%
31.3%
災害対策本部など、災害時の
役割分担や災害時組織の整備
58.4%
24.5%
情報システムのバックアップ
体制の整備
39.0%
災害対策マニュアルの作成
35.3%
安否確認・情報収集体制の整備
36.5%
51.5%
50.6%
48.9%
46.8%
41.4%
建物・設備の耐震化や浸水対策
24.7%
26.9%
備品や緊急物資の備蓄
自治体や地域住民との連携に
よる地域の防災力強化への貢献
14.3%
10.4%
得意先や協力企業との連携による
事業継続体制の仕組みづくり
現在実施してい
る対策
41.0%
34.1%
今後行う(もしく
は強化する)必
要がある対策
1.3%
0.8%
その他
0%
20%
-3-
40%
60%
4.行政に望むこと
(1)災害対策として行政に望むこと
質問:災害対策として、行政にはどのような取組を望んでおられますか。
(上位3項目以内)
・「 災害に強い地域づくりに向けた社会資本整備の充実強化」が7割を超え最も多い。
次いで 、「地域ごとの被害予測など、災害に関する情報提供の充実」も7割弱を占め
ている。
災害に強い地域づくりに向けた社会
資本整備の充実強化
71.2%
地域ごとの被害予測など、災害に関
する情報提供の充実
66.4%
43.9%
災害対策にかかる費用の補助や減税
措置
40.6%
官民連携など、地域防災力強化に向
けたリーダーシップの発揮
26.9%
災害対策の手引きなどの提示
0%
20%
-4-
40%
60%
80%
(2)重点的に進めるべき社会資本整備
質問:行政への要望として、具体的には、どのような社会資本整備を重点的に
進めるべきと思われますか。(上位3項目以内)
・「 災害時に地域の輸送路となる一般道路の整備」、「津波・高潮対策としての堤防の強
化」がともに6割を超え、ニーズが高い。
災害時の広域的な緊急輸送路となる
高速道路網の整備
37.0%
災害時に地域の輸送路となる一般道路
の整備
63.0%
22.4%
海からの物資輸送を担う港湾の整備
61.5%
津波・高潮対策としての堤防の強化
渇水対策や洪水防止につながるダムの
建設
26.0%
土砂崩れ防止や水源保全につながる
森林の整備
40.1%
3.1%
その他
0%
20%
40%
60%
〔対象〕前問で「社会資本整備の充実強化」を選んだ 191 社
・県別に見ると、香川県で「津波・高潮対策としての堤防の強化」が8割を超えて非常
に高い比率になったほか、愛媛県、高知県で「土砂崩れ防止や水源保全につながる森
林の整備」の割合が高いのが特徴的である。
・また、「災害時の広域的な緊急輸送路となる高速道路の整備」は、高知県で過半数を
占めたほか、徳島県、愛媛県でも割合が高くなっている。
全
体
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
災害時の広域
的な緊急輸送
路となる高速
道路の整備
災害時に地域
の輸送路とな
る一般道路の
整備
海からの輸送
を担う港湾の
整備
津波・高潮対
策としての
堤防の強化
渇水対策や洪
水防止につな
がるダムの
建設
土砂崩れ防止
や水源保全に
つながる森林
の整備
その他
37.0%
44.4%
25.3%
43.1%
55.6%
63.0%
70.4%
52.9%
74.5%
66.7%
22.4%
25.9%
26.4%
19.6%
11.1%
61.5%
51.9%
81.6%
31.4%
63.0%
26.0%
29.6%
34.5%
21.6%
3.7%
40.1%
29.6%
31.0%
54.9%
51.9%
3.1%
0.0%
4.6%
3.9%
0.0%
以
-5-
上