「技術・事業」の名称 会社・団体・グループなどの名称 人と環境にやさしい自動車エアコン用電動コンプレッサーシ リーズの技術開発 <連絡先> 住 所:刈谷市豊田町 2 丁目 1 番地 電話番号:(0566)27-1344 URL:http://www.toyota-shokki.co.jp/ Mail:[email protected] 株式会社豊田自動織機 1.概要 自動車エアコンの心臓部であるコンプレッサーは、従来型ではエンジンから動力を得て いた。これに対し当社では、エンジン動力に依存しないことで、自動車の燃費向上アイテ ムであるアイドルストップなどでも稼動する、量産車エアコン用電動コンプレッサーを開発 した。加えてコンパクト~ミディアム~ラージクラスで、各々の車格における要求を満たす ため、シリーズ化を果たした。電動コンプレッサーは、モーターを動かすのに大きな容量 の蓄電池を必要とするため、HV や EV に適しており、電動コンプレッサー市場で当社製は 8 割を占める。2003 年に「ES18」が、世界で最初に量産車用として 2 代目トヨタプリウスに 搭載されて以来、人と環境にやさしい当社の電動コンプレッサーは、あらゆる車格に適応 することで世界の自動車メーカーに採用され、累計生産台数は 430 万台に達している。 (2012 年 7 月現在) ■世界初の量産車エアコン用 電動コンプレッサー「ES18」 ■初めてインバーターを内蔵 した「ES27」 2.先駆性・独創性 ①HV は通常、エンジン車をベースとするため、コンプレッサーの大きさが制約される。従 来型に対し、モーターやインバーターを追加するにもかかわらず、体格を同等に抑える 必要がある。当社は、電動化により動力をエンジン回転に依存しないことに着目。コン プレッサーを高回転型にすることで容量を小さくし、体格の小型化を図った。 ②低燃費車に搭載されるため、重量も抑える必要がある。「ES18」では極限までの薄肉 化、コンプレッサー内スペースの効率化、コイル巻き方の工夫によるモーターのコンパ クト化、等を徹底追究した結果、体格や重量を従来型並に抑えることに成功した。 ③冷房能力に応じ容量を変えることでシリーズ化し、室内空間の違いに対応している。 ④シリーズ化の過程で別体だったインバーターを一体化し、さらなる小型・軽量化に寄与。 ⑤高級車では高い静粛性が要求される。当社ではモーターのローター形状を工夫し、トル クのバラつきを抑えることで、振動と騒音を低減させた。この結果、当社が 2007 年に量 産を開始した「ES34」では、高級車レクサス LS ハイブリッドへの搭載に相応しい静粛性 を実現した。 ⑥当社が 2012 年に量産を開始した「ESA34」では、軽量化に加え、これまで筐体上部にレ イアウトしたインバーターを側面に移動させることで、搭載性を向上させた。加えてエネ ルギー消費効率も向上させている(グラフ 4)。 3.環境負荷低減効果 ①電動コンプレッサーは、エンジン停止中でも稼動が可能であ る、効率がよい、回生エネルギーを利用できる、等により車両 の実用燃費が大幅に向上。「ES18」では、従来型コンプレッサ ー搭載車で同等の快適性を求めた場合に比べ、車両燃費が 8%向上している。 ②開発のたびにリデュース設計を推進し、資源消費を抑える開発 を行っている(グラフ 1、2、3)。 ③「ES34」開発における静粛性向上取り組みの結果、「ES27」 (2005 年に量産開始)よりも 5dB 低減させている。 このように当社では、電動コンプレッサーのシリーズ化を通して 小型化・軽量化・高効率化 等、環境性能を向上させている。 (%) 100 <グラフ 1> 重量比較 100 82 0 ES14 ES18 インバーター ■エネルギー消費効率を高め た最新電動コンプレッサー 「ESA34」 インバーター (%) 100 0 <グラフ 2> 重量比較 100 90 ES34 ESA34 (ES18 はインバーターを含む) <グラフ 3> 冷房能力あたりの重量比較 (%) 100 100 0 58 54 ES27 ES34 <グラフ 4> エネルギー消費効率比較 110 (%) 100 100 0 ES18 ES34 ESA34
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