e-NEXI 2010 年 10 月号 ➠特集 再生可能エネルギー特集 ①再生可能エネルギーの普及拡大に向けて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー対策課 再生可能エネルギー推進室 ②太陽熱発電事業への取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 日揮株式会社 事業推進プロジェクト本部電力・新エネルギー部 渋谷英俊 ∼NEXI 発 連載シリーズ 第 9 回∼「紛争解決にみる真の国際化とは」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 独立行政法人日本貿易保険債権業務部 査定回収グループ 審査役 服部義一郎 ➠カントリーレビュー イラク:長びく政治的空白と治安、石油ガス開発への不安・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 ➠NEXI ニュース 2010 年日独バイ協議の開催について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 発行元 発行・編集 独立行政法人日本貿易保険(NEXI) 総務部広報・海外グループ e-NEXI (2010 年 10 月号) 1 再生可能エネルギーの普及拡大に向けて 経済産業省 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー対策課再生可能エネルギー推進室 1.はじめに エネルギー源の多様化、地球温暖化対策等の観点から、太陽光発電をはじめとした再生可能エネル ギーが内外で注目されています。特に日本の太陽光発電関連産業は、高い技術力を有することに加え て、販売、施工、周辺機器など裾野が広いことから、地域の経済にとっても重要であり、将来日本の基 幹産業となる可能性があります。 このように、再生可能エネルギーの導入拡大は、「地球温暖化対策」のみならず、「エネルギーセキュリ ティの向上」、「環境関連産業育成」の観点から低炭素社会と新たな成長の実現に大きく貢献するもの と考えられています。 経済産業省では、再生可能エネルギーの導入拡大を図るため、買取制度、補助金等の支援策を行 っておりますので、その概要をご紹介いたします。 【太陽電池生産量の国際比較】 【例.太陽光発電産業について】 シリコン 原料・基板 製造装置 メーカー 関わる 産業 係わる産業 セル・ モジュール 原材料 電子 部品 太陽電池 メーカー システム周辺機器メーカー (重電メーカー/家電メーカー) セル 建材メーカー 各種 原材料 集電箱、 インバータ、 連系保護装置、 バッテリー 太陽電池 モジュール 建材一体型PVモジュール 架台 非鉄金属 化 学 ガラス・窯業 鉄 鋼 金属製品 機 械 電子・電気機器 輸送用機器 精密機器 システム化 ハウス メーカー 太陽電池 メーカー ゼネコン エンジニアリング メーカー 配線、設置工事、施工 配線、 設置工事、 施工 個人 重電メーカー 電源メーカー 企業 地方 自治体 中央省庁 IPP 電力会社 (出典:METI作成) 1 e-NEXI (2010 年 10 月号) 2 2.再生可能エネルギーの全量買取制度【検討中】 (1) 基本的考え方 全量買取制度の設計に当たっては、「再生可能エネルギーの導入拡大」、「国民負担」、「系統安定 化対策」、の3つのバランスをとることが極めて重要であり、国民負担をできる限り抑えつつ、最大限に導 入効果を高めることを基本方針としています。 本年4∼5月に全国21箇所で開催した地域フォーラムや、意見募集に対して国民の皆様から寄せら れた意見や、「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」における議論を参考に、3月 31日に提示したオプションのうちケース4をベースとした案を上記観点から最適と判断して選択することと いたしました。 ケー ス 1※ 1 A.買取対象 A1 あらゆる 再生可能エネル ギー B.住宅用 太陽光発電 の取扱い B1 全量買取 C.新設・既設 D.買取価格 C1 新設+既設 3 4 5 A2 C2 実用化されて B2 新設のみ※ 2 いる再生可能 住宅用 エネルギー 太陽光発電等は 余剰買取 D1 一律 20円 価格※ 3 15円 20円 15円 D2 コストベース E.買取期間※3 導入量 (万kW) 想定年間 発電量 (億kWh) CO 2 削減量 (万t) CO 2 削減 コスト(円/t) 年間 買取費用 (億円) E3 20年 3,773以上 513以上 3,075以上 52,297以下 16,083以上 3,155∼ 3773 397∼513 2,382∼ 3,075 25,743∼ 28,854 6,131∼ 8,873 3,155∼ 3,474 397∼481 2,382∼ 2,887 19,407∼ 21,798 4,622∼ 6,292 3,102 397 2,382 20,596 4,906 20年 E3/E2 15年 20年 15年 E2 15年 ※1 複数のケースの中から4通りを選んだため、ケース番号2及び6が抜けている。 ※2 住宅用太陽光発電等については既存の設備も含む。 ※3 住宅用太陽光発電等については買取価格・期間を別途設定。 (出典:METI作成) 注) なお、ケース3∼5については、既設設備への措置を考慮せずに試算を行った。 この結果、オプションにあるとおり、導入量は 3,200 万∼3,500 万kW程度増加し、CO2は 2,400 万∼ 2,900 万t削減される見込みです。また、こうした導入拡大を通じて、2020 年までに再生可能エネルギー 関連市場が 10 兆円規模となることを目指します。なお、買取費用の負担は標準的な家庭において約 150∼200 円/月程度と試算しております。(いずれも制度導入後 10 年目の試算) 2 e-NEXI (2010 年 10 月号) 【国内市場の成長】 再生可能エネルギー関連市場 2009年 約1兆円 全量買取制度による 国内販売額の拡大 2020年 約1.3兆円 + 政策の総動員 Ø 海外市場獲得 Ø 技術革新 Ø 規制緩和 等 2020年 10兆円 (出典:METI作成) 具体的な買取価格及び制度の詳細については、国民負担や産業競争力等の観点を踏まえつつ、地 球温暖化対策のための税、国内排出量取引制度の議論の動向も見極めながら、今後検討を進めてま いります。 (2)全量買取制度の具体的な制度イメージ A.買取対象 再生可能エネルギー全体の導入を加速化する観点から、実用化された再生可能エネルギーである 太陽光発電(発電事業用まで拡大)、風力発電(小型も含む)、中小水力発電(3万kW以下)、地 熱発電、バイオマス発電(紙パルプ等他の用途で利用する事業に著しい影響がないもの)まで買取対 象を拡大します。 B.全量買取の範囲 メガソーラーなどの事業用太陽光発電をはじめとした発電事業用設備については、全量買取を基 本とします。住宅等における小規模な太陽光発電等については、省エネインセンティブの向上等の観 点から例外的に現在の余剰買取を基本とし、今後具体的な方法について検討いたします。 C.新設・既設の取扱い 新たな導入を促進するため、新設を対象とすることを基本としますが、既設設備についても稼働に著 しい影響を生じさせないという観点から、価格等に差をつけて買い取る等、何らかの措置を講じます。 D.買取価格 太陽光発電等を除いた買取価格については、標準的な再生可能エネルギー設備の導入が経済的 3 3 e-NEXI (2010 年 10 月号) に成り立つ水準、かつ、国際的にも遜色ない水準とし、15∼20 円/kWh 程度を基本とします。また、エ ネルギー間の競争による発電コスト低減を促すため、一律の買取価格とします。 今後価格の低減が期待される太陽光発電等の買取価格については、価格低減を早期に実現す るため、当初は高い買取価格を設定し、段階的に引き下げます。 E.買取期間 太陽光発電等を除いたエネルギーの買取期間は、設備の減価償却期間等を参考に、15∼20 年 を基本とします。なお、太陽光発電等の買取期間については、10 年とします。 F.費用負担の方法 / H. 軽減措置 本制度により、電力部門のエネルギー自給率の向上とグリーン化が進展することや、買取費用の回収 に係る制度を安定的に実施していく観点から、諸外国の例も踏まえ、電気料金に上乗せする方式と することを基本とします。 全ての需要家が公平に負担する観点から、電気の使用量に応じて負担する方式を基本とします。 G.地域間調整 地域ごとに再生可能エネルギーの導入条件が異なる中で、買取対象を拡大するに当たって、地域間 の負担の公平性を保つため、地域間調整を行うことを基本とします。 (3)電力系統の安定化対策 系統安定化対策については、電力需要が特に小さい日等に備えて、将来的に蓄電池の設置や太 陽光発電等の出力抑制を行うなど、国民負担を最小化しつつ再生可能エネルギーの最大限の導入 を可能とするような最適な方策を今後検討してまいります。 (4)その他 以上の制度を実現するため、RPS法の廃止も含め法制面の検討を進めます。また、住宅用太陽光 補助金は、適切な見直しを図りつつ当面存続することで、一般家庭の初期費用負担を軽減し、更にシ ステム価格の低下を誘導してまいります。 さらに、再生可能エネルギー設備の設置に関し、諸規制の適切な見直しや公正で透明な電力系統 の運用の確保など、その導入のための環境整備も重要であると考えます。 今後も検討状況につきまして、随時ホームページで明らかにしてまいりますので、ご覧頂ければと存じま す。 4 4 e-NEXI (2010 年 10 月号) 3.太陽光発電の余剰電力買取制度【実施中】 ご紹介した再生可能エネルギーの全量買取制度に先立ち、太陽光発電の余剰電力買取制度が平 成21年11月よりスタートしています。これは、平成21年7月1日に成立した「エネルギーの供給事業者 による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」に基づ き、太陽光発電設備において発電された電力のうち、自家消費分を除く余剰電力について、電力会社 が従来のおよそ2倍程度の価格で買い取る制度です。 太陽光発電の余剰電力買取制度の概要 (出典:METI 作成) 以下、制度の概要を紹介しますが、紙面の関係で概要のみの紹介となりますので、詳細については、 ポータルサイト(http://www.enecho.meti.go.jp/kaitori/)をご覧ください。 (1)買取期間 この制度は平成21年11月1日から施行されました。買取期間は10年間(120ヶ月)で、買取価 格は10年間固定です。 (2)買取対象及び買取価格 この制度では、平成21年11月以前に太陽光発電設備を設置していた方も対象となります。制度 開始以降、新たに太陽光発電設備を設置された方は、電力会社との受給契約手続等の終了後、 順次制度の対象となります。 買取価格は、年度ごとに低減する方向で見直しが行われます 1が、平成22年度の買取価格は以 下の図のとおりです。なお、メガソーラー(出力が500kW以上)や発電事業目的の設備等の買取価 格等については、本制度の対象外となり、電力会社との相対取引で買取価格が決まります。 1 買取価格は、毎年1月末∼2月上旬に開催される審議会の議論を踏まえ決定されます。 5 5 e-NEXI (2010 年 10 月号) また、太陽光発電設備に加え、燃料電池、蓄電池等の自家発電設備を併設している場合は、併 設していない設備に比べ余剰電力量が増加することを踏まえ、その買取価格は住宅用(10kW未 満)で39円/kWh、それ以外では20円/kWhとなります。 制度導入当初の買取価格 (出典:METI 作成) (3)費用回収及び負担転嫁 電力会社が太陽光発電の余剰電力の買取りに要した費用は、電力を使用する方々全員に、電 気の使用量に応じて薄く広く御負担いただきます。 具体的には、ある年の買取りに要した費用は、翌年度の電気料金に「太陽光発電促進付加金」と して上乗せされます。 その負担額は、実際に買取りに要した費用によって異なりますが、制度導入当初においては0.1円 /kWh、5年目∼10年目においては0.15円∼0.30円/kWh程度になると見込まれます 2。 2 標準家庭(電気使用量が毎月 300kWh の場合)の負担額は、月額30円から100円未満 の見込み。 6 6 e-NEXI (2010 年 10 月号) 7 4.その他の支援策について (1)補助金(平成22年度) 住宅向けの太陽光発電設備の場合、システム価格が65万円/kW以下で、品質保証等の要件 を満たすものに対し、1kW当たり7万円が補助されます。(詳しくは、一般社団法人太陽光発電協会 太陽光発電普及拡大センター http://www.j-pec.or.jp/)。 太陽光発電導入支援のための補助制度、税制の概要 (出典:METI 作成) 非住宅向けの場合、設置主体が公的機関や非営利民間団体(地方自治体、学校、病院、介護 施設等)のとき、または、設置主体が民間事業者であっても地方自治体と連携している場合、事業費 の2分の1以内が補助されます。それ以外の民間事業者に対しては、事業費の3分の1以内が補助さ れます。なお、平成23年度においては「全量買取制度」の検討を踏まえ、新規採択は実施しないこと とし、既採択分の後年度負担を行うこととしています。(詳しくは、一般社団法人新エネルギー導入促 進協議会 http://www.nepc.or.jp/) なお、これらの経済産業省・資源エネルギー庁による補助制度のほかにも、関係省庁、地方公共 団体等が独自に補助制度を有している場合があります。 (2)税制 ローンを組んで新築住宅を取得する場合、ローンの年末残高の1.0%が所得税から控除されます (長期優良住宅の場合は1.2%)。ローンを組まずに既築住宅の省エネ改修工事を行う場合は、工 事費用の10%が所得税額から控除されます。 非住宅用の場合、太陽光発電設備設置の際に、所得税または法人税から所得額の7%の税額 控除(中小企業のみ)、もしくは、初年度の即時償却が可能となります。さらに、固定資産税に関して も、最初の3年間の課税標準が2/3に軽減されます。 7 e-NEXI (2010 年 10 月号) 5.消費者問題への対応について 買取制度の創設や太陽光発電設備に対する補助金等に際して、最近、太陽光発電設備の購入 等に関する消費者相談が増加傾向にあります。その多くが訪問販売によるものであり、具体的には、売 電によって光熱費やクレジットの手数料等の費用負担がゼロになる旨や、すぐに契約しないと補助金が受 けられない旨などの不実な告知が疑われるケースが見られます。 経済産業省としても、太陽光発電協会に消費者向けの窓口を設置するなどの対応を進めているとこ ろですが、皆様におかれましても、システム設置の際の強引な勧誘や制度についての誤った説明等には十 分にご注意ください。 本件に関する詳しい説明は、資源エネルギー庁 再生可能エネルギー推進室 http://www.enecho.meti.go.jp/kaitori/ 03-3501-1511(内 線 4455∼8) 8 8 e-NEXI (2010 年 10 月号) 太陽熱発電事業への取り組み 日揮株式会社 事業推進プロジェクト本部電力・新エネルギー部 シニアプリンシパル 渋谷 英俊 (しぶや・ひでとし) 日揮(株)は、スペインのアベンゴア・ソーラー社(Abengoa Solar)と共同で、同国における新規太陽熱 発電事業への参画を決定しました。本事業は、スペイン南部コルドバ地区(Cordoba)に 50MW の太陽熱 発電所 2 基(合計 100MW)を新たに建設し、同国内向けに売電する事業で、発電所の建設および事業 運営は当社が 26%、アベンゴア・ソーラー社が 74%を出資する新事業会社を通じて実施します。操業は 2012 年からを予定しており、本事業は日本企業による初の商業用太陽熱発電事業となります。 総事業費は約 5 億ユーロ以上の規模が見込まれ、このうち 3 億 5,000 万ユーロはプロジェクト・ファイナ ンス融資となります。また、独立行政法人 日本貿易保険(NEXI)が本事業に対して、海外事業資金貸 付保険の付保を行うことになっており、発電事業向けプロジェクト・ファイナンスとして、初めて「地球環境保 険特約」を適用する案件です。 太陽熱発電(CSP: Concentrated Solar Power)はあまりなじみのない発電方式ですが、1980 年代 石油危機があった時代、米国で開発・運転され(現在も運転中)で、現在では、スペイン政府が進める固 定価格買取制度の下で事業が進められ、既に商業運転に入っているプロジェクトもあります。 1. 太陽熱発電とは 再生可能エネルギーでの発電の種類には水力、地熱、風力、波力、潮力、太陽など種々があり ます。太陽エネルギーによる発電は、太陽光と太陽熱に大別され、太陽光発電は、光起電力効果 を利用し、光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電方式で、PV(PhotoVoltaic:太陽電 池)が用いられます。日本でも一般家庭、公共設備などの屋根などに設置され、多くの企業が太陽 光発電モジュールを製造・販売しており我々にも馴染み深いものです。 一方、太陽熱発電は、太陽エネルギーをミラーで受け、集光し、そのエネルギーで媒体を加熱し、 熱エネルギーを得て、蒸気を発生させ、蒸気タービンに蒸気を送ることで汽力発電を行うものです。 太陽熱発電のシステムとしては、タワー式、トラフ式、フラネル式、ディッシュ式、と最近日本の技術 が使われているビームダウン式があります。 9 9 e-NEXI (2010 年 10 月号) トラフ タワー フラネル ディッシュ 太陽熱発電システム 出典:Abengoa Solar タワー式太陽熱発電は、ヘリオスタットと言われる平面のミラーが地上に設置されます。ヘリオスタッ トで受けた太陽光は、タワーの中心にある受光部に集中し、蒸気を発生させます。この設備の特徴 は、数メートル四方のミラーを配備した数百枚から数千枚のヘリオスタットを用いて、太陽光を一箇所 に集中させることが出来るため、高温を得ることも可能になります。 タワー型太陽熱発電システム(PS-10,Sevilla Spain) 出典:Abengoa Solar 10 10 e-NEXI (2010 年 10 月号) トラフ式太陽熱発電は、1980 年代から米国で開発・運転され、途中運転を停止した時期はあり ましたが長期の運転実績を有しています。また、欧州でも 1980 年代から、企業及び研究所が参加 し、PSA(Plataforma Solar De Almeria)を中心に、太陽熱発電技術が開発されました。 トラフ式太陽熱発電では、曲面をもったミラーが用いられ、このミラーの前には、太陽光を吸収する 集熱チューブが設置されています。(これらミラーと集熱チューブからできる構造体をコレクターと称す る。)集熱チューブ内にはオイルなどの熱媒体が循環しており、ミラーにて集熱チューブに集光された光 エネルギーは、熱エネルギーとして熱媒体に伝えらます。 太陽熱コレクター 出典:Abengoa Solar 多くのトラフ式太陽熱発電設備には市販の合成油が熱媒体として使用されています。太陽によっ て加熱された合成油は蒸気発生器に送られ、その蒸気にて蒸気タービンを回します。 2. 太陽熱発電の歴史 太陽熱発電の歴史は、第 2 次オイルショック後の 1980 年前半に米国カリフォルニアで 10MW の設 備から始まりました。その後、1985 年以降アメリカで総計 350MW の太陽熱発電プラントが稼働しまし たが油価が安定してからは、新規のプロジェクトは暫くありませんでした。しかし、近年、再び油価が高 謄し、太陽熱や風力といった、再生可能エネルギーの活用が着目されるようになりました。さらに、原 子力発電や火力発電と比較して、発電コストの高い再生可能エネルギーを普及されるため、欧州 各国では高い売電価格を長期間保証する、FIT 制度(Feed In Tariff, 固定価格買取制度)が導入 されており、同制度を有するスペインで、複数のプロジェクトが計画されるようになりました。2010 年初 めには、スペインだけでも 10 プラント総計 430MW の CSP プラントが既に稼働しており、その他に約 2,000MW の計画があります。 米国、アルジェリア、モロッコ、エジプトでは、ガスタービンコンバインドサイクルと太陽熱発電をインテ グレートしたインテグレーテッド・ソーラ・コンバインドサイクル(Integrated Solar Combined Cycle : ISCC)の建設が始まっており 2010 年に一部プラントが稼働する予定です。太陽熱発電及びインテグ 11 11 e-NEXI (2010 年 10 月号) レーテッド・ソーラ・コンバインドサイクル共に、主要/補助熱源・発電機の違いはありますが、太陽エネ ルギーの集光方法は同じです。太陽熱発電を電気自動車に例えると、インテグレーテッド・ソーラ・コ ンバインドサイクルはハイブリッド自動車に相当します。 主要熱源 補助熱源 発電機 集光/集熱 CSP 太陽熱 化石燃料 蒸気タービン トラフ+チューブ ISCC 化石燃料 太陽熱 コンバインドサイクル トラフ+チューブ 出典:日揮株式会社 日本では、1982 年に香川県でサンシャイン計画と名付けられた太陽熱発電の国家実証プロジェ クトが実施されましたが、日射強度不足などの原因により、期待した成果は得られなかったという歴 史があります。 3. 太陽熱発電の特有事項 (1)日射量:日射量の変化に比例し、発電量が変化します。太陽エネルギーを使う場合、発電事 業者は NASA、ドイツ航空宇宙センター、地方気象台などから長期間(15∼30 年分)の直達 日射量データやその他気象データを入手・分析し、事業性・送電線へのアクセス・水利用の利 便性などから、慎重にサイトを選定します。 太陽熱発電に適したサイトでは年間日射量が長期間データ平均値と比較し、±10%の幅を 超える可能性は極めて少なく、サイト選定と十分なデータ分析により、このリスクは軽減できると 判断されています。 (2)環境影響:世界銀行の基準に則した環境影響評価を実施し、環境に影響がないことを確認 します。 (3)品質管理:集光鏡・集熱チューブが砂塵などによって効率悪化する事を防ぐために耐久性のあ る材料を選定、集光設備のクリーニング、スペアパーツの常備などを実施し、品質管理に徹して います。クリーニングは専用洗浄車で定期的に洗浄し、砂塵の付着を防いでいます。アメリカで の太陽熱発電プロジェクトでは拳ほどの大きさの石がチューブを直撃し、運転に支障があったとの 話を聞いています。そのため、今では土手を作る、サイト内を舗装すること等で対応しています。 風による発電量への影響も、年間発電量を推定する際に加味します。サイト内には気象観 測装置が設置され、ある一定以上の風が吹くと、コレクターはサバイバルポジションに移行し、風 によるコレクターの損傷を防ぎます。また、風に関しても長期間(30 年程度)のデータがとられ、コ レクターがサバイバルポジションで対応できるサイトが選ばれます。 4. トラフ式太陽熱発電設備 日の出と同時に太陽光エネルギーをミラーに集光し、集熱チューブに焦点を合わせて反射させます。 12 12 e-NEXI (2010 年 10 月号) 集熱チューブには熱媒体となる合成油が流れ、熱媒体の温度は約 390℃に達します。集熱チューブ は 2 重管となっており、内管に合成油が入り、内管と外管の間は真空状態になっています。真空状 態にすることにより集熱チューブの中で暖められた合成油の熱を逃げ難くしています。太陽熱発電の 「技術の肝」はこの集熱チューブにあると言われ、世界で実績のあるメーカーは Schott(独)と Solel(イ スラエル)の 2 社のみ。2009 年に Solel は Siemens に約 4 億ドルで買収されました。 トラフ型太陽熱発電システム(Solenova-1) 出典:Abengoa Solar 複数個のコレクターが直列につながり、1つのループを形成し、必要とする蒸気タービンの発電量に よりループの数が決められます。このループの集合体を集光設備といい、この集光設備には太陽軌道 データがインプットされ、コレクターは自動的に太陽を追尾します。 強風時は集光設備を地面に向けて伏せ、安全なポジション(サバイバルポジション)を取ります。熱 媒体である合成油は高温劣化を防ぐため温度センサーで監視され、400℃以下に維持されます。天 候条件により熱媒体の温度が上昇する場合、集熱チューブに集光しないようミラーをずらし、熱を破 棄し、熱媒体温度をコントロールします。逆に日射量が下がった場合や太陽エネルギーでの発電の 運転の特徴である DSS(Daily Start & Stop)に対しては、補助ボイラーにて熱媒体を加熱する他、 蒸気サイクルにおいて蒸気条件を蒸気タービンへの供給条件に合うよう自動制御するシステムが設け られています。これらシステムにより、DSS を含め、発電設備の運転や発電出力が制御されます。 13 13 e-NEXI (2010 年 10 月号) 太陽追従システム 出典:Abengoa Solar 5. 再生可能エネルギー優遇制度 日本においても検討が進められているように、風力や太陽光・熱など再生可能エネルギーの発電 原価は、原子力や火力発電と比較してまだ高く、導入促進には優遇制度が欠かせません。欧州の スペイン、ドイツ、ポルトガル、イタリア、フランスなどでは普及拡大と太陽光パネルや風力タービンの大 量生産によるコストダウンを目的に FIT 制度 (Feed In Tariff, 固定価格買取制度)を導入していま す。固定買取価格は再生可能エネルギーのタイプ(風力、太陽光・熱)や規模により各国異なります が、通常買取電力価格の数倍に設定し、20 年∼25 年の長期買取を確約しています。例えば、風 力発電の発電原価はある程度成熟した市場が既にあり、固定買取価格は太陽光発電の固定買 取価格に比べて低くなっています。このように欧州では固定価格買取制度を導入する事により風力、 太陽光・熱発電などの再生可能エネルギー開発を促進し、同時に産業振興、雇用拡大に繋げてい ます。 スペインでの太陽熱発電における FIT 制度は、2009 年 5 月 7 日に発行された Royal Degree に て、 l Feed-in Tariff (FIT)は、スペイン政府により一定期間保証され、全発電量をグリッドに送ること が出来る(法令 661/2007)。 l 適格要件を満たすプロジェクトは Pre-registration され、期限内にグリッド接続されれば現行の 固定価格買取価格が適用される(法令 6/2009) l Market Tariff 分は、Market Operator から支払われ、Premium 分は、 National Energy 14 14 e-NEXI (2010 年 10 月号) Commission (CNE)から支払われる ことが規定されています。 固定買取価格には、 l Fixed Tariff という市場での電力取引タリフにリンクしないもの(Fixed Tariff) l 最低タリフが決められ電力取引タリフとリンクするもの(Market Tariff + Premium) の 2 種類があります。 出典:日揮株式会社 これらの価格体系は上記の図に示した通りで、Fixed Tariff のケースでは、グリッド接続後から 25 年 間は 26.9 ユーロセント/kWhr、その後は 21.5 ユーロセント/kWhr がタリフとなります。一方、Market Tariff + Premium での Premium はグリッド接続後から 25 年間は 25.4 ユーロセント/kWhr、その後は 20.3 ユーロセント/kWhr であり、これにマーケットでの電力価格が乗せられます。しかし、マーケットでの 電力価格が 9.0 ユーロセント/kWhr から 34.4 ユーロセント/kWhr の間では、Market Tariff + Premium のタリフは 34.4 ユーロセント/kWhr と固定されます。マーケットでの電力価格が 34.4 ユーロセント/kWhr 以上となった場合、マーケットでの電力価格がタリフとなります。 6. 再生可能エネルギー及び太陽エネルギーにかかわる日揮の取り組み 各国が掲げる温室効果ガス削減目標において、再生可能エネルギーの導入による化石燃料削 減対策は不可欠なものとなっています。EU では更に踏み込んで 2020 年までに電力需要の 20%を再 生可能エネルギーで賄うとの目標を掲げています。2008 年度の EU における発電タイプ別新規発電 所設置容量では風力発電がガス火力発電を抜きトップとなるなど EU の再生可能エネルギーへの取 組みに対する本気度を垣間見ることが出来ます。 では、なぜ EU は再生可能エネルギーの導入促進にここまで積極的なのだろうか?また、アブダビを 初めとする産油国はなぜ再生可能エネルギーに興味を示しているのであろうか? そこには温室効果ガス削減という世界各国が取り組むべき挑戦とその裏にエネルギー安全保障、 15 15 e-NEXI (2010 年 10 月号) エネルギー需要増加と石油資源の有効利用、新たな環境ビジネスへの挑戦などが見え隠れしている と考えています。 日揮が EPC を手がけている中東や北アフリカ地域の多くはサンベルト地帯とも呼ばれ、太陽エネル ギーが豊富な地域です。アブダビを初め、サウジアラビア等でも太陽エネルギーの利用にむけた具体的 なアクションが政府主導で進められています。また、欧州の再生可能エネルギー先進国は、着々とこ の地域での再生可能エネルギーの展開を準備しており、今後、この地域でのマーケット拡大への対応 を始めています。 出典:World map of direct solar radiation on earth, evidencing the “sun belt” (source E.C.- DGXVII) 日揮は、日揮の EPC 事業と親和性のある中東及び北アフリカ地域での、新たな発電事業への投 資として、この地域に豊富な太陽エネルギーを利用した発電事業への投資を考えています。現在、日 揮では太陽熱を利用した発電(CSP/ISCC)への事業投資を目論み、この地域でのプロジェクト開発 に取り組んでいます。 これを進めるにあたり、FIT 制度などが整備され安定的な収入を得られる国で事業開発実績を積 むため、スペインでの太陽熱発電事業に参画しました。太陽熱発電は集光設備と発電設備のインテ グレーションが求められ、プロセス的要素も多く、当社のエンジニアリング能力を発揮できる領域と言え ます。また、発電以外の分野への応用も可能と考えています。 16 16 e-NEXI (2010 年 10 月号) ∼NEXI 発 連載シリーズ 第 9 回∼ 紛争解決にみる真の国際化とは 独立行政法人日本貿易保険 債権業務部 査定回収グループ 審査役 服部義一郎(はっとり・ぎいちろう) 昨今、様々な産業分野においてシステム輸出を促進せよとの声が高まっている。単なる機械・設備の輸 出でなく、建設工事やシステム運用支援までをパッケージとし競争力ある提案を行うことがポイントだ。一 方で、海外事業には、国内と異なる様々な契約上の紛争要因が潜む。円滑な海外での事業推進のた めには、紛争発生時への備えが重要な課題の一つだ。 昨年ドバイ・メトロプロジェクトで発生した巨額の工事請負代金を巡るドバイ市政府当局と本邦大手建 設会社との交渉はマーケットの大きな注目を集めた。特に、海外での建設工事は他国内で役務が実施 されるため、その国の法制度・慣習などの影響を強く受ける。又、機械・設備のように明確に仕様を規定 できる場合と異なり、工事の質・範囲の認識相違が契約上の紛争へと発展する場合もある。 これまで、契約上の見解に少々の齟齬があってもプロジェクトは必ず完成させるという日本企業のスピリッ トは海外の発注者から厚い信頼を集めてきた。一方で、発注者は強い立場にあり紛争発生時には契約 者が譲歩し幕引きを図る、こうした日本流の考え方は海外プロジェクトにおいても甘受されてきたように思 う。 しかし、国際競争の激化、プロジェクトの多様化が進む現在、こうした契約の論理を超えた手法のみで海 外の紛争解決にあたるのは不十分である。契約において、権利・義務、紛争解決手段を明確に取り決 めておく必要がある。例えば、国際的に広く認知されている FIDIC(国際コンサルティング・エンジニヤ連盟) 約款では、契約上の権利・義務に基づき、第三者のエンジニアが紛争解決を図り、不成功の場合には 仲裁手続きに進む、といった道筋が明確に定められている。こうした国際標準を参考にして、紛争発生時 に備えた契約条件の取り決めを心がける必要がある。加えて重要となるのは、安易な妥協をせずに、契 約条件に基づき紛争解決に正面から取り組む姿勢だ。その実施には、国際的な人材の育成、それをバ ックアップする環境も必要となる。 国際的な大競争時代を迎えている昨今、契約は取引を支配するバイブルであることを再認識する必要 がある。紛争発生時には契約に従って、誠実な権利の主張を行い、相手方にも誠実な対応を求めてい くことが、日本企業の真の国際化への一つの条件と言えるのではないかと考える。 17 17 e-NEXI (2010 年 10 月号) 900 817 800 663 541 566 593 580 561 593 599 521 700 600 500 400 300 200 100 0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 国際商業会議所(ICC)での新規仲裁申し立て件数の推移 (出典:ICC 統計データより NEXI 作成) 18 18 e-NEXI (2010 年 10 月号) 《カントリーレビュー》 イラク : Republic of Iraq <Point of view > 3 月に実施された国民議会選挙から半年が経過しようとしているが、未だに新しい政府が立ち上がってい ない。05 年 1 月の国民議会選挙の際も、マリキ政権発足まで 5 ヶ月を要したことから、今回もある程度の 遅れは想定されていたが、いつまでも続く政治的空白により、治安対策や石油行政などの遅滞が懸念さ れる状況となっている。 1.混迷続く首相選び − マリキ続投か否か 3 月 7 日の国民議会選挙の結果、獲得議席数で組閣に必要な過半数(163 議席)を単独で超え る政党はなく(グラフ 1 参照)、延々と主要政党間の連立工作が続いている。 マリキ首相率いる穏健シーア派主体の法治国家連合と宗教色の強いシーア派連合、イラク国民合 意(INA)は 6 月に会派「国民同盟」で合意したが、内部にマリキ続投を望まない勢力がある。また、ス ンニ派を取り込んだ世俗政党イラキーヤは、第一党として同党主体の連立政権づくりを目指し、マリキ 続投に強く反対している。クルド同盟は、いかなる連立の場合でも、キャスティングボートを握れる立ち 位置を確保しようとしている。 グラフ 1 イラク国民議会の政党別議席数 イラクを巡り利害が対立する米国、イランともに、落とし所としてマリキ続投が妥当と見ているようだが、 各党派ばらばらの思惑によって、新政府がいつ発足するのか予想がつかない状況にある。 2.最近の治安状況 − 暴力発生件数はピーク時の 1/10 政治が迷走を続ける中、8 月末、イラクに駐留する米軍戦闘部隊が撤退を完了した。テロの件数や 犠牲者の観点から、イラクの治安状況は 08 年 3∼4 月を境に好転している。米国防総省によれば、 週あたりの暴力事件発生件数は 07 年 7 月に 1,700 件を超えていたが、本年 5 月は 150 件程度まで 減少した。 グラフ 2 一日当りの県別攻撃発生件数(2010 年 3∼5 月) 19 19 e-NEXI (2010 年 10 月号) 出典 米国防総省 Measuring Stability and Security in Iraq (June 2010) 地域別には、アルカイダの活動が活発なバグダッド、北西地域は依然ハイリスクだが、クルド地域、南 部シーア派地域は治安改善が進んでいる(グラフ 2 参照)。国内どこでも危険な状態から、万全なセキ ュリティ対策を前提に、外国人が活動できる場所が徐々に増えつつある。 3.政治の迷走と米軍撤退でテロ増加の傾向 しかし、イラクの治安改善は、あくまでも戦後の時間軸における相対的改善であって、絶対的な安 全の回復を認める状況には至っていない。 政治の迷走に加え、米軍戦闘部隊の撤退を好機と見たアルカイダなどによるテロが、7 月頃から再 び増加している。南部でも、バスラの治安当局がアルカイダによる石油関連施設に対するテロ計画情 報をつかみ、施設の警備を強化する方針を示した。 イラクへの渡航環境は依然として厳しい。日本外務省は、イラク向けの危険情報として、クルド自治 区、バグダッドおよびバスラの両空港を除き、すべて「退避勧告」としている。必ずしも危険情報が法令 上の強制力を伴うものではないが、多くの企業がこれを踏まえてイラクへの社員派遣を自粛しているの が実態である。比較的安全とされる南部地域の「退避勧告」緩和に期待が高まっているが、進出を目 指す企業自身も、現地の行政機関、治安組織、地元有力者等との連携を図りつつ、各個に万全の 安全対策を講じることが肝要と思われる。 4.石油ガス部門への影響 政治の迷走は治安改善だけでなく、石油ガス部門にも影を落としつつある。10 月 1 日に予定されて いたガス田開発の国際入札の実施が延期された。 今やイラクは日米欧および新興市場国の資源獲得競争の最前線となっているが、09 年の国際入 札で油ガス田開発のサービス契約を結んだ国際石油企業(IOC)の事業進捗状況はおしなべてスロー ペースとみられている。 セキュリティ不安だけでなく、新政権に加わる可能性が高い INA サドル派が、現政権が結んだ契約に 否定的な発言をするなど、新政権後の契約見直しのリスクも不安材料だ。また、原油を輸出基地に 運ぶパイプラインや港湾施設など、2020 年に日量 1,200 万バレルまで原油を増産する計画(イラクアナ リストの多くは同 400∼600 万バレルと見ているが)に適う付帯インフラ開発が急務であり、そのためにも 責任ある政府の速やかな発足が望まれる。 20 20 e-NEXI (2010 年 10 月号) 2010 年日独バイ協議の開催について 独立行政法人 日本貿易保険 2010年9月30日から10月1日にかけて、日本とドイツの貿易保険関係者による毎年の定例会議の場 である日独バイラテラル協議が、滋賀県大津の琵琶湖畔にたたずむ琵琶湖ホテルで開催されました。 この協議は両国の貿易保険関係者が率直な意見交換を行い、協力関係を深めるという趣旨で、日 独交互で長年にわたって開催されており、今年は日本開催の番でした。ドイツ側からは、経済技術省の 貿易保険担当課長Matthias Koehler氏をヘッドに、政府勘定の貿易保険実施部門(Euler Hermes、 PwC)からも参加がありました。日本側も、NEXIだけでなく経済産業省からも出席を得ることができました。 今回も、例年のように両国のビジネス状況、欧州経済、OECD関係、カントリーリスク、バーゼルⅢへの対 応など幅広い分野について活発な議論が行われました。天気にも恵まれ、秋の始まりを感じさせる琵琶 湖畔にて、密度の濃い議論が行われ、協力関係の更なる強化に繋がるものとなりました。 会議風景 21 食事風景 会議場からの琵琶湖の眺め 21
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