イルミナ次世代シーケンサーにおける ウィルス対策

Technical Note: Sequencing Software
イルミナ次世代シーケンサーにおける
ウィルス対策ソフトウェアの構成について
システム性能を維持しながらシーケンス装置コントロールコンピューターを保護するために
はじめに
ウイルス対策ソフトウェアの更新
本書では、 HiSeq 、 HiScanSQ 、 MiSeq システムおよび
Genome Analyzer™の装置制御コンピューターに対して、シス
テム性能の低下およびシステム性能への悪影響が生じないよう
にウイルス対策ソフトウェアを設定する方法についてご説明し
ます。イルミナは、ウイルス検出・駆除ソフトウェアを使用し
てネットワークを保護しなければならないというお客様の要求
が重要であることを認識しています。イルミナ社内では、すべ
てのコンピューターにウイルス対策ソフトウェアを備えるとい
う IT 方針を実行していますが、装置コントロールコンピュー
ターは特別な構成設定を持つグループとして分類されていま
す。
®
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®
以下に示すような多くの主要なウイルス対策ソフトウェアが、
このガイドライン下で動作するように設定できます。
• Symantec (Norton)
• Avira
• McAfee
• Avast
• Trend Micro
• AVG
• Computer Associates
• GFI Languard
• Kaspersky
• Nero
• Panda
• ClamWin
• Bit Defender
• Ad-Aware
• Shield Deluxe
• Dr. Web
• ESET / NOD32
• PCTools
しかし、具体的な設定・構成ダイアログは製品によって異なり
ますので、本書では一般的なガイドラインをお示しすることし
かできません。シーケンス装置のコンピューターを適切に構成
する方法については、お客様の施設内IT担当部署にお問い合わ
せください。
自動スキャン
固定または定期スケジュールによる自動フルシステム
スキャン機能を無効にする
フルシステムスキャンは装置の性能を低下させ、イメージング
サイクルの遅延により、完了までの時間とデータ品質に影響
を及ぼします。フルシステムスキャンは、装置の待機中または
Wash(洗浄)などのメンテナンスプロトコール中に手動で実行
するのみとします。
装置は数日間にわたってランを実行しなければならず、多くの
お客様がラン間の時間を最小限として最大のスループットを得
ようとします。しかし、ランとランの間の時間をPCのメンテ
ナンスに充て、ウイルス対策ソフトウェアライブラリーの更新
やシステムスキャンなどを行うことを推奨します。
ほとんどのウイルス対策ソフトウェアは、ウイルス定義および
ソフトウェアを自動で更新します。この更新がシーケンスラン
を妨げないようにするため、「更新はダウンロードするがユー
ザーの許可なくインストールしない」という形でソフトウェア
を構成します。ソフトウェアの更新に伴うコンピューターの自
動再起動は行わないでください。
リムーバブルメディアの自動スキャンを有効にする
HiSeq、HiScanSQ、MiSeq、またはGenome Analyzerのコン
ピューターにCD、DVD、フロッピーディスク、リムーバブル
ハードドライブ、 USB メモリーなどのメディアをロードまた
は接続する際にこれらをスキャンするのは良いセキュリティー
対策です。しかし、装置上で実験が行われている間にこのよう
なメディアがロードおよびスキャンされると、高い確率で望ま
しくない性能低下が生じます。
メディアがスキャンされると性能に影響が生じるので、ラン
中にリムーバブルハードドライブや USB メモリーの着脱を行
わないという方針を実行するよう強く推奨します。 USB メモ
リーを介してコンピューター間にウイルス感染が拡散すること
は非常に多いので、リムーバブルメディアのスキャンを無効に
するのは推奨しません。
Eメール、添付ファイル、ウェブからのダウンロードの
スキャンを有効にする(ただしオペレーターに通知)
すべてのEメール、添付ファイル、インターネットからのダウ
ンロードをスキャンするのは良いセキュリティー対策です。も
ちろん、シーケンス装置のコンピューターは通常のEメール、
ウェブ閲覧、ダウンロードに使用すべきではありません。しか
し、装置からEメールを送信することがお客様にとって便利で
より生産性が高いという場合や、装置の設定またはランの監視
に関する施設内SOP の一部として定められているという場合
がありえます。利便性や生産性といった同様の理由から、ウェ
ブ上で作業しなければならないこともあるでしょう。こういっ
た個々の例では、実際に性能低下が生じることはないはずで
す。装置がプロトコールを実行しているときは、大容量のダ
ウンロードやEメール添付ファイルの処理を避ける必要があり
ます。
TCP/IPパケットトラフィックのスキャンを無効にする
(ただしオペレーターに通知)
シーケンス装置の PC は毎秒数 MB のデータをネットワーク
ファイルサーバーに送信するので、このパケットトラフィック
がウイルススキャンのために遅延してはなりません。これは
ランの性能を大幅に低下させるおそれがあります。したがっ
て、TCP/IP接続を介して送受信されるパケットの自動スキャ
ンを無効にすることが重要です。 BaseSpace が使用可能な
シーケンサーでは、ネットワークサーバーにコピーされるデー
Technical Note: Sequencing Software
タがクラウドにもコピーされるので、*.illumina.comドメイン
に送信されるパケットのスキャンを無効にするようにウイルス
対策ソフトウェアを設定する必要があります。
ネットワークを保護するためにスキャンすべき項目には、
通常 TCP/IP ネットワーク接続を介して受信される E メール
添付ファイルおよびウェブからのダウンロードと、 SMTP 、
HTTP、Telnet、FTPなどのアプリケーションプロトコールの
一部であるパケットが含まれます。
フォルダーを除外する
ウイルス対策ソフトウェアには、特定のフォルダーをウイルス
検出・除去スキャンから除外する機能が含まれています。この
機能を使用して、以下のフォルダーがスキャンされないように
ウイルス対策ソフトウェアを構成します。
装置のランフォルダー
通常、各実験のランデータは、HiSeq、HiScanSQ、MiSeq
システムでは D:\Illumina および E:\Illumina フォルダー
に、Genome Analyzer では D:\ Runs ベースフォルダーに保
存されます。ほとんどの場合、 D: または E: ドライブは一時
的なランデータの保存のみに使用されます。イルミナのす
べてのプロトコルおよび操作手順において、他の用途にD:
またはE:ドライブが使用されることはありません。したがっ
て、D:およびE:ドライブ全体をすべてのウイルススキャンか
ら除外することが可能です。
ただし、お客様が D: または E: ドライブのいずれかを他の
ファイルタイプに使用している場合には、そのフォルダー
をウイルススキャンの対象に含めることができます。この
場合には、D: または E: ドライブ全体を除外する代わりに、
D:\Illumina、E:\Illumina、またはD:\Runsフォルダーを除外
します。
いずれの場合でも、D:、D:\Runs、D:\Illumina または E:、
E:\Illuminaフォルダーが装置制御コンピューターの除外フォ
ルダー 一覧に含まれることを確認します。
イルミナ装置コントロールソフトウェアフォルダー
C:\illuminaフォルダーとその全サブフォルダーをウイルスス
キャンから除外することを推奨します。このフォルダーで
は、ラン中にファイルの作成、更新、または削除が行われる
ことがあります。
イルミナ株式会社
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Illumina, illumina Dx, BaseSpace, BeadArray, BeadXpress, cBot, CSPro, DASL, DesignStudio, Eco, GAIIx, Genetic Energy, Genome Analyzer,
GenomeStudio, GoldenGate, HiScan, HiSeq, Infinium, iSelect, MiSeq, Nextera, NuPCR, SeqMonitor, Solexa, TruSeq, TruSight, VeraCode,
the pumpkin orange color, the Genetic Energy streaming bases design は Illumina, Inc の商標または登録商標です。
その他の会社名や商品名は、各社の商標または登録商標です。予告なしに仕様を変更する場合があります。
Pub. No. 970-2010-J006 10JULY2012