リスク管理体制

リスク管理体制
当社では、直面する様々なリスクを個別に管理することに加えて、リスクを可能な限り総体的に捉え、当社の
経営体力と比較・対照することによって、許容できる範囲にリスクを制御することを目的に、統合的リスク管理
体制の整備・強化に取り組んでおります。
■ALM・リスク管理態勢
リ
ス
ク
管
理
体
制
当社では取締役会で決定した「グループ統合的リス
ク管理方針」に基づき、リスク管理を行っています。
グループ統合的リスク管理方針に定めた事項を実践す
るため、経営レベルの会議体として「グループALM
会議」を設置し、所定の決裁権限を付与しています。
グループALM会議では、リスクを適切にコントロー
ルしつつ、リスク管理と収益管理をより密接に連携さ
せた検討・協議を行うことにより、リスクとリターン
の関係を重視した経営管理を徹底するとともに、経営
の意思決定の迅速化・効率化をはかっています。また、
各種リスク管理の統括および統合的な管理を行うリス
ク管理の統括部署として経営管理部リスク統括グルー
プを設置しております。
足利銀行におけるリスク管理は、当社の方針に基づ
き、当社と同様に「統合的リスク管理方針」を定め、
経営レベルの会議体として「ALM会議」を設置して
おります。また、リスク管理の統括部署としてリスク
統括室を設置するほか、リスクごとにリスク管理の所
管部署を設置し、リスクを管理しております。
「グループALM会議」「ALM会議」は、月次で
開催しており、当社および足利銀行の常勤の執行役
(本部担当)、監査委員が毎回出席するほか、統合的リ
スク管理の状況および各種リスク管理の状況等につい
て報告を受けております。また、内部・外部の環境の
変化に対し、対応策等を協議しております。
■統合リスク管理
1
地
域
金
融
の
円
滑
化
当社では、融資業務や市場取引等の各種業務におい
て発生する様々な種類のリスクをVaR(バリュー・
アット・リスク)などにより計量化し、その結果を経
営管理に活用(統合リスク管理)しております。
足利銀行では、統合リスク管理の具体的な仕組とし
て「リスク資本制度」を整備しております。
具体的には、信用リスク、市場リスク、政策投資株
式リスク、バンキング勘定の金利リスク、オペレーシ
ョナル・リスクに対して、合計額が自己資本(T
i
er1)
を上回らない範囲で、内部管理上の資本(リスク資本)
を配賦し、リスク資本に基づいたリスク限度額を半期
ごとに設定します。期中においては、リスク限度額を
上回らないようにリスク・テイクやリスクのコントロ
ールを行うことで、経営の健全性を確保しています。
また、バック・テストやストレス・テストにより、リ
スクの計量化結果やリスク管理方法の妥当性・有効性
を検証しております。
なお、リスク資本制度の基本的な考え方、リスクの
評価、モニタリングの方法等は、「統合的リスク管理
方針」「統合的リスク管理規則」を定め、明確化して
おります。
■信用リスク管理
信用リスクとは、与信先の財務状況の悪化等により、
保有する貸出金等の資産の価値が減少ないし消失し、
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損失を被るリスクです。
足利銀行では、信用リスク管理は経営の健全性の確
保および収益性の向上をはかるうえで必要不可欠な重
要課題と認識しており、信用リスク管理態勢強化の観
点から次の点に重点的に取り組んでおります。
<融資の基本方針(クレジットポリシー)
>
地域への貢献、融資の対象、適切な融資慣行の確立、
資産の健全化、適正な収益性の確保について基本方針
を明確化しております。
うち、融資の対象は、栃木県を中心とした北関東エ
リアを本源的な地盤とする地域金融機関として、主に
この地域と密接なつながりのある中小企業、個人事業
主、個人等としております。
<信用リスク管理態勢>
営業推進部門、審査・管理部門から組織的、機能的
に独立した信用リスク管理の所管部署(与信統括室)
では、信用格付制度、資産自己査定、償却・引当制度
の企画や運営管理を行うほか、貸出資産等のモニタリ
ング機能を担い、与信ポートフォリオ管理を専門的に
統括管理しております。
また、与信ポートフォリオ会議では、定期的に当行
の信用リスクの状況や課題に関する組織横断的な協
議・検討を実施しています。
<信用格付制度>
信用格付制度により、与信先を財務内容による定量
評価と経営環境などによる定性評価に基づき18段階
の格付に分類しております。信用格付制度は与信先の
信用状況の変化の随時把握、審査判断の効率化、貸出
金利の決定や与信ポートフォリオ管理の基準とするな
ど、信用リスク管理の基盤として活用しております。
<与信ポートフォリオ管理>
信用格付別、業種別、エリア別等のポートフォリオ
特性の分析をするとともに、特定の企業グループ、業
種別の与信増減状況を定期的に検証し、信用リスクが
特定のセクターに集中していないか等のモニタリング
を強化しております。また、一方で中小企業向け貸出
や個人ローンの増強施策をあわせ、与信資産の小口分
散化の促進、安定的に収益を確保できるポートフォリ
オの構築を目指しております。
<信用リスクの計量化>
信用リスク計量化システムを用いて信用リスク量を
月次で算出しております。計測された信用リスク量に
ついては、信用リスク量の変化の状況、その要因等を
中心に分析し、今後の対応策等について、ALM会議
に報告しております。
■市場リスク管理
市場リスクとは、市場金利、為替相場や株式相場等
の変動により足利銀行の保有する金融資産・負債の価
値が変動し損失を被るリスクです。
市場取引においては、事前に十分な調査・分析を行
ったうえで投資を行っており、リスクの見極めのつか
ない投資は行っておりません。また、市場流動性の確