それぞれの心にあるもの

それぞれの心にあるもの
~よりよい行動を願って~
校長
竹中 澄枝
新しい年が始まり、早、ひと月が経ちます。寒中ではありますが、今のところは、子どもたちの通学を心配す
る程の積雪がないことに安堵しております。週明けには2月、さらに暦の上では「立春」を迎えますが、週間予
報にある気温のマイナス表示に、まだまだ寒さや降雪への備えは欠かせません。
3学期の授業日数もほぼ3分の1を終え、5年生からは、い
「小さい勇気をこそ」
東井 義雄
よいよ「6年生を送る会」の提案がされるようになってきまし
人生の大嵐がやってきたとき
た。送る会の「テーマ」についての話し合いをはじめ、当日に
それがへっちゃらで乗りこえられるような
向けての準備を在校生の中心となって進める5年生は、6年生 大きい勇気もほしいにはほしいが
から「学校のリーダー」としてのバトンを受け取るための「自 わたしは小さい勇気こそほしい
覚」を高め、リーダーとしての姿を求められてきた6年生は、
わたしの大切な仕事をあとまわしにさせ
他学年の温かな思いを感じながら、これまでに示してきた自分 忘れさせようとする小さい悪魔が
たちの姿をふり返ります。
テレビのスリルドラマや漫画にばけて
「一人一人が『元気な挨拶のできる子』に!」というのは、 わたしを誘惑するとき
すぐそれがやっつけられるくらいの
みんなが願っているところですが、先日、ある登校班の6年生 小さい勇気でいいからわたしはそれがほしい
が「班の下級生に登校時の元気な挨拶を呼びかけてもなかなか
広がらない…。」と、担任からの直接の指導を求める「願い出」 もう五分くらいねていたっていいじゃないか
けさは寒いんだよと
がありました。学校での挨拶に比べ、地域での挨拶については、
あたたかい寝床の中にひそみこんで
未だ十分とはいえないところがある…、というのが学校の課題 わたしにささやきかける小さい悪魔を
の一つですが、6年生もまた、改善の必要を実感し、こうした すぐやっつけてしまえるくらいの
小さい勇気こそほしい
策をとったのは、やがて卒業を迎える自分たちが、在校生に身
に付けてほしいことを、今、伝えておく役割があることに気づ 明日があるじゃないか
いているからこそだと受け止め、その気持ちが嬉しく、その自 明日やればいいじゃないか
今夜はもう寝ろよと
覚を頼もしく思いました。他学年の子どもたちには、それぞれ
机の下からささやきかける小さい悪魔を
が元気な挨拶をすることは自分が身に付けるべきことである
すぐやっつけてしまえるくらいの
と同時に、6年生の思いに応えることであり、感謝の気持ちを 小さい勇気こそほしい
表すことでもあることを、この機会を生かし、あらためて確認
紙くずがおちているのを見つけたときは
していきたいと思います。そして、学校もまた、この6年生の 気がつかなかったというふりをして
思いを大切に、日頃の継続的な指導に努めることを職員で再確 さっさといっちまえよ
かぜひきの鼻紙かもしれないよ
認いたしました。
不潔じゃないかと呼びかける小さい悪魔を
さて、2月3日は「節分」。「心の中の鬼」に気づき、自分 すぐやっつけてしまえるくらいの
自身をふり返る好機でもあります。目標達成のための「日々の 小さい勇気こそわたしはほしい
行動」の積み重ねの大切さを記しました前号とともに、毎日の
どんな苦難ものり切れる
生活のあり方を方向づける「小さな勇気」の必要性を説いた右 大きい勇気もほしいにはほしいが
記の詩があります。読みながら「そうそう」と共感し、
「納得!」 毎日小出しにして使える
と思えてくるのではないでしょうか。子どもたちには、心の中 小さい勇気でいいから
それがわたしはたくさんほしい
の「小さな鬼」に負けない毎日が送れるようにと願い、私たち
はそんな子どもたちの行動をしっかりと認め、励ます姿勢を持 それにそういう小さい勇気を軽蔑していては
いざというときの
ちたいものですね。
大きい勇気もつかめないのではないだろうか。
2月も、よろしくお願いいたします。