折々の記(校長室通信) NO.24 発行者:黒須隆雄 H.25.4.26 価値ある

折々の記(校長室通信)
価値ある言葉(その1)
NO.24
発行者:黒須隆雄
H.25.4.26
「小さい勇気」
「小さい勇気をこそ」という詩を紹介します。学年の実態に合わせて、タイムリーな時に、子どもた
ちに読んできかせたり、掲示したりすることで、「小さい勇気」という価値が、子どもたちの心に浸透
していけばすばらしいですね。
「早寝早起きする」「あいさつする」「廊下を走らず歩く」「時間を守る」「手を上げて発言する」「ご
みをひろう」
「そうじをしっかりやる」
「くつをそろえる」
「宿題をちゃんとやる」
「時間を決めてゲーム
をやる(テレビを見る)
」
「赤信号では止まる」
「お年寄りに席をゆずる」などなど、全て「小さい悪魔」
をやっつける「小さい勇気」です。
小さい勇気をこそ
今夜はもう寝ろよと
東井義雄
机の下からささやきかける小さい悪魔を
すぐやっつけてしまえるくらいの
人生の大嵐がやってきたとき
小さい勇気こそほしい
それがへっちゃらで乗りこえられるような
大きい勇気もほしいにはほしいが
紙くずがおちているのを見つけたときは
わたしは
気がつかなかったというふりをして
小さい勇気こそほしい
さっさといっちまえよ
かぜひきの鼻紙かもしれないよ
わたしの大切な仕事をあとまわしにさせ
丌潔じゃないかと呼びかける
忘れさせようとする小さい悪魔が
小さい悪魔を
テレビのスリルドラマや漫画にばけて
すぐやっつけてしまえるくらいの
わたしを誘惑するとき
小さい勇気こそわたしはほしい
すぐそれがやっつけられるくらいの
小さい勇気でいいから
どんな苦難ものり切れる
わたしはそれがほしい
大きい勇気もほしいにはほしいが
毎日小出しにして使える
もう五分くらいねていたっていいじゃないか
小さい勇気でいいから
けさは寒いんだよと
それがわたしは
あたたかい寝床の中にひそみこんで
たくさんほしい
わたしにささやきかける小さい悪魔を
それに
すぐやっつけてしまえるくらいの
そういう小さい勇気を軽蔑していては
小さい勇気こそほしい
いざというときの
大きい勇気もつかめないのではないだろうか。
明日があるじゃないか
明日やればいいじゃないか
価値ある言葉(その2)
「教室はまちがうところだ」
昨年度の「折々の記」NO.2でも紹介した詩ですが、新年度が始まった今がタイムリーな詩なので
再登場させていただきます。昨年6月の校長講話時にも、子どもたちに聞かせているので、記憶してい
る子どもたちもいると思います。失敗やまちがえから学んだことほど身につく学びはありません。野村
克也氏(元プロ野球選手・監督・野球解説者、野球評論家、日本体育大学客員教授)の名言、「
『失敗』
と書いて、
『せいちょう』と読む」も有名です。失敗した子、叱った子を励ます一言です。
教室はまちがうところだ
先生がさして
蒔田晋時
どきりと胸が大きく鳴って
教室は まちがうところだ
どきっ どきっと からだがもえて
みんなが どしどし手をあげて
立ったとたんに忘れてしまった
まちがった意見を言おうじゃないか
なんだか ぼそぼそしゃべったけれども
まちがった答えを言おうじゃないか
何を言ったか ちんぷんかんぷん
私はことりとすわってしまった
まちがうことをおそれちゃいけない
からだがすうっと涼しくなって
まちがうことをわらっちゃいけない
ああいやよかった
まちがった意見も
こういやよかった
まちがった答えも
ああじゃないか こうじゃないかと
それでいいのだ
みんなで出し合い 言い合うなかで
いくども いくども
ほんとのものをみつけていくのだ
おんなじことを くりかえすうちに
そうしてみんなで伸びていくのだ
それからだんだん どきりがやんで
いいたいことがいえるのだ
いつも正しく まちがいのない
はじめからうまいこと
答えをしなくちゃならんと思って
言えるはずないんだ
そういうことだとおもっているから
はじめから答えが あたるはずないんだ
まちがうことがこわくてこわくて
手をあげないで小さくなって
安心して手を上げろ
だまりこくって時間がすぎる
安心してまちがえや
しかたがないから 先生だけが
まちがったって わらったり
勝手にしゃべって みんなはうわのそら
ばかにしたり、おこったり
それではちっとものびてはいけない
そんなもの おりゃあせん
まちがったって
神様でさえまちがう世の中
だれかが なおしてくれるし
ましてこれからの人間になろうとしている
こまった時には先生が
ぼくらがまちがってなにがおかしい
ない知恵しぼって 教えるぞ
あたりまえじゃないか
そんな教室つくろうや
みんなでしゃべって作ろうや
うつむき うつむき
そっとあげた手 はじめてあげた手
教えてくれる