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翻訳による販売戦略
執筆:Laurie Giesen
2015 年 3 月 12 日
デューンロンドン、ローカライズしたウェブサイトにより大きな成果を達成
ハイエンドな靴やハンドバッグ、アクセサリーの国際的な小売業者であるデューング
ループは、同社のグローバルな展開プランに沿ったオンラインマーケティング戦略を必
要としています。デューングループは世界中に 100 近くの拠点を有し、その半数は英
国にあります。
最近では米国初の店舗をニューヨークのソーホー近辺にオープンし、米国でのさらなる
新規出店を予定しています。
世界規模の新しい市場で店舗展開を拡大するに従って、オンライン プレゼンスもこれ
らの地域に特有の要件を反映する必要が出てきます。国際的な顧客を対象としたウェブ
サイトには、各地域の言語、気候、通貨およびサイズの要件が反映されていなくてはな
りません。
この課題に対処するため、デューンはウェブサイトのローカライズ サービスプロバイ
ダー MotionPoint と協力し、米国、フランス、ドイツおよびスペイン市場向けのサイ
トを開発しました。将来的にはスペイン以外のスペイン語圏、アラビア語および中国語
のサイト、米国市場向けのスペイン語サイトなどの開発も計画しています。
サイトのローカライズにおいて最も明らかなニーズは、言語の翻訳です。MotionPoint
はマーケティングと商品の内容を考慮して、各市場向けの言語に翻訳する必要がありま
す。「たとえば米国では、現地の市場に合わせて多くの単語のつづりを変更しなくては
なりませんでした」と、ロンドンを拠点とするデューンの E コマースディレクター、
Kate Smyth 氏は語ります。
MotionPoint の顧客サービス担当上級副社長の Chuck Whiteman は、米国と英国間で
の言語の変換はよくあるニーズだと述べます。「特にアパレル業界では、同じ種類の洋
服であっても、英国と米国で使用される単語が異なります。米国ではセーターと呼ばれ
ているものが英国ではジャンパーと呼ばれ、米国のパンツは英国ではトラウザーになり
ます。」
デューンがマーケティングと商品に関する原稿を MotionPoint に送ると、これらは自
動的にターゲット市場の言語に翻訳されます。これを編集者がダブルチェックして、自
然な翻訳、正しい文法が使われていることを確認します。
米国向けにローカライズされたサイトが公開された最初の週で、米国でのデューンの売
り上げは倍増しました。
通貨と気候
言語だけにとどまらず、サイズの変換が必要な場合も多くあります。「ある市場でのサ
イズ 6 は他の国の 6 とは異なる場合があり、各市場のニーズに合わせてサイズを変換
する必要があります」と話す Smyth 氏。
このようなサイズの違いは、国際的に事業を展開している小売業者に共通する要件で
す。「欧州サイズと米国サイズを比較したサイズガイドを提供することもできますが、
表示サイズがすでにその国のものに変換されていれば、このようなチャートを使う必要
もなく、お客様にとって商品の購入がより簡単になります」と Whiteman は述べま
す。
通貨もまた重要な問題です。実際にいくらなのかお客様がすぐにわかるよう、各商品の
価格が正確に変換されている必要があります。また、気候の違いについても同様です。
デューンは同じ商品をすべての市場で提供していますが、呼び物となる商品は国ごとに
異なります。たとえば、寒い国のサイトのホームページではブーツが大きく取り上げら
れますが、暖かい国のサイトではサンダルの特集が表示されることになります。
「それでも旅行をするとなれば、お客様が自国の気候に合った商品のみを購入されると
は限りません」と 、Smyth 氏は指摘します。「中東でブーツの売り上げが多いのは、
自国でブーツを見つけるのが難しいためです。」MotionPoint は多くのケースで、海外
向けのページで提供する商品に関し、小売業者と協力して決定しています。
「小売業者の本拠地がある国内市場で人気のあるラインナップが、他の市場でも成功す
るとは限りません」と、Whiteman。「私たちは小売業者と協力してどの商品が新しい
ターゲット市場で人気があるのかを分析し、ウェブサイトの商品セレクションを特定の
海外市場に合うものにします。」
オーストラリアなど南半球にある市場で販売する際には、同地域の夏が米国と欧州の冬
であることを考慮する必要があります。「気候の違いの問題だけではありません」と
Whiteman は続けます。「山の多い国では、平地の多い地域とは異なる商品が必要にな
るでしょう。」
例として、スポーツ用品を販売する場合、一般的な嗜好(どんなスポーツがターゲット
市場で人気があるか)だけでなく、釣りなら海水か淡水かといった詳細についても考慮
する必要があります。
海外市場に展開している小売業者が抱えるもう一つの懸念事項は、不正な支払いです。
一部のアフリカおよび東欧の国々では、不正な支払いの割合が非常に高くなっていま
す。小売業者はこれらの国々で事業を行わないという選択ではなく、国際的に発生する
不正な支払いとその対処法について深く理解している専門家との協力を希望しているで
しょう。
MotionPoint ではこの問題に関する専門知識を提供していませんが、専門家を探し、不
正な支払いに対処するサービスをウェブサイトに組み込む支援をしています。
障壁を見つけ出す
デューンはウェブサイトに限らず、お客様へ送信する E メールにも MotionPoint の
ローカライゼーションサービスを利用しており、メッセージに各地域の言語と特色を反
映するようにしています。
これは簡単なことではありませんが、その努力は結果として表れています。Smyth 氏に
よれば、米国向けにローカライズされたサイトが公開された最初の週には、米国でのデ
ューンの売り上げが倍増したとのことです。
また、MotionPoint は発送の履行についても小売業者と協力しています。特定の海外市
場に発送することが難しい一部の小売業者のために、MotionPoint は発送オプションを
拡大するためのアドバイスをしています。
「世界中で英語が話されているわけではないということを米国企業に納得していただく
ために苦労することが多々あります」と、Whiteman。「英国では、この点についてよ
り理解があります。そのため、ブランドの国際的な成長に関する素養と献身についてい
えば、欧州の企業は米国企業よりも一歩抜き出ています。」
Whiteman によれば、ロシア、中国、日本などの有望市場への進出に高い関心が集まっ
ているとのことです。既に高い売り上げを出しているエリアに目を向け、これらの地域
の顧客に向けた対応を取れば、より大きな成果が期待できると彼は述べています。
「商品を購入するために顧客が面倒な手順を踏まなくてはならないにもかかわらず、特
定の地域である程度の売り上げが見られる場合、より簡単に顧客が商品を購入できるよ
うにすることで、この売り上げをさらに伸ばすことができます。」
また小売業者は、どの市場、言語、そして文化の違いが販売の際に主な障壁となるのか
についても考慮する必要があります。Whiteman は、英語が堪能な人が多いオランダを
例に取ります。すでに英語でウェブサイトを利用している人が多いオランダでは、小売
業者がこれをオランダ語に変換することで得られる売り上げの成長効果は、英語を話す
人口が少ない他の国の言語に変換する場合と比較すれば小さいでしょう。
デューンは、実店舗の拠点を世界中で拡大するに従い、ローカライズしたウェブサイト
の数も増やしていく予定です。「これが会社全体の販売戦略にプラスになることを望ん
でいます」と、デューンの CEO、John Egan 氏は語っています。「メインサイトです
でに売り上げが伸びている国々に向けて、グローバルなローカライズサイトを構築して
いく予定です。」