各国における映画『ベイマックス』の広報比較

各国における映画『ベイマックス』の広報比較
吉廣恵理子、 有村拓、 加藤優佳、 久野里伊奈、 山地麻理
アニメ映画 『ベイマックス』 はディズニーが初めてマーベルコミックを原案に採用したことで、 従来の感動 ・ コメディ要素にマー
ベルのアクション ・ ヒーロー要素が盛り込まれた作品となった。 様々な要素を含んだ同作はマーケティング手法も多様であり、
各国のポスターとあらすじを比較することで、 国ごとの特徴を明らかにする。
・ 興行収入
《ベイマックス》
《アナと雪の女王》
《ファインディング ・ ドリー》
アメリカ $222,527,828 (1)
アメリカ $400,738,009(1)
アメリカ $485,894,756(1) 中国 $83,765,749 (0.38)
日本 $249,036,646(0.62)
日本 $65,959,889(0.14)
日本 $76,825,518 (0.35)
韓国 $76,695,633(0.19) 中国 $38,052,302(0.08) 韓国 $20,136,819 (0.09)
ドイツ $48,286,887(0.12) ドイツ $31,335,964(0.06)
スペイン $18,460,857(0.083)
中国 $48,240,000(0.12)
スペイン $20,023,932(0.041)
ドイツ $14,722,100 (0.067)
スペイン $22,492,845(0.05)
韓国 $18,175,847(0.037) 考察
左記の3作から考えると、 ディズニー映画は、 製作国で
あるアメリカを除いて、 アジアでの人気が高く、 ヨーロッ
パは収入面で劣る。 しかし、ファインディング・ドリーはファ
インディング ・ ニモ (2003) の続編ということもあり、 他作
品とは異なる傾向がある。
・ Box Office Mojo http://www.boxofficemojo.com/movies/?page=intl&id=disney2014.htm
《アメリカ ・ 中国の考察》
アメリカ ・ 中国の広報は、 《アクションモノ ・
マーベル × ディズニー》 がテーマ。 映画の
元となったアメコミや『マーベル』のオマージュ
の要素がポスターなどとても強く押し出され
ている。 「ヒーロー物」 であることを強調す
るために、 あらすじの中でも仲間の名前な
どを詳述し、 彼らとヒロとベイマックスの6人
が謎の敵に対して果敢に立ち向かう姿を、
コミカルに描いているのが印象的である。
《日本 ・ 韓国の考察》
日本 ・ 韓国の広報は、 《感動モノ ・ ベイ
マックス》 がテーマ。
『マーベル』 をオマージュした今作におい
ても、 ディズニー元来の特徴である 「感
動」 「コメディ」 要素を重視した広報が展
開されている。 「ベイマックス」 という愛
らしいキャラクターを主体に、 主人公で
あるヒロやヒロと兄との絆を中心に描き、
「アクション」 や 「マーベル」 といった要
素を、 映画を見るまで想起させない点が
印象的である。
《ドイツ ・ スペインの考察》
ドイツ・スペインの広報は、 《子供向け・チー
ム》 がテーマ。
ポスターでは、 両国ともにベイマックスの
ユーモラスな体型を全面に出し、 子供向け
であることが一目瞭然である。 「チームが
本当のチームになれるか」 「チームが一丸
になれるか」 という子供にもわかりやすい
メッセージをメインに、 敵との戦いよりも仲
間との団結に焦点が当てられている点が印
象的である。
ポスター出展 : http://eiga.com/news/20141228/4/、 http://peliculas.disney.es/dvd/big-hero-6