10 自宅での太陽温水器

10 自宅での太陽温水器
平成 17 年(2005)2 月 13 日
台湾にて 仲津 英治
日本は如月と一番寒い季節、こちら台北も陽射しが少なく程度こそ
違え寒いときです。しかし春節=旧正月で花の季節の始まりでもあり
ます。山桜がそこそこに咲き始めております。
昨年 12 月 12 日に「下水の浄化など」と題して発信させていただき
ましたところ、20 名を越える方々から感想、コメント等を頂きました。そ
して、本年 1 月 16 日発信しました「自宅での太陽光発電」に関しては
40 名を越える方々からご返信を頂きました。
その中から主だった感想、コメント等のポイント部分を纏めまして「E
Mと下水の浄化など」(EM=Effective Micro-Organisms=有用微生物
群)への感想、コメントと題して「地球に謙虚に」運動ホームページの
メッセージ欄の平成 17 年度(2005)のコーナーに掲載しています。
感想、コメントなどをお寄せいただいた方々にこの場を借りてお礼
を申し上げます。有難うございました。これらのご感想等を頂きまして
地球環境問題に取組む方の輪の広がりを感じます。お時間のあると
きにご覧下されば幸甚です。
今日は、さらに自宅で活用しております太陽温水器(ソーラー温水
器)について述べたいと思います。平成 11 年(1999)に引っ越した滋
賀県志賀町の自宅は太陽光発電装置付きの建売住宅でした。そこで
さらに太陽温水器の設置を思い立ったのです。
太陽温水器は、私などよりずっと以前から使っておられる方がいら
っしゃいます。そういった方々には僭越な事を申し上げるようですが、
太陽光発電装置より歴史があり、太陽エネルギーの活用には安価で
かつ効果的です。太陽温水器の価格は一台で数十万円のオーダー
であったかと記憶しています。
そこで実際の実用性をみて参りますと、日本では一般に家庭で使
うお湯の量の大半はお風呂と思われます。一方太陽温水器は、夏場
ですと 70℃の熱湯を作ってくれ、冬場でも大体 30℃くらいのお湯を
作ってくれます。日本人は清潔好きで毎日入浴する人が多く、我が
家でも家族全員そうです。太陽温水器の容量は概ね 300 リットルあり、
お風呂の容量は大きさにもよりますが、100 から 120 リットルくらいでし
ょう。一家 4 人家族なら 300 リットルの太陽温水器は一日の十分なお
湯を賄ってくれます。
夏場の場合、前日のお風呂の残り湯(30 リットルから 60 リットルあっ
たとします)に太陽温水器が作ってくれる 70 リットルの熱湯をほぼ同
量足し湯すれば、十分 40 数℃の手頃な湯加減となります。ガス、灯
油などによる追い焚きはほぼ要りません。
冬場の場合、ちゃんと湯船に蓋をしておけば、一晩経っても残り湯
の温度は水道水温度まで下がりません。そこに 30℃_の太陽温水器
のお湯を足せば、既に湯水は水離れした温度(25 から 30℃あたり)
になり、ガス、灯油などによる追い焚きの燃料もかなり少なくて済みま
す。冬場の冷たい水道水を水離れした温度にするのに多くの燃料と
時間を要するのです。この場合、足し湯、追い焚き機能の付いたお
風呂であることが望ましいでしょう。
太陽温水器による燃費節減効果、ガスなどの削減効果は、前述の
滋賀県志賀町に引っ越した当初から太陽温水器を導入しましたので、
比較する自前のデータが無く定量的には掴めていません。また太陽
温水器には温めた水の量を示すメーターがありません。しかし大阪
で太陽光発電装置を設置したときに、ともに安価な深夜電力(日中時
間帯の3割程度の料金)を使う電気温水器を導入してお風呂の給湯
を全てそれに切り替えました。そのときに天然ガスの使用量は年間
582 立米(1996)から 183 立米(1998)に激減しました。ガス料金も年間
約 8 万 5 千円から約 3 万 5 千円に急減したのです(拙著「地球に謙
虚に」2002 年刊 P166 参照)。このことは我が家で使うお湯の大半は
お風呂で使っていることを意味し、このお風呂を沸かす熱エネルギ
ーをできる限り太陽温水器で太陽から頂くようにすれば、大きな節約
になるし、炭酸ガスの発生も相当抑えられ、『地球に謙虚に』くらす一
歩になると言えるのではないでしょうか。
太陽温水器は太陽光発電装置に比べ安価ですし、相当投資回収
期間も短くて済むようです。皆様方にお奨めするものです。
ただしかなり以前のことですが、太陽温水器は、一部業者によるお年
寄りへの押し売りに近いような商法によって、一時評判をすこぶる下
げました。真に残念なことでした。今も地球環境問題に関する高まり
を逆手に取り、太陽光発電装置も含め太陽温水器を売りつける悪徳
業者がいるようです。発注するときはよく情報を取って信頼できる業
者を選択することをお奨めします。