ソフトウェア - CA Technologies

ソフトウェア
– ブランド・ロイヤルティの新たな戦場
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エグゼクティブ・サマリー
ソフトウェアはもはや単なる経済の原動力としての役割ではなく、酸素としての役割を果たすようになりました。これまで以上に、ソ
フトウェアは大小様々な企業間のグローバル競争に拍車をかける最も強力な要因となっているのです。顧客が主導権を握り、企業に
引導を渡すのも顧客です。ブランドが消費者の要求を満たさなければ、滅びるのみです。ブランドとしてのアプリケーションに対し
て、消費者はますます洗練され、目が肥えてきています。勝者となるのは、最高の体験を提供するアプリケーションを備える組織で
す。これが、新しいアプリケーション・エコノミーなのです。
App Storeが最初に開店したのは2008年になります。その7年後、アプリケーション・エコノミーが北米だけでも推定250億ドルの市場
を牽引しています。業界では、単にアプリケーションを有するだけでは不十分として、次のアプリケーションにおけるビジネスの波に
向けて、準備が進められています。アプリケーションは新たな競争環境への入口に過ぎません。その新たな環境では、企業は自社のアプ
リケーションについてより深く考え、消費者の視点を通して検討する必要があります。そうしなければ、廃退のリスクを免れません。
当調査はCA Technologiesの依頼でZogby社によって世界18ヶ国の各業界における消費者と企業の意思決定権者に対して行われたもので、
両者が、アプリケーションのどんな点がユーザー体験に影響を及ぼすと考えているか、そしてまた各業界がどれほど良好なユーザー体験
を実現しているかを明らかにするものです。この調査により、消費者がもはやアプリケーションを「あれば嬉しい」物とは考えておら
ず、今ではブランドと交流するための主要手段となり、そしてブランド・ロイヤルティにおける不可欠な要素となっていることが分かり
ました。ソフトウェアは商品からユーザーの体験を差別化する要素に変化したのです。
今回の調査で明らかになった世界と日本の傾向として、消費者は、ユーザー体験に最も大きな影響を与えるものとして以下の3点を示し
ました。
1. 素早い読み込み
–
世界の消費者の68%がアプリケーションの読み込み時間の遅さが原因でそのブランドから離れるが、読み込み
時間が6秒以内ならば許容できると回答し、さらにその中の半数以上の回答者が3秒以内の読み込み時間を希望しています。一方、
日本では、アプリケーションの読み込み時間の遅さからブランドを離れると回答したのは2.7%で、不満を感じるもののブランド
からは離れないと回答した割合は61%で、世界と比べて留まる割合が高いことがわかりました。また、アプリケーションの読み
込み時間については、6秒以内を希望する回答者が、57%となりました。
2. シンプルな機能 – アプリケーションの利用や購入を決定する最大の要因として、世界、日本共に、70%以上の消費者が「ほとんど
問題なくタスクを実行できること」、そして約80%が「使いやすい機能を持っていること」を挙げています。
3. セキュリティの保証 – 適正レベル以下の体験をした世界の消費者のうち10%は、セキュリティに問題があればそのブランドを二度
と訪れないと回答しました。一方、日本では、適正レベル以下の体験をした消費者のうち、15.4%がセキュリティに問題があれば
そのブランドを二度と訪れないと回答しており、世界と比べて、セキュリティに対して厳しい見方をしていることが分かりました。
今回の調査により、企業の意思決定権者が業界によるアプリケーション技術の提供の質に対して認識していることと、消費者が実際に
感じていることの間には食い違いがあることが分かりました。具体的に、企業側ではアプリケーションの提供の質は消費者が実感し
ているよりもずっとうまくいっていると認識しているのです。この認識の差は企業に重大な影響を与える可能性があります。調査では、
良好なアプリケーション体験を提供できない企業はその顧客の27%も失うリスクを孕んでいます。
顧客ニーズを理解することによって、企業は顧客を失うリスクを回避することができ、この新しいソフトウェア主導の環境で成功する
ことができるのです。しかし、一方で、時間は刻々と過ぎており、消費者はいつまでも待ってはくれません。
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アプリケーション:ブランド・ロイヤルティの新しい戦場
アプリケーションは消費者とブランドの重要な接点であり、その傾向は強くなっています。調査によると、消費者は金融取引や
ショッピングなどの多種多様の活動にアプリケーションを使用しており(図1参照)、回答者の半数以上は運転免許証の更新や
医療管理、そして選挙の投票などに喜んでアプリケーションを使用すると答えています(図2参照)。
Q:過去6か月間で、最低でも一回、次のタスクを使用しましたか?トップ10の結果
図1
Eメールへのアクセス
メッセージの送信
連絡先の追加
銀行取引
ソーシャルステータスの更新
買い物
オンライン上での買い物
買う予定があるものの検索
ビデオやテレビの閲覧
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タスクの実行にアプリケーションを使用する消費者の割合
図2
よく使う
さほど使わない
ほとんど変わらない
わからない
22
2
6
67
24
3
6
パスポートの更新
66
25
2
7
行政への認可申請
66
24
3
8
ヘルスケア管理
60
32
2
7
選挙での投票
56
34
3
6
(頻繁に/ある程度)
(まったく/ほぼ使わない)
運転免許の更新
70
税金の支払い
高品質なアプリケーションに対する消費者の嗜好、そして適性が上昇する中、業界はうねりの境目にいます。自社ブランドと
顧客がどのように交流するかのパラメータを定義したり、基準を設けたりするのはもはや企業の役割ではありません。今や、
消費者が混乱の発生源となり、競争の激しいアプリケーション市場に影響を与えることでイノベーションを推進しているの
です。したがって、企業は顧客を自社ブランドに束縛しようとする代わりに、そのアプローチが転じて、顧客が何を望んでいる
かを追求すること、および力強いブランドのメリットを提供することへの投資を開始する必要があります。
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顧客が何を望んでいるかを理解しないブランド
問題は実際に顧客が何を望んでいるか理解しようとするブランドが十分ではないということです。企業の意思決定者と消費者
の間に明白な壁があることが調査で明らかになっています。まず、アプリケーション技術を提供する業界の能力の程度について
企業の意思決定者が考えていることと、その同じ業界が実際に提供しているものに対して消費者が感じていることの間に差が
あります。つまり、企業はアプリケーション・デリバリーが実際よりも非常に優れていると考えているのです。
Q:各分野に関して、アプリケーション技術を提供するサービス能力を「優良」、「良好」、「適度」、
「不良」の尺度で評価してください。「良好」と「優良」を合わせた評価が示されています。
ア
ィ
術
デ
技
メ
報
ャ
シ
ー
デ
メ
消費者
ソ
ィ
府
ア
ル
/
情
ゲ
小
ー
売
ム
り
融
金
ム
テ
レ
コ
育
教
関
・
行
政
機
ア
ケ
ス
ル
ヘ
政
公
共
サ
ー
ビ
ス
図3
企業の意思決定者
これと同じ結果が、アプリケーションの特性にも表れています。企業の意思決定者は常に、消費者がアプリケーションに対して
実際に望んでいること以上のものを望んでいると考えています(図4参照)。
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Q:これらのアプリケーションに関する特定のシナリオが、それぞれどの程度ブランドに対するロイヤリ
ティに影響を与えるかをお聞かせください。
図4
機能のセキュリティー、
安全性
ウイルス感染の防止
DoS攻撃の防止
消費者
生活上での利便性
読み込み時間の早さ
少ない時間での
複雑な機能の使用
ソーシャルネットワーク
による推奨
企業の意思決定者
企業はこうした消費者の要求とアプリケーション開発の自社の目標との間にあるギャップを理解し、消費者の主な関心事はアプ
リケーションが安全かつ迅速で、その保障された性能を消費者側が苦労なしで利用できるという点にあることだと気付く必要が
あります。今の時点で企業が再調整を行わない限り、消費者に関心のないアプリケーションの機能などに対する開発に時間と
お金を注ぎ込むリスクに晒されることになります。
適応しないブランドは多くの顧客を失うリスクに直面
そして、リスクは単に資源と投資に対してだけではありません。調査では、質の悪いアプリケーションを提供するブランドが、
顧客の27%を失うリスクに曝されていることが示されています。質の悪いアプリケーションを経験した顧客の平均20%が一時的
にそのブランドの購入を中止し、6%が二度とそのブランドを購入していません(図5参照)。
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アプリケーションの体験が原因でブランドの購入を中止する消費者の割合(顧客のアプリケーションに
おける体験に対する企業の取り組みの程度に関する質問に「適度」または「不良」と答えた回答者)
信頼性
使いやすさ
3a.
4a.
5a. シンプルな機能
6a. テクニカルな問題に対する
7a. 性能
8a.「クール」な要素
9a.
10a. セキュリティ
平均
58
49
48
48
57
53
43
52
46
51
19
17
21
24
22
20
21
21
23
20
21
永久にブランドを離れた
5
4
8
6
7
5
5
4
7
10
6
その他
3
2
2
8
3
2
2
6
2
3
3
わからない
23
17
20
20
21
16
19
26
16
21
20
一時的にはブランドを離れたが、
結局は使用している
故障回数の少なさ
ダウンロードの時
2a.
51
不快に思ったが
ブランドを使い続けた
即応性
読み込み時間
1a.
図5
企業は直ちにアプリケーション開発におけるアプローチの仕方を変える必要があります。合理化され安全で、かつ簡単で
高機能なユーザー体験を提供することがブランド・ロイヤリティにつながります。それ以外は不要なのです。瞬時に起動し、
消費者の課題を解決するためのオプションが速やかに表示され、そしてユーザー体験全体を通して直感的に作業できるアプリ
ケーションが望まれています。この要求を満たさないアプリケーションは、競合他社に顧客の大部分を奪われるリスクを負う
ことになります。
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6秒で読み込む:アプリケーションの新ルール
セキュリティと機能が最も重要な要因であり、企業はこの開発に注力する必要がある一方で、アプリケーションの読み込み
時間は、アプリケーション・エコノミーの中で消費者がどれほど重要かつ特別な事となったかを示す顕著な例となります。調査
では、アプリケーションが消費者のニーズを6秒で満たさないと、場合によって、消費者は二度とそれを購入しないことが示さ
れました。また、遅い読み込みを経験したことがあるユーザーのうちの68%が0〜6秒の読み込み時間が許容範囲内と答え、
この回答者の半数以上が3秒未満の読み込み時間を要求しています(図6参照)。ブランドにとって、この高レベルな要件を満た
さなければ、膨大な潜在的収益を失うということです。
Q:アプリケーションの読み込み時間で許容できるスピードはどのくらいですか? アプリケーションの読み
込み時間において否定的な体験を持つ顧客を対象とした質問。
図6
1秒以内
1秒から3秒
4秒から6秒
7秒から10秒
10秒以上
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まとめ
企業の多くは、アプリケーション開発のアプローチ方法を変える必要があります。今や、基本的な機能を備えた多量のアプリ
ケーションや将来的に更新が必要となる限られた機能のアプリケーションを発売するだけでは十分ではありません。瞬時に
起動し、消費者の課題を解決するためのオプションが速やかに示され、そして体験全体を通して直感的に作業できるアプリケー
ションが望まれています。
企業にとって重要な点は、消費者がアプリケーションに何を望んでいるかを理解すること、そして消費者の要求とアプリケー
ション開発における企業目標の間に存在する「アプリケーションのギャップ」に特に注意を払うことです。企業が前年度よりも
多くのアプリケーションをリリースしたところで、あるいは、何ヵ月にも渡った設計の分解検査を完了したところで、それは
消費者にとって何の関係もないことなのです。消費者の最も高い関心事は、アプリケーションが安全かつ迅速に、その保障され
た性能を消費者側が苦労なしに利用できることなのです。
そして、アプリケーションの成功は、企業にとって単なる財務的メリット以上のより深い意味をもたらします。データは企業を
いち早く成長させる燃料となります。そして、アプリケーションがそれを注入し続けるのです。その結果、企業は、顧客のプラ
イバシーと匿名性の保護を約束した上でユーザーのデータにアクセスするというニーズのバランスを取る必要性が発生します。
これが、長期的に勝負を分けるポイントになります。
アプリケーション・エコノミーの第二の波に乗って、ビジネスの成長性を確保するためには、企業はソフトウェアを事業の
一環としての商品というよりも、もっと高い位置に据える必要があります。それ自体を一つのビジネスとする必要があるの
です。顧客の期待を満たす驚異的な体験を顧客に提供することに重点を置いたアプリケーションを単に提供することから
企業は進化する必要があります。そして、それを実現するには、顧客に主導させる必要があるのです。アプリケーションが
小売店や主要なリブランディングにとっても最適であるという断要素として利用されるように、企業は顧客に耳を傾け、彼らの
ニーズを理解し、そしてアプリケーションの開発と展開に同じ厳格さと予測分析を適用する必要があります。
調査方法
Zogby 社は CA Technologies からの依頼を受け、18ヵ国における消費者 6,770 名と企業の意思決定者 809 名を対象にオンライン
調査を実施しました。すべての消費者への質問は2014年9月9日〜10月4日の間に完了し、すべての企業の意思決定者への質問
は2014年9月18日〜10月8日の間に完了しました。調査対象国は以下に一覧した通りです。
実証済みのインタラクティブなリソースを使用して、数千人の成人をこのインタラクティブな調査に招待しました。同じ回答者
が1回以上調査にアクセスすることがないように、それぞれの招待状にパスワードをコード化して安全を確保しました。
• オセアニア
• 東アジア
• ヨーロッパ
• 中東
• 中南米
• 日本
• ロシア
• アフリカ
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国勢調査データ、投票人登録の数値、CIAファクトブック、および出口調査に基づく情報を使用して、複雑な計量技術を使用
し、調査対象の人口の統計が最善のかたちで表されるようにしました。
加重変数には、年齢、人種、性別、地域、政党、教育、宗教が含まれ得ます。
95%の信頼区間に基づき、消費者6,770名の誤差の範囲は+/-1.2%ポイントで、企業の意思決定者809名の誤差の範囲は+/3.5%ポイントです。これは他のすべて同等という意味で、繰り返された同一の調査では100のうち95の誤差の範囲内という
結果となりました。
質問の文言と質問の順番などの他の要因により誤差が出る可能性もあります。
その他の情報
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ご覧ください。
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から開発、管理、セキュリティまで、CAは世界中の企業と協力し、モバイル、プライベート・クラウドやパブリック・クラウド、分散
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の詳しい情報については、www.ca.com (米CA Technologies)、http://www.ca.com/jp/default.aspx (日本)をご覧ください。
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