発行：北根室地区農業改良協議会第３回酪農セミナー生産性向上に向けた乾乳期管理のポイント～乾乳期管理の改善がすべての改善の第一歩～中標津町、標津町、羅臼町、 JA中標津、JA標津、JA計根別根室農業改良普及センター北根室支所監修：根室農業改良普及センター北根室支所平成27年 3月31日号平成26年11月、乳牛の乾乳期の飼養管理や繁殖に関する研修会が北根室地区農業改良協議会の主催で開催されました。乾乳管理と繁殖の関係について講演する酪農学園大学堂地教授その研修会の中から、 ①地域の疾病発生のタイミング ②分娩後の負のエネルギーバランスが繁殖に与える影響開会挨拶西村会長 ③負のエネルギーバランスを小さくするための乾乳期管理のポイントについて紹介します。（中標津町経済部長）会場の様子（出席者：150名） ①地域の疾病発生のタイミング（北根室地域、H25年4月～H26年3月）（頭）分娩前初 2000 分娩後回 1500 疾病発生時期診 1000 分娩当日からの10日間に集中!! 療 500 頭 -50～ -40～ -30～ -20～ -10～ 0～ 10～ 20～ 30～ 40～ 50～ 60～ 70～ 80～ 90～ 100～ 110～ 120～ 130～ 140～ 150～ 160～ 170～ 180～ 190～ 200～ 210～ 220～ 230～ 240～ 250～ 260～ 270～ 280～ 290～ 300～ 310～ 320～ 330～ 340～ 350～ 360～ 0 乾乳管理に課題有り?? 数疾病発生時の分娩後（前）日数（10日間隔） n=6799頭 ②分娩後の負のエネルギーバランスが繁殖に与える影響移行期～分娩～搾乳開始までの乳牛の生理・分ストレ娩ス・乾摂低取物量下エネルギーバランス ↑ ・乾摂低取物量下 ↑ ・ル圧ーメン迫 ↑ ↑ ・胎急成児長・泌スター乳ト負のエネルギーバランス大きくなるほど、その後の繁殖に悪影響負のエネルギーできるだけ小さくする改善を!! 改善のポイントは乾乳期にあり!! バランスに!! 負のエネルギーバランス大やせる小牛が食べた餌のエネルギー＞分娩5週間後（分娩時と比較して）（BCS*:0.5減少）牛が使うエネルギー ①初回授精日 ②初回授精受胎率 ①分娩後68日 ②65% 繁殖◎ 正のエネルギーバランスこの状態が続くと・・・太るモードに逆の場合（牛が使うエネルギーの方が大）負のエネルギーバランスこの状況が続くと・・・痩せるモードにもっとやせる（BCS*:1.0減少）より負のエネルギーバランスが大きいとき ①分娩後79日 ②17% 繁殖△ *BCS：ボディーコンディションスコアのこと。数値が小さいほどやせている。 ③負のエネルギーバランスを小さくするための乾乳期管理のポイント改善ポイントはここ!! 分娩前の乾物摂取量が不足分娩後の乾物摂取量も不足負のエネルギーバランス増加乾乳牛の飼養管理改善事例一番食べる粗飼料を乾乳牛に敷料たっぷり!! ネックレールを上げて餌槽へのアクセス改善水槽清掃で水をきれいに!! 乾乳牛飼養管理改善の効果乾乳期の乾物摂取量を増やし、カウコンフォートやミネラル類の給与などの各種改善後の変化周産期の疾病・廃用頭数の変化（A農場）年間出荷乳量の変化（B・C農場）（頭） 40 120% （%）周産期病 35 117% 117% 年 29 うち廃用頭数 114% 30 110% 間発ともに出生 20 20 減少!! 荷（改 100% 17 頭乳善数量前 90% 10 対 2 2 比 80% 0 改善後改善後） 1年目 2年目 1年目改善前 1年目 2年目個体乳量増加で B農場 C農場改善後出荷乳量UP!! (経産牛頭数85頭) 乾乳期の飼養管理改善によって、分娩前後の負のエネルギーバランスが小さくなると、周産期のトラブルの減少や個体乳量の増加など、農場の生産性向上につながります。また、負のエネルギーバランスをできるだけ小さくする事は、繁殖にも良い影響を与えます。乾乳期の飼養管理改善のために、飼料をたっぷり食べさせることから始めてみてはいかがでしょうか？北根室地区農業改良協議会では、平成24年から酪農セミナーを開催しています（平成24年:哺育育成、平成25年：分娩管理）。過去の講演内容集は根室農業改良普及センターの以下のサイトで公開されています。今回分の講演内容集についても、平成27年4月までに同サイトで公開予定です。根室農業改良普及センターHP http://www.nemuro.pref.hokkaido.lg.jp/ss/nkc/index.htm