日本フランス語フランス文学会 2 0 0 6年度秋季大会 10月28日(土) 研究発表会 3. 政治的カオスから新しい秩序へ―世紀転換期の小説にお けるパナマ事件 日本学術振興会特別研究員 田中 琢三 第 1 部 14:10∼15:40 第 1 分科会 フランス語学・語学教育 14 番教室 司会 大阪外国語大学 木内 1. 譲歩文とトートロジーの解釈スキーマ 日本学術振興会特別研究員 酒井 2. 中等教育における e-Learning の実践と評価 第 7 分科会 20 世紀(1) 12 番教室 司会 大阪大学 和田 章男 1. パリ空襲の表象(1914-1918)―プルーストと「戦争文化」 良行 智宏 日本学術振興会特別研究員 坂本 浩也 2. プルーストにおける「偶像崇拝」と「信じること」 東京大学博士課程 鈴木 隆美 日本私学教育研究所専任研究員 山﨑 吉朗 3. 現在形とその解釈の領域―粗筋に用いられる現在形の場 合 第 2 分科会 中世 京都大学博士課程 17 番教室 司会 放送大学(客員) 岸 原野 第 8 分科会 20 世紀(2) 23 番教室 司会 広島大学 近藤 武敏 1. シモーヌ・ヴェイユの思想における悪の概念について 彩子 京都大学博士課程 辻村 暁子 2. 唯心論(スピリチュアリスム)と交霊術(スピリティスム) ―ベルクソン哲学における催眠・テレパシー・心霊研究 昇 1. 中世ファルスにおけるキリスト教―狂言における宗教と の比較 関西大学博士課程 小澤 祥子 日本学術振興会特別研究員 15 番教室 司会 奈良女子大学 小山 俊輔 1. 18 世紀における崇高概念の世俗化―自然的崇高からリベ 第 9 分科会 19 世紀(4) 24 番教室 司会 国際基督教大学 ルタン美学へ 中部大学中部高等学術研究所研究員 玉田 敦子 2. キリスト教と奴隷制―シャトーブリアン『キリスト教精 側面 久美 司会 東京大学 1. ランボーと 19 世紀後半の死の主題系 神戸大学博士課程 湯浅 博雄 小田 早稲田大学助手 第 10 分科会 19 世紀(5) 22 番教室 司会 大阪大学 雄一 司会 慶應義塾大学 小倉 1. ゾラの『作品』と 1868 年のサロン Lycée ISGL 寺田 孝誠 春幸 ついて 東京大学博士課程 熊谷 謙介 2. 詩人の葬儀でオルガンを奏したのは誰か―ヴェルレーヌ 2. 詩と不毛性―マラルメ、ユゴー、ボードレール 日本学術振興会特別研究員 原 大地 3. 「共同性」への誘い、あるいは「行動」としての批評― 康司 金崎 第 11 分科会 19 世紀(6) 15 番教室 司会 熊本大学 大熊 薫 1. 都市の再生―マラルメ『最新流行』における劇場型祝祭に 1. 中心の虚無に立ちもどる―マラルメの「カトリシスム」を めぐって 神戸大学非常勤講師 中畑 寛之 坂巻 由紀 大阪音楽大学非常勤講師 寺本 弘子 3. 群衆と母胎―モーパッサン「メゾン・テリエ」をめぐって 一橋大学博士課程 長谷川 久礼満 東京大学博士課程 倉方 健作 24 番教室 司会 広島大学 武田 紀子 マラルメの「演劇に関する覚書」について 大阪産業大学非常勤講師 第 6 分科会 19 世紀(3) 25 番教室 一條 1. フローベールの『サラムボー』におけるオブジェの分析 名古屋大学博士課程 大原 邦久 2.「不透明化」の詩学―フローベール小説におけるメタ言語 2. ランボーにおける陶酔の否定的力―窒息感について 北海道大学博士課程 木下 伴江 3.「二重の眼」のもとに―ランボーを受容するヴェルレーヌ 第 5 分科会 19 世紀(2) 正一郎 2. 詩行と空白―ボードレールの韻文詩の変革を巡って 大阪大学博士課程 廣田 大地 3.『マルドロールの歌』における蛸の表象をめぐって 日本学術振興会特別研究員 片岡 大右 3. シャトーブリアン『墓の彼方からの回想』における叙事詩的 高橋 岩切 1. 詩人ボードレールという神話―ボードレール受容の諸相 とその意義 東京大学博士課程 伊藤 綾 髄』を中心に 早稲田大学博士課程 22 番教室 尚志 第 2 部 16:10∼17:40 第 3 分科会 18・19 世紀 第 4 分科会 19 世紀(1) 藤田 とフォーレの交流 琉球大学 第 12 分科会 19 世紀(7) 25 番教室 西森 和広 司会 九州大学 高木 信宏 1. 帽子の代わりにターバンを!―ロマン主義時代のオリエ ント旅行記に見る「変装」の役割の変遷について 東洋大学非常勤講師 第 13 分科会 20 世紀(3) 12 番教室 司会 広島大学 寅彦 2. ヴィリエ・ド・リラダンにおける父権と文学―「クレール・ ルノワール」、「予兆」、『反抗』、『アクセル』をめぐって 同志社大学非常勤講師 木元 豊 畑 松本 浩一郎 陽正 1.『人間の大地』における話法と視点戦略―スペイン人伍長 とギヨメの挿話を中心に 2 日本フランス語フランス文学会 2 0 0 6年度秋季大会 大谷大学助手 藤田 義孝 2. マルローの西欧―1920 年代の評論活動を中心に パリ第 3 大学博士課程 畑 亜弥子 東京大学 COE 研究員 西山 雄二 第 15 分科会 20 世紀(5) 23 番教室 司会 名古屋大学 松本 伊瑳子 第 14 分科会 20 世紀(4) 14 番教室 司会 早稲田大学 守中 高明 1. レーモン・クノー『はまむぎ』の非現実(主義)的な郊外に 1. 『偉大なるソリボ』における自己表象の戦略―“パトリッ ク・シャモワゾー”とは何者か? モントリオール大学博士課程 廣松 勲 ついて 2. パトリック・モディアノ『ドラ・ブリュデール』―忘却に 抗するエクリチュール 明治大学博士課程 小谷 奈津子 早稲田大学非常勤講師 昼間 賢 2. 抵抗の形象―ブランショとカミュ 10月29日(日) 特別講演 第 2 部 11:10∼12:10 司会 大阪大学 井元 秀剛 « Français standard et francilien commun : pour une reconnaissance générale de la diglossie francophone dans les descriptions syntaxiques du français » Université de Paris VIII Anne Zribi-Hertz 第 1 部 10:00∼11:00 司会 東京大学 塩川徹也 e « La poésie française au XVIII siècle » Université de Paris IV Sylvain Menant Sylvain M enant 教授:1939 年生まれ、パリ第 10 大学教授 (1981-86)を経て、現在パリ第4大学教授。そのほか、フラ ンス文学史学会副会長、国際フランス学会副会長、1991 年か ら 2004 年まで Revue d’histoire littéraire de la France 編集長。ま た、ソルボンヌ大学では 17・18 世紀フランス語フランス文学 研究所所長などの立場で研究を指導している。専門は 18 世紀 の詩やヴォルテールが中心であるが、 氏の著作は広く 18 世紀 全般にわたっている。 Anne Zribi-Hertz 教授:パリ第8大学教授。フランス語学、一 般言語学。専門は統語論で、アフリカの言語や韓国語などと 英語やフランス語との比較対照を行なっている。 今回は、「標 準フランス語」とされているものと、実際に話されているフ ランス語の間には異なりがあり、その二重性を、文法の記述 やフランス語教育などにどのように反映させるべきかという 問題に関してお話いただく予定である。 し出し、聴き出そうとする試みである。パネリストの設定す るテーマは、美術や音楽との「比較芸術」的観点からのアプ ローチ(山田)、日本におけるボードレール受容研究の方向性 および問題点と今後の可能性(北村) 、叙事詩にたいする認識 の再解釈をもとにした、詩人の「現代性」の詩学と歴史意識 との関わり(海老根) 、ボードレールと記憶の位相(岩切)で ある。発表を出発点に、ワークショップ参加者によって、ボ ードレールがさまざまな作家やテーマと接続され、思いがけ ない空間へ運び込まれ、そこに豊饒な解釈のフィールドが開 かれてゆけばと思う。 ワークショップ 12:40∼14:40 1.哲学的地下文書と現代−その研究が現代にもたらすもの (22 番教室) 司会:逸見龍生(新潟大学) パネリスト:Geneviève Artigas-Menant(Université de Paris XII) 、三井吉俊(千葉大学) 、 石川光一(日本大学)、寺田元一(名古屋市立大学) 現在 17、18 世紀フランスの哲学的地下文書研究において 主導的立場にある ParisXII 大学のアルティガ=ムナン教授を 招き、日本人研究者とのワークショップを行う。 17 世紀から 19 世紀にかけてのフランスの動きを考えようとする とき、絶対王政→啓蒙主義→フランス革命という流れがすぐ想定 される。この明解な見方に問題があるとすれば、すべてが一方向 に向かって進んでいるかのような錯覚を与える点にある。 事態はそのように簡略化できるわけではない。明確に見え る対象を前にして、輪郭線を確定しようとしても、はっきり した境界線が消えていく。哲学的地下文書群もそうした複雑 さをよく示すものとなっている。 「進歩」 的とされる思想に限 りなく接近してしまう「伝統」思想もあれば、「古代」に依拠 しながら、新しい見解を述べる「進歩」思想も現れる。直線 的な進歩史観は退けられるべきだろう。複雑な運動を示す言 語文化空間のあり方を研究が求められる。そこから、見る者 の視点を問い返す契機が生まれ、現代へと問題を投げ返す大 きな意義が見出されることだろう。 3.21 世紀の『異邦人』、カミュ研究の現在 (12 番教室) パネリスト:三野博司(奈良女子大学) 、稲田晴年(静岡県立 大学)、東浦弘樹(関西学院大学) 2006 年春、プレイアッド叢書の新版「カミュ」全 4 巻のう ち最初の 2 巻が刊行され,日本カミュ研究会発行の『カミュ 研究、Etudes camusiennes』は第 7 号を数えた。近年のカミュ 研究の動向について、まず三野が簡単に紹介し、これまでの 『異邦人』研究を概観する。次に、3 人の個別発表を行い, 討議へとつなげたいと思う。(1)三野: 「父は死刑執行を見に 行った―『異邦人』『ギロチン』 『最初の人間』」 。生成する テクストあるいは回帰するテクストの観点から『裏と表』『ペ スト』などにも触れつつ、作家の脅迫観念と文学表象のかか わりに解明の光をあてたい。(2)稲田: 「ムルソーあるいは不 在の詩情」。 ここにいながらここにいないというムルソーのあ り方を、 『カリギュラ』や『シーシュポスの神話』などを参照 しつつ論じる。 (3)東浦: 「ムルソーはなぜ泣かないのか」 。 ムルソーはなぜ母親の葬式で泣かないのかを、作者のことば、 精神分析でいう「喪の仕事」の失敗、カミュが結核で死に瀕 した際の母親の態度という3つの観点から考えたい。 2.トランスポジション・ボードレール (24 番教室) パネリスト:岩切正一郎(国際基督教大学) 、山田兼士(大阪 芸術大学)、北村卓(大阪大学)、海老根龍介(白百合女子大 学) 来年 『悪の華』初版出版 150 周年を迎えるボードレールを、 異なるコンテクストのなかに置いて、詩人のあらたな像を映 3
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