新入生向け少人数セミナー(ポケット・ゼミ) - 国際高等教育院

新入生向け少人数セミナー(ポケット・ゼミ)の現状と課題
― 平成 15 年度アンケート調査報告 ―
平成 16 年 3 月
京都大学高等教育研究開発推進機構
目
次
はじめに
1
第1章 調査の概要
3
1.ポケット・ゼミの意義
3
2.少人数教育部会の審議経過
6
3.調査実施の概要
7
第2章 受講学生調査の結果
10
1.設問別の結果
10
2.クロス集計の結果
20
3.自由記述のまとめ
21
第3章 非受講学生調査の結果
27
1.設問別の結果
27
2.自由記述のまとめ
34
第4章 担当教官調査の結果
39
1.設問別の結果
39
2.自由記述のまとめ
58
第5章 まとめ
63
1.少人数セミナーに満足できるか
63
2.抽選に見はなされた者を救う道は
65
3.ボランティア科目として発展できるか
66
少人数セミナーに関するアンケート 調査票
69
・ポケゼミを受講した学生対象
70
・ポケゼミを受講しなかった学生対象
74
・担当教官用
77
少人数教育部会委員名簿
81
は じ め に
京都大学では、特色ある教育を目指して、平成 10 年度より新入生向け少人数
セミナー(ポケット・ゼミ)という授業科目が開設されました。ポケット・ゼミ
は、入学直後の新入生の希望者を対象に、全学の教官がボランティアとして実施
する授業で、原則として 10 人程度の少人数単位で前期に実施され、大学とはど
ういうところか、学問をするとはどういうことか、最先端の分野でどんなことが
行われているかなどについて、教官が直接に学生に語りかけ、あるいはさまざま
な研究のフィールドに誘う、いわば「京都大学そのものへの入門」の授業として
機能してきました。最近では 130 余りの科目が提供され、1,200 人近くの学生(全
新入生の 40%以上)が受講しています。
本学が全国に先がけて取り組みを進めてきましたポケット・ゼミは、教官、学
生の双方から高い評価を得てきました。そのことは、平成 10 年度の「京都大学
における早期少人数教育の現状と課題−教官・学生の意識調査報告」、平成 11 年
度∼12 年度のポケット・ゼミ担当教官に対してカリキュラム専門委員会(林哲介
委員長)が実施したアンケート調査、および、第 1 回ポケット・ゼミ受講者を対
象に平成 13 年 12 月∼14 年 1 月にかけてカリキュラム専門委員会・少人数教育・
教養教育の在り方専門委員会(田中克委員長)が実施した「新入生向け少人数セ
ミナー(ポケット・ゼミ)の現状と課題−第 1 回ゼミ受講生の意識追跡調査報告」
などによっても検証されてきました。
しかしながら、ボランティア科目という位置づけの限界、全学共通科目全体へ
のポケット・ゼミの位置づけ、ポケット・ゼミ授業への経費支援、フィールド授
業における安全の確保と保険の整備、希望者全員が受講できる体制の確立など、
ポケット・ゼミの発展のためには検討すべき課題が多々あることも指摘されてま
いりました。平成 15 年 4 月に京都大学の組織再編が行われ、全学共通科目を所
掌する高等教育研究開発推進機構が設置されました(初代機構長は赤岡功教授、
現機構長は丸山正樹教授)。その高等教育研究開発推進機構の審議機関である全学
共通教育システム委員会のもとに教養教育専門委員会が設けられ、さらにその下
にポケット・ゼミについての専門部会である少人数教育部会が置かれました。
平成 15 年度の少人数教育部会では、ポケット・ゼミについての短期的課題と
してシラバスについての調査・検討などを、長期的課題としてボランティア科目
という位置づけの検討などを作業目標に位置づけ、後者の審議資料を得るために
1
質問紙調査を実施することを決めました。調査対象には、平成 15 年度のポケッ
ト・ゼミ担当教官全員、受講学生全員に加えて、これまで声を聞くことの少なか
ったポケット・ゼミを受講しなかった(できなかった)1 回生学生にも調査を行
いました。その結果をまとめたものが、本報告書です。
ささやかな内容ではありますが、平成 16 年 4 月からの国立大学法人化を目前
に控えたこの重要な時期に公刊する本報告書が、今後のポケット・ゼミの改善に
向けた議論に少しでも役立つことを祈る次第です。調査に真剣にご回答いただい
た授業担当教官ならびに 1 回生の皆さまに対し、この場をお借りして心よりお礼
申し上げます。また、資料ならびに報告書の作成には、共通教育推進部共通教育
推進室企画調整掛の皆さんに絶大なるご協力をいただきました。ここに厚くお礼
申し上げます。
平成 16 年 3 月
京都大学高等教育研究開発推進機構
全学共通教育システム委員会
教養教育専門委員会少人数教育部会
部会長
2
子安 増生(教育学研究科)
第1章
調査の概要
1.ポケット・ゼミの意義
京都大学では、特色ある教育を目指して、平成 10 年度より新入生向け少人数セミ
ナー(ポケット・ゼミ)という授業科目が開設された。ポケット・ゼミは、入学直後
の新入生の希望者を対象に、全学の教官がボランティアとして実施する授業で、原則
として 10 人程度の少人数単位で前期に実施され、大学とはどういうところか、学問
をするとはどういうことか、最先端の分野でどんなことが行われているかなどについ
て、教官が直接に学生に語りかけ、あるいはさまざまな研究のフィールドに誘う、い
わば「京都大学そのものへの入門」の授業として機能してきた。
この科目は、平成 10 年井村裕夫総長(当時)の肝煎りで開設され、長尾眞前総長の
時に拡大され、現在に至っている。歴代の京都大学総長の熱意の下で発展してきたポ
ケット・ゼミについて、トップの証言を以下に引用する。
平成 12 年 3 月 1 日に開催された文部省(当時)の「大学における学生生活の充実
に関する調査研究会」第 6 回会議において元総長の井村裕夫科学技術会議議員は次の
ように述べている。
「自分が京都大学学長時代に、全学共通科目レビュー委員会を設置したが、そこ
で教養教育について多くの問題点が指摘された。全学共通科目改善特別委員会で
問題の解決に当たったが、解決策の一つとして、新入生を対象とした「ポケット・
ゼミ」と呼ばれる少人数セミナーを導入した。当時の一般教育では、多い場合に
は 500 人もの学生が履修する科目もあったことを反省し、教員 1 人当たり学生 5
∼15 名とし、学部を問わず、コンピュータで受付をした。ポケット・ゼミは、人
文科学系と社会科学系で構成されるA群、自然科学で構成されるB群の科目がほ
とんどである。
1 年後に少人数セミナーをめぐっての調査をしたが、予想外によい結果だった。
学生の満足度や、学生自身の受講態度の評価も高く、少人数教育でしか得られな
いものを実感したと感じる学生が多かった。少人数教育のメリットについても、
学生は、教員の人間性に触れることができ、学部の枠を越えて友人を作る機会が
できたと感じたようである。また、3 分の 2 の学生が、教養教育を物事の基本的
な考え方を理解し、人間性を高めるものと考えているという結果が出た。教官に
対しても調査したが、ほぼ同じ結果だった。教官は、少人数セミナーにおいて、
学生の発言の機会が多かったことや、対面で細かな指導ができたことをメリット
と考えている。
3
この少人数教育におけるメリットは、①教育の原点である人間と人間の触れ合
いの機会ができること、②双方向性のコミュニケーションを築けること、③教養
の意義である、論理的かつ批判的に物事を考えられる力を身につける教育を実施
しやすいこと、④少人数教育を大学最初の体験とすることで大学というものの「刷
り込み」を行うこと、⑤部活動、教員や先輩などとの人間関係や大学の伝統的雰
囲気など、かつてからあるカリキュラム以外の大学教育へつながること、であ
る。
今後の課題としては、少人数教育の拡大が必要であると考えている。現在、特
に自分の関わる医学の分野では、知識の蓄積が進み、学生にすべて教え込むこと
は不可能である。そのため、学生が受け身ではなく、自分で能動的に学習する方
法を身につけることが重要である。そこで発達したのがハーバード大学で定着し
ている、New Pathway のようなチュートリアル教育である。また、少人数教育
においては、古典を読ませる機会を増やすことも必要である。」
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/012/gijiroku/001/000301.htm)
また、平成 12 年 5 月 29 日に開催された文部省(当時)の中央教育審議会 第 231
回総会に出席した長尾眞総長(当時) は、京都大学のポケット・ゼミについて次のよ
うに報告している。
「例えば私の大学ですと、3 年前から少人数教育を徹底的にやるということを考
えまして、たったの 1 科目ですけれども、ポケット・ゼミと通称しております科
目を設定いたしました。この科目はどんなものかといいますと、全学の先生がボ
ランティア的に自分はこういうことを教えたいんだということを申し出ていただ
きまして、それを学生諸君にアナウンスします。これは特に新入生を対象にして
おります。4 月から 7 月までやります。
1 人の先生は 10 人以下の学生しか持たない。教室はもちろんそんなにたくさん
ありませんから、自分の教授室あるいは研究室でやっていただく。1 週間の何曜
日の何時間目と決まっておりまして、一斉にやる。一番最初一昨年は、90 人ぐら
いの先生がその科目をつくってくださいまして、500 人ぐらいの学生が受講いた
しました。昨年は 120 人ぐらいの先生がボランティアしてくださいまして、800
人ぐらいの学生が受講いたしました。今年は今やっておりますけれども、やはり
120 人ぐらいの先生がボランティアしていただきまして、大体 1,000 人か 1,100
人ぐらいの学生が受講しておりますが、教授室へ 10 人以下―先生によっては自分
は 5 人しか受け付けないという先生もいらっしゃいます―来させまして、ほとん
どマン・ツー・マンにやります。
例えば、京都の町並について建築の先生が、古い町並はどのようにしてつくら
れているか、それはどういう理由があるのか。そして、見学に連れていくとか、
4
そういうことを通じて、学生にどんどん質問させます。フリーなカンバセーショ
ンを重視しまして、それでもって先生と学生とのコミュニケーションをよくする。
それから、10 人以下ですから、学生同士が自由にまた議論し合う。その学生諸君
はどの学部に属している学生とかいうことは全く区別しておりませんで、いろん
な学部の学生が 1 人の先生のところに集まってきます。農学部の先生は、例えば
田植えをさせたり、草引きをさせたりするようなこともやったりしながら、それ
を通じていろんなことを教える。そして、学問というのがいかにして形成されて
きたかということを身をもってわからせる努力をする。そういうことを通じて、
先生の人格であるとか、あるいはいろんな人生の問題であるとか、そういうこと
も語り合うという形で、インプリシットな形で人格形成といいますか、教養的な
ことを身につけさせるということをやっておりまして、これは学生諸君に非常に
高い評価を得ております。一挙に先生の数をなかなか増やすことができませんの
で、徐々に毎年少しずつ増やしていって、実質的にいい科目にしていきたいと思
っております。」
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chuuou/gijiroku/007/000501.htm)
さらに、国立大学法人化に向けて公表された京都大学の中期目標・中期計画(平成
15 年 9 月 29 日)にも、学部教育の改革の方針として、「少人数セミナー、対話を基
本とした「自学自習」促進型授業、海外を含む他大学・他機関における学習への参加
機会を拡大する」と記されている。
このように、ポケット・ゼミは本学が全国に先がけて取り組みを進めてきた少人数
教育の授業法であり、これまで教官、学生の双方から高い評価を得ており、京都大学
の将来にとっても重要なものと考えられる。このうち教官、学生からの評価について
は、井村元総長の前記の発言にあるように、開設年度の平成 10 年度の「京都大学に
おける早期少人数教育の現状と課題−教官・学生の意識調査報告」として示されてい
るほか、平成 11 年度∼12 年度のポケット・ゼミ担当教官に対してカリキュラム専門
委員会(林哲介委員長)が実施したアンケート調査、および、第 1 回ポケット・ゼミ
受講者を対象に平成 13 年 12 月∼14 年 1 月にかけてカリキュラム専門委員会・少人
数教育・教養教育の在り方専門委員会(田中克委員長)が実施した「新入生向け少人
数セミナー(ポケット・ゼミ)の現状と課題−第 1 回ゼミ受講生の意識追跡調査報告」
などによっても検証されてきた。
しかしながら、中期目標・中期計画に示されるようなポケット・ゼミの一層の拡大・
発展のためには、
「ボランティア科目」という位置づけの限界、全学共通科目全体への
ポケット・ゼミの位置づけ、ポケット・ゼミ授業への経費支援、フィールド授業にお
ける安全の確保と保険の整備、希望者全員が受講できる体制の確立など、検討すべき
課題が多々あることも指摘されてきた点である。
5
2.少人数教育部会の審議経過
平成 15 年 4 月に、京都大学の組織再編が行われ、全学共通科目を所掌する高等教
育研究開発推進機構が設置された。その審議機関である全学共通教育システム委員会
のもとに教養教育専門委員会が設けられ、さらにその下にポケット・ゼミについての
専門部会である少人数教育部会が置かれた。
平成 15 年度の少人数教育部会は、以下に詳述するように 4 回に渡って開催された。
少人数教育部会第1回会議:
第 1 回会議は、平成 15 年 7 月 1 日に開催された。審議にあたって、平成 15 年 2
月 14 日付けの報告書「平成 13∼14 年度における「少人数教育・教養教育の在り方専
門委員会」検討事項まとめ」が資料として配布され、①開講科目数(ボランティアの
主旨尊重)、②経費支援、③科目審査(提供者の自由な発想の尊重)、④名誉教授の担
当(全学共通科目全体として検討)、⑤追跡調査の必要性、⑥教養教育における位置づ
けの明確化などの提言内容を把握した。その後、審議の結果、次の 2 点が了承された。
(1) ポケット・ゼミの充実拡大を図るためには、ボランティア科目という現在のシ
ステムの何らかの再検討が必要であるとの認識のもとに、今後、改善方策を検討する
こと。
(2) 平成 16 年度開講科目の設計については、新たな原理・原則に基づいてこれを行
うには十分な時間がなく、提供科目の要請にあたっては、前年度の開講実績を例示し
平成 15 年度と同様に協力要請を行うこと。また、その際、医学部保健学科の設置に
伴う履修希望者の増加等について十分配慮いただくよう併せて依頼すること。
少人数教育部会第2回会議:
第 2 回会議は、平成 15 年 10 月 6 日に開催され、審議の結果、新たに次の 2 点が了
承された。
(3) 提供科目(シラバス)の調査・検討は、ボランティア科目であることを考慮し
ながらも、少人数教育部会として責任をもって行い、改善要請や受講生が多い科目の
人数制限などの依頼を必要に応じて行うこと。
(4) ポケット・ゼミの基礎データを蓄積するため、今後、継続的に調査(アンケー
ト)を実施すること。今回の調査対象には、平成 15 年度のポケット・ゼミ担当教官
全員、受講学生全員に加えて、これまで声を聞くことの少なかった受講しなかった(で
きなかった)1 回生の学生にも調査を行うことにし、その調査内容等について検討・
確認が行われた。その際、平成 10 年に教育課程委員会(当時)が実施した学生用調
査および教官用調査、ならびに平成 15 年に報告されたカリキュラム専門委員会・少
人数教育・教養教育の在り方専門委員会の学生用調査が今回の調査の雛形とされた。
6
少人数教育部会第3回会議:
第 3 回会議は、平成 15 年 11 月 17 日に開催された。まず、16 年度開講予定科目の
シラバスの内容について、詳細な検討が行われた。その結果、シラバスの記載内容に
改善等が必要と思われる科目については、授業担当教官に文書で依頼することとなっ
た。また、調査については、既に実施され回収された調査の結果を、①受講生用調査、
②非受講生用調査、③教官用調査、④まとめ(総括)にわけて委員の間で分担して分
析し、次回に報告することが決められた。
少人数教育部会第4回会議:
第 4 回会議は、平成 16 年 1 月 30 日に開催され、各委員による調査の分析結果をも
とに報告書に盛り込む内容の審議が行われた。また、以後の報告書原稿作成にあたっ
ては、電子メールで意見交換を行うこととした。
3.調査実施の概要
調査は、上述のように①受講生用調査、②非受講生用調査、③教官用調査の 3 種類
からなる。それぞれの調査の項目内容は、本報告書末尾(69∼80 ページ)に添付した
調査票の通りである。
学生対象調査の手続:
1 回生(ポケット・ゼミ受講学生、非受講学生)対象の調査については、平成 15 年
10 月の後期授業の開始時に、前期の全学共通科目成績表を配布するときに調査用紙も
同時に配布し、各自で記入後回収箱に入れてもらう方法をとった。その結果、表 1−1
に示すように、受講生 235 人、非受講生 205 人から回答があり、配布数に対する回収
率は 17.7%であった。
教官対象調査の手続:
教官対象の調査については、平成 15 年度に開講されたポケット・ゼミ 133 科目の
授業の担当者または筆頭担当者(複数教官担当の場合シラバスの最初に書かれている
教官)に調査用紙を送付し、学内便で回収した。その結果、91 人の教官から回答があ
り、回収率は 68.4%であった(表 1−1)。
学生母集団の特徴:
今回の調査対象となった平成 15 年度入学の 1 回生の学部別、男女別の人数を表 1−
2 に示す。大学全体の在籍者数は、2,822 人、男女比はほぼ 4:1 である。
また、表 1−3 に少人数セミナーの 6 年間の開講状況、表 1−4 に少人数セミナーの
6 年間の申込みならびに受講許可状況を示す。
7
表1−1 新入生向け少人数セミナー(ポケット・ゼミ)に関する調査回収数・回収率
回収数
対象学生数
配付数
(H15.5.1 現在在籍者数)
ポケット・ゼミ
ポケット・ゼミ
受講学生
非受講学生
235
205
回収率
2,822 人
2,492
対象教官数
配付数
回収数
回収率
133 人
133
91
68.4%
17.7%
表1−2 平成15年度 1回生(学部・男女別)
学 部
男
人 数
子
女
%
人 数
子
計
%
割
合
95
70.4%
40
29.6%
135
4.8%
文 学 部
121
54.0%
103
46.0%
224
7.9%
教育学部
28
45.2%
34
54.8%
62
2.2%
法 学 部
256
69.9%
110
30.1%
366
13.0%
経済学部
197
77.9%
56
22.1%
253
9.0%
理 学 部
274
91.0%
27
9.0%
301
10.7%
医 学 部
80
80.0%
20
20.0%
100
3.5%
薬 学 部
56
66.7%
28
33.3%
84
3.0%
工 学 部
915
93.2%
67
6.8%
982
34.8%
農 学 部
221
70.2%
94
29.8%
315
11.2%
2,243
79.5%
579
20.5%
2,822
100%
総合人間学部
計
表1−3 少人数セミナー(ポケット・ゼミ)の開講状況
10 年度
11 年度
12 年度
13 年度
14 年度
15 年度
開設科目数
96
121
118
134
136
134
受講者定員
783
1,099
1,069
1,194
1,239
1,237
受講科目数
89
119
118
133
134
133
8
表1−4 少人数セミナーの受講許可状況について
入学年度
入学者数
申込者数
許可者数
10 年度
2,948
1,135
657
11 年度
2,882
1,315
12 年度
2,837
13 年度
決定率
入学者に対する
受講申込率
受講許可率
57.9%
38.5%
22.3%
1,010
76.8%
45.6%
35.0%
1,615
1,134
70.2%
56.9%
40.0%
2,825
1,532
1,172
76.5%
54.2%
41.5%
14 年度
2,781
1,639
1,170
71.4%
58.9%
42.1%
15 年度
2,822
1,660
1,136
68.4%
58.8%
40.3%
9
第2章
受講学生調査の結果
1.設問別の結果
平成 15 年度少人数セミナー受講学生の調査は、11 の設問からなっている。回答者
数は、235 人である。以下、設問ごとに結果を見ていく。原則として設問ごとに集計
結果をグラフで表示し、小数点以下 1 桁まで(2 桁目を四捨五入)の百分率を添えた。
百分率の数字はいずれも有効回答数中のものであり、無答などを除いている。
Ql
あなたの性別を答えてください
図 2−1 に示されるように、男 72.8%、女 26.8%であった。1 回生の性別人数は男
2,243 人(79.5%)、女 579 人(20.5%)であるから、回答者は女性の比率が少し高
い。平成 15 年度の少人数セミナーの履修者数は、男 708 名(77.4%)、女 207 名(22.6%)
であり、回答者の男女比と履修者数の男女比はほぼ同じであったと見てよい。
Q2
あなたの所属学部を答えてください
総合人間学部は文科系と理科系に分かれるが、所属専攻がまだ決まっていないので、
現在の時点での志望を答えるよう求めた。学部別分布は、図 2−2 に示される。
1 回生全体の比率は、文7.9%、教育 2.2%、法 13.0%、経 9.0%、理 10.7%、医 3.5%、
薬 3.0%、工 34.8%、農 11.2%、総人 4.8%である(表 1−2 参照)。
全体との比較では、13%を占める法学部の受講生が 4%であるのは低い。7.9%の文学
部が 13%を占めるのは比率として高い。理学部、農学部、薬学部は学生数に比例して
いるが少し多く、工学部、医学部は少し少ない。
Q1 あなたの性別を答えてください
女
26.8%
不明
0.4%
男
72.8%
図 2−1 回答者の性別分布
10
Q2 あなたの所属学部を答えてください
総合人間
(文科系)
6.0%
総合人間
(理科系)
3.4%
文 教育
12.8% 0.9%
法
4.3%
農
14.9%
経済
7.2%
理
13.2%
工
29.8%
薬
3.8%
医
3.8%
図 2−2 回答者の学部別分布
Q3 受講した少人数セミナーが所属する群
2.1
36.9
51.9
8.6
0.4
0%
10%
20%
30%
A群
B群
40%
50%
A・B群
60%
B・D群
70%
80%
90%
100%
A・B・D群
図 2−3 少人数セミナーの所属群別分布
Q3
あなたが受講した少人数セミナーが属している群を選んでください
京都大学の全学共通科目は、A群(人文科学・社会科学系科目)
、B群(数学・物理
学、化学、生物学、地球科学、情報科学などの自然科学系科目)
、C群(外国語科目)
、
D群(健康科学科目)に分かれている。ポケット・ゼミは、A群、B群、A・B群、
B・D群、A・B・D群のどれかに属している。結果は、図 2−3 に示される。
Q4
あなたが受講した少人数セミナーの受講者は何人ぐらいでしたか
「5 人未満」
、
「5 人∼10 人」
、
「10 人以上」から選択。結果は、図 2−4 に示される。
11
Q4 少人数セミナーの授業開始時の受講者
9.8
65.0
0%
20%
25.2
40%
5人未満
60%
5∼10人
80%
100%
11人以上
図 2−4 少人数セミナーの授業開始時の受講者分布
Q5 受講した少人数セミナーの希望順位は何番目でしたか
87.4
0%
10%
20%
30%
40%
第1希望
7.8 4.8
50%
第2希望
60%
70%
80%
90%
100%
第3希望
図 2−5 少人数セミナー希望順位の分布
ポケット・ゼミは、原則として受講者数を 10 人程度に制限する「少人数」セミナ
ーである。図 2−4 の結果を見ると、受講者数「5∼10 人」が 65.0%と最も多く、「5
人未満」の 9.8%とあわせると、4 分の 3 は少人数セミナーの趣旨に則った科目である
ことを示している。仔細に見ると、「11 人以上」と答えた学生の約半数がA群科目を
受講しており、A群に多人数の授業が多いようである。
Q5
あなたが受講した少人数セミナーの希望順位は何番目でしたか
図 2−5 に示すように、ほぼ 9 割近くの学生が第 1 希望の授業を受講できている。
第 1 希望の科目を受講できなかった学生の大多数は、B群科目を第 1 希望としてい
る。Q4 の結果とあわせると、A群科目よりB群科目の方が、概して受講者数を厳し
く制限しているようである。
12
Q6 この少人数セミナーを受講することにした理由
履修案内に書かれている内容を見て関心を持ったから
曜日・時限が履修に都合がよかったから 27.2%
所属学部の専門課程での勉強に役立ちそうだったから
26.8%
所属学部の専門以外の学問に触れたかったから
21.3%
担当教官に関心があったから
8.1%
集中講義だったから 6.0%
その他
7.2%
0%
86.8%
10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
図 2−6 この少人数セミナーを受講した理由の分布(複数回答可)
Q6
この少人数セミナーを受講することにした理由を答えてください
(複数回答可)
図 2−6 に結果が示される。9 割弱の学生が「履修案内に書かれている内容を見て関
心を持ったから」を選んでいる。シラバスの果たしている役割の重要性がうかがい知
れる結果である。
「曜日・時限が履修に都合がよいから」と「所属学部の専門課程での
勉強に役立ちそうだったから」が 4 分の 1 強、「所属学部の専門以外の学問に触れた
かったから」も 5 分の 1 強の回答者が選択した。
「その他」の選択理由はさまざまであるが、この場合には理由を自由記述させてお
り、その内容を見ると「先輩の勧め」や「担当教官の著書を読んだことがある」など
の理由があった。なお、
「その他」と答えた学生の中には、受講した科目の選択理由で
はなく、ポケット・ゼミそのものを選択した理由を問われているものと勘違いしてい
る者も少なくなかった。
Q7
これまで少人数セミナーを受講しての感想をうかがいます
(1)全体として、少人数セミナーの授業内容に満足していますか
その理由も書いてください
結果は、図 2−7 に示される。90%近くが「満足」ないしは「どちらかといえば満
足」を選択しており、かなり高い支持率と言える。
満足している理由としては、科目内容自体に対する興味をあげた学生も少なくない
が、多くの学生は、少人数のメリットを活かした科目であることを挙げている。
逆に不満足の理由としては、
「履修案内と内容が異なる」、あるいは、
「履修案内を見
て想像したものと内容が異なった」、という意見が目立った。履修案内をさらに改善す
る必要がありそうである。その他、
「通常の講義形式であった」、
「受講生が多すぎる」、
13
Q7(1) 全体として、少人数セミナーの授業に満足していますか
54.3
0%
20%
満足
34.6
40%
60%
どちらかといえば満足
9.4
80%
どちらかといえば不満
1.7
100%
不満
図 2−7 少人数セミナーの満足度の分布
Q7(2) 振り返ってみて、あなた自身の受講姿勢は
28.3
0%
55.8
20%
熱心
40%
60%
どちらかといえば熱心
13.3
80%
どちらかといえば不熱心
2.6
100%
不熱心
図 2−8 自身の受講姿勢についての認知度の分布
「複数教官によるリレー形式のためにまとまりがない」といった意見もあり、これら
の点については改善が望まれる。
(2)振り返ってみて、あなた自身の受講姿勢はどうだったと思いますか
結果は、図 2−8 に示される。学生自身、84.1%が「熱心」、「どちらかといえば熱
心」に参加したと思っている。熱心でなかったと答えた学生のなかには、Q7 (1)で「授
業内容に満足しなかった」と答えた学生も少なくないが、他方授業内容には満足して
いる学生も多く、授業内容の満足度と直接関連づけるのは難しい。
(3)あなたが受講した少人数セミナーの学生数についてどう思いますか
結果は、図 2−9 に示される。78%がちょうどよい人数であったと考えている。
「多すぎる」と答えた学生とほぼ同数の学生が「少なすぎる」と答えている点は興
味深い。輪読の順番が早くまわってくるなどの具体的な理由も見られるが、少人数教
育に慣れていないのも理由であろうかと推測できる。
(4)授業内容の難易度はどうでしたか
14
結果は、図 2−10 に示される。学生の 30%は、授業内容が「難しい」あるいは「ど
ちらかといえば難しい」と感じている。しかし、
「難しい」と答えた学生の多くが内容
には満足しているようである。
Q7(3) 受講した少人数セミナーの学生数について
3.0
9.9
0%
10%
78.0
20%
30%
40%
多すぎる
どちらかといえば少ない
6.0
50%
60%
どちらかといえば多い
少なすぎる
70%
80%
90%
3.0
100%
ちょうどよい
図 2−9 受講した少人数セミナーの学生数についての認知の分布
Q7(4) 授業内容の難易度は
3.5
0%
28.5
10%
難しすぎる
20%
53.9
30%
40%
どちらかといえば難しい
50%
ちょうどよい
13.6
60%
70%
80%
90%
どちらかといえば易しい
0.4
100%
易しすぎる
図 2−10 授業内容の難易度に関する回答の分布
Q7(5) 担当教官の対応は
33.5
0%
20%
55.7
40%
60%
9.6
80%
非常に熱意が感じられた
かなり熱意が感じられた
あまり熱意が感じられなかった
ほとんど熱意が感じられなかった
15
1.3
100%
図 2−11 担当教官の対応に関する回答の分布
(5)担当教官の対応はどうでしたか
結果は、図 2−11 に示される。学生の 90%が教官の熱意を感じたようである。教官
はかなり、熱心に対応しているようである。約 1 割の学生が「あまり」あるいは「ほ
とんど」熱意が感じられなかったと答えているが、彼らの大多数も授業内容には満足
している。入学以前に想像していた大学教官の堅いイメージとのギャップもその理由
であろうか。
Q8
少人数制の授業形式についてうかがいます
(1)少人数セミナーを受講する前、少人数形式の授業によって、講義のような大
人数形式の授業よりも多くのものが得られることをあなたは期待していましたか
結果は、図 2−12 に示される。
「とても期待していた」が約半数、
「少しは期待して
いた」43.7%とあわせると期待していた学生は 93%にものぼる。
(2)では、実際に少人数セミナーを受講してみて、少人数形式の授業でしか得ら
れないものがあると実感できましたか
結果は、図 2−13 に示される。
「とても実感できた」が約半数、
「少しは実感できた」
37.7%とあわせると実感できた学生は 90%近くとなる。
Q8 (2) で「実感が得られなかった」と答えた学生のうち、Q8 (1) で「期待してい
なかった」と答えた学生は 3 名だけであり、ほとんどの学生は期待していたほどでは
なかったと感じているようである。逆に、Q8 (1) で期待していなかったと答えた学生
のほとんどは、Q8 (2) で「実感が得られた」と感じており、期待以上であったという
意見である。
Q8(1) 少人数セミナーを受講する前の期待
49.4
0%
10%
20%
43.7
30%
40%
50%
とても期待していた
あまり期待していなかった
16
60%
70%
6.1
80%
少しは期待していた
まったく期待していなかった
90%
0.9
100%
図 2−12 少人数セミナーを受講する前の期待度の分布
Q8(2) 実際に少人数セミナーを受講しての実感
51.5
0%
10%
20%
37.7
30%
40%
50%
とても実感できた
あまり実感できなかった
60%
8.2
70%
80%
90%
2.6
100%
少しは実感できた
まったく実感できなかった
図 2−13 実際に少人数セミナーを受講してみての実感度の分布
Q8(3) 少人数形式の授業のよかった点
63.1%
教官の人間性に触れることができた
51.0%
48.1%
同じ授業を受けた学生と親しくなりやすかった
発言の機会を多く得られた
作業や現地研修などを通して得られるものが大きかった
36.4%
個別的に親切な指導が受けられた
34.5%
5.3%
その他
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
図 2−14 少人数形式の授業のよかった点(複数回答可)
(3)前問(2)で1または2を選んだ方にうかがいます
少人数形式の授業のどのような点がよかったと思いますか(複数回答可)
結果は、図 2−14 に示される。少人数教育のよかった点として、教官の人間性や学
生同士のふれあい、発言の機会などのほか、作業・実地研修などに意義を感じている。
「その他」としては、専門分野の内容や研究姿勢を学べたこと、主体的に学習できた
こと、プレゼンテーションの経験を得られたこと、などを挙げている。
Q9
少人数セミナーの実施方法についてのご意見をうかがいます
(1)今年度の少人数セミナーは前期のみの開講となっていますが、この開講時期
についてはどう思いますか
結果は、図 2−15 に示される。現行の「前期のみがよい」とする学生は、15.6%と
むしろ少数派であった。
「前期と後期の中から選択できる方がよい」としている学生は
40.6%あった。その理由として、
「前期だけでは希望科目が他の講義科目(特にクラス
指定科目や必修科目)と重複する」、「前期は講義科目や実験が多く多忙」、「入学直後
で選択科目をじっくり考える余裕がない」などを挙げている。「特に希望はない」も
17
24.1%と 2 番目に多かった。
Q9(1) 少人数セミナーの開講時期
1.3
15.6
0%
10%
40.6
20%
30%
40%
24.1
50%
現行どおり、前期のみがよい
前期と後期の中から選択できる方がよい
その他
60%
18.3
70%
80%
90%
100%
後期のみの方がよい
特に希望はない
図 2−15 少人数セミナーの開講時期についての意見分布
Q9(2) 少人数教育を充実させるために
25.5%
授業内容をもっと親しみの持てるものにする
16.8%
教室・設備等をもっと整備する
14.8%
ビデオなどの視聴覚教材を充実させる
18.9%
その他
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
図 2−16 少人数セミナーを充実させるための意見分布(複数回答可)
「その他」
(18.3%)の回答の大多数は、通年を希望するものである。また、2 回生
(以上)でも受講したいと答えた学生もいる。
(2)今後、少人数セミナーをさらに充実させるためには、どのようにすればよい
と思いますか(複数回答可)
結果は、図 2−16 に示される。選択肢には教育方法についての項目をあげておいた
が、選択率の最も高い「授業内容をもっと親しみの持てるものにする」でも 25.5%に
過ぎなかった。
「その他」の具体的な内容は千差万別であるが、受講機会を増やしてほ
しいという希望が目立った。
Q10
大学生活に関するA∼Fの各項目について、あなたはそれぞれどの程度重視
していますか
結果は、図 2−17 に示される。
「重視している」だけを見ると、
「専門の学問分野の
勉強」が 72.2%で最も高い。「幅広い知識・教養を身につけること」と「友人とのつ
きあい」は約半数の学生に選択されている。
「サークルの活動」と「趣味に打ち込むこ
18
と」は 3 分の 1 強である。「各種技能・資格の取得」はあまり高くはない。
Q10 大学生活に関して重視していること
72.2
専門の学問分野の勉強
23.1
1.3
3.4
47.9
幅広い知識・教養を身につけること
部・サークルの活動
36.8
趣味に打ち込むこと
38.5
13.2
20%
やや重視している
20.9
9.0
17.9
41.5
60%
あまり重視していない
3.0
11.5 0.0
33.3
40%
0.4
13.2
40.6
37.6
0%
重視している
33.3
47.0
友人とのつきあい
各種技能・資格の取得
38.5
15.8
80%
100%
重視していない
図 2−17 大学生活に関して重視していること
Q10 最重視事項
45.1%
専門の学問分野の勉強
21.7%
幅広い知識・教養を身につけること
友人とのつきあい
12.4%
部・サークルの活動
11.1%
7.5%
趣味に打ち込むこと
2.2%
各種技能・資格の取得
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
45%
50%
図 2−18 大学生活に関する最重視事項(択一)
Q10
その中であなたが最も重視していることは何ですか。上のA∼Fの記号で1
つだけお答えください
結果は、図 2−18 に示される。ここでも「専門の学問分野の勉強」が 45.1%で最も
高い。次いで、
「幅広い知識・教養を身につけること」が 21.7%となっている。たて
まえとしては、アカデミックな志向を持つ学生が 3 分の 2 に及んでいる。
「友人との
19
つきあい」、「サークルの活動」、「趣味に打ち込むこと」は合計で 30%強である。
2.クロス集計の結果
項目間のクロス集計は何通りも可能であるが、ここでは Q10 の大学生活における最
重視事項と、Q7 (1)の少人数セミナーの満足度ならびに Q7 (2)受講姿勢の 2 つについ
てのクロス集計を見る。
Q10 と Q7(1)のクロス集計結果
結果は、図 2−19 に示される。少人数セミナーに対して最も満足度の高かったのは、
意外なことに「各種技能・資格の取得」を最重要視するグループであった。このグル
ープはもともと人数は少ないが、大学教育に意義を見出すとするならば少人数教育し
かないと考えているのかもしれない。他の 5 グループの間に大差はないが、「趣味に
打ち込むこと」を最重要視するグループも少人数セミナーに対する満足度は高い。
Q10 と Q7(2)のクロス集計結果
結果は、図 2−20 に示される。ここでも最も熱心度の高かったのは、「各種技能・
資格の取得」を最重要視するグループであった。次いで、
「専門の学問分野の勉強」お
よび「趣味に打ち込むこと」を最重要視するグループの熱心度が高い。
Q10とQ7(1)のクロス集計結果
幅広い知識・教養を身につけること
47.1%
友人とのつきあい
46.4%
20%
2.0%
16.7%
0.0%
0.0%
0.0%
39.3%
40%
14.3%
20.0%
どちらかといえば満足
20
60%
どちらかといえば不満
2.0%
12.2%
52.9%
80.0%
各種技能・資格の修得 満足
29.2%
54.2%
趣味に打ち込むこと
0%
38.8%
46.9%
部・サークルの活動
7.0%
33.0%
58.0%
専門の学問分野の勉強
80%
不満
0.0%
0.0%
0.0%
100%
図 2−19 大学生活に関する最重視事項と少人数セミナ一への満足度
Q10とQ7(2)のクロス集計結果
32.0%
専門の学問分野の勉強
幅広い知識・教養を身につけること
20.4%
部・サークルの活動
20.8%
各種技能・資格の修得 熱心
12.5%
52.9%
8.3%
11.8% 0.0%
53.6%
20.0%
17.9%
どちらかといえば熱心
40%
60%
3.6%
0.0%
80.0%
20%
2.0%
2.0%
16.3%
58.3%
25.0%
0%
12.0%
61.2%
35.3%
趣味に打ち込むこと
友人とのつきあい
54.0%
0.0%
80%
どちらかといえば不熱心
100%
不熱心
図 2−20 大学生活に関する最重視事項と少人数セミナ一の熱心度
3.自由記述のまとめ
Q11
少人数セミナーについて、何かご意見やご希望があれば自由に記入してくだ
さい
以下に、Q11 に対する自由記述の意見をすべて記す。
便宜的に内容を①肯定的意見、
②拡充を求める意見、③改善を求める意見の 3 つに分け、内容の近いものを集めるよ
うにした。一人の回答者が複数の意見を書いている場合は、中心的意見と思われるも
のによって分類した。なお、下記以外に「特になし」という意見が 2 通あった。
①肯定的意見:
・ポケゼミの企画はすばらしい。
・とってよかったと思っています。
・とにかくおもしろかった。
・楽しかったです。
21
・楽しかったです。ぜひ続けて下さい。
・ポケゼミはとても楽しかった。これからも続けていくとよいと思う。
・非常に良い経験ができた。
・普段の授業よりも得られるものが多く、参加して良かったと思います
・ゼミの予行練習のような感じでよろしいと思います。
・少人数セミナーでの経験は今後生かされてくると思うので、これからも行ってほしい。
・とりあえず自分の受講した講義の内容には満足でした。
・京都大学のこの試みはすてきだと思う。応援したい。わたしが卒業する頃にも存続し
て、後輩たちがポケゼミを受けていてくれればうれしい。
・1 回生の頃からゼミに参加できるのはとても有意義なことだと思う。専門の知識も
教養もまだ足りなくて、議論も中途半端に終わることがあったが、逆にそのことが、今
後の勉強に大きな方向を示してくれたと思う。
・1 回生の最初にこのようなことができるのは、大学生活の START によい刺激となっ
た。また、最先端の内容にふれられたのもよかった。病院内の見学ができたり、VIDEO
etc とても楽しかった。
・一般教養科目にあるゼミも、ポケゼミのように丁寧な易しい内容のものがあれば(た
とえ 1 単位でも)興味の幅を広げたりするのに受講を検討します。
・とても良いと思います。5 人以下でやるのがいいと思います。それ以上では意味が
あるのか…。
・専門的な内容をたいへん易しく教えて頂くことができました。またそれについて自
分や受講者の人たちの意見を発表し合うことができたので有意義だったと思います。
・教官と直接話が出来たり、気になったことをその場で質問できたりと、とても意義の
ある面白い取り組みだった。私の場合は専門分野に沿っていたけれど、全く違う分野の
理解を深めることもできると思うので、このような取り組みは今後も続けていっても
らいたいです。
・ポケットゼミは普通の講義とは違うので、新鮮な気持ちで授業を受けることができま
した。これからも続けていってほしいです。
・自分の受けたポケゼミは、毎回パワーポイントを用いて個人個人の与えられたテーマ
を講義(プレゼン)するというもので、その準備(参考図書を探してまとめてパワーポ
イントでプレゼンを作成するなど)が大変であったが、その内容も専門に関する事項で
興味があったのでとてもやりがいがあった。
・自分の受けたセミナーはどう考えても少人数じゃなかったので、普通の講義みたい
だったけど、とても面白かった。他分野に触れる重要な機会として、これからも続け
てほしいと思う。
・Q9 の(1)(2)の通りです〔注:Q9 の(1)は「前期も後期もこういった機会が増えれば
良いと思う。」;Q9 の(2)は「先述の通り後期にも開講できるようにする。また 2 回生
22
とかでも受講できるようにしていいと思う。(一応 1 回生優先で、空きのあるゼミな
ど)」〕。個人的には自分の専門以外の教科でも、その分野に触れることができる機会
として有意義だったと思います。
・以上のような希望がありますが、全体的には、講義では経験できない貴重な体験がで
きて勉強になりました。今後もポケゼミを行っていってほしいです。
②拡充を求める意見:
・京大の 1 つの特色として、より一層の発展、拡充を期待する。
・もっと増やせ!
・ポケゼミの絶対数をふやしてほしい。
・授業の種類を増やしてほしい。制限を減らしてほしい。
・もっと多くの教官が積極的に名乗り上げてもよいのではないか、と。[原文ママ]
・より幅広い分野から複数個選択して受講(1 回生前期だけじゃなくて)できるよう
にしてほしいです。
・人気のある授業はもう少し募集人員を増やすべきだと思う。
・ポケゼミは中々良い制度だと思います。今後は開設授業をもっと増やして、さらに
充実させていって下さい。
・とても興味のあるものばかりで、選択にとても迷った。これからももっと充実させて
いって下さい。
・前期のみでなく後期も開講して抽選で落ちる人をいなくして欲しい。[原文ママ]
・通年制は是非とも導入してほしいところです。
・常時開講してほしい。
・後期も設置して、前後期から希望すれば 1 つずつ取れるようになるといいと思う。
もう 1 つくらい受講してみたかった。
・文系・理系の枠にとらわれる事なく、セミナーを受講できるように、もっと、単位認定
の規制をゆるくして、前期・後期に開講することで、受講機会を増やして欲しい。
・前・後期で別の授業を取れるといいと思います。
・かなり良い授業だと思う。選択によって価値が広がるし楽しい。前期だけでなく、後
期もあると嬉しかった…。
・ポケットゼミは種類が多く、魅力的な内容のものも多い。しかし、開講時期が 1 回生
の前期だけであるため、ゼミという形式や各教官についてほとんど知らないうちに履
修する授業を決めなくてはならず、このことが残念だ。できれば後期にもポケゼミを選
択できるようにしてほしいと思う。
・前期・後期・通年など様々なパターンがあってもよいと思う。友人の話を聞いたりし
てみると、科目によっての内容(テストがあったり、など)の格差がありすぎのように
感じた。
23
・大学に来て、講義室の広さに圧倒された。一人の教官がたくさんの生徒を相手にする
講義スタイルでは、やはりきめこまかく学生を指導することや、学生が教官に近づくこ
とはむずかしい。その点ポケットゼミでは、教官と学生の距離が近く、また小回りがき
くため、「濃い」学習がしやすい環境にあるといえるし、堅苦しくなくさまざまなテー
マを扱うことができる。講義はやはりどうしても、オーソドックスなものを(学生数が
多く、さまざまな興味をもつ学生に対応するという意味で)提供しなくてはならず、
わかりやすい面白みに欠ける。今の学生は「わかりやすい面白み」を求めている。(絵
本を扱った授業に学生が殺到したり)そこに迎合するのは京都大学の学風にそぐわな
いかもしれないが、ぱっと見つまらなさそう、自分には合わないのではないかという理
由で、学問分野への扉がとざされることがあるならば、非常に悔やまれる。そのような
扉の鍵の役目をポケットゼミにははたしてほしい。ポケットゼミが現在、少し冒険して
いるのは、とてもよいことだと思う。同時に、できるだけ多くの学生に受講してほしい
から前後期開講を希望する。
・集中講義を増やしてほしい。
・開講時期を後期にも広げたり、セミナー数を増やすことで、1 人が複数個受講できる
ようにして欲しい。
・少人数セミナーを複数受けられればいいのにな、と思いました。
・一人 2 個ぐらい取れるようにして欲しい。
・前期のみの開講にしても、1 つだけではなく複数受講も場合によっては可能にすべき。
・二回生以上の人でも受講できるようにしてほしい。
・2 年の前期でもやりたいです!ポケゼミを。
・これからも受講の機会を与えてほしい。
・これからも是非続けてほしい。できれば 1 回生だけでなく他学年でも受講したい。
・どの学年でも好きなだけ取れるようにしてほしい。
・極論から言うと単位は 2 単位でいいので、通年で受講を認めてほしい。それくらい
私が受けた少人数セミナーはよかった。
・1 回生の前期に 1 コマしか取れないというのが不満。受講者数の制限は 20 人程度で
よいから、回生に関係なく複数選択できるようにセミナーの数、開講期間を拡充して
ほしい。
・やはり、前期・後期共に開講してほしい。通年かどうかは問わないけれど、半期では
物足りない気がする。このようなセミナーがあることは大変いいことだと思う。
・受講したセミナーは教材も充実していて、興味のない分野が少しあったものの、満足
のいくものだったので、そのような機会が増えることを強く希望します。
・語学のクラス指定の時間と重なっては取りようがない。後期は開講時間を変えると
か。一般教養の教官は総じて熱意が感じられないことが多いし、学生も受け身になりが
ち。しかし、ポケゼミは学生の関心で選択していて一般教養よりも意義がある。こうい
24
う機会をもっと大学側は増すべきでは。
・京大の教官だけでなく、外部の方や大学内の学生団体が企画の主体となって開講する
という形式のものもやってみたい。それを正式なポケゼミとして単位認定できないも
のか。
・今後の進路を決める上で、何かヒントになることを教えてくれるものならば、少人数
セミナーは良いものだと思う。もっとそういった意味で充実したものにすべきではな
いだろうか。
・会社に直接、関連の深いことをやっても良いと思う。
③改善を求める意見:
・少人数とはいっても、1∼3 人しか受講者がいないのではもったいない。
・リレーの授業はやめるべき。
・ポケゼミは抽選ではなくて、その担当教官が希望理由等のレポートなどで判断するべ
きだと思う。受けたい人が受けられなくて、一度も来ない人が登録できるのはおかしい
と思う。
・教官が趣味に走ってはならないと思う。
・レジュメ通りに授業をしてください!!
・履修案内で授業内容を具体的に説明し、その内容を実際に取り扱ってほしいです。履
修案内に記載されているのに実際の授業では取り扱わないというのには不満を覚えま
す。
・教官数の問題があるが、せめて 1・2 回前・後期は受けられるようにし、複数個受け
させることも可能にし、(抽選は、以前受けなかった者を優先させればよい)、単位も
それなりに与えるべきである。法学部も、必要な単位数として認めるべきである。
・法学部生にも卒業単位として認定してほしいです。現在、卒業単位として認定され
ていないのは法学部だけですが、その理由がわかりません。
・法学部生にも単位認定してほしい。(なぜ法学部だけ認定されないのか、その理由が
わからない)
・あとは法学部でも単位認定されることを祈る。
・建築 [註:工学部建築学科] でも単位に入れてほしい。
・集中講義だったのですが、ゼミの予定がなかなか発表されず、夏休みの予定を立て
づらかったので、7 月あたまには発表してほしいと思います。
・シラバスだけでは分かりにくいので、登録前に教授に会える機会(ガイダンス等)を
与えて欲しい。登録の仕方もややこしかったし、少人数セミナーについてあまり詳しい
説明がなされていなかったと思う。一回生前期なんて右も左も分からないのだから、
もっと登録法など丁寧に教えて欲しい。
・少人数であるからこそ学びやすい分野・学習方法などに工夫をしてほしいと感じま
25
した。
・集中講義はテスト期間外にしてほしかった。内容は充実していたので満足している。
・あと、増加単位としてではなく正式な(B 群の)単位として認定してほしかった。
・最初のシラバスで、昨年何をゼミで行ったかも記述してほしい。
・クラス指定と、とりたいポケゼミが重なったときはクラス指定科目を他クラスの時間
に受講できるようにしてほしい。
・セミナーを行う場所は、場所名だけではわからない
・場所が宇治だとわかった時はギャフン!!となりました。
・化学研=宇治とはじめに言ってほしかった。
26
第3章
非受講学生調査の結果
1.設問別の結果
平成 15 年度少人数セミナー非受講学生(1 回生)の調査は、7 つの設問からなって
いる。回答者数は、205 人である。以下、設問ごとに結果を見ていく。原則として設
問ごとに集計結果をグラフで表示し、小数点以下 1 桁まで(2 桁目を四捨五入)の百
分率を添えた。百分率の数字はいずれも有効回答数中のものであり、無答などを除い
ている。
Ql
あなたの性別を答えてください
図 3−1 に示されるように、男 69.4%、女 28.6%であった。1 回生の男女比はほぼ
4:1 であるから、やや女性の比率が高い。
Q2
あなたの所属学部を答えてください
図 3−2 より学部別の比率を見ると、非受講学生に占める文科系(文・教・法・経)
の学生の比率が 1 回生全体(表 1−2)より 10%程度高くなっている。これは理科系
の学生に比して文科系の学生一般がポケット・ゼミに関心が薄かったというよりも、
本調査の回答者の偏りの問題である可能性がある。
Q1 あなたの性別を答えてください
不明
1.9%
女
28.6%
男
69.4%
図 3−1
回答者の性別分布
27
Q2 あなたの所属学部を答えてください
総合人間
(文科系)
3.4%
農
13.1%
総合人間
(理科系) 文
6.3%
1.0%
教育
3.9%
法
19.4%
経済
8.7%
工
35.0%
理
医
6.8%
薬
1.5%1.0%
図 3−2
Q3
回答者の学部別分布
大学生活に関するA∼Fの各項目について、あなたはそれぞれどの程度重視
していますか
結果は、図 3−3 に示される。大学生活のなかで何を重視しているかに関して、
「専
門の学問分野の勉強」を重視する者が約 7 割を占めている。しかし、これがポケット・
ゼミを受講しなかった理由と考えるのは早計で、同じ質問に対する受講学生の回答(図
2−17)もほぼ同じ比率(72.2%)を示している。
非受講学生は受講学生と比べると、
「幅広い知識・教養を身につけること」を重視す
る率が低かった(非受講学生 39.8%、受講学生 47.9%)。また、「友人とのつきあい」
についても、非受講学生の重視率が低かった(非受講学生 36.4%、受講学生 47.0%)。
Q3
その中であなたが最も重視していることは何ですか。上のA∼Fの記号で1
つだけお答えください
結果は、図 3−4 に示される。受講学生群(図 2−18)と比べたとき、下記のよう
に、択一法で選択された大学生活における最重視事項の事項別選択率において両群に
顕著な差はない。
A.専門の学問分野の勉強・・・・・・・・非受講学生 42.8%、受講学生 45.1%
28
Q3 大学生活における重視事項(複数回答可)
25.2
69.4
専門の学問分野の勉強
1.0
4.4
0%
重視している
20%
やや重視している
図 3−3
13.1
36.4
40%
60%
あまり重視していない
2.9
18.0
35.0
15.5
各種技能・資格の取得
5.3
18.0
42.7
36.4
友人とのつきあい
17.5
49.0
27.7
趣味に打ち込むこと
25.2
27.2
30.1
部・サークルの活動
3.4
12.1
44.7
39.8
幅広い知識・教養を身につけること
80%
100%
重視していない
大学生活における重視事項(複数回答可)
Q3 最重視事項
専門の学問分野の勉強
14.4%
部・サークルの活動
友人とのつきあい
9.5%
趣味に打ち込むこと
7.0%
各種技能・資格の取得
4.0%
0%
図 3−4
42.8%
22.4%
幅広い知識・教養を身につけること
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
45%
大学生活における最重視事項(択一)
B.幅広い知識・教養を身につけること・・非受講学生 22.4%、受講学生 21.7%
C.部・サークルの活動・・・・・・・・・非受講学生 14.4%、受講学生 12.4%
D.趣味に打ち込むこと・・・・・・・・・非受講学生
9.5%、受講学生 11.1%
E.友人とのつきあい・・・・・・・・・・非受講学生
7.0%、受講学生
7.5%
F.各種技能・資格の取得・・・・・・・・非受講学生
4.0%、受講学生
2.2%
29
Q4
少人数セミナーの受講に関して答えてください
結果は、図 3−5 に示される。
「受講を希望したが抽選にはずれた」と「受講を希望
しなかった」がほぼ半数ずつであった。
Q3 の枝問で選択された「大学生活における最重視事項」別に Q4 の少人数セミナー
の受講動向を調べたものが図 3−6 である。回答者のグループ別の受講動向の差はそ
れほど大きいとは言えないが、「各種技能・資格の取得」群が 57.1%と最も受講希望
率が高かった。ただし、この群自体は非受講学生の 4.0%という少数派であるという
ことも併せて考察すべきであろう。
Q4 少人数セミナーの受講
48.3
0%
10%
20%
51.7
30%
40%
50%
60%
受講を希望したが抽選にはずれた
図 3−5
70%
80%
90%
100%
受講を希望しなかった
少人数セミナーの受講動向
Q3 と Q4 のクロス集計
専門の学問分野の勉強
52.6%
47.4%
幅広い知識・教養を身につけること
48.9%
51.1%
部・サークルの活動
48.3%
51.7%
趣味に打ち込むこと
46.4%
53.6%
50.0%
50.0%
57.1%
42.9%
友人とのつきあい
各種技能・資格の取得
0%
20%
40%
受講を希望したが抽選にはずれた
図 3−6
60%
80%
受講を希望しなかった
大学生活の最重要視事項別に見た少人数セミナーの受講動向
30
100%
Q4 の設問で「受講を希望したが抽選にはずれた」を選択したものは Q5 に、
「受講
を希望しなかった」を選択したものは Q6 に進むように指示された。
Q5
少人数セミナーを受講できなかったことについてどう思いましたか(複数回
答可)
結果は、図 3−7 に示される。
「後期開講授業を設定してでも、希望者全員が受講で
きるようにすべきだ」と考える学生が回答者の 3 分の 2 強(67.6%)にのぼった。こ
の項目の選択率が「開講授業数を大幅に増やして、希望者全員が受講できるようにす
べきだ」
(41.2%)よりも多いのは大変不思議である。なぜなら、項目内容をそのまま
理解する限り、「後期開講授業を設定する」は、「開講授業数を大幅に増やす」の中に
包含されると考えてもおかしくないからである。結果がそうならなかったのは、
「開講
授業数を大幅に増やす」を「現状の前期開講の条件内で」という前提をつけて回答者
が解釈した可能性が大きい。そうであるとするならば、学生は後期開講を視野に入れ
た開講数の拡大を望んでいると言えよう。
「授業あたりの受講者数を増やしてでも、希望者全員が受講できるようにすべきだ」
(26.5%)
、「2 単位を 1 単位にしてでも、開講授業数を増やし希望者全員が受講でき
るようにすべきだ」(6.9%)の支持率は高くない。
Q5 少人数セミナーを受講できなかったことについて
後期開講授業を設定してでも、希望者全員が受講で
きるようにすべきだ
67.6%
開講授業数を大幅に増やして、希望者全員が受講で
きるようにすべきだ
41.2%
授業あたりの受講者数を増やしてでも、希望者全員
が受講できるようにすべきだ
26.5%
抽選にはずれたのは残念だが、開講授業数は現状で
十分と思った
20.6%
1回生必修として、全員が受講できる開講授業数を
準備すべきだ
8.8%
2単位を1単位にしてでも、開講授業数を増やし希
望者全員が受講できるようにすべきだ
6.9%
その他
11.8%
0%
図 3−7
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
少人数セミナーを受講できなかったことについての意見(複数回答可)
31
また、
「抽選にはずれたのは残念だが、開講授業数は現状で十分と思った」
(20.6%)
という現状肯定的意見、あるいは、
「1 回生必修として、全員が受講できる開講授業数
を準備すべきだ」(8.8%)という理想主義的意見も比較的少数派であった。
Q5 で「その他」を選択して自由記述に回答した 13 人の内容は以下の通りである。
・全員とは言わないが、もう少し開講数を増やして(後期開講も含む)当選率を上げる
べきだ。
・学部ごとに 1 人づつとか選ばれている感じがあるが、そうなると人数の多い工学部
は不利となるので改善してほしい。
・理系と文系に分けて抽選するだけなのに、1 つしか申し込めないようになっていた
のは納得できなかった。
・抽選の回数を増やしてほしい
・希望者全員とまではいかなくとも、もう少し受講できる人数、開講授業数を増やすべ
きだと思う。
・第 3 希望まで書いたのに落選したのが納得がいかない。
・前期取得単位数を考慮するなどして、やる気のある学生に受講させるべき。後期開講
がよいと思います。
・1 回生前期に限る必要性が感じられない。興味ある人なら何回生であってもその学問
分野に触れられる機会を増やしたら良いと思う。
・2 回生でも受講できればいい、と思う。
・2 回生でも、できるようにしてほすい
[原文ママ]。
・法学部は単位にならないので、できないならできないで良いと思った。
・もちろん、ポケゼミの特徴である少人数であることは忘れられてはいけない。
・存在をあまり知らなかった。
Q6
少人数セミナーの受講を希望しなかった理由を答えてください(複数回答可)
Q4 の設問で少人数セミナーの「受講を希望しなかった」を選択したものが、受講
を希望しなかった理由について回答した結果が図 3−8 に示される。
受講を希望しなかった者も、その多くは「履修に都合がよい曜日・時限に受講した
い科目がなかったから」
(44.3%)であり、あるいは「受講したい科目があったが、語
学や専門基礎科目等の授業が入っていたから」
(26.4%)や、「専門科目と全学共通科
目の授業ですでに過密なスケジュールだったから」
(23.6%)などやむをえない理由を
あげている。他方、「履修案内に書かれている内容を見て関心が持てなかったから」
(13.2%)や「少人数セミナーに特別な意義は感じなかったから」(9.4%)といった
積極的な理由による非受講者は少数にとどまっている。
「希望したとしても抽選にあた
りそうもないと思ったから」の選択率は 12.3%である。
32
Q6 少人数セミナーの受講を希望しなかった理由
履修に都合がよい曜日・時限に受講したい科目がな
かったから
44.3%
受講したい科目があったが、語学や専門基礎科目等
の授業が入っていたから 26.4%
専門科目と全学共通科目の授業ですでに過密なスケ
ジュールだったから
23.6%
履修案内に書かれている内容を見て関心が持てな
かったから
13.2%
希望したとしても抽選にあたりそうもないと思った
から
12.3%
9.4%
少人数セミナーに特別な意義は感じなかったから
39.6%
その他
0%
図 3−8
5%
10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50%
少人数セミナーの受講を希望しなかった理由
Q6 で「その他」を選択して自由記述に回答したのは 44 人であった。そのうち 35
人は、所属学部・学科において「少人数セミナーは卒業単位として認定されておらず、
増加単位にしかならないから」、あるいは、「理系学部においてB群科目の少人数セミ
ナーは単位として認定されないから」という理由をあげている。単位認定の問題が受
講動機に大きく影響していることが示された。
これ以外の 9 人の自由記述の内容は、以下の通りである。
・自分は入学時は興味が明確に決まっていたわけではなかったので、入学してすぐゼミ
形式の授業に入ってゆくのは抵抗があった。半年間大学ですごしてみて、ようやく興
味のもてるものが見つかってきたという状況なので、1 年前期でなく後期に開講して
ほしいと思った。
・受けていれば良かったと強く思います。あまりきちんとはシラバスにも目を通して
いないのですが、おもしろそうだと思うものはたくさんありました。専門に分かれた時
が初ゼミになると思うので、変な緊張をしてしまいます。
・抽選には受かったが、受講者が 1 人だったので、同じ時間の他の授業の方が受けたか
ったから。
33
・少人数制の授業が好きではないから。
・少人数だとちょっと行きづらい。
・事前に登録するのがイヤだったから。
・しなかったというより、登録を忘れた。
・申し込み忘れ。
・知らなかった。
2.自由記述のまとめ
Q7
少人数セミナーについて、何かご意見やご希望があれば自由に記入してくだ
さい
以下に、Q7 に対する自由記述の意見をすべて記す。便宜的に内容を①制度そのも
のへの肯定的意見、②受講機会が得られなかったので拡充・改善を求める意見の 2 つ
に分け、内容の近いものを集めるようにした。一人の回答者が複数の意見を書いてい
る場合は、中心的意見と思われるものによって分類した。まったく同一内容と思われ
る意見が多数あったが、一人一人の意見を尊重するため、すべてそのまま掲載した。
なお、下記以外に「特になし」という意見が 1 通あった。
①制度そのものへの肯定的意見:
・このままポケゼミを続けてください。期待してます。
・直接教官と話せる機会を作ったという点で、ポケゼミは良かったと思います。
・私は残念ながら抽選にはずれてしまいましたが、受講した友人に聞くと非常におも
しろかったそうなので、これからもぜひ続けて下さい。
・ポケゼミは、ひとつの教室に多くの生徒が出席するような講義とは異なり、教官と生
徒との距離という意味で非常に面白い企画である。もちろん、この意見は、ポケゼミに
出たことのない生徒(私)のものであり、実態は分からない。少人数にしたところで
普通の講義とは変わらない、いわば生徒が受容的になりがちな授業でしかないのかも
しれない。しかし、希望していたのに抽選で外される生徒がいるのも事実である。ポケ
ゼミという制度の導入がまだ新しいもので、実験段階的なところなのかもしれない。で
も、これからは、開講科目数を増やしていくべきであると思うし、そうされることを願
う。
・取らなかったのを後悔してます。
②受講機会が得られなかったので拡充・改善を求める意見:
・とにかく抽選にもれてしまったのが悔しくて仕方がない。「どうして後期には開講
されないのか」、「どうして 2 回生では受講できないのか」等の不満は尽きない。内
34
容が非常に興味深いものが多く、受講者から「あの講義は面白い!」という声を聞く度
に残念でならない。できることなら 2 回生でも受講できるよう改変してもらいたい。
興味深い講義が多いだけに、後期開講を視野に入れて、受講希望者に配慮を示すべきだ。
[原文ママ]
・抽選もれというのは非常に残念なので、こういったことはできるだけないようにして
もらいたい。
・抽選にはずれてとても残念だった。
・抽選ではずれるのは本当に残念でした。受講したかったです。
・履修したかった。第 3 まで希望を書いたのに全部外れた。口惜しい。
・履修したかった。
・できれば、もっと受講科目の選択肢を増やしてほしいです。「少人数セミナー」には
興味があったし、受けたかったけれど、興味のある分野の授業が無かったので、受けら
れませんでした。
・定員が少なすぎる。
・人気のゼミは週 2 回に増やすなどしてニーズに答えていただければありがたいです。
・専門分野以外の教授から直接、ごく近い距離で勉強を教えてもらう機会はめったにな
い。希望者がたくさんいることがわかっているのにどうして 1 回生の前期にだけしか
開講しないのか。後期や 2 回生向けにも開講してほしい。
・1 回生前期だけ、というのはチャンスとして少なすぎます。
・1 回生の前期に開講されていたので、右も左も分からない状態で全学の登録で精一杯
だった。ポケゼミの比較・検討する余裕がなかった。ポケゼミを後期にも開いてほし
い。
・ゼミは全学共通科目でも数は多くないので抽選にはずれたのはとても残念だった。
前期しかないし、履修案内をもらってから申込みまでの時間的余裕があまりないと思
う。後期も開講してほしかった。
・後期にも開設したら良い。
・後期もしてほしかった。
・後期にないのは不満でした。一般教養の授業にはないようなことをしてほしい。
・後期もやってほしかった。
・ぜひ後期にも開講してほしいと思う。
・なぜ 1 回生のみ、しかも前期のみなのか、理解できない。
・1 回生の、しかも前期だけしか開設されていないのが残念です。興味のあるセミナー
がいくつかあったので、2 回生でも、かつ後期でも受講できるようにしてほしいです。
・2 回生の前期にもポケゼミがあればうれしいです。
・工学部は 1 年でも授業が多くて、取りたいセミナーが取れないことが多いです。でき
れば 2 年でも開講してほしいです。
35
・二回生以上でも受けられるようにして下さい。霊長類研究所に行く機会を多く、また
研修旅行を多くして下さい。
・犬山 [註:霊長類研究所] に行きたかったです!!
・1 つのセミナーについての人数をもう少しふやしてもよかったと思う。
・今思えば増加単位でも興味があればやっておけばよかった気もするのですが、やはり
単位になる方がやる気が起きやすいので認められればいいのにと思いました。
・単位に入るなら受けたかった。他の一般教養の単位を取ることを優先したので、取ら
なかっただけだから。
・単位認定して下さい。
・ポケゼミはおもしろそうで、受けようかとも思ったが、単位にならないし、他にも興
味ある一般教養科目があったので、そっちをとった。
・学部・学科によって卒業単位に認定されない場合があるのは何故なのか理解できま
せん。
・どの学部でも単位認定されるようにするべきだと思う。
・意見でも希望でもないんですが…。学部によっては少人数セミナーでは単位がもら
えない(卒業単位として認められない)と聞きました。(たとえば法学部)なぜなんだ
ろう…と不思議に思いました。
・法学部が単位認定されないことを疑問に思う。
・法学部の単位に認めてほしい。
・法学部も単位を認定してほしい。
・法学部も単位を認定してほしい。
・法学部について、単位を認めてほしい。
・法学部でも卒業に必要な単位として認めて欲しいです。
・法学部もポケゼミを卒業単位に認定するようにしてほしいと思います。
・法学部もポケゼミを単位として認定して欲しいです。
・法学部では少人数セミナー等の一般教養が軽視されている気がしなくもない。
・法学部でも単位認定してほしい。あとはもう少し数を増やして選びやすくしてほし
い。
・法学部でも単位認定してほしい(ほしかった)。前期開始後すぐに決めるのは難し
いのでは。
・法学系のゼミもあるのに法学部が単位を認定しないのは理不尽千万。範囲を限ってで
も認めるべきだ。学部間の格差が甚だ開き過ぎているというものだ。おそらく同様の要
望を記入している方も多いことだろう。この大勢を真摯に受け止めて頂きたい。もし要
望先がこちらではなかったら申し訳ない。
・法学部で単位にならなくとも、受講しようと思っていた。しかし、曜・時限の変更が
2 度もあり、非常に混乱し、また、変更先の曜・時限に専門科目が入っていたため、受講
36
できなかった。私の希望したもの以外でも変更が数多く掲示されていた。冊子をつく
る時点で予定を決められないのならば曜時限を「未定」にすべきだと思う。
・なぜ、法学部は少人数セミナーの単位が、卒業に必要な単位として認められないのか
が、よくわかりません。ゼミとして、他の授業よりも多くの負担を課すものが多いのな
ら、単位は出すべきではないでしょうか。単位を出さない、というのなら、少人数セミナ
ー自体の意義がない、ということなのだと思ってしまいます。他の多くの学部では単位
認定されているのに、なぜ法学部はだめなのか、理由を明らかにしてほしいです。
・法学部では単位認定されないという安易な考えで少人数セミナーを受講しなかった
けれど、興味深そうなものもあったので、受講すればよかったかな、という気もします。
履修案内が読みやすくて、ゼミの内容をつかむのには役立つと思います。ぜひ法学部で
も単位認定できるようにしてもらいたいですが、この要望は法学部に対して言うべき
なんでしょうが…。
・法学部でも単位認定していただきたい。どうしても認定できないのであれば、その理
由を法学部は説明すべきです。
・法学部においても単位認定すべきである。1 回生前期のみという限定はよくない。
・法学部でも卒業に必要な単位として認定してほしい。2 回生以上でも受講できるよ
うにして欲しい。
・法学部も単位認定してあげればいいと思った。
・工学部でも卒業単位としてほしい。
・工学部で、A 群以外の少人数セミナーも単位認定してほしい。
・工学部は B 群のポケゼミが単位認定されないが、1単位でいいから単位認定してほ
しい。
・工学部においてポケゼミ B 群も単位認定してもらえるようにしてほしい。
・学科によって、単位認定されない(B 群)のをやめるべき
・1 回生前期だけでなく後期にも行って欲しい。工学部では卒業単位に認められない
場合が多いので、A 群、B 群などの群に分けないで欲しい。
・事前登録制はやめてほしかった。
・特定の学部生のみを対象としている場合は最初からそのように書いておいてほしか
ったです。
・募集が全学部と書いてあったから、理系の科目に応募したのに、選ばれた学生は皆理
系の人達だった。偶然ならいいが、選ばれた学生は理系の中でもその科目の分野に近い
学部の人達ばかりだったので多少不満を感じた。
・私は経済学部の学生ですが、地理学にとても関心があったので、ポケットゼミには文
学部優先の地理学の授業を希望したいと思いました。でも、優先がついているゼミに登
録すると、第二志望以下のゼミが登録できないということを知って、そのゼミを第一志
望にしようかやめようか迷いました。でも、どうしてもそのゼミが取りたかったので第
37
一志望として登録したのですが、文学部の方だけで締め切られてしまいました。優先が
ついているゼミに優先対象外の学生が登録しても、第二志望以下が登録できないのは
おかしいと思います。どういう理由で、第二志望が登録できないのかはっきり説明して
ほしかったです。そのあたりをぜひ来年から改善して下さい。
・受講を申し込んだが、開講されるかしないか分からなかった。それで結局取らなかっ
た。
・抽選方法を、抽選以外にも、レポート提出や小論文にしてみてはどうでしょうか?
やる気のある学生が受けられるようになると思います。
・セミナー受付の締め切りが早いので、もう少しゆったりと選ぶ時間があった方がうれ
しかった。
・担任の先生は責任を持ってまじめに受講生の成績を評価すべきだと思う。
・1 回生のみを対象にするのではない方が受講生の意見等が偏らないと思う。
・なんかもっとおもろげやったらやるかもしれへん。
38
第4章
担当教官調査の結果
1.設問別の結果
平成 15 年度少人数セミナー授業担当教官の調査は、15 年度に開講された少人数セ
ミナー(ポケット・ゼミ)133 科目の授業の担当者または筆頭担当者(複数教官担当
の場合でシラバスの最初に書かれている教官)を対象とするもので、91 人の教官から
回答があった(回収率 68.4%)。設問は全部で 13 問からなっている。以下、設問ご
とに結果を見ていく。原則として設問ごとに集計結果をグラフで表示し、小数点以下
1 桁まで(2 桁目を四捨五入)の百分率を添えた。百分率の数字はいずれも有効回答
数中のものであり、無答などを除いている。
Q1
先生が担当された少人数セミナーが属している群をお選びください
A群 25 人、B群 49 人、A・B群 8 人、B・D群 1 人、A・B・D群 1 人、不明 7
人であった。図 4−1 は、「不明」の回答者を除いて百分率であらわしたものである。
B群は理系科目であり、理系の部局の教官が回答者の 3 分の 2 強を占めている。
Q2
先生が担当された少人数セミナーの受講学生は何人ぐらいでしたか
図 4−2 に示されるように、「5 人未満」24.4%、「5∼10 人」65.6%、「11 人以
上」10%となった。すなわち、10 人程度の少人数で実施するという少人数セミナーの
主旨は 9 割の授業で行われている。また、受講学生が 11 人を超える場合も、たとえ
ばティーチング・アシスタントの活用などの方法によって、適切に授業を行うことは
可能であると考えられる。
Q1 担当少人数セミナーが属する群
1.2
29.8
1
0%
10%
58.3
20%
30%
A群
40%
B群
図 4−1
50%
A・B群
60%
B・D群
9.5
70%
A・B・D群
担当少人数セミナーの所属群
39
80%
90%
1.2
100%
Q2 担当少人数セミナーの受講学生数
24.4
1
0%
10%
65.6
20%
30%
40%
5人未満
図 4−2
50%
5∼10人
10.0
60%
70%
80%
90%
100%
11人以上
担当少人数セミナーの受講学生数
Q3 (1) 受講生の所属
45.6
1
0%
10%
20%
5.6
30%
文系と理系が混在
図 4−3
Q3
40%
50%
48.9
60%
文系にかたよっていた
70%
80%
90%
100%
理系に片寄っていた
受講学生の所属(文系・理系)の分布
受講学生の所属(文系・理系)についてうかがいます
(1)受講学生の所属分布はどうでしたか
図 4−3 に示されるように、「文系にかたよっていた」授業は少なく(5.6%)、ほ
ぼ半数の授業が「理系にかたよっていた」(48.9%)であり、「文系と理系が混在」
(45.6%)も半数近くであった。
(2)このことは授業を行う上で良かったですか。その理由もお書きください
この枝問に対する回答の分布が、表 4−1 に示される。「良かった」(53.8%)と
「どちらかといえば良かった」(30.8%)を併せると、85%ほどが現状肯定的であっ
た。「どちらかといえば悪かった」も 15.4%あったが、「悪かった」とした回答者は
皆無であった。
上記の設問において理由も書いた回答者が 45 人いた。その内容を Q3(1)と Q3 (2)
をクロスして作成した 10 種類のカテゴリー別に、以下に列挙する。
40
表 4−1
受講生の所属分布についての満足度
Q3 (2) の選択肢
回答者数
百 分 率
良かった
42
53.8
どちらかといえば良かった
24
30.8
どちらかといえば悪かった
12
15.4
悪かった
0
0
不
13
―
91 人
100%
明
計
①良かった(文系・理系混在)
・活発な討論があったから。
・考え方や発想に多様性があり有益であった。
・学問の枠組みを良い意味で打破し、新鮮さを打ち出すため。
・文系の学生は活発に発言して、議論が活性化する。
・総合大学としての多様な学生との交流は教官として大いに刺激になった。
・互いに教え合ったり、文系・理系のそれぞれの分野のよさ、面白さを互いに理解し
あういい機会となった。
・分野内容が文理融合的なものだから。
・ふだん接することのない理科系学生の発想が新鮮でした。
・“教える”ことを学びました。
・入門講座であるから文系・理系は問わない。
②どちらかといえば良かった(文系・理系混在)
・討論の質が高まる。
・理系の授業を担当した中で、今回の学問領域の歴史についての講義において文系学
生の知識が役立った。
・防災の話なので幅広い分野で認識されるべきなので良かった。
③良かった(文系中心)
・歴史など高校までに受けてきた科目に共通性がみられたこと。
④どちらかといえば良かった(文系中心)
・内容が理系には関心を持たれにくい。
⑤良かった(理系中心)
・学生の基礎的知識に大差がなかったので。
41
・興味の対象が共通しているところが多いので、より深い内容まで説明できる。
・基礎的な知識レベル(方向性)が一致していた。
・自然科学への興味が旺盛。
・DNA に対する基本的理解があった。
・内容からいって、文系の学生になじまない。
・但し、年度により文系が混じる場合があった。そのときむしろ活発になった。個人
の特性に依存すると考えられる。
⑥どちらかといえば良かった(理系中心)
・内容が理系的。
・物理化学的な話なので、踏み込んだ議論ができた。
・数学的な説明をする際に好都合であった。
・理解力に差が少なかった。
・基礎知識がある程度揃っていた。
・まとまりのある話ができたので。文系の学生がいたら、それでおもしろかったかも
しれませんが。
・所属は良悪にあまり関係なし。
⑦どちらかといえば悪かった(文系・理系混在)
・理系学生の一部にやる気のない者がいた。
・理系・文系が混在した経験がないので何とも言えない。
⑧どちらかといえば悪かった(文系中心)
・文系でも高校の数学をマスターしているのであれば、問題ない。
・理系の学生がもう少し多い方が面白かったと思う。
⑨どちらかといえば悪かった(理系中心)
・幅広い議論が出来ない。
・いろいろな立場から議論ができない。
・文系の学生でも十分理解できるテーマであったため。
・参加者の広い意見分布をもとに議論するゼミの主旨が全うされない。文系理系のバ
ランスをとるバイアスをかけた抽選の実施をのぞみます。
・文系理系の学生の違いを意識させることも重要。
・文系の学生にもっと参加してほしかった。
・受講生の意識が高いので結構なのだが、こういう機会を生かして文系の学生も最先
端のバイオサイエンスをかじってほしい。
42
表 4−2
少人数セミナーの担当回数
Q4 の回答
回答者数
百分率
累積パーセント
1回目
36
40.5
40.5
2回目
19
21.3
61.8
3回目
10
11.2
73.0
4回目
11
12.4
85.4
5回目
5
5.6
91.0
6回目
8
9.0
100.0
不 明
2
―
計
91 人
100%
―
―
⑩Q3 (2) 無記入(文系・理系混在)
・どちらでもなかった。
・別に良くも悪くもなかった。
・無関係。
・「どちらでもない」という選択肢もほしい。
Q4
少人数セミナーの担当は今年度で何回目ですか
この設問に対する回答の結果が表 4−2 に示される。平成 15 年度に少人数セミナー
を初めて担当した教官が約 4 割であった。少人数セミナーの授業は平成 10 年度にス
タートしているので、「6 回目」(9.0%)という回答は、これまで毎年欠かさず少人
数セミナーを担当してきたことを意味する。
Q5
授業はどのような形式で行われましたか(複数回答可)
項目別の回答率の結果は、図 4−4 に示される。「テーマを決めてディスカッショ
ンする形式」が最も多くて 49.5%、次いで「講義を中心とする形式」が 41.8%、「テ
キストを指定して学生が発表することを中心とする形式」が 33.0%、「実習に参加す
る形式」24.2%、「学外に見学に出かける形式」18.7%となった。学外見学の比率の
高いことが、この授業の大きな特徴と言えよう。
この Q5 は複数回答を許容するものであったので、行われたのが単独の授業形式か、
複数の授業形式の「混在」かという観点から回答を分析し直した結果が図 4−5 であ
る。この図から、複数の授業形式の混在率は 53.9%にのぼることがわかった。
「その他」の回答では内容も記入してもらったので、具体例を以下に挙げるが、そ
の内容はむしろ「混在」に近い。
・デモ,実験を取り入れた実習講義。
43
Q5 授業の形式の結果①
49.5%
テーマを決めてディスカッションする形式
41.8%
講義を中心とする形式
33.0%
テキストを指定して学生が発表することを中心とする形式
24.2%
実習に参加する形式
18.7%
学外に見学に出かける形式
5.5%
その他
0%
図 4−4
10%
20%
30%
40%
50%
60%
授業形式の項目別選択率
Q5 授業の形式の結果②
講義を中心とする形式
テキストを指定して学生が発
表することを中心とする形式
3.4
テーマを決めてディスカッショ
ンする形式
11.2
1
11.2
1.1
16.9
実習に参加する形式
53.9
学外に見学に出かける形式
1.1
その他
混在
0%
20%
40%
60%
図 4−5
80%
100%
授業の形式別分布
・前半は「2」[註:テキストを指定して学生が発表] で、後半は各自テーマを決めて
調査した結果を報告し、討論する形式。
・2 [註:テキストを指定して学生が発表] + lecture(2 回)。
・講義とフィールド実習。
・各個人に興味あるテーマを抽出させ、インターネットで調査。それに基づくディス
カッション等。
・1 [註:講義] +実験。
・講義と実習。
・シャンソンを歌ってフランス語の発音を習得。
44
Q6
どのような担当形態で授業を行われましたか(複数回答可)
項目別の回答率の結果は、結果は、図 4−6 に示される。「ひとりの教官による単
独形態」が約 3 分の 1 である。次いで、「複数教官によるリレー形態」が 22.0%、「テ
ィーチング・アシスタントの大学院生が補助につく形態」が 11.0%、「複数教官によ
るグループ形態」が 7.7%であった。
この Q6 も複数回答を許容するものであったので、行われたのが単独の担当形式か、
複数の担当形式の「混在」かという観点から回答を分析し直した結果が図 4−7 であ
る。この図より、複数の担当形式の混在率は 12.4%であった。
「その他」の回答の具体例を以下に挙げるが、内容は「混在」に近い。
・学生の提出する問題演習のレポートを大学院生(8 名)がボランティアで添削
・講義はひとり、フィールドでは複数の教官が指導。
・研究室のゼミと一部重複する形態。
Q6 授業担当の形態の結果①
64.8%
ひとりの教官による単独形態
22.0%
複数教官によるリレー形態
11.0%
ティーチング・アシスタントの大学院生が補助につく形態
複数教官によるグループ形態
7.7%
その他
7.7%
0%
図 4−6
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
授業担当形態の項目別選択率
Q6 授業の担当形態
ひとりの教官による単独形態
2.2
複数教官によるグループ形態
複数教官によるリレー形態
55.1
1
5.6
20.2
12.4
TAの大学院生が補助につく形態
4.4
その他
混在
0%
20%
40%
60%
図 4−7
80%
100%
授業担当形態の分布
45
・実質的にはひとりの教官による単独形態だが、担当者を「講師以上」とする規定の
ため、名目上は複数教官となった形態
・助手の先生が補助
・4 ← 大学院生が補助につく形態
・非常勤職員に応援を頼んだ。
・大学院生、研究生による抄読会形式
Q7
今年度の少人数セミナーを担当されてのご感想をうかがいます
(1)全体として、担当された少人数セミナーの教育成果に満足されていますか
その理由もお書きください
結果は図 4−8 に示される。「満足」(33.7%)と「どちらかといえば満足」(51.7%)
を併せると 85.4%になり、教官の側の満足度は高い。
Q7 (1) の理由記述を満足度別に以下に示す。
①満足
・はじめからやる気のある、目的意識のはっきりした学生が参加するため学ぶ意欲が
高い。人数が少なく、お互いの顔の見える距離でのコンタクトが可能。教官どうし及
び学生どうし。
・全員が 1 回ずつパワーポイントで調査結果を発表し、お互いに討論できたため。
・学生が興味を持ってくれた。
・学生とのコミュニケーションを密に行うことができた。
・きわめて熱心かつ積極的に受講してくれた。
・予定の半分ではあったが 5 冊の本を読み通させ、考える力を付けさせられた。
・人間と人間の直接的交流、対話、質疑応答が可能。
・学生が非常に積極的。
Q7 (1) 少人数セミナーの教育成果
33.7
0%
10%
51.7
20%
満足
30%
40%
50%
どちらかといえば満足
図 4−8
60%
13.5
70%
80%
どちらかといえば不満
90%
不満
少人数セミナーの教育成果に関する満足度
46
1.1
100%
・学生が熱心に受講し、また 1 回生の考え方がわかった。
・学生との個人的関係が築けたこと。
・活発な質疑がある。一年生にとっては新鮮な印象があったらしい。
・学生はコミットしており、満足そうだったから。
・学生が積極的に取り組んでいたため。
・熱心に興味をもって受講し、自ら興味ある内容をより深く調べようとした。
・全員意欲的に聴き、尋ね、実習を希望してきた。
・学生は熱心で、成果はそれなりにあった。
・学生の思考がかなり幅広くまた深くなったように思う。
・十分なディスカッションができた。
・常識を疑う訓練・討論の訓練ができた。
・1 回生としては、レベルの高いセミナーになったと思う。
・学生の反応がよかったので。
・何よりも学生達が満足してくれた(らしい)。
・学生諸君に喜んで頂けた。小生、来春退官でこの講義が最後だというと是非来年も
続けて下さいと皆が言ってくれた。
②どちらかといえば満足
・積極的な参加と討論がみられたため。
・大学初年度の学生に、有意義な大学生活を送るためのアドバイスが行えたこと。
・登録者 5 名の中 4 名が最後まで出席し、かつ他の授業に対する動機付けも幾分なり
ともできたと思うから。
・教育について考えるよい機会になっている。
・学生の応答がすなおで気持ちが良い。
・実験を取り入れることにより学生が興味を示した。
・他学部・他学科の学生にも興味を持ってゼミに参加してもらえたようである。
・高校までの授業とは異なる講義があることを学生に知ってもらえた点。
・顔と名前が覚えられた。
・講義・実習・見学のすべてをひととおり体験させることが出来たから。
・最後まで継続して出席する学生が大半であった。
・ある程度学生の興味をひき出すことができた。
・レポートによる報告では、興味を持って聞いてもらった。
・自分で考えたアイデアをレポート(英語)として書かせることができた。
・熱心な学生が 1 名いた。
・手間がかかるけれども、人間的ふれあいの密度は高い。
・学生の反応がよく分かる。
47
・教官の言いたいことが他学部・学科の学生に伝えられた。
・学生が積極的であったので。ただし、3 人だったので、幅広い議論にはなりにくか
った。
・熱心な学生たちだったが、教育効果については不明(長期的だろう)。
・それなりに学生の視野が広まったと感じられるから。
・もっと積極的な発言を期待していた。
・専門知識のないことがおもしろい反面、当惑することもありました。
・学生側のノリが悪かった。
③どちらかといえば不満
・熱意のある学生とない学生の差が大きく、それを埋められなかった。
・大学入学時の理科の素養の個人差が大きく、少人数にしてもその差は埋まらない。
・学生の主体的発言が少なかった。
・学生発表、ディスカッションに積極的に参加した(できた)学生と、そうでない学
生に二極分化した。
・各回のゼミレポーター担当の学生の、担当を果たした充実感と未熟の自覚の反応は
良好な結果だが、聴き手の学生の議論が年々引き出せなくなってきている。教官の変
化か学生の変化かまだよく分からない。
・学生に考えさせる余裕がなかった(集中講義形式のため)。
・学生の意欲が今年は特に 2∼3 名を除いてなかった。
・こちらの準備不足で、学生の期待にこたえられなかった。
・学生たちの無断欠席が多かった。他の研究機関などを訪ねる学外研修も企画・実施
したが、直前に自分の都合でキャンセルする学生が多くて教育成果を上げようにも、
それ以前の、学生の勉学の姿勢に問題を感じた。
・理由は Q9 と同じ。(「ゼミ」ということにこだわりたい。やはりある程度の学問的
知識と好奇心をもって参加することが学生にとって有意義である。半期の講義を受け
た時点が、そのためにはちょうど良い。)
④不満
・出席率が悪い。
(2)学生の反応は全体としていかがでしたか
Q7 (2) の学生の反応についての結果は図 4−9 に示される。「良かった」(53.9%)
と「どちらかといえば良かった」(41.6%)を併せると 95.5%にのぼった。他方、「ど
ちらかといえば悪かった」は 4.5%、「悪かった」にいたっては 0%である。学生の反
応についての教官の側の満足度は、Q7 (1) の教育成果の満足度以上に高いと言えよう。
48
Q7 (2) 学生の反応
53.9
0%
10%
良かった
20%
41.6
30%
40%
50%
どちらかといえば良かった
図 4−9
60%
70%
4.5 0
80%
どちらかといえば悪かった
90%
100%
悪かった
少人数セミナーの学生の反応
Q7 (3) 担当少人数セミナーの学生数
1.1
11.4
0%
10%
76.1
20%
30%
多すぎる
どちらかといえば少ない
40%
50%
60%
どちらかといえば多い
少なすぎる
図 4−10
3.4
11.4
70%
80%
90%
100%
ちょうどよい
少人数セミナーの学生数
(3)先生が担当された少人数セミナーの学生数についてはどう思われますか
Q7 (3) の少人数セミナーの学生数についての結果は、図 4−10 に示される。「ちょ
うどよい」が全体のほぼ 4 分の 3 である。「どちらかといえば多い」と「どちらかと
いえば少ない」は共に 11.4%であった。少人数セミナーの主旨は実現されており、問
題があるとすれば、「少なすぎる」場合であるかもしれない。
Q8
少人数制の授業形式についてうかがいます
(1)実際に少人数セミナーを担当されてみて、学生にとって少人数の授業のどの
ような点がよかったと思われますか(複数回答可)
結果は、図 4−11 に示される。「発表や議論などを通じて、学生が発言できる機会
が多い」(81.3%)が最も選択率が高く、以下「対面的できめ細かな指導ができる」
(60.4%)、「同じ授業を受けている学生同士が親しくなりやすい」(56.0%)、「学
生一人一人の個性や能力に応じて、個別的な指導ができる」(26.4%)、「作業や現
地研修などを通して学生が得られるものが大きい」(24.2%)となった。
49
Q8(1) 少人数授業の良い点
発表や議論などを通じて、学生が発言できる機会が多
い
対面的できめ細かな指導ができる
60.4%
同じ授業を受けている学生同士が親しくなりやすい
56.0%
学生一人一人の個性や能力に応じて、個別的な指導が
できる
26.4%
作業や現地研修などを通して学生が得られるものが大
きい
24.2%
81.3%
3.3%
その他
0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0%
図 4−11
少人数授業の良い点についての項目別選択率
「その他」(3.3%)の自由記述の内容は、次の通りであった。
・お互いの顔が覚えられる。
・教官と親しくなれる。
・スライド(全員)を見せたり、顕微鏡(2、3 人ずつ)を見せたりするのに丁度よい
人数
(2)少人数セミナーの中で、指導上特に留意されたことがありましたら、ご自由
にお書きください
Q8 (2) に対し 60 人の回答者から自由記述を得たが、「なし」または「特になし」
の 5 人を除き、55 人の回答を以下にあげる。
・学生のやる気を引き出すための工夫。大学院生を授業に参加させるための工夫。ゼ
ミ(授業)外での自学自習を促す工夫。学生どうしで学習グループをつくり授業外で
も学問について議論し学習するグループ学習を奨励。
・できるだけ全員が発言し、授業に参加できるように誘導すること。
・発言が特定の学生にかたよらないようにした。
・前半で研究室の院生が見本の発表を行うが、発表する院生にも良い勉強・刺激にな
った。指導上、両方(研究室の院生も、ポケットゼミ生も)ともに得るものがあるよ
うに配慮した。
・成るべく学生自身に口をきかせるという方向に持ってゆくよう心がけた。成績(優
良可など)とは無関係に調べものをしたり、発言したりするよう仕向けることが大切
だと思う。しかし、出席点にしろ、発言にしろ、成績評価のしばりは、自由な勉学の
50
態度を頻々スポイルしているように感じる。
・①積極的な発言を促すことに特に留意した。②事前に次回のテーマを述べ、資料を
与え、勉強させる。
・大学受験のための断片的な知識を詰め込む勉強から、自分で本を読んで考える勉強
へ、というふうに、大学生にふさわしい勉強法を習得させることに重点を置いた。
・学生の反応に応じて授業を進めていくことが重要と考えた。学生自身が自分の頭で
考えるようにしむけた。参加者が互いに議論する機会を多く持つようにした。
・自発的な参加、主体的な学習。高校までと異なる学問。研究のあり方に対する関心
の養成。受講者の一体感を作り出す。
・受講生全員に予習を義務づけると共に、毎回全員発言するように指導した。登録者
が少数であったため、未登録者若干名の参加も認めたが、報告義務などの点では同等
に扱った。
・学生自らの発言や英語でのディスカッション。
・学生と一緒になって遊ぶという方針をとっている。
・自由に発言できる雰囲気作り。
・議論を通じて、個性が出る。これは一面すごくいいことで、指導する方も面白いが、
受講者の個性が違いすぎるとき(すごく academic な学生と、すごく practical な学
生の混在)、気をつかうことも多くなる。
・以前は講義形式で行っていたが、集中講義形式で実験を取り入れたことで、学生が
示す興味が大幅に改善された。
・1 回生であることを常に頭においていた。
・理解力・発表能力の差が大きく、これを意識した個別的な指導が必要であった。
・学生相互の議論、質問等を通じて全員の理解が揃ったレベルになるよう留意した。
・自分で考えさせること。自分の判断の重要性。自分を表現することの大切さ。自己
努力も大切であること
・学生との直接対話を重要視。授業以外の講演会、懇親会への参加を許す。
・1 回生の学生の読解能力はさまざまであるが、能力の劣る学生のプライドを傷つけ
ないようにして、全学生のやる気を維持し、セミナーとして高い学問水準を保つこと。
・異なった学部の学生間での交流ができるようになること。自らの立場や意見を述べ
ることの重要性に気付くこと。自ら調査や発表を行うといった能動的学習を身に付け
させること。世の中には不思議なことや分からないことが多くあり、それらの研究を
する楽しみを感じてもらうようにすること。
・研究室に来させて、大学生らしい雰囲気を味わせる。[原文ママ]
・常に対話形式で学生の注意を引くように努力した。
・学生側の発表、自主性、興味を重視する。
・テーマにもよるが、慣れ合いになってしまわないように気をつけた。
51
・講義の内容と実習の内容を連環させるところで苦労しました。
・学生の参加意識を高める。
・学生に興味を持たせ、自ら調べてみたいという気持ちが湧くようにするには、どの
ようにするとよいかを工夫すること。
・学生が必ず意見を言えるように配慮した。まずは出身地や趣味、サークルの話など
をさせ、相互理解を深めるよう留意した。
・「自分の考えを人に伝えることができるようになる」を中心テーマとした。
・幅の広い考え方を身につけることを心がけた。最近は極端な考え方の学生が時々見
られる。全く社会のことを知らず、全くマスコミの受売りしか言えない学生が多いの
で修正に努力し、自分の考えを持つよう指導した。
・Q8 (1) の 3, 4, 5 が促されるように留意。[註:Q8 (1)は「3.発表や議論などを通じ
て、学生が発言できる機会が多い」、「4.同じ授業を受けている学生同士が親しく
なりやすい」、「5.作業や現地研修などを通して学生が得られるものが大きい」。]
・研究生、大学院生と共通のゼミにしたため、知識レベルが大きく異なり、その間の
ギャップを埋めるのに気を配った。
・私的なつき合いの中でのアクチュアルな授業を行うこと。
・これから学ぶ領域の全く違う学生に専門的なことや研究上の態度はとても教えにく
かった。彼らの将来に役立つようにと努力したが、結局本の読み方やレジメのつくり
方ぐらいしか教えられなかったのではと思う。
・ポケゼミの主旨のひとつとして、五月病防止があると思っている。最初の半期毎週
出てきて、顔と名前を知った人間が少しできれば OK、をボトムラインにおいている
ので、途中で脱落しないように学生の様子に応じて声をかけている。今年度 1 名ケア
しきれなかったのが残念であった。
・当方の準備が雑にならぬように心がけた。学生数が 3 人であったが、100 人授業と
同じ程度の準備時間を使うように心がけた。
・学生に積極的に発言させること
・学生が受身にとどまらないように、授業形態を工夫した。その際、担当の複数教官
に協力をお願いした。
(可能なかぎり、小生も講義に出席し、授業の実際を把握するよ
うに努めた。)
・大学入試センター試験や、京大の入学試験では測定できない「学力」が、大きく衰
亡してきているのを感じるので、少人数セミナーの利点を生かして、それを補い、実
質的な力をつけさせるよう試みている。たぶん、通常の全学共通科目による教養教育
や学部科目による専門教育では、そのような「失われた学力」の回復・形式・充実は
困難。
・一人一人の理解に応じた対応と指導。
・関心の多様性に配慮した。大学院の紹介になるようにした。
52
・学生の自主的な発言・思考を大切にするように心がけ、専門知識の詰め込みは避け
た。
・会話を重視した。
・親しみやすいテーマを心がける。学生の問題意識を引き出すよう心がける。
・授業内容に学生諸君がどんどん興味を持っていってくれたので、逆にその興味を満
足させる内容を用意していくことが大変であった。興味をさまさないように授業内容
を組み立てることに留意した。
・簡単な実験やビジュアルな説明をするようにした。見学も行っている。
・ビデオを教材として使用した。
・パワーポイントを使って写真・図などのわかりやすいものを提供した。
・当教室が吉田地区から離れているため、夕方 5 時半からとしており、学生達が来て
始める前に菓子など、終わってからパンやピザ程度を与え、空腹対策をとった。
・今年はスリランカからの国費留学生が 1 名いたので、彼の生活全般の様子に留意し
たのと、他の日本人学生との対話を多くするように心懸けた。
・なるべく顔をあげて歌わせるようにしようとしたがうまく行かなかった。(反省点)
・やや、学生に、元気がないようです。
Q9
これまで少人数セミナーは前期のみの開講となっていますが、この開講時期
についてはどう思われますか
2または3を選択された場合、その理由もお書き下さい
開講時期についての結果は、図 4−12 に示される。「現行どおり、前期のみがよい」
が 47.8%、「前期と後期の中から選択できる方がよい」が 30.0%、「特に希望はない」
が 16.7%、「後期のみの方がよい」は 1.1%にすぎない。
少人数セミナーの開講時期についての自由記述の意見を以下にまとめる。「特に希
望はない」を除く 4 項目に対して自由記述が得られた。
①「1.現行どおり、前期のみがよい」理由
・学生の目が輝いている前期が最適。
・新鮮な内。
・1 年生のモチベーション維持。
・かなりの負担でしたので。
・後期は学会や申請や報告や講義が多い。
・後期に学会などが集中してしまう。
②「2.後期のみの方がよい」理由
・「ゼミ」ということにこだわりたい。やはりある程度の学問的知識と好奇心をもっ
53
Q9 少人数セミナーの開講時期
30.0
47.8
16.7
4.4
1.1
0%
20%
40%
60%
80%
100%
現行どおり、前期のみがよい
後期のみの方がよい
前期と後期の中から選択できる方がよい
特に希望はない
その他
図 4−12
少人数セミナーの開講時期についての項目別選択率
て参加することが学生にとって有意義である。半期の講義を受けた時点が、そのため
にはちょうど良い。
③「3.前期と後期の中から選択できる方がよい」理由
・前期に限る積極的理由なし。いつからでも入門してよい。
・学生に聞いても“後期も選択できたらよかった”という声が多かった。ある程度大学
生活に慣れ、学問的興味が出てきたところで科目を提供することも必要かと思う。
・学生によっては、訳もわからず、とにかく取るという態度になり、選択が適当でな
かったということも有るだろう。
・学生にとっては、前期・後期で別々のゼミを受講できる。
・大学にある程度なれた後期に、勉学に関心の向く学生がいるため
・1 回しかチャンスがないから。
・Q8(2)の理由では前期が望ましいが、ポケゼミには脱受験:学習から研究への切り
かえ、のネライもあると思う。それには前期のカルチャーショックのあと後期が良い
かもしれない。
・自然を扱う場合には通年が良い。(学生はどちらかになるが)
・測定実習の結果が季節に依存するため。
・より多くの教官が参加できる可能性がある。
・他の授業を含めたワークの配分ができる。
・時間の都合がつけやすいので。
54
④「5.その他」の理由
・もっと短期間のものを選べる方式がよい。
・新入生のみに限定する必要はない。
・2 回生も参加できればよい。(ⅰ)いくつものセミナーを受講したい学生がいるはず。
(ⅱ)2 回生に「研究とは?」を知ってもらうのは、1 回生に知ってもらうよりも重要。
(ⅲ)1 回生と 2 回生、学力的にそれほど差はない。
・半期だけの開講は短い。通年で行うゼミでじっくり学ぶことも必要。後期もゼミを
続けてほしいという学生の希望は非常に多かった。
・通年にした方がよいと思う。半年では夏休み前に終わり十分なレポートができない。
又そのレポートについて議論を深めるのが時間的に難しい。
・後期開講科目があってもよいのではないか。
Q10
今後、少人数セミナーの内容をさらに充実させるためには、どのようにすれ
ばよいと思われますか(複数回答可)
結果は、図 4−13 に示される。「教室・設備等をもっと整備する」(25.3%)や「ビ
デオなどの視聴覚教材を充実させる」(19.8%)などのハードウェアの面の充実より
も、「もっと学生が授業に親しみを持てるよう、授業内容を工夫する」(42.9%)や
「もっと多様な分野から学生が受講科目を選択できるようにする」(33.0%)のよう
なソフトウェア面での充実をあげる教官が多かった。
「その他」(11.0%)で示された自由記述の内容は以下の通りである。
・ 結局は教官側の準備の程度に依存するので、それが一番重要です。
・他学年の学生,院生をティーチングアシスタントとして参加させる。また、1 人の
Q10 少人数セミナーの内容をさらに充実させるために
42.9%
もっと学生が授業に親しみを持てるよう、授業内容を工
夫する
もっと多様な分野から学生が受講科目を選択できるよう
にする
33.0%
25.3%
教室・設備等をもっと整備する
19.8%
ビデオなどの視聴覚教材を充実させる
11.0%
その他
0%
図 4−13
5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45%
少人数セミナーの内容を充実させる方策
55
学生が複数のゼミを履修できるようにする。1 人 1 ゼミしか履修できないシステムに
対する学生の不満はきわめて大きい。
・文系と理系の受講生が半々が望ましい。
・学生が複数のゼミを選択できる余地をなくすため、すべてコンピュータ選考にする。
[註:実際には、少人数セミナーの複数受講はできない。]
・「1 回生と限る」とのワクをゆるめる。
・「4(もっと多様な分野から学生が受講科目を選択できるようにする)」のために、
短期間のコースをもうける。
・隔週・2 コマ連続のゼミを持てるようにする。
・ポケゼミの主旨の普及が教授に十分伝わっていない。FDが必要。見学,調査のた
めの国内旅費があるとポケゼミのテーマの可能性がひろがります。
・学生自身が「学ぶ」ということの意識の再確認
・吉田地区以外に出かける学生に交通費の補助?
・桂に移転したので不可能になった。
Q11
少人数セミナーが「ボランティア科目」であるということについてどうお考
えですか
また、その他ご意見があれば「4.その他」の欄にお書き下さい(複数回答可)
結果は、図 4−14 に示される。少人数セミナーは、設置の経緯から、正規科目では
なく、教官にとってのボランティア科目として行われている。これに対し「正規科目
Q11 「ボランティア科目」であることに対する意見
正規科目では得られない効果を求めているため、提
供者の自由な発想を尊重したボランティア科目とい
う位置づけは一定の意義がある
50.5%
正規科目のひとつと位置づけ、全学の教官の協力
が得られやすいようにすべきである
34.1%
現状の諸条件などから、ボランティア科目という位
置づけはやむを得ない
14.3%
6.6%
その他
0%
図 4−14
10%
20%
30%
40%
50%
「ボランティア科目」であることに対する意見分布
56
60%
のひとつと位置づけ、全学の教官の協力が得られやすいようにすべきである」は 3 分
の 1 しか支持されていない。「正規科目では得られない効果を求めているため、提供
者の自由な発想を尊重したボランティア科目という位置づけは一定の意義がある」と
いう積極的意義づけと、「現状の諸条件などから、ボランティア科目という位置づけ
はやむを得ない」という消極的意義づけを併せた現状肯定意見が多数派であった。
以下に、「ボランティア科目」であるということについての自由記述の意見を列挙
する。
・正規科目にする必要はないが、提供者の教育活動として正当に評価されるべきであ
る。
・3 の考え(註:正規科目のひとつと位置づける)は、より多くの学生がゼミを履修
するためには必要であるが、教官に義務を課したりノルマを課すやり方には反対。ノ
ルマを課すと質の低下がおこる。あくまでボランティアで数を増やすべき。
・「ボランティア科目」という名称は教官側からの見方で、学生には正規の必修(選
択でも)科目である(べき)。
・「自由な発想を尊重したボランティア科目」だと、なぜ「正規科目のひとつと位置
づけ」卒業認定科目にならないのか不思議です。ボランティアであっても、学生たち
にとって必要不可欠(必修)あるいは選択必修にすべき価値ある内容をもった科目な
ら「正規」の科目として認定されてよいのではないでしょうか。
・教育者であるとの認識の教官が少ない以上、正規科目と同等の扱いとすべきである。
・正規科目とボランティア科目の差を意識していない。
・どちらでもよい。
Q12
少人数セミナーの経費のサポートについてどうお考えですか
結果は、図 4−15 に示される。「教材等の必要経費として何らかのサポートを要す
る」(47.8%)および「正規科目と同等の扱いとすべきである」(30.0%)を併せる
と、77.8%がサポートを必要と考えている。これに対して「ボランティア科目である
ため不要である」は、15.6%であった。
経費のサポートについての自由記述の意見は次の通りである。
・見学,調査のための国内旅費があるとポケゼミのテーマの可能性がひろがります。
あと、OHP シートやコピー代はサマツだけど研究室の校費が減るのは心理的に辛い
ので手当てされるべき。また、適当な資料や必要なソフトのライセンスや、各年度で
コツコツ充実していけるくらいの「ごほうび」が、ボランティアベースとは言え、そ
れくらいあった方が良い。
・通常の全学共通科目では実施困難な、少人数の実験やフィールドワーク、海外研修
などへの経費支援を充実させてはどうか。
57
Q12 少人数セミナーの経費のサポート
30.0
0%
10%
15.6
20%
30%
40%
47.8
50%
60%
70%
7.8
80%
90%
100%
正規科目と同等の扱いとすべきである
ボランティア科目であるため不要である
教材等の必要経費として何らかのサポートを要する
その他
図 4−15
少人数セミナーの経費のサポートについての意見分布
・学年の異なる学生,院生を積極的に関与させるため、その人件費(TA、RA)を充
実させるべき。
・多少の incentive はあった方がよい。
・文系ではあまり経費がかからない(コピー代程度)が、分野によっては実験・野外
実習等を行うことも考えられ、その場合は補助があった方が良い。
・Q8(2)や Q10 で書いたスナックや交通費の補助があればやりやすいし、来やすい。
・隔地施設(舞鶴市)のため旅費が必要。
・(少しで良い)
・余分な時間をとりたくないため不要。
2.自由記述のまとめ
Q13
少人数セミナーについて、これまでの受講者へのアンケート調査結果からは
学生の満足度が高いとされますが、更に充実させるための方策など、ご意見やご希望
がありましたら、ご自由にお書きください
この自由記述欄に回答した教官は、46 人であった。無記名調査ではあるが、差し支
えのない場合に記名を求めたところ、多くの回答者が記入した。そこで、回答者の所
属部局別(『京都大学職員録』の順序に従う)に、自由記述の回答をすべてあげる。
少人数セミナーに対する分野による「温度差」や、教養教育についての考え方の違い
が感じ取れるかもしれない。なお、部局の中での並べ方は、少人数セミナーに対する
肯定的・建設的意見を先に、ついで中立的意見、最後に少人数セミナー制度に対して
否定的・批判的意見をあげた。
58
・少人数セミナーは、よい授業形態だと思います。ただ、一回生に限る必要はなく、
また、半期ではなく通年の方が、しっかりした基礎教育ができると思います。その場
合、ボランティア授業という位置づけではもはや無理で、また希望者全員を受け入れ
る開講数は確保できないと思います。が、意欲のある学生に学部の枠を超えて、集中
的に授業する形態を取り入れるのも、一つの試みだと思います。【文学研究科】
・正規科目と異なる点を大切にして、今後の大学の可能性をさぐるべきと考えます。
その意味で単位は必要ないと思うのですが。【文学研究科】
・特になし。【文学研究科】
・開講数を増やすべき。【経済学研究科】
・できるだけ多くの学生が受講できるように開講数を増やすことが必要だと思う。そ
のためには、前後期開講も考える必要があると思う。【経済学研究科】
・大学入学後の最初の数ヶ月は勉強の意欲はあるが、学習の物質的条件(パソコン購
入など)がととのっていないことが多い。これは大学の提供する設備で補う必要があ
るだろう。私は選考で機械的に推薦となることを避けるためにインターネットでアピ
ールを送信するように指示しましたが、インターネットのアドレスの配付が遅れたた
め、かえってそれが受講制限になってしまいました。【経済学研究科】
・学生アンケートの結果の(ポケゼミをやっていない多くの)教官への周知が低いと
感じています。また、機構 [註:高等教育研究開発推進機構] の方で Web ページを充
実してもらうのも良いと思います。他大学の人にポケゼミの紹介ができて結構です。
ところで、現在はポケゼミの担当をベテランの教授に求めていますが、学生の年令に
近い若年の教官のメリットもあると思います。若年の教官にとっても教育経験を増す
良い機会にできると思います。【理学研究科】
・一般教育全体の中に正しく位置づけるべきである。何を教育として目指すかも統一
的な見解作製の議論がなされるべきである。指導教官の「好み」ではいけないと思う。
教えるべき内容(例えば自分で考える力)も大学教育として検討すべきである。【理
学研究科】
・余り、「更に充実」と考えない方が良いのではないでしょうか。教官が無理をする
とかえって良い結果が得られないものです。強いて提案するならば、最上レベルの優
秀な学生を(少人数づつ)指導する形式もあって良いと思う。【理学研究科】
・なし【理学研究科】
・全 1 回生が最低 1 ヶ受けることを可能とする体制の確立が急務。【医学研究科】
・受講者へのアンケート結果を教官にフィードバックしてほしい。また、人気のある
セミナーは正規科目として取り上げることを検討してほしい。【医学部附属病院】
・セミナー受講にあたっての必要素養を明確にする。【医学研究科】
・学生側からの要望を知りたい。【薬学研究科】
・進学できない専攻のポケットゼミをとることになっているが、一定の割合で、進学
59
可能な学生を混ぜるとなをいっそう活発な討論を行うことができると思う。[原文ママ]
【工学研究科】
・セミナーの選択において、教官側と学生側が多少の面談をする機会がもてれば、双
方がより満足したセミナーになると思われる。【工学研究科】
・私自身は、学生の満足云々より、現在の新入生がどの様に考え、行動するかを知る
ことができるので有益であった。ただ、少人数セミナーを履修する学生は、或る意味、
意識が高いので、現在の新入生の平均とは見なせないのかも知れない。「少人数セミ
ナーを履修しない学生をどうするか」が問題なのかも知れない。【工学研究科】
・提供側の敷居が高く、新規参加が少ないように思う。メニューを先につくって、そ
れに合わせて教官を募集するという部分があってもよいのかも知れない。【工学研究
科】
・準備の程度を上げるには、同一テーマで数回ヤル。(どんどん improve されてい
くと期待する)。但し教官にとっては、あまり面白くないかもしれません。(同じこ
とをヤルのはイヤ)。【工学研究科】
・単位を大きくする。【工学研究科】
・パソコンアクセスを容易にする。レポート提出が便利になる。【工学研究科】
・学外への見学にかかる交通費を、簡単な手続きで出して頂けるとありがたい。こち
らが対応できる時間と、1 回生の必修科目のない時間が合わないと、不便である。担
当教官が、授業時間を自由に設定できると、やりやすくなると考えられる。【工学研
究科】
・実習・見学の交通費のサポートがほしい。見学時の保険についても同様。【工学研
究科】
・学科によっては卒業単位にカウントされないようであるので、改善できないであろ
うか。【工学研究科】
・教官側のより一層の努力が必要であろう。より魅力的な講義を新入生に与え、京大
に来てよかったと思ってもらう必要有。名誉教授でも担当出来、単位を何らかの形で
出せるようには出来ないか。若い研究者の負担を少しでも軽減出来るのでは。【工学
研究科】
・Q10 の回答の通り、桂移転により、不可能になった。残念である。今後については
特に意見はなし。【工学研究科】
・自分勝手に創造力があれば、もっとおもしろい授業にできるだろうにな、とは思い
ます。【工学研究科】
・必要経費の負担は求めたい。【農学研究科】
・特になし【農学研究科】
・特になし【農学研究科】
・本年度(平成 15 年)前期の 1 回生が、3 年後(平成 18 年)後期にどれだけ成長し
60
たか、もう一度「少人数セミナー」を担当してみたい気持ちがある。【人間・環境学
研究科】
・2 回生にも門戸を開くべき。高校の延長としてのとらえ方ではなく、大学の研究と
いう意味で講義内容をとらえるのではないでしょうか。【エネルギー科学研究科】
・退官された先生も担当できるようにすれば、数の面でも質の面でも大いに活性化が
図れると思う。【情報学研究科】
・1 人の学生が複数の少人数セミナーを履修できるようにすること。後期も開講し、
通年のゼミもあるようなシステム。少人数セミナーに 2 回生,3 回生,4 回生,大学
院生を積極的に関与させ、彼らを通して大学での学びを伝える。これは、受講者であ
る 1 回生のみならず、TA として参加する上回生にとってもきわめて高い教育的効果
のある一石二鳥の方法である(2 回にわたるポケットゼミで実証ずみ)。教育的効果
という点では、むしろ TA の側により大きなメリットがある。自らの学習の学びなお
し、勉学の動機づけ、経験にもとづく的確なアドバイス、face-to-face での人とのつ
きあいによるコミュニケーションのスキル向上など、双方に対する教育的効果ははか
り知れない。また、そのための予算的措置(TA、RA 雇用)は絶対に必要。【化学研
究所】
・教官と学生のつながりが半年間だけで終りがち。以前に 1 人(文科系だったが)ポ
ケゼミから興味を抱いて、放課後や土・日曜などに研究室に来た(だけでなく、研究
した)子(女子学生)がいた。その経験は双方にとって有益だったと思われ、何か制
度的にこういうことをサポートできないものか、と考える。【化学研究所】
・複数セミナーを選択できるようにする。【再生医科学研究所】
・ウェブサイトのさらなる活用。簡単な実験や野外観測を行える共通のスペースが吉
田南キャンパス内にあるとよいと思う。【防災研究所】
・もっと大勢の教官が多様なセミナーを開設した方がよいと思う。【高等教育研究開
発推進センター】
・学外から講師を招聘し、セミナーの数と内容を充実させる。【国際融合創造センタ
ー】
・十分に宣伝をして、やる気のあるフレッシュな 1 回生を集められるように、応募シ
ステムをつくる。【フィールド科学教育研究センター】
・少人数セミナーは、大学における教育形態の原点であると考える。1 対 1 に近い形
で、学生が自ら考え出すことをより伸ばすためにも少人数セミナーを正規科目として
重視し、学生が真に大学人として教官から認識されるようにすべきであると考える。
【無記名】
・夏休みに実習などの機会を与えることで評価などを夏休み明けにつけるようにでき
ないか。【無記名】
・教官の時間資源と教育効率についての議論が必要。【無記名】
61
・1 人の教官で担当するのが良いが、負担が大きい。【無記名】
・いい加減な気持ちで受講登録をして、実際には参加しなかったり、他の科目とダブ
ルブッキングをして、後日不参加とするなど、学生の側の受講の熱意のない者が登録
をする結果、強い意思で参加したいと思っても人数制限で受講できなかった学生が出
ないよう、受講登録の手続の厳格性が必要。【無記名】
・ごく少人数で、しかも、希望が多い場合は抽選による受講者決定という条件で、い
くら充実させようが、大学側の“気まぐれ”に過ぎない。そもそも意義があるのか?(←
たまたま受講することになった一部の学生を一時的に楽しませるだけ)早期廃止を期
待する。【無記名】
62
第5章
ま
と
め
ここまでの章において、平成 15 年度少人数セミナーの受講学生(第 2 章)、非受講
学生(第 3 章)、担当教官(第 4 章)それぞれの質問紙調査の結果について、主とし
てデータそのものに語らせる方法で述べてきた。本章では、この 3 つの調査結果を立
体的に組み合わせ、そこから少人数セミナーの現在の姿と、今後進むべき方向とを議
論するための手がかりとなるべきものを浮き彫りにしていきたい。
1.少人数セミナーに満足できるか
第 1 章において、京都大学の学部教育における、とりわけ全学共通科目における新
入生向け少人数セミナー(ポケット・ゼミ)の意義について述べてきた。教養教育が
とかく大教室のマス・プロダクション教育になりがちな中で、少人数のきめ細やかな
導入教育として行われている少人数セミナーは、①学問への動機づけ、②多人数教育
の補完、③教官との個人的接触の機会を高らかにうたい、京都大学の教育のひとつの
理想像として語られてきた面がある。
たとえば、大学評価・学位授与機構が行っている各国立大学を対象に行う全学テー
マ別評価「教養教育」の京都大学に関する実状調査の結果では、少人数セミナーにつ
いて、次のように記載されている。
「また、入学直後の学生に大学における勉学の動機づけや学問への関心を育てる
上で、前述の新入生向け少人数セミナー(ポケットゼミ)が貴重な役割を果たし
ている。本学におけるこの少人数セミナーの特徴は、全学生に機械的に義務づけ
るのでなく、あくまで自主的な選択としていること、学部、専門分野に関係なく
受講者を受け入れることにより教養教育としての性格を貫いていること、受け入
れ人数の上限を 10 人とし教官との face-to-face の接触を重視していることなどで
ある。受講希望者の全員が受け入れられるところまで拡充することが望まれる。」
http://www.niad.ac.jp/hyouka/theme/kyouyou/houkoku/RH12T10048.pdf
また、第 1 章でも触れたように、京都大学が平成 15 年 9 月 29 日に公表した中期目
標の中でも、「2-3.授業形態、学習指導法等の教育方法に関する基本方針」の学士課
程の欄の記述において、
「● 少人数セミナー、対話を基本とした「自学自習」促進型授業、海外を含む他
大学・他機関における学習への学生の参加機会を拡大する。」
と書いている。
63
今回の調査は、このような公的文書において表明されていることに対する、現時点
での自己点検・評価のひとつとも言うことができよう。
端的に言って、少人数セミナーの満足度はどのように評価できるであろうか。
受講学生調査では、回答者の 86.8%が履修案内に書かれている内容に関心を持ち
(図 2−6)、93.1%が受講する前から「大人数形式の授業よりも多くのものが得られ
ることを期待していた」と答え(図 2−12)、圧倒的に人気科目であることが確認さ
れた。そして、実際に授業を受けてそのことを実感できた学生は 89.2%であり(図 2
−13)、84.1%が熱心に受講したと自分自身で感じており(図 2−8)、88.9%が満足
していると答えている(図 2−7)。満足度は、大学生活で何を重視するかという学生
の志向性の影響を受けにくい(図 2−19)。すなわち、少人数セミナーほど学生に期
待され、その期待を裏切らない科目は少ないかもしれない。その人気の秘訣は、教官
に熱意が感じられる(89.2%;図 2−11)、受講生数がちょうどよい(78.0%;図 2
−9)、学習内容が「ちょうどよい」か「どちらかといえば易しい」(67.5%;図 2
−10)というところにあるらしい。
では、非受講学生調査の結果は何を語っているだろうか。
まず、大学生活で何を重視するかという学生の志向性に関して、受講生と非受講学
生の差はほとんど見られなかった(29 ページ参照)。非受講学生には、受講を希望し
たが抽選にはずれた者と、受講を希望しなかった者がほぼ半分ずつである(図 3−5)。
ただし、受講を希望しなかった者について仔細に見ると、曜日・時限が合わない、卒
業単位や自然科学系科目の単位にならないなどの理由が主であって、「特別な意義は
感じなかったから」は 9.4%に過ぎなかった。この結果は、少人数セミナーに関心が
あるとこの調査の回答者になりやすいというバイアスを差し引いても、少人数セミナ
ーの人気度を側面から示すものである。
担当教官調査では、教育成果についての満足度が問われた。その結果、「満足」と
「どちらかといえば満足」をあわせると、担当教官の 85.4%が満足と考えている(図
4−8)。その理由は、学生の反応が良い(95.5%;図 4−9)、発表や議論などを通じ
て、学生が発言できる機会が多い(81.3%;図 4−11)、学生数がちょうどよい
(76.1%;図 4−10)、対面的できめ細やかな指導ができる(60.4%;図 4−11)な
どである。
受講者数は、受講学生調査によると 10 人以下が 74.8%であり(図 2−4)、「少人
数」セミナーの看板には偽りが少ない。非受講学生調査でも、「授業あたりの受講者
数を増やしてでも、希望者全員が受講できるようにすべきだ」は支持率が小さく、
26.5%であった(図 3−7)。少人数という形式と教官の熱意こそが、学生の支持を得
てきた理由と言えよう。
64
2.抽選に見はなされた者を救う道は
少人数セミナーの受講申し込みをする学生は、毎年 4 月のはじめに、事務室のコンピ
ュータに受講したい科目を第 3 希望まで入力する。申込者数が受講定員を超えた場合
は、①無作為抽選、②担当教官の選抜のいずれかにより決定され、結果が掲示される。
受講を許可された学生は、その科目の履修登録手続きを行う。
受講学生調査の回答者のうち、第 1 希望を受講した者は 87.4%、第 2 希望を受講し
た者は 7.8%、第 3 希望を受講した者は 4.8%であった(図 2−5)。すなわち、受講者
の 9 割近くが第 1 希望の科目を受講できている。また、Q11 の自由記述において、第
2 希望または第 3 希望に回されたことに対する不満の声は特に聞かれなかった。希望
通りでなくても、受講が認められた場合には不満は小さいと言えよう。
これに対し、非受講学生の自由記述の欄には、少人数セミナーの抽選にはずれた者
のルサンチマンが積み重なっている。そこには、抽選の透明性・公平性への疑念も一
部含まれており、これは早急に払拭しなければならない。
少人数セミナーの抽選にはずれた者の代表として、その悔しさを最も熱く語ってい
る学生の声にもう一度耳を傾けてみよう。
・とにかく抽選にもれてしまったのが悔しくて仕方がない。「どうして後期には開
講されないのか」、「どうして 2 回生では受講できないのか」等の不満は尽きな
い。内容が非常に興味深いものが多く、受講者から「あの講義は面白い!」という
声を聞く度に残念でならない。できることなら 2 回生でも受講できるよう改変し
てもらいたい。[原文ママ](34∼35 ページより再掲)
1 回生の前期にしか配当されないのであるから、調査を実施した 1 回生の後期の開
始時点では、もう永遠に「ポケット・ゼミ」を受けることはできないのである。もち
ろん、学年進行とともに、専門科目において、さまざまな少人数の授業の受講機会は
増えるが、それは、多様な学部の学生が会し広く学ぶ場ではない。
このようなことが起こるひとつの理由は、63 ぺージで触れたように、少人数セミナ
ーが学問への動機づけを形成するための「導入教育」として位置づけられていること
により、開講期を 1 回生の前期のみに設定していることによる。
少人数セミナーの実施時期について、受講者の調査結果(図 2−15)によると、
「現
行どおり、前期のみがよい」と答えた者は 15.6%にすぎず、最大多数派(40.6%)は
「前期と後期の中から選択できる方がよい」を選んでいるのである。
非受講生の調査では、Q5「少人数セミナーを受講できなかったことについてどう思
いましたか」の結果(図 3−7)において、「後期開講授業を設定してでも、希望者全
員が受講できるようにすべきだ」とした回答者が 67.6%にのぼった。これに対し、
「授
65
業あたりの受講者数を増やす」
(26.5%)、
「2 単位を 1 単位にする」
(6.9%)の支持率
は低いものであった。
担当教官の開講時期に関する調査結果(図 4−12)では、
「現行どおり、前期のみが
よい」
(47.8%)が「前期と後期から選択できる方がよい」(30.0%)を大きく上回っ
た。その根拠についての自由記述の内容を見ると、学生の都合(フレッシュな時期で
あるなど)と教官の都合(後期は学会開催が多いなど)が入り混じっている。調査テ
クニックとしては、これらを分けて問うべきだったということになるが、さまざまな
条件を勘案して総合的に判断された結果、
「導入教育」の理念がまさったと解釈するこ
とができよう。
少人数セミナーを後期にも拡大する、あるいは 2 回生(以降)にも拡大するという
ことには、教養教育の理念と密接に関連しているが、
「導入教育」という位置づけの再
検討の余地があるかもしれない。
3.ボランティア科目として発展できるか
少人数セミナー(ポケット・ゼミ)の創設・発展に努力された井村裕夫元総長なら
びに長尾眞前総長が、公的な場で少人数セミナーの意義を説いてこられたことは、第
1 章で詳しく見たとおりである。ある意味で京都大学総長のトップダウン的判断で成
り立っている科目ということが、少人数セミナーのひとつの大きな特徴であったと言
える。少人数セミナーが「ボランティア科目」という性格づけをなされていることも、
このトップダウン的判断と密接に関わってきた。
少人数セミナーがボランティア科目であるということには、幾つかの意味合いがあ
る。すなわち、①教官個人の自発的な意志による参加、②教官の自由な発想で授業が
設計される、③教官の負担コマ数にカウントされない、④全学共通科目としての審査
を受けない、といったことである。
ボランティア科目でありながら、現実には複数の部局において、ある程度ノルマ的
に割り振られているという実態がある。ボランティア科目という高邁な理想と、それ
がさまざまなやり方で実施されているという現実とのギャップは、常に押さえておか
なければならない。
学生に義務づけられていない(必修科目でない)ことを「ボランティア科目」の意
味に含める考え方もあり、今回の調査でもそのような考え方がいくつかの場所で見ら
れたのであるが、これは正しくない。
「ボランティア科目」の意味は、あくまで教官に
とってのことである。しかし、科目のこのような性格のためもあって、少人数セミナ
ーを卒業単位に認定していない学部と学科があり、また自然科学系科目(B群科目)
としては認定しない学部もある。全学共通科目でありながら、学部による取り扱いが
異なることも、少人数セミナーの抱えてきた問題のひとつである。
66
現在、少人数セミナーは、次のような開講上の制約下に置かれている。
・新入生限定の前期開講(導入教育)
・教室は原則として各教官の研究室等
・受講者数を 10 名程度に制限
受講状況は、表 1−4 で詳しく見たように、新入生のうち概ね 6 割が受講を希望し、
4 割が許可されているという状況が 4 年ほど続いている。提供科目数は 130 台で横這
い状態にあり、ほぼ限界に近い数に達しているのではないかという意見もある。
遠距離のキャンパスや研究所等で行われる場合(特にフィールド実習など)は、時
間的、経済的負担が教官、学生双方にかかってくる。また、授業は原則として教官の
研究室で行われており、教官個人の負担感も小さいとは言えない。理系教官が数の上
で多いこともあり、文系の開講数が相対的に少ないことも指摘されている。本学名誉
教授担当による科目数の増加も議論されているが、実現に向けての議論の進展は見ら
れない。
このような現状の中で少人数セミナーの充実を図るためには、ボランティア科目と
いう現在のシステムに何らかの再検討を行い、改善の方針をある程度時間をかけて検
討する必要があるという意見が聞かれる。
それでは、授業を担当した教官はこの問題をどのようにとらえているのだろうか。
担当教官調査の Q11「少人数セミナーが「ボランティア科目」であるということに
ついてどうお考えですか」に対する回答分布の図(56 ページ)を以下に再掲する。
「正
規科目のひとつと位置づけ、全学の教官の協力が得られやすいようにすべきである」
は、回答者の 3 分の 1 にしか支持されていない。
Q11
「ボランティア科目」であることに対する意見
正規科目では得られない効果を求めているため、提
供者の自由な発想を尊重したボランティア科目とい
う位置づけは一定の意義がある
50.5%
正規科目のひとつと位置づけ、全学の教官の協力
が得られやすいようにすべきである
34.1%
現状の諸条件などから、ボランティア科目という位
置づけはやむを得ない
14.3%
6.6%
その他
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
図 5−1 「ボランティア科目」であることに対する意見分布(図 4−14 の再掲)
67
「正規科目では得られない効果を求めているため、提供者の自由な発想を尊重した
ボランティア科目という位置づけは一定の意義がある」(50.5%)が過半数を超え、
「現状の諸条件などから、ボランティア科目という位置づけはやむを得ない」
(14.3%)
という消極的意義づけを併せた、現状肯定意見が全体の 3 分の 2 を占める多数派であ
った。
しかしながら、少人数セミナーの経費のサポートについて尋ねた Q12 の結果(図 4
−15)を見ると、「教材等の必要経費として何らかのサポートを要する」(47.8%)
および「正規科目と同等の扱いとすべきである」(30.0%)を併せると、77.8%がサ
ポートを必要と考えている。これに対して「ボランティア科目であるため不要である」
は、15.6%にすぎなかった。
科目のカテゴリーが何であれ、京都大学が開講する授業である以上、科目開設の主
旨に対する各授業科目の適合度を自己点検・評価し、授業実施上の安全性や学習環境
に配慮し、学生・教官の不適切な負担を軽減する方向に向かって、大学として責任を
もって進んで行かなければならない。その上で、現状の開講数を維持するだけであれ
ば、現状肯定的考え方でもやっていけるであろうが、少人数セミナーの拡大・発展を
願うのであれば、ボランティア科目というもののあり方を、もう一度根本から問い直
していくことになるだろう。
今回の調査は、ごく短期間に企画・実施したため、調査項目の設定、学生に対する
調査の趣旨の周知、十分な回収率の確保などにおいて問題点も残された。しかしなが
ら、得られたデータは貴重であり、自由記述においても、教官・学生の双方から忌憚
のないご意見が聴取できた。大勢の努力と協力の結晶である本報告書が、今後の議論
の一助になることを、心より願う次第である。
68
少人数セミナーに関するアンケート
調
査
69
票
新入生向け少人数セミナー(ポケット・ゼミ)に関するアンケート
ポケゼミを受講した学生対象
全学共通教育システム委員会
教養教育専門委員会少人数教育部会
このアンケートは、新入生向け少人数セミナー(ポケット・ゼミ)を今後より充実したものにして
いくため、受講された学生のみなさんの率直なご意見をうかがうものです。氏名や学籍番号を記入す
る必要はありませんし、回答は統計的に処理されますので、プライヴァシーは完全に保護されます。
もちろん成績評価とは一切関係ありません。京都大学の教育改善のため、ご協力よろしくお願いいた
します。
なお、アンケート用紙は、11月14日(金)までに共通教育教務掛前の廊下に設置されている専
用ポスト(レポートボックス)に入れてください。
***記入上の注意***
1.特に指定のない限りは、最も当てはまると思う項目1つだけを選び、番号に○をつけてくだきい。
2.設問の終わりに(複数回答可)と書いてある場合は、いくつでも○をつけていただいて結構です。
3.答えたくない設問があれば、無理にお答えいただかなくても構いません。
4.2ページの一番上の「整理番号」欄には何も記入しないでください。
70
整理番号
Ql
あなたの性別を答えてください。
1.男
Q2
2.女
あなたの所属学部を答えてください。
総合人間学部所属で専攻がまだ決まっていない方は、現在の時点での志望を答えてください。
Q3
1.文
2.教育
3.法
4.経済
7.薬
8.工
9.農
10.総合人間(文科系)
2.B群
3.A・B群
4.B・D群
2.5人∼10人
5.A・B・D群
3.11人以上
あなたが受講した少人数セミナーの希望順位は何番目でしたか。
1.第1希望
Q6
11.総合人間(理科系)
あなたが受講した少人数セミナーの授業開始時の受講者は何人ぐらいでしたか。
1.5人未満
Q5
6.医
あなたが受講した少人数セミナーが属している群を選んでください。
1.A群
Q4
5.理
2.第2希望
3.第3希望
この少人数セミナーを受講することにした理由を答えてください。(複数回答可)
1.履修案内に書かれている内容を見て関心を持ったから
2.担当教官に関心があったから
3.所属学部の専門以外の学問に触れたかったから
4.所属学部の専門課程での勉強に役立ちそうだったから
5.曜日・時限が履修に都合がよかったから
6.集中講義だったから
7.その他(
Q7
)
少人数セミナーを受講しての感想をうかがいます。
(1)全体として、少人数セミナーの授業内容に満足していますか。その理由も書いてください。
1.満足
2.どちらかといえば満足
3.どちらかといえば不満
理由(
4.不満
)
(2)振り返ってみて、あなた自身の受講姿勢はどうだったと思いますか。
1.熱心
2.どちらかといえば熱心
3.どちらかといえば不熱心
71
4.不熱心
(3)あなたが受講した少人数セミナーの学生数についてどう思いますか。
1.多すぎる
2.どちらかといえば多い
4.どちらかといえば少ない
3.ちょうどよい
5.少なすぎる
(4)授業内容の難易度はどうでしたか。
1.難しすぎる
2.どちらかといえば難しい
4.どちらかといえば易しい
3.ちょうどよい
5.易しすぎる
(5)担当教官の対応はどうでしたか。
Q8
1.非常に熱意が感じられた
2.かなり熱意が感じられた
3.あまり熱意が感じられなかった
5.ほとんど熱意が感じられなかった
少人数制の授業形式についてうかがいます。
(1) 少人数セミナーを受講する前、少人数形式の授業によって、講義のような大人数形式の授業
よりも多くのものが得られることをあなたは期待していましたか。
1.とても期待していた
2.少しは期待していた
3.あまり期待していなかった
4.まったく期待していなかった
(2)では、実際に少人数セミナーを受講してみて、少人数形式の授業でしか得られないものがある
と実感できましたか。
1.とても実感できた
2.少しは実感できた
3.あまり実感できなかった
4.まったく実感できなかった
(3)前問(2)で1または2を選んだ方にうかがいます。(3,4を選んだ人は直接Q9へ)
少人数形式の授業のどのような点がよかったと思いますか。(複数回答可)
1.教官の人間性に触れることができた
2.個別的に親切な指導が受けられた
3.発言の機会を多く得られた
4.同じ授業を受けた学生と親しくなりやすかった
5.作業や現地研修などを通して得られるものが大きかった
6.その他(
Q9
)
少人数セミナーの実施方法についてのご意見をうかがいます。
(1)今年度の少人数セミナーは前期のみの開講となっていますが、この開講時期についてはどう思
いますか。2または3を選択された場合、その理由も書いてください。
1.現行どおり、前期のみがよい
2.後期のみの方がよい
3.前期と後期の中から選択できる方がよい
4.特に希望はない
5.その他(
)
理由(
)
72
(2)今後、少人数セミナーの内容をさらに充実させるためには、どのようにすればよいと思いま
すか。
(複数回答可)
1.教室・設備等をもっと整備する
2.ビデオなどの視聴覚教材を充実させる
3.授業内容をもっと親しみの持てるものにする
4.もっと多様な分野から受講科目を選択できるようにする
5.その他
Q10 大学生活に関するA∼Fの各項目について、あなたはそれぞれどの程度重視していますか。
重視
している
やや重視
している
あまり重視
していない
重視
していない
A.専門の学問分野の勉強
1
2
3
4
B.幅広い知識・教養を身につけること
1
2
3
4
C.部・サークルの活動
1
2
3
4
D.趣味に打ち込むこと
1
2
3
4
E.友人とのつきあい
1
2
3
4
F.各種技能・資格の取得
1
2
3
4
その中であなたが最も重視していることは何ですか。上のA∼Fの記号で1つだけお答えください。
(
)
Q11 少人数セミナーについて、何かご意見やご希望があれば自由に記入してください。
ご協力ありがとうございました。
73
新入生向け少人数セミナー(ポケット・ゼミ)に関するアンケート
ポケゼミを受講しなかった学生対象
全学共通教育システム委員会
教養教育専門委員会少人数教育部会
このアンケートは、新入生向け少人数セミナー(ポケット・ゼミ)を今後より充実したものにして
いくため、受講学生のほかに受講されなかった学生のみなさんにも率直なご意見をうかがうものです。
氏名や学籍番号を記入する必要はありませんし、回答は統計的に処理されますので、プライヴァシー
は完全に保護されます。京都大学の教育改善のため、ご協力よろしくお願いいたします。
なお、アンケート用紙は、11月14日(金)までに共通教育教務掛前の廊下に設置されている専
用ポスト(レポートボックス)に入れてください。
***記入上の注意***
1.特に指定のない限りは、最も当てはまると思う項目1つだけを選び、番号に○をつけてくだきい。
2.設問の終わりに(複数回答可)と書いてある場合は、いくつでも○をつけていただいて結構です。
3.答えたくない設問があれば、無理にお答えいただかなくても構いません。
4.2ページの一番上の「整理番号」欄には何も記入しないでください。
74
整理番号
Ql
あなたの性別を答えてください。
1.男
Q2
2.女
あなたの所属学部を答えてください。
総合人間学部所属で専攻がまだ決まっていない方は、現在の時点での志望を答えてください。
Q3
1.文
2.教育
3.法
4.経済
5.理
7.薬
8.工
9.農
10.総合人間(文科系)
6.医
11.総合人間(理科系)
大学生活に関するA∼Fの各項目について、あなたはそれぞれどの程度重視していますか。
重視
している
やや重視
している
あまり重視
していない
重視
していない
A.専門の学問分野の勉強
1
2
3
4
B.幅広い知識・教養を身につけること
1
2
3
4
C.部・サークルの活動
1
2
3
4
D.趣味に打ち込むこと
1
2
3
4
E.友人とのつきあい
1
2
3
4
F.各種技能・資格の取得
1
2
3
4
その中であなたが最も重視していることは何ですか。上のA∼Fの記号で1つだけお答えください。
(
Q4
Q5
)
少人数セミナーの受講に関して答えてください。
1.受講を希望したが抽選にはずれた
⇒ Q5にお進みください
2.受講を希望しなかった
⇒ Q6にお進みください
少人数セミナーを受講できなかったことについてどう思いましたか。(複数回答可)
1.1回生必修として、全員が受講できる開講授業数を準備すべきだ
2.開講授業数を大幅に増やして、希望者全員が受講できるようにすべきだ
3.授業あたりの受講者数を増やしてでも、希望者全員が受講できるようにすべきだ
4.後期開講授業を設定してでも、希望者全員が受講できるようにすべきだ
5.2単位を1単位にしてでも、開講授業数を増やし希望者全員が受講できるようにすべきだ
6.抽選にはずれたのは残念だが、開講授業数は現状で十分と思った
7.その他(
)
75
Q6
少人数セミナーの受講を希望しなかった理由を答えてください。(複数回答可)
1.履修案内に書かれている内容を見て関心が持てなかったから
2.履修に都合がよい曜日・時限に受講したい科目がなかったから
3.受講したい科目があったが、語学や専門基礎科目等の授業が入っていたから
4.専門科目と全学共通科目の授業ですでに過密なスケジュールだったから
5.希望したとしても抽選にあたりそうもないと思ったから
6.少人数セミナーに特別な意義は感じなかったから
7.その他(
Q7
)
少人数セミナーについて、何かご意見やご希望があれば自由に記入してください。
ご協力ありがとうございました。
76
新入生向け少人数セミナー(ポケット・ゼミ)に関するアンケート
担当教官用
全学共通教育システム委員会
教養教育専門委員会少人数教育部会
このアンケートは、新入生向け少人数セミナー(ポケット・ゼミ)および京都大学の教育
を今後より充実したものにしていくため、少人数セミナーを担当された先生方のご意見をう
かがうものです。ご回答は統計的に処理されますし、調査結果を教育改善以外の目的に使用
することはありませんので、ぜひ先生の率直なご意見をお聞かせください。調査の主旨をご
理解いただき、ご協力くださいますようよろしくお願い申し上げます。
なお、アンケート用紙は、11月14日(金)までに同封の封筒にて共通教育推進室企画
調整掛宛返送願います。
***ご記入上の注意***
1.特に指定のない限りは、最も当てはまる項目を1つだけを選び、番号に○をおつけくだ
さい。
2.設問の終わりに(複数回答可)と書いてある場合は、いくつでも○をつけていただいて
結構です。
3.お答えになりたくない設問がありましたら、無理にお答えいただかなくても結構です。
4.2ページの一番上の「整理番号」欄には何も記入されないようお願いいたします。
77
整理番号
Ql 先生が担当された少人数セミナーが属している群をお選びください。
1.A群
2.B群
3.A・B群
4.B・D群
5.A・B・D群
Q2 先生が担当された少人数セミナーの受講学生は何人ぐらいでしたか。
1.5人未満
2.5人∼10人
3.11人以上
Q3 受講学生の所属(文系・理系)についてうかがいます。
(1)受講学生の所属分布はどうでしたか。
1.文系と理系が混在
2.文系にかたよっていた
3.理系にかたよっていた
(2)このことは授業を行う上で良かったですか。その理由もお書きください。
1.良かった。
3.どちらかといえば悪かった
理由(
2.どちらかといえば良かった
4.悪かった
)
Q4 少人数セミナーの担当は今年度で何回目ですか。
(
)回目
Q5 授業はどのような形式で行われましたか。(複数回答可)
1.講義を中心とする形式
2.テキストを指定して学生が発表することを中心とする形式
3.テーマを決めてディスカッションする形式
4.実習に参加する形式
5.学外に見学に出かける形式
6.その他(
)
Q6 どのような担当形態で授業を行われましたか。(複数回答可)
1.ひとりの教官による単独形態
2.複数教官によるグループ形態
3.複数教官によるリレー形態
4.ティーチング・アシスタントの大学院生が補助につく形態
5.その他(
78
)
Q7 今年度の少人数セミナーを担当されてのご感想をうかがいます。
(1)全体として、担当された少人数セミナーの教育成果に満足されていますか。その理由
もお書きください。
1.満足
2.どちらかといえば満足
3.どちらかといえば不満
理由(
4.不満
)
(2)学生の反応は全体としていかがでしたか。
1.良かった
3.どちらかといえば悪かった
2.どちらかといえば良かった
4.悪かった
(3)先生が担当された少人数セミナーの学生数についてはどう思われますか。
1.多すぎる
2.どちらかといえば多い
4.どちらかといえば少ない
5.少なすぎる
3.ちょうどよい
Q8 少人数制の授業形式についてうかがいます。
(1)実際に少人数セミナーを担当されてみて、学生にとって少人数の授業のどのような点
がよかったと思われますか。(複数回答可)
1.対面的できめ細かな指導ができる
2.学生一人一人の個性や能力に応じて、個別的な指導ができる
3.発表や議論などを通じて、学生が発言できる機会が多い
4.同じ授業を受けている学生同士が親しくなりやすい
5.作業や現地研修などを通して学生が得られるものが大きい
6.その他(
)
(2)少人数セミナーの中で、指導上特に留意されたことがありましたら、ご自由にお書き
ください。
Q9 これまで少人数セミナーは前期のみの開講となっていますが、この開講時期について
はどう思われますか。2または3を選択された場合、その理由もお書き下さい。
1.現行どおり、前期のみがよい
3.前期と後期の中から選択できる方がよい
5.その他(
理由(
79
2.後期のみの方がよい
4.特に希望はない
)
)
Q10 今後、少人数セミナーの内容をさらに充実させるためには、どのようにすればよいと
思われますか。(複数回答可)
1.教室・設備等をもっと整備する
2.ビデオなどの視聴覚教材を充実させる
3.もっと学生が授業に親しみを持てるよう、授業内容を工夫する
4.もっと多様な分野から学生が受講科目を選択できるようにする
5.その他(
)
Q11 少人数セミナーが「ボランティア科目」であるということについてどうお考えですか。
また、その他ご意見があれば「4.その他」の欄にお書き下さい。(複数回答可)
1.正規科目では得られない効果を求めているため、提供者の自由な発想を尊重した
ボランティア科目という位置づけは一定の意義がある
2.現状の諸条件などから、ボランティア科目という位置づけはやむをえない
3.正規科目のひとつと位置づけ、全学の教官の協力が得られやすいようにすべきで
ある
4.その他(
)
Q12 少人数セミナーの経費のサポートについてどうお考えですか。
1.正規科目と同等の扱いとすべきである
2.ボランティアであるため不要である
3.教材等の必要経費として何らかのサポートを要する
4.その他(
)
Q13 少人数セミナーについて、これまでの受講者へのアンケート調査結果からは学生の満
足度が高いとされますが、更に充実させるための方策など、ご意見やご希望がありまし
たら、ご自由にお書きください。(スペースが足りない場合は、裏面にお書きいただい
て結構です。)
※
お差し支えなければご記入下さい。
1.
今年度に担当された少人数セミナーのテーマ
2.
所属部局・お名前
ご協力ありがとうございました。
80
少人数教育部会委員名簿
平成 16 年 3 月 1 日現在
部
局
官 職
氏
名
備
高等教育研究開発推進センター
助教授
田
中
真
介
文
教
授
南
川
高
志
教 育 学 研 究 科
教
授
子
安
増
生
法
学
研
究
科
教
授
小
野
紀
明
理
学
研
究
科
教
授
山
田
耕
作
情
報
学
研
究
教
授
湯
淺
太
一
教
授
山
下
学
研
究
科
科
フィールド科学教育研究センター
部 会 長
洋
以上
81
考
7名
新入生向け少人数セミナー(ポケット・ゼミ)の現状と課題
― 平成 15 年度アンケート調査報告 ―
平成 16 年 3 月発行
編
集
京都大学高等教育研究開発推進機構
全学共通教育システム委員会
発
行
教養教育専門委員会少人数教育部会
京都大学共通教育推進部共通教育推進室
〒606-8501
京都市左京区吉田二本松町
Tel
075-753-6690