足立区ゲートキーパー 上級(多分野合同)研修 シングルマザー 2013年2月6日 NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長 1 赤石千衣子 自己紹介 赤石千衣子 あかいしちえこ [email protected] 非婚のシングルマザー(だった)。児童扶養手当が削減されるときに母子家庭 のグループに出会う。現在しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長。当事者とし てシングルマザーの状況を変えようとしている。反貧困ネット副代表。社会的 包摂サポートセンター運営委員。東日本大震災女性支援ネットワーク世話人。 編著に『母子家庭にカンパイ!』『シングルマザーのあなたに 暮らしを乗り切 る53の方法』『災害支援に女性の視点を!」ほかがある。 NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ http://www.single-mama.com (メール相談受付) ホットライン 火曜日午後3時~9時 ℡03-3263-1519 シングルマザーほっとサロン 第1土曜日午後2時~4時 世田谷らぷらす ℡03-5478-8022 第3土曜日午後2時~4時 四谷 主婦会館 ℡03-3265-8119 2 (詳細はお問い合わせを) 日本のシングルマザーの概要 • 母子123.8万世帯 父子 22.3万世帯 • 母の年齢 39.7歳 • 世帯平均人員3.42人 • 子ども以外の同居者がいる 38.8% • ひとり親になった理由 離婚80・8% 死別7.5% 非婚7.8% • 就業状況 • 就労率 母子80.8% (世界でも高い) 父子91.3% 平成23年度全国母子世帯等調査結果より http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_k osodate/boshi-katei/boshi-setai_h23/ 3 • 日本のひとり親の貧困率はOECDで最悪のレベル シングルマザーになった理由は離婚が もっとも多い 母子家庭になった理由 離婚 80% 非婚7.8% 死別 7.5% そのほか 4 離婚理由 性格が合わない/暴力をふるう/異性関係/生活 費を渡さない/精神的虐待/浪費/家庭を捨てて省みない/ 家族・親族と折り合いが悪い/酒を飲みすぎる/異常性格/ 性的不満/同居に応じない(司法統計平成23年) 母子家庭の母の就労収入181万円 700 母子世帯、父子世帯、児童の 658.1 いる世帯の収入(万円) 600 世帯収入 500 400 300 380 360 就労収入 291 181 200 正規就業率は4割で中卒だと2割(%) 100 60 52.6 50 平成23年度全国母子世帯等調査結果の概要より 39.4 37.1 40 30 42.5 19.7 20 10 0 大卒 高卒 中卒 働いているものを100とした数字 全体 06年全体 平成23年度全国母子世帯等調査結果の概要より 5 0 養育費を受け取っているの は2割しかない シングルマザーの養育費を受け取っている率 不詳, 3.8, 4% 養育費をも らっている, 19.7% 養育費を受けた ことがない, 60.7% 養育費を受けたこと がある, 15.8% 6 養育費の取り決めあり母子37.7% 父子 17.5% 養育費の平均額 母子43,482円 取り決めをしていない理由 相手に支払う意思や能力がないと思った48.6% 相手とかかりたくない23.1% 面会交流の実施 母子27.7%、父子37.4%が実施 →面会交流のトラブルも多い 困りごと1位は家計のこと ひとり親本人が困っていること 40 35 30 25 20 15 母子世帯 父子世帯 10 5 7 0 子どもの進学目標は高い ひとり親の子どもの進学目標 37.6 40 35 35.5 30 25 20 15 母子世帯 10 父子世帯 5 4 0 高校 短大 大学、大学院 8 しかし、学費は貸付金、奨学金頼み 返済に問題を抱える ことも。 生活保護の受給率は増加 母子世帯の母の生活保護の受給状況(学歴別)(%) 35 30 大卒 25 高卒 20 中卒 15 平均 10 5 0 高卒 中卒 平均 9 大卒 シングルマザーの生活は綱渡り 母子家庭の母親の就労率は非常に高い。しか し、就労収入は低いワーキングプアが多い。 母子家庭の就労率約81%。平均就労年収181万円。世帯収入でも290万円。非正規雇用が半 分以上。父子家庭の平均年収380万円。母子家庭の母には、いったん専業主婦になってい た人が多く低収入。二重就労が増加。被用者保険に加入していない人も多い。 住宅費が生活を圧迫。 母子家庭が親族と同居が増える。民間賃貸住宅に住むと給料の半分が家賃。 子どもと過ごす時間が少ない。 経済的な困難・孤立と連関。寮・託児所完備の仕事で夜働く親。ネグレクトも多い。 貸付金に頼り、返済が困難。貧困の連鎖につながる 10 教育費が不足。 母子家庭の母親は • 家計は非常に苦しいが子どもだけはなんとか一人前に したいと思い、無理をしている。 • ひとつでもさらなる負荷(子どもの病気、母親の病気、 子どもの障がい、借金、依存など)がかかると破たんし てしまうような綱渡りの生活。 「子どもがなんとか自分で暮らせるようになったら自分 は死のうと思っていた」(シングルマザーの聞き取りから) • DVの影響や離婚の大変さ、生活苦や育った家族の問 題等でうつ病となり心療内科や精神科にかかっている 母子家庭の母は多い。 11 • その無理ができなくなったときが危ない。 しんぐるまざあず・ふぉーらむへの 相談事例 • 離婚調停・審判・裁判中の悩み 期にうつ傾向が強まる この時 • DV事例が裁判で理解されない 面会交 流を要求されて困っている • 就労について • 子どもの不登校、障がい、そのほかのトラ ブルなど 12 • 生活苦 母子家庭の母親 アンケート 生活苦で死にたいと思うことがある 26% • 183人が回答。 「あなたは生活が苦しいと感じて悲しくなったり生活意欲をなくしたりす ることがありますか」 よくある 37% たまにある 50% • 上記によくある、たまにあると答えた人の中で 「心身の健康や日常生活が損なわれるほどですか?」【複数回答) 時々寝込む 12% 子どもにあたってしまう 44% 気持ちが落ち込みがち 61% しんぐるまざあず・ふぉーらむ「暮らしの中の児童扶養手当」緊急アンケート 2002年より 13 死にたいと思うことがある。 26% 母子 無理心中 母子無理心中か 簡易宿泊施設で2遺体 東京・小金井 012.9.21 21日午後1時35分ごろ、東京都小金井市梶野町の簡易宿泊施設の室内で 、女性2人が倒れているのを男性管理人が見つけ、119番通報した。駆けつ けた警視庁小金井署員が、2人が布団の上に並んだ状態で死亡しているのを 確認した。 同署によると、2人はこの部屋に住む母親(43)と長女(12)とみられ、長女 には首に絞められたような痕があり、母親は頭からポリ袋をかぶった状態で死 亡していた。いずれも窒息死とみられる。部屋には鍵がかかっており、争った ような形跡はなかったことなどから、母親が無理心中を図ったとみて詳しい状 況を調べるとともに、身元の確認を急いでいる。 簡易宿泊施設は、1日数千円程度で利用でき、自宅がない低所得者や外国 人らが長期間宿泊する際に利用されることが多い。 14 同署によると、2人は昨年2月から生活保護を受給し、同施設に住んでいた 。母親から「子供を殺して自分も死にます」といった内容の封書が21日、小金 井市役所に届き、市から連絡を受けた管理人が室内を確認したところ、2人が 倒れているのを見つけた。 ゲートキーパーとしてできること ・お話を傾聴する ・困難の解決をめざす ・解決できなくても道筋を伝える 15 ・悩んでいるのはひとりじゃない。 同じ立場のシングルマザーと出 会える場を伝える→シングルマ ザーほっとサロン 社会的支援を知っておこう 現金給付 児童扶養手当 失業給付や住宅手当等 児童育成手当 児童手当 生活保護 子育て支援 ステイ あだち子育て応援隊 ファミリーサポート事業 ショート 養育費相談 養育費相談支援センター 医療費助成 ひとり親医療費助成 就労支援 職業訓練校 面会交流 FPIC 高等技能訓練促進費 母子就業自立支援センターのパソコン講座 母子自立支援員 母子家庭の生活全般、DV等 ひとり親家庭支援センター 生活相談 毎日9:00~16:30 ℡03-5261-8687 16 相談 児童扶養手当制度とは ○目的 父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生 活の安定と自立の促進に寄与するため ○受給資格 1 父母が婚姻を解消した児童 2 父又は母が死亡した児童 3 父又は母が重度の障害にある児童 4 父又は母から引続き1 年以上遺棄されている児童 5 父又は母が引続き1 年以上拘禁されている児童 6 母が婚姻しないで生まれた児童 7 父・母とも不明である児童 8 父(又は母)が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律 (DV防止法)(平成13 年法律第31 号)第10 条第1項による保護命令を受 けた児童 17 離婚ひとり親家庭に支給(所得制限360万円) 月額 4万1430円(全部支給、年収約130万円まで) 母子家庭への支援:生活保護 ○生活保護は、憲法25 条に掲げられた「健康で文化的な最低限度の 生活」を保障するための制度。生活に困っている人であればだれて も・いつでも・どこに住んでいても過去のことや生活に困った理由に関 係なく自由に申請できます。(無差別平等の原則) ○生活保護の用件 収入が生活保護基準以下 資産を活用しても生活が保てない 働け ない、働く場がない(稼動能力) ほかの制度(年金・手当など)を使っ ても生活保護基準に満たない 18 ○申請に同行することなどが必要な場合もある 社会資源の紹介で注意点 19 社会資源の紹介には慎重な態度が 必要。シングルマザーの制度は要件 はそれなりに複雑。問題を抱えてい る人は何かの理由でひっかかってい る場合も多い。社会資源を知ってい るところにつなぐか、共感だけにとど めたほうがいい場合もある。 NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ (ホームページからメール相談受付) ホットライン 火曜日午後3時~9時 ℡03-3263-1519 シングルマザーほっとサロン 第1土曜日午後2時~4時 世田谷らぷらす ℡03-5478-8022 第3土曜日午後2時~4時 四谷 主婦会館 ℡03-3265-8119 (詳細はお問い合わせを) 20 御静聴ありがとうございました
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