ｲﾝﾀﾞｽﾄﾘｰｺﾗﾑ http://www.semiconductorportal.com マイクロエレ・ナノテク分野でカリフォルニア州全米首位維持半導体などマイクロエレクトロニクスおよびナノテクノロジーにおいて、リーダーシップという観点において米国の州、Top 10 がこのほど、Small Times 社調査で発表された。今年 4 回目となる本調査では、首位は、カリフォルニア、2 位がマサチューセッツ、3 位がニューメキシコ、以下、ニューヨーク、ミシガン、テキサス、イリノイ、メリーランド、ノースキャロライナ、オハイオ州と続いた。調査の観点は、州における技術開発について６つのカテゴリー（研究、産業、ベンチャー資本、革命、労働力、経済モデル）においてそれぞれ査定し、順位付けするという標準的な経済モデルに基づいている。６つのカテゴリーは、アイディアからスタートし、製品化、事業化へと発展するというナレッジベース経済の基本となるもので、ハイテク社会の定番の指標ともいえる。研究カテゴリーは、州における大学、産業界、国立研究機関の研究プログラム数を観点とし、最もナレッジベース経済の基本となるものである。また、同項目では、該当州の年間獲得資本金の額、同分野における研究開発期間の数、そして、全米科学財団（NSF）から支給される同分野の研究開発委託金を対象としている。産業というカテゴリーは同分野における企業数、ベンチャー資本のカテゴリーは同分野におけるベンチャーキャピタルの金額と数を対象とする。また、革命というカテゴリーでは、特許件数や連邦政府が中小企業へ至急する支援金、労働力では、ハイテク産業に必要なスキルを有した労働力を提供できるかどうか、さらにコストというカテゴリーでは、水・電気などのエネルギー料金から通勤時間にいたるまでの細かなコストを計算に入れている。マイクロエレクトロニクスおよびナノテクノロジーにおける米国Top 10州 2003 2004 2005 州ランキンランキンランキングググ 1 1 1 California 2 2 2 Massachusetts 3 3 3 New Mexico 7 4 4 New York 9 8 5 Michigan 5 5 6 Texas 8 6 7 Illinois 6 11 8 Maryland 20 17 9 North Carolina 17 10 10 Ohio 研究産業 1 4 6 2 11 9 3 5 8 10 1 2 3 5 4 7 17 11 18 10 ランキング項目ベンチャー革新資本 1 1 2 2 21 3 6 8 3 5 4 4 13 13 9 28 5 11 23 16 Small Times社労働者 4 1 3 5 17 18 14 2 10 16 コスト 50 48 24 46 27 23 38 44 32 26 Top 10 の上位 5 社の概要は次のとおり。１．カリフォルニア州カリフォルニア州は、過去 4 回の調査で初回から首位を維持している。Stanford 大学やカリフォルニア大学 Berkeley 校などを中心に起業家精神が旺盛であり、他の研究機関も合わせて、発明された研究が特許や事業化に連携されている。ベンチャー資本は新技術開発企業を支援している。ただし、全米でもっともコストが高い州でもあり、企業は一端成熟すると同州を離れるという傾向も見られる。 Copyright(C)2005 Semiconductor Portal, Inc. All Rights Reserved. http://www.semiconductorportal.com ｲﾝﾀﾞｽﾄﾘｰｺﾗﾑ２．マサチューセッツ州ハーバード大学、MIT を主体にボストンを中心としてマイクロエレクトロニクス・ナノテクノロジー開発が進められている。また、マサチューセッツ州立大学 Lowell 校は、最近、ナノマニュファクチュアリングで注目されている。３．ニューメキシコ州国立研究所 Sandia National Lab や Los Alamos Lab が主軸となっている。カリフォルニア州と比較して、企業の規模は小さいが、ニッチ分野に特化した企業を育成している。ベンチャー資本のレートが低いが、中小企業革命研究賞を設置し、若い企業育成を推進している。４．ニューヨーク州昨年、一昨年の 7 位から 4 位に浮上したニューヨーク州は、ニューヨーク州立大学、コロンビア大学、コーネル大学、レンセラーポリテクニック大学、ブルックヘーブン国立研究所などを膨大な研究インフラを擁する。アルバニーナノテクセンターの成長とともにさらに同分野での地位を高めた。同州における同分野の研究開発は 10 億ドルを越える。５．ミシガン州数十年間、自動車産業やバイオメディカルにおいての革命の中心州として重要な役割を担ってきたミシガン州は、現在、ワイヤレスマイクロシステムセンターとしての機能の強化を目標としている。ウエイン州立大学と Delphi 社のスマートセンサにおける産学協同プログラムもある。また、新規ナノ用材料として注目されるデンドリマーズなどナノマテリアルズ研究も活発に動いている。しかし労働力と研究項目での強化が同州の課題である。なお、前回 Top 10 に入っていて、今回 10 位以下になった州として、コネチカット州、ペンシルバニア州がある。さらに成長が期待できる州としては、バージニア州、フロリダ州、ウイスコンシン州が挙げられる。（2005/04/04 セミコンダクタポータル編集室） Copyright(C)2005 Semiconductor Portal, Inc. All Rights Reserved.