厄介な首飾り「アクロコルドン」 平成19年4月 木村 滋(中区・皮膚科) 40 歳以上の中高年の首に直径 2~5mm 程度、あるいはそれ以上の丘疹(皮膚の隆起)がた くさん出来ることがあります(写真)。一つ一つは軟らかく、有茎性(皮膚面との付着部が細 くなっている)のものや、柱状、糸状、袋状、扁平隆起性など様々な形になります。色は皮 膚色であったり、茶褐色から黒褐色であったりします。これらは軟性線維腫という良性の腫 瘍で、別名アクロコルドンまたはスキンタッグとよばれています。首だけでなく胸や腋窩部 (わきの下)にもできます。中に、褐色の疣状丘疹となる、小さな脂漏性角化症(別名、老 人性疣贅、これも良性腫瘍)が混在することがあります。いずれにしても、他人から見える 露出部に、このようなものが多数付着していると汚らしく、特に女性では大問題でありまし ょう。美容上の問題だけではなく、衣類を着替える時などに引っかかって痛いこともありま す。治療は、小さな有茎性のものは眼科用ハサミで茎部を切ります。茎部のないものや大き なものは液体窒素による凍結療法や電気焼灼にて取ります。特に大きなものはメスで切除し 縫合します。いずれも健康保険で治療できますので、気になる方は近くの皮膚科へ行かれる とよいでしょう。
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