陳旧性肺結核に合併し、治療困難 であった肺化膿症の一例 沖永良部徳洲会病院 漆原知佳、小野綾美、天野博哉、佐々木紀仁 春日満理子、皆吉信介、岩元幸子 症例 84歳 男性 主訴;発熱、食欲不振 既往歴;昭和30年 肺結核 昭和53年 肺化膿症 ADL;介助にてトイレ歩行可 嗜好暦;たばこ(-) 現病歴 11/1より発熱、呼吸苦出現 近医受診にて肺炎疑いにて抗生剤投与 11/1~5 CTRX 2 g/day 5日間 →11/6~9 SBT/ABPC 3 g/day 4日間 発熱継続、呼吸困難改善なく当院転院となる 現症 身長160 cm、体重35 kg 体温37.9 ℃、脈拍126、呼吸数26 血圧92/64 mmHg (通常90~110/50~70) 意識清明、ADL低下 胸部;呼吸浅、呼吸音低下 血液検査 血液学検査 WBC 7700 Hb 10.4 Plt 10.1 生化学検査 CRP 19.71 TP 5.5 Alb 2.6 BUN 13.5 CREA 0.75 来院時ABG(room air) pH 7.551 pCO2 35.3 pO2 61.4 HCO3 30.3 胸部Xp 7/14 11/10 胸部CT(11/10) アセスメント グラム染色よりグラム陰性桿菌の貪食像あり グラム陰性桿菌による肺炎・肺化膿症疑い。 嫌気性菌の可能性も考慮し ⇒CLDM 600 mg×3/day IPM/CS 0.5 g×3/day ヴェノグロブリンIH 50 ml 開始 喀痰培養提出 10月頃より先行する食欲不振あり、肺結核再燃も疑 い、好酸菌検査提出。個室隔離とする。 治療経過 O2 2LにてSpO2 98~ 100%にて経過 発熱(-) 11/13呼吸状態悪化 O2 upするも改善なく人 工呼吸管理 ⇒呼吸状態改善なし、 血圧低下し死亡 11/13 胸部Xp 反省1 結核の可能性 *ガフキー指数0号 *結核菌PCR法(ー) 当院では結核の塗抹が行えず、 迅速な対応ができな かった。 真菌の可能性 喀痰培養提出のみ。 β-Dグルカン提出、培養を待たずに抗真菌薬の使用を 検討すべき。 反省2 後日喀痰培養にてPseudomonas aeruginosa 確定診断;緑膿菌性肺炎・肺化膿症 なぜ,チエナムが効かなかったのか? #1;組織移行性の問題 #2;チエナム耐性緑膿菌 当院にてチエナム耐性緑膿菌増えており、それ を考慮した抗生剤の選択が必要であった。 血液検査 来院時ABG(room air) pH 7.551 pCO2 35.3 pO2 61.4 HCO3 30.3 血液学検査 WBC 7700 Hb 10.4 Plt 10.1 生化学検査 CRP 19.71 TP 5.5 Alb 2.6 BUN 13.5 CREA 0.75
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