日消外会誌 17(9)i1800,1984年 早期 CTに よる急性肝炎 の重症度分類 の試み 桂 植 畠 山 一 死 曹 急性陣炎 の治療方針 お よび手術適応 の基準 は施設 に よ り差異 が あ り, 統 一 され てい ないのが現状 で あ る. そ こ で, 著 者 ら は 急 性 陣 炎 の 早 期 C T 像 を 中作 修 表 急 性解炎の腹部 C T 所 見 retrospectiveに 検 討 を加 えた ところ,重 症度判定 お よ び手術適応 の決定 に早期 CT像 が非常 に有用 と思われ たので報告す る。 対 象 お よび方法 過 去 3年 間 に急性膵 炎 と診 断 し, 入院後 24時間以内 (発症 よ り48時間以内)に腹部 CTが 行われた10症例 につ いて CTス コア と臨床 ス コアを検 討 した。開腹 ドレナ ー ジ術 を施行 した 4症 例 (急性壊 死性膵 炎)を A群 ,保 存 的治療 で軽快 した 6症 例 を B 群 とした.腹 部 CTの 所見 は表 の ご と く10項 目を検 討 し,各 項 目を 1点 とした 。 また 臨床 ス コアは1978年の 日本 解臓 病研究会 1)で 検 討 され た 急性膵 炎死亡例 の 臨 床症状 8項 目お よび臨床検査 14項 目を用 い,各 項 目を 1点 として計算 した。 q み とめ られ た 。 開腹 手 術 を施 行 した 4症 例 は い ず れ も コ アが 6点 以上 で あ り, う ち 8点 の 2症 例 は 各 CTス 種 合 併 症 で死 亡 した 。こ れ とは 対 照 的 に 3点 以 下 の 症 例 は 臨 床 ス コ ア,Ransonの 重 症 度 判 定 いか ん に か か コアは A群 で最 高 8,最 低 6(平 均7.3 で 点),B群 最高 6,最 低 1(平 均 2.8点)で あ った 。 CTス コアは A群 と B群 の間 に有意差 (p<0.01)を み わ らず 保 存 的 治療 で 軽 快 した 。 とめた.臨 床 ス コアは A群 で最高11,最 低 7(平 均8.8 点),B群 で最高 8,最 低 3(平 均 5.5点)であ り,A群 存 的 に行 うも臨床 所 見 な らび に CTに と B群 の間 に有意差 (p<0.05)を み とめた。 例 i保 存 的 治 療 の 可能 な症 例 (3≧ CTス 考 察 急 性膵 炎 の 重症 度 分類 に つ い て は Ransonり の基準 が有名であ る。本邦 で も臨床症状や検査成績 に しえた . 結 果 CTス もとづ いて種 々分類 されてい るが,報 告者 に よって さ まざまで あ る。外科的立場 か らは,重 篤 な合 併症 の発 現 をみ ない早 期 に手術適応 を決定 す る必 要 が あ り,そ の際 に参考 とな る客 観性 に優 れた指 標 が望 まれ る とこ ろで あ る。Dammonの が 臨床所 見 とは異 な りCT所 見 は手術所 見 とよ く一 致す る と指摘 してい るよ うに急性 陣炎 にお け る腹部 CTは 病変 の広 が りを客観的 に知 り うる利 点があ る.自 験 10例の検 討 において も陣 炎病変 の増強拡大 に したが って cTス コァが上 昇す る傾 向 が 以上 よ り CTス の 適 応 症 例 (CTス ヨ アに よつ て , I。 重 症 例 :開 腹 術 コ ァ ≧ 6),II。 中等 症 例 :一 応 保 観 察 が 必 要 な 症 例 (6>CTス よ る厳 重 な経 過 コ ア ≧ 4),Ⅱ I.軽 症 コ ア)と 分 類 索引用語 :急 性陣炎の重症度分類 文献 :1)前 田三郎 :急 性膵炎の病 態 と治療.東 京,医 学図書 出版,1978,p141-142 2)Ranson JH,Ri← kind K,Rose DF et al: PrognOstic signs and the role Of Operative management in acute pancreatitis. Surg Gynec01 0bstet 139:69-81,1974 3)Dam‐ man HG,Grabbe E,EichfOss IP et ali Computed tomography and clinical severity of acute pan‐ creatitis Edited by LF Hollender.Berlin Heiderber‐ g,Springer‐Verlag,1982,p72-77 EVALUAT10N OF SEVERITY BYヽ VHOLE BODY CT IN ACUTE PANCREATITIS Keishoku CHO,Gen HATAKEYAMA and Osamu NAKASAKU Div.of Emergency and Critical Care Med.,HyOgo Oollege of Medicine <1984年 7月 11日受理>別 刷請求先 !盲 桂 植 〒 663西 官市武庫川町 1-1 兵 庫医科大学救急部
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