大腸・肛門外科を新たに開設 詳しくはこちら

大腸・肛門外科を新たに開設
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2016 年 2 月より新たに大腸・肛門外科を開設しました。毎週火曜日午後 3 時より外来診療を行っています。
肛門の病気、鼠径部ヘルニア(脱腸)でお悩みの方は受診をお勧めします。飯田善郎医師が診察・
手術を担当します。飯田善郎医師はこれまで福井県済生会病院において大腸肛門疾患・鼠径部ヘルニアの
診療に従事し、現在も福井県済生会病院において診療(再診)をおこなっています。
Ⅰ.肛門の病気
1.内(外)痔核
手術が必要な場合、手術方法には4腫類あります。マクギブニー輪ゴム結紮術、ジオンによる硬化療法、結
紮切除術、PPH です。各方法それぞれ長所短所があります。輪ゴム結紮術、ジオンは入院せず日帰り(外来で)
治療が可能ですが、結紮切除術、PPH は入院が必要です。
術後の痛みはジオンが最も軽度です。結紮切除術が最も痛みが強く、入院期間もが長く仕事も長く休まなけ
ればなりません。PPH は入院期間は短く早く仕事に行けます。再発に関しては、福井県済生会病院における術
後15年の累積再発率の検討では、ジオンが 13.7%、結紮切除術 3.7%、PPH(低位吻合.3 使用群)
2.7%の順に再発が少ない結果でした。輪ゴム結紮術も比較的再発は低率です。
2.痔瘻
痔瘻は手術しても治らない場合があり、再発も多くまた手術により肛門をしめる筋肉を傷つけて術後便が垂れ
流しになる場合もあり肛門の手術の中で最も気を使う病気です。当院では皮膚・肛門上皮切除下・瘻管全摘・
括約筋間閉鎖術という独特の方法を行っています。この方法による福井県済生会病院における再発率は
1.0%と極めて低い結果でした。また手術の後便が漏れて困るという方は 1 人もありませんでした。
3.裂肛・肛門狭窄症
裂肛は肛門が狭く強い痛みを訴える病気ですが、当院では括約筋切開・皮膚移動術という手術を行っていま
す。この手術により各術に痛みはなくなり、再発は手術して 10 年後に再発した 1 人(0.6%)だけでした。また
手術の後、便が漏れると訴えた方は一人もいませんでした。
4.直腸脱
直腸が脱出して日常生活に大変不具合が生じる病気です。高齢の女性に多い病気です。多くの手術方法
がありますが、当院では、直腸縫縮・肛門輪縫縮術(ガント・三輪ティ-ルシュ法)という手術を行っています。こ
の手術は数ある手術の中でもっとも体の負担が軽く、お年寄りにも安心して行う事が出来ます。また再発も福井
県済生会病院における検討では 2.0%と低率です。
5.肛門癌・直腸癌に対する直腸切断・薄筋形成・新肛門作成術
肛門にできた癌や肛門に非常に近い直腸にできた癌は、現在でも多くの場合、癌のとり残しがないように、肛
門直腸をすべて切除しおなかより便の出る永久的人工肛門を作らなければいけません。しかしこの人工肛門は具
合の悪いことも多く非常に嫌がる方も多くおられます。我々はこれらの方に対して、2006 年 6 月より人工肛門を
おなかではなくおしりに作り、それだけではしまりがないため、足の薄筋という筋肉をまわりに巻きつけしまりを持たせ
る薄筋形成・新肛門作成術を福井県済生会病院にて開始しました。この手術を受けられた方は、全員人工肛
門よりもよいと答えられ大変満足しておられます。
Ⅱ.鼠径部ヘルニア(脱腸)
おなかの壁の一部が弱くなり、腸などおなかの中の臓器が飛び出そうとしてふくらんでくる病気です。時に出てき
た腸が戻らなくなり、くさってくると、緊急で腸を切除しなければならない場合があります。そのような理由で、あなが
ある場合はあらかじめ閉じておいた方がよいわけです。最近では、弱い部分に人工の布をあてるメッシュ法という方
法が主流になっています。
我々は、手術の後の合併症が極力少ないように努め、また再発のなるべく少ないメッシュを用いるように努めて
います。
医療法人 慈豊会 田中病院
福井市大手 2-3-1
℡0776-22-8500