作 成 日 ; 2015 年 11 月 7 日 スウェーデン王国 特許庁の所在地: The Swedish Patent and Registration Office (PRV) Patent Department: P. O. Box 5055, SE-102 42 Stockholm Designs & Trademarks Department: P. O. Box 530, SE-826 27, Soderhamn Tel: 46-8-782-2500 Fax: 46-8-666-0286 Email: [email protected] Website: www.prv.se 1 目 次 <共通情報> 1.加盟している産業財産権関連の条約 2.特許審査ハイウェイ実施状況 3.現地代理人の必要性有無 4.現地の代理人団体の有無(存在する場合は連絡先も含む) 5.出願言語 6 . そ の 他 関 係 団 体 (連 絡 先 ) 7.特許情報へのアクセス方法 <特許制度> 1.現行法令について 2.特許出願時の必要書類 3.料金表 4.料金減免制度について(存在する場合) 5.実体審査の有無 6.出願公開制度の有無 7.審査請求制度の有無 8 . 出 願 か ら 特 許 ま で の 手 続 の 流 れ (フ ロ ー チ ャ ー ト 及 び 期 限 等 を 含 む 説 明 ) 9.特許権の存続期間及びその起算日(権利の発生日) 10. PCTに 加 盟 し て い る 場 合 、そ の 国 内 段 階 手 続 の 概 要( 国 内 段 階 移 行 期 限 等 ) 11. 留 意 事 項 <実用新案制度> 存在しません。 2 <意匠制度> 1.現行法令について 2.意匠出願時の必要書類 3.料金表 4.料金減免制度について(存在する場合) 5.実体審査の有無 6.出願公開制度の有無 7.審査請求制度の有無 8 . 出 願 か ら 登 録 ま で の 手 続 の 流 れ (フ ロ ー チ ャ ー ト 及 び 期 限 等 を 含 む 説 明 ) 9.存続期間及びその起算日(権利の発生日) 10. 部 分 意 匠 制 度 の 有 無 11. 留 意 事 項 <商標制度> 1.現行法令について 2.商標出願時の必要書類 3.料金表 4.料金減免制度について(存在する場合) 5.実体審査の有無 6.出願公開制度の有無 7.審査請求制度の有無 8.出願から登録までの手続きの流れ(フローチャート及び期限等を含む説明) 9.存続期間及びその起算日(権利の発生日) 10. 出 願 時 点 で の 使 用 義 務 の 有 無 11. 保 護 対 象 12. 留 意 事 項 3 共通情報 1.加盟している産業財産権関連の条約 (1)パ リ 条 約 ( Paris Convention) (2)特 許 協 力 条 約 ( PCT) (3)欧 州 特 許 条 約 ( European Patent Convention) (4)微 生 物 の 寄 託 の 国 際 承 認 に 関 す る ブ タ ペ ス ト 条 約 ( Budapest Treaty) (5)WIPO 設 立 条 約 ( WIPO) (6)植 物 新 品 種 保 護 に 関 す る 国 際 条 約 ( UPOV) (7)世 界 貿 易 機 構 ( WTO) (8)標 章 の 国 際 登 録 に 関 す る マ ド リ ッ ド 協 定 議 定 書 (Madrid Protocol) (9)国 際 特 許 分 類 に 関 す る ス ト ラ ス ブ ー ル 協 定 ( IPC) 2.特許審査ハイウェイ実施状況 日 本 国 特 許 庁 の ウ ェ ブ ペ ー ジ に 特 許 審 査 ハ イ ウ ェ イ ( PPH: Patent Prosecution Highway) の 実 施 状 況 に つ い て 詳 細 の 説 明 が あ り ま す 。 http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/patent_highway.htm 日 ・ ス ウ ェ ー デ ン PPH、 PCT-PPH に つ い て は 、 以 下 を 参 照 下 さ い 。 http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/japan_sweden_highway.htm 3.現地代理人の必要性有無 ス ウ ェ ー デ ン 国 内 に 住 所 を 有 し て い な い 出 願 人 は 、現 地 代 理 人( 弁 理 士 又 は 弁護士)を選任しなければなりません。 4.現地の代理人団体の有無 The Swedish Patent Attorneys Association (SPOF と 呼 ば れ て お り ま す )。 c/o Torna Patentradgiving, Rosterigrand 12, SE-11761, Stockholm, Sweden Email; [email protected] Website: http//:spof.se 5.出願言語 特許はスウェーデン語以外の言語で出願できます。 意匠はスウェーデン語以外にデンマーク語およびノルウェー語出願ができます。 2014 年 7 月 1 日 以 降 の 出 願 に 関 し て 、英 語 で 出 願 し 、英 語 に よ る 言 語 で も っ て 特許の付与を求めることができるようになりました。 詳 細 は 、 特 許 制 度 項 目 11 の 留 意 事 項 を 参 照 下 さ い 。 4 6.その他関係団体 JETRO Stockholm Office Kungsgatan 48, 4 t h Floor, 11135 Stockholm, Sweden Tel: 46-8-4118173 Fax: 46-8-4111888 7.特許情報へのアクセス方法 http://www.prv.se/ → Patent→ Svensk Patentdatabas→ Enkel/Avancerad http://www.prv.se/In-English/ → Patents→ Swedish Patent Database→ Quick Search/Advanced Search 5 特許制度 1.現行法令について 2014 年 7 月 1 日 施 行 の 改 正 特 許 法 が 適 用 さ れ て い ま す 。 2.特許出願時の必要書類 (1)願 書 ( Request) 出 願 人 の 名 称 、発 明 者 の 氏 名 、現 地 代 理 人 の 氏 名 、優 先 権 主 張 の 場 合 に はその情報等を記載します。 現地代理人が作成し、署名して提出することができます。 (2)明 細 書 及 び ク レ ー ム ( Specification & Claims) ス ウ ェ ー デ ン 語 以 外 の 言 語 に よ る 明 細 書 等 の 提 出 に よ り 、出 願 す る こ と ができます。 (3)必 要 な 図 面 及 び 要 約 ( Drawings & Abstract) (4)委 任 状 ( Power of Attorney) 出願人が署名します。認証は不要です。 (5)優 先 権 証 明 書 ( Priority Document) 優 先 権 証 明 書 は 、優 先 日 か ら 16 ヶ 月 以 内 に 提 出 し な け れ ば な り ま せ ん 。 (6)優 先 権 証 明 書 の 翻 訳 文 (Translation of Priority Document) 翻 訳 者 の 宣 誓 書 (Certification)を 添 付 し て 提 出 す る 必 要 が あ り ま す 。 (7)優 先 権 譲 渡 証 ( Assignment of Priority Right) 最初の出願の出願人とスウェーデン出願の出願人が異なる場合には、 優先権譲渡証の提出が必要です。 3 . 料 金 表 ( 単 位 : ス ウ ェ ー デ ン ・ ク ロ ー ネ ( SEK) で す 。) (1)出 願 料 金 : ①基本料金 3,000 ② 10 個 以 上 各 ク レ ー ム 当 た り 追 加 料 金 150 (2)特 許 付 与 料 金 : ①明細書 8 頁まで 1,400 ②明細書 8 頁以上各頁当たり追加料金 175 (3)年 金 : ①1 年度 300 ②2 年度 450 ③3 年度 550 ④4 年度 1,000 ⑤5 年度 1,300 6 ⑥6 年度 1,600 ⑦7 年度 1,800 ⑧8 年度 2,200 ⑨9 年度 2,500 ⑩ 10 年 度 2,800 ⑪ 11 年 度 3,100 ⑫ 12 年 度 3,400 ⑬ 13 年 度 3,800 ⑭ 14 年 度 4,100 ⑮ 15 年 度 4,400 ⑯ 16 年 度 4,700 ⑰ 17 年 度 5,000 ⑱ 18 年 度 5,400 ⑲ 19 年 度 5,700 ⑳ 20 年 度 6,000 4.料金減免制度について 減免制度の規定が存在するか否か不明です。 5.実体審査の有無 実体審査が行われます。 6.出願公開制度の有無 出願公開制度が採用されております。 7.審査請求制度の有無 審査請求制度は採用されておりません。 8 . 出 願 か ら 登 録 ま で の 手 続 の 流 れ (フ ロ ー チ ャ ー ト 及 び 期 限 等 を 含 む 説 明 ) (1)方 式 審 査 出 願 書 類 が 提 出 さ れ ま す と 、出 願 手 数 料 が 納 付 さ れ て い る か 、又 は 特 許 付与のための言語が選択されているか等について、審査が行われます。 (2)出 願 公 開 出 願 日 ( 又 は 優 先 日 ) か ら 18 ヶ 月 経 過 後 、 出 願 書 類 は 公 開 さ れ ま す 。 なお、早期公開を請求することもできます。 (3)不 特 許 事 由 次の事由は発明とはみなされません。 (a)芸 術 的 な 創 作 物 で あ る 場 合 7 (b)発 見 や 、 科 学 上 の 理 論 に 過 ぎ な い 場 合 又 は 算 術 的 な 方 法 の 場 合 (c)精 神 的 な 行 為 の 場 合 、 遊 戯 方 法 や 商 業 的 な 活 動 の た め の 計 画 等 の 場合 (d)コ ン ピ ュ ー タ プ ロ グ ラ ム 自 体 の 場 合 (e)単 な る 情 報 の 提 供 の 場 合 (f)公 序 良 俗 に 反 す る お そ れ が あ る 発 明 の 場 合 (g)人 体 又 は 動 物 体 の 治 療 的 処 理 方 法 の 場 合 等が該当します。 (4) 新 規 性 ① 出 願 日 前( 又 は 優 先 日 前 )に 、出 願 に 係 る 発 明 が 世 界 の い ず れ か の 場 所 に お い て 公 知 、公 用 又 は 刊 行 物 に 掲 載 さ れ て い る 場 合 は 、新 規 性 を 有 し ま せ ん ( 絶 対 新 規 性 の 採 用 で す )。 ② 更 に 、出 願 後 に 、出 願 公 開 さ れ た 先 の 出 願 当 初 の 明 細 書 等 に 記 載 さ れ た 発 明 と 同 一 で あ る 後 の 出 願 は 、出 願 人 の 同 一 に 拘 わ ら ず 、特 許 を 受 け る こ と が で き ま せ ん( ホ ー ル コ ン テ ン ト ア プ ロ ― チ の 採 用 で す )。 ③なお、一定の場合には、新規性喪失の例外が適用されます。 I)出 願 日 前 6 ヶ 月 以 内 に 、特 許 を 受 け る 権 利 を 有 す る 者 の 意 に 反 し て 公知となった発明 II)出 願 日 前 6 ヶ 月 以 内 に 、 国 際 博 覧 会 に 展 示 さ れ た 発 明 (5)対 応 外 国 出 願 の 審 査 結 果 の 提 出 ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 は 、ス ウ ェ ー デ ン 出 願 の 優 先 権 主 張 の 基 礎 と な る 出 願 を 含 め 、対 応 外 国 出 願 が あ る 場 合 に は 、こ れ ら 外 国 出 願 の 審 査 結 果 等 の情報の提出を要求することができます。 (6) 審 査 手 続 き ① 新 規 性 や 進 歩 性 の 実 体 的 要 件 の 審 査 の 後 、 審 査 官 は 「 Technical Notice」 又 は 「 Final Notice」 を 発 行 し ま す 。 ② 審 査 の 結 果 、例 え ば 、審 査 さ れ た 発 明 が 他 の 発 明 と 同 一 性 が あ る と 判 断 さ れ た 場 合 等 、特 許 付 与 に 対 し て 障 害 が あ る と 判 断 さ れ た 場 合 に は 、 Technical Notice が 発 行 さ れ ま す 。 こ の Technical Notice に 対 す る 応 答 期 間 は 通 常 4 ヶ 月 で 、 出 願 人 は 意見書や補正書を提出することができます。 こ の 期 間 内 に 応 答 で き な い 場 合 は 、2 ヶ 月 間 の 期 間 の 延 長 が 認 め ら れ ます。 なお、この期間内に応答しなかった場合には、出願は放棄された ものとみなされます。 ③ 上 記 Technical Notice に 対 す る 応 答 の 結 果 、 依 然 と し て 特 許 付 与 で きないと判断された場合には、出願拒絶の決定書が発行されます。 8 こ の 決 定 に 対 し て 、 出 願 人 は 裁 判 所 ( Court of Patent Appeals) 控訴することができます。 ④ 一 方 、審 査 官 が 出 願 に 係 る 発 明 が 特 許 付 与 に 際 し 何 ら 障 害 に な ら な い と 判 断 し た 場 合 に は 、 Final Notice を 発 行 し ま す 。 こ の Final Notice に お い て 、 出 願 人 は 特 許 の ベ ー ス と な る ク レ ー ム 等の書類を同意することが求められます。 ⑤ 審 査 官 は 上 記 出 願 人 か ら 同 意 を 得 た 後 、特 許 付 与 料 金( Granting Fee) の 納 付 を 求 め 、又 特 許 が 英 語 で 付 与 さ れ る 場 合 に は 、ス ウ ェ ー デ ン 語 によるクレームの翻訳文の提出を求めます。 これらの手続きが採られた後、特許庁は特許を付与します。 (7)不 服 申 立 て 特 許 庁 の 最 終 決 定 に 対 し て 、出 願 人 は 決 定 日 か ら 2 ヶ 月 以 内 に 、裁 判 所 (The Court of Patent Appeals)に 対 し て 控 訴 す る こ と が で き ま す 。 (8)特 許 付 与 特 許 査 定 に 対 し て 、出 願 人 は 特 許 付 与 の 納 付 を 求 め ら れ て 日 か ら 2 ヶ 月 以内に、特許付与の手数料を納付する必要があります。 そ の 後 、特 許 付 与 日 が 特 許 原 簿 に 登 録 さ れ 、異 議 申 立 て の 期 間 、9 ヶ 月 間の起算日とされるとともに、出願人に特許証が送付されます。 (9)特 許 後 の 異 議 申 立 て 特許付与日から 9 ヶ月以内に、異議申立てをすることができます。 主な異議申立て理由は次の通りです。 ①特許要件を満たしていない出願に対して特許された場合 ②明細書記載の発明が不十分に拘わらず特許された場合 等です。 (a)異 議 申 立 て が あ る と 、 異 議 申 立 書 の 副 本 が 特 許 権 者 に 送 達 さ れ 、 特許権者は答弁書の提出や補正書を提出することができます。 (b)異 議 申 立 て に 理 由 が あ る と 認 め ら れ た 場 合 、 特 許 は 取 り 消 さ れ ま す 。 (c)特 許 を 取 り 消 さ れ た 特 許 権 者 は 、 そ の 取 消 決 定 に 不 服 を 有 す る 場 合 は、決定の日から 2 ヶ月以内に裁判所に対して不服申立をすること ができます。 9 出願から特許までの手続きのフローチャート: 特許 出願 方式 審査 出願 公開 実体 審査 (他国の審査結果提出要求可能) Final Notice Technical Notice ----------------<指定期間 4 ヶ月> ( 意 見 書 /補 正 書 提 出 ) -------------------- 特 許 付 与 通 知 <2 ヶ月以内> ------------------ 登録 拒絶査定 -------------------- 異議申立可能 <9 ヶ月以内> <査定日から 2 ヶ月> 特許権消滅 不服申立て ( 出 願 日 か ら 20 年 ) 10 -------------------- 日・スウェーデン特許審査ハイウェイ (1)日 本 と ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 は 2011 年 6 月 1 日 よ り 特 許 審 査 ハ イ ウ ェ イ 施 行プログラムを実施しております。 特 許 審 査 ハ イ ウ ェ イ (PPH)は 、あ る 特 定 の 国 の 国 内 出 願 の 審 査 結 果 を 利 用 し て 、又 PCT 国 際 段 階 成 果 物 を 利 用 し て 、他 国 に お い て 発 明 の 早 期 権 利 化 を図ることを可能とするために採用された制度でした。 し か し な が ら 、従 来 の 上 記 PPH は 種 類 が 異 な っ て お り 、又 各 国 に お い て ど の PPH を 利 用 す る こ と が で き る の か 分 か り に く く 、制 度 自 体 が 複 雑 で し た 。 (2)そ こ で 、特 許 庁 は 他 国 の 特 許 庁 と の 間 で 利 用 で き る PPH の 種 類 を 共 通 化 し た 、 多 数 国 間 の 枠 組 み で の 「 グ ロ ー バ ル 特 許 審 査 ハ イ ウ ェ イ (Global Patent Prosecution Highway Pilot Program)(GPPH)を 開 始 す る こ と に 合 意しました。 そ の 結 果 と し て 、 特 許 出 願 が GPPH に 参 加 し て い る 特 許 庁 間 で 特 許 可 能 と 判 断 さ れ た 場 合 に は 、国 に よ り ど の PPH が 利 用 可 能 な の か 区 別 す る 必 要 が な く な り 、特 許 庁 間 で 全 て の 種 類 の PPH を 申 請 す る こ と が 可 能 と な り ま し た。 (3)GPPH 参 加 特 許 庁 は 次 の 通 り で す ( 2015 年 7 月 6 日 現 在 ) 日本、米国、韓国、英国、ドイツ、デンマーク、フィンランド、ロシア、 オーストリア、シンガポール、ハンガリー、カナダ、スペイン、 スウェーデン、北欧特許庁、ノルウェー、アイスランド、イスラエル、 ポルトガル、オーストラリア、及びエストニア 以 下 、国 内 出 願 の 審 査 結 果 を 利 用 し た グ ロ ー バ ル 特 許 審 査 ハ イ ウ ェ イ に つ い て 、又 PCT 国 際 段 階 成 果 物 を 利 用 し た 特 許 審 査 ハ イ ウ ェ イ に つ い て 、概 説します。 (A)国 内 出 願 の 審 査 結 果 を 利 用 し た グ ロ ー バ ル 特 許 審 査 ハ イ ウ ェ イ (GPPH): GPPH に 基 づ い た 早 期 審 査 を ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 に 申 請 す る 場 合 の 要 件 (1)申 請 要 件 : ① PPH を 申 請 す る ス ウ ェ ー デ ン 出 願 及 び 対 応 す る 先 行 庁 出 願( 上 記 参 加 特 許 庁 へ の 出 願 )に お い て 、優 先 日 又 は 出 願 日 の う ち 、最 先 の 日 付 が 同一である場合。 例えば、 (a)先 行 庁 出 願 に 基 づ い て 正 当 な パ リ 条 約 に 基 づ く 優 先 権 を 主 張 し て いるスウェーデン出願の場合 (b)先 行 庁 出 願 に 基 づ い て 正 当 な パ リ 条 約 に 基 づ く 優 先 権 を 主 張 し て 11 PCT 出 願 を し 、 ス ウ ェ ー デ ン 出 願 が そ の PCT 出 願 の 国 内 移 行 出 願 の場合等 ② ス ウ ェ ー デ ン 出 願 に 対 応 す る 先 行 庁 出 願 が 存 在 し 、す で に 特 許 可 能 と 判断された一又は複数の請求項を有すること。 ③ GPPH に 基 づ く 審 査 を 申 請 す る ス ウ ェ ー デ ン 出 願 の 全 て の 請 求 項 が 、 対応する先行庁出願の特許可能と判断された一又は複数の請求項と 十分に対応しているか、十分に対応するように補正されていること。 ④ ス ウ ェ ー デ ン 出 願 に 関 し て 、ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 に お い て PPH 申 請 時 に Final Notice が 発 行 さ れ て い な い こ と 。 (2)提 出 す べ き 書 類 : ① 対 応 す る 先 行 庁 出 願 に 対 し て 、先 行 庁 特 許 庁 審 査 官 か ら 出 さ れ た 全 て の オ フ ィ ス ア ク シ ョ ン の 写 し 、及 び そ の 英 語 又 は ス ウ ェ ー デ ン 語 の 翻 訳文。 (a)オ フ ィ ス ア ク シ ョ ン の 写 し 及 び そ の 翻 訳 文 が 、 先 行 庁 の ド シ エ ・ アクセス・システムにおいて提供されている場合は、提出する必 要はありません。 (b)但 し 、 ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 の 審 査 官 が 、 先 行 庁 の ド シ エ ・ ア ク セ ス・システムによりオフィスアクションの写しを入手できない場 合には、提出するよう要求されます。 ② 対 応 す る 先 行 庁 出 願 の 特 許 可 能 と 判 断 さ れ た 請 求 項 の 写 し 、及 び そ の 英語又はスウェーデン語の翻訳文。 (a)特 許 可 能 と 判 断 さ れ た 全 て の 請 求 項 の 写 し が 先 行 庁 の ド シ エ ・ ア クセス・システムにおいて提供されている場合は、提出する必要 はありません。 (b)但 し 、ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 の 審 査 官 が 先 行 庁 の ド シ エ・ア ク セ ス・ システムにより特許可能と判断された全ての請求項の写しを入手 できない場合には、提出するよう要求されます。 ③対応する先行庁出願のオフィスアクションにおいて審査官が提示し た引用文連の写し。 (a)引 用 文 献 が 特 許 文 献 の 場 合 、 一 般 的 に ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 が 保 有 していますので、提出を省略することができます。 (b)但 し 、 ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 が 保 有 し て い な い 文 献 の 場 合 に は 、 審 査官の求めに応じて、これらの書類を提出する必要があります。 (c)引 用 文 献 が 、 非 特 許 文 献 の 場 合 、 提 出 を 省 略 す る こ と は できません。 なお、非特許文献の翻訳文の提出は不要です。 ④請求項の対応表の提出 12 スウェーデン出願の全ての請求項と対応する先行庁出願の特許許可 を判断された請求項との関係を示す請求項対応表の提出です。 (B)PCT 国 際 段 階 成 果 物 を 利 用 し た 特 許 審 査 ハ イ ウ ェ イ (PCT-GPPH): ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 に 出 願 さ れ た 出 願 が 、以 下 の 要 件 を 満 た す 必 要 が あ り ます。 (1)申 請 要 件 : ①スウェーデン出願に対応する国際出願の国際段階における成果物、 即 ち 、国 際 調 査 機 関 が 作 成 し た 見 解 書 (WO/ISA)、国 際 予 備 審 査 機 関 が 作 成 し た 見 解 書 (WO/IPEA)及 び 国 際 予 備 審 査 報 告 (IPER)、 特 許 性 に 関 す る 国 際 予 備 報 告 (IPRP)の う ち 、最 新 に 発 行 さ れ た も の に お い て 特 許 性有りと示された請求項が少なくとも1つ存在すること。 ②スウェーデン出願と対応する国際出願が次のいずれかの関係を有す ること。例えば、 (a)ス ウ ェ ー デ ン 出 願 が 、 対 応 す る 国 際 出 願 の 国 内 段 階 移 行 出 願 で あ る場合 (b)ス ウ ェ ー デ ン 出 願 が 、 対 応 す る 国 際 出 願 の パ リ 条 約 優 先 権 主 張 の 基礎となっている場合 (c)ス ウ ェ ー デ ン 出 願 は 、 対 応 す る 国 際 出 願 を パ リ 条 約 優 先 権 主 張 に 基礎とする国際出願の国内段階移行出願である場合 ③ ス ウ ェ ー デ ン 出 願 の 全 て の 請 求 項 が 、対 応 す る 国 際 出 願 の 最 新 国 際 段 階成果物で特許可能と判断された一又は複数の請求項と十分に対応 しているか、十分に対応するように補正されていること。 ④ ス ウ ェ ー デ ン 出 願 が ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 に お い て PCT-GPPH 申 請 時 に Final Notice の 書 類 が 発 行 さ れ て い な い こ と 。 (2)提 出 す べ き 書 類 : 所定の申請書に、以下の書類を添付する必要があります。 ①最新国際段階成果物の写し (a)ス ウ ェ ー デ ン 出 願 が 対 応 す る 国 際 出 願 の 国 内 移 行 段 階 出 願 で あ る 場合、スウェーデン出願の包袋情報として特許性に関する国際段 階成果物の写しが入手可能なため、提出を省略することができま す。 (b)ま た 、PATENTSCOPE(登 録 商 標 )で 最 新 国 際 段 階 成 果 物 の 写 し が 取 得 可能である場合、スウェーデン特許庁から要求されない限り、提 出を省略することができます。 ②最新国際段階成果物で特許性有りと示された請求項の写し (a)PATENTSCOPE(登 録 商 標 )で 、特 許 性 有 り と 示 さ れ た 請 求 項 の 写 し が 取 得 可 能 で あ る 場 合 、ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 か ら 要 求 さ れ な い 限 り 、 13 提出を省略することができます。 (b)な お 、 特 許 可 能 と 判 断 さ れ た 請 求 項 の 翻 訳 が 必 要 な 場 合 は 、 提 出 する必要があります。 ③最新国際段階成果物で提示された文献の写し (a)特 許 文 献 の 場 合 、 ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 は 入 手 可 能 で す の で 、 提 出 を省略することができます。 (b)非 特 許 文 献 の 場 合 は 、 提 出 を 省 略 す る こ と は で き ま せ ん 。 (c)な お 、 文 献 の 翻 訳 は 必 要 あ り ま せ ん 。 ④請求項対応表 スウェーデン出願の全ての請求項と対応する国際出願成果物の特許 可能と判断された請求項の対応を示す請求項対応表の提出です。 ⑤申請の様式 上 記 書 類 と と も に PCT-GPPH に 基 づ く 早 期 審 査 申 請 様 式 を 提 出 す る 必 要があります。 (3)PCT-GPPH に 基 づ く 早 期 審 査 に 関 す る 手 続 き : ① ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 は 、 申 請 書 を 受 理 し た 場 合 、 PCT-GPPH に 基 づ く 早期審査の対象として選定するか否かを決定します。 ② ス ウ ェ ー デ ン 特 許 庁 が 、申 請 を 認 め た 場 合 、早 期 審 査 の 対 象 案 件 と し て特別な地位が与えられます。 ③ 申 請 要 件 の 全 て を 満 た し て い な い 場 合 、出 願 人 は そ の 旨 及 び そ の 不 備 について通知されます。 な お 、出 願 人 は 申 請 を 修 正 す る こ と が で き ま す が 、不 備 が 修 正 さ れ な い場合には、出願は通常の順番で審査待ちとなります。 9 . 特 許 権 の 存 続 期 間 及 び そ の 起 算 日 (権 利 の 発 生 日 ) (1)特 許 権 の 存 続 期 間 は 、 出 願 日 か ら 20 年 で す 。 特許権の設定登録日より発生します。 (2)出 願 を 維 持 す る た め に 出 願 か ら 第 3 年 目 か ら 、 い わ ゆ る 出 願 維 持 年 金 を 納付する必要があります。 10. PCT に 加 盟 し て い る 場 合 、 そ の 国 内 段 階 手 続 の 概 要 (国 内 段 階 移 行 期 限 等 ) (1)国 内 段 階 移 行 期 限 : 優 先 日 か ら 31 ヶ 月 以 内 で す 。 (2)提 出 す べ き 書 類 : 以下の書類のスウェーデン語による翻訳文の提出が必要です。 ①明細書、請求の範囲、要約及び図面の文言 ② 19 条 補 正 が さ れ た 場 合 に は 、出 願 人 の 選 択 に よ り 、補 正 後 の ク レ ー ム 14 の翻訳文、又は出願時のクレームのいずれかの翻訳文を含めることが できます。 11. 留 意 事 項 (1)出 願 の 際 : 冒 頭 で 触 れ ま し た よ う に 、2014 年 7 月 1 日 以 降 の 国 内 出 願 に つ い て 、手 続言語として英語又はスウェーデン語を選択することが可能となりまし た。 (2)出 願 後 特 許 付 与 ま で の 期 間 : ①出願人が英語を選択した場合、出願人はスウェーデン特許庁との間で 英語により手続きをすることが可能となりました。 ②スウェーデン特許庁からは、英語でもって通知等が発行され、出願人 は英語でもって特許庁に対して応答等をすることができます。 ③なお、出願人が英語を選択した場合、特許料の納付と同時にクレーム のスウェーデン語による翻訳文を提出する必要があります。 この場合、特許後、英語による書面とクレームのスウェーデン語翻訳 文が特許公報に掲載されるとのことです。 以上から、国内出願による出願形態によりスウェーデンにおいて発明 の保護を求める場合には、明細書等全体のスウェーデン語の翻訳文の 提出が不要となり、出願人にとってかなりの費用の節減が可能となる のではないかと思われます。 (3)そ の 他 、 EPC 出 願 経 由 ス ウ ェ ー デ ン 国 を 指 定 し た 場 合 : スウェーデン国で発明の保護を求める場合、 ①パリルート出願により、直接スウェーデンに出願する方法、 ② PCT 出 願 を 経 由 し て 、 ス ウ ェ ー デ ン 国 内 移 行 出 願 す る 方 法 、 及 び ③ パ リ ル ー ト に よ る EPC 出 願 若 し く は PCT 出 願 を 経 由 し て EPC 出 願 に より、スウェーデンを指定国とする方法が、考えられます。 EPC 出 願 に よ り 、 ス ウ ェ ー デ ン 国 を 指 定 国 と し て 発 明 の 保 護 を 求 め る 場 合 、 従 来 は EPC 出 願 が 特 許 に な っ た 場 合 に は 、 EPC 特 許 明 細 書 等 全 体のスウェーデン語による翻訳文の提出が必要でした。 と こ ろ が 、出 願 人 の 費 用 負 担 の 軽 減 化 を 目 的 と し て 、2008 年 5 月 に 発 効 し ま し た ロ ン ド ン 協 定 ( London Agreement) に よ り 、 EPC 特 許 の ク レーム部分のみのスウェーデン語の翻訳文の提出により、即ち、明細 書 部 分 の ス ウ ェ ー デ ン 語 の 翻 訳 文 を 提 出 し な く て も 、 EPC 特 許 が スウェーデン国で有効に効力が生じるようになりました。 15 意匠制度 1.現行法令について 2012 年 8 月 1 日 ま で の 改 正 法 を 含 む 1970 年 意 匠 法 が 適 用 さ れ て い ま す 。 また、共同体意匠に関する 2002 年 12 月 12 日付の理事会規則第 6/2002 号に基 づき、共同体意匠出願によりスウェーデンで意匠を保護することも可能です。 2.意匠出願時の必要書類 (1)願 書 ( Request) 創作者及び出願人の住所、氏名、国籍。ロカルノ協定に基づく意匠の分 類及び物品名。優先権主張の情報(主張する場合のみ。国名、出願日、 出願番号)。 (2)図 面 又 は 写 真 ( Drawings/Pictures) 当業者が意匠を理解して実施できるように記載します。 (3)優 先 権 証 明 書 ( Priority Document) 要 求 さ れ た 場 合 に の み 提 出 し ま す 。自 発 的 に 提 出 す る 必 要 は あ り ま せ ん 。 (4)委 任 状 ( Power of Attorney) 公証、認証は不要です。 (5)譲 渡 書 ( Assignment) 創作者から出願人へ登録を受ける権利を譲渡した場合に必要となります。 (6)優 先 権 譲 渡 書 ( Assignment of Priority Right) 基礎出願とスウェーデン出願の出願人が異なる場合に必要となります。 (7)公 告 の 繰 延 べ 請 求 希望する場合には出願時に請求します。 最長で出願日から 6 ヶ月間、公告が繰り延べられます。 ★一意匠一出願が原則ですが、一セットの家具、衣類、ディナーセット 等 は 、 一 出 願 に 20 の 意 匠 を 含 め る こ と が で き ま す 。 ★一の意匠を、ロカルノ国際分類の複数の分類(クラス)に出願するこ とができます。 3 . 料 金 表 ( 単 位 : ス ウ ェ ー デ ン ・ ク ロ ー ネ ( SEK) で す 。) (1)出 願 料 金 ①一意匠一分類 1,900 ②一分類加算料金 500 ③一意匠加算料金 1,400 (2)見 本 の 保 管 料 金 800 (3)公 開 料 金 200 16 (4)回 復 料 金 500 (5)更 新 料 金 ( 5 年 毎 ) ①一意匠一分類 2,500 ②一分類加算料金 500 ③一意匠加算料金 1,400 (6)譲 渡 の 登 録 900 (7)ラ イ セ ン ス の 登 録 900 4.料金減免制度について(存在する場合) 料金の減免制度は採用されておりません。 5.実体審査の有無 意匠出願については方式審査のみ行われ、新規性等の実体審査は 行われません。 6.出願公開制度の有無 出願公開制度は採用されていません。 7.審査請求制度の有無 意匠出願についての実体審査は行われませんので、審査請求制度は ありません。 8.出願から登録までの手続の流れ(フローチャート及び期限等を含む説明) (1)意 匠 出 願 に つ い て は 方 式 審 査 の み が 行 わ れ 、 新 規 性 、 独 自 性 等 の 実 体 審 査は行われません。 (2)新 規 性 、 独 自 性 等 の 登 録 要 件 を 満 た し て い な い 場 合 に は 、 登 録 後 に 異 議 申立て、登録無効、登録取り消しにより、登録が取り消される場合があ ります。 (3)方 式 要 件 を 具 備 し た 場 合 に は 、 意 匠 出 願 は 登 録 さ れ 、 意 匠 公 報 で そ の 内 容が公告されます。出願時に公告の繰り延請求があった場合には、最長 で出願日から 6 ヶ月経過後に公告されます。 意匠公報での公告日から 2 ヶ月間、異議申立てが認められます。異議理 由とされる主な不登録事由は以下の通りです。 <不登録事由> ①意匠の定義に適合しない意匠 ②公知意匠と実質的に同一の意匠(新規性) ( 出 願 人 が 意 匠 を 公 衆 に 利 用 可 能 と し た 場 合 に は 、12 ヶ 月 の グ レ ー ス ピ 17 リオドが認められます) ③ 先 行 す る 他 人 の ス ウ ェ ー デ ン 登 録 意 匠 と 実 質 的 に 同 一 の 意 匠( 独 自 性 ) ④公序良俗に反する意匠 ⑤公的機関の紋章等と混同を生じるおそれがある意匠 <新規性について> ①新規性の要件: (a)出 願 日( 又 は 優 先 日 )前 に 、同 一 又 は 些 細 な 部 分 の み が 異 な る 意 匠 が、公衆の利用可能な状態に置かれていないこと。 (b)意 匠 は 、 登 録 、 出 展 、 販 売 の 申 出 、 他 の 方 法 で 公 表 さ れ 、 通 常 の 業 務 過 程 に お い て 、欧 州 連 合 内 で 関 係 す る 特 定 部 門 に 知 ら れ て い れ ば 、公 衆 の 利 用 可 能 な 状 態 に 置 か れ た も の と な る と 、さ れ て い ま す 。 ②新規性の判断: (a)意 匠 が 、欧 州 連 合 に お け る 専 門 家 の 業 界 内 で 先 に 公 知 と な っ て い た か否かだけが考慮されると、されています。 (b)ス ウ ェ ー デ ン に 出 願 し た 、未 公 表 の 先 の 特 許 出 願 や 商 標 出 願 又 は 意 匠 出 願 に 関 す る 意 匠 は 、出 願 書 類 が そ の 後 、公 衆 の 利 用 可 能 な 状 態 に置かれた場合には、公知とみなされます。 ③新規性喪失の例外: (a)意 匠 登 録 を 受 け る 権 利 を 有 す る 者 に よ る 意 匠 の 公 表 の 場 合 (b)意 匠 登 録 を 受 け る 権 利 を 有 す る 者 の 意 に 反 す る 行 為 に よ り 意 匠 の 公表の場合 (c)手 続 き ; こ れ ら の 行 為 に よ り 意 匠 が 利 用 可 能 な 状 態 に 置 か れ た 後 、 12 ヶ 月 以内に、出願がされていること (4)異 議 申 立 て 登録後公告日から 2 ヶ月以内に、不登録事由、新規性又は主体的適格性 を理由として、異議申立てをすることができます。 (5)不 服 申 立 て 最終的な拒絶査定に対しては、2 ヶ月以内に裁判所に控訴することがで きます。 18 出願から登録までの手続きの流れ ---------------------------------- 出 方式 願 審査 補正 指令 方式 具備 <出願日から 5 年> 登 録 公 告 <異議申立て可能> (公告日から 2 ヶ月) <無効・取消請求可能> -------------------------------- 満 了 < 最 長 25 年 > ----------------------------- 更 新 9.存続期間及びその起算日(権利の発生日) (1)意 匠 権 の 存 続 期 間 は 、出 願 日 か ら 5 年 で す 。 設 定 登 録 に よ り 発 生 し ま す 。 (2)請 求 に よ り 4 回 更 新 が 可 能 で す の で 、最 長 で 出 願 日 か ら 25 年 と な り ま す 。 10. 部 分 意 匠 制 度 の 有 無 部分意匠制度は採用されておりません。 19 11. 留 意 事 項 (1)意 匠 の 定 義 意 匠 と は 、物 品 又 は 物 品 を 構 成 す る 部 品 の 外 観 と 定 義 さ れ て い ま す 。「 物 品 」に は 、補 修 部 品( 使 用 時 に 視 認 可 能 で あ る 場 合 )、装 飾 品 、グ ラ フ ィ ックシンボル、タイプフェイスも含まれます。 (2)無 効 ・ 取 消 し 請 求 意匠登録が新規性、独自性等の実体的登録要件を満たしていないと判断 する者は、登録の無効、取り消しを請求することができます。請求理由 は、異議申立ての理由と同じです。 (3)共 同 体 意 匠 ( Community Design) に よ る 保 護 スウェーデンはEC加盟国ですので、共同体意匠の出願をすることによ り意匠の保護を受けることも可能です。 共同体意匠には、①登録共同体意匠、②未登録共同体意匠があります。 ① の 保 護 期 間 は 最 長 25 年 、② の 保 護 期 間 は 意 匠 が 公 衆 に 公 表 さ れ た 日 か ら 3 年間です。 20 商標制度 1.現行法令について 2011 年 7 月 1 日 施 行 さ れ た 2010 年 改 正 商 標 法 が 適 用 さ れ て い ま す 。 2.商標出願時の必要書類 商標及びサービスマークの出願に必要な事項及び書類は以下のとおりです。 (1)願 書 ( Request) 出願人の住所及び氏名、法人の場合は名称を記載します。 商品・サービスの表示及びそれらの属する区分、ニース協定による国際 分類を記載します。 一出願多区分制を採用しています。 (2)委 任 状 ( Power of Attorney) 要求された場合にのみ提出します。 (3)商 標 見 本 ( Mark) 1通、提出が必要です。 標準文字商標の場合には印刷物は不要です。 (4)優 先 権 証 明 書 ( Priority Document) 要求された場合にのみ提出します。 (5)そ の 他 ①音響標章の場合:楽譜、音響を録音したCDが必要です。 ②立体標章の場合:商標のひな形を要求される場合があります。 3 . 料 金 表 ( 単 位 : ス ウ ェ ー デ ン ・ ク ロ ー ネ ( SEK) で す 。) (1)出 願 ( オ ン ラ イ ン 出 願 ) ①1区分の場合 1,800 ②1区分加算料 900 (2)更 新 料 金 ( オ ン ラ イ ン 申 請 の 場 合 ) ①1区分の場合 1,800 ②1区分加算料 900 ③ 期 限 後 手 続 の 割 増 料 金 ( 1 区 分 当 た り ) 150 (3)譲 渡 料 金 900 (4)使 用 許 諾 登 録 料 金 900 (5)商 標 権 の 分 割 1,500 4.料金減免制度について(存在する場合) 減免制度は採用されていません。 21 5.実体審査の有無 商標出願は実体審査の対象となります。 6.出願公開制度の有無 出願公開制度は採用されていません。 7.審査請求制度の有無 商標出願は全件実体審査されますので、審査請求制度は採用されていませ ん。 8.出願から登録までの手続きの流れ (1)商 標 出 願 は 、 方 式 審 査 を 経 て 、 識 別 性 等 、 既 に 登 録 さ れ て い る か 否 か 、 又他の名称等と抵触するか否かについての実体的要件についての審査が 行われます。 (2)欧 州 の 国 々 で は 、 絶 対 的 事 由 に つ い て の み 審 査 を 行 い 、 相 対 的 事 由 に つ いて審査は行わず、異議申立てがあった場合にのみ審査をするという国 が多いですが、スウェーデンは絶対的事由及び相対的事由について審査 を行います。 「 絶 対 的 事 由 」と は 、商 標 が 識 別 力 を 有 す る か 否 か 等 に つ い て の 商 標 が 有 すべき本質的な事由をいいます。 「 相 対 的 事 由 」と は 、絶 対 的 事 由 と し て の 要 件 を 満 た し た 上 で 、更 に 他 人 の商標と抵触するか否か等についての事由をいいます。 (3)不 登 録 事 由 以下の標章は登録を受けることができません。 ①識別性のない標章 ②商品・サービスの品質、数量、用途、原産地等を表示する標章 ③国、国際的又は政府間機関の名称、略称、旗章、紋章もしくは記章か らなる標章 ④公衆を欺くおそれのある標章 ⑤公序良俗に反する標章 ⑥他人の氏名、芸名、肖像等を含む標章(他人の承諾ある場合を除く) ⑦他人の取引上の象徴と類似する標章(他人の承諾ある場合を除く) ⑧他人の登録商標と同一又は類似の標章 (4)出 願 さ れ た 商 標 が 不 登 録 事 由 に 該 当 す る と き は 、 出 願 人 に そ の 旨 が 通 知 され、意見書及び補正書を提出する機会が与えられます。 意見書及び補正書が提出されてもなお、不登録事由が解消されていない 22 と判断された場合は拒絶査定がなされます。 拒絶査定に対しては、2 ヶ月以内に特許控訴裁判所に抗告することがで きます。 (5)商 標 出 願 が 不 登 録 事 由 に 該 当 し な い と 判 断 さ れ る と 商 標 登 録 さ れ 、 公 告 されます。 商標登録の公告日から 3 ヵ月間は、誰でも異議申立てをすることができ ます。 (6)不 服 申 立 て ①出願人は、拒絶査定の決定日から 2 ヶ月以内に特許控訴裁判所に控訴 することができます。 ②商標権者は登録が無効とされた場合に、異議申立人は異議が理由なし との決定を受けた場合に、それぞれ決定の日から 2 ヶ月以内に特許控 訴裁判所に控訴することができます。 23 出願から登録までのフローチャート 出 方式 願 審査 実体 審査 拒絶 理由 <意見書・補正書> No 解 拒 絶 査 定 --------------------- 消 Yes (2 ヶ 月 以 内 ) 認容 決定 特 許 控 訴 裁 判 所 -------------<登録料納付> 登 公 録 告 <異議申立て可能>(公告日から 3 ヶ月) <不使用取消請求> (継続して 5 年間) 満 了 (出 願 日 か ら 10 年 ) 更 新 24 9.存続期間及びその起算日(権利の発生日) (1)商 標 権 の 存 続 期 間 は 、 出 願 日 か ら 10 年 で す 。 商標権の設定登録により発生します。 (2)存 続 期 間 は 、 更 新 出 願 に よ り 10 年 間 毎 に 更 新 す る こ と が で き ま す 。 10. 出 願 時 点 で の 使 用 義 務 の 有 無 出願時点での商標の使用義務はありません。 11. 保 護 対 象 (1)商 標 と は 、 あ る 企 業 の 商 品 、 サ ー ビ ス を 他 の 企 業 の そ れ ら と 識 別 す る こ とが可能で、視覚的に表示することができる標識と定義されています。 従いまして、言葉、図形、文字、数字、立体形状、音響、臭覚等も商標 登録可能です。 (2)保 護 さ れ る 商 標 ①色彩商標 色彩のみの場合、又は色彩の組み合わせの場合、登録可能です。 ②立体的商標 例えば、商品又は商品の包装の形状の場合です。 但し、商品の技術的効果を得るために必然的に必要とされる形状のみ の場合は、登録を受けることはできません。 ③団体商標、④証明商標、⑤音響商標、及び⑥味覚商標 12. 留 意 事 項 (1)欧 州 共 同 体 商 標 制 度 に よ る 保 護 ( Community Trade mark) (CTM) ス ウ ェ ー デ ン は 欧 州 共 同 体 商 標 の 加 盟 国 で す の で 、こ の 制 度 を 利 用 し て 商 標 の保護を求めることができます。 欧 州 共 同 体 商 標 制 度 と は 、 欧 州 連 合 国 ( European Union ) に お い て 、 一 の 出願及び登録によって、一の商標権の取得を得ることができる制度です。 (2)国 際 商 標 登 録 に よ る 保 護 ( マ ド プ ロ ) スウェーデンはマドプロの加盟国ですので、日本での商標登録出願を基 礎として、この国際商標登録出願においてスウェーデンを領域指定する ことにより、スウェーデンにおいて商標の保護を得ることができます。 (3)デ ィ ス ク レ ー マ ー 制 度 標章が識別性のない部分を含んでいる場合に、当該識別性のない部分に ついて権利放棄をして商標登録を受けることが可能とする制度です。 (4)不 使 用 取 消 し 制 度 登 録 後 、継 続 し て 5 年 間 登 録 商 標 を 使 用 し て い な い 場 合 に は 、不 使 用 を 25 理由とする第三者の請求により商標登録が取り消される場合があります。 当該請求前に誠実な使用を開始した場合には登録商標の使用とみなされ ますが、当該請求の 3 ヶ月以内の使用開始は登録商標の使用とはみなさ れません。 (5)無 効 ・ 取 消 し 制 度 商標が登録要件に違反して登録された場合には、利害関係人の請求によ り登録が取り消される場合があります。先行商標の存在を理由とする無 効請求については、先行商標権者が後発の商標権者の使用を 5 年間黙認 していた場合には、登録を取り消すことはできません。 (6)商 標 権 の 分 割 登録商標は、商品、サービス毎に分割することができます。 一部の商品、サービスについて登録の取り消しを請求された場合に対応 できるようにするためです。 (7)コ ン セ ン ト 制 度 他人の商標と類似する出願は、拒絶されます。 しかし、その他人の商標の所有者から商標を登録することに同意する旨 を 記 載 し た レ タ ー ( Consent Letter) を 得 て 、 特 許 庁 に 提 出 す る こ と に より、審査官は拒絶理由を撤回する制度をいいます。 26
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