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『手軽にできる経費削減の方法』
■何から経費を削減すべきか
『年を追う毎に競合との競争が激しくなり、売上も利益も思うように出なくなってきた。
何とか経費を削減して利益確保をしよう。』こんなことを考えている経営者の方が多いので
はないでしょうか。
ビジネス書などにも書かれていますが、経費削減は何から手をつけてもいいと言うことで
はなく、実行する優先順位というものがあります、優先順位が高く一番最初に手をつける
べき経費削減項目は、「経費削減により顧客や従業員に影響が無い」ことで、なおかつ「経
費削減効果が継続的に持続するもの」です。その代表的なものが交通通信費で、企業はま
ず出張の抑制と行ったものから手をつけはじめます。
今回は、この交通通信費に焦点をあててコスト削減方法を考えていくことにします。
1回目 「固定電話が変わる。直収型電話サービスで通話料を半分に」
2回目 「携帯電話が変わる。PHS の定額通話サービスで電話代をとことん減らす」
3回目 「会議が変わる。もう出張は要らない。無料のオンライン会議でここまで意思疎
通ができる」
第1回目は、通信分野の中でも最近の技術進歩が激しい「固定電話」について考えてみる
ことにします。
■固定電話について
IP 電話という言葉が耳にされて久しくなりました。電話代が安くなると言うことで、ADSL
でインターネットをされている方が一緒に IP 電話を導入してご家庭で利用されている方が
増えてきています。その一方で企業の固定電話は相変わらず NTT の回線を利用していると
ころが多いようです。
IP 電話については、「仕組みがよく分からないので仕事に使うには不安」「これまでの電話
番号が変わると困る」「電話工事があると煩わしい」こんな理由から端から選択肢から外し
ている経営者の方も多いと思います。しかし、先ほどの経費削減の優先順位から考えると、
固定電話のコスト削減は、顧客にも従業員にもマイナス面はなく、なおかつ、一度コスト
を下げることができれば継続的にその恩恵を受けることが可能になる最も優先すべき経費
削減項目です。
IP 電話や最近話題になってきた「直収型電話サービス」について、皆さんの疑問を取り除
けるよう分かりやすくご説明していきます。
■IP 電話と直収型電話
音声通信の新しいサービスには大きく分けて、「IP 電話」と「直収型電話」というものが
あります。簡単にご説明しますと、IP 電話はこれまでの電話とは異なる IP という技術を
使った全く新しい電話サービスだとお考えください。それに対して「直収型電話」という
のは、電話回線などは全く今のままで、NTT 以外の会社が NTT から電話回線を借りてサ
ービスを提供しているものです。電話代の請求書は NTT からではなく回線を借り受けてい
る会社から直接請求されるため「直収型」という言葉が使われています。
今回は、企業でも導入が比較的簡単でリスクが少ない「直収型電話」についてご紹介して
いきたいと思います。
■直収型電話のサービス提供者
「直収型電話」サービスを提供している会社には、皆さんおなじみの KDDI の「メタルプ
ラス」や日本テレコムを買収したソフトバンクの「おとくネット」、そして平成電電の
「CHOKKA(ちょっか)」などがあります。この中から今回は私も加入している「平成電
電の CHOKKA」を例をとって、企業の電話料金をどれほど下げることができるかを比べて
いきたいと思います。
■実際の導入事例(自宅を NTT から CHOKKA に変えてみました)
さて、私が NTT から平成電電に乗り換える時に重視したのは次の3つでした
1『長距離の通話料金を安くしたい』
なんと言ってもコストは抑えたい。全国のいろいろな方とお話しをするので、全国一律
で料金の安いものが希望でした。
2『電話番号を変えたくない』
これまで取引のあった顧客に対してマイナスの影響があまりにも大きいことなので、電
話番号を変えるというのは絶対に避けたいと考えていました。今までと同じ電話番号が使
えることが必須条件でした。
3『音質がいいこと』
以前、私は ADSL のインターネットサービスを使っており、併せて IP 電話も利用して
いました。しかし、電話局から離れていたため回線スピードはあまり速くはなく、インタ
ーネットで大量のデータをやりとりしているときに IP 電話を使うと、通話がまともにでき
ないほど音質が悪くなってしまいました。仕事の話をする際に音質が悪くて聞き取れない
というのでは役に立ちません。これも必須条件として挙げていました。
これらの条件をすべて満たすものが直収型電話サービスでした。実際に私が申込をした際
にも、アナログ回線の場合自宅での工事は一切不要で、NTT 内での回線切り替えが終わっ
た後に、一度だけ電話と FAX の送受信を確認してそれで工事完了です。電話番号も以前に
使っていたものと変わりませんし、電話機もそのままです。本当に直収型電話に切り替わ
ったのかは、請求書を受け取るまで忘れていたほどでした。インターネットについては
ADSL から光接続に乗り換えることを考えていました。このとき NTT の固定電話契約を解
除しても NTT の B'flets サービスが使えるかどうかが心配だったのですが、実際には直収
型電話とインターネットの光接続サービスは全く別物なため、NTT との固定電話の契約が
無くても、B'flets の光接続サービスを利用することは可能でした。
実際に私の家では、固定電話は平成電電の CHOKKA、インターネットは NTT の B'flets 光
を利用しており何ら問題は起きていません。
さて、直収型電話も決していいことばかりではありません。次のような条件の方は、導入
前に切り替えて問題がないか確認が必要になります。
1.ADSL サービスをこれまで利用していた場合、直収型電話に切り替えると基本的には
現在利用しているプロバイダーは使えなくなってしまいます。
2.0077(携帯宛電話)や 0180(テレドーム)、0570(ナビダイヤル)0990(ダイヤル
Q2)といった4桁から始まる番号にかけることができない
3ホームセキュリティやスカパー!を利用している。(上記の4桁番号が使われている可能
性があります)
どうしても今使っているプロバイダーのメールアドレスを変えたくないときなどは、直収
型電話に切り替えるのは止めた方がいいでしょう。
■料金比較
法人契約の場合、NTT のマイラインと平成電電の CHOKKA でどのような料金の差がある
のか比べてみたのが下の表です。
会社名
サービス名
NTT 東西
平成電電
備考
マイライン
CHOKKA
基本料金
¥2,500
¥2,410
¥8.5
¥6.8
県内 市外3分
¥20∼¥60
¥6.8
県外3分
¥20∼¥60
¥6.8
携帯電話へ3分
¥55∼¥66
¥49.5(¥30)
(モバイル電電登録時:月額¥100)
携帯電話から3分
各社料金
各社料金(¥30)
(モバイル電電登録時:月額¥100)
アナログ3級局
市内3分
市外通話に関しては半分以下の料金になります。携帯から CHOKKA 加入電話へのコール
も毎月 100 円の定額料金を支払うことで 3 分 30 円と公衆電話並みに下げることが可能で
す。
また、月額 600 円の固定料金を支払うことによって CHOKKA 加入電話同士のかけ放題サ
ービスもあります
・具体的にどのような企業に直収型電話は向いているのか?
「営業所間の電話が多い」
→月額 600 円を支払うことによって、相互間の電話がかけ放題になります、営業所間の
内線代わりに利用するといった使い方が可能です。
「市外への電話が多い」
→一部の大都市の企業を除き、取引先など電話をかける相手が市内のみということは少
ないかと思います。市外電話をかける機会が多いほど導入によるコスト削減の効果は大き
いものになります。
実際に料金をシミュレーションしてみましょう。
例えば、県外の営業所(距離 30km)間の電話が 1 日に1時間(3 分×20 回)あり、
県外の顧客(距離 10km)との電話が 1 日に 2 時間(3 分×40 回)
営業担当者の携帯電話への電話が 1 日 30 分あったとします。(3 分×10 回)
基本料金は双方ほとんど変わりませんのでこれを無視をして通話料金のみを比較してみま
す。
◇通話時間例(回数)
県外通話(20km∼60km) 1 時間×20 営業日=20 時間(3 分×400 回)
県外通話(隣接∼20km) 2 時間×20 営業日=20 時間(3 分×800 回)
携帯電話通話 30 分×20 営業日=10 時間(3 分×200 回)
◇通話料金
NTT 東西
県外通話(20km∼60km) 30 円×400 回=12000 円
県外通話(隣接∼20km) 20 円×800 回=16000 円
携帯電話通話 55 円×200 回=11000 円
トータル 39000 円
直収型電話(平成電電の場合:モバイル電電加入)
県外通話(20km∼60km) 6.8 円×400 回=2720 円
県外通話(隣接∼20km) 6.8 円×800 回=5440 円
携帯電話通話 30 円×200 回+100 円(固定料金)=6100 円
トータル 14260 円(63.4%OFF)
決して極端な通話時間例ではないと思います。企業規模や業界によって電話を利用する頻
度は異なりますが、
通話料がこれまでの半額以下になるというのは驚きです。
皆さんの会社の通信費はどれぐらいかかっていますか?もしそれが半額になったら浮いた
お金を何に使いますか?通信費であれば誰にも迷惑はかかりません。せっかく浮いたキャ
ッシュです、もし余裕があれば売上アップのために投資することをお勧めします。
固定電話のコスト削減についてもっと知りたい方はお問い合わせください。
次回は PHS の定額通話サービスによる携帯電話のコスト削減についてお伝え致します。