秋 田シル バー 健康 倶楽 部 任意団体 が本 県の課題解決に取り組む 高 齢化、病気、人口問題 など 昨 年 10月 、 秋 田 県 の 三 大 課 題 へ の 取 組 み と 社 会 貢 献 の 啓 発 活 動 を 目 的 に 「 秋 田シルバー健康倶楽部」(代表/近藤博さん)が設立された。活動期間は東京オ リ ンピ ック ・パ ラ リン ピック が開 催 さ れる 20 2 0年 12月 末 日 ま で。 秋 田 シ ル バ ー 健 康 倶 楽部 は、「秋 田県 の課 題 に 取組 み 、 ボ ランテ ィ ア活 動 や 社 会 貢 献 を しよう」 と昨年 10 月 に設立 された任意団 体。代表 は近藤博さん 。現在賛助 会 員 を 合 わせ、 約140名 が参加 している。 主 な 活 動は 本県 の 三大課題への 取組みと社会貢献の啓発活動 。 本県の三大課題とは、一つに「高齢者課題」が挙げられる。同団体代表の近藤 さ ん に よ る と 、 本 県 は 65 歳 以 上 が 32 万 5 千 人 を 超え 、 日本 一 の 高 齢者 率 で あ る こ とか ら 、今 後高 齢者が住 みよ い文化を構築するこ とが 求められ るという。 ま ず は 高齢 化社会 の実態 を把握 すること が必要 で、全県的 な「高齢者意識調 査」 を実施するように行政に協力を求める。また、冬期間運動不足になりがちな高齢 者の健康を維持・強化するために、体育施設や保養施設を開放する。ほかにも、 行政に対し、各高齢者対策協議会などの議事録の公開要請や、公的機関の高齢者 へのパソコン利用の強制をしないように求めるなど、高齢者が住みやすい環境を 構 築 し ていく。 さ ら に 同 団 体 で は 、「 花 の 人 」 賞 、「 こ と ば の 遺 産 」 と い う 独 自 の 活 動 を 考 案 。 「花の人」賞とは、知恵やユーモアのある人、人のためにより良い活動をしてい る など 、 職場や 地域 から推薦 され た県内在住 の 80 歳以上 の男女を誕生日 の花言葉 とともに表彰するもので、同団体の活動期間中に100人の高齢者を表彰するこ と を 目 標 にし ている という。 「ことばの遺産」とは、高齢者が長年培ってきた経験を文書として保存しよう という事業。近藤さんは「故人の英知は人間の文化そのもの。しかし、形に残さ ず に 亡 く なっ てしま ってはあ まりにもったいない」と話 す。 同事業では、高齢者を対象として生涯に一回限り、希望者から原稿用紙1枚程 度にまとめた原稿を提出してもらい、市町村の公的機関のパソコンに保存。内容 は原則自由公開とし、友人や家族がいつでも閲覧できるようにする。優れた体験 に満ちている高齢者の人生を言葉として残すことで、次世代へと受け継いでいき た い 考 え 。今 後 、行政の協力 を呼 びかけて いくという。 第二の課題として挙げられるのは「健康と病気」について。本県は脳梗塞やが ん死亡者、うつ病患者数などが全国でも高く、早期対応が求められている。同団 体では、県と医師会の協力で研究所機関を設置するなど、悪性疾病の本格的な解 明 、 解 消 に取 り 組むこと を求めて いくとしている。 第 三 の 課 題 と し て は 、「 人 口 の 安 定 」。 本 県 で は 、 歯 止 め が か か ら な い 人 口 減 少 が 毎 年 問題 にな っ て いる。 同団 体 では 、解決 には斬新 な発想が必要 だとし、「老 人 パラダイス構想」を策定した。具体的には、毎年全国から、減少人口と同等の約 1万人の高齢者などを受け入れる。さらに、老人医療や福祉、介護などの関連企 業を誘致し、先端技術の拡充や雇用の充実を図ることで若者の地元定住の安定化 に もつ な げた い という。 近 藤さ ん は 今後 の 活動に つ いて 、「 本県が持つ 課題 をひとつ一 つ解決してい くこ と で 、 今 より も生き 生きと した社会になって 欲しい」と 抱負を 語った。 高齢化や人口減少などさまざまな課題に直面する本県において、積極的に解決 に取り組む団体が登場したことは明るい兆しだと言えるだろう。今後行政との協 力 に 注 目 が集 まり そうだ 。
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